JP2007211690A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

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正朝 吉原
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Yuichi Takemura
優一 竹村
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Abstract

【課題】ノッキングの発生頻度に応じて点火時期を制御する際において、比較的小さな強度の振動を誤って除外することを抑制してノッキングの発生頻度を精度よく判定することによって、点火時期を適切に制御する。
【解決手段】エンジンECUは、ノックセンサから送信された信号に基づいて検出される強度Vから算出される強度値LOG(V)のうち、中央値VMED以下の全ての強度値LOG(V)を用いてノック判定レベルV(KD)を算出するステップ(S202)を含むプログラムを実行する。ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の割合がノック占有率KCとしてカウントされ、ノック占有率KCに応じて判定値V(KX)が小さくされたり大きくされたりする。この判定値V(KX)を用いて1点火毎にノッキングの有無が判定され、点火時期が遅角されたり進角されたりする。
【選択図】図15

Description

本発明は、内燃機関の点火時期制御装置に関し、特に、ノッキングの発生頻度に基づいて点火時期を制御する技術に関する。
従来より、ノッキング(ノック)の有無を判定する様々な方法が提案されている。たとえば、内燃機関より検出される振動の強度が、ノック判定値より大きいか否かによりノッキングの発生を判定する技術がある。特開2003−21032号公報(特許文献1)に記載の内燃機関のノック制御装置は、内燃機関のノッキングを検出するためのノックセンサと、ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理部と、統計処理部による処理結果に基づいてノッキングの発生を判定する第1の仮判定部と、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノッキングの発生を判定する第2の仮判定部と、第1の仮判定部によるノック仮判定と第2の仮判定部によるノック仮判定との結果に基づいて最終的にノッキングの発生を判定する最終ノック判定部とを含む。最終ノック判定部は、第1の仮判定部と第2の仮判定部との両方がノッキングが発生したと判定したときに最終的にノッキングが発生したと判定する。第1の仮判定部では、ノックセンサにより検出される出力信号の最大値と、統計処理部による処理結果に基づいて算出されるノック判定レベルとを比較することにより、ノッキングが発生したか否かが判定される。ノック判定値レベルは、ノッキングの発生頻度に基づいて、設定値ΔVをノック判定レベルから減算した値や、「1」より大きな値Aと設定値ΔVとの積をノック判定レベルに加算した値に補正される。ノックセンサ出力信号の最大値Vを対数変換した値LOG(V)の分布において、分布の10%点、50%点、90%点の値をそれぞれV10、V50、V90として、ノックが頻繁に発生している時にはV10/V50>V50/V90になることに鑑み、V10/V50>V50/V90であると、ノック判定レベルから設定値ΔVが減算されて、ノック判定レベルが補正される。V10/V50>V50/V90でないと、ノック判定レベルから「A」と設定値ΔVとの積が加算されて、ノック判定レベルが補正される。
この公報に記載のノック制御装置によると、統計処理プログラムによるノック仮判定と、波形形状プログラムによるノック仮判定とを用いて、それぞれの仮判定にてノッキングが発生したと判定された場合にのみ、最終的にノッキングが発生したと判定される。これにより、統計処理プログラムや波形形状プログラムのみを用いたノック判定ではノッキングの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノッキングの発生を判定することができる。
特開2003−21032号公報
ところで、内燃機関においては、ノッキングによるもの以外にも、比較的大きな強度の振動が発生し得る。たとえば、吸気バルブや排気バルブが閉じる際(着座する際)や、インジェクタ(特に筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ)、インジェクタに燃料を供給する高圧ポンプ等の作動に生じる振動(ノイズによる振動)の強度は、ノッキングによる振動の強度と変わらない。したがって、特開2003−21032号公報に記載のノック制御装置においては、ノッキングが発生していなくても、V10/V50>V50/V90となる場合もあり得る。そこで、ノイズによる振動はノッキングによる振動に比べて早く減衰するという特徴を踏まえて、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状からノッキングによる振動とは考えられないデータ(ノイズ信号)を除外して、出力信号を統計処理するということが考えられる。ところが、強度が大きい領域においては、ノイズによる振動とノッキングによる振動との波形形状の差が顕著に現れるが、強度が小さい領域においては、ノイズによる振動とノッキングによる振動との波形形状の差が顕著であるとは限らない。たとえば、ノッキングによる振動であっても、その強度が小さいと、ノッキングによる波形形状ではないと判定される場合もあり得る。しかしながら、特開2003−21032号公報においては、ノッキングによる振動やノイズによる振動に関して、上述したような関係があることは何等考慮されていない。したがって、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状からノッキングによる振動とは考えられないデータを除外することにより、ノッキングによる振動のうち、比較的小さな強度の振動を誤って除外し得る。この場合、統計処理において、ノック判定レベルが誤って補正され、結果的にノッキングを精度よく判定できなり得る。