JP2007164898A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】書き込み電圧を適切に設定することにより、非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぎ、かつ、書き込み時間の増大を防ぐことが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置100は、データを不揮発的に記憶する複数個のメモリセルMCと、メモリセルMCに供給するドレイン電圧およびゲート電圧を発生する電圧発生回路31と、メモリセルMCに対するデータ書き込み時、電圧発生回路31を制御して、ドレイン電圧およびゲート電圧をメモリセルMCに供給し、ゲート電圧の電圧値をドレイン電圧の電圧値に基づいて決定するか、あるいはドレイン電圧の電圧値をゲート電圧の電圧値に基づいて決定する制御部32とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置100は、データを不揮発的に記憶する複数個のメモリセルMCと、メモリセルMCに供給するドレイン電圧およびゲート電圧を発生する電圧発生回路31と、メモリセルMCに対するデータ書き込み時、電圧発生回路31を制御して、ドレイン電圧およびゲート電圧をメモリセルMCに供給し、ゲート電圧の電圧値をドレイン電圧の電圧値に基づいて決定するか、あるいはドレイン電圧の電圧値をゲート電圧の電圧値に基づいて決定する制御部32とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、特に、閾値電圧の相違を利用してデータを記憶するメモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置に関する。
浮遊ゲート(FG)に電子を注入するかまたは電子を抜き取ることによって情報を記憶させることができる不揮発性半導体記憶装置、たとえばフラッシュメモリが開発されている。フラッシュメモリは浮遊ゲート、制御ゲート(CG)、ソース、ドレインおよびウエル(基板)を有するメモリセルを含む。メモリセルは、浮遊ゲートに電子が注入されると閾値電圧が上昇し、また、浮遊ゲートから電子を抜き取ると閾値電圧が低下する。一般に、閾値電圧の最も低い分布をメモリセルの消去状態と呼び、また、消去状態より高い閾値電圧の分布をメモリセルの書き込み状態と呼ぶ。たとえば、メモリセルが2ビットのデータを記憶する場合において、電圧の最も低い閾値電圧の分布が論理レベル”11”に対応し、この状態が消去状態と呼ばれる。そして、メモリセルに対して書き込み動作を行なって閾値電圧を消去状態より高くすることにより、論理レベル”10”、”01”および”00”に対応する閾値電圧が得られ、この状態が書き込み状態と呼ばれる。
このようなフラッシュメモリの一例としてAG−AND型フラッシュメモリが提案されている。AG−AND型フラッシュメモリにおいては、拡散層で構成される単一のビット線に対して複数個のメモリセルが並列に接続される。さらに、このAG−AND型フラッシュメモリのメモリセル面積を縮小するために、たとえば非特許文献1に示されるように、反転層ビット線型AG−ANDフラッシュメモリが提案されている。この非特許文献1に示される構成においては、アシストゲート線をMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)のゲートとして利用して、その下層の半導体基板領域表面に形成される反転層をビット線として使用する。
この反転層をビット線として利用することにより、ソースおよびドレイン拡散領域が不要となり、メモリセル面積を低減することができる。
"90-nm-node multi-level AG-AND type flash memory with cell size of true 2F2/bit and programming throughput of 10 MB/s", Y. Sasago et al., IEDM, 2003
"90-nm-node multi-level AG-AND type flash memory with cell size of true 2F2/bit and programming throughput of 10 MB/s", Y. Sasago et al., IEDM, 2003
ところで、非特許文献1記載のAG−AND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置では、消去状態から書き込みデータの論理レベルに対応する閾値電圧にメモリセルの閾値電圧を変更する際には、書き込み対象のメモリセル(以下、選択メモリセルとも称する)に供給するゲート電圧およびドレイン電圧等の書き込み電圧を書き込み対象でないメモリセル(以下、非選択メモリセルとも称する)に供給されている電圧と比べて高い電圧に設定する。
ここで、データ書き込み時、選択メモリセルと電圧供給ラインが共通する非選択メモリセルでは書き込み電圧による電界に起因して閾値電圧の変動が生じやすい。特に、半導体製造技術の微細化に伴い書き込み電圧による電界の影響が無視できないものとなってきており、非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぐことが困難になってきている。
このような非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぐために、書き込み電圧を低く設定する方法が考えられる。しかしながら、書き込み電圧を低く設定する方法では、選択メモリセルに対する書き込み時間が長くなってしまう。
それゆえに、本発明の目的は、書き込み電圧を適切に設定することにより、非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぎ、かつ、書き込み時間の増大を防ぐことが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる不揮発性半導体記憶装置は、データを不揮発的に記憶する複数個のメモリセルと、メモリセルに供給する第1の書き込み電圧および第2の書き込み電圧を発生する電圧発生回路と、メモリセルに対するデータ書き込み時、電圧発生回路を制御して、第1の書き込み電圧および第2の書き込み電圧をメモリセルに供給し、第2の書き込み電圧の電圧値を第1の書き込み電圧の電圧値に基づいて決定する制御部とを備える。
