JP2007135128A - パケット損失率に基づく複数のコピーパケットの送受信方法、通信装置及びプログラム - Google Patents

パケット損失率に基づく複数のコピーパケットの送受信方法、通信装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】小さい遅延時間を必要とするデータパケットに対して、誤りパケットの再送信や、誤り訂正の演算に多くの時間を要することなく、パケット損失を回復させることができる、パケットの送受信方法等を提供する。
【解決手段】受信装置が、送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する。次に、受信装置が、パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出し、該コピー数nを送信装置へ送信する。そして、送信装置が、受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パケット損失率に基づく複数のコピーパケットの送受信方法、通信装置及びプログラムに関する。
近年、ネットワークのブロードバンド化が拡大し、ネットゲーム又はオンライン遠隔医療システムのようなリアルタイム通信サービスの需要が急速に増加しつつある。このようなサービスを提供するためには、ネットワーク自体の遅延時間の短縮化を図る必要がある。
高品質な伝送を実現するために、一般に、誤りを訂正する誤り制御技術が用いられている。このような誤り制御技術としては、自動再送要求(ARQ:Automatic Repeat Request)と、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)との2つに分けられる。
送信装置は、データパケットにフレームチェックシーケンス(FCS:Frame Check Sequence)を付加して送信する。受信装置は、データパケットの誤りを検出すると、再送を要求するための再送要求信号(NACK:Negative Acknowledgement)を送信装置へ送り返す。これに対し、送信装置は、同一のデータパケットを再送する。送信装置は、受信装置からACKを受け取るまで、同一のパケットの再送を繰り返す。
しかしながら、ARQは、再送を繰り返すために伝送遅延が大きくなる。特に、無線回線のように悪い伝搬路環境においては、パケット損失率が高くなるため、再送回数が増え、伝送遅延が大きくなり、スループットの低下につながる。
一方、FECは、受信装置において誤り訂正ができるように、送信装置がデータパケットに予め冗長データを付加して送信するものである。冗長データを付加するために、伝送されるデータ量は、実データよりも多くなる。
しかしながら、通常のパケット単位での誤り訂正方法(例えばリードソロモン)によれば、符号化・復号化のための演算に多くの時間を要する。
また、ARQ及びFECを組み合わせたHybrid-ARQというプロトコルもある。Hybrid-ARQは、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)でも採用されており、受信装置における再送パケットの復号時に、以前に受信したエラーを含むパケットを利用する「Chase Combining」技術が用いられている(例えば非特許文献1参照)。
しかしながら、Hybrid-ARQであっても、ARQに基づく誤り制御方式を採用するので、必ず再送が発生する。Chase Combiningも、再送パケットの復元率を高めるものでしかない。従って、エラーが発生すると、ACK又はNACKパケットによって送信側にフィードバックをする必要が生じるため、RTT(Round Trip Time)が大きな環境下では、大きな遅延が発生する。
遅延時間を短縮させるためには、再送を必要としないFECのみの誤り制御が有効である。しかし、一般的な誤り訂正符号(ブロック符号)を用いると、符号化・復号化の演算に多くの時間を要し、かつ、符号化率に基づく固定的な数の冗長パケットを送受信する必要がある。
遅延時間をなるべく小さく抑え、かつ、所望の通信品質を得るには、通信中に符号化率を動的に変化させることが望まれる。しかし、これを実現するためには、複数の符号器・復号器を具備する必要があった。
従って、本発明は、小さい遅延時間を必要とするデータパケットに対して、誤りパケットの再送信や、誤り訂正の演算に多くの時間を要することなく、パケット損失を回復させることができる、パケットの送受信方法等を提供することを目的とする。
本発明は、送信装置がネットワークを介してデータパケットを受信装置へ送信する送受信方法において、
受信装置が、送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する第1のステップと、
受信装置が、パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出し、該コピー数nを送信装置へ送信する第2のステップと、
送信装置が、受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして送信する第3のステップと
を有することを特徴とする。
本発明の送受信方法における他の実施形態によれば、
送信装置は、上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを受信装置へ送信するものであり、
第2のステップについて、
