JP2007163635A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドラム一回転分にわたり等しい時間間隔で形成されるテストトナー像を各感光体ドラム上に作成してそのマーク位置情報を得る。そのマーク位置情報に基づき、黒の各マークの中間転写ベルト上の各位置と、各基準マークそれぞれに対応した他色の各マークの中間転写ベルト上の各位置との差分値からなる基準差分値群を算出し、当該黒の各位置と、他色のテストトナー像のマーク1個分ずつだけズレた各マークの中間転写ベルト上の位置との差分値からなる仮想回転後差分値群を、その感光体ドラムの一回転分だけ算出し、これらの群の中から選んだ最も位置ズレが少ないものに応じて他色の感光体ドラムの回転位置を調整する。
【選択図】 図1
Description
上記1ドラム型の画像形成装置は、像担持体が1つであるため、装置の小型化が可能でコストも低減できるという利点がある。しかし、単一の像担持体を用いているために、潜像形成、現像処理、被転写材への転写までの一連のプロセスを色数分(通常4回)繰り返す必要がある。そのため、画像形成の高速化の点で不利である。これに対し、上記タンデム型の画像形成装置は、装置が大型化し、コストが高くなるという欠点はあるが、色ごとに像担持体を備えているため上述した一連のプロセスは1回で済む。そのため、画像形成の高速化の点で有利である。近年、市場からは、カラー画像形成装置についてモノクロ画像形成装置並みの画像形成スピードが要求されているため、上記タンデム型の画像形成装置が注目されている。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記処理実行手段が実行する処理は、該基準の像担持体に対する該回転角調整対象の像担持体の相対的な回転位置が上記選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角となるように、上記駆動手段を制御する処理であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記所定回転角の最小値は、上記駆動手段を用いて制御可能な最小回転角以上であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記処理実行手段が実行する処理は、上記選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角を作業者に報知する処理であるものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記差分値算出手段は、上記仮想回転後差分値群を、互いに隣接する2つのマークの間隔に相当する上記回転角調整対象の像担持体の回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記差分値算出手段は、上記仮想回転後差分値群を、互いに隣接しない2つのマークの間隔に相当する上記回転角調整対象の像担持体の回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記所定の画像位置ズレ補正条件は、各差分値群に含まれる差分値の絶対値の総和が最小であるという条件であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記所定の画像位置ズレ補正条件は、各差分値群に含まれる差分値の標準偏差が最小であるという条件であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、上記記憶手段に記憶されたマーク位置情報に基づき、上記他の検知用パターンを構成する各マークの位置と該各マークの理想位置とのズレ量の最大値が既定値以下であるか否かを判断する判断手段を有し、上記差分値算出手段は、該判断手段が既定値以下であると判断したときには上記基準差分値群及び上記仮想回転後差分値群の算出を行わず、該判断手段が既定値を越えると判断したときに該基準差分値群及び該仮想回転後差分値群の算出を行うことを特徴とするものである。
また、基準差分値群の算出とともに、各基準マークそれぞれに対応した各調整対象マークから回転角調整対象の像担持体における所定回転角に相当する分だけズレた各調整対象マークの各調整対象位置と各基準位置との差分値を、その対応個数分だけ算出し、これらの差分値を仮想回転後差分値群とする。この仮想回転後差分値群は、回転角調整対象の像担持体の一回転分だけ当該所定回転角を変化させて1又は2以上算出する。詳しく説明すると、例えば所定回転角に相当するズレ分をマーク1個分とした場合、仮想回転後差分値群は、第1基準位置と第2調整対象位置との差分値、第2基準位置と第3調整対象位置との差分値、・・・、第n基準位置と第n+1調整対象位置との差分値からなる。なお、検知用パターンがちょうど回転角調整対象の像担持体の一周分である場合、第n+1調整対象位置は第1調整対象位置ということになる。同様に、例えば所定回転角に相当するズレ分をマーク2個分とした場合、仮想回転後差分値群は、第1基準位置と第3調整対象位置との差分値、第2基準位置と第4調整対象位置との差分値、・・・、第n基準位置と第n+2調整対象位置との差分値からなる。被転写材の移動方向における被転写材上の同じ位置にそれぞれ転写されるべき基準マークと調整対象マークとを互いに対応づけた場合、前者の仮想回転後差分値群からは、基準の像担持体に対して回転角調整対象の像担持体をマーク1個分に相当する回転角だけ仮想的に相対回転させたときの基準の像担持体と回転角調整対象の像担持体との画像位置ズレ量を把握することができる。同様に、後者の仮想回転後差分値群からは、基準の像担持体に対して回転角調整対象の像担持体をマーク2個分に相当する回転角だけ仮想的に相対回転させたときの基準の像担持体と回転角調整対象の像担持体との画像位置ズレ量を把握することができる。このようにして、仮想回転後差分値群を、回転角調整対象の像担持体の一回転分、すなわち、その像担持体一周分のマーク数から1個引いた個数分、算出する。なお、ここでは、所定回転角に相当するズレ分がマーク1個分である場合を例示しているが、所定回転角に相当するズレ分をマーク2個分以上とする場合も同様である。また、各仮想回転後差分値群を算出するときの各所定回転角のズレ量は、必ずしも一定である必要はない。
