JP2007162496A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノッキングの有無を精度よく判定して、点火時期を適切に制御する。
【解決手段】エンジンECUは、ノッキングの発生頻度に応じて補正される判定値V(KX)の平均値の近似値V(R)と前回算出した近似値V(R−1)との偏差Lが予め定められた値より大きい場合(S306にてNO)、および偏差Lが予め定められた値より小さいと判断された回数が予め定められた回数より少ない場合(S308にてNO)に、判定値V(KX)の補正量をQ倍とするステップ(S310)と、偏差Lが予め定められた値より小さいと判断された回数が予め定められた回数より多い場合(S308にてYES)に、判定値V(KX)の補正量を1/P倍とするステップ(S312)とを含むプログラムを実行する。判定値V(KX)とノック強度とを比較することにより、ノッキングの判定が行なわれ、点火時期の進角や遅角がなされる。
【選択図】図15

Description

本発明は、内燃機関の点火時期制御装置に関し、特に、ノッキングの有無に応じて点火時期を制御する技術に関する。
従来より、ノッキング(ノック)の有無を判定する様々な方法が提案されている。たとえば、内燃機関より検出される振動の強度が、ノック判定値より大きいか否かによりノッキングの発生を判定する技術がある。特開2003−21032号公報(特許文献1)に記載の内燃機関のノック制御装置は、内燃機関のノッキングを検出するためのノックセンサと、ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理部と、統計処理部による処理結果に基づいてノッキングの発生を判定する第1の仮判定部と、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノッキングの発生を判定する第2の仮判定部と、第1の仮判定部によるノック仮判定と第2の仮判定部によるノック仮判定との結果に基づいて最終的にノッキングの発生を判定する最終ノック判定部とを含む。最終ノック判定部は、第1の仮判定部と第2の仮判定部との両方がノッキングが発生したと判定したときに最終的にノッキングが発生したと判定する。第1の仮判定部では、ノックセンサにより検出される出力信号の最大値と、統計処理部による処理結果に基づいて算出されるノック判定レベル(ノック判定値)とを比較することにより、ノッキングが発生したか否かが判定される。ノック判定値は、ノッキングの発生頻度に基づいて、設定値ΔVをノック判定値から減算した値や、「1」より大きな値Aと設定値ΔVとの積をノック判定値に加算した値に補正される。
この公報に記載のノック制御装置によると、統計処理プログラムによるノック仮判定と、波形形状プログラムによるノック仮判定とを用いて、それぞれの仮判定にてノッキングが発生したと判定された場合にのみ、最終的にノッキングが発生したと判定される。これにより、統計処理プログラムや波形形状プログラムのみを用いたノック判定ではノッキングの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノッキングの発生を判定することができる。
特開2003−21032号公報
しかしながら、特開2003−21032号公報に記載のノック制御装置において、ノック判定値がノッキングの発生頻度に基づいて補正される場合、ノック判定値の補正量である設定値ΔVや「A」と設定値ΔVとの積は一定である。そのため、ノック判定値の補正量が小さい場合、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定して点火時期を適切に制御できるようなノック判定値になるまでには、何回も判定値を補正する必要があり時間がかかる。これにより、ノッキング発生時における点火遅角や、ノッキング不発生時における点火進角を適切に行なうことができないおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、点火時期を適切に制御することができる内燃機関の点火時期制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、内燃機関で発生する振動の強度に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するためのノック強度算出手段と、ノック強度と予め定められた判定値とを比較した結果に基づいて、内燃機関の点火時期を制御するための制御手段と、ノッキングの発生頻度に基づいて、判定値を補正するための補正手段と、判定値の補正量を、判定値の大きさに応じた値に設定するための設定手段とを含む。
第1の発明によると、内燃機関で発生する振動の強度に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度が算出され、ノック強度と予め定められた判定値とを比較した結果に基づいて、内燃機関の点火時期が制御される。たとえば、ノック強度が予め定められた判定値より大きい場合、ノッキングが発生したと判定して、点火時期が遅角される。ノック強度が予め定められた判定値より小さい場合、ノッキングが発生していないと判定して、点火時期が進角される。ところで、たとえばノックセンサの出力値のばらつきや劣化などにより、内燃機関で同じ振動が生じた場合であっても、ノックセンサにより検出される強度が変化し、算出されるノック強度が変化し得る。この場合、内燃機関の初期状態において適切に制御されていた点火時期が、不適切になり得る。そのため、たとえばノッキングの発生頻度が高いといえる場合においては、点火時期の遅角制御が行なわれる頻度が高くなるように、内燃機関で発生する振動の状態に応じて判定値を補正する必要がある。そこで、ノッキングの発生頻度に基づいて判定値が補正される。たとえば、ノッキングの発生頻度が予め定められた頻度より高い場合は、判定値が小さくなるように補正される。そのため、点火時期の遅角制御をより多く行なうことができる。逆に、ノッキングの発生頻度が予め定められた頻度より低い場合、判定値が大きくなるように補正される。そのため、点火時期の進角制御をより多く行なうことができる。これにより、ノッキングの発生頻度に基づいて判定値を補正し、点火時期を適切に制御することができる。このように点火時期を適切に制御することができる状態の判定値に対して、たとえば、内燃機関の始動時などにおける判定値の初期値が、大きく異なる場合がある。このような場合において、判定値の補正量が小さく、かつ一定であると、判定値を補正して点火時期を適切に制御できる状態にするには時間がかかる。そこで、判定値の補正量が、判定値の大きさに応じた値に設定される。たとえば、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい場合、判定値の補正量が大きくなるように設定される。そのため、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さい場合は、判定値の補正量が小さくなるように設定される。そのため、点火時期を適切に制御することができる状態を維持することができる。その結果、点火時期を適切に制御することができる内燃機関の点火時期制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、設定手段は、判定値が複数回補正されたことによる判定値の変化度合に応じた補正量を設定することにより、判定値の補正量を判定値の大きさに応じた値に設定するための手段を含む。