そのためノッキング発生時における点火遅角や、ノッキング不発生時における点火進角を適切に行なうことができないおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、点火時期を適切に制御することができる内燃機関の点火時期制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値を、複数の点火サイクルにおいて検出するための検出手段と、検出された強度値のうち、予め定められた値以下の強度値を全て抽出するための抽出手段と、抽出された強度値に基づいて、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられる演算を行なうための演算手段と、前記演算の結果に基づいて、ノッキングの発生頻度を判定するための判定手段と、ノッキングの発生頻度に基づいて、内燃機関の点火時期を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値が、複数の点火サイクルにおいて検出される。検出された強度値のうち、検出された強度値の最大値よりも小さくなるように予め定められた値以下の強度値が全て抽出される。たとえば、検出された強度値における中央値以下の強度値が全て抽出される。これにより、振動の波形からノイズによる振動であると考えられる振動の強度値を除外する場合であっても、ノッキングによる振動であるにも関わらず、強度が小さいためにノイズであると誤判定されて、強度の小さいノッキングによる振動の強度値が除外されることを抑制することができる。そのため、振動の強度が小さくなるノッキングが多かったり少なかったりすることにより、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられる演算を行なうための基礎となる強度値が抽出される数が多くなったり少なくなったりすることを抑制することができる。その結果、演算結果が必要以上に変動することを抑制することができる。この演算の結果に基づいて、ノッキングの発生頻度が判定される。これにより、ノッキングの発生頻度を精度よく判定することができる。このようして判定されたノッキングの発生頻度に基づいて、内燃機関の点火時期が制御される。これにより、ノッキングの発生頻度に応じて点火時期が遅角される頻度を多くしたり、少なくしたりして、点火時期を適切に制御することができる。そのため、点火時期を適切に制御することができる内燃機関の点火時期制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第1の発明の構成に加え、予め定められた値は、検出された強度値における中央値である。
第2の発明によると、検出された強度値における中央値以下の強度値が全て抽出される。これにより、振動の波形からはノイズによる振動であると考えられる振動の強度値を除外する場合であっても、ノッキングによる振動であるにも関わらず、強度が小さいためにノイズであると誤判定されて、強度の小さいノッキングによる振動の強度値が除外されることを抑制することができる。そのため、振動の強度が小さくなるノッキングが多かったり少なかったりすることにより、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられる演算を行なうための基礎となる強度値が抽出される数が多くなったり少なくなったりすることを抑制することができる。その結果、演算結果が必要以上に変動することを抑制することができる。この演算の結果に基づいて、ノッキングの発生頻度が判定される。これにより、ノッキングの発生頻度を精度よく判定することができる。このようして判定されたノッキングの発生頻度に基づいて、内燃機関の点火時期が制御される。これにより、ノッキングの発生頻度に応じて点火時期が遅角される頻度を多くしたり、少なくしたりして、点火時期を適切に制御することができる。そのため、点火時期を適切に制御することができる。
第3の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第2の発明の構成に加え、演算手段は、抽出された強度値のうち、中央値よりも小さい第1の強度値と、第1の強度値よりも小さい第2の強度値との差に基づいて、強度値の標準偏差を算出するための手段を含む。
第3の発明によると、中央値よりも小さい第1の強度値と、第1の強度値よりも小さい第2の強度値との差に基づいて、強度値の標準偏差が算出される。これにより、振動の強度が小さくなるノッキングが多かったり少なかったりすることによる変動が小さい標準偏差を得ることができる。そのため、比較的安定した標準偏差を得ることができる。
第4の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置においては、第3の発明の構成に加え、演算手段は、第1の強度値と第2の強度値との差を予め定められた係数で除算することにより、強度値の標準偏差を算出するための算出手段を含む。
第4の発明によると、第1の強度値と第2の値との差を予め定められた係数で除算することにより、強度値の標準偏差が算出される。これにより、第1の強度値と第2の強度値との差が標準偏差に相当するとはいえない場合であっても、標準偏差を算出することができる。
第5の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、第3または4のいずれかの発明の構成に加え、第1の強度値および第2の強度値のうちのいずれか一方の強度値と、算出手段により算出された標準偏差とに基づいて、強度値の中央値を逆算するための手段をさらに含む。
第5の発明によると、第1の強度値および第2の強度値のうちのいずれか一方の強度値と、算出手段により算出された標準偏差とに基づいて、強度値の中央値が逆算される。これにより、振動の強度が小さくなるノッキングが多かったり少なかったりすることによる変動が小さく、比較的安定した中央値を得ることができる。
第6の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、第3〜5のいずれかの発明の構成に加え、算出された標準偏差と予め定められた係数との積を中央値に加算することにより、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられるノック判定レベルを算出するための手段をさらに含む。判定手段は、検出された強度値のうち、ノック判定レベルよりも大きい強度値に基づいてノッキングの発生頻度を判定するための手段を含む。