次に、このようにして算出した基準差分値群及び1又は2以上の仮想回転後差分値群の中から、所定の画像位置ズレ補正条件に従って1つの差分値群を選択する。上述したように、基準差分値群及び仮想回転後差分値群により、回転角調整対象の像担持体を一回転分仮想的に所定回転角ずつズラしたときの各画像位置ズレ量を把握できるので、画像位置ズレ量が最も少なくなるような所定の画像位置ズレ補正条件を適宜設定することにより、画像位置ズレ量が最も少なくなる回転角調整対象の像担持体の相対回転位置を特定できる。そして、処理実行手段により、特定した相対回転位置となるように回転角調整対象の像担持体を基準の像担持体に対して相対的に回転させるすることにより画像位置ズレを補正するために必要な処理を実行する。この処理としては、請求項2乃至4に記載したような処理が挙げられる。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、それぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」と記す。)の可視像たるトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kを備えている。これらは、画像形成剤として、互いに異なる色のYトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。各プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kは、それぞれプリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっており、寿命到達時に交換される。以下、Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例に挙げて説明する。
このプロセスカートリッジ6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、剤供給対象となる現像装置5Y等を備えている。上記帯電装置4Yは、後述する回転駆動手段としての回転駆動装置であるドラム駆動装置によって図中時計回りに回転せしめられる感光体ドラム1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体ドラム1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体ドラム1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体ドラム1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体ドラム1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ6M,6C,6Kにおいても、同様にして各感光体ドラム1M,1C,1K上にそれぞれMトナー像、Cトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に中間転写される。
また、上記中間転写ユニット15には、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Kに接触した状態で、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y,1M,1Cに対して接離するための図示しない接離機構も設けられている。
図4は、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kをその軸方向から見たときのプリンタの模式図である。
各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの軸方向一端部(図中奥側の端部)には、それぞれ、ドラム駆動ギヤ33Y,33M,33C,33Kが設けられている。このドラム駆動ギヤは、その軸が感光体ドラムの軸とジョイント部で結合され、感光体ドラム端部に固定されており、感光体ドラムに伴って回転する。各ドラム駆動ギヤ33Y,33M,33C,33Kは、駆動手段としての駆動モータ31Y,31M,31C,31Kからの駆動力により回転駆動する駆動伝達ギヤ32Y,32M,32C,32Kに、それぞれ噛み合っている。このように、本プリンタは、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kごとに、個別に、駆動モータ31Y,31M,31C,31Kを備えているので、各感光体ドラムを個別に駆動制御することができる。
