JP2564410Y2 - 焼却炉へのごみ供給装置 - Google Patents

焼却炉へのごみ供給装置

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JP2564410Y2
JP2564410Y2 JP1015292U JP1015292U JP2564410Y2 JP 2564410 Y2 JP2564410 Y2 JP 2564410Y2 JP 1015292 U JP1015292 U JP 1015292U JP 1015292 U JP1015292 U JP 1015292U JP 2564410 Y2 JP2564410 Y2 JP 2564410Y2
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允 竹田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は焼却炉へのごみ供給装置
の改善に係り、特にごみ袋をより効果的に破袋し、中の
ごみを取出すと共に、そのごみを安定的に粗破砕するこ
とにより、ごみ焼却炉に供給するごみ供給量の変動を少
なくするようにした焼却炉へのごみ供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ごみ供給装置は、焼却炉
でごみを焼却するに際して、ごみピットからごみクレー
ンによってごみ供給装置のホッパーに投入されたごみ
を、焼却炉内でのごみの燃焼及び不燃物の抜き出しに支
障のない程度に簡単な粗破砕を行うと共に、粗破砕後の
ごみを焼却炉内に定量的に連続して供給する装置であ
る。このようなごみ供給装置の典型例としては、例えば
本願出願人の出願になる実開平3−64322号公報に
おいて開示されているものが公知である。
【0003】以下、上記ごみ供給装置Bの例を、その模
式的断面構成説明図の図6を参照しながら紹介すると、
同図に示すように、焼却炉Hに接続配備されるケーシン
グ1の上方にごみ投入用のホッパー2が一体的に形成さ
れ、ホッパー2の下部のホッパー出口2aの下方には、
このホッパー2に投入されたごみTを定量的に押込むた
めに、プツシャー作動シリンダ4によって、図中の左右
方向に往復作動されるプッシャー3が配備されている。
また、上記プッシャー3の前方の下方には、外周面に複
数の爪6aを有する回転刃6を備えた破砕ロータ5が回
転可能に配備され、この破砕ロータ5は油圧モータ(図
示省略)によって回転駆動されるように校正されてい
る。
【0004】さらに、前記破砕ロータ5に相対し、幅方
向に所定の間隔で設けられた固定刃7aを有する支持台
7が支持台作動シリンダ8によって破砕ロータ5の回転
刃6に向かって揺動作動されるようになっている。この
場合、破砕ロータ5,回転刃6,爪6a,支持台7,固
定刃7a,7bおよび支持台作動シリンダ8等により、
上記プッシャー3によって押込まれて破砕ロータ5と固
定刃7aの前方に形成されるごみ貯留部1bに定量的に
供給されるごみを粗破砕するためのごみ破砕手段9が構
成される。
【0005】なお、上記プッシャー3の前方で、かつケ
ーシング1のごみ通過路1aの内側に設けられた支持軸
により支持されてなるものは、カウンターウェイト11
によりこのごみ通過路1aを閉塞して焼却炉Hへ流れ込
むリークエアの流入を防止する押え板10であり、ごみ
貯留部1bの外方に設けられているITVはこのごみ貯
留部1bの状況を監視するカメラであり、また支持台7
の背面側のシュートは不適物を排除するための不適物排
出シュート1dである。
【0006】従って、上記構成になるごみ供給装置B
は、ごみクレーンCによりごみピットPからホッパー2
に投入されたごみTをプッシャー3の往復運動によって
ホッパー2の出口2aからごみ貯留部1bに押込み、ご
み破砕手段9によってこれを粗破砕し、粗破砕したごみ
をケーシング1の下部のごみ供給シュート1cを通して
焼却炉Hに供給する。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、焼却炉によ
ってごみを安定して燃焼させるためには、焼却炉に対し
てごみが連続的、かつ定量的に供給されることが好まし
い。しかしながら、上記従来のごみ供給装置では、特に