第2の発明によると、判定値が複数回補正されたことによる判定値の変化度合に応じた補正量が設定される。判定値はノッキングの発生頻度に基づいて補正されるため、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が大きい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりする状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きいと言える。そこで、たとえば、判定値の補正量が大きくなるように設定される。これにより、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。逆に、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が小さい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりすることのない状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さいと言える。そこで、たとえば、判定値の補正量が小さくなるように設定される。これにより、点火時期を適切に制御することができる状態を維持することができる。
第3の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、設定手段は、判定値の変化度合が大きい場合は小さい場合に比べて、補正量を大きく設定するための手段を含む。
第3の発明によると、判定値の変化度合が大きい場合は小さい場合に比べて、補正量が大きく設定される。判定値はノッキングの発生頻度に基づいて補正されるため、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が大きい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりする状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きいと言える。そこで、判定値の補正量が大きくなるように設定される。これにより、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。逆に、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が小さい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりすることのない状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さいと言える。そこで、判定値の補正量が小さくなるように設定される。これにより、点火時期を適切に制御することができる状態を維持することができる。
第4の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、設定手段は、判定値の変化度合が予め定められた度合より大きい場合は小さい場合に比べて、補正量を大きく設定するための手段を含む。
第4の発明によると、判定値の変化度合が予め定められた度合より大きい場合は小さい場合に比べて、補正量が大きく設定される。判定値はノッキングの発生頻度に基づいて補正されるため、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が予め定められた度合より大きい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりする状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きいと言える。そこで、判定値の変化度合が予め定められた度合より大きい場合、判定値の補正量が大きくなるように設定される。これにより、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。
第5の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第3または第4の発明の構成に加えて、設定手段は、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さい場合は大きい場合に比べて、補正量を小さく設定するための手段を含む。
第5の発明によると、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さい場合は大きい場合に比べて、補正量が小さく設定される。判定値はノッキングの発生頻度に基づいて補正されるため、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が予め定められた度合より小さい場合、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりすることのない状態であると考えられる。この場合、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さいと言える。そこで、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さい場合、判定値の補正量が小さくなるように設定される。これにより、点火時期を適切に制御することができる状態を維持することができる。
第6の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、第2の発明の構成に加えて、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいか否かを判断するための手段をさらに含む。設定手段は、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より少ない場合は多い場合に比べて、補正量を大きく設定するための手段を含む。
第6の発明によると、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より少ない場合は多い場合に比べて、補正量が大きく設定される。現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい状態であって、ノッキングの発生頻度が高過ぎたり低過ぎたりする場合であっても、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が予め定められた度合より偶然に小さくなることがあり得る。このような場合に、判定値の補正量が小さくなるように設定されると、現在の判定値を点火時期を適切に制御することができる状態の判定値にするのに時間がかかる。一方、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より多い場合は、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さい状態と考えられる。そこで、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より少ない場合は多い場合に比べて、補正量が大きく設定される。これにより、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい可能性がある場合には、補正量を大きくすることができる。そのため、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。
第7の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第6の発明の構成に加えて、設定手段は、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より多い場合は少ない場合に比べて、補正量を小さく設定するための手段を含む。
