JP2007167931A - 無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法 - Google Patents

無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 予張時の条件を考慮することにより、より適切な残留圧縮応力をリンクに付与してその耐久性を向上させることでチェーンの寿命を向上させることができる無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法を提供する。
【解決手段】 リンクとピンとを組み合わせて無端状チェーンを形成する工程と、予張力付与用第1プーリ32と予張力付与用第2プーリ32との間に無端状チェーン1を巻き掛けてチェーン1に予張力を負荷する工程とを備えている。予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされている。
【選択図】 図6

Description

この発明は、動力伝達チェーンの製造方法、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法に関する。
自動車用無段変速機として、図8に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無段変速機)が知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
そして、この種の動力伝達チェーンでは、耐久性を向上させるために、その製造工程において、チェーンを無端状とする前に、張力をチェーンに予め付与(予張)して、リンクに適当な残留圧縮応力を付与することが行われている。
特開平8−312725号公報
この種の動力伝達チェーンでは、リンクの耐久性が特に重要なものとなっており、その耐久性のより一層の向上が課題となっている。
この発明の目的は、予張時の条件を考慮することにより、より適切な残留圧縮応力をリンクに付与してその耐久性を向上させることでチェーンの寿命を向上させることができる無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法を提供することにある。
この発明による無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法は、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第2のプーリと、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり両プーリ間に巻き掛けられた無端状動力伝達チェーンとを備え、各プーリのシーブ間距離の変化に伴って巻き掛け径が無段階に変更されて無段階の変速が行われる無段変速機で使用される動力伝達チェーンの製造方法であって、リンクとピンとを組み合わせて無端状チェーンを形成する工程と、予張力付与用第1プーリと予張力付与用第2プーリとの間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を負荷する工程とを備えており、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされていることを特徴とするものである。
無段変速機では、低速走行時に対応する変速比が最大のアンダー・ドライブ(以下、「U/D」と称す。)と、高速走行時に対応する変速比が最小のオーバー・ドライブ(以下、「O/D」と称す。)との間で変速比が変化する。ピンの動きしたがってリンクの負荷は、巻き掛け径が大きいプーリに沿って回るときよりも巻き掛け径が小さいプーリに沿って回るときに大きなものとなる。そこで、予張力付与工程において、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようにすることにより、リンクに広い範囲にわたって均等な応力を付与することが可能となり、リンクを偏りなく伸ばすことができる。
予張力付与時の巻き掛け径は、無段階に変化させられてもよく、一定でもよく、予張力付与用第1プーリおよび予張力付与用第2プーリのいずれか一方の巻き掛け径が、一時的にまたは常時、無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさとされる。
予張を行うための予張力付与装置は、無段変速機(実機)を模擬したものとすることができ、例えば、予張力付与装置は、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第2のプーリとを備えており、可動シーブを固定シーブに対して接近・離隔させることにより、チェーンをクランプするものとされる。この場合には、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むように、可動シーブの位置が調整される。
予張力付与装置は、無段変速機(実機)を模擬したものにする必要はなく、例えば、上記の各プーリの可動シーブを固定とし、予張力付与装置は、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する1対の固定シーブが第1の間隔をおいて対向させられた第1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する1対の固定シーブが第2の間隔をおいて対向させられた第2のプーリとを備えており、プーリ同士を接近・離隔させることにより、チェーンに張力を与えるものとされてもよい。この場合には、第1の間隔および第2の間隔のいずれかが、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさとなるように設定され、もう一方の巻き掛け径は、例えば、U/DまたはO/Dの状態となるように設定される。
予張力付与装置を無段変速機(実機)を模擬したものとしない場合、好ましくは、予張力付与装置は、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさとされた小径プーリと、巻き掛け径が無段変速機で得られる最大巻き掛け径程度の大きさとされた大径プーリとを備えており、プーリ同士を接近・離隔させることにより、チェーンに張力を与えるものとされる。「最大巻き掛け径程度の大きさ」は、U/DまたはO/Dの状態に相当する径を意味するが、大径プーリの径は、小径プーリの径に比べて、適正な残留圧縮応力付与への寄与が小さいため、例えば、最大巻き掛け径×0.8〜1.2程度であってもよい。
予張力付与装置を無段変速機(実機)を模擬したものとした場合、巻き掛け径を無段階で変化させることができ、実機の使用条件に近い条件で予張力を付与することができるが、その分、予張力付与装置の構成が複雑でコストが高く付くという問題が生じる。固定径の小径プーリおよび大径プーリを使用する予張力付与装置では、この問題が解消されるとともに、チェーンにとって厳しい(重要な)条件であるU/DおよびO/Dの状態と同等の条件で予張力が付与されるので、予張力付与後の残留圧縮応力に関して、実機の使用条件に近い条件で予張力を付与した場合とほぼ同等のものを得ることができる。なお、小径プーリの径は、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径に等しくされてももちろんよいが、最小巻き掛け径よりも若干小さくして、より厳しい条件としてもよい。