柔らかいごみが入ったごみ袋が供給された場合には、回
転刃の爪により引込まれてそのまま圧縮されるだけで一
体となって一時的に焼却炉に供給され、焼却炉へのごみ
の供給量に変動を来し、焼却炉に対してごみを定量的に
供給することができなくなってしまうことがある。
【0008】このような焼却炉へのごみ供給量の変動に
よって焼却炉にごみが過供給された場合には不完全燃焼
となり、焼却炉におけるごみの焼却能率が低下するのみ
ならず、大気中に煤煙や一酸化炭素等が大量に排出され
るという環境汚染上の解決すべき課題が生じる。
【0009】従って、本考案の目的とするところは、ご
み中のごみ袋を事前に破袋し、内部のごみを取出した後
に粗破砕し、ごみ供給量の変動を少なくすることによ
り、焼却炉によりごみを安定的に燃焼させることを可能
ならしめる焼却炉へのごみ供給装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は上記課題に鑑み
てなされたものであって、従って上記課題を解決するた
めに本考案の請求項1に係るごみ供給装置が採用した主
たる手段の特徴とするところは、ごみ投入用のホッパー
の出口側のごみ通過路内に、前後進作動により該ホッパ
ーから供給されるごみを押込むプッシャーを備え、該ご
み通過路のごみの押込み先側に、ごみを破砕するごみ破
砕手段を備えた焼却炉へのごみ供給装置において、前記
プッシャーの上部に、刃先を上方に向けた下部破袋刃を
配設し、前記ごみ通過路の天井壁に、刃先を下方に向け
ると共に下方向きに弾発力を付与して上部破袋刃を配設
したところにある。
【0011】また、本考案の請求項2に係るごみ供給装
置が採用した主たる手段の特徴とするところは、請求項
1記載の焼却炉へのごみ供給装置において、上部破袋刃
および下部破袋刃が、プッシャーの進退方向に対して交
差する方向に一定のピッチでそれぞれ複数配設されてな
る構成にしたところにある。
【0012】
【作用】本考案の請求項1,2に係る焼却炉へのごみ供
給装置によれば、ごみ袋がホッパー出口を通してごみ通
過路に供給されると、このごみ袋はごみ通過路の天井壁
に配設した上部破袋刃やプッシャーの上部に配設した下
部破袋刃に引っ掛けられて破袋されると共に、ごみ袋に
入れられているごみが破袋されたごみ袋から引出されて
ごみ破砕手段に供給される。一方、上部破袋刃はその刃
先部に作用する作用力に応じて出入りするので、例えご
み袋内に硬質のごみが入っていてもごみ袋を破袋しつつ
避退するため、ごみの通過が妨げられない。
【0013】
【実施例】以下、本考案の焼却炉へのごみ供給装置に係
る実施例を、その模式的断面構成説明図の図1と、図1
のA−A線断面図の図2と、上部破袋刃構成説明図の図
3aと、図3aのB−B線断面図の図3bと、下部破袋
刃構成説明図の図4aと、図4aのC−C線断面図の図
4bとを参照しながら、従来と同一のもの並びに同一機
能を有するものを同一符号を以て説明する。
【0014】即ち、このごみ供給装置Bの全体構成は、
図1に示すように、焼却炉H(図示省略)に接続配備さ
れるケーシング1の上方にごみ投入用のホッパー2が一
体的に形成され、このホッパー2の下部のホッパー出口
2aの下方には、ホッパー2に投入されたごみTを定量
的に押し出すために、プッシャー作動シリンダ4によっ
て白矢印方向、つまり同図における左右方向に往復作動
されるプッシャー3が配備されている。
【0015】また、プッシャー3の下方には、外周面に
複数の爪6aを有する回転刃6を備えた破砕ロータ5が
回転可能に配備されると共に、この破砕ロータ5は油圧
モータ(図示省略)によって回転駆動されるようになっ
ている。さらに、図1aに示すように、幅方向に所定の
間隔で配設されてなる二段構えの固定刃7aと7bとを
有する支持台7が上記破砕ロータ5に相対して配設さ
れ、これは支持台作動シリンダ8のロッドの伸縮作動に
よって破砕ロータ5の回転刃6に向かって揺動作動され
るようになっている。
【0016】この場合、破砕ロータ5、回転刃6、爪6
a、支持台7、固定刃7a及び支持台作動シリンダ8等
によって、上記プッシャ3により押し出されて破砕ロー
タ5と固定刃7aの前方に形成されるごみ貯留部1bに
定量的に供給されるごみTを挟み込み粗破砕するための