n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
k=Lp/Lf
k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
Lp:上位レイヤパケット長
Lf:フラグメント長
の式によって、コピー数nを算出することも好ましい。
本発明は、送信装置がネットワークを介してデータパケットを受信装置へ送信する送受信方法において、
受信装置は、コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、
受信装置が、送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する第1のステップと、
受信装置は、パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)をテーブルから導出し、相当するコピー数nを送信装置へ送信する第2のステップと、
送信装置が、受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして送信する第3のステップと
を有することを特徴とする。
本発明の送受信方法における他の実施形態によれば、
送信装置は、上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割し、該フラグメントパケットにフレームチェックシーケンスを付加して送信し、
受信装置は、フラグメントパケット毎にフレームチェックシーケンスを確認し、該フラグメントパケットを上位レイヤパケットに合成することも好ましい。
本発明の送受信方法における他の実施形態によれば、
送信装置は、複数の上位レイヤパケットをフラグメントパケットに分割する際に、該フラグメントパケットを送信する順番を、所定条件に従ってインタリーブし、
受信装置は、フラグメントパケットを合成する際に、該フラグメントパケットを合成する順番を、所定条件に従ってデインタリーブすることも好ましい。
本発明は、送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置において、
送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出するコピー数算出手段と、
コピー数nを送信装置へ送信するコピー数送信手段と
を有することを特徴とする。
本発明の受信装置における他の実施形態によれば、
上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを送信装置から受信し、
コピー数算出手段は、
n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
k=Lp/Lf
k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
Lp:上位レイヤパケット長
Lf:フラグメント長
の式によって、コピー数nを算出することも好ましい。
本発明は、送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置において、
送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)をテーブルから導出し、相当するコピー数nを導出するコピー数算出手段と、
コピー数nを送信装置へ送信するコピー数送信手段と
を有することを特徴とする。
本発明は、前述した受信装置へデータパケットを送信する送信装置において、
コピー数nを受信するコピー数受信手段と、
受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして送信するパケットコピー手段と
を有することを特徴とする。
本発明の送信装置における他の実施形態によれば、上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割して送信し、該フラグメントパケットにはフレームチェックシーケンスが付加されていることも好ましい。
本発明の送信装置における他の実施形態によれば、
受信装置が、フラグメントパケット毎にフレームチェックシーケンスを確認し、該フラグメントパケットを上位レイヤパケットに合成するものである場合、
送信装置は、上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割し、該フラグメントパケットにフレームチェックシーケンスを付加して送信することも好ましい。
本発明は、送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出するコピー数算出手段と、
コピー数nを送信装置へ送信するコピー数送信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明の受信装置用プログラムにおける他の実施形態によれば、
上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを送信装置から受信し、
コピー数算出手段は、
n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
k=Lp/Lf
k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
Lp:上位レイヤパケット長
Lf:フラグメント長
