JP2007162352A - 建材取付金具及び取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】建材同士の縦継目が柱スパン間に位置する場合であっても該建材の横ズレを防止することができる建材の取付金具及び取付構造を提供する。
【解決手段】取付金具1は、取付金具本体20と横長材10とからなる。取付金具本体20の係止部24によって下段側の建材50の上部を係止し、支持部26によって上段側の建材50を支承する。取付金具本体20は横長材10の左端又は右端に設けられた突部13と、横長材10の上辺の係止片12とに係合保護されている。横長材10は、取付金具本体の素体20’と共にビス2により柱の縦胴縁54に固着されている。
【選択図】図4
【解決手段】取付金具1は、取付金具本体20と横長材10とからなる。取付金具本体20の係止部24によって下段側の建材50の上部を係止し、支持部26によって上段側の建材50を支承する。取付金具本体20は横長材10の左端又は右端に設けられた突部13と、横長材10の上辺の係止片12とに係合保護されている。横長材10は、取付金具本体の素体20’と共にビス2により柱の縦胴縁54に固着されている。
【選択図】図4
Description
本発明は建材の取付金具と、それを用いて建材を柱に取り付けた構造に関するものである。詳しくは、柱に対し複数の板状建材を上下に多段に取り付ける場合に採用される取付金具と、この取付金具を用いた建材の取付構造とに関するものである。さらに詳しくは、この取付金具が建材の横ずれ防止機構を備えたものに関する。
板状の建材を建築物の外壁等の壁面に対し、上下に多段に且つ水平左右方向に並列させて取付施工する場合、建材の上辺及び下辺を金具で支承することが多い。この金具として、下段側の建材の上辺を支持する支持部と、上段側の建材の下辺を係止する係止部を有し、釘又はビスによって壁面に固定されるものが用いられている。
第6図はかかる取付金具の従来の一例(特開平8−120894号)を示す斜視図である。この取付金具(同号公報では接合金具と指称している)80は、基台82と、該基台82上に立設される幹板部84と、該幹板部84の上縁から両側に延設される枝板部85A,85Bとからなる。88Aはビス穴、88Bは釘穴である。この枝板部85Aによって下段側の建築板の上辺を支承し、枝板部86Bによって上段側の建築板の下辺を支承する。
このように板状建材(建築板)の上辺と下辺とを支承した場合、強風、地震、振動その他の外力が加えられたときに、建材が横ずれするおそれがある。この横ずれを防止するために、上記の特開平8−120894号においては、第6図の通り、基台82の一側縁から係止板87を前方に突設している。
ところで、従来、取付金具を用いて建材を柱に取付施工するに際し、第7図の通り、建材50同士の縦継目Jが柱52の胴縁54の前方に来る場合、通常の取付金具60にて建材を柱に留め付けることができる。なお、第7図において、柱52の前面に防水シート56が張られ、胴縁54が釘留めされ、板状建材50が下段側から順次に取付施工される。この建材の上辺には雄実50aが設けられ、下辺には雌実50bが設けられている。
下段側の建材50の雄実50aに取付金具60を係合させ、この取付金具60を釘又はビスにより胴縁54に留め付ける。次いで、下段側建材50の雄実50aに上段側建材50の雌実50bを係合させると共に、この雌実50bを取付金具60に係合させる。以下、この手順を繰り返すことにより壁面が構築される。
ところが、建材の左右寸法が柱スパンの整数倍でない場合などには、建材同士の縦継目が柱同士のスパン間に来ることになり、この場合には、前記第6図の取付金具60では縦継目を挟んで隣り合う建材を跨ぐことができず、両建材の出入りに差が生じることになる。
かかる短所を克服するものとして、特開2004−270341号公報には、柱同士の間にレールを架設し、該レールにストッパ片付き建材取付金具をスライド可能に取り付け、該建材取付金具をレールに沿ってスライドさせてストッパ片を建材の側面同士の間に入り込ませた後、建材取付金具をレールに固定することが記載されている。
特開平8−120894号公報
特開2004−270341号公報
この特開2004−270341号公報では、レールに建材取付金具をスライド自在に装着しており、構成が若干複雑であり、コスト高である。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、建材同士の縦継目が柱スパン間に位置する場合に該建材の横ズレを防止することができる建材の取付金具及び取付構造を安価に提供することを目的とする。
また、本発明は、横長材の端部に取付金具本体を仮留めしておいて取付金具を柱に留め付けることができる建材の取付金具及び取付構造を提供することを目的とする。
