JP2007166469A - 通信システム及びデータ配信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信エラー時のデータ伝送の効率向上を図るとともに、受信装置にかかる負荷の増大を防止する。
【解決手段】被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、該符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置とを備え、受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報110を送信装置へ送信する手段を有し、送信装置は受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信システム及びデータ配信方法に関する。
近年、同一の大容量データを多数の受信者に効率よく配信するマルチキャスト通信技術が注目されている。また、通信中に起こる雑音や消失などからデータを保護するために、UDP(User Datagram Protocol)やIP(Internet Protocol)を用いたマルチキャストもしくはユニキャスト通信にパケットレベルの誤り訂正符号(FEC;Forward Error Correction)を組み合わせる方法が提案されている。FECなどを組み合わせて信頼性を向上させたマルチキャストのことを高信頼マルチキャストと呼ぶ。高信頼マルチキャストに用いる誤り訂正符号としては、例えば、LT符号(例えば特許文献1参照)、Raptor符号、低密度パリティ検査符号(Low-Density Parity-Check Codes;LDPC符号)などが知られている。
ここで、一般的なFECの説明を行う。
送信者は、データをデータブロックに分割し、データブロックをさらに情報シンボルと呼ばれる符号化の最小入力単位に分割する。次いで、データブロックごとに符号化を行い、符号語に変換する。符号語は符号化シンボルと呼ばれる符号化の最小出力単位から構成される。符号化シンボルを最小単位とし、各符号語をパケットに分割して送信する。受信者は複数の受信符号化シンボルから復号を行い、データブロックを復元する。送信者により分割された全てのデータブロックが復元できればデータの受信が完了する。
LT符号方式においては、複数個の情報シンボルの中から任意に選択された情報シンボルの組ごとの排他的論理和(XOR)演算値を符号化シンボルとする。情報シンボルの組は、複数個の情報シンボルから構成されてもよく、或いは1個の情報シンボルのみから構成されてもよい。つまり、1個の符号化シンボルは、1個もしくは複数個の情報シンボルのXOR演算のみで構成される項との等式として表される。その符号化シンボルに係る等式からは、符号化シンボルが既知且つ情報シンボルが未知である方程式が得られる。そして、その複数の符号化シンボルの方程式から成る連立方程式が構成される。復号時には、該連立方程式を解くことによって、未知であった情報シンボルを求める。
LT符号方式を用いた通信では、配信時間を調整することで効率的に高い信頼性を得ることができるため、基本的に再送の必要はない。しかしながら、配信スケジュールや配信データ数を増加させる等の理由から、マルチキャスト配信時間が限られている環境、もしくはマルチキャスト配信時間をできるだけ少なくしなければならないような環境においては、配信完了率100%を達成するために、配信失敗者向けに差分ダウンロード(ARQ;Automatic Repeat Request)を行なっている。
また、FECとARQを組み合わせた差分ダウンロード方式が知られているが、例えば、その単純な差分ダウンロード方式(ロスしたパケットを再送)をLT符号方式を用いた通信に用いたとしても、ロスしたパケットの中からデータ回復に有効なパケットを選択するのが困難であったり、またランダムに選択しても一ユーザ当たりの再送回数を有効に削減できなかったりするという問題がある。これに対して非特許文献1に記載される再送技術では、XOR演算ベースのFECの特徴を利用して差分ダウンロード回数を削減している。
特開2001−189665号公報 佐々木力、他4名,"XOR演算に基づく前方誤り訂正符号を用いた高信頼マルチキャストにおける再送方式の提案",信学技報,NS2004-288,March 2005.
