JP2010014586A - 便検体中ヘモグロビンの測定方法及び測定試薬キット - Google Patents

便検体中ヘモグロビンの測定方法及び測定試薬キット Download PDF

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Abstract

【課題】 金コロイド凝集法やラテックス凝集法等の免疫学的測定方法による便検体中のヘモグロビンの測定方法においては、不特定の検体で異常値を示すことが確認されている。そのため、このような異常値を示す検体であっても精度の高い測定が可能となる、便検体中のヘモグロビンの測定方法の開発が望まれていた。
【解決手段】 便検体中のヘモグロビンを測定する免疫学的測定方法であって、抗ハプトグロビン抗体を反応系中に共存させることを特徴とする、便検体中のヘモグロビンの測定方法、並びに、抗ヘモグロビン抗体を担持した担体を含有する試薬及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、或いは抗ヘモグロビン抗体を担持した担体及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、便検体中のヘモグロビン測定用試薬キットの提供。
【選択図】 なし

Description

本発明は、便検体中のヘモグロビンを精度良く測定することを可能とした、新たな便検体中ヘモグロビンの測定方法及び測定用キットに関する。
近年、大腸癌などの下部消化器疾患の検査法の1つとして、消化器からの糞便中への出血の有無を、血液の主要蛋白であるヘモグロビンの免疫学的測定により確認することが行われている。免疫学的測定方法には、RIA法、EIA法、免疫比濁法、ラテックス凝集法あるいは金コロイド凝集法など多くの方法があるが、とりわけ、ラテックス凝集法および金コロイド凝集法は操作が簡便なため、測定の自動化が進み、ヘモグロビン測定の中心となっている。
金コロイド凝集法やラテックス凝集法のような直接凝集によるヘモグロビン測定方法においては、測定値がヘモグロビン濃度とともに増加するので、ヘモグロビンが一定の濃度範囲にあるときには直線性が期待できる。しかしながら、測定対象であるヘモグロビンが過剰に存在すると、期待通りの直線性が維持できずに低濃度とおなじような測定値(異常低値)を示すことがある。このような偽陰性反応は凝集反応のプロゾーン現象やフック作用と呼ばれ、さまざまな対策が試みられてきた(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
また、糞便試料中に含まれるヘモグロビンを測定するには、検査施設まで試料を輸送する必要がある。試料中のヘモグロビンは、常に強い変性・分解作用を持つ糞便成分と共存しているため、抗原としての構造を維持すことが困難な状態にある。変性や分解を受けたヘモグロビンは、測定時の誤った測定結果につながりかねない。よって、このようなヘモグロビンの変性や分解を防ぐため、各種安定化剤の添加や安定化技術の改良が行われてきた(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10)。
しかしながら、上述の如き改良された測定方法を用いたとしても、糞便試料の中には、正常値からかけ離れた測定値を示すものが稀に存在していた。即ち、一般に、金コロイド凝集法やラテックス凝集法による糞便試料中のヘモグロビンの測定方法における測定では、試料を希釈して測定した測定値(希釈測定値)に希釈倍数を乗じた値は、希釈せずに測定した値(未希釈測定値)と一致する。しかしながら、不特定の糞便試料においては、未希釈測定値が、希釈測定値に希釈倍数を乗じた値に比べて著しく低い値(異常低値)を示すものが存在することが確認されていた。そのため、このような異常低値を示す糞便試料であっても精度良く測定できる測定方法の開発が望まれていた。
特開平9−281104号公報 特開平6−324043号公報 特開平4−351962号公報 特開平6−341989号公報 特開平9−119931号公報 特開昭63−246667号公報 特開平3−279859号公報 特開平5−281226号公報 特開平5−281227号公報 特開平7−229902号公報
上述の如く、金コロイド凝集法やラテックス凝集法等の抗ヘモグロビン抗体を担持した担体を用いた糞便検体(便検体)中のヘモグロビンの測定方法においては、少数ではあるが不特定の検体で異常値を示すことが確認されていた。その原因は何らかの夾雑物質の存在と考えられたが、その検体数が少ないため、その原因の特定は困難であり、該夾雑物質の影響を回避したヘモグロビン測定方法の開発も非常に困難であった。しかしながら、本願発明者らは鋭意研究を重ね、その過程で、ヒト血漿中に存在する糖タンパク質で、ヘモグロビンとすみやかに結合し得るハプトグロビンに注目し、特定の便検体においては糞便中にハプトグロビンが多く存在しヘモグロビンの測定に影響を及ぼしている可能性があると推測した。