の式によって、コピー数nを算出するようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明は、送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
送信装置から受信しているデータパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)をテーブルから導出し、相当するコピー数nを導出するコピー数算出手段と、
コピー数nを送信装置へ送信するコピー数送信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明は、前述した受信装置用プログラムによってコンピュータを機能させる受信装置へ、データパケットを送信する送信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
コピー数nを受信するコピー数受信手段と、
受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして送信するパケットコピー手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、小さい遅延時間を必要とするデータパケットに対して、誤りパケットの再送信や、誤り訂正の演算に多くの時間を要することなく、パケット損失を回復させることができる、パケットの送受信方法等を提供する。また、誤り訂正のために複雑な演算処理を要しないので、受信装置における装置構成も簡単となる。更に、受信装置のパケット損失率に応じて、送信装置によって送信されるパケットのオーバヘッドも適応的に制御される。これにより、受信装置において所望のパケット損失率を満たすことができ、許容遅延時間を確保したパケットの伝送を可能とする。
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
セルラーシステム等の無線通信システムによれば、無線局は、送信すべき上位レイヤパケット(レイヤ3パケット:例えばIP(Internet Protocol)パケット)をリンク層フレーム(以下「フラグメントパケット」という)に分割する。例えば3GPP2において標準化されているcdma2000システムによれば、このフラグメントパケットは、無線リンクプロトコルフレーム(Radio Link Protocol Frame)に相当する。
図1は、本発明のシーケンス図である。
(S101)送信装置は、上位レイヤパケット(♯X)を送信する際に、データリンク層において、上位レイヤパケットを複数のフラグメントパケットに分割する。各フラグメントパケットには、チェックサムが付加され、受信装置おいて誤りを検出することができるようにする。
(S102)送信装置は、フラグメントパケット(♯X1〜♯X4)を物理層から受信装置へ送信する。受信装置は、フラグメントパケットを受信すると共に、パケット損失を生じたフラグメントパケット数をカウントする。
(S103)受信装置は、所定期間T毎に、受信すべきデータパケット数に対する損失パケット数から平均損失率Plossを導出する。
(S104)次に、受信装置は、現時点における平均損失率Plossから、目標損失率Ptargetを達成するために必要な、送信されるデータパケットのコピー数nを算出する。
(S105)受信装置は、算出されたコピー数nを送信装置へ送信する。
(S106)送信装置は、データリンク層において、送信すべきデータパケット(♯X)を、受信装置から受信したコピー数n個にコピーする(♯X1、♯X2)。コピーされたデータパケット(♯X1、♯X2)は各々、フラグメントパケットに分割される(♯X11〜♯X14、♯X21〜♯X24)。
(S107)送信装置は、フラグメントパケット(♯X11〜♯X14、♯X21〜♯X24)を、物理層から受信装置へ送信する。
送信装置は、受信装置における目標損失率Ptargetを達成するように、パケットをコピーして送信することができる。受信装置は、同じパケットが複数個コピーされて受信されるので、誤りが検出されたフラグメントパケットの訂正が容易となる。
図2は、本発明の受信装置における第1の実施形態のフローチャートである。
受信装置は、フラグメントパケットを受信すると共に、パケット損失を生じた数をカウントする。
(S201)所定期間Tが経過する毎に、受信すべきフラグメントパケット数に対する損失パケット数から平均損失率Plossを導出する。
(S202)次に、現時点における平均損失率Plossから、目標損失率Ptargetを達成するために必要な、送信されるデータパケットのコピー数nを算出する。ここで、以下の式によって、コピー数nを算出する。目標損失率Ptargetは、予め規定されている。
k=Lp/Lf 式(1)
k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
Lp:上位レイヤパケット長
Lf:フラグメント長
1−Ptarget=(1−Ploss 式(2)
尚、上位レイヤパケット長Lpが可変の場合、kは各パケットで異なるものとなる。その場合、想定される最大上位レイヤパケット長をLpとして、kを決定する。勿論、最大上位レイヤパケット長ではなく、平均上位レイヤパケット長をLpとして、kを決定するものであってもよい。
式(2)は、目標成功率(1−Ptarget)を、(1−Plossで表す。Plossは、n個にコピーして送信した場合の平均損失率となる。1−Plossは、その平均損失率に対する平均成功率となる。(1−Plossは、1上位レイヤパケットがk個のフラグメントで送信される場合の平均成功率となる。