第7の発明によると、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断される回数が予め定められた回数より多い場合は少ない場合に比べて、補正量が小さく設定される。判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より多い場合は、現在の判定値と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さい状態と考えられる。そこで、判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断される回数が予め定められた回数より多い場合は少ない場合に比べて、補正量が小さく設定される。これにより、判定値を、点火時期を適切に制御することができる状態の判定値に、より精度よくすることができる。そのため、点火時期を適切に制御できる状態を維持することができる。
第8の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、第2〜第7のいずれかの発明の構成に加えて、第1のタイミングにおいて、判定値の平均値に関する第1の値を算出するための手段と、第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにおいて、判定値の平均値に関する第2の値を算出するための手段とをさらに含む。判定値の変化度合は、第1の値と第2の値との差として算出される。
第8の発明によると、第1のタイミングにおいて、判定値の平均値に関する第1の値が算出され、第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにおいて、判定値の平均値に関する第2の値が算出される。第1の値および第2の値は、大きくしたり小さくしたりするように補正された複数の判定値の平均値に関する値である。第1のタイミングにおける複数の判定値の平均値と第2のタイミングにおける複数の判定値の平均値との差は、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が大きい場合は小さい場合に比べて大きくなる。すなわち、第1のタイミングにおける複数の判定値の平均値と第2のタイミングにおける複数の判定値の平均値との差は、複数回補正されたことによる判定値の変化度合を表わす値と言える。そこで、複数回補正されたことによる判定値の変化度合が、第1の値と第2の値との差として算出される。そのため、複数回補正されたことによる判定値の変化度合を、第1の値と第2の値との差、すなわち判定値の平均値に関する値の差として、定量化することができる。
第9の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第1〜第8のいずれかの発明の構成に加えて、補正手段は、ノッキングの発生頻度が低い場合は高い場合に比べて、判定値をより大きくするように補正するための手段を含む。
第9の発明によると、ノッキングの発生頻度が低い場合、たとえば、ノック強度が判定値より小さい場合に点火時期が進角されるように制御される場合において、内燃機関の出力を高めるために点火時期がより多く進角されるように、判定値が大きくなるように補正される。逆に、ノッキングの発生頻度が高い場合、たとえば、ノック強度が判定値より大きい場合に点火時期が遅角されるように制御される場合において、ノッキングの発生を抑制するために点火時期がより多く遅角されるように、判定値が小さくなるように補正される。そのため、点火時期を適切に制御することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る点火時期制御装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。本実施の形態に係る点火時期制御装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。点火時期は、出力トルクが最大になるMBT(Minimum advance for Best Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312と、エアフローメータ314とが接続されている。
ノックセンサ300は、エンジン100のシリンダブロックに設けられる。ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表わす信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランプポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角およびクランクシャフト110の回転数を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。エアフローメータ314は、エンジン100に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。
エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、メモリ202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生した場合、エンジン100には、図2において実線で示す周波数付近の周波数の振動が発生する。ノッキングに起因して発生する振動の周波数は一定ではなく、所定の帯域幅を有する。そのため、本実施の形態においては、図2に示すように、第1の周波数帯A、第2の周波数帯Bおよび第3の周波数帯Cに含まれる振動を検出する。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。なお、ノッキングに起因して発生する振動の周波数帯は3つに限られない。
図3を参照して、エンジンECU200についてさらに説明する。エンジンECU200は、A/D(アナログ/デジタル)変換部400と、バンドパスフィルタ(1)410と、バンドパスフィルタ(2)420と、バンドパスフィルタ(3)430と、積算部450とを含む。
A/D変換部400は、ノックセンサ300から送信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。バンドパスフィルタ(1)410は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第1の周波数帯Aの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(1)410により、ノックセンサ300が検出した振動から、第1の周波数帯Aの振動のみが抽出される。
バンドパスフィルタ(2)420は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第2の周波数帯Bの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(2)420により、ノックセンサ300が検出した振動から、第2の周波数帯Bの振動のみが抽出される。
バンドパスフィルタ(3)430は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第3の周波数帯Cの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(3)430により、ノックセンサ300が検出した振動から、第3の周波数帯Cの振動のみが抽出される。