図示のドラム駆動ギヤ33には、図中手前側に感光体ドラムが位置することになる。図示のように、ドラム駆動ギヤ33の内側端面の円周上には、感光体ドラム軸方向に一部突出した突出部(以下、「ホームポジションマーク」という。)35が固定配置されている。このホームポジションマーク35は、駆動モータ31からの駆動力により感光体ドラム1Yが回転すると、これに伴って周回軌道上を移動する。本実施形態において、ホームポジションセンサ34は、一般的な透過型の光学センサで構成されており、図示のように、発光部34aと受光部34bが対向配置されている。このホームポジションセンサ34は、発光部34aから照射された光が受光部34bに到達するまでの光路(検知領域)がホームポジションマーク35の周回軌道と交差するように配置されている。このような構成により、感光体ドラム1Yの回転に伴ってホームポジションマーク35が移動し、そのホームポジションマーク35がホームポジションセンサ34の検知領域に進入して光を遮ると、ホームポジションセンサ34はホームポジションマーク35を検知する。
制御部40が有するROMには、ホームポジションマーク35が検知領域に進入するタイミングを示すHレベルのホームポジション信号を受信したときの感光体ドラム1Yの回転位置を特定するためのデータが予め記憶されている。したがって、制御部40は、Hレベルのホームポジション信号を受信すると、その受信開始タイミング(検知信号の立ち上がり時)における感光体ドラム1Yの回転位置を、ROM内のデータに基づいて認識することができる。なお、感光体ドラム1Yの回転速度の平均値は一定に制御されていることから、制御部40は、上記のように認識した後も、感光体ドラム1Yの回転位置を常に把握することができる。
図6は、制御部40が行う各感光体ドラムの駆動制御の流れを示すフローチャートである。
本プリンタに対してパソコン等からプリント指示の入力があると(S1)、制御部40は、まず、各駆動モータ31Y,31M,31C,31Kを制御して、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転駆動を開始させる(S2)。また、これに伴い、制御部40は、中間転写ベルト8の駆動を開始させるなど、画像形成動作に必要なその他の準備も行う。そして、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転速度が定常状態になるまでの時間が経過したら(S3)、各ホームポジションセンサ34Y,34M,34C,34Kからのホームポジション信号を受信し、このホームポジション信号に基づいて各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転位置を認識する(S4)。
同じ製造工程を経て製造されたプリンタであっても個体差がある。よって、感光体ドラムの偏心、感光体ドラムに設けられるドラム駆動ギヤの取り付け偏心、ギヤ成型精度、駆動ギヤと像担持体とを結合するジョイント部による速度変動等は、製造するプリンタごとに微妙に異なる。したがって、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kから中間転写ベルト8上に転写される各色トナー像間の位置ズレ量が最小となるような、各感光体ドラム間の相対的な回転位置を各プリンタで個別に特定する必要がある。
本実施形態において、制御部40は、まず、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの表面それぞれに色ズレ量を検出するためのテストトナー像(検知用パターン)を形成し、これらを中間転写ベルト8上に転写する。このようにして転写した中間転写ベルト8上の各テストトナー像を、図4に示すマーク検知手段としてのパターンセンサ36により読み取る(S11)。このテストトナー像は、例えば露光装置7から等しい時間間隔でレーザ光Lを照射し、感光体ドラム回転方向に沿って感光体ドラム一回転分にわたり形成される静電潜像を現像して得たトナー像を中間転写ベルト8上に転写して得られる複数のマークからなる。各感光体ドラム上には、互いに同一のテストトナー像が形成され、ブラックのテストトナー像(基準検知用パターン:以下、「基準テストトナー像」という。)と他の各色のテストトナー像との間で互いに対応する2つのマークは、各感光体ドラム間で回転速度変動の振幅及び位相がぴったりと合っているとすれば、中間転写ベルト8の表面移動方向における同一位置に形成されることになる。しかし、実際には、各感光体ドラム間で回転速度変動の振幅及び位相がぴったりと合っているということはないので、その回転速度変動の振幅及び位相の違いに応じ、互いに対応する2つのマークは中間転写ベルト8の表面移動方向において互いにズレた位置に形成されることになる。よって、基準テストトナー像と各色のテストトナー像との間における互いに対応する各対のマークの位置ズレ量を把握することで、これらの間における感光体ドラム一周分の位置ズレ量プロファイルを把握することができる。
本実施形態では、中間転写ベルト8の図中右側端部領域にブラックトナー像からなる基準テストトナー像を形成し、中間転写ベルト8の図中左側端部領域にイエローのテストトナー像を形成する。中間転写ベルト8上の両端部領域には、それぞれパターンセンサ36が対向配置されており、各パターンセンサ36で、テストトナー像を構成する各マークを検知する。各パターンセンサ36からの検知信号は、制御部40へ送られる。制御部40は、基準テストトナー像を読み取るパターンセンサ36からの検知信号に基づき、基準テストトナー像を構成する各マークK1,K2,・・・,Knの絶対位置を示すマーク位置情報を記憶手段としてのRAMに記憶する(S12)。このマーク位置情報は、ブラックとイエローとの間の位置ズレ量を把握するために使用される。また、制御部40は、イエローのテストトナー像を読み取るパターンセンサ36からの検知信号に基づき、イエローのテストトナー像を構成する各マークY1,Y2,・・・,Ynの絶対位置を示すマーク位置情報をRAMに記憶する。