しかし、上述した従来技術では、以下に示すような問題がある。
(1)非特許文献1記載の再送技術では、受信端末が再送してもらう情報シンボルやパケットを選択する処理を行なうので、受信端末の負荷が増加し、消費電力の増加に伴う電池寿命の短命化や通信アプリケーション等の処理遅延の増加などが懸念される。また、再送してもらう情報シンボルやパケットをパケット配送装置に通知するときのデータ量は、差分ダウンロード回数に応じて増加するので、データ転送効率の低下が問題となる。また、XORベースのFECに用いる誤り訂正符号のアルゴリズムやデータ構造などを知る必要があり、既存システムに適用する場合には、受信端末のメモリ等に保存されているFECの復号演算中のデータ(未復号の情報シンボルや情報シンボルのXOR情報など)にアクセスする機能を新たに設ける必要があるので、端末コストの増加等の問題が生じる。
(2)ロスしたパケットを再送する単純な差分ダウンロード方式では、受信端末がロスしたパケットを検出する処理を行うので、上記(1)と同様に、その負荷の影響が懸念される。また、検出したパケットをパケット配信装置に通知するときの転送量は、パケットのロスした量や総パケット数に応じて増加するので、パケットロス率が大きい無線環境では効率が悪い。また、ロスしたパケットの検出のために、パケットにシーケンス番号などの規則性のある識別データが必要となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、通信エラー時のデータ伝送の効率向上を図るとともに、受信装置にかかる負荷の増大を防止することのできる通信システム及びデータ配信方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信システムは、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する手段を有し、前記送信装置は、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記送信装置は、前記受信量情報から符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記受信量情報の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する手段を有し、前記送信装置は、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記送信装置は、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記要求数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記要求数の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には乱数を用いた符号を使用し、前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に使用した乱数系列の情報を同じパケットに含めて送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には排他的論理和演算を用いた符号を使用し、前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に係る符号化シンボルと情報シンボルとの排他的論理和演算関係の情報を同じパケットに含めて送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成には、同じ符号化パラメータを用い、且つ異なる乱数系列を用いることを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記第2符号化シンボル集合は、前記方法により冗長に生成された第3符号化シンボル集合の中から、前記第1符号化シンボル集合とは異なる性質を有するようにする条件を満たすように符号化シンボルを選択して生成されることを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボル数の分布規定であることを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボルの被排他的論理和演算数の規定であることを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、前記符号は、LT符号、Raptor符号又はLDPC符号であることを特徴とする。
本発明に係る通信システムにおいては、同一の符号化パラメータを持つ一義的な符号により生成された第3符号化シンボル集合を前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合に分割して用いることを特徴とする。
本発明に係るデータ配信方法は、送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する第3の過程と、前記送信装置が、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係るデータ配信方法は、送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する第3の過程と、前記送信装置が、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、通信エラー時のデータ伝送の効率向上を図るとともに、受信装置にかかる負荷の増大を防止することができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチキャスト配信システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態ではマルチキャスト配信を例に挙げて説明するが、本発明はマルチキャスト配信に限定されず、ユニキャスト配信にも同様に適用することができる。
