JP2007163362A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小な加速度の検出が可能な半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】錘部と、前記錘部を支持する梁部と、前記梁部に設けられたピエゾ抵抗素子と、を備えた半導体装置において、前記錘部の上面に形成された凹形状のキャビティ部と、前記キャビティ部内に収容された可動自在な微小球体と、前記微小球体が前記キャビティ部から脱離することを防止する蓋とをさらに備え、前記微小球体の密度が前記錘部材料の密度より高いこと特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体歪ゲージを用いた半導体装置に関し、検出感度の向上を目的とした半導体装置及びその製造方法に関する。
歪ゲージを用いた半導体センサーは、加速度や傾きを高感度に検出することができるため、自動車のエアバッグ作動制御装置、パーソナルコンピュータや携帯電話の傾き検出器等、幅広い分野で利用されている。
このような半導体センサー500の基本構造は、図13に示すように、錘部201と、錘部201を支持する梁部(ビーム)202とが同一部材(半導体基板)により一体形成され、梁部202の上部にピエゾ抵抗素子203が形成されている構造である。また、梁部202の他方端には、梁部202を支える支持固定部207が形成されている。
XYZ三軸の加速度を測定する場合には、図14に示すように、錘部201を中心として、4つの梁部202、ピエゾ抵抗素子203、支持固定部207を二次元に配置した構造を採用する。
この半導体センサー400は、加速度によって錘部201が動くことで梁部202が歪み、この歪によって梁部202上に形成したピエゾ抵抗素子203の抵抗が変化し、この抵抗変化量から加速度を検出・測定する。
このような半導体加速度センサーの感度を高める技術として、下記特許文献1が提案されている。
特許第3223638号公報
特許文献1は、ピエゾ抵抗素子が設けられた梁部の両端部に連続して、前記梁部と同じ厚さの薄肉部を設け、該薄肉部は、少なくとも梁部の形成されている錘と固定枠の対向領域に連続して形成され、前記梁部の横幅よりも広いことを特徴とする半導体センサーである。この技術によると、薄肉部を設けたことにより、従来の構造に比べ、感度または強度を上げることができるとされる。
しかしながら、従来の構造または上記特許文献1に係る半導体加速度センサーでは、錘部が動かない程度の微小な加速度の場合には、梁部に歪が生じないためにず、ピエゾ抵抗値が変動しない。このため、加速度の検出ができないという問題があった。
本発明者らは、上記問題に鑑み鋭意研究を行った結果、微小な加速度においても歪を生じさせる手段を設けることにより、加速度の検出感度を飛躍的に高めることができることを知見し、本発明を完成させた。
上記課題を解決するための半導体装置に係る本発明は、錘部と、前記錘部を支持する梁部と、前記梁部に設けられたピエゾ抵抗素子と、を備えた半導体装置において、前記錘部の上面に形成された凹形状のキャビティ部と、前記キャビティ部内に可動状態で設けられた微小球体と、前記微小球体が前記キャビティ部から脱離することを防止する蓋と、をさらに備えることこと特徴とする。
上記構成によると、錘部101が動かないような小さい加速度であっても、錘部101の上面に形成されたキャビティ部104内の微小球体105が動き、これにより錘部101の重心が変化するので、これにより梁部102に歪が生じる。この歪によってピエゾ抵抗値が変化するので、微小な加速度を検出することができる。(図1(b)、(c)参照)
ここで、前記微小球体材料の密度が、前記錘部材料の密度より高いとすることができる。
この構成であると、微小球体が小さい加速度によって可動しやすくなるとともに、錘部の重心変化量が大きくなる。よって、より小さい加速度を検出できる。
また、高感度に加速度を検出するためには、キャビティ部内を微小球体がスムースに移動できることが好ましいため、微小球体の形状を真球とすることが好ましい。
キャビティ部の形状としては、(1)加速度が加えられないときには、微小球体が錘部の重心を含む鉛直線上に位置すること、(2)キャビティ部内に微小球体の測定方向への移動を妨げるものがないこと、が必要となる。しかしながら、キャビティ部の好ましい形状は、図1に示すようなXYZ三軸の加速度を検出する装置と、図2に示すようなXY二軸の加速度を検出する場合とで異なる。
よって、以下に場合を分けて、好ましいキャビティ部の形状について説明する。