第6の発明によると、算出された標準偏差と予め定められた係数との積を中央値に加算することにより、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられるノック判定レベルが算出される。これにより、振動の強度が小さくなるノッキングが多かったり少なかったりすることによる変動が小さく、比較的安定したノック判定レベルを得ることができる。このようなノック判定レベルよりも大きい強度値に基づいてノッキングの発生頻度が判定される。これにより、ノッキングの発生頻度を精度よく判定することができる。
第7の発明に係る内燃機関の点火時期制御装置は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加え、内燃機関で発生する振動の強度に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するためのノック強度算出手段をさらに含む。制御手段は、ノッキングの発生頻度に基づいて判定値を補正し、補正された判定値とノック強度とを比較した結果に基づいて、内燃機関の点火時期を制御するため手段を含む。
第7の発明によると、判定値とノック強度とを比較した結果に基づいて、内燃機関の点火時期が制御される。たとえば、ノック強度が予め定められた判定値より大きい場合、ノッキングが発生したと判定して、点火時期が遅角される。ノック強度が予め定められた判定値より小さい場合、ノッキングが発生していないと判定して、点火時期が進角される。ところで、たとえばノックセンサの出力値のばらつきや劣化などにより、内燃機関で同じ振動が生じた場合であっても、ノックセンサにより検出される強度が変化し、算出されるノック強度が変化し得る。この場合、内燃機関の初期状態において適切に制御されていた点火時期が、不適切になり得る。そのため、たとえばノッキングの発生頻度が高いといえる場合においては、点火時期の遅角制御が行なわれる頻度が高くなるように、判定値が補正される。そのため、点火時期の遅角制御をより多く行なうことができる。逆に、ノッキングの発生頻度が低いといえる場合には、点火時期の進角制御が行なわれる頻度が高くなるように、判定値が補正される。そのため、点火時期の進角制御をより多く行なうことができる。その結果、ノッキングの発生頻度に基づいて判定値を補正し、点火時期を適切に制御することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る点火時期制御装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。このエンジン100には複数の気筒が設けられる。本実施の形態に係る点火時期制御装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。点火時期は、出力トルクが最大になるMBT(Minimum advance for Best Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312と、エアフローメータ314とが接続されている。
ノックセンサ300は、エンジン100のシリンダブロックに設けられる。ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表わす信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角およびクランクシャフト110の回転数を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。エアフローメータ314は、エンジン100に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。
エンジンECU200は、電源である補機バッテリ320から供給された電力により作動する。エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、ROM(Read Only Memory)202やSRAM204に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生した場合、エンジン100には、図2において実線で示す周波数付近の周波数の振動が発生する。ノッキングに起因して発生する振動の周波数は一定ではなく、所定の帯域幅を有する。そのため、本実施の形態においては、図2に示すように、第1の周波数帯A、第2の周波数帯Bおよび第3の周波数帯Cに含まれる振動を検出する。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。なお、ノッキングに起因して発生する振動の周波数帯は3つに限られない。
図3を参照して、エンジンECU200についてさらに説明する。エンジンECU200は、A/D(アナログ/デジタル)変換部400と、バンドパスフィルタ(1)410と、バンドパスフィルタ(2)420と、バンドパスフィルタ(3)430と、積算部450とを含む。
A/D変換部400は、ノックセンサ300から送信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。バンドパスフィルタ(1)410は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第1の周波数帯Aの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(1)410により、ノックセンサ300が検出した振動から、第1の周波数帯Aの振動のみが抽出される。
バンドパスフィルタ(2)420は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第2の周波数帯Bの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(2)420により、ノックセンサ300が検出した振動から、第2の周波数帯Bの振動のみが抽出される。
バンドパスフィルタ(3)430は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第3の周波数帯Cの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ(3)430により、ノックセンサ300が検出した振動から、第3の周波数帯Cの振動のみが抽出される。
積算部450は、バンドパスフィルタ(1)410〜バンドパスフィルタ(3)430により選別された信号、すなわち振動の強度を、クランク角度で5度分づつ積算する。以下、積算された値を積算値と表わす。積算値の算出は、周波数帯ごとに行なわれる。この積算値の算出により、各周波数帯における振動波形が検出される。