図1において、送信者は配信サーバ1と追加配信サーバ2を設けている。受信者は通信端末3を設けている。配信サーバ1、追加配信サーバ2及び通信端末3は、ネットワーク4にそれぞれ接続されている。ネットワーク4には、パケットのルーティングを行うルータ5がネットワーク状に配置されている。ルータ5はマルチキャスト転送をサポートしている。
配信サーバ1は、配信データから分割して得られた情報シンボルを符号化し、その得られた符号化シンボルを格納したパケットをネットワーク4を介してマルチキャスト送信101を行なう。通信端末3は、配信サーバ1からマルチキャスト送信されたパケットをネットワーク4を介してマルチキャスト受信する。通信端末3は、受信した符号化シンボルの復号を行い、その復号の失敗時には符号化シンボルの受信量を表す受信量情報110を追加配信サーバ2に送信する。追加配信サーバ2は、ネットワーク4を介して通信端末3からの受信量情報110を受信する。そして、追加配信サーバ2は、受信量情報110に基づき、符号化シンボルの追加配信120を行う。その符号化シンボルの追加配信120は、マルチキャスト配信であってもよく、或いはユニキャスト配信であってもよい。
次に、図2を参照して、本実施形態に係るデータ配信処理を説明する。
図2は、本実施形態に係るデータ配信処理の手順を示すシーケンスチャートである。図2に示されるように、本実施形態に係るデータ配信処理は、3つのフェーズ1,2,3から構成される。
[フェーズ1]
フェーズ1は、基本の符号化シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ1において、先ず、ステップS11では、送信者の配信サーバ1は、配信データを複数のデータブロックに分割し、各データブロックを誤り訂正符号を用いてそれぞれ符号化する(FEC)。データブロックとは、データをいくつかに分割して送信する際の分割単位のことをいう。その符号化によって得られた符号化シンボルの集合を符号化シンボル集合Aとする。次いで、配信サーバ1は、符号化シンボル集合Aの符号化シンボルを規定量だけマルチキャスト配信する。その規定量は、予め定められた個数(規定数)であってもよく、或いは配信を行うときの制限時間(規定時間)であってもよい。
ステップS12では、受信者の通信端末3は、符号化シンボルをマルチキャスト受信し、その受信数等の所定の復号開始条件を満足した場合に復号を開始する。その復号は、符号化シンボルを受信する毎に行ってもよく、受信した符号化シンボルが一定量に達する毎に行ってもよい。
ステップS13では、マルチキャスト配信の終了までに、復号が成功したか否かを判断する。そして、復号が成功したならば、当該データ配信は終了する。一方、復号が失敗した場合には、フェーズ2に移行する。なお、上記復号開始条件を満足しなかった場合にも、復号失敗となる。
[フェーズ2]
フェーズ2は、追加の符号化シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ2において、先ず、ステップS21では、受信者の通信端末3は、フェーズ1での受信量情報を送信者の追加配信サーバ2に送信する。その受信量情報は、符号化シンボルの受信量を表す情報であって、例えば、符号化シンボルの受信数又は損失数、パケットの受信数又は損失数などが利用可能である。
ステップS22では、送信者の追加配信サーバ2は、通信端末3からの受信量情報を受信する。そして、追加配信サーバ2は、受信量情報に基づき、配信失敗受信者の復号が成功するために必要な符号化シンボルの個数(追加配信数)を求める。その追加配信数は、所定の演算式から計算してもよく、或いは、受信量情報と符号化シンボル数の対応関係を有する所定のテーブルを予め保持し、該テーブルを参照することにより求めてもよい。
ステップS23では、追加配信サーバ2は、フェーズ1で配信に用いた符号化シンボル集合Aとは異なる符号化シンボル集合Bを用い、該符号化シンボル集合Bの符号化シンボルを追加配信数だけ配信する。この追加配信は、マルチキャスト配信であってもよく、或いはユニキャスト配信であってもよい。なお、符号化シンボル集合Bは、予め準備しておいてもよく、或いは、受信量情報の受信時もしくは追加配信時に作成してもよい。また、マルチキャスト配信により追加配信を行う場合は、複数の配信失敗受信者からの受信量情報から、それら全ての配信失敗受信者の復号が成功するための追加配信数を求める。
ステップS24では、受信者の通信端末3は、追加配信された符号化シンボルを受信すると、その追加配信された符号化シンボルとフェーズ1で受信した符号化シンボル、さらにはフェーズ1で復号された情報シンボルと復号後に未復号情報シンボルの情報を保持している符号化シンボルを用いて復号を開始する。
ステップS25では、その復号が成功したか否かを判断する。そして、復号が成功したならば、当該データ配信は終了する。一方、復号が失敗した場合には、フェーズ3に移行する。
[フェーズ3]
フェーズ3は、当該データ配信の完了のために、符号化を行う前の情報シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ3において、先ず、ステップS31では、受信者の通信端末3は、フェーズ2での復号の失敗を通知するメッセージを送信者の配信サーバ1に送信する。
ステップS32では、配信サーバ1は、配信データの全ての情報シンボルをTCP(Transmission Control Protocol)等の信頼性の高い通信方法で配信する。フェーズ3では、基本的には全ての受信者に対するデータ配信を成功させることを目的とするので、通常はユニキャスト配信を用いることが好ましいが、マルチキャスト配信を用いる場合には、配信時間を十分に長くする等により信頼度を高めるようにする。