式(2)は、以下のようにnの等式で表される。
(1−Ploss=1−Ptarget
1−Ploss =(1−Ptarget)1/k
Ploss =1−(1−Ptarget)1/k
n =logPloss(1−(1−Ptarget)1/k) 式(3)
式(3)に、平均損失率Plossを代入することによって、コピー数nを算出することができる。
(S203)算出されたコピー数nは、送信装置へ送信される。
図2のような方法によれば、平均損失率Plossから容易にコピー数nを算出することができる。
図3は、本発明の受信装置における第2の実施形態のフローチャートである。
受信装置は、以下の表1のようなテーブルを予め備えておく。現時点のパケット損失率Plossが、表1のパケット損失率Pth(n)のいずれに該当するかによってコピー数nを決定することができる。
Figure 2007135128
受信装置は、更に、2つの変数Nup及びNdownと、2つのしきいを有する。
Nup:「Pth(n+1)<Ploss」が連続した回数
Ndown:「Pth(n+1)>Ploss」が連続した回数
Nth-up:Nupの上限値
Nth-down:Ndownの上限値
(S301)所定期間Tが経過する毎に、受信すべきデータパケット数に対する損失パケット数から平均損失率Plossを導出する。
(S302)平均損失率Plossを評価する。nは、現時点における送信装置のコピー数である。
Pth(n)<Ploss:
現コピー数nの所定パケット損失率よりも、現平均損失率Plossが大きい。
Pth(n−1)<Ploss<Pth(n)
現コピー数nの所定パケット損失率と、コピー数n−1の所定パケット損失率と
の間に、現平均損失率Plossがある。
Pth(n−1)≧Ploss
コピー数n−1の所定パケット損失率よりも、現平均損失率Plossが小さい。
(S303)Pth(n)<Plossである場合、変数Ndown=0とする。
(S304)Nup>Nth-upであるか否かを判定する。即ち、「Pth(n+1)<Ploss」が連続した回数が、上限値に達したか否かを判定する。
(S305)Nup>Nth-upであるならば、コピー数nを1増分する。
(S306)コピー数nを送信装置へ送信する。
(S307)Nupを半分の値にして、終了する。
(S308)Nup>Nth-upでないならば、Nupを1増分して、終了する。
(S309)Pth(n−1)<Ploss<Pth(n)である場合、変数Nup=0とする。
(S310)Ndown>Nth-downであるか否かを判定する。即ち、「Pth(n+1)>Ploss」が連続した回数が、上限値に達したか否かを判定する。
(S311)Ndown>Nth-downであるならば、コピー数nを1減分する。
(S312)コピー数nを送信装置へ送信する。
(S313)Ndownを半分の値にして、終了する。
(S308)Ndown>Nth-downでないならば、Ndownを1増分して、終了する。
(S315)Pth(n−1)≧Plossである場合、Nup=Ndown=0とし、終了する。
図3の方法によれば、パケット損失率に対するコピー数nを予め設定しているために、図2の方法のようにlogの計算さえもする必要がない。例えば、図2の方法によって、最初のコピー数nを設定した上で、図3の方法によってnを増減分するものであってもよい。
図4は、受信装置が、フラグメントパケットを受信した際のフローチャートである。
受信装置は、上位レイヤパケット♯Xのフラグメントを受信する毎に、以下の処理をする。
(S401)受信した上位レイヤパケット♯Xよりも前に受信した上位レイヤパケット♯X−1のフラグメントパケットが、バッファに存在するか否かを判定する。
(S402)バッファ内に、上位レイヤパケット♯X−1のフラグメントパケットが存在するならば、これらフラグメントパケットを全て破棄する。バッファ内に上位レイヤパケット♯X−1のフラグメントパケットが蓄積されている際に、上位レイヤパケット♯1のフラグメントパケットを受信するということは、上位レイヤパケット♯X−1は、正常に受信できなかったことを意味する。この場合、受信装置は、上位レイヤパケット♯X−1のフラグメントパケットを全て破棄することにより、次の上位レイヤパケット♯Xの受信を優先し、上位レイヤパケット♯X−1の受信失敗の扱いは、上位レイヤに任せることとする。
(S403)次に、上位レイヤパケット♯Xは、既に復元済みか否かを判定する。本発明によれば、受信装置において誤り訂正が可能となるように、あえてコピーパケットを送信しているために、上位レイヤパケット♯Xを既に復元済みの場合も多い。
(S404)上位レイヤパケット♯Xを既に復元済みである場合には、受信したフラグメントを破棄して、処理を終了する。
(S405)上位レイヤパケット♯Xを未だ復元済みでない場合には、受信したフラグメントパケットに誤りがあるか否かを判定する。誤りがある場合、S404へ移行し、その受信したフラグメントパケットを破棄して、処理を終了する。
(S406)受信したフラグメントパケットに誤りがないならば、そのフラグメントパケットをバッファに格納する。
(S407)バッファに、上位レイヤパケット♯Xを構成するフラグメントパケットの全てが格納されたか否かを判定する。フラグメントパケットの全てが格納されてないならば、処理を終了し、次のフラグメントパケットの受信を待つ。