そして、ヘモグロビン溶液にハプトグロビンを添加した場合の挙動を検討したところ、これら異常便検体と同様の挙動が見られた。そこで、測定系に抗ハプトグロビン抗体を共存させて、上記ヘモグロビン測定方法で異常値を示す便検体中のヘモグロビン測定を行った結果、従来の方法では異常低値を示す検体であっても、精度の高い測定が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)便検体中のヘモグロビンを測定する免疫学的測定方法であって、抗ハプトグロビン抗体を反応系中に共存させることを特徴とする、便検体中のヘモグロビンの測定方法、並びに(2)抗ヘモグロビン抗体を担持した担体を含有する試薬及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、或いは抗ヘモグロビン抗体を担持した担体及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、便検体中のヘモグロビン測定用試薬キットに関する。
なお、ハプトグロビンはヒト血漿中に存在する糖タンパク質であり、血液内でヘモグロビンを回収する役割を担っているものと考えられている。赤血球から溶血などによって血液中に放出されたヘモグロビンは、すみやかにハプトグロビンと結合しヘモグロビン−ハプトグロビン複合体を形成し、該複合体は、ヘモグロビン単体よりも安定であることが知られていた。そのため、ヘモグロビン−ハプトグロビン複合体自体を免疫学的に測定する方法やハプトグロビンをヘモグロビンの安定化剤として添加することも知られていたが、糞便中に通常量存在してもヘモグロビンの免疫学的測定に影響を及ぼすことがなかったため、糞便中に多量に存在する場合ヘモグロビンの免疫学的測定にどのような影響を及ぼすかは知られていなかった。
本発明の方法によれば、従来の方法では異常な測定値を示す検体であっても精度良く便中のヘモグロビン測定を可能となる。即ち、検体中の特定の夾雑物質量の変動に影響されずに精度の高い便中のヘモグロビン測定を可能とする。
本発明に係る抗ハプトグロビン抗体としては、ハプトグロビンと親和性を有するものであれば市販品でも常法により適宜調製されたものでもよく、また、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、夾雑物質となるハプトグロビンをより多く捕獲することができるので、ポリクローナル抗体が好ましい。なお、本発明に係る抗ハプトグロビン抗体は、ハプトグロビンのみならずその分解物、例えばSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法による分子量10〜40kDa(具体的には例えば15,18,24,40kDa等)のハプトグロビン由来のタンパク質等と親和性を有するものも含まれる。
上記モノクローナル抗体としては、その由来は特に限定されず、市販品、或いは自体公知の方法〔Eur. J immunol, 6, 511(1976)〕等によって産生された、上記した如き性質を有するものは全て使用可能である。また、モノクローナル抗体は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
上記ポリクローナル抗体としては、その由来についても特に限定されないが、例えば、兎、馬、羊、山羊、ラット、マウス等に由来する、上記した如き性質を有するものが挙げられる。市販のものを使用しても良いし、また、動物抗血清から公知の方法(例えば、「タンパク質精製法,Robert.K.Scopes著,シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社,1985年,37頁〜179頁」等に記載された方法等。)で取得されるものを使用しても良い。また、上記ポリクローナル抗体は、2種以上を適宜混合して用いても良い。
なお、上記モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体においては、抗体を、パパイン等で部分分解して得られるFabフラグメント、ペプシン等で部分分解して得られるF(ab’)フラグメント、F(ab’)フラグメントを還元処理して得られるFab’フラグメント等の、所謂抗体フラグメントも抗ハプトグロビン抗体に含まれる。尚、このようなフラグメントとして使用した方が、ヘモグロビン測定時における非特異的反応を回避し易くなるのでより好ましい。