積算部450は、バンドパスフィルタ(1)410〜バンドパスフィルタ(3)430により選別された信号、すなわち振動の強度を、クランク角度で5度分づつ積算する。以下、積算された値を積算値と表わす。積算値の算出は、周波数帯ごとに行なわれる。この積算値の算出により、各周波数帯における振動波形が検出される。
さらに、算出された第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値は、クランク角度に対応して加算される。すなわち、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの振動波形が合成される。
これにより、図4に示すように、エンジン100の振動波形が検出される。すなわち、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形が、エンジン100の振動波形として用いられる。
検出された振動波形は、図5に示すようにエンジンECU200のメモリ202に記憶されたノック波形モデルと比較される。ノック波形モデルは、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルとして予め作成される。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表され、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の振動に対応している。なお、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シミュレーションにより作成してもよい。
検出された波形とノック波形モデルとの比較においては、図6に示すように、正規化された波形とノック波形モデルとが比較される。ここで、正規化とは、たとえば、検出された振動波形における積算値の最大値で各積算値で除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことである。なお、正規化の方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとの偏差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kが算出される。
正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とし、ノック波形モデルにおける振動の強度をクランク角で積分した値(ノック波形モデルの面積)をSとおくと、相関係数Kは、K=(S−ΣΔS(I))/Sという方程式により算出される。ここで、ΣΔS(I)は、上死点から90度までのΔS(I)の総和である。本実施の形態において、相関係数Kは、振動波形の形状がノック波形モデルの形状に近いほど、大きな値として算出される。したがって、振動波形にノッキング以外の要因による振動の波形が含まれた場合、相関係数Kは小さく算出される。なお、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
さらに、エンジンECU200は、積算値の最大値(ピーク値)に基づいて、ノック強度Nを算出する。積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表わす値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P/BGLという方程式で算出される。BGLはメモリ202に記憶されている。なお、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、算出されたノック強度Nとメモリ202に記憶された判定値V(KX)とを比較し、さらに検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定する。
図7に示すように、判定値V(KX)は、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとするマップとして記憶される。
判定値V(KX)の初期値には、予め実験などにより定められる値が用いられる。ところが、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値V(KX)を補正し、実際に検出される強度に応じた判定値V(KX)を用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、強度Vを対数変換した値である強度値LOG(V)と、各強度値LOG(V)が検出された頻度(回数、確率ともいう)との関係を示す頻度分布に基づいて、ノック判定レベルV(KD)が算出される。
エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとする領域ごとに強度値LOG(V)が算出される。強度値LOG(V)を算出するために用いられる強度Vは、予め定められたクランク角の間における強度のピーク値(5度ごとの積算値のピーク値)である。算出される強度LOG(V)に基づいて、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積して50%になる中央値V(50)が算出される。また、中央値V(50)以下の強度値LOG(V)における標準偏差σが算出される。たとえば、本実施の形態においては、複数(たとえば200サイクル)の強度値LOG(V)に基づいて算出される中央値および標準偏差と近似した中央値V(50)および標準偏差σが、以下の算出方法により1点火サイクルごとに算出される。
今回検出された強度値LOG(V)が前回算出された中央値V(50)よりも大きい場合、前回算出された中央値V(50)に予め定められた値C(1)を加算した値が、今回の中央値V(50)として算出される。逆に、今回検出された強度値LOG(V)が前回算出された中央値V(50)よりも小さい場合、前回算出された中央値V(50)から予め定められた値C(2)(たとえばC(2)はC(1)と同じ値)を減算した値が、今回の中央値V(50)として算出される。
今回検出された強度値LOG(V)が、前回算出された中央値V(50)よりも小さく、かつ前回算出された中央値V(50)から前回算出された標準偏差σを減算した値よりも大きい場合、前回算出された標準偏差σから予め定められた値C(3)を2倍した値を減算した値が、今回の標準偏差σとして算出される。逆に、今回検出された強度値LOG(V)が、前回算出された中央値V(50)よりも大きい場合、または前回算出された中央値V(50)から前回算出された標準偏差σを減算した値よりも小さい場合、前回算出された標準偏差σに予め定められた値C(4)(たとえばC(4)はC(3)と同じ値)を加算した値が、今回の標準偏差σとして算出される。なお、中央値V(50)および標準偏差σの算出方法はこれに限定されない。また、中央値V(50)および標準偏差σの初期値は、予め設定された値であってもよいし、「0」であってもよい。
中央値V(50)および標準偏差σを用いて、ノック判定レベルV(KD)が算出される。図8に示すように、中央値V(50)に係数U(1)(U(1)は定数で、たとえばU(1)=3)と標準偏差σとの積を加算した値が、ノック判定レベルV(KD)となる。なお、ノック判定レベルV(KD)の算出方法はこれに限らない。ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の頻度が、ノッキングが発生した頻度として判定され、ノッキングが発生した頻度に基づいて判定値V(KX)が補正される。