なお、フェーズ3においては、受信者から未復号の情報シンボルを要求して、該要求された情報シンボルのみを送信者からユニキャスト配信するようにしてもよい。
また、上記図2の実施例では、フェーズ2の復号が失敗した場合に、直ぐにフェーズ3に移行したが、再度、フェーズ2を行うようにしてもよい。但し、各フェーズ2で配信に用いる符号化シンボル集合は、それぞれ異なるものであって、フェーズ1の符号化シンボル集合Aとも異なるものを準備する。
次に、上記したフェーズ2における追加配信数の算出方法について説明する。
一般的にFECにおいては、符号化レートと符号化シンボルの受信数の関係から、信頼度を見積もることができる。また、計算機シミュレーションによって信頼度を見積もることも可能である。本実施形態では、その信頼度に基づき、追加配信数を算出する。以下、追加配信をユニキャスト配信で行う場合と、マルチキャスト配信で行う場合に分けてそれぞれ説明する。ここでは、復号に失敗した受信者から得られた受信量情報として、符号化シンボルの受信数rを用いる。
[ユニキャスト配信で追加配信を行う場合]
ユニキャスト配信で追加配信を行う場合の追加配信数の算出においては、受信数rと符号化レートを用いたシミュレーション(もしくは解析)を行い、その結果から得られた信頼度から、目標信頼度を達成するための追加配信数を算出する。その追加配信数の算出方法としては、例えば、予め定義した関数を用いてもよく、或いは図3に例示するような信頼度テーブルを予め準備しその信頼度テーブルから算出してもよい。
図3の信頼度テーブルにおいては、縦軸に信頼度としての誤り率、横軸に符号化シンボルの受信数が示されている。その信頼度テーブルから、目標誤り率を達成するための受信数が得られる。その目標誤り率を達成するための受信数と、復号に失敗した受信者から得られた受信数rとの差が、追加配信数として算出される。
また、追加配信数の算出に用いる関数Fとしては、例えば、符号化シンボル集合Aに係る符号Cと、符号化シンボル集合Bに係る符号C’と、受信数rとを引数とした関数F(C,C’,r)や、さらに信頼度Eを引数に加えた関数F_e(C,C’,E,r)などが挙げられる。例えば、信頼度Eをフェーズ1の基本配信量Fからの冗長な配信量として、次式のように定義してもよい。
F_e(C,C’,E,r)=F(C,C’,r)+E
なお、通常、信頼度は受信者数によって決めるものであるが、受信者数は送信者がある程度知っているものとして、上記の関数の入力値(引数)には含めていない。
なお、本ユニキャスト配信によれば、TCP等の信頼性の高い通信方法を用いるので、追加配信する符号化シンボルが受信者に届かないことはまれである。
[マルチキャスト配信で追加配信を行う場合]
マルチキャスト配信で追加配信を行う場合の追加配信数の算出においては、復号に失敗した複数の受信者から得られた受信数rの組(受信数の組B)と符号C,C’を引数とする関数G(C,C’,B)を予め定義し、該関数G(C,C’,B)を用いて追加配信数を算出する。但し、符号Cは符号化シンボル集合Aに係る符号、符号C’は符号化シンボル集合Bに係る符号である。なお、受信数の組Bは、復号に失敗した複数の当該受信者に係るロス率の組と1対1で対応している。また、ロス率の組及び受信数の組において、「組」は集合であってもよく、或はベクトルであってもよい。
上記関数G(C,C’,B)としては、例えば、次のように定義することができる。
フェーズ1でN個のパケットをマルチキャスト送信し、復号が所定の高確率で成功するためにはK個のパケットが受信されることが必要であるとする。ここで、パケットの個数NとKの関係は、符号Cにより規定される。例えば、Raptor符号の場合には、KはNの105%の値である。そのNとKの関係は、シミュレーション等を用いて算出可能である。また、フェーズ2での追加配信時のマルチキャスト送信時においても同様のロスパターンが発生すると想定する。
そして、受信数の組Bの中で最も小さな受信数aに着目すると、当該受信者のロス率は「(N−a)/N」であり、当該受信者がそのロス率で残り「K−a」個のパケットをフェーズ2で受信するために必要なパケットの個数は、「N(K−a)/a」個となる。
また信頼性向上のために、さらに冗長分のα個(例えば、一定個数(5個等)、N(K−a)/aの平方根にあたる個数等)のパケットをフェーズ2で送信する場合は、{[N(K−a)/a]+α}個がフェーズ2での追加配信分となる。なお、冗長分のパケットの個数αの代わりに、送信するパケットをβ倍(例えば、一定数倍(1.1倍等))にするようにしてもよい。その場合には、フェーズ2での追加配信分は、「β×N(K−a)/a」個となる。
また、目標とする信頼度を引数とした関数G_e(C,C’,E,B)を定義して用いてもよい。
次に、上記したフェーズ1,2でそれぞれ用いる符号化シンボル集合A,Bの生成方法について説明する。
フェーズ1で用いる符号化シンボル集合Aとフェーズ2で用いる符号化シンボル集合Bとは、異なるように生成する。誤り訂正符号(FEC)のアルゴリズム及びデータフォーマットを予め把握しておくことにより、もしくは各パケットに符号化パラメータを挿入する等により配信毎或いは配信途中に符号化パラメータを変更する機能を設け、符号化パラメータを変更することで、互いに性質の異なる符号化シンボル集合A,Bを生成することができる。誤り訂正符号としては、入力データ(被符号化データ)の冗長化を可能とする符号(符号化レート<1)であって、例えば、LT符号、Raptor符号などが利用できる。LT符号、Raptor符号においては、変更対象の符号化パラメータとして、例えば符号化シンボル生成時のXOR演算数分布などが挙げられる。以下の説明においては、LT符号やRaptor符号等を用いたXOR演算ベースのFECにあって、符号化シンボルを成す情報シンボルの数(XOR演算数)を「次数」と称し、その分布を「次数分布」と称する。