抗ハプトグロビン抗体において、当該抗体を含む試薬は通常溶液であるが、使用時には検体溶液と混合することにより、又は、希釈溶液を添加することにより希釈されるため、その試薬溶液中の含量は、本発明のヘモグロビンの測定の項で後述する抗ハプトグロビン抗体の使用量の範囲内となるような濃度であれば特に限定はされないが、具体的には例えば、試薬使用時に2倍に希釈して用いられる場合、試薬中の抗ハプトグロビン抗体の濃度は、抗体がポリクローナル抗体の場合、通常2〜500μgAb /mL、好ましくは4〜200μgAb /mLであり、抗体がモノクローナル抗体の場合、通常10〜1000μgAb /mL、好ましくは50〜500μgAb /mLである。また、該試薬溶液で用いられる溶媒としては、抗ハプトグロビン抗体がハプトグロビンに結合するのを妨げないものであればよく、例えばpH5.0〜10.0、好ましくはpH6.5〜8.5の中性付近に緩衝作用を有する、例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液、グリシン緩衝液、ホウ酸緩衝液等が好ましく挙げられる。該緩衝液中の緩衝剤濃度としては、通常10〜500mM、好ましくは10〜300mMの範囲から適宜選択される。また、この溶液は、上記抗ヘモグロビン抗体がヘモグロビンに結合するのを妨げない量であれば、例えば糖類、NaCl等の塩類、界面活性剤、防腐剤等が含まれていてもよい。
本発明に係る担体としては、通常この分野で免疫学的測定に用いられる担体であればいずれでもよく、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリクロロカーボネート、シリコーン樹脂、シリコーンラバー等の合成高分子化合物、多孔性ガラス、スリガラス、アルミナ、シリカゲル、活性炭、金属酸化物等の無機物質、金コロイド等が挙げられ、金コロイド、ラテックス等が好ましく、金コロイドが特に好ましい。また、これら担体は、チューブ、ビーズ、ディスク状片、粒子、マイクロプレート等多種多様の形態で使用し得る。また、該担体は、市販のものを用いても、公知の方法を用いて製造したものを用いてもよい。例えば金コロイドの場合、塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Phys.Sci.,vol.241,20,1973)等により調製されたものを用いることができる。本発明に係る担体の大きさは特に限定されないが、平均粒径が小さいもの、即ち、単位重量あたりの表面積が大きいものが、抗体を効率良く担時させることができるので好ましく、例えば金コロイドの場合、通常20〜90nm、好ましくは30〜70nmの範囲のものが用いられ、例えばラテックス粒子の場合、通常0.05〜2.4μm、好ましくは0.05〜1.0μmの平均粒径のものが用いられる。
本発明に係る抗ヘモグロビン抗体としては、ヘモグロビンと親和性を有するものであれば、市販品でも常法により適宜調製されたものでもよく、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であっても何れでもよいが、精度の高いヘモグロビン測定が可能となるため、選択性の高いモノクローナル抗体が好ましい。該モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の由来、取得方法、好ましい態様等は、抗ハプトグロビン抗体の項で説明したものと同じものが挙げられる。
本発明に係る抗ヘモグロビン抗体を担持した担体(以下、本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体と略記する場合がある)は、上記抗ヘモグロビン抗体を上記担体に自体公知の方法に準じて担持させればよい。担体中の抗ヘモグロビン抗体量は、その担体により異なるが、担体1gに対して通常0.5〜2000mgAb、好ましくは2〜500mgAbとなるように調製され、例えば担体が金コロイドの場合、抗ヘモグロビン抗体含量は、金コロイド1gに対して通常0.5〜200mgAb、好ましくは10〜150mgAbであり、担体がラテックスの場合、ラテックス1gに対して通常0.5〜2000mgAb、好ましくは2〜500mgAbである。
本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体は、試薬として提供される場合、通常溶液中で保存され、その溶液中の抗ヘモグロビン抗体担持担体含量としては、用いられる担体の種類により異なるが、通常0.001〜10w/v%、好ましくは0.005〜5w/v%であり、例えば担体が金コロイドの場合、通常0.001〜0.05w/v%、好ましくは0.005〜0.02w/v%であり、担体がラテックスの場合、通常0.1〜10w/v%、好ましくは0.2〜5w/v%である。該溶液の溶媒としては、通常この分野で用いられる緩衝液であれば特に限定されないが、通常pH5.0〜10.0、好ましくはpH6.5〜8.5の中性付近に緩衝作用を有するもの、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等が好ましく挙げられる。尚、使用する不溶性担体の性質によっては、懸濁液の状態で放置しておくと自然凝集を起こしやすいものもあるが、このような場合には、弱アルカリ性のグリシン緩衝液、ホウ酸緩衝液等を使用して懸濁液を調製する方が保存安定性の面から好ましい。また、これらの緩衝液の緩衝剤濃度としては、通常10〜500mM、好ましくは10〜300mMの範囲から適宜選択される。