さらに、算出された第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値は、クランク角度に対応して加算される。すなわち、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの振動波形が合成される。
これにより、図4に示すように、エンジン100の振動波形が検出される。すなわち、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形が、エンジン100の振動波形として用いられる。
検出された振動波形は、図5に示すようにエンジンECU200のROM202に記憶されたノック波形モデルと比較される。ノック波形モデルは、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルとして予め作成される。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表され、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の振動に対応している。なお、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シミュレーションにより作成してもよい。
検出された波形とノック波形モデルとの比較においては、図6に示すように、正規化された波形とノック波形モデルとが比較される。ここで、正規化とは、たとえば、検出された振動波形における積算値の最大値で各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことである。なお、正規化の方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとの偏差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kが算出される。
正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とし、ノック波形モデルにおける振動の強度をクランク角で積分した値(ノック波形モデルの面積)をSとおくと、相関係数Kは、K=(S−ΣΔS(I))/Sという方程式により算出される。ここで、ΣΔS(I)は、上死点から90度までのΔS(I)の総和である。本実施の形態において、相関係数Kは、振動波形の形状がノック波形モデルの形状に近いほど、大きな値として算出される。したがって、振動波形にノッキング以外の要因による振動の波形が含まれた場合、相関係数Kは小さく算出される。なお、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
さらに、エンジンECU200は、積算値の最大値(ピーク値)に基づいて、ノック強度Nを算出する。積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表わす値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P/BGLという方程式で算出される。なお、ノック強度Nを算出する際の積算値の最大値Pは対数変換される。また、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
BGLは、後述する強度値LOG(V)の頻度分布において、標準偏差σと係数(たとえば「1」)との積を、中央値VMEDから減算した値として算出される。なお、BGLの算出方法はこれに限らず、BGLをROM202に記憶しておくようにしてもよい。
本実施の形態において、エンジンECU200は、算出されたノック強度NとSRAM204に記憶された判定値V(KX)とを比較し、さらに検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定する。
図7に示すように、判定値V(KX)は、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとした運転状態により区分される領域毎に、マップとして記憶される。本実施の形態においては、低回転(NE<NE(1))、中回転(NE(1)≦NE<NE(2))、高回転(NE(2)≦NE)、低負荷(KL<KL(1))、中負荷(KL(1)≦KL<KL(2))、高負荷(KL(2)≦KL)で区分することにより、気筒毎に9つの領域が設けられる。なお、領域の数はこれに限らない。また、エンジン回転数NEおよび吸入空気量KL以外のパラメータを用いて領域を区分するようにしてもよい。
エンジン100もしくは車両の出荷時において、ROM202に記憶される判定値V(KX)(出荷時における判定値V(KX)の初期値)には、予め実験などにより定められる値が用いられる。ところが、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値V(KX)を補正し、実際に検出される強度に応じた判定値V(KX)を用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、強度Vを対数変換した値である強度値LOG(V)と、各強度値LOG(V)が検出された頻度(回数、確率ともいう)との関係を示す頻度分布に基づいてノッキングの発生頻度を判定し、ノッキングの発生頻度に基づいて、判定値V(KX)が補正される。
強度値LOG(V)は、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとする領域ごとに検出(算出)される。強度値LOG(V)を検出するために用いられる強度Vは、予め定められたクランク角の間における強度のピーク値(5度ごとの積算値のピーク値)である。
図8に示すように、検出された強度値LOG(V)の頻度分布において、ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の頻度が、ノッキングが発生した頻度として判定される。強度値LOG(V)の頻度分布は上述した領域毎に作成され、各領域の判定値V(KX)が補正される。
ノック判定レベルV(KD)は、図9に示すように、検出された強度値LOG(V)のうちの一点鎖線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)を用いて算出される。図9は、検出された強度値LOG(V)を、その強度値LOG(V)が得られたサイクルにおける相関係数Kごとにプロットした図である。
