JP2007165814A - 基板内蔵コンデンサ用部材、およびこれを用いたコンデンサ内蔵基板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板内に効率的にコンデンサを内蔵することが可能な基板内蔵コンデンサ用部材、およびこれを用いたコンデンサ内蔵基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】対向する電極1と電極3の間に誘電体層2を備えるコンデンサ素子の一方の面上に、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルム4およびプラスチックキャリアフィルム5が積層されていることを特徴とする基板内蔵コンデンサ用部材、およびおよびこれを用いたコンデンサ内蔵基板とその製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】対向する電極1と電極3の間に誘電体層2を備えるコンデンサ素子の一方の面上に、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルム4およびプラスチックキャリアフィルム5が積層されていることを特徴とする基板内蔵コンデンサ用部材、およびおよびこれを用いたコンデンサ内蔵基板とその製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、多層配線基板の絶縁層にコンデンサが内蔵されたコンデンサ内蔵基板に関する。
電子部品のノイズ対策として、デカップリングコンデンサやバイパスコンデンサが用いられている。従来は、基板の表面や裏面にコンデンサチップ部品を実装していたが、半導体動作の高速化に伴い、ノイズ低減効果が劣ってきている。そのために、基板にコンデンサを内蔵化する必要性が出てきた。
コンデンサを基板に内蔵化する技術として、チップ部品を基板に埋め込む手法が公知となっている(例えば、特許文献1、2、3及び4参照)。これらのコンデンサ内蔵基板は、半導体チップに近い部分にコンデンサを配置出来るために、高いノイズ低減効果を発現するが、特許文献1に示される方法では、凹部に部品を搭載させないといけないため部品実装の効率が悪いという問題がある。また、特許文献2に示される方法では、部品高さの高さコントロールが難しいという問題がある。また、特許文献3に示される方法では、チップ部品を樹脂でコーティングするため製造効率が悪いという問題がある。さらに、特許文献4に示される方法では、内蔵部品と回路との位置合わせが難しく効率が悪いという問題がある。
特開2001−217382号公報
特開2004−128002号公報
特開2004−311736号公報
特開2005−150383号公報
上記を鑑みて、本発明は、基板内に効率的にコンデンサを内蔵することが可能な基板内蔵コンデンサ用部材、およびこれを用いたコンデンサ内蔵基板とその製造方法を提供することを目的とする。
(1)対向する電極Aと電極Cの間に誘電体層Bを備えるコンデンサ素子の一方の面上に、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムEおよびプラスチックキャリアフィルムFが積層されていることを特徴とする基板内蔵コンデンサ用部材。
(2)前記電極Aおよび前記電極Cの厚みが10〜100μmであることを特徴とする上記(1)記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(3)前記誘電体層Bの厚みが0.05〜2μmであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(4)前記熱硬化性接着フィルムEの厚みが10〜50μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(5)前記プラスチックキャリアフィルムFの厚みが10〜50μmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(6)前記熱硬化性接着フィルムEが、エポキシ樹脂とその硬化剤を少なくとも含む樹脂組成物からなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(7)硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEの、動的粘弾性測定装置を用いて測定した貯蔵弾性率が、25℃で20〜2,000MPaであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(8)硬化後の熱硬化性接着フィルムEが、絶縁性を示すことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(9)硬化後の熱硬化性接着フィルムEが、等方導電性または異方導電性を示すことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(10)前記コンデンサ素子が、1nF/mm2以上の容量密度を有することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(11)前記電極Aおよび/または前記電極Cの、前記誘電体層Bと接する面に、Cr、Ni、AuおよびAgならびにこれらの合金からなる群から選択される1種類以上の金属を含む金属薄膜層を有し、かつ少なくとも該金属薄膜層を有する電極がCu又はその合金であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(12)前記誘電体層Bの片面または両面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(13)前記誘電体層Bの片面または両面に、構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(14)前記誘電体層Bの一方の面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を、他方の面に構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(15)前記誘電体層Bが、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含む結晶性微粒子を含み、かつ該結晶性微粒子の平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材を用いてなることを特徴とするコンデンサ内蔵基板。