本発明によれば、書き込み電圧を適切に設定することにより、非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぎ、かつ、書き込み時間の増大を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。なお、以下の説明において、ビット線およびアシストゲート線が延在する方向を列方向と称し、ワード線が延在する方向を行方向と称する。
同図を参照して、不揮発性半導体記憶装置100は、メモリセルアレイ21と、データラッチ25と、入出力バッファ29と、電圧発生回路31と、制御部32とを備える。電圧発生回路31は、ワード線デコーダ/ドライバ22と、Yデコーダ23と、AGデコード/ドライブ回路26と、Yゲート/センスアンプ28とを含む。入出力バッファ29は、外部との間でデータDQの授受を行なう。
メモリセルアレイ21は、行列状に配列されたメモリセルを含む。メモリセルアレイ21においては、ワード線WLがビット線BLおよびアシストゲート線AGと交差する方向に配設される。
ワード線デコーダ/ドライバ22は、図示しないアドレスバッファからのXアドレス信号XADに従ってアドレス指定されたワード線WLを選択状態へ駆動する。
Yデコーダ23は、アドレスバッファからのYアドレス信号YADをデコードして、メモリセルアレイ21の選択列に対応するビット線BLおよびアシストゲート線AGを指定する列選択信号を生成する。
Yゲート/センスアンプ28は、Yデコーダ23からの列選択信号に従って、メモリセルアレイ21の選択列に対応するビット線BLを選択状態に駆動する。また、Yゲート/センスアンプ28は、データ読み出し時、選択列に対応するビット線BLを流れる電流を検出して内部読み出しデータを生成するセンスアンプを含む。
AGデコード/ドライブ回路26は、Yアドレス信号YADに従って、選択列に対応するアシストゲート線AGを選択し、選択したアシストゲート線AGを選択状態に駆動する。
データラッチ25は、データ書き込み時、書き込みデータをラッチする。データラッチ25のラッチする書き込みデータに応じた書き込み電圧がワード線デコーダ/ドライバ22、AGデコード/ドライブ回路26およびYゲート/センスアンプ28からメモリセルアレイ21に供給され、データ書き込みが行なわれる。
制御部32は、電圧発生回路31を制御することにより、メモリセルアレイ21のメモリセルに対してデータ書き込みおよびデータ読み出しを行なう。
図2は、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成を示す図である。
同図を参照して、メモリセルMCは、制御ゲートCGと、浮遊ゲートFGと、ソース4と、ドレイン5と、基板SUBとを含む。
ドレイン5にYゲート/センスアンプ28からのドレイン電圧Vdが供給される。ソース4にYゲート/センスアンプ28からのソース電圧Vsが供給される。制御ゲートCGにワード線デコーダ/ドライバ22からのゲート電圧Vcgが印加される。ソース4付近にAGデコード/ドライブ回路26からのアシストゲート電圧Vagが供給される。基板SUBに電圧発生回路31からの基板電圧Vbが供給される。
メモリセルMCに対するデータ書き込み時、ゲート電圧Vcg、ドレイン電圧Vd、ソース電圧Vs、アシストゲート電圧Vagおよび基板電圧Vbをそれぞれ適切な電圧値とすることにより、メモリセルMCがオン状態となり、かつ、半導体基板SUBのアシストゲート線AG直下の領域に反転層INVが形成される。そして、反転層INV近傍でホットエレクトロンE_bが生成され、浮遊ゲートFGに注入される。ホットエレクトロンが浮遊ゲートFGに注入されると、メモリセルMCの閾値電圧が上昇する。このようなソースサイド注入方式により、低消費電流で高速なデータ書き込みを実現する。
図3は、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置が2ビットのデータを記憶する場合におけるメモリセルの閾値電圧を示す図である。
同図を参照して、電圧の最も低い閾値電圧Vth1の分布が消去状態である論理レベル”11”に対応する。メモリセルに対してデータ書き込みを行なって閾値電圧を消去状態より高くすることにより、書き込み状態、すなわち論理レベル”10”、”01”および”00”に対応する閾値電圧Vth2、Vth3およびVth4が得られる。
また、この半導体記憶装置が1ビットのデータを記憶する場合には、消去状態が論理レベル”1”に対応し、書き込み状態が論理レベル”0”に対応する。
なお、閾値電圧と論理レベルとの対応は上記に限定されるものではなく、たとえば、上記と論理レベルが反転した対応関係であってもよい。
図4は、メモリセルアレイ21の構成を示す図である。
同図を参照して、メモリセルアレイ21は行列状に配列される複数のメモリセル、および複数のメモリセルの各行に対応して配置される複数のワード線を含む。同図では複数のワード線のうち、代表的にワード線WLA〜WLDを示す。
同図を参照して、メモリセルアレイ21は行列状に配列される複数のメモリセル、および複数のメモリセルの各行に対応して配置される複数のワード線を含む。同図では複数のワード線のうち、代表的にワード線WLA〜WLDを示す。
各メモリセルの制御ゲートCGは対応するワード線WLに接続される。たとえばワード線WLCには、メモリセルMC0C〜MC6Cの各々の制御ゲートCGが接続される。
メモリセルアレイ21はさらに、列方向に配置された複数のビット線BLを含む。複数のビット線BLの各々は、対応する列に属するメモリセルのドレインに共通に接続される。同図では複数のビット線BLのうち、代表的にビット線BL0〜BL3を示す。
