JP2007170685A - 湿式灰押出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ごみ焼却炉から排出された灰Aを消火冷却する冷却水Wを貯留した灰溜室4及び消火冷却された湿灰A′が排出される昇り傾斜状の排出通路5を備えた冷却水槽2と、灰溜室4内に排出通路5側へ向かって進退移動自在に設けられて灰溜室4に沈降堆積した湿灰A′を排出通路5側へ押し出すプッシャー6及びプッシャー6を進退移動させる駆動装置7を備えたプッシャー装置3とから構成したごみ焼却炉用の湿式灰押出装置1に於いて、前記プッシャー6の先端部に、排出通路5の入口側に堆積した湿灰A′へ突き刺さって固化した湿灰A′を解砕して軟化させる複数本の爪体6f,6g,6h′を前方へ突出する状態で取り付ける。
【選択図】 図1
Description
この冷却水槽2の内部には、灰溜室4を灰受入れ室4Aとプッシャー待機室4Bとに前後に仕切る仕切り壁11と、冷却水Wに浸かってストーカ式ごみ焼却炉内と外部とを水封するノド部8bとが夫々設けられている。
又、仕切り壁11の下端部には、プッシャー6の進退移動中に灰受入れ室4A内の湿灰A′がプッシャー待機室4B側へ侵入しないようにプッシャー6の上面と干渉しない程度に遮断シール板12が設けられている。
更に、灰溜室4の底部には、プッシャー6を案内する複数本の案内レール13と、案内レール13間及び案内レール13とケーシング8の側壁との間に位置してプッシャー6の先端部(プッシャーヘッド6d)と湿灰A′中の硬い異物が擦れ合って直接灰溜室4の底部(ケーシング8の底板)が傷付かないように灰溜室4の底部を保護する複数枚の底部ライナー14とが夫々設けられている。
又、プッシャー6は、プッシャー天板6a、プッシャー側板6b、プッシャー後板6c及び板状のプッシャーヘッド6d等を溶接等により薄い箱形に組み立てた溶接一体構造に構成されており、先端のプッシャーヘッド6dの下端部には、灰溜室4の底部の案内レール13に沿って摺動するプッシャー6の位置決め用及び摩耗防止用の複数個の摺動ライナー6hが取り付けられている。
しかし、この場合には、傾斜シュート9内の清掃作業に可なりの時間と危険を伴うと云う問題があった。然も、先端シュート21に形成した点検窓21aから傾斜シュート9内の固化した湿灰A′を取り除いているため、傾斜シュート9内の湿灰A′を取り除き難いうえ、傾斜シュート9内の湿灰A′を取り除ける範囲も極めて限られると云う問題があった。
又、排出通路5が詰まって湿灰A′を排出できない場合の別の対策として、傾斜シュート9の出口側から一時的に傾斜シュート9内に散水して圧密状態になっている湿灰A′に含水させ、湿灰A′を軟らかくしてから切り崩す方法もある。
しかし、この場合にも、一旦硬くなった湿灰A′に水が浸透し難く、余り効果が得られず、傾斜シュート9内の清掃作業に可なりの時間を伴うと云う問題があった。
その結果、本発明の請求項1の湿式灰押出装置は、排出通路内での湿灰の固着や過度の自己凝縮が軽減されて湿灰の圧密が抑制され、排出通路内の湿灰をプッシャーの押し出し作用により排出通路外へ円滑且つスムースに押し出し排出することができ、運転中の排出通路の詰まりによるトラブル等を解消することができる。延いては、日常の点検が簡素化されると共に、排出通路内の清掃作業を無くすことができる。
然も、本発明の請求項1の湿式灰押出装置は、プッシャーの先端部に爪体を前方へ突出する状態で取り付けているため、プッシャーの長さが間接的に長くなり、湿灰の押し出し排出が促進されることになる。
即ち、本発明の請求項2の湿式灰押出装置は、プッシャーヘッドの下端部前面に、複数本の爪体を前方へ突出する状態で取り付けると共に、プッシャーヘッドの下端部に取り付けた摺動ライナーの先端部に、爪体を一体的に形成するようにしているため、排出通路の底部の固化した湿灰を解砕して軟化させることができる。
その結果、本発明の請求項2の湿式灰押出装置は、排出通路の詰まりの主原因である排出通路の底部の湿灰の固着による負荷抵抗を極力緩和することができ、湿灰よる排出通路の詰まりを確実に防止することができる。