(17)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材のプラスチックキャリアフィルムFを剥離し、これを熱硬化性接着フィルムEを介して内層基板の所定位置に熱圧着により固定する工程を少なくとも含み、硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEが絶縁性を示すものである場合には、前記所定位置が絶縁部表面であり、硬化後の熱硬化性接着フィルムEが等方導電性または異方導電性を示すものである場合には、前記所定位置が回路部表面であることを特徴とするコンデンサ内蔵基板の製造方法。
本発明の基板内蔵コンデンサ用部材を用いることで、薄型のコンデンサ内蔵基板を効率的に製造することが可能となる。
以下、発明を実施するための最良の形態について図面を引用して詳しく説明する。
本発明の基板内蔵コンデンサ用部材は、図1および2に示すように、対向する電極Aと電極Cの間に誘電体層Bを備えるコンデンサ素子の一方の面上に、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムEおよびプラスチックキャリアフィルムFが積層されていることを特徴とするものである。なお、図1は、電極A面からの投射図であり、1は電極A、2は誘電体Bを示す。また、図2は、本発明のコンデンサ用部材の一実施形態の断面図であり、3は電極C、4はBステージ状態の熱硬化性接着フィルムE、5はプラスチックキャリアフィルムFを示す。
上記電極Aおよび電極Cは、Au、Ag、Cu、Pt、Al等の、電気的に損失の小さな金属を主成分とする金属層であればよく、特に限定されない。また、電極となる金属層は、複数層で構成されていても良く、例えば、上記電気的に損失の小さな金属を主成分とする金属層を主たる層とし、Ni、Cr、Ti、Fe、W等の電気的損失が比較的大きな金属層を従たる層とすることもできる。
また、上記電極Aおよび電極Cの厚みは、部品の強度を保つために10μm以上であることが好ましく、薄型化を図るためには100μm以下であることが好ましい。より経済的に作製するためには、電極の厚みを15〜70μmの範囲とすることが好ましい。
また、図3の(a)、(b)及び(c)に示すように、上記電極Aおよび/または電極Cの、上記誘電体層Bと接する面に、Cr、Ni、Au、Agおよびこれらの合金からなる群から選択される1種類以上の金属を含む金属薄膜層6を形成してもよく、コストの点から、Crおよび/またはNiを用いることがより好ましく、環境汚染性の観点から、Niを用いることが特に好ましい。CrとNiはそれら自身が安定な酸化皮膜を形成するために、またAuとAgはそれら自身が酸化されにくいために、誘電体層Bとなる金属酸化物層の形成時における銅箔の酸化を抑制し、キャパシタの絶縁性の確保に寄与する。また、これ以外の金属、例えば、SiO2基板において酸化の抑制に多く使われているPt、Ti、Pd等は、これを銅箔電極上に形成した場合、上記金属酸化物層に割れが生じやすく、信頼性の高いキャパシタを得ることが難しい。また、上記合金としては、Cr、Ni、Au又はAgから選ばれる少なくとも1成分又は複数の成分を合金中に80重量%以上含有するものが好ましい。このような合金としては、例えば、Ni−P合金、Ni−B合金、Ni−P−B合金、Ni−Co合金、Ni−Cr合金、Ni−Cr−Al合金、Ni−Cr−Si合金、Ag−Nd合金等が挙げられる。Cr、Ni、Au又はAgから選ばれる少なくとも1成分又は複数の成分の含有率が80重量%未満の場合は、キャパシタの絶縁性を確保する効果が低くなる恐れがある。コストの点と形成の容易さの点からNi−P合金が好ましい。
また、上記金属薄膜層が形成された電極はCuまたはその合金からなるものであることが好ましい。
また、上記金属薄膜層の厚さは、50nm〜1μmの範囲が好ましく、100nm〜800nmの範囲がより好ましい。厚さが50nm未満では、絶縁性が低下する傾向があり、1μmを超えてさらに厚くすることは、コストの面で高価となり好ましくない。金属薄膜層の厚さは薄膜層を集束イオンビーム加工装置(FIB)で掘削し、得られた断面を走査イオン顕微鏡(SIM)で観察して測長することで計測できる。電極上への金属薄膜層の形成方法には、特に限定されないが、例えば、めっき法、蒸着法、スパッタ法などを好適に用いることができる。
上記誘電体層Bは、コンデンサ機能を発現するものであれば良く、特に制限はないが、比誘電率が10〜2000の金属酸化物層であることが好ましい。このような金属酸化物としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛等を挙げることができ、これらを2種以上含む固溶体であってもよい。また、誘電体層Bは複数の金属酸化物層からなる積層体であってもよい。
また、誘電体層Bは、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含む結晶性微粒子を分散した複合金属酸化物層であってもよい。また、誘電体層Bは、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物の層や構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物の層を含む複数層となっていても良い。構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含む複合金属酸化物は、セラミックスの中でも特に高誘電率(例えば、BaTiO3で1500程度、SrTiO3で200程度)であり、また、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含む結晶性微粒子を分散した結晶性の複合金属酸化物層は、アモルファス複合金属酸化物層よりも高誘電率であり、コンデンサの材料として好適に用いることができる。もちろんその他の元素や金属酸化物を添加した複合金属酸化物、例えばBaTiO3にLaを添加してさらに高誘電率化を図った複合金属酸化物や、BaTiO3にCaTiO3を添加して特性を調整した複合金属酸化物も好適に用いることができる。
さらに、誘電体層Bは樹脂中に高誘電率を示す結晶性微粒子を分散させた複合樹脂層であってもよい。用いる樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などを好適に用いることができる。