図2に示すように二軸の加速度を検出する場合、錘部101を中心として、梁部102が一文字形状に2つ配置され、2つの梁部102それぞれにピエゾ抵抗素子103が設けられた構成を採用する。この場合、図2(b)に示すように、微小球体105がキャビティ部104内において、測定方向(図面左右方向)に均一に移動しやすいことが求められるが、その他の方向への移動のしやすさは求められていない。よって、キャビティ部104の形状は、前記測定方向において角がないことが好ましく、測定方向の中心軸に対して線対称な形状であることが好ましい。
すなわち、錘部101の重心を含む鉛直線と平行で且つ一文字状に並んだ2つの梁部102と平行な平面で切断したとき、キャビティ部104の断面形状が、錘部101の鉛直線と平行な線を対称軸とする線対称な曲面であることが好ましい。キャビティ部104の断面形状が、円の一部であることがより好ましい。
上記構成においては、キャビティ部104の断面形状が、錘部101の鉛直線から遠ざかるにつれて深さが浅くなっている構成としてもよい。
また、図1に示すように三軸の加速度を検出する場合、錘部101を交差中心に配置して、梁部102が十文字形状に4つ配置され、4つの梁部102それぞれにピエゾ抵抗素子103が設けられた構成を採用する。この場合、キャビティ部104の形状は、微小球体105が全ての方向に均一に移動しやすいことが求められる。よって、キャビティ部104は曲面であって、錘部の重心を含む鉛直線とキャビティ部の交点を底とし、その表面が前記鉛直線を回転中心とする回転体表面形状であることが好ましく、キャビティ部の形状が、球面の一部であることがより好ましい。
また、前記梁部の前記錘部と反対方向の端部には、前記梁部を支持する支持固定部が形成されている構成とすることができる。
また、前記ピエゾ抵抗素子は、前記梁部の錘部側端部及び支持固定部側端部に形成されている構成とすることができる。
上記構成であると、より高感度に加速度を検出することができる。
前記錘部、前記梁部、前記キャビティ部、前記支持固定部が、一枚の基板をエッチングすることにより形成されている構成とすることができる。
ここで、基板としては半導体基板を用いることが好ましく、例えばシリコン基板、GaAs基板等を用いることができる。微小球体材料としては、50〜200μmの球形に加工できる材料であれば特に制約はなく、例えばソーダーガラス、鉛半田、鉛フリー半田、カーボン、銅等を用いることができる。蓋の材料もまた特に制約はないが、プラスチック材料やガラス等を用いることが好ましい。
また、微小球体の大きさは、錘部の重心を迅速に移動させる必要があるため、直径が50〜200μmであることが好ましい。キャビティ部内を微小球体が移動するため、キャビティ部の大きさ及び微小球体の大きさは、両者の相対関係で決まるが、微小球体の直径をrとしたとき、キャビティ部の直径Rが3/2r〜3rの範囲内であることが好ましい。また、キャビティ部の深さを大きくすると、錘部の強度が低下して破損するおそれがあるため、錘部の最低残肉厚を50μm以上とすることが好ましい。
上記課題を解決するための半導体装置の製造方法に係る本発明は、錘部と、前記錘部を支持する梁部と、前記梁部に設けられたピエゾ抵抗素子と、が一枚の半導体基板上に形成された半導体装置の製造方法において、半導体基板の錘部又は錘部となる予定位置をレジスト材料で覆い、等方性若しくは異方性エッチングによって、空洞部を形成する第1工程と、前記第1工程の後、レジストを除去する第2工程と、前記第2工程の後、前記空洞部に微小球体を挿入し、前記空洞部の上面を蓋で封止する第3工程とを備えることを特徴とする。
本発明によると、微小な加速度を確実に検知できる半導体装置を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1(a)は、本実施例に係る半導体装置を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のC−C線断面図である。図1に示すように、本実施例に係る半導体装置100は、錘部101と、錘部101を支持する梁部102と、梁部102上に形成されたピエゾ抵抗素子103とを有する。また、錘部101の上面には、半円球面状に凹んだキャビティ部104が形成されており、該キャビティ部104内に例えばソーダーガラス製の微小球体105が、キャビティ部104内を可動な状態で収容されている。また、キャビティ部104の上面(図1(b)の図面上方向)には、微小球体105がキャビティ部104内から飛び出すことを防止する蓋106が設けられている。また、梁部102の錘部101と反対側の端部には、梁部102を支持固定する支持固定部107が形成されている。また、ピエゾ抵抗素子103は、それぞれの梁部102の錘部101側端部及び支持固定部107側端部に形成されている。
このような半導体装置200の製造方法を図面を用いて説明する。
まず、シリコン(密度2.33/cm3)からなる半導体基板2上に、ピエゾ抵抗素子形成のためのレジストパターン1を形成するアライメント工程を行った。(図3)