一点鎖線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)が抽出されることにより、検出された強度値LOG(V)のうち、しきい値V(1)以下であって、かつ相関係数Kがしきい値K(1)以上のサイクルにおける強度値LOG(V)が抽出される。すなわち、相関係数Kがしきい値K(1)未満であることにより、ノッキングではなくノイズによる振動の強度値LOG(V)であると考えられる強度値LOG(V)が除外される。
一方、しきい値V(1)以下(一点鎖線で囲まれる領域内)の強度値LOG(V)における中央値(強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積して50%になる値)VMED以下の領域においては、相関係数Kに関わらず、全ての強度値LOG(V)が抽出される。すなわち、相関係数Kがしきい値K(1)未満のサイクルにおける強度値LOG(V)も抽出される。
図10に示すように、N(Nは自然数で、たとえば200)サイクル分だけ抽出された強度値LOG(V)を用いて、ノック判定レベルV(KD)が算出される。ノック判定レベルV(KD)は、前述した図9において一点鎖線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)の中央値VMEDと標準偏差σとから算出される。
図10に示すように、中央値VMEDに係数U(1)(U(1)は定数で、たとえばU(1)=3)と標準偏差σとの積を加算した値が、ノック判定レベルV(KD)として算出される。なお、標準偏差σは、後述するように、中央値VMED以下の強度値LOG(V)を用いて算出される。
図11を参照して、標準偏差σについてさらに説明する。図11に示すように、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積してX%になる値Aと、Y(Y>X)%になる値B(B>A)との差として、標準偏差σが算出される。
ここで、X%は、図12に示すように、強度値LOG(V)の頻度分布が正規分布になる場合(ノッキングが発生していない場合)において、最小値からVMED―2×σまでの値をとる強度値LOG(V)の割合である。
同様に、Y%は、図12に示すように、強度値LOG(V)に頻度分布が正規分布になる場合(ノッキングが発生していない場合)において、最小値からVMED―σまでの値をとる強度値LOG(V)の割合である。これらの割合は、予め実験やシミュレーション等に基づいて定められる理論値である。
このような標準偏差σを用いて算出されたノック判定レベルV(KD)と、前述した図8に示した頻度分布とを用いて、ノッキングの発生頻度が算出される。なお、図8に示した頻度分布は、図13に示すように、検出された強度値LOG(V)のうちの破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)を用いて作成される。
すなわち、前述した図9に示す頻度分布に比べて、しきい値V(1)より大きく、かつかつ相関係数Kがしきい値K(1)以上のサイクルにおける強度値LOG(V)がさらに抽出される。
図14を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が、ノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定して点火時期を制御するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEを検出するとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLを検出する。
S102にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度を検出する。振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。強度の検出は、燃焼行程において上死点から90度(クランク角で90度)までの間で行なわれる。
S104にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表わす値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(積算値)を算出する。積算値の算出は、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの振動ごとに行なわれる。さらに第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値が、クランク角度に対応して加算されて、エンジン100の振動波形が検出される。
S106にて、エンジンECU200は、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形(エンジン100の振動波形)における積算値のうち、最も大きい積算値(ピーク値P)を算出する。
S108にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形を正規化する。ここで、正規化とは、算出されたピーク値で、各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことをいう。
S110にて、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。S112にて、エンジンECU200は、ノック強度Nを算出する。
S114にて、エンジンECU200は、相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいか否かを判別する。相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS120に移される。
S116にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生したと判定する。S118にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。S120にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生していないと判定する。S122にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