上記結晶性微粒子の製造方法としては、例えば、仮焼粉砕法に代表される固相法、ゾル―ゲル法や蓚酸塩法に代表される液相法、炎中噴霧法に代表される気相法のいずれも好適に用いることができる。微粒子の2次凝集を生じにくいという観点から、液相法がより好ましいが、2次凝集を、例えば、剪断型ミルやジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザーなどで予め破壊しておくことで、固相法や気相法もまた好ましく適用することができる。また、上記結晶性微粒子の平均粒径は10〜200nmの範囲であることが好ましく、10〜100nmの範囲がより好ましい。平均粒径が10nm未満の場合には、表面積増大による分散性の低下が生じる傾向があり、平均粒径が200nmを超えると、均一な厚さの薄膜が得られなかったり、欠陥が生じる恐れがある。
また、誘電体層Bの厚みは、絶縁性を保つために0.05μm以上であることが好ましく、十分なコンデンサ特性を発現させるために2μm以下であることが好ましい。より経済的に作製するためには、誘電体層Bの厚みを0.2〜1μmの範囲とすることが好ましい。
さらに、図4(a)およびに図4(b)示すように、誘電体層Bの一方の面に、コンデンサ素子の絶縁性を高めるために、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層7を形成してもよく、金属電極との密着性を向上させるために、構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層8を形成してもよい。また、図4(c)に示すように、これら金属酸化物薄膜層を誘電体層Bの一方および他方の面にそれぞれ形成してもよく、さらには、図4(d)に示すように、上記金属薄膜層6と組み合わせて形成してもよい。これら金属酸化物薄膜層の厚さは、10nm〜200nmの範囲であることが好ましく、20〜150nmの範囲であることがより好ましい。絶縁性を高めるには、金属酸化物層にアモルファス領域が必要となるが、アモルファス領域は結晶領域よりも比誘電率が低く、またデバイスの誘電特性は、誘電体層、すなわち、金属酸化物層の膜厚に反比例するため、必要以上に上記金属酸化物薄膜層が厚くなることはデバイス特性の低下を招き好ましくない。したがって、上限は200nmを超えないことが望ましい。また、10nm未満ではピンホールが発生して所望の絶縁性が得られなくなる恐れがあるだけでなく、均一な表面が得られず、品質がばらつく恐れも生じる。
構成元素としてBa及び/又はSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物としては、前述した誘電体層Bと同様のものを用いることができる。構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物としては、例えば、TiO、TiO2等を好適に用いることができる。これらは極性基を多分に有するため、シランカップリング剤をより均一に付着させることができるなど、電極となる金属層を形成する際の密着性確保に有利である。また、Tiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層は、結晶領域を含んでも構わない。結晶領域を優位にすれば薬液による侵食をより低減することができ、アモルファス領域を優位にすれば金属層との密着性を向上させることができる。
また、上記金属酸化物薄膜層の形成方法としては、例えば、誘電体層表面、または電極もしくは金属箔膜層の、誘電体層と接する表面に、ゾル−ゲル法、スパッタ法、化学的気相堆積法(CVD)により金属酸化物を塗工し、加熱することで形成することができ、金属酸化物薄膜層を所望の組成に調整しやすい点でゾル−ゲル法がより好ましい。また、加熱温度は、塗工表面の酸化を抑制するために、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましい。特に上記金属薄膜層に接する複合金属酸化物薄膜層を形成する際には、400℃以下で熱処理することが好ましい。
上記のような電極AおよびCと誘電体層Bを少なくとも備えるコンデンサ素子は、その大きさが実装面積の制約から1mm2以下であることが好ましく、さらに、高速デバイス実装に際して、効果的なデカップリングコンデンサやバイパスコンデンサを得るために、その容量が1nF以上であることが好ましい。つまり、本発明のおけるコンデンサ素子は1nF/mm2以上の容量密度を有することが好ましく、1〜10nF/mm2の範囲がより好ましい。容量密度が大きいコンデンサ素子は高密度実装に適することは明白であり、また、電極形成時の寸法ばらつきに起因する容量ばらつきを低減するために、その実装面積を削減することも可能である。
本発明の基板内蔵コンデンサ用部材に用いる上記熱硬化性接着フィルムEは、熱圧着によりコンデンサを基板へ固定出来るものであり、半硬化状態を工業的に制御可能な熱硬化性樹脂を含むものであれば特に制限はない。
上記熱硬化性樹脂としては、電子材料用途に汎用的に用いられ、経済的に優れるエポキシ樹脂の他に、耐熱性に優れたビスマレイミド−トリアジン樹脂や誘電特性に優れた変性ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、シアネート樹脂等も使用できる。また、フィルム化するための高分子量樹脂として、必要に応じて官能基を有するゴム系やイミド系などの樹脂を使用することができる。
上記エポキシ樹脂としては、硬化して接着作用を呈するものであればよく、特に限定されないが、二官能以上で、好ましくは分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂を使用できる。二官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型樹脂等が例示される。また、高Tg(ガラス転移温度)化を目的とし、多官能エポキシ樹脂をさらに加えてもよい。多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。
また、エポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられているものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミドアミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィッド、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が挙げられる、特に、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂などを用いることが好ましい。また、上記の硬化剤をポリウレタン系やポリエステル系の高分子物質などで被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるため、好ましい。さらに、上記硬化剤の他に硬化促進剤や硬化抑制剤等を混合して用いてもよい。