メモリセルアレイ21はさらに、列方向に配置された複数のアシストゲートトランジスタAGTを含む。複数のアシストゲートトランジスタAGTは列方向に延在するアシストゲート線AGを共有する。アシストゲート線AGは、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)のゲートに対応し、その下部の基板SUBにアシストゲート電圧Vagに従って反転層が形成される。この反転層によりソース側ビット線SLBが形成される。ソース側ビット線SLBはコモン線(図示せず)に結合される。ソース側ビット線SLBは各列のメモリセルのソースを共通に接続するソース線に相当する。なお、同図に示すようにビット線BLとソース側ビット線SLBとは各列のメモリセルの両側に交互に配置される。
メモリセルMC2A〜MC2DおよびメモリセルMC4A〜MC4Dに対してデータ書き込みを行なう場合には、ビット線BL1およびBL3は、書き込み対象のメモリセルのドレインに書き込み電圧を供給するためのビット線となる。ビット線BL2およびBL4は、書き込み対象のメモリセルのソースに書き込み電圧を供給するためのビット線となる。メモリセルMC1A〜MC1DおよびメモリセルMC3A〜MC3Dに対してデータ書き込みを行なう場合には、ビット線BL1およびBL3の役割と、ビット線BL2およびBL4の役割とが逆になる。
次に、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置がメモリセルMC2Cに対してデータ書き込みを行なう際の動作について説明する。
Yゲート/センスアンプ28は、書き込み対象のメモリセルMC2Cに対応するビット線BL1にたとえば4.5Vのドレイン電圧を印加し、ビット線BL2に0Vのソース電圧を印加する。
書き込み対象であるメモリセルMC2Cに対応するワード線WLCには13Vのゲート電圧Vcgが印加され、他のワード線WLA、WLBおよびWLDには−2Vのゲート電圧Vcgが印加される。書き込み対象であるメモリセルMC2Cに対応するアシストゲート線AG1には1Vのアシストゲート電圧Vagが印加され、他のアシストゲート線AG0、AG2およびAG3には−2Vのアシストゲート電圧Vagが印加される。基板SUBには接地電圧、すなわち0Vの基板電圧Vbが印加される。
アシストゲート線AG1に印加される1Vのアシストゲート電圧Vagによってソース側ビット線SLB1が形成される。ソース側ビット線SLB1は、メモリセルMC2Cのソースに接続される。図中の矢印はビット線BL2からビット線BL1に向けて流れる電子の方向を示す。
なお、メモリセルMC3Cに対してデータ書き込みを行なう場合、Yゲート/センスアンプ28はビット線BL1に0Vのソース電圧を印加し、ビット線BL2に4.5Vのドレイン電圧を印加する。
図5は、選択メモリセルと、ワードディスターブまたはドレインディスターブが生じる非選択メモリセルとを示す図である。太い実線の丸で囲んだメモリセルが選択メモリセルであり、細い一点鎖線の丸で囲んだメモリセルはワードディスターブの生じる可能性がある非選択メモリセルであり、細い点線の丸で囲んだメモリセルはドレインディスターブが生じる可能性のある非選択メモリセルであり、太い点線の丸で囲んだメモリセルはワードディスターブおよびドレインディスターブの両方が生じる可能性のある非選択メモリセルである。
同図を参照して、選択メモリセルがメモリセルMC2CおよびMC6Cの場合には、ワードディスターブが生じる可能性のある非選択メモリセルは、メモリセルMC0C、MC1CおよびMC3C〜MC5Cである。また、ドレインディスターブが生じる可能性のある非選択メモリセルは、メモリセルMC1A〜MC1D、MC2A〜MC2B、MC2D、MC5A〜MC5D、MC6A〜MC6B、MC6Dである。
また、ワード線WLAに対応するメモリセルMC1A、MC2A、MC5AおよびMC6Aに対して、ワード線WLBに対応するメモリセルMC1B、MC2B、MC5BおよびMC6B、ならびにワード線WLDに対応するメモリセルMC1D、MC2D、MC5DおよびMC6Dは、ビット線BL1およびBL3に印加された高電圧により生じる電界に加えて、ワード線WLCに印加された高電圧により生じる電界の影響を受けやすく、メモリセルMCの閾値電圧の変動が生じる可能性が高い。
また、ドレインディスターブが生じる可能性のある非選択メモリセルでは、ドレインおよびソース間が導通状態とならないようにワード線WLA、WLBおよびWLDには負側に大きい電圧を印加する必要があり、半導体製造技術が微細化するほど、さらに負側に大きい電圧を印加する必要がある。しかしながら、さらに負側に大きい電圧を印加したワード線に対応するメモリセルでは、浮遊ゲートFGの電位がさらに下がるため、浮遊ゲートFGから基板SUB側に電子が抜けやすくなってしまう。
図6は、選択メモリセルに対するデータ書き込み時の電位関係および電子の流れを示す、図5におけるメモリセルアレイ21のワード線WLCによる断面図である。
同図を参照して、FG1C〜FG4CはそれぞれメモリセルMC1C〜メモリセルMC4Cの浮遊ゲートを表わす。
メモリセルMC2Cへのデータ書き込み時、アシストゲート線AG1には1Vのアシストゲート電圧Vagが印加される。この場合、メモリセルMC3Cを経由してビット線BL1からビット線BL2に電流が流れる。アシストゲート線AG1の下に形成された弱い反転層ではチャネル抵抗が高くなるため、高電界が生じる。この高電界により生じた高エネルギの電子(ホットエレクトロン)がワード線WLCに印加された13Vの高電圧により生じる電界に引き寄せられ、メモリセルMC2Cの浮遊ゲートFGに到達する。図中の矢印はビット線BL2からビット線BL1に向けて流れる電子の方向を示す。
メモリセルMC2Cへのデータ書き込みが終了すると、ビット線BL2の電圧は2Vになる。アシストゲート線AG1に与えられる電圧が1VであるためアシストゲートトランジスタAGTはカットオフする。よってメモリセルMC2Cにはホットエレクトロンの注入が行なわれなくなる。
図7(a)は、非選択メモリセルに対するワードディスターブの電位関係および電子の流れを示す、図5におけるメモリセルアレイ21のワード線WLCによる断面図である。(b)は、図7(a)におけるメモリセルMC3Cの拡大図である。