ごみ破砕手段9が構成される。なお、上記プッシャ3の
前方、かつケーシング1の内側には押え板10が揺動自
在に支持されており、これは図示省略しているが、従来
と同様に例えばカウンターウェイト等により支持軸を中
心とした揺動作動されるように構成されている。以上の
説明から良く理解されるように、これは従来例になるご
み供給装置と同構成になるものである。
【0017】本実施例では、上記構成になるごみ供給装
置に、ごみ中の主要部を占めるごみ袋を破袋する上・下
部破袋刃を付設したもので、その全体構成は図1に示す
ように、ケーシング1のごみ通過路1aの天井壁に、ご
み通過路1aの幅方向に所定の間隔(この実施例では2
00mm)で上部破袋刃12を、ごみ通過路1aの内側
方向に出入自在に配設し、プッシャー3の先端部付近の
上部に下部破袋刃13を、幅方向に所定の間隔(この実
施例では200mm)で配設したものである。
【0018】これら上・下部破袋刃12,13の配設間
隔は、図2に示すように、200mmで等間隔である
が、例えば上部破袋刃12はその先端が下部破袋刃13
同士の中央に相対する位置になるように、また下部破袋
刃13はその先端が上部破袋刃12同士の中央に相対す
る位置になるように配設した。勿論、図示省略している
が、刃先が相対する位置になるように上部破袋刃12と
下部破袋刃13とを配設しても良い。
【0019】上部破袋刃12は略扇状の形状をしてお
り、図3aと図3bとに示すように、ケーシング1の上
部の外壁にブラケットを介して水平に支持した水平ピン
12cにより揺動自在に支持され、若干湾曲した切刃部
を有する鎌状刃12aと、この鎌状刃12aとケーシン
グ1の上部の外壁との間に介装され、弾発力によって鎌
状刃12aの刃先を所定の押圧力で押込む一対のコイル
ばね12bとからなる構成になっている。
【0020】さらに、下部破袋刃13は、図4aと図4
bとに示すように、側面形状が三角形状で上に頂角を有
する三角状刃13aと、これに対して直角に固着され、
ボルト挿通孔を有する取付板13cとからなり、この取
付板13cのボルト挿通孔のそれぞれに挿通したボルト
13bによってプッシャー3の上部に固着されてなる構
成になっている。
【0021】以下、上記ごみ供給装置Bの作用態様を説
明すると、ごみクレーンCによりホッパー2に投入され
たごみT中のごみ袋がホッパー出口2aからごみ通過路
1aに供給されると、プッシャー作動シリンダ4のロッ
ドの伸縮でプッシャー3が往復動されるので、ごみ袋を
含むごみT中のごみ袋は破砕ロータ5と固定刃7a,7
b側とに順次押込まれる。
【0022】そして、移動に際してごみ中のごみ袋は上
部破袋刃12あるいは下部破袋刃13に引っ掛けられて
破袋されると共に、破袋されたごみ袋から内部のごみが
引出されて破砕ロータ5と固定刃7a,7bが設けられ
た支持台7からなるごみ破砕手段9側に送込まれる。
【0023】このように、ごみ中に多く含まれるごみ袋
は、ごみ破砕手段9に入る前に事前に破袋されると共
に、ごみ袋の中のごみが引出され、破袋・解砕されたご
みは回転刃6と固定刃7a,7bとによって確実に粗破
砕されて焼却炉Hに供給されるので、ごみの供給変動が
少なくなり、従来のような一時的なごみの過供給による
燃焼不具合が防止される。
【0024】因みに、50Ton/16hの焼却能力を
有する焼却炉に、ごみを供給するごみ供給装置を例とし
てごみの供給変動をより詳しく説明する。例えば、上記
焼却炉への10秒当たりのごみの平均供給量は、ごみの
嵩比重を0.2Ton/m3とすると重量では約8.7
kg、容積では約44リットルとなる。このようなごみ
の平均供給量に加えて、破袋されることなく30cm立
法のごみ袋が1個そのまま焼却炉に供給されたとする
と、この場合のごみの容積は27リットルで、その重量
は5.4kgであるから、ごみの容積変動率は〔(44
+27)/44〕×100≒160%、ごみの重量変動
率でも〔(8.7+5.4)/8.7〕×100≒16
0%となる。
【0025】ところが、本考案に係る実施例では、例え
ごみ袋が30cm立法であっても、ごみ袋を破袋し、内
部のごみをさらに粗破砕して15cm立法のごみを供給
することができる。このときのごみ1個の重量は約0.