係数U(1)は、実験などより得られたデータや知見から求められた係数である。U(1)=3とした場合のノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)が、実際にノッキングが発生した点火サイクルにおける強度値LOG(V)と略一致する。なお、係数U(1)に「3」以外の値を用いるようにしてもよい。
強度値LOG(V)の頻度分布においては、エンジン100においてノッキングが発生していなければ、図9に示すように正規分布となり、強度値LOG(V)の最大値V(MAX)とノック判定レベルV(KD)とが一致する。一方、ノッキングが発生することにより、検出される強度Vが大きくなり、大きい強度値LOG(V)が算出されると、図10に示すように、ノック判定レベルV(KD)よりも最大値V(MAX)が大きくなる。
さらにノッキングが発生する頻度が大きくなると、図11に示すように最大値V(MAX)はさらに大きくなる。このとき、頻度分布における中央値V(50)および標準偏差σは、最大値V(MAX)とともに大きくなる。そのため、ノック判定レベルV(KD)が大きくなる。
ノック判定レベルV(KD)よりも小さい強度値LOG(V)は、ノッキングが発生したサイクルにおける強度値LOG(V)とは判定されないため、ノック判定レベルV(KD)が大きくなると、それだけ、ノッキングが発生していても、ノッキングが発生していないと判定される頻度が高くなる。
そこで、本実施の形態においては、図12で示すように、破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)を用いることで、しきい値V(1)よりも大きい強度値LOG(V)を除外して中央値V(50)および標準偏差σが算出される。図12は、算出された強度値LOG(V)を、その強度値LOG(V)が得られたサイクルにおける相関係数Kごとにプロットした図である。
しきい値V(1)は、強度値LOG(V)の頻度分布の中央値に、中央値以下の強度値LOG(V)における標準偏差と係数U(2)(U(2)は定数で、たとえばU(2)=3)との積を加算した値である。
しきい値V(1)より小さい強度値LOG(V)のみを抽出して中央値V(50)および標準偏差σを算出することにより、中央値V(50)および標準偏差σが過大にならず、安定した値となる。これにより、ノック判定レベルV(KD)が過大になることを抑制することができる。そのため、ノッキングが発生していても、ノッキングが発生していないと判定される頻度が高くなることを抑制することができる。
なお、中央値V(50)および標準偏差σを算出するために用いられる強度値LOG(V)の抽出方法は、これに限らない。たとえば、前述のしきい値V(1)よりも小さい強度値LOG(V)のうち、相関係数Kがしきい値K(1)より大きい点火サイクルにおいて算出された強度値LOG(V)を抽出するようにしてもよい。
図13を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が、ノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定して点火時期を制御するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEを検出するとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLを検出する。
S102にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度を検出する。振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。強度の検出は、燃焼行程において上死点から90度(クランク角で90度)までの間で行なわれる。
S104にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表わす値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(積算値)を算出する。積算値の算出は、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの振動ごとに行なわれる。さらに第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値が、クランク角度に対応して加算されて、エンジン100の振動波形が検出される。
S106にて、エンジンECU200は、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形(エンジン100の振動波形)における積算値のうち、最も大きい積算値(ピーク値P)を算出する。
S108にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形を正規化する。ここで、正規化とは、算出されたピーク値で、各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことをいう。
S110にて、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。S112にて、エンジンECU200は、ノック強度Nを算出する。
S114にて、エンジンECU200は、相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいか否かを判別する。相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS120に移される。
S116にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生したと判定する。S118にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。S120にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生していないと判定する。S122にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
図14を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が、判定値V(KX)を補正するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて検出される強度Vから、強度値LOG(V)を算出する。ここで、強度Vは、予め定められたクランク角の間におけるピーク値(5度ごとの積算値のピーク値)である。
S202にて、エンジンECU200は、強度値LOG(V)が前述のしきい値V(1)より小さいか否かを判別する。強度値LOG(V)が前述のしきい値V(1)より小さい場合(S202にてYES)、処理はS204に移される。そうでない場合(S202にてNO)、処理はS200に戻される。
S204にて、エンジンECU200は、抽出された強度値LOG(V)について、中央値V(50)および標準偏差σを算出する。なお、中央値V(50)および標準偏差σを算出は、N(Nは自然数で、たとえばN=200)サイクル分の強度値LOG(V)が抽出されるごとに算出するようにしてもよい。
S206にて、エンジンECU200は、中央値V(50)および標準偏差σに基づいて、ノック判定レベルV(KD)を算出する。
S208にて、エンジンECU200は、抽出された強度値LOG(V)のうちの、ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の割合を、ノック占有率KCとしてカウントする。