(S408)フラグメントパケットの全てが格納されているならば、フラグメントパケットを合成し、上位レイヤパケット♯Xを復元する。復元された上位レイヤパケットは、上位レイヤへ通知される。
(S409)上位レイヤパケット♯Xの受信完了を示すACKを、送信装置へ送信する。
図5は、パケット単位で損失が発生した場合の受信装置のフローチャートである。
前述したパケット損失率Plossは、フラグメントパケット単位で発生した損失に基づく。これに対し、図5は、上位レイヤパケット単位でパケット損失が発生した場合の処理を表す。上位レイヤパケット単位でパケット損失が発生する状態は、輻輳状態を意味する。
(S501)受信装置は、上位レイヤパケット単位でパケット損失が発生した場合、コピー数nを半分にする。輻輳が発生しているために、送信するデータパケット数を減らすために、コピー数nを減らす。
(S502)受信装置は、コピー数nを送信装置へ送信する。
(S503)受信装置は、輻輳状態が発生していることを示すために、損失フラグ=1を設定し、終了する。
図6は、図5の状態が発生した後に、期間T毎の受信装置のフローチャートである。
(S601)期間Tが発生する毎に、損失フラグが1か否かを判定する。
(S602)損失フラグが1であるならば、損失フラグ=0を設定する。
(S603)損失フラグが0であるならば、コピー数nを1増分する。
(S604)コピー数nを、送信装置へ送信する。
図7は、本発明におけるフラグメントパケットのインタリーブの説明図である。
図7によれば、インタリーブ前のフラグメントパケットは、コピーパケットと同じ順番でフラグメント化したものである。従って、図7によれば、フラグメントパケット#121から#221までがバースト的に損失した場合、上位レイヤパケット#2は復元できない。上位レイヤパケット♯2の前半部分に相当する、フラグメントパケット♯211及び#221が連続して損失しているためである。
インタリーブ後のフラグメントパケットは、複数の上位レイヤパケットのフラグメントパケットを混在させて送信される。従って、図7によれば、フラグメント#311から#121までがバースト的に損失した場合であっても、上位レイヤパケット#2は復元できる。
尚、図7に説明されたインタリーブ処理は、送信装置においては上位レイヤパケット♯3のフラグメントパケット♯311を先に送信しなければならず、また、受信装置においては上位レイヤパケット♯3のフラグメントパケット♯322まで受信しなければ合成できない。即ち、インタリーブの深さに影響する。従って、許容されている遅延時間に余裕がない場合や、又は、通信帯域が狭い通信環境(輻輳が発生しやくすく、多くのパケットをコピーして送信することが望ましくない環境)では、インタリーブ処理を行わないようにすべきである。従って、インタリーブ処理は、通信環境に応じて、選択的に使用するのが好ましい。尚、インタリーブの深さについて、最適値を動的に求めることは困難である。インタリーブは、バースト損失の分散が目的であるけれども、パケットを反復させることより、ある程度、損失が分散される。
図8は、本発明における機能構成図である。これら機能部は、送信装置及び受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムによって実現できる。
送信装置1は、上位レイヤ部10と、パケットコピー部11と、フラグメント分割部12と、物理レイヤ部13と、コピー数受信部14とを有する。
上位レイヤ部10は、受信装置へ送信すべきパケットを、パケットコピー部11へ通知する。
パケットコピー部11は、受信装置へ送信すべきデータパケットを、コピー数n個にコピーして、フラグメント分割部12へ通知する。コピー数nは、コピー数受信部14から通知される。
フラグメント分割部12は、コピーされたパケットを所定長のフラグメントパケットに分割する。これらフラグメントパケットは、物理レイヤ部13へ通知される。また、図7で説明したインタリーブの処理も行う。
物理レイヤ部13は、受信装置2へフラグメントパケットを送信する。
コピー数受信部14は、受信装置2からコピー数nを受信し、コピー数nをパケットコピー部11へ通知する。
受信装置2は、上位レイヤ部20と、フラグメント合成部21と、物理レイヤ部22と、パケット損失率測定部23と、コピー数算出部24と、コピー数送信部25と、所定期間タイマ26とを有する。
物理レイヤ部22は、送信装置1からフラグメントパケットを受信する。
フラグメント合成部21は、物理レイヤ部22から通知されたフラグメントパケットを、上位レイヤパケットに合成する。また、図7で説明したデインタリーブの処理も行う。
上位レイヤ部20は、フラグメント合成部21から通知された上位レイヤパケットを、受信データとして出力する。
パケット損失率測定部23は、所定期間タイマ26から通知される期間T毎に、フラグメントパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する。
コピー数算出部24は、パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出する。また、コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)をテーブルから導出し、相当するコピー数nを導出する。コピー数算出部24は、前述した図2のS202、図3のS302〜S315、図5のS501、図6のS601〜S603の処理を行う。
コピー数送信部25は、コピー数算出部24から通知されたコピー数nを送信装置へ送信する。