以下、各場合の次数分布変更方法について説明する。
(1)FECのアルゴリズム及びデータフォーマットが把握できている場合の次数分布変更方法
先ず、符号化シンボル集合Aと同様の符号化パラメータを用いて符号化シンボル集合Tを生成する。但し、その符号化パラメータは乱数列を含まないものである。つまり、符号化シンボル集合Bの生成時に使用する乱数列は、符号化シンボル集合Aとは異なるものを使用する。また、符号化シンボル集合Tは符号化シンボル集合Bよりも冗長な大きさを有するように生成する。
次いで、その符号化シンボル集合Tの中から、符号化シンボル集合Aとは異なる次数分布となるように、該当次数の符号化シンボルを選択して符号化シンボル集合Sを生成する。なお、FECのアルゴリズム等が分かっているので、符号化シンボルの次数を知ることは可能である。
より具体的には、先ず、符号化シンボル集合Sの要素(符号化シンボル)の個数を決定し、次に、符号化シンボル集合Aとは異なる所望の次数分布となるように、符号化シンボル集合Sに含める各次数の符号化シンボル数を決定する。また、初期集合としての符号化シンボル集合Sを空集合としておく。次いで、符号化シンボル集合Tから、順次、任意に符号化シンボルを選択して符号化シンボル集合Sに含めていく。このとき、符号化シンボル集合Sに含めた符号化シンボルの次数を確認し、符号化シンボル集合Sに含める各次数の符号化シンボル数を満足するか判断する。そして、その各次数の符号化シンボル数を満足するまで、符号化シンボル集合Tから任意の符号化シンボルを選択して符号化シンボル集合Sに含めていく。これにより、符号化シンボル集合Sが完成する。なお、符号化シンボル集合Tから選択された符号化シンボルは、符号化シンボル集合Tから削除する。また、符号化シンボル集合Sが完成する前に、符号化シンボル集合Tが空集合になった場合は、初期集合としての符号化シンボル集合Tの要素数を前回よりも増やし、再度、符号化シンボル集合Sの生成を試みる。
その生成した符号化シンボル集合Sを符号化シンボル集合Bとしてフェーズ2で用いることにより、擬似的に次数分布の変更を可能とし、フェーズ2での追加配信の回数を削減することができる。
(2)各パケットに符号化パラメータを挿入する等により配信毎或いは配信途中に符号化パラメータを変更する機能を設ける場合の次数分布変更方法
この場合には、所望の次数分布となるような符号化パラメータを用いて符号化シンボル集合Bを生成するための符号化を行う。その符号化に合わせて、パケットに挿入する符号化パラメータを変更する。
なお、符号化シンボル集合A,Bが有する異なる性質としては、上記した次数分布に限定されない。上記(1),(2)と同様の方法により変更希望の特徴に対応するデータ構造のフオーマットやパラメータの変更が可能な場合には、異なる符号化シンボル集合A,Bの生成が可能である。
次数分布以外の特徴を用いて異なる性質を有する符号化シンボル集合A,Bを生成する方法としては、例えば、各符号化シンボルの重みから成る重み分布が符号化シンボル集合AとBでそれぞれ異なるように生成する方法が考えられる。符号化シンボルの重みとしては、例えばLT符号における、符号化時の情報シンボルの被XOR演算数などが利用できる。
より具体的には、先ず、符号化シンボル集合Aの重み分布とは異なる符号化シンボル集合Bの満足すべき重み分布と符号化シンボル集合Bの要素数とに基づき、符号化シンボル集合Bに含める符号化シンボルの重み及び各重みの符号化シンボル数を決定する。また、符号化シンボル集合Aと同様の符号化パラメータを用いて符号化シンボル集合Tを生成する。但し、その符号化パラメータは乱数列を含まないものである。つまり、符号化シンボル集合Bの生成時に使用する乱数列は、符号化シンボル集合Aとは異なるものを使用する。また、符号化シンボル集合Tは符号化シンボル集合Bよりも冗長な大きさを有するように生成する。また、初期集合としての符号化シンボル集合Sを空集合としておく。
次いで、符号化シンボル集合Tから、順次、任意に符号化シンボルを選択して符号化シンボル集合Sに含めていく。このとき、符号化シンボル集合Sに含めた符号化シンボルの重みを確認し、符号化シンボル集合Sに含める各重みの符号化シンボル数を満足するか判断する。そして、その各重みの符号化シンボル数を満足するまで、符号化シンボル集合Tから任意の符号化シンボルを選択して符号化シンボル集合Sに含めていく。これにより、符号化シンボル集合Sが完成する。なお、符号化シンボル集合Tから選択された符号化シンボルは、符号化シンボル集合Tから削除する。また、符号化シンボル集合Sが完成する前に、符号化シンボル集合Tが空集合になった場合は、初期集合としての符号化シンボル集合Tの要素数を前回よりも増やし、再度、符号化シンボル集合Sの生成を試みる。なお、目標とする重み分布としては多少の幅を持たせることにより、符号化シンボル集合Sの生成が簡単になる。
次に、送信者のデータ配信装置と受信者の通信端末の実施例を説明する。
図4は、送信者のデータ配信装置10の実施例である。
図4において、フェーズ1配信部20は図1の配信サーバ1に、フェーズ2配信部30は図1の追加配信サーバ2に、それぞれ対応している。
フェーズ1配信部20において、符号化部21は、配信データを符号化して符号化シンボル集合Aを生成する。メモリ22は、その生成された符号化シンボル集合Aを記憶する。送信部23は、メモリ22に記憶されている符号化シンボル集合Aの符号化シンボルをネットワークを介して送信する。また、符号化部21は、符号化シンボル集合Aとは異なる符号化シンボル集合Bを生成する。メモリ24は、その生成された符号化シンボル集合Bを記憶する。また、符号化部21は、符号化に係る情報を送信部23及びフェーズ2配信部30に通知する。