シアンのテストトナー像についても同様である。
また、本実施形態では、基準テストトナー像のマーク位置情報については、イエロー、マゼンタ、シアンごとに個別のものを用いるが、共通のマーク位置情報を用いてもよい。この場合、ブラックのトナー消費量を低く抑えることができるし、テストトナー像の読み取り処理時間も短縮可能である。
このように、イエローのマークY1,Y2,・・・,Ynの調整対象位置をマーク1個ずつズラしながら各基準位置との差分値の絶対値を求めていき、(n−1)個の仮想回転後差分値群を算出し(S15)、第1〜第(n−1)の指標値をRAMに記憶する(S16)。
また、メンテナンス作業等の際に感光体ドラムが取り外された後、これを再装着したり、新しい感光体ドラムを装着したりして、感光体ドラムの交換作業を行った場合、色ズレが最小となる感光体ドラム間における回転位置の相対関係が崩れてしまうおそれがある。この場合、工場出荷段階と同様に上述したドラム回転位置調整処理を行ってRAMに再度適正な相対回転位置データを記憶する必要がある。そこで、本実施形態では、感光体ドラムの交換作業を終えた後、画像形成を開始する前にも、上述したドラム回転位置調整処理を行うこととしている。
本プリンタは、上述したとおり、各色について1回のテストトナー像の形成及びその検知を行うだけで、他色の各感光体ドラム1Y,1M,1Cを一回転分だけ所定回転角ずつズラしたときの基準の感光体ドラム1Kに対する各画像位置ズレ量をすべて把握でき、その画像位置ズレ量が最も少なくなる各感光体ドラム1Y,1M,1Cの相対回転位置を特定できるので、画像位置ズレを補正するために必要な処理を実行することにより、トナー消費量が少なくかつ短い処理時間で、画像位置ズレ量を最も少なくなるように補正することができ、色ズレを効果的に抑制し得る。
ただし、上記所定回転角の最小値が小さいほど精度の高い画像位置ズレ補正が可能となるが、基準感光体ドラム1Kに対する感光体ドラム1Y,1M,1Cの相対的な回転位置は、駆動モータを用いて制御可能な最小回転角よりも小さい角度では制御できない。したがって、その所定回転角の最小値を駆動モータ31Y,31M,31C,31Kを用いて制御可能な最小回転角よりも小さくしても、画像位置ズレ補正の精度を高めることはできず、無駄になる。よって、上記所定回転角の最小値は、駆動モータ31Y,31M,31C,31Kを用いて制御可能な最小回転角以上とする。
なお、本実施形態では、駆動モータ31Y,31M,31C,31Kを制御して、基準の感光体ドラム1Kに対する回転角調整対象の感光体ドラム1Y,1M,1Cの相対的な回転位置を調整する場合について説明したが、作業員の手作業で調整することも可能である。この場合、制御部40は、上記選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角を作業者に報知する処理を行うようにする。これにより、作業員は、回転角調整対象の各感光体ドラム1Y,1M,1Cについて調整すべき回転角度を把握することができる。
また、本実施形態において、制御部40は、仮想回転後差分値群を、互いに隣接する2つのマークの間隔に相当する感光体ドラム回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出する。これにより、感光体ドラム一周につきちょうどn個のマークが等しい時間間隔で形成されている場合には、回転角調整対象の各感光体ドラム1Y,1M,1Cを360[°]/nずつ仮想的に相対回転させたときの各仮想回転後差分値群を算出することができる。このとき、感光体ドラム一周に形成するマークの個数を増やせば、その分だけ細かい回転角での各仮想回転後差分値群を算出することができるので、画像位置ズレ補正の精度を高めることができる。
もちろん、制御部40は、仮想回転後差分値群を、互いに隣接しない2つのマークの間隔に相当する感光体ドラム回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、所定の画像位置ズレ補正条件が、各差分値群に含まれる差分値の絶対値の総和が最小であるという条件である。このような条件とすることで、色ズレを効果的に抑制できる。
なお、この条件に代えて、各差分値群に含まれる差分値の標準偏差が最小であるという条件を用いてもよい。この条件でも、色ズレを効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、回転角調整対象の感光体ドラム1Y,1M,1Cについて常にドラム回転位置調整処理を行う場合について説明したが、感光体ドラム1Y,1M,1Cの回転速度変動が非常に小さい場合、これらの感光体ドラム1Y,1M,1Cをいずれの相対回転位置に調整しても画像位置ズレ補正の精度はあまり上がらない。よって、RAMに記憶されたマーク位置情報に基づき、各調整対象位置とこれに対応する理想位置(当該感光体ドラム1Y,1M,1Cに回転速度変動が全く生じていないときの位置)とのズレ量の最大値が既定値以下であるか否かを判断する判断手段として制御部40を機能させ、制御部40は、既定値以下であると判断したときには基準差分値群及び仮想回転後差分値群の算出を行わない、すなわち、ドラム回転位置調整処理を行わないようにし、既定値を越えると判断したときだけドラム回転位置調整処理を行うようにしてもよい。この場合、既定値以下であると判断された感光体ドラムについてのドラム回転位置調整処理を省略できる結果、全体の処理時間を短縮することができる。
また、上記実施形態では、複数の感光体ドラム上にそれぞれ形成されたテストトナー像を一旦中間転写ベルト8上に転写した後にパターンセンサ36で検知する場合について説明したが、各感光体ドラム上でテストトナー像を検知するようにしてもよい。