図15を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が、判定値V(KX)を補正するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて検出される強度Vから、強度値LOG(V)を算出(検出)する。ここで、強度Vは、予め定められたクランク角の間におけるピーク値(5度ごとの積算値のピーク値)である。
S202にて、エンジンECU200は、検出された強度値LOG(V)のうち、前述の図9に示す破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)を用いて、前述の図10に示すノック判定レベルV(KD)を算出する。
S204にて、エンジンECU200は、前述の図8に示す頻度分布における強度値LOG(V)のうち、ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の割合を、ノック占有率KCとしてカウントする。
S206にて、エンジンECU200は、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きいか否かを判定する。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きい場合(S206にてYES)、処理はS208に移される。そうでない場合(S206にてNO)、処理はS210に移される。
S208にて、エンジンECU200は、判定値V(KX)を、予め定められた補正量だけ小さくする。S210にて、エンジンECU200は、判定値V(KX)を、予め定められた補正量だけ大きくする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEが検出されるとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLが検出される(S100)。また、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度が検出される(S102)。
燃焼行程における上死点から90度までの間において、5度ごとの積算値が第1の周波数帯Aから第3の周波数帯Cの振動ごとに算出される(S104)。算出された第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの積算値がクランク角度に対応して加算され、前述した図4に示すようなエンジン100の振動波形が検出される。
5度ごとの積算値により振動波形を検出することにより、振動の強度が細かく変化する複雑な形状の振動波形が検出されることを抑制することができる。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を容易にすることができる。
算出された積算値に基づいて、第1の周波数帯A〜第3の周波数帯Cの合成波形(エンジン100の振動波形)における積算値のピーク値Pが算出される(S106)。
算出されたピーク値Pでエンジン100の振動波形における積算値が除算されて、振動波形が正規化される(S108)。正規化により、振動波形における振動の強度が0〜1の無次元数で表される。これにより、振動の強度に関係なく検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ(図6参照)、この状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値ΔS(I)が算出される。このΔS(I)の総和ΣΔS(I)およびノック波形モデルにおいて振動の強度をクランク角で積分した値Sに基づいて、K=(S−ΣΔS(I))/Sにより相関係数Kが算出される(S110)。これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。また、振動波形とノック波形モデルとを比較することで、振動の減衰傾向など、振動の挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。
さらに、ピーク値PをBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S112)。これにより、振動の強度に基づいて、エンジン100の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S114にてYES)、ノッキングが発生したと判定され(S116)、点火時期が遅角される(S118)。これにより、ノッキングの発生が抑制される。相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい状態ではない場合(S114にてNO)、ノッキングが発生していないと判定され(S120)、点火時期が進角される(S122)。このようにして、ノック強度Nと判定値V(KX)とを比較することにより1点火サイクルごとにノッキングが発生したか否かが判定され、点火時期が遅角されたり、進角されたりする。
ところで、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値V(KX)を補正し、実際に検出される強度に応じた判定値V(KX)を用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そこで、ノッキングの発生頻度に応じて判定値V(KX)を補正するために、本実施の形態においては、強度値LOG(V)が算出(検出)される(S200)。このとき、エンジン100においては、ノッキングに起因する振動以外に、吸気バルブ116や排気バルブ118が閉じる際(着座する際)や、インジェクタ104(特に筒内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ)、インジェクタ104に燃料を供給する高圧ポンプ120等の作動に生じる振動(ノイズによる振動)が生じる。
このノイズにより得られた強度値LOG(V)を用いて、前述した頻度分布を作成した場合、ノッキングの有無とは関係なく、中央値VMEDおよび標準偏差σが大きくなったり小さくなったりする。この場合、中央値VMEDに係数U(1)と標準偏差σとの積を加算して算出されるノック判定レベルV(KD)が、ノッキングとは関係のない振動により大きくなったり小さくなったりする。
したがって、ノイズによる強度値LOG(V)と考えられる強度値LOG(V)を取除くため、図9を用いて説明したように、相関係数Kがしきい値K(1)未満のサイクルにおける強度値LOG(V)が除外される。
