JP2007166469A - 通信システム及びデータ配信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、該符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置とを備え、受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報110を送信装置へ送信する手段を有し、送信装置は受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する。
【選択図】図1
Description
送信者は、データをデータブロックに分割し、データブロックをさらに情報シンボルと呼ばれる符号化の最小入力単位に分割する。次いで、データブロックごとに符号化を行い、符号語に変換する。符号語は符号化シンボルと呼ばれる符号化の最小出力単位から構成される。符号化シンボルを最小単位とし、各符号語をパケットに分割して送信する。受信者は複数の受信符号化シンボルから復号を行い、データブロックを復元する。送信者により分割された全てのデータブロックが復元できればデータの受信が完了する。
(1)非特許文献1記載の再送技術では、受信端末が再送してもらう情報シンボルやパケットを選択する処理を行なうので、受信端末の負荷が増加し、消費電力の増加に伴う電池寿命の短命化や通信アプリケーション等の処理遅延の増加などが懸念される。また、再送してもらう情報シンボルやパケットをパケット配送装置に通知するときのデータ量は、差分ダウンロード回数に応じて増加するので、データ転送効率の低下が問題となる。また、XORベースのFECに用いる誤り訂正符号のアルゴリズムやデータ構造などを知る必要があり、既存システムに適用する場合には、受信端末のメモリ等に保存されているFECの復号演算中のデータ(未復号の情報シンボルや情報シンボルのXOR情報など)にアクセスする機能を新たに設ける必要があるので、端末コストの増加等の問題が生じる。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチキャスト配信システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態ではマルチキャスト配信を例に挙げて説明するが、本発明はマルチキャスト配信に限定されず、ユニキャスト配信にも同様に適用することができる。
図1において、送信者は配信サーバ1と追加配信サーバ2を設けている。受信者は通信端末3を設けている。配信サーバ1、追加配信サーバ2及び通信端末3は、ネットワーク4にそれぞれ接続されている。ネットワーク4には、パケットのルーティングを行うルータ5がネットワーク状に配置されている。ルータ5はマルチキャスト転送をサポートしている。
図2は、本実施形態に係るデータ配信処理の手順を示すシーケンスチャートである。図2に示されるように、本実施形態に係るデータ配信処理は、3つのフェーズ1,2,3から構成される。
フェーズ1は、基本の符号化シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ1において、先ず、ステップS11では、送信者の配信サーバ1は、配信データを複数のデータブロックに分割し、各データブロックを誤り訂正符号を用いてそれぞれ符号化する(FEC)。データブロックとは、データをいくつかに分割して送信する際の分割単位のことをいう。その符号化によって得られた符号化シンボルの集合を符号化シンボル集合Aとする。次いで、配信サーバ1は、符号化シンボル集合Aの符号化シンボルを規定量だけマルチキャスト配信する。その規定量は、予め定められた個数(規定数)であってもよく、或いは配信を行うときの制限時間(規定時間)であってもよい。
ステップS13では、マルチキャスト配信の終了までに、復号が成功したか否かを判断する。そして、復号が成功したならば、当該データ配信は終了する。一方、復号が失敗した場合には、フェーズ2に移行する。なお、上記復号開始条件を満足しなかった場合にも、復号失敗となる。
フェーズ2は、追加の符号化シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ2において、先ず、ステップS21では、受信者の通信端末3は、フェーズ1での受信量情報を送信者の追加配信サーバ2に送信する。その受信量情報は、符号化シンボルの受信量を表す情報であって、例えば、符号化シンボルの受信数又は損失数、パケットの受信数又は損失数などが利用可能である。
ステップS22では、送信者の追加配信サーバ2は、通信端末3からの受信量情報を受信する。そして、追加配信サーバ2は、受信量情報に基づき、配信失敗受信者の復号が成功するために必要な符号化シンボルの個数(追加配信数)を求める。その追加配信数は、所定の演算式から計算してもよく、或いは、受信量情報と符号化シンボル数の対応関係を有する所定のテーブルを予め保持し、該テーブルを参照することにより求めてもよい。
ステップS23では、追加配信サーバ2は、フェーズ1で配信に用いた符号化シンボル集合Aとは異なる符号化シンボル集合Bを用い、該符号化シンボル集合Bの符号化シンボルを追加配信数だけ配信する。この追加配信は、マルチキャスト配信であってもよく、或いはユニキャスト配信であってもよい。なお、符号化シンボル集合Bは、予め準備しておいてもよく、或いは、受信量情報の受信時もしくは追加配信時に作成してもよい。また、マルチキャスト配信により追加配信を行う場合は、複数の配信失敗受信者からの受信量情報から、それら全ての配信失敗受信者の復号が成功するための追加配信数を求める。
ステップS25では、その復号が成功したか否かを判断する。そして、復号が成功したならば、当該データ配信は終了する。一方、復号が失敗した場合には、フェーズ3に移行する。
フェーズ3は、当該データ配信の完了のために、符号化を行う前の情報シンボルの配信を行う段階である。
フェーズ3において、先ず、ステップS31では、受信者の通信端末3は、フェーズ2での復号の失敗を通知するメッセージを送信者の配信サーバ1に送信する。
ステップS32では、配信サーバ1は、配信データの全ての情報シンボルをTCP(Transmission Control Protocol)等の信頼性の高い通信方法で配信する。フェーズ3では、基本的には全ての受信者に対するデータ配信を成功させることを目的とするので、通常はユニキャスト配信を用いることが好ましいが、マルチキャスト配信を用いる場合には、配信時間を十分に長くする等により信頼度を高めるようにする。