フェーズ2配信部30において、送受信部31は、フェーズ2での追加配信の符号化シンボルをネットワークを介して送信し、また、ネットワークを介して受信者の通信端末からの受信量情報を受信する。メモリ32は、送受信部31により受信した受信量情報を記憶する。送信符号化シンボル数演算部33は、メモリ32に記憶される受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルの個数を算出する。送信符号化シンボル選択部34は、送信符号化シンボル数演算部33により算出された符号化シンボル数だけ、フェーズ1配信部20のメモリ24から符号化シンボル集合Bの符号化シンボルを読み出す。その読み出された符号化シンボル集合Bの符号化シンボルは、送受信部31によりネットワークを介して送信される。
図5は、受信者の通信端末3の実施例である。
図5において、送受信部41は、ネットワークを介して、フェーズ1の符号化シンボル及びフェーズ2での追加配信の符号化シンボルを受信する。メモリ42は、送受信部41により受信したフェーズ1,2の符号化シンボルをそれぞれ記憶する。復号部43は、メモリ42に記憶される符号化シンボルを用いて、フェーズ1,2での復号をそれぞれ行う。受信符号化シンボル数演算部44は、復号部43での復号結果から受信量を算出し、その受信量情報を作成する。送受信部41は、その作成された受信量情報をネットワークを介して送信者のデータ配信装置10に送信する。
上述した実施形態によれば、前方誤り訂正を用いた高信頼マルチキャストデータ配信を行う場合に、通信中の符号化シンボルの損失もしくは受信符号化シンボル数の不足により復号に失敗した受信者と送信者との間の通信において、その通信量を低減することができる。また、受信端末にかかる負荷の増大を防止することができる。
また、本実施形態によれば、以下に示すような効果が得られる。
(1)配信に失敗した受信者側では差分ダウンロード要求データの選択を行わないので、受信者側の通信端末で行う計算量を大幅に削減できる。これにより、例えば携帯端末においては、電池の消耗の抑制や通信アプリケーション等の処理遅延の防止を図ることができる。
(2)配信に失敗した受信者から送信者へは、受信量情報のみでよいので、受信者から送信者へ送信するデータ量を削減できる(具体的には、パケット数やパケットサイズなどを小さくできる)。
(3)符号化パラメータの意味するところ(特に、符号化レートに関係するところ)を知っていれば、符号化・復号化の内部実装や送信パケットデータ構造、復号失敗時の内部データ構造などを特に知る必要がなく、既存システムの変更が少なく実装が簡単である。なお、基本の符号化シンボルの配信を行うフェーズ1と、追加の符号化シンボルの配信を行うフェーズ2とにおいて、それぞれ同一の特徴を持つ符号化シンボル集合を使用する場合には、符号化パラメータの意味するところについても特に知っている必要がなくなる。
(4)LT符号やRaptor符号を使用するときには、ロスしたパケットを特定することが不要となるので、パケットのシーケンス番号が不要になる等、実装が簡単になる。
(5)フェーズ1とフェーズ2で同じパケットフオーマットを用いて配信することができる。
(6)フェーズ2において、マルチキャストにより符号化シンボルの追加配信を行うことにより、配信失敗者が多くてパケットロス率が高い場合には追加配信の総転送量を削減できる。
(7)非特許文献1記載の再送要求と復号を適宜繰り返す方法とは異なり、追加する符号化シンボルを一通信セッションでまとめて配信することができるので、通信セッションを確立したままの状態で復号を行うことができないような場合においては、復号の度に何度も通信セッションを張りなおす必要がなく、通信セッションの張り直しのための通信帯域は不要となり効率がよい。
(8)LT符号やRaptor符号などのように確率的符号化を行うマルチキャスト配信の場合には、フェーズ2の追加配信時の符号化シンボル集合の生成規則を決定的に変える事により(例えば、上述した次数分布や重み分布の変更方法を用いて、LT符号の次数分布やXOR演算関係を変更する、もしくは満足するもののみ選んで送信する)、該生成規則を変えない場合よりも少ない配信回数で追加配信を終了させることができる。この場合には、FECのアルゴリズムやデータフォーマットを知るか、もしくは送信者と受信者の間で符号化パラメータ(次数分布に関する)を変更する機能を送信者と受信者の各々の装置に設ければよい。但し、符号化パラメータを変更しても符号化と復号化が正常に動作するように、送信者と受信者の各装置の実装を整合させる必要がある。例えば、各パケットに符号化パラメータを挿入する等により配信の度に符号化パラメータを変更する機能、もしくは配信の途中で符号化パラメータを変更する機能を設ければよい。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、受信者から受信量情報の代わりに、符号化シンボルの要求数(フェーズ2での追加配信数)を通知してもよい。この場合には、上述した実施形態では送信者において行ったフェーズ2での追加配信数の計算を受信者において行うことになるが、追加配信する符号化シンボルを特定する必要はないので、受信端末にかかる負担は少なくて済む。なお、受信者からの符号化シンボルの要求数が、符号化シンボル集合Bの要素数よりも多い場合には、符号化シンボル集合Bの全ての符号化シンボルを追加配信する。