本発明に係る担体に本発明に係る抗ヘモグロビン抗体を担持させる方法としては、通常この分野で利用される自体公知の担持方法であればよく、例えば、抗ヘモグロビン抗体を担体に物理的に吸着させて抗ヘモグロビン抗体を担体に担持させる、所謂物理的吸着法〔特公平5-41946号公報、スミロン テクニカルレポート,SUMILON ELISAシリーズ 1 ELISA測定法の紹介,住友ベークライト(株)発行、スミロン テクニカルレポート,SUMILON ELISAシリーズ 2 ELISA製品の固相表面,住友ベークライト(株)発行等〕が、代表的なものとして挙げられるが、この分野で用いられる化学結合を用いる方法を用いても抗ヘモグロビン抗体を担体に担持させることができる。
例えば金コロイドを担体として用いる場合、以下の如くして抗ヘモグロビン抗体を担持させればよい。即ち、金コロイド1mgに対して通常0.5〜200μgAb、好ましくは10〜150μgAbの抗体を反応させる。具体的には、0.2N炭酸カリウムで適当なpHに調整した金コロイド液に抗ヘモグロビン抗体を添加し数分放置後、例えばカーボワックス20M等の分散剤を添加して遠心分離等により抗体担持コロイド粒子を分取することにより得られる。尚、得られた抗ヘモグロビン抗体担持金コロイドは、例えば牛血清アルブミン(BSA)等の適当なタンパク質を含有する溶液中に分散させて保存すればよい。尚、上記反応に於いて用いられる緩衝液は、金コロイドと抗ヘモグロビン抗体との結合反応を阻害しないものであればその種類、濃度、pH等は特に限定されない。
また、例えばラテックス粒子に本発明に係る抗ヘモグロビン抗体を担持させる場合、以下の如くして抗ヘモグロビン抗体を担持させればよい。即ち、本発明に係る抗ヘモグロビン抗体を通常0.05〜2mg/ml、好ましくは0.1〜1mg/ml含む緩衝液等の溶媒中にラテックス粒子を通常0.1〜10w/v%、好ましくは0.2〜5w/v%となるように添加、懸濁させ、通常5〜30℃で通常2〜3時間反応させた後、この分野で行われる後処理、例えば遠心分離、例えば牛血清アルブミン(BSA)等の適当なタンパク質を含有する溶液を用いるブロッキング処理等の処理を行うことにより担持させることができる。
便検体抽出液とは、便検体中の成分を含む液であればよく、具体的には、便検体を溶解した液又は懸濁した液等であり、溶解又は懸濁に用いられる溶液としては、ヘモグロビンを溶解し得るものであればよく、例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液等が挙げられ、そのpHや濃度は通常この分野で用いられる範囲であれば特に限定はされない。
本発明の便検体中のヘモグロビンの測定方法(以下、本発明の測定方法と略記する場合がある)は、上記抗ハプトグロビン抗体を反応系中に共存させることによりなされる免疫学的測定であるが、該免疫学的測定方法(本発明に係る免疫学的測定方法)としては、具体的には例えば逆受身凝集反応法、免疫比ろう法、免疫比濁法、免疫比色法等の免疫凝集法、ラジオイムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ法、エンザイムイムノアッセイ法、固相酵素免疫測定法、蛍光・発光免疫測定法等が好ましく、中でも免疫比ろう法、免疫比濁法、免疫比色法等の免疫凝集法等が好ましく、免疫比濁、免疫比色法がより好ましく、免疫比色法が特に好ましい。尚、免疫比色法の中でも、金コロイドを用いた免疫比色法が特に好ましい。
本発明に係る免疫測定法は自体公知の方法に準じて行えばよいが、例えば、逆受身凝集反応法を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.36-37」、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.844-845」等に、例えば、免疫比ろう法を用いる場合には「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.851-853等」等に、免疫比濁法を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.853-854」等に、免疫比色法を用いる場合には、「特開平6-94719号公報」に記載の方法に準じて行えばよい。また、凝集反応を応用した測定法である、ラジオイムノアッセイ法(RIA)を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.57-61」「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.856-862」等に、イムノラジオメトリックアッセイ 法(IRMA)を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.856-862」等に、エンザイムイムノアッセイ法(EIA)を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.62-65」、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.862-865」、「特開昭56-106154号公報」、「特開昭58-23796号公報」等に、固相酵素免疫測定法(ELISA)を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.1145-1149」等に、蛍光・発光免疫測定法を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.865-867」等に記載の方法に準じて行えばよい。