その後、公知の注入方法及び拡散方法を用いて、ピエゾ抵抗素子3を形成した。(図4)
この後、基板2上のキャビティ部形成部4以外の部分に、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜6を形成し、この後、キャビティ部の形成を行うためのパターン5を形成するアライメント工程を行った。この後、パターン5よりエッチングを用いて、パターン5をシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜6へ転写した(図5)。
図5において転写したパターンを用いて、異方性エッチングもしくは等方性エッチングによりキャビティ部7の形成を行った。このキャビティ部の大きさは、直径200μmの半球であった。この後、マスクとして用いたパターン5及びシリコン窒化膜6の剥離を行った。(図6)
基板2裏面(図面の下面)に支持固定部となる部分のパターン8を形成するアライメント工程を行った。(図7)
図7において形成したパターン8を用いて、異方性エッチングもしくは等方性エッチングによって、錘部の稼働部となる部分9の形成した。(図8)
次に、基板2裏面(図面の下面)に支持梁部及び錘部を形成するためのパターン10、11の形成を行った。(図9)
図9にて形成したパターン10、11を用いて、異方性エッチングにより錘部12、梁部13及び支持固定部14を形成した。(図10)
基板2の表面に形成したキャビティ部7に、ソーダーガラス(密度2.47g/cm3)からなる粒子径50μmの微小球体15を1個、マイクロマニュピレーターを用いて入れた。(図11)
キャビティ部7上面に、微小球体15が可動することによってキャビティ部7外に出ることを防止する板状の構造体(蓋)16を固定し、半導体装置を組み立てた。(図12)
(性能試験)
上記で作製した、図1に示す構造の半導体装置100と、従来の方法で作製した図14に示す構造の半導体装置400とに、それぞれ公知の検出回路を接続し、錘部(101・201)に2.0G、7.5Gの荷重(重力加速度)がかかるものとして実験を行った。
その結果、図13に示す従来の半導体センサー400では、7.5Gの荷重がかかり、錘部201が可動した場合にのみ梁部202に歪が生じ、ピエゾ抵抗の変化を検知することが出来たが、2.0Gの荷重では錘部201が可動しなかったため、ピエゾ抵抗の変化を検知することができなかった。
他方、図1に示す本実施例に係る半導体センサー100では、2.0gという低い荷重がかかった場合には、錘部101は可動しなかったものの、図1(b)、(c)に示すようにキャビティ部104内を微小球体105が移動して、錘部101の重心を含む鉛直線GがG’に移動し、これによって梁部102に歪が生じて、ピエゾ抵抗の変化を検知できた。また、7.5gの荷重が加わった場合には、錘部101が可動し、更に微小球体105がキャビティ部104内を移動して鉛直線Gが移動し、これらの相乗作用によって梁部102に歪が生じ、ピエゾ抵抗の変化を検知できた。
これらのことから、本発明の半導体装置を用いると、微小な加速度の検知が可能となることがわかる。
(実施例2)
実施例1と同様にして、図2に示す水平器(二軸の加速度(傾き)を検出する装置)200を作製した。
本実施例にかかる水平器に公知の検出回路をつなぎ、微小な傾きを検出したところ、従来の水平器では検出できなかった微小な傾きを電気信号により検知することができた。これは、上記実施例1と同様に、微小な傾きによって微小球体105が動き、錘部101の重心が変化してピエゾ抵抗値が変動したためと考えられる。
以上説明したように、本発明によると、半導体装置の加速度等の検出感度を向上させることができる。よって産業上の意義は大きい。
実施例1の半導体装置を示す概略図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のC−C’線断面図であり、図1(c)は、微小球体が移動した状態を示す図である。 実施例2の半導体装置を示す概略図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のD−D’線断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法を示す概略工程断面図である。 従来の半導体装置の基本構造を示す図であって、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のA−A’線断面図である。 従来の半導体装置を示す図であって、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)のB−B’線断面図である。
符号の説明
1 ピエゾ抵抗形成のためのパターン
2 半導体基板
3 ピエゾ抵抗素子
4 キャビティ部形成部
5 キャビティ部形成のためのレジストパターン