また、追加配信をマルチキャスト配信で行う場合は、例えば、符号化シンボル集合Aに係る符号Cと、符号化シンボル集合Bに係る符号C’と、各受信者の受信量の組Dとを引数とした関数H(C,C’,D)を定義して行ってもよい。関数H(C,C’,D)としては、例えば、フェーズ1でN個のパケットをマルチキャスト送信し、復号が所定の高確率で成功するためにはK個のパケットが受信されることが必要である場合において次のように定義される。組Dの中で最も大きな要求数a’に着目すると、当該受信者のロス率は、「(N−K+a’)/N」である。これにより、該受信者がこのロス率で残りa’個の符号化シンボルを受信するために必要なフェーズ2での追加配信数は、「N×a’/(K−a’)」となる。信頼性向上のために、さらに冗長分の符号化シンボルを追加配信する場合は、「N×a’/(K−a’)+α」個、或いは「β×N×a’/(K−a’)」個の追加配信を行う。
また、フェーズ1とフェーズ2において同じ誤り訂正符号(同一の符号化パラメータ)を用いることも可能である。その場合には、フェーズ1とフェーズ2の各送信レートの総和分に相当する符号化レートとなるように調整する。
また、フェーズ2での追加配信用の符号化シンボル集合Bをフェーズ2の実行時に生成可能であるならば、予め符号化シンボル集合Bを生成しておく必要はない。そのため、符号化シンボル集合Bに関しては、必要最小量の見積もりが困難な場合や保持が困難な場合などを考慮し、フェーズ2の実行時に動的に生成することが好ましい。
なお、LT符号やRaptor符号等のレートレス符号は、原理的に、半永久的に任意の大きさの符号化シンボル集合が生成可能であるので、符号化シンボル集合の動的生成に適している。
また、LT符号、Raptor符号は、次数分布やXOR演算関係の変更により異なる性質の符号化シンボル集合を生成可能なものである。また、本発明に係る符号として、LDPC符号が利用可能であり、LDPC符号においても、同様に、パリティのXOR演算関係を表すパラメータを変更するか、或いはいくつかのパリティ生成方法を送信者と受信者で共有することにより、異なる性質の符号化シンボル集合を生成可能である。これにより、LT符号、Raptor符号又はLDPC符号を用いることにより、追加配信回数の削減のために、フェーズ2に用いる符号化シンボル集合Bを変更することが容易になる。
また、本発明に係る誤り訂正符号としては、上記したLT符号やRaptor符号等のレートレス符号以外に、リードソロモン符号等の符号化レートが規定される符号についても適用可能である。符号化レートが規定される符号の場合には、規定レート分の符号化シンボルが100%受信されれば、信頼度は十分に達成されるので、フェーズ2での追加配信数としては、規定レート分の符号化シンボルに足りない個数で十分となる。
また、上述した実施形態におけるフェーズ1で用いる第1符号化シンボル集合とフェーズ2で用いる第2符号化シンボル集合としては、以下に示すようなバリエーション(ケース1、2)が可能である。
(ケース1)
フェーズ1で送信する個数およびフェーズ2で送信する個数よりも要素数の大きな同一の符号化シンボル集合を第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合に用いる。そして、フェーズ1,2の送信個数決定後に、各フェーズの符号化シンボル集合から送信する符号化シンボルを確率的に選択する。この場合、第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合は同じであるが、各フェーズで実際に送信される符号化シンボル集合は異なっている確率が非常に高いので、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
(ケース2)
上記ケース1と同様に、同一の符号化シンボル集合を第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合に用いる。そして、各フェーズの送信個数決定後の送信符号化シンボル選択時に、フェーズ1とフェーズ2で実際に送信される符号化シンボル集合が異なるように、送信する符号化シンボルを選択するときの判定機能を設ける。これにより、第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合は同じであるが、各フェーズで実際に送信される符号化シンボル集合が異なるようにすることができるので、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
本発明の一実施形態に係るマルチキャスト配信システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態に係るデータ配信処理の手順を示すシーケンスチャートである。 同実施形態に係る信頼度テーブルの構成例を示すグラフ図である。 本発明の実施例に係るデータ配信装置10の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る通信端末3の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…配信サーバ、2…追加配信サーバ、3…通信端末、4…ネットワーク、5…ルータ、20…フェーズ1配信部、21…符号化部、22,24,32,42…メモリ、23…送信部、30…フェーズ2配信部、31,41…送受信部、33…送信符号化シンボル数演算部、34…送信符号化シンボル選択部、43…復号部、44…受信符号化シンボル数演算部

Claims (16)

  1. 被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、
    前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、
    前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する手段を有し、