S210にて、エンジンECU200は、Nサイクル分の強度値LOG(V)が抽出されているか否かを判別する。Nサイクル分の強度値LOG(V)が抽出されている場合(S210にてYES)、処理はS212に移される。そうでない場合(S210にてNO)、処理はS200に戻される。
S212にて、エンジンECU200は、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きいか否かを判定する。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きい場合(S212にてYES)、処理はS214に移される。そうでない場合(S212にてNO)、処理はS216に移される。
S214にて、エンジンECU200は、メモリ202に記憶された判定値V(KX)を、メモリ202に記憶された補正量だけ小さくする。S216にて、エンジンECU200は、メモリ202に記憶された判定値V(KX)を、メモリ202に記憶された補正量だけ大きくする。S218にて、エンジンECU200は、判定値V(KX)を、メモリ202に記憶する。
図15を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が、判定値V(KX)の補正量を設定するために実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、判定値V(KX)が補正される度に実行される。
S300にて、エンジンECU200は、メモリ202に記憶された判定値V(KX)を読み出す。
S302にて、エンジンECU200は、判定値V(KX)の過去M個分(Mは自然数で、たとえばM=16)の平均値を近似した近似値V(R)(Rは自然数)を算出する。前回の補正量を設定する際に算出した近似値をV(R−1)とおくと、V(R)={(M−1)×V(R−1)+V(KX)}/Mで表わされる方程式で算出される。近似値V(R)は、前回算出した近似値V(R−1)を過去(M−1)個分の平均値と近似し、今回の判定値V(KX)を加えて平均した値であるため、判定値V(KX)の過去M個分の平均値を近似した値となる。なお、近似値V(R)を算出する方法はこれに限らない。また、近似値V(R)ではなく、判定値V(KX)の過去M個分の平均値を算出するようにしてもよい。
S304にて、エンジンECU200は、近似値V(R)と、近似値V(R−1)との偏差Lを算出する。近似値V(R)から近似値V(R−1)を減算した値の絶対値が、偏差Lとして算出される。なお、偏差Lを算出する方法はこれに限らない。
S306にて、エンジンECU200は、偏差Lが予め定められた値より小さいか否かを判断する。偏差Lが予め定められた値より小さい場合(S306にてYES)、処理はS308に移される。そうでない場合(S306にてNO)、処理はS310に移される。
S308にて、エンジンECU200は、偏差Lが予め定められた値より小さいと判断された回数が、予め定められた回数より多いか否かを判断する。予め定められた回数より多い場合(S308にてYES)、処理はS312に移される。そうでない場合(S308にてNO)、処理はS310に移される。
S310にて、エンジンECU200は、基準となる補正量(補正量の初期値)をQ倍(Qは1以上の正数)した値を、判定値V(KX)の補正量として設定する。なお、判定値V(KX)の補正量の設定方法はこれに限定されない。たとえば、前回設定された補正量をQ倍した値を、今回の判定値V(KX)の補正量として設定してもよい。また、「Q」は、変数であってもよい。たとえば、偏差Lが大きいほど、「Q」の値をより大きくするようにしてもよい。
S312にて、エンジンECU200は、基準となる補正量を1/P倍(Pは1以上の正数)した値を、判定値V(KX)の補正量として設定する。なお、「P」は、定数であっても変数であってもよい。たとえば、P=1(1/P倍=1倍)の定数として、基準となる補正量を判定値V(KX)の補正量として設定してもよい。また、偏差Lが小さいほど、「1/P」の値をより小さくするように「P」をより大きくするようにしてもよい。S314にて、エンジンECU200は、設定された補正量をメモリ202に記憶する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEが検出されるとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLが検出される(S100)。また、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度が検出される(S102)。
燃焼行程における上死点から90度までの間において、5度ごとの積算値が第1の周波数帯Aから第3の周波数帯Cの振動ごとに算出される(S104)。算出された第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値がクランク角度に対応して加算され、前述した図4に示すようなエンジン100の振動波形が検出される。
5度ごとの積算値により振動波形を検出することにより、振動の強度が細かく変化する複雑な形状の振動波形が検出されることを抑制することができる。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を容易にすることができる。
算出された積算値に基づいて、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形(エンジン100の振動波形)における積算値のピーク値Pが算出される(S106)。
算出されたピーク値Pでエンジン100の振動波形における積算値が除算されて、振動波形が正規化される(S108)。正規化により、振動波形における振動の強度が0〜1の無次元数で表される。これにより、振動の強度に関係なく検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ(図6参照)、この状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値ΔS(I)が算出される。このΔS(I)の総和ΣΔS(I)およびノック波形モデルにおいて振動の強度をクランク角で積分した値Sに基づいて、K=(S−ΣΔS(I))/Sにより相関係数Kが算出される(S110)。これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。また、振動波形とノック波形モデルとを比較することで、振動の減衰傾向など、振動の挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。
さらに、ピーク値PをBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S112)。これにより、振動の強度に基づいて、エンジン100の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S114にてYES)、ノッキングが発生したと判定され(S116)、点火時期が遅角される(S118)。これにより、ノッキングの発生が抑制される。相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい状態ではない場合(S114にてNO)、ノッキングが発生していないと判定され(S120)、点火時期が進角される(S122)。このようにして、ノック強度Nと判定値V(KX)とを比較することにより1点火サイクルごとにノッキングが発生したか否かが判定され、点火時期が遅角されたり、進角されたりする。