7kg、容積は約3.4リットルとなるため、この場合
のごみの容積変動率は〔(44+3.4)/44〕×1
00≒110%、ごみの重量変動率では〔(8.7+
0.7)/8.7〕×100≒110%となり、ごみ袋
の破袋によってごみの供給変動が大幅に少なくなること
が判る。
【0026】なお、上記のとおり、これら上・下部破袋
刃12,13の配設間隔をそれぞれ200mmとした
が、それらの配設間隔は通常の一般収集ごみのごみ袋の
大きさが20cm〜40cmであることから設定したも
のであって、従って上・下部破袋刃12,13の配設間
隔は100〜200mmに設定することが好ましい。
【0027】次に、他の実施例を、上記実施例と同構成
になるごみ供給装置の鋸鎌状の上部破袋刃12の構成説
明図の図5aと図5bとを参照しながら説明すると、こ
の上部破袋刃12の刃12aは、図5aに示すように、
切刃部が鋸歯状に形成されており、さらに図5bに示す
ように、鋸歯状の刃12aを交互に食い違いさせた鋸鎌
状に形成されてなる構成になっている。
【0028】従って、上記鋸歯状の刃12aによってご
み袋のビニールが引裂かれるので、本実施例は上記実施
例と同等の効果を有するが、前記実施例になるごみ供給
装置Bの鎌歯状の刃12aが比較的薄い厚さのビニール
からなるごみ袋の破袋に適するのに対して、本実施例に
なるごみ供給装置の鋸歯状の刃12aは、例えば肥料袋
のように厚手のビニール袋やセメント袋のようなものを
破袋するときに用いると極めて効果的である。
【0029】
【考案の効果】以上詳述したように、請求項1,2に係
る焼却炉へのごみ供給装置によれば、ホッパー出口から
ごみ通過路に供給されてくるごみ袋はごみ破砕手段に供
給される前に、上部破袋刃あるいは下部破袋刃によって
破袋されると共に、破袋されたごみ袋から内部のごみが
引出されてごみ破砕手段に供給されるので、従来のよう
にごみがごみ袋のまま焼却炉に供給されることがなくな
って焼却炉へのごみの供給量の変動が少なくなる結果、
ごみ供給量の変動によって生じるごみの不完全燃焼や焼
却能率の低下が防止されるので、焼却炉によるごみの焼
却処理能率の向上と、環境汚染防止に対して極めて多大
な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るごみ供給装置の模式的断
面構成説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図3aは上部破袋刃構成説明図であり、また図
3bは図3aのB−B線断面図である。
【図4】図4aは下部破袋刃構成説明図であり、また図
4bは図4aのC−C線断面図である。
【図5】図5aは他の実施例に係る焼却炉へのごみ供給
装置の鋸鎌状の上部破袋刃構成説明図であり、また図5
bは図5aのD−D線断面図である。
【図6】従来例に係るごみ供給装置の模式的断面構成説
明図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、1a…ごみ通過路 2…ごみ投入用のホッパー、2a…ホッパー出口 3…プッシャー 4…プッシャー作動シリンダ 5…破砕ロータ 6…回転刃、6a…爪 7…支持台、7a,7b…固定刃 8…支持台作動シリンダ 9…ごみ破砕手段 10…押え板 11…カウンターウェイト 12…上部破袋刃、12b…コイルばね 13…下部破袋刃 B…ごみ供給装置 H…焼却炉 T…ごみ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ投入用のホッパーの出口側のごみ通
    過路内に、前後進作動により該ホッパーから供給される
    ごみを押込むプッシャーを備え、該ごみ通過路のごみの
    押込み先側に、ごみを破砕するごみ破砕手段を備えた焼
    却炉へのごみ供給装置において、前記プッシャーの上部
    に、刃先を上方に向けた下部破袋刃を配設し、前記ごみ
    通過路の天井壁に、刃先を下方に向けると共に下方向き
    に弾発力を付与して上部破袋刃を配設したことを特徴と
    する焼却炉へのごみ供給装置。
  2. 【請求項2】 上部破袋刃および下部破袋刃が、プッシ
    ャーの進退方向に対して交差する方向に一定のピッチで
    それぞれ複数配設されてなる請求項1記載の焼却炉への
    ごみ供給装置。
JP1015292U 1992-03-02 1992-03-02 焼却炉へのごみ供給装置 Expired - Lifetime JP2564410Y2 (ja)

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