    前記送信装置は、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記送信装置は、前記受信量情報から符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記受信量情報の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、
    前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、
    前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する手段を有し、
    前記送信装置は、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する、
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 前記送信装置は、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記要求数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記要求数の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  7. 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には乱数を用いた符号を使用し、
    前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に使用した乱数系列の情報を同じパケットに含めて送信する、
    ことを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。
  8. 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には排他的論理和演算を用いた符号を使用し、
    前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に係る符号化シンボルと情報シンボルとの排他的論理和演算関係の情報を同じパケットに含めて送信する、
    ことを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。
  9. 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成には、同じ符号化パラメータを用い、且つ異なる乱数系列を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の通信システム。
  10. 前記第2符号化シンボル集合は、前記方法により冗長に生成された第3符号化シンボル集合の中から、前記第1符号化シンボル集合とは異なる性質を有するようにする条件を満たすように符号化シンボルを選択して生成されることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
  11. 前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボル数の分布規定であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
  12. 前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボルの被排他的論理和演算数の規定であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
  13. 前記符号は、LT符号、Raptor符号又はLDPC符号であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
  14. 同一の符号化パラメータを持つ一義的な符号により生成された第3符号化シンボル集合を前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合に分割して用いることを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。
  15. 送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、
    受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、
    受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する第3の過程と、
    前記送信装置が、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、
    を含むことを特徴とするデータ配信方法。
  16. 送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、
    受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、
    受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する第3の過程と、
    前記送信装置が、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、
    を含むことを特徴とするデータ配信方法。
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