ユニキャスト配信で追加配信を行う場合の追加配信数の算出においては、受信数rと符号化レートを用いたシミュレーション(もしくは解析)を行い、その結果から得られた信頼度から、目標信頼度を達成するための追加配信数を算出する。その追加配信数の算出方法としては、例えば、予め定義した関数を用いてもよく、或いは図3に例示するような信頼度テーブルを予め準備しその信頼度テーブルから算出してもよい。
F_e(C,C’,E,r)=F(C,C’,r)+E
なお、通常、信頼度は受信者数によって決めるものであるが、受信者数は送信者がある程度知っているものとして、上記の関数の入力値(引数)には含めていない。
マルチキャスト配信で追加配信を行う場合の追加配信数の算出においては、復号に失敗した複数の受信者から得られた受信数rの組(受信数の組B)と符号C,C’を引数とする関数G(C,C’,B)を予め定義し、該関数G(C,C’,B)を用いて追加配信数を算出する。但し、符号Cは符号化シンボル集合Aに係る符号、符号C’は符号化シンボル集合Bに係る符号である。なお、受信数の組Bは、復号に失敗した複数の当該受信者に係るロス率の組と1対1で対応している。また、ロス率の組及び受信数の組において、「組」は集合であってもよく、或はベクトルであってもよい。
フェーズ1でN個のパケットをマルチキャスト送信し、復号が所定の高確率で成功するためにはK個のパケットが受信されることが必要であるとする。ここで、パケットの個数NとKの関係は、符号Cにより規定される。例えば、Raptor符号の場合には、KはNの105%の値である。そのNとKの関係は、シミュレーション等を用いて算出可能である。また、フェーズ2での追加配信時のマルチキャスト送信時においても同様のロスパターンが発生すると想定する。
以下、各場合の次数分布変更方法について説明する。
先ず、符号化シンボル集合Aと同様の符号化パラメータを用いて符号化シンボル集合Tを生成する。但し、その符号化パラメータは乱数列を含まないものである。つまり、符号化シンボル集合Bの生成時に使用する乱数列は、符号化シンボル集合Aとは異なるものを使用する。また、符号化シンボル集合Tは符号化シンボル集合Bよりも冗長な大きさを有するように生成する。
この場合には、所望の次数分布となるような符号化パラメータを用いて符号化シンボル集合Bを生成するための符号化を行う。その符号化に合わせて、パケットに挿入する符号化パラメータを変更する。
図4において、フェーズ1配信部20は図1の配信サーバ1に、フェーズ2配信部30は図1の追加配信サーバ2に、それぞれ対応している。
フェーズ1配信部20において、符号化部21は、配信データを符号化して符号化シンボル集合Aを生成する。メモリ22は、その生成された符号化シンボル集合Aを記憶する。送信部23は、メモリ22に記憶されている符号化シンボル集合Aの符号化シンボルをネットワークを介して送信する。また、符号化部21は、符号化シンボル集合Aとは異なる符号化シンボル集合Bを生成する。メモリ24は、その生成された符号化シンボル集合Bを記憶する。また、符号化部21は、符号化に係る情報を送信部23及びフェーズ2配信部30に通知する。
図5において、送受信部41は、ネットワークを介して、フェーズ1の符号化シンボル及びフェーズ2での追加配信の符号化シンボルを受信する。メモリ42は、送受信部41により受信したフェーズ1,2の符号化シンボルをそれぞれ記憶する。復号部43は、メモリ42に記憶される符号化シンボルを用いて、フェーズ1,2での復号をそれぞれ行う。受信符号化シンボル数演算部44は、復号部43での復号結果から受信量を算出し、その受信量情報を作成する。送受信部41は、その作成された受信量情報をネットワークを介して送信者のデータ配信装置10に送信する。
(1)配信に失敗した受信者側では差分ダウンロード要求データの選択を行わないので、受信者側の通信端末で行う計算量を大幅に削減できる。これにより、例えば携帯端末においては、電池の消耗の抑制や通信アプリケーション等の処理遅延の防止を図ることができる。
(2)配信に失敗した受信者から送信者へは、受信量情報のみでよいので、受信者から送信者へ送信するデータ量を削減できる(具体的には、パケット数やパケットサイズなどを小さくできる)。
(4)LT符号やRaptor符号を使用するときには、ロスしたパケットを特定することが不要となるので、パケットのシーケンス番号が不要になる等、実装が簡単になる。
(6)フェーズ2において、マルチキャストにより符号化シンボルの追加配信を行うことにより、配信失敗者が多くてパケットロス率が高い場合には追加配信の総転送量を削減できる。
(7)非特許文献1記載の再送要求と復号を適宜繰り返す方法とは異なり、追加する符号化シンボルを一通信セッションでまとめて配信することができるので、通信セッションを確立したままの状態で復号を行うことができないような場合においては、復号の度に何度も通信セッションを張りなおす必要がなく、通信セッションの張り直しのための通信帯域は不要となり効率がよい。
例えば、受信者から受信量情報の代わりに、符号化シンボルの要求数(フェーズ2での追加配信数)を通知してもよい。この場合には、上述した実施形態では送信者において行ったフェーズ2での追加配信数の計算を受信者において行うことになるが、追加配信する符号化シンボルを特定する必要はないので、受信端末にかかる負担は少なくて済む。なお、受信者からの符号化シンボルの要求数が、符号化シンボル集合Bの要素数よりも多い場合には、符号化シンボル集合Bの全ての符号化シンボルを追加配信する。
(ケース1)
フェーズ1で送信する個数およびフェーズ2で送信する個数よりも要素数の大きな同一の符号化シンボル集合を第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合に用いる。そして、フェーズ1,2の送信個数決定後に、各フェーズの符号化シンボル集合から送信する符号化シンボルを確率的に選択する。この場合、第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合は同じであるが、各フェーズで実際に送信される符号化シンボル集合は異なっている確率が非常に高いので、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