前述したように、本発明によれば、小さい遅延時間を必要とするデータパケットに対して、誤りパケットの再送信や、誤り訂正の演算に多くの時間を要することなく、パケット損失を回復させることができる、パケットの送受信方法等を提供する。また、誤り訂正のために複雑な演算処理を要しないので、受信装置における装置構成も簡単となる。更に、受信装置のパケット損失率に応じて、送信装置によって送信されるパケットのオーバヘッドも適応的に制御される。これにより、受信装置において所望のパケット損失率を満たすことができ、許容遅延時間を確保したパケットの伝送を可能とする。
前述した本発明における種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略を、当業者は容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
本発明のシーケンス図である。 本発明の受信装置における第1の実施形態のフローチャートである。 本発明の受信装置における第2の実施形態のフローチャートである。 受信装置が、フラグメントパケットを受信した際のフローチャートである。 パケット単位で損失が発生した場合の受信装置のフローチャートである。 図5の状態が発生した後に、期間T毎の受信装置のフローチャートである。 本発明におけるフラグメントパケットのインタリーブの説明図である。 本発明における機能構成図である。
符号の説明
1 送信装置
10 上位レイヤ部
11 パケットコピー部
12 フラグメント分割部
13 物理レイヤ部
14 コピー数受信部
2 受信装置
20 上位レイヤ部
21 フラグメント合成部
22 物理レイヤ部
23 パケット損失率測定部
24 コピー数算出部
25 コピー数送信部
26 所定期間タイマ

Claims (15)

  1. 送信装置がネットワークを介してデータパケットを受信装置へ送信する送受信方法において、
    前記受信装置が、前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する第1のステップと、
    前記受信装置が、前記パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出し、該コピー数nを前記送信装置へ送信する第2のステップと、
    前記送信装置が、前記受信装置へ送信すべきデータパケットを、前記コピー数n個にコピーして送信する第3のステップと
    を有することを特徴とする送受信方法。
  2. 前記送信装置は、上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを前記受信装置へ送信するものであり、
    前記第2のステップについて、
    n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
    k=Lp/Lf
    k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
    Lp:上位レイヤパケット長
    Lf:フラグメント長
    の式によって、前記コピー数nを算出することを特徴とする請求項1に記載の送受信方法。
  3. 送信装置がネットワークを介してデータパケットを受信装置へ送信する送受信方法において、
    前記受信装置は、コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、
    前記受信装置が、前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定する第1のステップと、
    前記受信装置は、前記パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)を前記テーブルから導出し、相当するコピー数nを前記送信装置へ送信する第2のステップと、
    前記送信装置が、前記受信装置へ送信すべきデータパケットを、前記コピー数n個にコピーして送信する第3のステップと
    を有することを特徴とする送受信方法。
  4. 前記送信装置は、上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割し、該フラグメントパケットにフレームチェックシーケンスを付加して送信し、
    前記受信装置は、前記フラグメントパケット毎にフレームチェックシーケンスを確認し、該フラグメントパケットを前記上位レイヤパケットに合成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の送受信方法。
  5. 前記送信装置は、複数の上位レイヤパケットをフラグメントパケットに分割する際に、該フラグメントパケットを送信する順番を、所定条件に従ってインタリーブし、
    前記受信装置は、前記フラグメントパケットを合成する際に、該フラグメントパケットを合成する順番を、前記所定条件に従ってデインタリーブする
    ことを特徴とする請求項4に記載の送受信方法。
  6. 送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置において、
    前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
    前記パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出するコピー数算出手段と、