同図(a)を参照して、メモリセルMC2Cへのデータ書き込み時、ワード線WLCに制御ゲートCGが接続されるメモリセルMC1C、MC3CおよびMC4Cにはワードディスターブが生じる場合がある。すなわち、ワード線WLCに印加された13Vの高電圧により生じる電界によって基板SUBから浮遊ゲートFGに電子が注入されるか、あるいは浮遊ゲートFGから基板SUB側に電子が抜けてしまう場合がある。同図(a)および(b)では、基板SUB側からメモリセルMC3Cの浮遊ゲートFG3Cへ電子が注入される様子を示している。メモリセルMCにワードディスターブが生じると、メモリセルMCの閾値電圧が変動し、メモリセルMCの記憶するデータの内容が変わってしまう。
図8(a)は、非選択メモリセルに対するドレインディスターブの電位関係および電子の流れを示す、図5におけるメモリセルアレイ21のワード線WLDによる断面図である。(b)は、図8(a)におけるメモリセルMC1Dの拡大図である。
同図(a)を参照して、メモリセルMC2Cへのデータ書き込み時、ビット線BL1にドレインが接続されるメモリセルMC1DおよびMC2Dにはドレインディスターブが生じる場合がある。すなわち、ビット線BL1に印加された4.5Vの高電圧により生じる電界によって浮遊ゲートFG1DおよびFG2Dから基板SUB側に電子が抜けてしまう場合がある。同図(b)では、メモリセルMC1Dの浮遊ゲートFG1Dから基板SUB側へ電子が抜ける様子を示している。メモリセルMCにドレインディスターブが生じると、メモリセルMCの閾値電圧が変動し、メモリセルMCの記憶するデータの内容が変わってしまう。
このような非選択メモリセルの閾値電圧の変動を防ぐために、選択メモリセルに対応するワード線WLに印加するゲート電圧Vcgおよび選択メモリセルに対応するビット線BLに印加するドレイン電圧Vdを低く設定する方法が考えられるが、この方法では、選択メモリセルに対する書き込み時間が長くなってしまう。
次に、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み時の動作について説明する。以下、単にメモリセルMCと称するときは、書き込み対象のメモリセルMCを意味するものとする。
[動作]
図9は、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置においてドレイン電圧Vdをメモリセルアレイ21に供給する構成を示す図である。
図9は、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置においてドレイン電圧Vdをメモリセルアレイ21に供給する構成を示す図である。
同図を参照して、Yゲート/センスアンプ28は、PチャネルMOSトランジスタ41と、比較器42と、チャージポンプ43とを含む。
PチャネルMOSトランジスタ41は、ゲートが比較器42の出力に接続され、ソースがチャージポンプ43の出力に接続され、ドレインがメモリセルアレイ21および比較器42の非反転入力端子に接続される。比較器42は、反転入力端子が制御部32の出力に接続される。
チャージポンプ43は、PチャネルMOSトランジスタ41に電流を供給する。
PチャネルMOSトランジスタ41は、比較器42の比較結果に基づいてメモリセルアレイ21のメモリセルMCにドレイン電圧Vdを供給する。
PチャネルMOSトランジスタ41は、比較器42の比較結果に基づいてメモリセルアレイ21のメモリセルMCにドレイン電圧Vdを供給する。
制御部32は、メモリセルMCに供給すべきドレイン電圧Vdの電圧値に対応する基準電圧を比較器42の非反転入力端子に出力する。
なお、ゲート電圧VcgをメモリセルMCに供給する構成は、同図に示す構成においてYゲート/センスアンプ28をワード線デコーダ/ドライバ22に置き換えた構成と同様であり、ドレイン電圧Vdをゲート電圧Vcgに置き換えて説明すれば足りるため、ここでは説明を繰り返さない。
図10は、データ書き込み時に制御部32が行なうドレイン電圧Vdの制御方法を示すグラフ図である。
同図を参照して、制御部32は、Yゲート/センスアンプ28を制御して、たとえば制御方法Aに基づいてドレイン電圧VdをメモリセルMCに供給する。すなわち、時刻t1〜t4の全期間において、ドレイン電圧VdとしてVd01の一定電圧をメモリセルMCに供給する(a1〜a3)。
図11は、データ書き込み時に制御部32が行なうゲート電圧Vcgの制御方法を示すグラフ図である。
同図を参照して、制御部32は、制御方法Aに基づいてドレイン電圧Vdを供給する場合には、ワード線デコーダ/ドライバ22を制御して、ゲート電圧VcgをVcg01からVcg25まで一定の傾きで上昇させ、かつ、時刻t1においてゲート電圧VcgをVcg01とし、時刻t2においてゲート電圧VcgをVcg09とし(a1)、時刻t3においてゲート電圧VcgをVcg17とし(a2)、時刻t4においてVcg25とする(a3)。
ここで、時刻t1〜t4におけるドレイン電圧Vdおよびゲート電圧Vcgの電圧値は、それぞれ時刻t2〜t4において選択メモリセルの閾値電圧がVth2〜Vth4に到達するようにあらかじめ実験等で得られた値が設定される。これは、後述する制御方法B〜Dについても同様である。
図12は、制御方法Aに基づいてデータ書き込みを行なった場合のゲート電圧Vcg、ドレイン電圧VdおよびメモリセルMCの閾値電圧の関係を示すグラフ図である。
同図を参照して、a1〜a3で示す矢印はそれぞれ図10および図11に示すa1〜a3に対応しており、制御部32が制御方法Aに基づいてメモリセルMCに対してデータ書き込みを行なった場合を示している。電圧発生回路31から供給される書き込み電圧は、書き込みデータの各論理レベルに対応する閾値電圧の間隔が一定になるように制御される。すなわち、電圧発生回路31から供給される書き込み電圧は、閾値電圧Vth1〜Vth2、Vth2〜Vth3およびVth3〜Vth4の電圧差が一定になるように制御される。このような構成により、各論理レベルに対応する閾値電圧の分布を狭くして、データの読み出しエラーを防ぐことができる。
図13は、データ書き込み時間およびゲート電圧Vcgの関係を示すグラフ図である。同図は、図12に示すグラフ図を、横軸がデータ書き込み時間(制御時間)であり、縦軸がゲート電圧Vcgであるグラフ図に書き換えたものである。