又、本発明の請求項3の湿式灰押出装置は、プッシャーヘッドの両端部の下端隅部前面に、排出通路の入口側の底部コーナー部分に堆積している湿灰に突き刺さるコーナー用の爪体を取り付けているため、特に、湿灰が固着し易い排出通路の底部コーナー部分の固化した湿灰を解砕して軟化させることができ、湿灰による排出通路の詰まりをより確実に防止することができる。
更に、本発明の請求項4の湿式灰押出装置は、各爪体の先端部を先細り状に形成しているため、各爪体が固化した湿灰に容易に突き刺さり、固化した湿灰を確実且つ良好に解砕して軟化させることができる。
図1は本発明の実施の形態に係る湿式灰押出装置1を示し、当該湿式灰押出装置1は、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理するストーカ式ごみ焼却炉の後燃焼ストーカの下流側位置に設置されており、後燃焼ストーカから排出された主灰及びストーカ下のホッパに落下したストーカ下落下灰等の灰Aを冷却水Wを貯留した冷却水槽2内に投入して消火冷却し、冷却水槽2内に沈降堆積した湿灰A′をプッシャー装置3により冷却水槽2外へ押し出し排出するようにしたものである。
この冷却水槽2の内部には、灰溜室4を灰受入れ室4Aとプッシャー待機室4Bとに前後に仕切る仕切り壁11と、冷却水Wに浸かってストーカ式ごみ焼却炉内と外部とを水封するノド部8bとが夫々設けられていると共に、仕切り壁11の下端部には、プッシャー6の進退移動中に湿灰A′がプッシャー待機室4B側へ侵入しないようにプッシャー6の上面と干渉しない程度に遮断シール板12が設けられている。
又、灰溜室4の底部には、プッシャー6を案内する複数本の案内レール13と、案内レール13間及び案内レール13とケーシング8の側壁との間に位置してプッシャー6の先端部(プッシャーヘッド6d)と湿灰A′中の硬い異物が擦れ合って直接灰溜室4の底部(ケーシング8の底板)が傷付かないように灰溜室4の底部を保護する複数枚の底部ライナー14とが夫々設けられている。
更に、排出通路5の主要部を形成する傾斜シュート9は、その断面積が下流側(図1の右側)に至るほど大きくなるように末広がりの四角筒状に形成されており、排出通路5の出口側に達した湿灰A′にかかる圧力を緩和して凝縮状態を緩める働きをするように工夫されている。
特に、プッシャー6の各爪体6f,6g,6h′は、湿灰A′が固着し易い排出通路5の入口側の底部及び排出通路5の入口側の底部コーナー部分で固化した湿灰A′を解砕して軟化させることができるようにプッシャー6の先端部に取り付けられている。
又、各爪体6f,6g,6h′は、何れもその先端部が先細り状になるように形成されており、プッシャー6の前進時に各爪体6f,6g,6h′が固化した湿灰A′に容易に突き刺さり、固化した湿灰A′を確実に解砕して軟化させることができるように工夫されている。
更に、各爪体6f,6g,6h′の上面は、これらが固化した湿灰A′に突き刺さって前進するときに湿灰A′が分断作用、掻き上げ作用、混合作用等を受けるような形状に形成されている。この実施の形態では、センター用の爪体6f及び摺動ライナー6hの先端部に一体的に形成した爪体6h′の上面は、何れも山形に形成されている。又、コーナー用の爪体6gの上面は、センター用の爪体6f側へ向かって下りとなる下り傾斜面に形成されている。
このプッシャー6の押出工程に於いては、プッシャー6は、これに掛かる全推力を各爪体6f,6g,6h′に掛けた状態で灰溜室4の彎曲凹状の底部に沿って掻き上げ方向の軌跡を描きながら灰溜室4内を昇り傾斜状の排出通路5の入口側ヘ向かって前進すると共に、各爪体6f,6g,6h′に追従して前進するプッシャーヘッド6dによって、灰溜室4の灰受入れ室4A内に沈降堆積した湿灰A′を掻き寄せながら前進し、湿灰A′を排出通路5の入口側へ押し出し排出する。
又、プッシャー6の前進中には、遮断シール板12により灰受入れ室4A側の湿灰A′がプッシャー待機室4B側へ侵入するのを阻止し、湿灰A′を出来るだけ灰受入れ室4A側に沈降堆積させてプッシャー6により連続的に押し出し排出できるようにしている。