本発明に係る免疫学的測定方法に於いては、本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体と便検体抽出液とを反応させて生じる凝集反応に由来する光学的変化に基づいた測定方法が好ましい。該光学的変化としては、例えば吸光度、蛍光強度、発光度の変化等この分野で用いられるもの全てが挙げられるが、凝集の測定のしやすさから吸光度が好ましい。但し、測定される光学的変化は用いられる担体に応じて適宜選択すればよく、光学的変化を測定するための吸収波長、励起波長、蛍光波長、発光波長等も用いられる担体に応じて適宜選択すればよい。例えば担体として金コロイドを用いる場合には、500〜550nmの吸光度の変化を測定するのが好ましく、ラテックスを用いる場合には、通常340〜1000nm、好ましくは500〜900nmの吸光度変化を測定するのが好ましい。
本発明に係る免疫学的測定方法における光学的変化としては、例えば以下の如くして求めればよい。
(1)抗ヘモグロビン抗体担持担体とヘモグロビンとの反応開始後、反応液の光学的測定を適当な間隔で2回行い、その測定値の差を光学的変化とする。
(2)抗ヘモグロビン抗体担持担体とヘモグロビンとの反応開始後の反応液の光学的変化率(特に、その最大変化率)を吸光度変化とする。
上記光学的変化の測定のうち、(1) 抗ヘモグロビン抗体担持担体とヘモグロビンとの反応開始後、反応液の光学的測定を適当な間隔で2回行い、その測定値の差を光学的変化とする方法がより好ましい。
本発明の測定方法は、具体的には、上記抗ハプトグロビン抗体の存在下、上記抗ヘモグロビン抗体担持担体と便検体抽出液とを適宜混合して、通常5〜50℃、好ましくは25〜40℃で、通常1〜60分、好ましくは2〜15分反応させ、その結果生ずる抗原抗体反応に起因する反応液の光学的変化を測定することによりなされ、その光学的変化を、予め作成しておいたヘモグロビン濃度と光学的変化の関係を表わす検量線に当てはめることにより便検体中のヘモグロビン濃度を得ることができる。尚、光学的変化が一定値以下であれば陰性、一定値以上であれば陽性としておけば、本発明の方法によりヘモグロビンの半定量も可能である。
本発明の測定方法に於ける抗ハプトグロビン抗体の使用量としては、抗ハプトグロビン抗体がポリクローナル抗体の場合、反応開始時の反応溶液中の濃度が通常1〜250μgAb/mL、好ましくは2〜100μgAb/mLとなるように設定されればよく、抗ハプトグロビン抗体がモノクローナル抗体の場合、反応開始時の反応溶液中の濃度が通常5〜500μgAb/mL、好ましくは25〜250μgAb/mLとなるように設定されればよい。また、抗ヘモグロビン抗体担持担体の使用量は、反応溶液中の濃度が0.001〜10w/v%、好ましくは0.005〜5w/v%となるように設定されればよい。また、本発明のヘモグロビンの測定方法における反応溶液としては、上記本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体の項で記載した溶媒と同じものが挙げられる。
本発明のヘモグロビンの測定方法は、より具体的には例えば以下の如くなされる。
即ち、便検体10mgに対して例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液1〜20mL添加したものを便検体抽出液とする。この抽出液を、要すれば適宜ろ過した後、得られた便検体抽出液中の0.2mLに、例えば、0.001〜10w/v%抗ヘモグロビン抗体担持担体及び2〜500μgAb/mL抗ハプトグロビン抗体を含む溶液1.8mLを添加し、25〜40℃で反応を開始させ、4分以内に500〜550nmで吸光度を測定し吸光度測定値1を得る。その後、10分間反応させ、再度同波長で吸光度を測定し吸光度測定値2を得る。更に、吸光度測定値2から吸光度測定値1を引き、吸光度変化を算出する。一方、濃度既知のヘモグロビン溶液を用いて、上記と同様の方法により吸光度変化を算出して予め作成した検量線により、吸光度測定値2から吸光度測定値1を引いた該吸光度変化の値から便検体中のヘモグロビン濃度を算出することによりなされる。なお、抗ハプトグロビン抗体は、上記のように抗ヘモグロビン抗体担持担体及び抗ハプトグロビン抗体を含む溶液中に存在させるのが好ましいが、反応溶液中に2〜500μgAb/mL存在するようにすればよいため、抗ヘモグロビン抗体担持担体及び抗ハプトグロビン抗体を含む溶液中ではなく、便検体抽出液中に存在させてもよく、また、別途抗ハプトグロビン抗体を含む溶液として反応溶液に添加してもよい。