また、フィルム化する上では、フィルム形成材を配合することが好ましい。フィルム形成材としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の高分子量の熱可塑性樹脂を用いることができ、これらの混合物や共重合体でもよい。このようなフィルム形成材は、液状樹脂組成物を固形化し、フィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易にし、裂け、割れ、べたつきなどが生じることのないよう、その機械特性等を向上させる役割を有するものである。また、フィルム形成材は、その分子量が2000以上であることが、フィルム形成性の点から好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物中の占める割合は好ましくは50重量%以下である。
また、熱硬化性樹脂フィルムEの厚さは、基板表面の粗さを考慮した十分な密着性と部品高さの抑制の観点から10〜50μmの範囲であることが好ましい。
また、Bステージの熱硬化性接着フィルムEは、DSC(示差走査熱分析)を用いて測定した全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態と規定する。DSCは、測定温度範囲内で、発熱、吸熱の無い標準試料との温度差をたえず打ち消すように熱量を供給又は除去するゼロ位法を測定原理とするものであり、市販されている測定装置を用いて測定することができる。樹脂組成物の反応は、発熱反応であり、一定の昇温速度で試料を昇温していくと、試料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチャートに出力し、ベースラインを基準として発熱曲線とベースラインで囲まれた面積を求め、これを発熱量とする。室温から300℃まで5〜10℃/分の昇温速度で測定し、上記した発熱量を求める。これらは、全自動で行なうものもあり、測定装置により容易に測定することができる。発熱の割合は以下のように算出する。まず、25℃で真空乾燥器を用いて溶剤を乾燥させた未硬化試料の全発熱量を測定し、これをA(J/g)とする。次に、塗工、乾燥した試料の発熱量を測定し、これをBとする。試料の硬化度C(%)(加熱、乾燥により発熱を終えた状態)は、次式により求められる。
また、硬化後の熱硬化性接着フィルムEの、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率は、25℃で20〜2,000MPaの範囲であることが好ましい。貯蔵弾性率の測定は、接着剤硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/分で、−50℃〜300℃まで測定する温度依存性測定モードで行う。硬化後の熱硬化性接着フィルムEの、25℃での貯蔵弾性率が2,000MPaを超えると、コンデンサ素子と配線基板との熱膨張係数の差によってリフロー時に発生する応力を緩和させる効果が小さくなるためクラックが発生する恐れがあり、一方、20MPa未満では、接着フィルムの取扱い性が悪くなる傾向がある。
また、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムEが硬化後に絶縁性を示すものである場合、基板厚み方向の上方に電極を引き出す構造に好適である。絶縁性を発現するためには、樹脂のみの接着フィルムを作製しても良いが、取扱い性を上げるために絶縁フィラーを添加しても良い。
上記絶縁フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素粉末、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられる。絶縁フィラー添加量は、配合の効果、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下等を考慮すると、接着フィルムEとなる樹脂組成物100体積部に対して1〜50体積部添加することが好ましい。
また、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムが硬化後に等方導電性を示すものである場合、基板厚み方向に対して下方に電極を引き出す構造に好適である。等方導電性を発現するためには、金属フィラーを添加することが好ましい。
上記金属フィラーとしては、例えば、Au、Ag、Cu、Ni、Sn、Al、Pt、Ru等の金属又はこれらを含む合金などが挙げられるが、電気導電度と経済性を考慮すると、Ag、Cuが優れている。また、金属フィラーの添加量は、等方導電性の効果、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下等を考慮すると、接着フィルムEとなる樹脂組成物100体積部に対して20〜50体積部添加することが好ましい。
また、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムが硬化後に異方導電性を示すものである場合、基板厚み方向の下方に電極を引き出す構造に好適である。異方導電性を発現するためには、上記と同様の金属フィラーを添加することが好ましい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に、上記金属フィラーとして用いる金属を被覆することにより、その最外層を導電化した金属被覆フィラーを用いてもよい。この場合、金属被覆層の厚みは良好な抵抗を得るために、100オングストローム以上であることが好ましい。また、金属フィラーの添加量は、異方導電性の効果、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下等を考慮すると、接着フィルムEとなる樹脂組成物100体積部に対して0.1〜20体積部添加することが好ましい。
本発明で用いる上記プラスチックキャリアフィルムFとしては、上記熱硬化性接着フィルムEを支持することができればよく、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムを使用できる。
また、プラスチックキャリアフィルムFの厚さは強度を確保するため及び経済性と取扱い性の点から10〜50μmの範囲とすることが好ましい。
本発明の基板内蔵コンデンサ用部材は、例えば、上記のようなプラスチックキャリアフィルムF上に上記熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物ワニスを塗布、乾燥して形成された熱硬化性接着フィルムEと、上記コンデンサ素子を積層することにより得ることができる。