上記ケース1と同様に、同一の符号化シンボル集合を第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合に用いる。そして、各フェーズの送信個数決定後の送信符号化シンボル選択時に、フェーズ1とフェーズ2で実際に送信される符号化シンボル集合が異なるように、送信する符号化シンボルを選択するときの判定機能を設ける。これにより、第1符号化シンボル集合と第2符号化シンボル集合は同じであるが、各フェーズで実際に送信される符号化シンボル集合が異なるようにすることができるので、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
Claims (16)
- 被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、
前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、
前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する手段を有し、
前記送信装置は、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する、
ことを特徴とする通信システム。 - 前記送信装置は、前記受信量情報から符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記受信量情報の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する送信装置と、
前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する受信装置と、を備え、
前記受信装置は、復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する手段を有し、
前記送信装置は、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する手段を有する、
ことを特徴とする通信システム。 - 前記送信装置は、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記要求数だけ符号化シンボルをユニキャストで前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
- 前記送信装置は、複数の受信装置から得られた前記要求数の組に基づき、符号化シンボルの追加配信数を算出する追加配信数算出手段を備え、前記第1符号化シンボル集合とは異なるように生成された第2符号化シンボル集合から前記算出した追加配信数だけ符号化シンボルをマルチキャストで前記複数の受信装置へ送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
- 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には乱数を用いた符号を使用し、
前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に使用した乱数系列の情報を同じパケットに含めて送信する、
ことを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。 - 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成に用いる符号には排他的論理和演算を用いた符号を使用し、
前記送信装置は、符号化シンボルの送信時に該符号化シンボルの生成に係る符号化シンボルと情報シンボルとの排他的論理和演算関係の情報を同じパケットに含めて送信する、
ことを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。 - 前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合の生成には、同じ符号化パラメータを用い、且つ異なる乱数系列を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の通信システム。
- 前記第2符号化シンボル集合は、前記方法により冗長に生成された第3符号化シンボル集合の中から、前記第1符号化シンボル集合とは異なる性質を有するようにする条件を満たすように符号化シンボルを選択して生成されることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
- 前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボル数の分布規定であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
- 前記条件は、前記第2符号化シンボル集合に含まれる各符号化シンボルの生成に使用された情報シンボルの被排他的論理和演算数の規定であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
- 前記符号は、LT符号、Raptor符号又はLDPC符号であることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
- 同一の符号化パラメータを持つ一義的な符号により生成された第3符号化シンボル集合を前記第1符号化シンボル集合と前記第2符号化シンボル集合に分割して用いることを特徴とする請求項2、3、5、6に記載の通信システム。
- 送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、
受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、
受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの受信量を表す受信量情報を前記送信装置へ送信する第3の過程と、
前記送信装置が、前記受信量情報に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、
を含むことを特徴とするデータ配信方法。 - 送信装置が、被符号化データの冗長化を可能とする符号を用いて配信データを符号化した符号化シンボルの第1符号化シンボル集合から符号化シンボルを送信する第1の過程と、
受信装置が、前記符号化シンボルを受信し、該受信した符号化シンボルを復号する第2の過程と、
受信装置が、前記受信過程における復号失敗時に、符号化シンボルの要求数を前記送信装置へ送信する第3の過程と、
前記送信装置が、前記要求数に基づき、追加配信する符号化シンボルを決定する第4の過程と、
を含むことを特徴とするデータ配信方法。
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