本発明のヘモグロビンの測定方法を自動分析装置を用いて行う場合には、例えば
図1に記載のタイムスケジュールで行われる。尚、図1中のR1試薬は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液を、R2試薬は、例えば、0.001〜10w/v%抗ヘモグロビン抗体担持担体及び2〜500μgAb/mL抗ハプトグロビン抗体を含む溶液を表す。
図1について説明すると、便検体10mgに対して例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液1〜20mLを添加して調製した便検体抽出液を試料とし、その10〜20μLとR1試薬50〜150μLを測定容器に添加し、その1〜2分後にR2試薬を、試料とR1試薬の総量と同量添加して反応させ、R2試薬添加後1〜2分後(この場合、試料及びR1試薬添加後2〜4分後)に例えば吸光度(1回目)を測定し、R2試薬添加後5〜8分後(この場合、試料及びR1試薬添加後6〜10分後)に再度吸光度(2回目)を測定する。尚、この際の反応温度は、通常30〜40℃であり、吸光度測定する場合の主波長は500〜550nm、副波長は650〜700nmである。上記のようにして得られた吸光度(1回目)と(2回目)の差を算出して吸光度変化とする。一方、濃度既知のヘモグロビン溶液を試料として、上記と同様の方法により吸光度を測定し、吸光度変化を算出し、濃度と該吸光度変化の検量線を作成しておき、該検量線を用いることで、便検体中のヘモグロビン濃度を算出する。
本発明の便検体中のヘモグロビン測定用試薬キットは、1)本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体を含有する試薬及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなるもの、或いは2)本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなるものが挙げられるが、保存安定性の点から、1)本発明に係る抗ヘモグロビン抗体担持担体を含有する試薬及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなるものが好ましい。
本発明の便検体中のヘモグロビン測定用試薬キットにおける、その構成要素の好ましい態様、具体例、使用濃度等は上で述べたとおりである。また、該試薬キット中の試薬には、その他の試薬類、例えば安定化剤、緩衝剤、防腐剤等は、目的の測定に於いて通常使用されるものを含有していてもよく、その濃度は通常用いられる濃度範囲から適宜選択される。
以下実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれによって限定されるものでない。
実験例1
ハプトグロビン添加ヘモグロビン溶液のヘモグロビン測定
便中の反応阻害物を、ヘモグロビンと特異的に結合する血清タンパクであるハプトグロビンと想定し、ハプトグロビンの存在によるヘモグロビン測定への影響を調べた。
まず、ヒトハプトグロビン製剤である「ハプトグロビン注−ヨシトミ」を0.004単位/mLとなるように約1800ng/mLのヘモグロビン溶液[0.5%BSA、0.2mol塩化アンモニウムバッファー(pH6.8)]に添加してハプトグロビン添加ヘモグロビン溶液を調製した。これとハプトグロビン(Hp)無添加の約1800ng/mLのヘモグロビン溶液を検体として、該溶液のヘモグロビン濃度を、便中ヘモグロビン測定試薬であるLタイプIGオートHem(合同酒精(株)製)をR2試薬として用い、便潜血自動測定機FOBITWAKO(ヒロセ電子システム(株)製)によって測定した。なお、LタイプIGオートHemは、抗ヘモグロビン抗体を担持させた金コロイドを含む試薬であり、FOBITWAKOは、金コロイドの凝集による吸光度の測定を自動で測定する測定機である。FOBITWAKOでは、検体(検体抽出液)16μLとR1試薬[0.5%BSA、0.2mol塩化アンモニウムバッファー(pH6.8)]104μLを反応容器に添加した後、1.2分後にR2試薬120μLを添加して反応させ、その1.2分後に1回目の吸光度測定を行い、更に試薬添加後5.3分後に再度吸光度測定を行い、2回の吸光度の差から吸光度変化が算出される。更に、予め求めておいた既知標準品の濃度と吸光度変化の検量線からヘモグロビン濃度が算出される。なお、吸光度測定の主波長は530nm、副波長は660nm、反応温度は37℃である。