ところが、強度が大きい振動においては、ノイズによる振動とノッキングによる振動との波形形状の差が顕著に現れる一方で、強度が小さい振動においては、ノイズによる振動とノッキングによる振動との波形形状の差が顕著であるとは限らない。たとえば、ノッキングによる振動であっても、その強度が小さいと、相関係数Kが小さくなり得る。
したがって、相関係数Kがしきい値K(1)未満のサイクルにおける強度値LOG(V)を除外すると、相関係数Kがしきい値K(1)未満になるノッキングが多い場合(小さい強度の振動になるノッキング多い場合)、図16において一点鎖線で示すように、中央値VMED以下の強度値が少なくなる。逆に、相関係数Kがしきい値K(1)以上になるノッキングが多い場合(大きい強度の振動になるノッキング多い場合)、図16において二点鎖線で示すように、中央値VMED以下の強度値が多くなる。
したがって、ノッキングが発生している状態であっても、頻度分布が変化する。この場合、中央値VMED以下の強度値LOG(V)から算出される標準偏差σが大きくなったり小さくなったりする。そのため、標準偏差σを用いて算出されるノック判定レベルV(KD)が安定しない。
そこで、本実施の形態においては、中央値VMED以下の強度値LOG(V)に関しては、相関係数Kによらず、全ての強度値LOG(V)が抽出されて、ノック判定レベルV(KD)が算出される(S202)。
これにより、ノック判定レベルV(KD)を算出するために用いられるLOG(V)の頻度分布を安定させることができる。そのため、安定したノック判定レベルV(KD)を得ることができる。
このようなノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の割合がノック占有率KCとしてカウントされる(S204)。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも大きい場合(S206にてYES)、点火時期の遅角制御(S118)が行なわれる頻度が高くなるように判定値V(KX)が小さくされる(S208)。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも小さい場合(S206にてNO)、点火時期の進角制御(S122)が行なわれる頻度が高くなるように判定値V(KX)が大きくされる(S210)。これにより、1点火サイクルごとのノッキング判定における判定値V(KX)を適切に補正し、点火時期を適切に制御することができる。
以上のように、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUによれば、中央値VMED以下の領域においては、相関係数Kに関係なく、全ての強度値LOG(V)が抽出されて、ノック判定レベルV(KD)が算出される。これにより、ノック判定レベルV(KD)を算出するために用いられるLOG(V)の頻度分布を安定させることができる。そのため、安定したノック判定レベルV(KD)を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、強度値LOG(V)の頻度分布が正規分布になる場合において、最小値からVMED―2×σまでの値になる強度値LOG(V)の割合としてX%を規定していたが、最小値からVMED―3×σまでの値になる強度値LOG(V)の割合としてX%を規定するようにしてもよい。この場合、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積してX%になる値Aと、Y%になる値Bとの差を「2」で除算して標準偏差σを算出するようにしてもよい。
さらに、最小値からVMED―I×σ(Iは2より大きい正数)までの値になる強度値LOG(V)の割合としてX%を規定し、最小値からVMED―(I−1)×σまでの値になる強度値LOG(V)の割合としてY%を規定するようにしてもよい。この場合、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積してX%になる値Aと、Y%になる値Bとの差として、標準偏差σを算出するようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、算出された標準偏差σを用いて中央値VMEDを逆算する点で、前述の第1の実施の形態と相違する。その他の構造については前述の第1の実施の形態と同じである。それらの機能についても同じである。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
図17を参照して、本実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECU200が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、前述の第1の実施の形態におけるプログラムと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの機能についても同じである。したがって、ここではその詳細な説明を繰返さない。
S300にて、エンジンECU200は、検出された強度値LOG(V)のうち、前述の図9に示す破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)を用いて、前述の図11に示す標準偏差σを算出する。
S302にて、エンジンECU200は、前述の図11に示す頻度分布において、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積してX%になる値Aに2×σを加算することにより、中央値VMED(2)として逆算(算出)する。
S304にて、エンジンECU200は、算出された標準偏差σおよび中央値VMED(2)を用いて、ノック判定レベルV(KD)を算出する。
このようにすれば、相関係数K(ノッキングによる振動の強度の大きさ)に関わらず、安定した頻度分布を用いて、安定した中央値VMEDを得ることができる。そのため、中央値VMEDに、係数U(1)と標準偏差σとの積を加算して算出されるノック判定レベルV(KD)をさらに安定させることができる。
<その他の実施の形態>