    前記コピー数nを前記送信装置へ送信するコピー数送信手段と
    を有することを特徴とする受信装置。
  7. 上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを前記送信装置から受信し、
    前記コピー数算出手段は、
    n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
    k=Lp/Lf
    k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
    Lp:上位レイヤパケット長
    Lf:フラグメント長
    の式によって、前記コピー数nを算出することを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
  8. 送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置において、
    前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
    コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、前記パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)を前記テーブルから導出し、相当するコピー数nを導出するコピー数算出手段と、
    前記コピー数nを前記送信装置へ送信するコピー数送信手段と
    を有することを特徴とする受信装置。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の前記受信装置へデータパケットを送信する送信装置において、
    前記コピー数nを受信するコピー数受信手段と、
    前記受信装置へ送信すべきデータパケットを、前記コピー数n個にコピーして送信するパケットコピー手段と
    を有することを特徴とする送信装置。
  10. 上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割して送信し、該フラグメントパケットにはフレームチェックシーケンスが付加されていることを特徴とする請求項9に記載の送信装置。
  11. 前記受信装置が、前記フラグメントパケット毎にフレームチェックシーケンスを確認し、該フラグメントパケットを前記上位レイヤパケットに合成するものである場合、
    前記送信装置は、上位レイヤパケットをコピー数n個にコピーして送信するものであって、コピーされた各上位レイヤパケットを、所定長のフラグメントパケットに分割し、該フラグメントパケットにフレームチェックシーケンスを付加して送信する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の送信装置。
  12. 送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
    前記パケット損失率Plossに対して、目標パケット損失率Ptargetを達成するコピー数nを算出するコピー数算出手段と、
    前記コピー数nを前記送信装置へ送信するコピー数送信手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  13. 上位レイヤパケットを分割したフラグメントパケットを前記送信装置から受信し、
    前記コピー数算出手段は、
    n=logPloss(1−(1−Ptarget)1/k
    k=Lp/Lf
    k:1上位レイヤパケット当たりのフラグメント数
    Lp:上位レイヤパケット長
    Lf:フラグメント長
    の式によって、前記コピー数nを算出するようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
  14. 送信装置からネットワークを介してデータパケットを受信する受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    前記送信装置から受信している前記データパケットについて発生したパケット損失率Plossを測定するパケット損失率測定手段と、
    コピー数nに対するパケット損失率Pth(n)を指定したテーブルを予め有し、前記パケット損失率Plossよりも大きく且つ最低値となるパケット損失率Pth(n)を前記テーブルから導出し、相当するコピー数nを導出するコピー数算出手段と、
    前記コピー数nを前記送信装置へ送信するコピー数送信手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項12から14のいずれか1項に記載のプログラムによってコンピュータを機能させる前記受信装置へ、データパケットを送信する送信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    前記コピー数nを受信するコピー数受信手段と、
    前記受信装置へ送信すべきデータパケットを、前記コピー数n個にコピーして送信するパケットコピー手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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