6 シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜
7 可動領域のためのキャビティ部
8 支持部形成のためのパターン
9 錘部の可動のための溝部
10 錘部形成のためのパターン
11 支持部形成のためのパターン2
12 錘部
13 梁部
14 支持固定部
15 微小球体
16 微小球体の飛び出しを防止する板状構造体(蓋)
100 半導体装置
101 錘部
102 梁部
103 ピエゾ抵抗素子
104 キャビティ部(凹部)
105 微小球体
106 蓋
107 支持固定部
200 半導体装置
201 錘部
202 梁部
203 ピエゾ抵抗素子
207 支持固定部



Claims (12)

  1. 錘部と、
    前記錘部を支持する梁部と、
    前記梁部に設けられたピエゾ抵抗素子と、を備えた半導体装置において、
    前記錘部の上面に形成された凹形状のキャビティ部と、
    前記キャビティ部内に収容された可動自在な微小球体と、
    前記微小球体が前記キャビティ部から脱離することを防止する蓋と、
    を備えること特徴とする半導体装置。
  2. 前記微小球体材料の密度が、前記錘部材料の密度より高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記微小球体の形状が、真球である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記錘部を中心として、前記梁部が一文字形状に2つ配置されており、
    前記2つの梁部それぞれにピエゾ抵抗素子が設けられており、
    前記錘部の重心を含む鉛直線と前記キャビティ部との交点が前記キャビティ部の底であり、
    前記鉛直線と平行で且つ前記一文字状に並んだ2つの梁部と平行な平面で切断したとき、前記キャビティ部の断面形状が、前記鉛直線に平行な線を対称軸とした線対称な曲面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記キャビティ部の断面形状が、円の一部である
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記錘部を交差中心として、前記梁部が十文字形状に4つ配置されており、
    前記4つの梁部それぞれにピエゾ抵抗素子が設けられており、
    前記キャビティ部の形状が、曲面であって、前記錘部の重心を含む鉛直線とキャビティ部の交点を底とし、その表面が前記鉛直線を回転中心とする回転体形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記キャビティ部の形状が、球面の一部である
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記梁部の前記錘部と反対方向の端部には、前記梁部を支持する支持固定部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  9. 前記ピエゾ抵抗素子は、前記梁部の錘部側端部及び支持固定部側端部に形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記錘部、前記梁部、前記キャビティ部、前記支持固定部が、一枚の基板をエッチングすることにより形成されている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 錘部と、前記錘部を支持する梁部と、前記梁部に設けられたピエゾ抵抗素子と、が一枚の半導体基板上に形成された半導体装置の製造方法において、
    半導体基板の錘部又は錘部となる予定位置をレジスト材料で覆い、等方性若しくは異方性エッチングによって、空洞部を形成する第1工程と、
    前記第1工程の後、レジストを除去する第2工程と、
    前記第2工程の後、前記空洞部に微小球体を挿入し、前記空洞部の上面を蓋で封止する第3工程と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記微小球体の密度が、前記半導体基板の密度よりも大きい
    ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。



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CN110040682A (zh) * 2019-04-19 2019-07-23 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 高灵敏度加速度传感器结构的制备方法

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