また、使用するテストトナー像としては、コヒーレント積分により感光体ドラム一回転が強調されるものを使用してもよい。本実施形態では、調整対象マークをズラしながら感光体ドラムが1周する分だけ差分値の演算を繰り返すため、コヒーレント積分の結果は少なくとも感光体ドラムの回転変動が2周期分となるように演算する。
6Y,6M,6C,6K プロセスカートリッジ
8 中間転写ベルト
9Y,9M,9C,9K 1次転写バイアスローラ
31Y,31M,31C,31K 駆動モータ
33Y,33M,33C,33K ドラム駆動ギヤ
34Y,34M,34C,34K ホームポジションセンサ
35 ホームポジションマーク
36 パターンセンサ
40 制御部
Claims (9)
- 被転写材の移動方向に沿って配置される複数の像担持体と、
該複数の像担持体を駆動する駆動手段と、
該複数の像担持体上にそれぞれ画像を形成する作像手段と、
該複数の像担持体上にそれぞれ形成された各画像を互いに重なり合うように該被転写材へ転写させる転写手段とを備えた画像形成装置において、
像担持体回転方向に沿って少なくとも像担持体一回転分にわたり等しい時間間隔で形成される複数のマークからなる互いに同一の検知用パターンを、上記作像手段により上記複数の像担持体それぞれに形成させる制御を行う制御手段と、
該複数の像担持体上のマーク又は該マークが上記被転写材上へ転写された後のマークを検知するマーク検知手段と、
該マーク検知手段の検知結果に基づき、各マークに対応したマーク位置情報を各検知用パターンごとに記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたマーク位置情報に基づき、一の基準検知用パターンを構成する各基準マークの該被転写材上における各基準位置と、該各基準マークそれぞれに対応した他の検知用パターンを構成する各マークの該被転写材上における各位置との差分値からなる基準差分値群を算出するとともに、該各基準位置と、該各基準マークそれぞれに対応した該他の検知用パターンを構成する各マークから該他の検知用パターンが形成された回転角調整対象の像担持体における所定回転角に相当する分だけズレた各マークの該被転写材上における位置との差分値からなる仮想回転後差分値群を、該像担持体の一回転分だけ該所定回転角を変化させて算出する差分値算出手段と、
該差分算出手段が算出した基準差分値群及び1又は2以上の仮想回転後差分値群の中から所定の画像位置ズレ補正条件に従って1つの差分値群を選択した後、該一の基準検知用パターンが形成された基準の像担持体の回転位置に対し、選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角分だけ該回転角調整対象の像担持体を相対的に回転させることにより、該基準の像担持体と該回転角調整対象の像担持体との間における該被転写材上の画像位置ズレを補正するために必要な処理を実行する処理実行手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記処理実行手段が実行する処理は、該基準の像担持体に対する該回転角調整対象の像担持体の相対的な回転位置が上記選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角となるように、上記駆動手段を制御する処理であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記所定回転角の最小値は、上記駆動手段を用いて制御可能な最小回転角以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記処理実行手段が実行する処理は、上記選択した差分値群を算出する際に用いた所定回転角を作業者に報知する処理であるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記差分値算出手段は、上記仮想回転後差分値群を、互いに隣接する2つのマークの間隔に相当する上記回転角調整対象の像担持体の回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記差分値算出手段は、上記仮想回転後差分値群を、互いに隣接しない2つのマークの間隔に相当する上記回転角調整対象の像担持体の回転角分だけ上記所定回転角を順次変化させて算出することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、
上記所定の画像位置ズレ補正条件は、各差分値群に含まれる差分値の絶対値の総和が最小であるという条件であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、
上記所定の画像位置ズレ補正条件は、各差分値群に含まれる差分値の標準偏差が最小であるという条件であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、
上記記憶手段に記憶されたマーク位置情報に基づき、上記他の検知用パターンを構成する各マークの位置と該各マークの理想位置とのズレ量の最大値が既定値以下であるか否かを判断する判断手段を有し、
上記差分値算出手段は、該判断手段が既定値以下であると判断したときには上記基準差分値群及び上記仮想回転後差分値群の算出を行わず、該判断手段が既定値を越えると判断したときに該基準差分値群及び該仮想回転後差分値群の算出を行うことを特徴とする画像形成装置。
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