予張力は、リンクに発生する最大主応力がリンクの弾性限界応力以上となる大きさとされる。このようにすることで、予張力によって、リンクが塑性変形し、リンク内部に適正な残留圧縮応力が付与され、疲労耐久性能が向上する。
また、予張力は、プーリのクランプ力(実機と同様)によって発生させるのではなく、予張力付与用第1プーリと予張力付与用第2プーリとの軸心間距離を所定の範囲で変更することで発生させることが好ましい。この場合、プーリ軸心間距離の変更範囲は、初期値の0.1%〜15%、好ましくは、0.1%〜10%の範囲とされる。
上記の製造方法は、種々の無段変速機用動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、上記の予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。
この発明の無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法によると、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされて、予張力が付与されるので、ピン同士の転がり接触する範囲が広くなり、リンクに均一に負荷が掛かるとともに、リンクの伸びが均一となり、リンクに付与される残留圧縮応力も均一かつ適正なものとなる。これにより、予張力による無段変速機用チェーンの伸びを精度よく管理することができ、リンクの耐久性が向上する。しかも、リンクを偏りなく伸ばすことができるので、ピンの位置(傾き角)の必要以上の変化が抑えられ、ピンの傾きが変化することに伴う騒音を低減することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図3の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この動力伝達チェーン(1)は、図4に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、例えば、インターピース(第2ピン)(15)がピン(第1ピン)(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図4において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、図5に示すように、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には予張力が付与される。
この発明による無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法は、従来、リンクとピンとを組み合わせて帯状のチェーンを形成し、これに予張力を付与してから、無端状としていた製造方法に代えて、リンク(11)とピン(14)(15)とを組み合わせて無端状のチェーンを形成する工程を行ってから予張力を付与する工程を行うもので、その予張力工程に特徴を有している。図6に予張力付与装置を示す。
予張力付与装置(31)は、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径の大きさとされた小径プーリ(32)と、巻き掛け径が無段変速機で得られる最大巻き掛け径の大きさとされた大径プーリ(33)と、プーリ(32)(33)同士を接近・離隔させてチェーン(1)に作用する張力を調整するプーリ軸移動装置(34)とを備えている。この小径プーリ(32)と大径プーリ(33)との径の組合せは、U/D状態と同じ(O/D状態とも同じ)であり、ピン(14)およびインターピース(15)の動きが大きく、チェーン(1)にとって厳しい条件となっている。この条件で予張力が付与されると、図7に示すように、同一張力下で、矢印(L)で示す範囲でピン(14)とインターピース(15)との転がり接触点が移動し、リンク(11)には、ハッチングを施した部分に均一に負荷が加わる。こうして、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされていることで、リンク(11)に均等に残留圧縮応力が付与され、チェーン(1)の耐久性が向上する。
張力の大きさは、リンク(11)内部(特にピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)における圧入部)に発生する最大主応力値がリンク(11)の弾性限界以上でかつ塑性限界以下となるように設定され、これにより、リンク(11)内部に適正な残留圧縮応力が付与され、リンク(11)の寿命を向上できるので、上記のような圧入型チェーン(1)において上記の予張力を付与する効果が著しいものとなる。ただし、上記予張力付与工程は、第1ピンおよび第2ピンの長さが略等しく、両方ともがシーブ面に接触するチェーンにも適用することができ、さらに、第1ピンおよび第2ピンの両方が前後挿通部に対し移動可能に嵌め入れられるチェーンやその他各種タイプの動力伝達チェーンに適用可能である。
図1は、この発明による無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、リンクの拡大側面図である。 図4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図5は、無段変速機の変速に伴って動力伝達チェーンが変化する様子を模式的に示す側面図である。 図6は、予張力付与装置を模式的に示す図である。 図7は、この発明の製造方法で製造される動力伝達チェーンのリンクの圧縮応力付与状態を模式的に示す図である。 図8は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(32) 予張力付与用第1プーリ
(33) 予張力付与用第2プーリ

Claims (3)

  1. 円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第2のプーリと、複数のリンクおよびこれらを連結する複数のピンからなり両プーリ間に巻き掛けられた無端状動力伝達チェーンとを備え、各プーリのシーブ間距離の変化に伴って巻き掛け径が無段階に変更されて無段階の変速が行われる無段変速機で使用される動力伝達チェーンの製造方法であって、
    リンクとピンとを組み合わせて無端状チェーンを形成する工程と、予張力付与用第1プーリと予張力付与用第2プーリとの間に無端状チェーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する工程とを備えており、予張力付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされていることを特徴とする無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法。
  2. 予張力付与用第1プーリと予張力付与用第2プーリとの軸心間距離を所定の範囲で変更することにより、張力の大きさを変化させることを特徴とする請求項1の無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法。
  3. 動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されているものである請求項1または2の無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法。
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