ところで、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値V(KX)を補正し、実際に検出される強度に応じた判定値V(KX)を用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そこで、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200においては、強度値LOG(V)が算出される(S200)。算出された強度値LOG(V)が、前述のしきい値V(1)より小さい場合(S202にてYES)、中央値V(50)および標準偏差σが算出される(S204)。このような中央値V(50)および標準偏差σに基づいて、ノック判定レベルV(KD)が算出される(S206)。そのため、ノック判定レベルV(KD)が過大になることを抑制することができる。判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の割合が、ノック占有率KCとしてカウントされる(S208)。Nサイクル分の強度値LOG(V)が抽出されており(S210にYES)、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きい場合(S212にてYES)、点火時期の遅角制御(S118)が行なわれる頻度が高くなるように判定値V(KX)が小さくされる(S214)。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも小さい場合(S212にてNO)、点火時期の進角制御(S122)が行なわれる頻度が高くなるように判定値V(KX)が大きくされる(S216)。これにより、1点火サイクルごとのノッキング判定における判定値を適切に補正し、点火時期を適切に制御することができる。判定値V(KX)がメモリ202に記憶される(S218)。
このように点火時期を適切に制御することができる状態の判定値に対して、たとえば、内燃機関の始動時などにおける判定値V(KX)の初期値が、大きく異なる場合がある。このような場合において、判定値V(KX)の補正量が小さく、かつ一定であると、図16に示すように、判定値V(KX)を補正して点火時期を適切に制御できる状態の判定値に安定させるには時間がかかる。このような場合、判定値V(KX)の補正量を大きくして、判定値V(KX)を点火時期を適切に制御できる状態の判定値に早期に安定させる必要がある。そのため、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい状態であるか否かを判断する必要がある。
そこで、メモリ202に記憶された判定値V(KX)が読み出され(S300)、判定値V(KX)の過去M個分の近似値V(R)が算出される(S302)。近似値V(R)と近似値V(R−1)との偏差Lが算出される(S304)。判定値V(KX)の初期値が小さい場合において、偏差Lが大きい場合、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも小さいと判断(S212にてNO)される頻度が高い状態、すなわちノッキングの発生頻度が低い状態と考えられる。この場合、点火時期の遅角がより多く行なわれている状態、すなわち、1点火サイクルごとに行なわれるノッキングの判定において、小さいノック強度でもノッキングであると判定されるほど、判定値V(KX)が小さい状態であると考えられる。したがって、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい状態と言える。
また、判定値V(KX)の初期値が大きい場合において、偏差Lが大きい場合、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きいと判断(S212にてYES)される頻度が高い状態、すなわちノッキングの発生頻度が高い状態と考えられる。この場合、点火時期の進角がより多く行なわれている状態、すなわち、1点火サイクルごとに行なわれるノッキングの判定において、大きいノック強度でもノッキングでないと判定されるほど、判定値V(KX)が大きい状態であると考えられる。したがって、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい状態と言える。
そこで、偏差Lが予め定められた値より大きい場合(S306にてNO)、基準となる補正量をQ倍した値が、判定値V(KX)の補正量として設定される(S310)。そのため、図17に示すように、判定値V(KX)を早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。
一方、偏差Lが小さい場合、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きいと判断(S212にてYES)される頻度と小さいと判断(S212にてNO)される頻度との差が小さい状態、すなわち、ノッキングの発生頻度が適切な状態と考えられる。ノッキングの発生頻度が適切な状態では、1点火サイクルごとに行なわれるノッキングの判定において、ノッキングが発生したと判定される(S116)頻度とノッキングが発生していないと判定される(S120)頻度がほぼ同じ頻度となり、点火時期の遅角(S118)と進角(S122)がほぼ同じ頻度で行なわれる。このような場合、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さい状態と言える。
ところが、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい状態であっても、偏差Lが予め定められた値より偶然に小さくなることがあり得る。このような場合に、判定値V(KX)の補正量が大きくなるように設定されないと、現在の判定値V(KX)を点火時期を適切に制御することができる状態の判定値にするのに時間がかかる。
そこで、偏差Lが予め定められた値より小さい場合(S306にてYES)でも、偏差Lが予め定められた値より小さいと判断された回数が、予め定められた回数より少ない場合(S308にてNO)は、基準となる補正量をQ倍した値が、判定値V(KX)の補正量として設定される(S310)。これにより、現在の判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きい可能性がある場合には、判定値V(KX)の補正量を大きくすることができる。そのため、より早期に点火時期を適切に制御できる状態にすることができる。
偏差Lが予め定められた値より小さい場合(S306にてYES)で、偏差Lが予め定められた値より小さいと判断された回数が、予め定められた回数より多い場合(S308にてYES)、基準となる補正量を1/P倍した値が、今回の判定値V(KX)の補正量として設定される(S312)。たとえば、「1/P=1」として、基準となる補正量が判定値V(KX)の補正量として設定される。これにより、現在の判定値V(KX)を、点火時期を適切に制御することができる状態の判定値に、より精度よくすることができる。そのため、点火時期を適切に制御できる状態を維持することができる。このような判定値V(KX)とノック強度Nとを比較した結果に基づいて、点火時期が制御される。そのため、点火時期の遅角や進角を適切に行なうことができる。