次いで、該溶液を、ヘモグロビン溶液で倍々希釈して該希釈溶液を測定し、希釈倍数を乗じてハプトグロビン添加ヘモグロビン溶液中のヘモグロビン値を求めた。ハプトグロビンを添加した溶液と無添加の溶液について、得られた値を表1に示した。なお、表中で、FOBITWAKOの測定上限の1600ng/mLを超えるものについては1600<と記した。
Figure 2010014586
通常ヘモグロビンの測定値は濃度と相関性を有するため、希釈して測定した値をその希釈倍率で乗じた場合、その値は一定値となるはずである。ところが、表1の結果によれば、ハプトグロビン無添加の場合はほぼ一定値を示したものの、ハプトグロビンを添加した場合は一定値とならず、希釈することによって希釈測定値の原液換算値は、ハプトグロビン無添加の測定値に近似していった。このことから、抗ヘモグロビン抗体を担持させた金コロイドを用いたヘモグロビン測定においては、ハプトグロビンがその測定に影響を及ぼすことが確認された。
ハプトグロビン添加ヘモグロビン溶液に更に抗ヒトハプトグロビンを添加した溶液のヘモグロビン測定
実験例1より、ヘモグロビン測定系に共存するハプトグロビンが測定に影響を及ぼすことが確認されたので、抗ハプトグロビン抗体を添加することにより、その影響を回避できるかどうかの検討を行った。
まず、実験例1において調製したハプトグロビン添加ヘモグロビン溶液に、抗ヒトハプトグロビン抗体(ウサギ、DAKO社製A0030)が18.7μgAb/mL、37.5μg Ab/mL、75μg Ab/mL、150μg Ab/mL、300μg Ab/mLとなるように添加した溶液及び該抗体を添加しない溶液を検体として、試薬としてLタイプIGオートHem(合同酒精(株)製)を、測定機としてFOBITWAKO(ヒロセ電子システム(株)製)を用いて各検体のヘモグロビン濃度を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2010014586
その結果、表2に示すように、抗ヒトハプトグロビン抗体の濃度に依存してその値が上昇した。即ち、試料中にヒトハプトグロビンが0.004単位/mL存在する場合、抗ヒトハプトグロビン抗体を37.5μgAb/mLとなるように添加することにより、ハプトグロビンによるヘモグロビンの測定値への影響を回避できることが判った。
実験例2
便懸濁液の希釈測定
3種類の便検体A、B、Cを採便容器F(合同酒精(株)製)で採取し、試薬としてLタイプIGオートHem(合同酒精(株)製)を、測定機としてFOBITWAKO(ヒロセ電子システム(株)製)を用いて、ヘモグロビン濃度を測定した。その結果、検体Aは893ng/mL、検体Bは249ng/mL、検体Cは154ng/mLであった。次いで、便懸濁液を、検体抽出液(採便容器Fの内容液)で倍々希釈した溶液を測定し、得られた値に希釈倍数を乗じて便懸濁液中のヘモグロビン濃度を求めた。その結果を表3に示した。
Figure 2010014586
検体Aでは、希釈して測定した値に希釈倍数を乗じて求めた値と希釈せずに測定した値が一致したが、検体BおよびCでは、希釈して測定した値に希釈倍数を乗じて求めた値は、希釈倍数が高いほど、希釈せずに測定した値よりもヘモグロビン測定濃度は高くなった。この結果から、検体BおよびCは、異常検体であることが示された。
抗ヒトハプトグロビン抗体を添加した検体抽出液中のヘモグロビンの測定
検体抽出液[0.5%BSA、0.2mol塩化アンモニウムバッファー(pH6.8)]で調製した便検体A、B、Cの便懸濁液のヘモグロビン量を実施例1に記載した試薬と装置を用いて測定したところ、検体Aは971ng/mL、検体Bは263ng/mL、検体Cは153ng/mLであった。この検体溶液を、10倍希釈して測定した結果、測定値に希釈倍数を乗じた濃度(=10倍希釈値)は、検体Aでは980ng/mLと未希釈値とほぼ一致したが、検体Bでは910ng/mL、検体Cでは1920ng/mLと、未希釈より数倍高かった。
一方、あらかじめ各種濃度の抗ヒトハプトグロビン抗体(ウサギ、DAKO社製A0030)を添加した検体抽出液を、通常の検体抽出液の代わりに充填した採便容器Fを用いて調製した便検体を、実施例1に記載した試薬と装置を用いて同様に測定した。その結果を表4に示した。
Figure 2010014586
表4の結果から明らかなように、抗ヒトハプトグロビン抗体を75μgAb/mL以上となるように検体抽出液に添加すると、抗体無添加の10倍希釈値と同程度の値となった。即ち、検体B及びCについては、抗ヒトハプトグロビン抗体が75μgAb/mL以上存在することにより、ハプトグロビンによる影響を回避して精度よくヘモグロビンを測定できることが判った。
また、10倍希釈値と未希釈値の差が見られなかった検体Aにおいては、抗ハプトグロビン抗体300μgAb/mL添加した場合であっても、抗体添加によるヘモグロビン測定への影響はみられなかったことから、抗ハプトグロビン抗体による効果は異常検体に対して生じ、通常検体には悪影響を与えないことが判った。
抗ヒトハプトグロビン・マウスモノクローナル抗体を添加した検体抽出液中のヘモグロビンの測定