本発明のコンデンサ内蔵基板は、例えば、本発明の基板内蔵コンデンサ用部材のプラスチックキャリアフィルムFを剥離し、これを熱硬化性接着フィルムEを介して内層基板の所定位置に熱圧着により固定する工程を少なくとも含み、硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEが絶縁性を示すものである場合には、前記所定位置を絶縁部表面とし、硬化後の熱硬化性接着フィルムEが等方導電性または異方導電性を示すものである場合には、前記所定位置を回路部表面とすることにより製造することができる。
上記内層基板は、一般的なプリント基板の製造プロセスにより作製されたものを用いることができる。また、上記熱圧着は、一般的な貼り付けに用いる熱圧着装置を用いることができ、その条件は特に限定されないが、80〜150℃、0.1〜2MPaで5〜60秒程度であることが好ましい。また、上記熱圧着後、プリプレグにより絶縁層を形成する工程やエッチングやめっきにより回路を形成する工程等の公知の多層化工程を有していてもよい。
上記のような製造方法によれば、硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEが絶縁性を示すものである場合には、内層基板の絶縁部表面に本発明のコンデンサ用部材を配置するため、回路厚みの影響を受けず、薄型化に優れ、さらには基板厚み方向の上方に電極を引き出す構造に好適である(図5参照)。一方、硬化後の熱硬化性接着フィルムEが等方導電性または異方導電性を示すものである場合には、内層基板の回路部表面にコンデンサ部材を配置するため、回路の厚みの影響を受けず、薄型化に優れ、さらには基板厚み方向の下方に電極を引き出す構造に好適である(図6参照)。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
テトラエトキシシラン0.5gおよび塩酸2gを、エタノール(99.5%)97.5gに溶解し、20℃で60時間放置してシリカゾルを液中で合成し、シリカゾルのエタノール分散液100gを得た。これにチタン酸バリウム(以下BTO)ナノ粒子(戸田工業株式会社製、平均粒径30nm)3gを加え、超音波を用いて分散し、20℃で24時間放置して、シリカゾルをBTOナノ粒子の表面に吸着させた。なお、BTOナノ粒子は、水を媒体とするスラリーを遠心分離し、沈降させた粒子を回収してエタノール中に分散し、再度遠心分離して沈降させ回収したものを用いた。吸着後、遠心分離し、未吸着のシリカゾルを含む上澄み液を除去した後、再度エタノールを加えて分散することでナノ粒子を洗浄した。洗浄後、遠心分離し、シリカゾル吸着BTOナノ粒子を得た(平均粒径30nmの結晶性微粒子)。
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
テトラエトキシシラン0.5gおよび塩酸2gを、エタノール(99.5%)97.5gに溶解し、20℃で60時間放置してシリカゾルを液中で合成し、シリカゾルのエタノール分散液100gを得た。これにチタン酸バリウム(以下BTO)ナノ粒子(戸田工業株式会社製、平均粒径30nm)3gを加え、超音波を用いて分散し、20℃で24時間放置して、シリカゾルをBTOナノ粒子の表面に吸着させた。なお、BTOナノ粒子は、水を媒体とするスラリーを遠心分離し、沈降させた粒子を回収してエタノール中に分散し、再度遠心分離して沈降させ回収したものを用いた。吸着後、遠心分離し、未吸着のシリカゾルを含む上澄み液を除去した後、再度エタノールを加えて分散することでナノ粒子を洗浄した。洗浄後、遠心分離し、シリカゾル吸着BTOナノ粒子を得た(平均粒径30nmの結晶性微粒子)。
一方、バリウム5.4gを、2−メトキシエタノール180gと酢酸2gの混合液に完全に溶解した後、さらにテトラエトキシチタン9gを加えて撹拌し、0.2MのBTO前駆体溶液200mlを得た。
次に、上記シリカゾル吸着BTOナノ粒子3gを、上記0.2MのBTO前駆体溶液43.5gと2―メトキシエタノール56.1gとN,N−ジメチルホルムアミド5.4gの混合液に加え、超音波を用いて分散し、BTO濃度0.2Mの、ナノ粒子を添加した前駆体溶液Aを得た。
一方、10cm×10cm×厚さ20μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP、後に電極C)の光沢面側に、スパッタ法により厚さ0.8μmのNi薄膜を形成して、金属層薄膜付の銅箔を得た。
次に、この金属層薄膜付の銅箔のNi薄膜側に、上記前駆体溶液Aをスピンコートし、350℃のホットプレート上で4分間乾燥した後、再び溶液Aをスピンコートし、同様に乾燥した。さらに、溶液Aをスピンコートし乾燥する操作を4回繰り返した後、350℃のホットプレート上で2時間熱処理し、300nmの金属酸化物薄膜(誘電体層B)を得た。
次に、この金属酸化物薄膜上に、スパッタ法により厚さ0.8μmのNi薄膜を形成した後、さらに当該Ni薄膜上に電解銅めっきにより厚さ20μmのCuからなる金属層を形成した。ついで、当該金属層にドライフィルムタイプのフォトレジストをラミネートし、2mm×2mmの電極となるパターンを焼付けし、現像・エッチング・レジスト除去を行うことにより電極Aを作製した。
次に、上記金属層薄膜付銅箔のNi薄膜側と反対の面に、厚み50μmのPETフィルムをキャリアフィルムFとして備える厚み20μmの絶縁接着フィルム(日立化成工業株式会社製、HS−230、熱硬化性接着フィルムE)を100℃、1MPa、10秒の条件でラミネートした後、上記金属層薄膜付銅箔層、上記金属酸化物薄膜層および上記絶縁接着フィルムを、電極Aを中心として2.2mm×2.2mmの大きさにカッターナイフで切断し、電極Cおよび電極Cと同サイズの絶縁接着フィルム層を形成して、図3(c)に示すようなコンデンサ用部材を得た。なお、コンデンサの容量は4nFであった。
<コンデンサ内蔵基板の作製>
上記で得たコンデンサ用部材を用い、図5に示す工程に従って、コンデンサ内蔵基板を製造した。
上記で得たコンデンサ用部材を用い、図5に示す工程に従って、コンデンサ内蔵基板を製造した。
まず、銅箔厚さ12μm及び板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板(日立化成工業株式会社製、商品名MCL−E−679F)に所望のドリル穴明けを行い、ついで、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去し、触媒付与、密着促進化後、無電解銅めっきと電気銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に厚さが15μmの銅めっき層を形成した。次いで、銅めっき層に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、回路パターンを有する内層基板10を作製した(図5(a))。