図14は、データ書き込み時間およびドレイン電圧Vdの関係を示すグラフ図である。同図は、図12に示すグラフ図を、横軸がデータ書き込み時間であり、縦軸がドレイン電圧Vdであるグラフ図に書き換えたものである。
制御方法Aに基づいて書き込み電圧をメモリセルアレイ21に供給すると、データ書き込み時、非選択メモリセルのドレインに常に高い電圧が印加されている状態となるため、ドレインディスターブによる閾値電圧の変動が大きくなる。
ここで、ワードディスターブによって基板SUBから非選択メモリセルの浮遊ゲートFGに電子が注入され、非選択メモリセルの閾値電圧が変動する場合において、浮遊ゲートFGから基板SUBに流れる電流密度をJwdとし、浮遊ゲートFG−基板SUB間の電界をEoxとし、AおよびBを定数とすると、Jwdは以下の式で表わされる。
Jwd=A×Eox2×exp(−B/Eox)・・・(1)
式(1)より、Jwdは、Eoxの変化に対して対数で変化する。したがって、ワードディスターブによる閾値電圧の変動が大きくなる期間は、図13においてγで示す範囲のゲート電圧Vcg、すなわちゲート電圧Vcg19〜Vcg25を供給しているβ1で示す期間だけである。
式(1)より、Jwdは、Eoxの変化に対して対数で変化する。したがって、ワードディスターブによる閾値電圧の変動が大きくなる期間は、図13においてγで示す範囲のゲート電圧Vcg、すなわちゲート電圧Vcg19〜Vcg25を供給しているβ1で示す期間だけである。
一方、図14に示すように非選択メモリセルのドレインにはドレイン電圧Vdとして常に一定の高い電圧Vd01が印加されており、ドレインディスターブによる閾値電圧の変動が大きくなる期間は時刻t1〜t4の全期間となる。
したがって、書き込み電圧の制御方法Aは、ワードディスターブよりもドレインディスターブによって非選択メモリセルの記憶データが書き換えられてしまう可能性の高い制御方法であるといえる。
以下、ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ないと仮定して、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み時の動作について説明する。
この場合、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、制御方法Aの代わりに制御方法B〜Dによる書き込み電圧の制御方法を採用する。
再び図10を参照して、制御部32は、メモリセルMCに対するデータ書き込み時、Yゲート/センスアンプ28およびワード線デコーダ/ドライバ22を制御して、ドレイン電圧Vdおよびゲート電圧Vcgのうち、非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ない側の電圧を低く設定する。ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対してマージンが少ない場合、制御部32は、ドレイン電圧Vdを低く設定する。そして、制御部32は、ドレイン電圧Vdの電圧設定値に基づいてワード電圧Vcgの電圧値を高く設定する。
制御方法B〜Dにおいては、時刻t2〜t4において選択メモリセルの閾値電圧がVth2〜Vth4に到達するように、時刻t2でドレイン電圧VdをVd03かつゲート電圧VcgをVcg13とし、また、時刻t3でドレイン電圧VdをVd02かつゲート電圧VcgをVcg19とし、時刻t4でドレイン電圧VdをVd01かつゲート電圧VcgをVcg25とする。これは、浮遊ゲートFGに電子が注入されてメモリセルMCの閾値電圧が大きくなると、浮遊ゲートFGの電位が下がるため、閾値電圧の電圧値をより大きくするためにはドレイン電圧Vdおよびゲート電圧Vcgの少なくともいずれか一方をより大きくする必要があるからである。
制御方法Bでは、制御部32は、制御方法Aよりもドレイン電圧Vdを低く設定する。すなわち、制御部32は、時刻t1および時刻t2間ではドレイン電圧VdとしてVd03の一定電圧を供給する(b1)。そして、制御部32は、時刻t2および時刻t3間ではドレイン電圧VdとしてVd02の一定電圧を供給する(b2)。そして、制御部32は、時刻t3および時刻t4間ではドレイン電圧VdとしてVd01の一定電圧を供給する(b3)。
また、制御方法Cでは、制御部32は、制御方法Bよりもドレイン電圧Vdが高電圧となる時間を短くする。すなわち、制御部32は、時刻t1および時刻t4間でドレイン電圧VdをVd04からVd01まで一定の傾きで上昇させ、かつ、時刻t2でドレイン電圧VdをVd03とし(c1)、時刻t3でドレイン電圧VdをVd02とし(c2)、時刻t4でドレイン電圧VdをVd01とする(c3)。
また、制御方法Dでは、制御部32は、制御方法Cよりもドレイン電圧Vdが高電圧となる時間を短くする。すなわち、制御部32は、時刻t1でドレイン電圧VdをVd07とし、ドレイン電圧Vdを一定の傾きで上昇させ、時刻t2でドレイン電圧VdをVd03とする(d1)。そして、時刻t2の直後にドレイン電圧VdをVd03からVd06に下げ、その後ドレイン電圧Vdを一定の傾きで上昇させ、時刻t3でドレイン電圧VdをVd02とする(d2)。そして、時刻t3の直後にドレイン電圧VdをVd02からVd05に下げ、その後ドレイン電圧Vdを一定の傾きで上昇させ、時刻t4でドレイン電圧VdをVd01とする(d3)。
このように、制御方法B〜Dでは、制御部32は、次に到達する閾値電圧の電圧値が、予め定められた複数個の電圧値であるVth1〜Vth4のいずれであるかに基づいてドレイン電圧Vdの電圧値を決定する。すなわち、制御部32は、メモリセルMCの閾値電圧をたとえばVth1からVth2に上昇させ、かつVth2からVth3に上昇させる際に、次に到達するメモリセルの閾値電圧がVth2であるかまたはVth3であるかに基づいて、ドレイン電圧Vdの電圧値および電圧の傾き等を変更する。なお、制御部32は、書き込みデータの論理レベルに対応する閾値電圧の単位でドレイン電圧Vdの電圧値を変更する構成に限らず、さらに細かい単位でドレイン電圧Vdの電圧値を変更する構成であってもよい。