実施例2と同様に、抗ヒトハプトグロビン・マウスモノクローナル抗体(日本バイオテスト(株)製FG-101)を添加した検体抽出液を用いて、検体A及びCについてヘモグロビンの測定を行った。その結果を表5に示した。
Figure 2010014586
表5で示されるように、未希釈と10倍希釈値の差のない検体Aでは、抗体の添加による影響はなかったが、未希釈で135ng/mLしか示さない検体Cは、モノクローナル抗体の添加量が増えると測定値が上昇し10倍希釈値の原液換算値と同程度になった。即ち、検体Cについては、抗ヒトハプトグロビン・マウスモノクローナル抗体を1000μgAb/mL以上となるように添加することにより、ハプトグロビンによる影響を回避して精度よくヘモグロビンを測定できることが判った。
抗ヒトハプトグロビン抗体添加R2試薬を用いた場合のヘモグロビン測定
抗ヒトハプトグロビン抗体(ウサギ、DAKO社製A0030)を実施例1に用いたLタイプIGオートHemのR2試薬に所定量添加し、3検体A、C、Eを用いて、実施例3と同様に実験を行いヘモグロビン濃度を測定した。その結果を、表6に示した。
Figure 2010014586
表6に示すように、未希釈測定値と10倍希釈測定値の原液換算値とで差のない検体Aでは、抗体を添加してもその値に変化は見られなかったが、未希釈で154ng/mLしか示さない検体C、および未希釈で178ng/mLしか示さない検体Eは、抗体の添加によって測定値が上昇し10倍希釈値の原液換算値と同程度になった。
従って、このことから、抗ヒトハプトグロビン抗体は、検体抽出液中に予め入れても、試薬中に入れてもハプトグロビンによる影響を回避できることが判った。特に、R2試薬に入れても、その効果を示していることから、反応直前に抗ハプトグロビン抗体を添加しても、ハプトグロビンによるヘモグロビンの測定への影響を抑制することができることが判った。
本発明は、抗ヒトヘモグロビン抗体を用いた糞便中ヘモグロビンの測定において、便検体を希釈することで免疫学的反応を阻害する物質の影響が徐々に解除される特殊な現象を示す異常便検体に対しても、ハプトグロビン等の反応阻害物質の影響を回避し、正常な便検体と同様に測定できる方法を提供する。
本発明の方法を用いれば、例えばヘモグロビンが測定可能な一定濃度範囲に入るように試料を希釈して測定する方法において、未希釈測定値が希釈測定値に比べて著しく低い値となるような試料便についても、試料を希釈して測定した値に希釈倍数を乗じて求めた値と希釈せずに測定した値が一致する。
このように、本発明の測定方法であれば、試料を希釈しないで測定してもハプトグロビン等の反応阻害物質の影響を回避した測定結果が得られるので、大腸癌などの下部消化器疾患の検査において、より精度の高いヘモグロビンの測定が可能となる。
本発明のヘモグロビンの測定方法を自動分析装置で行う場合のタイムスケジュールの1例を示したものである。

Claims (14)

  1. 便検体中のヘモグロビンを測定する免疫学的測定方法であって、抗ハプトグロビン抗体を反応系中に共存させることを特徴とする、便検体中のヘモグロビンの測定方法。
  2. 免疫学的測定方法が、抗ヘモグロビン抗体を担持した担体と便検体抽出液とを反応させて生じる凝集反応に由来する光学的変化に基づく測定方法である、請求項1記載の測定方法。
  3. 担体が金コロイド又はラテックス粒子である請求項2記載の測定方法。
  4. 担体が金コロイドである請求項2記載の測定方法。
  5. 抗ヘモグロビン抗体がモノクローナル抗体である請求項2〜4の何れかに記載の測定方法。
  6. 抗ハプトグロビン抗体がポリクローナル抗体である請求項2〜5の何れかに記載の測定方法。
  7. 光学的変化が、抗ヘモグロビン抗体を担持した担体とヘモグロビンの反応開始後、反応液の光学的測定を適当な間隔で2回行った時の測定値の差、又は抗ヘモグロビン抗体を担持した担体とヘモグロビンとの反応開始後の反応液の光学的変化率である、請求項2〜6の何れかに記載の測定方法。
  8. 光学的変化が吸光度変化である、請求項2〜7の何れかに記載の測定方法。
  9. 光学的変化が500〜550nmの吸光度変化である、請求項4に記載の測定方法。
  10. 抗ヘモグロビン抗体を担持した担体を含有する試薬及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、或いは抗ヘモグロビン抗体を担持した担体及び抗ハプトグロビン抗体を含有する試薬を含んでなる、便検体中のヘモグロビン測定用試薬キット。
  11. 担体が金コロイド又はラテックス粒子である請求項10記載のキット。
  12. 担体が金コロイドである請求項11記載のキット。
  13. 抗ヘモグロビン抗体がモノクローナル抗体である請求項10〜12の何れかに記載のキット。
  14. 抗ハプトグロビン抗体がポリクローナル抗体である請求項10〜13の何れかに記載のキット。
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