図18に示すように、ノイズによる振動の強度が大きい場合は、ノッキング時の積算値の最大値とノイズによる積算値の最大値との差が小さく、ノック強度Nからはノッキングとノイズとを区別し難くなるおそれがある。そのため、積算値のピーク値Pの代わりに、図19に示すように、振動波形における積算値の総合計(ノック検出ゲートにおけるノックセンサ300の出力電圧値をすべて積算した値)を用いてノック強度Nを算出するようにしてもよい。すなわち、振動波形における積算値の総合計をBGLにより除算して、ノック強度Nを算出するようにしてもよい。
図19に示すように、ノイズによる振動の発生期間は、ノッキングによる振動の発生期間よりも短いので、ノッキングとノイズとでは、積算値の総合計は大きく異なり得る。したがって、積算値の総合計に基づいてノック強度Nを算出することにより、ノッキング時に算出されるノック強度Nと、ノイズにより算出されるノック強度Nとの差を大きくすることができる。これにより、ノッキングによる振動とノイズによる振動とを明確に区別することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUにより制御されるエンジンを示す概略構成図である。 ノッキング時にエンジンで発生する振動の周波数帯を示す図である。 図1のエンジンECUを示す制御ブロック図である。 エンジンの振動波形を示す図である。 エンジンECUのROMに記憶されたノック波形モデルを示す図である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図である。 エンジンECUのROMもしくはSRAMに記憶された判定値V(KX)のマップを示す図である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その1)である。 ノック判定レベルV(KD)を作成するために用いられる強度値LOG(V)を示す図である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その2)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その3)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その4)である。 図8に示す強度値LOG(V)の頻度分布を作成するために用いられる強度値LOG(V)を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その5)である。 本発明の第2の実施の形態に係る点火時期制御装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 ノッキング時の積算値とノイズによる積算値とを示す図(その1)である。 ノッキング時の積算値とノイズによる積算値とを示す図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、116 吸気バルブ、118 排気バルブ、120 ポンプ、200 エンジンECU、202 ROM、204 SRAM、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ、314 エアフローメータ、320 補機バッテリ。

Claims (7)

  1. 内燃機関の点火時期制御装置であって、
    前記内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値を、複数の点火サイクルにおいて検出するための検出手段と、
    検出された強度値のうち、検出された強度値の最大値よりも小さくなるように予め定められた値以下の強度値を全て抽出するための抽出手段と、
    抽出された強度値に基づいて、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられる演算を行なうための演算手段と、
    前記演算の結果に基づいて、ノッキングの発生頻度を判定するための判定手段と、
    ノッキングの発生頻度に基づいて、前記内燃機関の点火時期を制御するための制御手段とを含む、内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記予め定められた値は、検出された強度値における中央値である、請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記演算手段は、抽出された強度値のうち、前記中央値よりも小さい第1の強度値と、前記第1の強度値よりも小さい第2の強度値との差に基づいて、前記強度値の標準偏差を算出するための手段を含む、請求項2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 前記演算手段は、前記第1の強度値と前記第2の強度値との差を予め定められた係数で除算することにより、前記強度値の標準偏差を算出するための算出手段を含む、請求項3に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 前記点火時期制御装置は、前記第1の強度値および前記第2の強度値のうちのいずれか一方の強度値と、前記算出手段により算出された標準偏差とに基づいて、強度値の中央値を逆算するための手段をさらに含む、請求項3または4のいずれかに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 前記点火時期制御装置は、算出された標準偏差と予め定められた係数との積を中央値に加算することにより、ノッキングの発生頻度を判定するために用いられるノック判定レベルを算出するための手段をさらに含み、
    前記判定手段は、検出された強度値のうち、前記ノック判定レベルよりも大きい強度値に基づいてノッキングの発生頻度を判定するための手段を含む、請求項3〜5のいずれかに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  7. 前記点火時期制御装置は、前記内燃機関で発生する振動の強度に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するためのノック強度算出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、ノッキングの発生頻度に基づいて判定値を補正し、補正された判定値と前記ノック強度とを比較した結果に基づいて、前記内燃機関の点火時期を制御するため手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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