以上のように、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUによれば、判定値V(KX)の平均値の偏差Lが予め定められた値より大きい場合は、判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が大きいと判断して、判定値V(KX)の補正量が大きくされる。そのため、より早期に判定V(KX)を点火時期を適切に制御することができる状態の判定値に収束させることができる。また、偏差Lが予め定められた値より小さい場合は、判定値V(KX)と点火時期を適切に制御することができる状態の判定値との差が小さいと判断して、判定値V(KX)の補正量が小さく変更される。そのため、点火時期を適切に制御することができる状態を維持することができる。
なお、図18に示すように、ノイズによる振動の強度が大きい場合は、ノッキング時の積算値の最大値とノイズによる積算値の最大値との差が小さく、ノック強度Nからはノッキングとノイズとを区別し難くなるおそれがある。そのため、積算値のピーク値Pの代わりに、図19に示すように、振動波形における積算値の総合計(ノック検出ゲートにおけるノックセンサ300の出力電圧値をすべて積算した値)を用いてノック強度Nを算出するようにしてもよい。すなわち、振動波形における積算値の総合計をBGLにより除算して、ノック強度Nを算出するようにしてもよい。
図19に示すように、ノイズによる振動の発生期間は、ノッキングによる振動の発生期間よりも短いので、ノッキングとノイズとでは、積算値の総合計は大きく異なり得る。したがって、積算値の総合計に基づいてノック強度Nを算出することにより、ノッキング時に算出されるノック強度Nと、ノイズにより算出されるノック強度Nとの差を大きくすることができる。これにより、ノッキングによる振動とノイズによる振動とを明確に区別することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUにより制御されるエンジンを示す概略構成図である。 ノッキング時にエンジンで発生する振動の周波数帯を示す図である。 図1のエンジンECUを示す制御ブロック図である。 エンジンの振動波形を示す図である。 エンジンECUのメモリに記憶されたノック波形モデルを示す図である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図である。 エンジンECUのメモリに記憶された判定値V(KX)のマップを示す図である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その1)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その2)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その3)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その4)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を作成するために用いられる強度値LOG(V)を示す図である。 図1のエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 図1のエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 図1のエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その3)である。 判定値V(KX)のタイミングチャート(その1)である。 判定値V(KX)のタイミングチャート(その2)である。 ノッキング時の積算値とノイズによる積算値とを示す図(その1)である。 ノッキング時の積算値とノイズによる積算値とを示す図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、116 吸気バルブ、118 排気バルブ、120 ポンプ、200 エンジンECU、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ、314 エアフローメータ。

Claims (9)

  1. 内燃機関の点火時期制御装置であって、
    前記内燃機関で発生する振動の強度に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するためのノック強度算出手段と、
    前記ノック強度と予め定められた判定値とを比較した結果に基づいて、前記内燃機関の点火時期を制御するための制御手段と、
    前記ノッキングの発生頻度に基づいて、前記判定値を補正するための補正手段と、
    前記判定値の補正量を、前記判定値の大きさに応じた値に設定するための設定手段とを含む、内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記判定値が複数回補正されたことによる前記判定値の変化度合に応じた補正量を設定することにより、前記判定値の補正量を前記判定値の大きさに応じた値に設定するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記判定値の変化度合が大きい場合は小さい場合に比べて、前記補正量を大きく設定するための手段を含む、請求項2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記判定値の変化度合が予め定められた度合より大きい場合は小さい場合に比べて、前記補正量を大きく設定するための手段を含む、請求項3に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 前記設定手段は、前記判定値の変化度合が予め定められた度合より小さい場合は大きい場合に比べて、前記補正量を小さく設定するための手段を含む、請求項3または4に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 前記点火時期制御装置は、
    前記判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいか否かを判断するための手段をさらに含み、
    前記設定手段は、前記判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より少ない場合は多い場合に比べて、前記補正量を大きく設定するための手段を含む、請求項2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  7. 前記設定手段は、前記判定値の変化度合が予め定められた度合より小さいと判断された回数が予め定められた回数より多い場合は少ない場合に比べて、前記補正量を小さく設定するための手段を含む、請求項6に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  8. 前記点火時期制御装置は、
    第1のタイミングにおいて、前記判定値の平均値に関する第1の値を算出するための手段と、
    前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにおいて、前記判定値の平均値に関する第2の値を算出するための手段とをさらに含み、
    前記判定値の変化度合は、前記第1の値と前記第2の値との差として算出される、請求項2〜7のいずれかに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  9. 前記補正手段は、前記ノッキングの発生頻度が低い場合は高い場合に比べて、前記判定値をより大きくするように補正するための手段を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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