さらに、上記で得たコンデンサ用部材11のPETフィルムを剥離し、これを上記内層基板の絶縁層表面に、露出した接着フィルム面が基板面になるように配置し、100℃、1MPa、20秒の条件で熱圧着した(図5(b))。
その後、厚さが12μmの銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名F3−WS)13、厚さが50μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製、商品名GEA−679F)12を2枚、図5(b)に示す回路板、厚さが50μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製、商品名GEA−679F)12を2枚、さらに厚さが12μmの銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名F3−WS)13の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa及び60分の条件で、加熱加圧し積層一体化した(図5(c))。
次に、得られた基板の不要な端部を切断後、基板表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所に直径が0.15mm(φ)の窓穴を形成した。さらに、この窓穴に、三菱電機株式会社製、ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs及びショット数6回の条件でレーザ穴明けを行った。次いで、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進化後、無電解銅めっき/電気銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に20μmの銅めっき層を形成した。そして、この基板表面のパッド、回路パターン等の必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路14を形成した(図5(d))。
(実施例2)
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
プラスチックキャリアフィルムFとして、厚さが25μmのPETフィルムを用い、熱硬化性接着フィルムEとして、以下のように作製した、硬化後に等方導電性を示す接着フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして基板内蔵コンデンサ用部材を作製した。
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
プラスチックキャリアフィルムFとして、厚さが25μmのPETフィルムを用い、熱硬化性接着フィルムEとして、以下のように作製した、硬化後に等方導電性を示す接着フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして基板内蔵コンデンサ用部材を作製した。
(等方導電性を示す接着フィルムの作製)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、ジャパンエポキシレジン株式会社製、エピコート828)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、東都化成株式会社製、YDCN−703)30重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、プライオーフェンLF2882)40重量部、フェノキシ樹脂(分子量5万、東都化成株式会社製、フェノトートYP−50)30重量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、および金属フィラーとして銀粉(石福金属興業株式会社製、RHタイプ)600重量部からなる樹脂組成物に、メチルエチルケトンを加えて撹拌混合し、さらにビーズミルを用いて混練し、真空脱気して接着剤ワニスを作製した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、ジャパンエポキシレジン株式会社製、エピコート828)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、東都化成株式会社製、YDCN−703)30重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、プライオーフェンLF2882)40重量部、フェノキシ樹脂(分子量5万、東都化成株式会社製、フェノトートYP−50)30重量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、および金属フィラーとして銀粉(石福金属興業株式会社製、RHタイプ)600重量部からなる樹脂組成物に、メチルエチルケトンを加えて撹拌混合し、さらにビーズミルを用いて混練し、真空脱気して接着剤ワニスを作製した。
次に、上記で得た接着剤ワニスを厚さが50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が30μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルムEを作製した。なお、ここで用いたキャリアフィルムは、当該接着フィルムEをプラスチックキャリアフィルムFに接着する際に剥離除去される。
<コンデンサ内蔵基板の作製>
上記で得たコンデンサ用部材のPETフィルムを剥離したものを、露出した接着フィルム面が内層基板の回路表面に接するように配置した以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した(図6参照)。
上記で得たコンデンサ用部材のPETフィルムを剥離したものを、露出した接着フィルム面が内層基板の回路表面に接するように配置した以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した(図6参照)。
(実施例3)
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
プラスチックキャリアフィルムFとして、厚さが25μmのPETフィルムを用い、熱硬化性接着フィルムEとして、硬化後に異方導電性を示す接着フィルムAC−2056(日立化成工業株式会社製、厚さ35μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして基板内蔵コンデンサ用部材を作製した。