このような構成により、データ書き込み時、非選択メモリセルのドレインに常に一定の高電圧が印加されている状態を解消することができ、ドレインディスターブによる閾値電圧の変動を防ぐことができる。
再び図11を参照して、制御部32は、制御方法Bに基づいてドレイン電圧Vdを供給する場合には、制御方法Aよりもゲート電圧Vcgを高く設定する。すなわち、制御部32は、時刻t1でゲート電圧VcgをVcg05とし、ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t2でゲート電圧VcgをVcg13とする(b1)。そして、時刻t2の直後にゲート電圧VcgをVcg13からVcg11に下げ、その後ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t3でゲート電圧VcgをVcg19とする(b2)。そして、時刻t3の直後にゲート電圧VcgをVcg19からVcg17に下げ、その後ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t4でゲート電圧VcgをVcg25とする(b3)。
制御部32は、制御方法Cに基づいてドレイン電圧Vdを供給する場合には、制御方法Bよりもゲート電圧Vcgが高電圧となる時間を長くする。すなわち、制御部32は、ゲート電圧VcgをVcg07からVcg25まで一定の傾きで上昇させ、かつ、時刻t2でゲート電圧VcgをVcg13とし(c1)、時刻t3でゲート電圧VcgをVcg19とし(c2)、時刻t4でゲート電圧VcgをVcg25とする(c3)。
制御部32は、制御方法Dに基づいてドレイン電圧Vdを供給する場合には、制御方法Cよりもゲート電圧Vcgが高電圧となる時間を長くする。すなわち、制御部32は、時刻t1および時刻t2間ではゲート電圧VcgとしてVcg13の一定電圧を供給する(d1)。そして、制御部32は、時刻t2および時刻t3間ではゲート電圧VcgとしてVcg19の一定電圧を供給する(d2)。そして、制御部32は、時刻t3および時刻t4間ではゲート電圧VcgとしてVcg25の一定電圧を供給する(d3)。
ここで、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、たとえば、制御方法A〜Dに対応するドレイン電圧Vdおよびゲート電圧Vcgの制御内容を不揮発的に保存する図示しないROM(Read Only Memory)およびフューズ等の記憶回路を備え、制御部32が、記憶回路から読み出した制御内容に基づいて基準電圧を出力する。
図15は、制御方法Bに基づいてデータ書き込みを行なった場合のゲート電圧Vcg、ドレイン電圧VdおよびメモリセルMCの閾値電圧の関係を示すグラフ図である。
同図を参照して、b1〜b3で示す矢印はそれぞれ図10および図11に示すb1〜b3に対応しており、制御部32が制御方法Bに基づいてメモリセルMCに対してデータ書き込みを行なった場合を示している。電圧発生回路31から供給される書き込み電圧は、閾値電圧Vth1〜Vth2、Vth2〜Vth3およびVth3〜Vth4の電圧差が一定になるように制御される。
図16は、データ書き込み時間およびゲート電圧Vcgの関係を示すグラフ図である。同図は、図15に示すグラフ図を、横軸がデータ書き込み時間であり、縦軸がゲート電圧Vcgであるグラフ図に書き換えたものである。
図17は、データ書き込み時間およびドレイン電圧Vdの関係を示すグラフ図である。同図は、図15に示すグラフ図を、横軸がデータ書き込み時間であり、縦軸がドレイン電圧Vdであるグラフ図に書き換えたものである。
図16および図17を参照して、図16においてγで示す範囲のゲート電圧Vcg、すなわちゲート電圧Vcg19〜Vcg25を供給している期間β2は、図13に示す期間β1に対して閾値電圧がVth3に上昇した時刻等がさらに含まれるため、長くなる。
一方、制御方法Bに基づいて書き込み電圧を供給すると、データ書き込み時、非選択メモリセルのドレインに高電圧のVd01が印加されている期間が時刻t3および時刻t4間だけとなり、制御方法Aと比べて短くすることができる。
ところで、非特許文献1記載のAG−AND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置では、データ書き込み時、選択メモリセルと電圧供給ラインが共通する非選択メモリセルでは書き込み電圧による電界に起因して閾値電圧の変動が生じやすく、また、書き込み電圧を低く設定する方法では、選択メモリセルに対する書き込み時間が長くなってしまうという問題点があった。
しかしながら、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、制御部32は、ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対してマージンが少ない場合には、ドレイン電圧Vdを低く設定することにより、ワードディスターブよりもドレインディスターブに対してマージンをとることができ、ドレインディスターブによる閾値電圧の変動を防ぐことができる。また、メモリセルMCに供給するドレイン電圧Vdを低く設定する一方で、ドレイン電圧Vdの電圧設定値に基づいてゲート電圧Vcgを高く設定することにより、データ書き込みを製品規格等で定められた所定時間内に終了させることができる。
また、制御方法Bではなく制御方法C、さらには制御方法Dに基づいて書き込み電圧を供給する構成により、ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方がさらに非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ない場合に対応することができる。また、時刻t1〜t4の全期間においてゲート電圧VcgとしてVcg25の一定電圧をメモリセルアレイ21に供給し、ドレイン電圧Vdを制御方法B〜Dまたはさらに低い電圧に設定する構成とすることも可能である。この場合、制御方法B〜Dよりもさらに、ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ない場合に対応することができる。