更に、プッシャー6が押出位置(図1の一点鎖線位置)のときには、プッシャーヘッド6dは、冷却水槽2のノド部8bの下方位置の少し手前位置で停止し、プッシャーヘッド6dの先端部に取り付けた各爪体6f,6g,6h′は、排出通路5の入口側(ケーシング8の出口8a側)に達している。
特に、この湿式灰押出装置1に於いては、プッシャーヘッド6dの中央部の下端部前面にセンター用の爪体6fを、又、プッシャーヘッド6dの両端部の下端隅部前面にコーナー用の爪体6gを、更に、プッシャーヘッド6dの下端部に設けた摺動ライナー6hの先端部に爪体6h′を夫々取り付けているため、湿灰A′が固着し易い排出通路5の入口側の底部や排出通路5の入口側の底部コーナー部分の固化した湿灰A′でも確実且つ良好に解砕して軟化することができる。
又、この湿式灰押出装置1に於いては、プッシャー6の先端部に各爪体6f,6g,6h′を前方へ突出する状態で取り付けているため、プッシャー6の長さが間接的に長くなり、湿灰A′の押し出し排出が促進されることになる。
更に、この湿式灰押出装置1に於いては、各爪体6f,6g,6h′の先端部を先細り状に形成しているため、各爪体6f,6g,6h′が固化した湿灰A′に容易に突き刺さり、固化した湿灰A′を確実且つ良好に解砕して軟化させることができる。然も、プッシャー6は、その先端部に取り付けた各爪体6f,6g,6h′が先細り状に形成されているため、押出位置から待機位置へ後退するときには、略無負荷に近い状態で前進時と逆の軌跡を描きながら後退し、プッシャー6の進退移動を円滑且つスムースに行える。
例えば、センター用の爪体6fは、図3(A)乃至図3(G)に示すような形状にしても良く、又、コーナー用の爪体6gは、図4(A)乃至図4(F)に示すような形状にしても良く、更に、摺動ライナー6hに一体的に形成した爪体6h′は、図5(A)乃至図5(F)に示すような形状にしても良い。これらの各爪体6f,6g,6h′を取り付けたプッシャー6も、図2に示す爪体6f,6g,6h′を取り付けたプッシャー6と同様の作用効果を奏することができる。
Claims (4)
- ごみ焼却炉から排出された灰を消火冷却する冷却水を貯留した灰溜室及び灰溜室に連通して消火冷却された湿灰が排出される昇り傾斜状の排出通路を備えた冷却水槽と、灰溜室内に排出通路側へ向かって進退移動自在に設けられて灰溜室の底部上面を摺動しながら灰溜室に沈降堆積した湿灰を排出通路側へ押し出すプッシャー及びプッシャーを進退移動させる駆動装置を備えたプッシャー装置とから構成したごみ焼却炉用の湿式灰押出装置に於いて、前記プッシャーの先端部に、排出通路の入口側に堆積した湿灰へ突き刺さって固化した湿灰を解砕して軟化させる複数本の爪体を前方へ突出する状態で取り付けたことを特徴とする湿式灰押出装置。
- プッシャーは、矩形状のプッシャー天板と、プッシャー天板の前端に下向きに設けられ、灰溜室に沈降堆積した湿灰を掻き寄せながら排出通路側へ押し出す板状のプッシャーヘッドと、プッシャーヘッドの下端部に取り付けられ、灰溜室の底部に設けた案内レールに沿って摺動するプッシャーの位置決め用及び摩耗防止用の複数個の摺動ライナーとを備えており、前記プッシャーヘッドの下端部前面に、排出通路の入口側の底部に堆積している湿灰に突き刺さって入口側の底部の固化した湿灰を解砕して軟化させる複数本の爪体を前方へ突出する状態で取り付け、又、前記各摺動ライナーの先端部に、排出通路の入口側の底部に堆積している湿灰に突き刺さって入口側の底部の固化した湿灰を解砕して軟化させる爪体を前方へ突出する状態で一体的に形成したことを特徴とする請求項1に記載の湿式灰押出装置。
- プッシャーヘッドの両端部の下端隅部前面に、排出通路の入口側の底部コーナー部分に堆積している湿灰に突き刺さって入口側の底部コーナー部分の固化した湿灰を解砕して軟化させるコーナー用の爪体を取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の湿式灰押出装置。
- 爪体の先端部を先細り状に形成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の湿式灰押出装置。
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