<基板内蔵コンデンサ用部材の作製>
プラスチックキャリアフィルムFとして、厚さが25μmのPETフィルムを用い、熱硬化性接着フィルムEとして、硬化後に異方導電性を示す接着フィルムAC−2056(日立化成工業株式会社製、厚さ35μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして基板内蔵コンデンサ用部材を作製した。
<コンデンサ内蔵基板の作製>
上記で得たコンデンサ用部材を用いた以外は、実施例2と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した。
上記で得たコンデンサ用部材を用いた以外は、実施例2と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した。
(比較例1)
3.3nFの容量を有する0402サイズのセラミック積層コンデンサ部品(株式会社村田製作所製、商品名GRM02)を用い、図7に示す工程に従って、コンデンサ内蔵基板を製造した。
3.3nFの容量を有する0402サイズのセラミック積層コンデンサ部品(株式会社村田製作所製、商品名GRM02)を用い、図7に示す工程に従って、コンデンサ内蔵基板を製造した。
まず、銅箔厚さ12μm及び板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層(日立化成工業株式会社製、商品名板MCL−E−679F)に所望のドリル穴明けを行い、ついで、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進化後、無電解銅めっきと電気銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に厚さが15μmの銅めっき層を形成した。次いで、銅めっき層に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、回路パターンを有する内層基板10を作製した(図7(a))。
さらに、上記で作製した内層基板の回路表面に、上記のセラミック積層コンデンサ用部品161を導電性ペースト(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社製、商品名DDペーストSAP510)17を用いて搭載し、170℃、30分で硬化させた(図7(b))。
その後、厚さが12μmの銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名F3−WS)13、厚さが50μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製、商品名GEA−679F)12を3枚、図7(b)に示す回路板、厚さが50μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製、商品名GEA−679F)12を3枚、さらに厚さが12μmの銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名F3−WS)13の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa及び60分の条件で、加熱加圧し積層一体化した(図7(c))。なお、加熱加圧時、チップ高さの段差が大きいため、3枚のプリプレグの内、2枚をチップ部品の箇所から取り除いた。
次に、得られた基板の不要な端部を切断後、基板表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所に直径が0.15mm(φ)の窓穴を形成した。さらに、この窓穴に、三菱電機株式会社製、ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs及びショット数6回の条件でレーザ穴明けを行った。次いで、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進化後、無電解銅めっき/電気銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に20μmの銅めっき層を形成した。そして、この基板表面のパッド、回路パターン等の必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路14を形成した(図7(d))。
(比較例2)
実施例1のコンデンサ用部材の代わりに当該部材におけるコンデンサ素子(電極AおよびCと誘電体層Bからなるもの)を用い、これを導電性ペースト(タツタ システム・エレクトロニクス株式会社製、商品名DDペーストSAP510)17を用いて内層基板の回路表面に搭載し、170℃、30分の条件で固定した以外は、実施例2と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した(図8参照)。なお、搭載時、素子が薄いため配置が困難であった。
実施例1のコンデンサ用部材の代わりに当該部材におけるコンデンサ素子(電極AおよびCと誘電体層Bからなるもの)を用い、これを導電性ペースト(タツタ システム・エレクトロニクス株式会社製、商品名DDペーストSAP510)17を用いて内層基板の回路表面に搭載し、170℃、30分の条件で固定した以外は、実施例2と同様にしてコンデンサ内蔵基板を製造した(図8参照)。なお、搭載時、素子が薄いため配置が困難であった。
<評価>
実施例1〜3及び比較例1、2で製造したコンデンサ内蔵基板について、当該基板作製時の作業性および基板高さ(厚み)を評価した。結果を表1に示す。なお、基板高さの測定はマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製、商品名MDC−25M)を用いて行った。
実施例1〜3及び比較例1、2で製造したコンデンサ内蔵基板について、当該基板作製時の作業性および基板高さ(厚み)を評価した。結果を表1に示す。なお、基板高さの測定はマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製、商品名MDC−25M)を用いて行った。
表1に示されるように、本発明の実施例1〜3で作製した基板は、いずれも作業性が良好であったのに対し、比較例1、2で作製した基板は、導電性ペーストを用いてコンデンサ素子を接着したため、作業性が悪いことが明らかである。
また、本発明の実施例1〜3で作製した基板は、いずれも基板高さが0.50mmを超えず、薄型化に有効であることが分かる。これに対し、比較例1で作製した基板は、積層コンデンサ部品を用いたために高さが0.90mmと大きな値を示した。