図18は、データ書き込み時の選択メモリセルにおける各電圧の具体値を示す図である。図19は、データ書き込み時の非選択メモリセルにおける各電圧の具体値およびワードディスターブによる移動電荷量を示す図である。図20は、データ書き込み時の非選択メモリセルにおける各電圧の具体値およびドレインディスターブによる移動電荷量を示す図である。
図19〜20において、Jwdは、ワードディスターブによって非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間を流れる電流の電流密度を表わし、Jddは、ドレインディスターブによって非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間を流れる電流の電流密度を表わす。また、ΔQwdは、ワードディスターブによる非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間の移動電荷量を表わし、ΔQddは、ドレインディスターブによる非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間の移動電荷量を表わす。Eoxは、○印における電界の強さを表わす。また、taおよびtbはデータ書き込み時間を表わす。
図18〜20は、制御部32が、制御方法Eに基づいてメモリセルMCに対してデータ書き込みを行なった場合を示している。より詳細には、制御部32は、時刻t1〜t4の全期間で4.5Vの一定電圧をドレイン電圧VdとしてメモリセルMCに供給する。また、制御部32は、時刻t1でゲート電圧Vcgを9.0Vとし、ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t2でゲート電圧Vcgを10.0Vとする。そして、時刻t2の直後にゲート電圧Vcgを10.5Vに上げ、その後ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t3でゲート電圧Vcgを11.5Vとする。そして、時刻t3の直後から時刻t4間ではゲート電圧Vcgとして13.0Vの一定電圧を供給する。
すなわち、制御部32は、制御方法Aに基づいてドレイン電圧VdをメモリセルMCに供給する。また、制御部32は、時刻t1〜t2では制御方法A(a1)、時刻t2〜t3では制御方法B(b2)、時刻t3〜t4では制御方法D(d3)に基づいてゲート電圧VcgをメモリセルMCに供給する。
図21は、データ書き込み時の選択メモリセルにおける各電圧の具体値の他の例を示す図である。図22は、データ書き込み時の非選択メモリセルにおける各電圧の具体値およびワードディスターブによる移動電荷量の他の例を示す図である。図23は、データ書き込み時の非選択メモリセルにおける各電圧の具体値およびドレインディスターブによる移動電荷量の他の例を示す図である。図の見方は図18〜20と同様である。
図21〜23は、制御部32が、制御方法Fに基づいてメモリセルMCに対してデータ書き込みを行なった。より詳細には、制御部32は、ドレイン電圧Vdとして、それぞれ時刻t1および時刻t2間では3.8Vの一定電圧を供給し、時刻t2および時刻t3間では4.2Vの一定電圧を供給し、時刻t3および時刻t4間では4.5Vの一定電圧を供給する。また、制御部32は、時刻t1でゲート電圧Vcgを10.8Vとし、ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t2でゲート電圧Vcgを11.8Vとする。そして、時刻t2の直後にゲート電圧Vcgを11.3Vに下げ、その後ゲート電圧Vcgを一定の傾きで上昇させ、時刻t3でゲート電圧Vcgを12.3Vとする。そして、時刻t3の直後から時刻t4間ではゲート電圧Vcgとして13.0Vの一定電圧を供給する。
すなわち、制御部32は、制御方法Bに基づいてドレイン電圧VdをメモリセルMCに供給する。また、制御部32は、時刻t1〜t2では制御方法B(b1)、時刻t2〜t3では制御方法B(b2)、時刻t3〜t4では制御方法D(d3)に基づいてゲート電圧VcgをメモリセルMCに供給する。
時刻t3〜t4では、制御方法Eおよび制御方法FでメモリセルMCに印加する各電圧は同じ電圧値であるため、ワードディスターブおよびドレインディスターブによる、非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間を流れる電流の電流密度は等しい。このため、時刻t3〜t4での、非選択メモリセルの浮遊ゲートFG−基板SUB間を流れる電流の電流密度JwdをJwd1とおき、電流密度JddをJdd1とおいて制御方法Eおよび制御方法Fを比較する。
図20および図23より、制御方法Fに基づいてデータ書き込みを行なった場合のドレインディスターブによる移動電荷量QddはJdd1×ta×1.75となり、Jdd1×ta×3.0となる制御方法Eに対して約0.6倍となる。これは、制御方法Fでは、制御方法Eに対して時刻t1〜時刻t3におけるドレイン電圧Vdを低く設定しているため、ドレイン電圧Vdにより生じる電界が小さくなり、電流密度Jddが小さくなるためである。
また、図19および図22より、制御方法Fに基づいてデータ書き込みを行なった場合のワードディスターブによる移動電荷量QwdはJwd1×ta×1.15となり、Jwd1×ta×1.03となる制御方法Eに対して約1.1倍となる。これは、制御方法Fでは、制御方法Eに対して時刻t1〜時刻t3におけるゲート電圧Vcgを高く設定するため、ゲート電圧Vcgにより生じる電界が大きくなり、電流密度Jwdが大きくなるためである。
なお、制御方法F(図21〜図23)では、制御方法E(図18〜図20)に対して時刻t1〜時刻t3におけるドレイン電圧Vdを低く設定する一方で、制御方法Eに対して時刻t1〜時刻t3におけるゲート電圧Vcgを高く設定することで、制御方法Eと同じデータ書き込み時間を実現している。
図24は、データ書き込み時に制御部32が行なうドレイン電圧Vdの制御方法の他の例を示すグラフ図である。
同図を参照して、制御部32は、制御方法Gに基づいてメモリセルMCにドレイン電圧Vdを供給する。すなわち、制御部32は、時刻t1および時刻t4間でドレイン電圧VdをVd04からVd01まで上昇させるとともに、ドレイン電圧Vdを階段状に増加させる。