このように本発明によれば、効率的に基板内にコンデンサを内蔵することが可能であり、かつその薄型化にも有効であるということが明白である。
1 電極A
2 誘電体B
3 電極C
4 Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムE
5 プラスチックキャリアフィルムF
6 金属薄膜層
7 構成元素としてBa及び/又はSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物層
8 構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物層
10 内層基板
11 硬化後に絶縁性を示すBステージ状態の熱硬化性接着フィルムEを備えた本発明のコンデンサ用部材
12 プリプレグ
13 銅箔
14 外層回路
15 硬化後に等方導電性又は異方導電性を示すBステージ状態の熱硬化性接着フィルムEを備えた本発明のコンデンサ用部材
161 積層コンデンサ部品
162 コンデンサ素子
17 導電性ペースト
2 誘電体B
3 電極C
4 Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムE
5 プラスチックキャリアフィルムF
6 金属薄膜層
7 構成元素としてBa及び/又はSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物層
8 構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物層
10 内層基板
11 硬化後に絶縁性を示すBステージ状態の熱硬化性接着フィルムEを備えた本発明のコンデンサ用部材
12 プリプレグ
13 銅箔
14 外層回路
15 硬化後に等方導電性又は異方導電性を示すBステージ状態の熱硬化性接着フィルムEを備えた本発明のコンデンサ用部材
161 積層コンデンサ部品
162 コンデンサ素子
17 導電性ペースト
Claims (17)
- 対向する電極Aと電極Cの間に誘電体層Bを備えるコンデンサ素子の一方の面上に、Bステージ状態の熱硬化性接着フィルムEおよびプラスチックキャリアフィルムFが積層されていることを特徴とする基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記電極Aおよび前記電極Cの厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記誘電体層Bの厚みが0.05〜2μmであることを特徴とする請求項1または2記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記熱硬化性接着フィルムEの厚みが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記プラスチックキャリアフィルムFの厚みが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記熱硬化性接着フィルムEが、エポキシ樹脂とその硬化剤を少なくとも含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEの、動的粘弾性測定装置を用いて測定した貯蔵弾性率が、25℃で20〜2,000MPaであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 硬化後の熱硬化性接着フィルムEが、絶縁性を示すことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 硬化後の熱硬化性接着フィルムEが、等方導電性または異方導電性を示すことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記コンデンサ素子が、1nF/mm2以上の容量密度を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記電極Aおよび/または前記電極Cの、前記誘電体層Bと接する面に、Cr、Ni、AuおよびAgならびにこれらの合金からなる群から選択される1種類以上の金属を含む金属薄膜層を有し、かつ少なくとも該金属薄膜層を有する電極がCu又はその合金であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記誘電体層Bの片面または両面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記誘電体層Bの片面または両面に、構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記誘電体層Bの一方の面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を、他方の面に構成元素としてTiを含むアモルファス金属酸化物薄膜層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 前記誘電体層Bが、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含む結晶性微粒子を含み、かつ該結晶性微粒子の平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材を用いてなることを特徴とするコンデンサ内蔵基板。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の基板内蔵コンデンサ用部材のプラスチックキャリアフィルムFを剥離し、これを熱硬化性接着フィルムEを介して内層基板の所定位置に熱圧着により固定する工程を少なくとも含み、
硬化後の前記熱硬化性接着フィルムEが絶縁性を示すものである場合には、前記所定位置が絶縁部表面であり、硬化後の熱硬化性接着フィルムEが等方導電性または異方導電性を示すものである場合には、前記所定位置が回路部表面であることを特徴とするコンデンサ内蔵基板の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009295843A (ja) * | 2008-06-06 | 2009-12-17 | Showa Denko Kk | 回路基板およびその製造方法並びに電子装置 |
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2006
- 2006-01-16 JP JP2006007891A patent/JP2007165814A/ja active Pending
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