図25は、データ書き込み時に制御部32が行なうゲート電圧Vcgの制御方法の他の例を示すグラフ図である。
同図を参照して、制御部32は、制御方法Gに基づいてメモリセルMCにゲート電圧Vcgを供給する。すなわち、制御部32は、時刻t1および時刻t4間でゲート電圧VcgをVcg07からVcg25まで上昇させるとともに、ゲート電圧Vcgを階段状に増加させる。言い換えれば、制御部32は、メモリセルMCの閾値電圧を次の段階の閾値電圧に上昇させる際に、たとえばVth1からVth2に上昇させる際に、ゲート電圧Vcgを階段状に増加させる。
制御方法Gでは、制御部32は、マクロ的には図10および図11に示す制御方法Cを実現している。制御部32は、たとえば、パルス状のドレイン電圧Vdおよびゲート電圧VcgをメモリセルMCに供給し、パルスごとにドレイン電圧Vdおよびゲート電圧Vcgを増加させる。このような構成により、書き込み電圧の供給制御をデジタル的に行なうことができ、不揮発性半導体記憶装置の構成および制御の簡易化を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、制御部32は、ゲート電圧Vcgよりもドレイン電圧Vdの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ない場合には、メモリセルMCに供給するドレイン電圧Vdを低く設定し、かつゲート電圧Vcgを高く設定する構成としたが、これに限定するものではない。ドレイン電圧Vdよりもゲート電圧Vcgの方が非選択メモリセルの閾値電圧変動に対するマージンが少ない場合には、メモリセルMCに供給するゲート電圧Vcgを低く設定し、かつドレイン電圧Vdを高く設定する構成とすることができる。
また、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、2ビットのデータを記憶するメモリセルを備える構成としたが、3ビット以上のデータを記憶するメモリセルを備える構成であってもよいし、1ビットのデータを記憶するメモリセルを備える構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、AG型フラッシュメモリであるとしたが、これに限定されるものではない。たとえば、AG型以外のフラッシュメモリに適用することが可能であり、また、メモリセル配置がNAND型およびNOR型のいずれの不揮発性メモリにも適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4 ソース、5 ドレイン、21 メモリセルアレイ、22 ワード線デコーダ/ドライバ、23 Yデコーダ、25 データラッチ、26 AGデコード/ドライブ回路、28 Yゲート/センスアンプ、29 入出力バッファ、31 電圧発生回路、32 制御部、41 PチャネルMOSトランジスタ、42 比較器、43 チャージポンプ、100 不揮発性半導体記憶装置、AG アシストゲート線、AGT アシストゲートトランジスタ、BL ビット線、CG 制御ゲート、FG 浮遊ゲート、MC メモリセル、SUB 基板、WL ワード線、SLB ソース側ビット線。
Claims (6)
- データを不揮発的に記憶する複数個のメモリセルと、
前記メモリセルに供給する第1の書き込み電圧および第2の書き込み電圧を発生する電圧発生回路と、
前記メモリセルに対するデータ書き込み時、前記電圧発生回路を制御して、前記第1の書き込み電圧および前記第2の書き込み電圧を前記メモリセルに供給し、前記第2の書き込み電圧の電圧値を前記第1の書き込み電圧の電圧値に基づいて決定する制御部とを備える不揮発性半導体記憶装置。 - 前記第1の書き込み電圧は前記メモリセルのドレイン電圧であって前記第2の書き込み電圧は前記メモリセルのゲート電圧であるか、あるいは、前記第1の書き込み電圧は前記メモリセルのゲート電圧であって前記第2の書き込み電圧は前記メモリセルのドレイン電圧である請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記メモリセルは、閾値電圧の相違を利用してデータを不揮発的に記憶し、
前記制御部は、さらに、前記メモリセルに対するデータ書き込み時、次に到達する閾値電圧の電圧値が、予め定められた複数個の電圧値のうちのいずれであるかに基づいて前記第1の書き込み電圧の電圧値を決定する請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 前記制御部は、さらに、前記メモリセルに対するデータ書き込み時、前記メモリセルの閾値電圧を第1の閾値電圧から第2の閾値電圧に上昇させた後、前記第1の書き込み電圧の電圧値を下げ、
前記制御部は、前記第1の書き込み電圧の電圧値を下げた後、前記メモリセルの閾値電圧を前記第2の閾値電圧から第3の閾値電圧に上昇させる際に、前記第2の閾値電圧に上昇させた時点よりも前記第3の閾値電圧に上昇させた時点における電圧値が大きくなるように前記第1の書き込み電圧を上昇させる請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 前記第1の書き込み電圧は前記メモリセルのドレイン電圧であって前記第2の書き込み電圧は前記メモリセルのゲート電圧であり、
前記制御部は、前記メモリセルに対するデータ書き込み時、前記ドレイン電圧の電圧値に基づいて前記ゲート電圧を一定の電圧値に決定する請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 前記メモリセルは、閾値電圧の相違を利用してデータを不揮発的に記憶し、
前記制御部は、前記メモリセルに対するデータ書き込み時、前記メモリセルの閾値電圧を次の段階の閾値電圧に上昇させる際に、前記第1の書き込み電圧および前記第2の書き込み電圧の少なくともいずれか一方の電圧値を階段状に変化させる請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
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