請求項1の建材取付金具は、建物の柱に対し板状の建材を取り付けるための取付金具であって、柱の前面に取り付けられる横長板状の横長材と、下段側建材の上部を前後移動不能に係止する係止部、上段側の建材の下部が載荷され、該建材下部を前方移動不能に支持する支持部、及び、該下段側建材の側面に当接して建材の横移動を阻止するストッパ片を有する取付金具本体と、を有し、該横長材の前面に該取付金具本体が装着される建材取付金具において、前記横長材の長手方向の両端側に、前方へ突出する突部が設けられ、該取付金具本体に、該突部が係合する孔が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の建材取付金具は、請求項1において、前記突部は、該孔を通過する前方突出部と、該前方突出部から垂設され、該孔の縁部に係合した係合部とを有することを特徴とするものである。
請求項3の建材取付金具は、請求項1又は2において、前記横長材は、平板状であり、該取付金具本体が前面に重ねられる主板と、該主板の上縁から前方へ突設され、該取付金具本体の上縁を係止する係止片とを有することを特徴とするものである。
請求項4の建材取付金具は、請求項1ないし3のいずれか1項において、該横長材の長手方向に沿って、該取付金具を柱に留め付けるための留付具の挿通用のスリットが設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の建材の取付構造は、壁面の柱列に対し複数枚の板状の建材を取付金具によって取り付けた建材の取付構造において、少なくとも一部の該建材同士の縦継目が柱同士のスパン間に位置しており、該柱に請求項1ないし4のいずれか1項に記載の取付金具の横長材が固定され、該取付金具の取付金具本体に建材が留め付けられ、該取付金具本体のストッパ片が建材同士の縦継目間に差し込まれていることを特徴とするものである。
本発明の建材取付金具は、横長材と取付金具本体とを有し、この横長材に取付金具本体が固着されている。このため、横長材に対し取付金具本体をスライド自在に装着するための機構が不要であり、構造が簡易で安価なものとなる。
本発明の建材取付金具は、ストッパ片を下段側建材同士の継目に差し込み、横長材を1つの柱に取り付けるようにして建材取り付けに用いられる。
なお、吾国の建築構造では、柱・間柱(スタッド)間隔は最大でも500mmである。従って、建材同士の縦継目が柱からずれたとしても、このずれ幅は、最寄りの柱から250mm以下となる。従って、横長材の長さを250〜500mmとし、横長材の端部に最端部に取付金具本体を固着しておくことにより、建材同士の縦継目が如何なる位置にあっても、ストッパ片を建材同士の縦継目に差し込んでその横ズレを防止することができる。
本発明では、取付金具本体の孔を横長材の突部に係合させることにより、取付金具本体を横長材に仮留めしておくことができる。従って、柱間に横長材を渡して取付けない場合、即ち、1本の柱に横長材を固定する場合において、左右どちら側でも取付金具本体を固定でき、部材点数を減らすことが可能である。さらに、施工時に取付金具本体を手で押えておくことなく横長材の柱への留め付け作業を行うことができる。
この突部としては、前方突出部と、該前方突出部から垂設された係合部とを有するものが好適である。この係合部を孔の縁部に係合させることにより、取付金具本体が横長材に対ししっかりと保持される。
横長材の上縁に係止片を前方に向って突設し、取付金具本体の上縁を該係止片に係止させることにより、取付金具本体を横長材に対ししっかりと保持させることができる。
本発明の構造にあっては、取付金具本体の位置を合わせた後、横長材を建物の片方の柱に固定するようにするため、施工が簡単である。従来のように取付金具本体の両側にある柱両方に取付金具本体を止めつける場合に比べ、本発明の場合、柱への固定位置と金具本体の位置の微妙な調整も必要ないため極めて施工が容易である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係る取付金具の斜視図、第2図は横長材の斜視図、第3図はこの取付金具の分解斜視図、第4図は取付金具の拡大斜視図、第5図はこの取付金具を用いた建材取付構造を示す斜視図、第6図はこの構造における第4図のVI−VI線断面図である。
この取付金具1は、長手方向の長さが好ましくは250〜500mm、特に好ましくは300〜350mmの横長板状の横長材10と、この横長材10の長手方向の一端側に固着された取付金具本体20とからなる。この実施の形態では、取付金具本体20は横長材10の左端に装着されているが、右端に装着されてもよい。
横長材10は、長方形の板材よりなる主板11と、該主板11の一長手辺(上辺)を前面側へ逆L形に折曲して形成した係止片12、主板11から突設された突部13と、スリット14とを有する。
この係止片12は、水平部12aと、該水平部12aの前端から垂下する垂下部12bとを有している。取付金具本体20の上辺が、この垂下部12bと主板11との間に差し込まれる。
突部13は、主板11から前方に突出する前方突出部13aと、該前方突出部13aの前端から垂下する係合部13bとを有する。この突部13は、後述する取付金具本体20の孔30に差し込まれて係合する。
スリット14は、主板11の上下方向の中央を左右方向に延在している。このスリット14を通してビス2を柱に打つことができる。
次に、取付金具本体20の構成について詳細に説明する。
該取付金具本体20の素体は、柱又は間柱に固定されるベース部22と、このベース部22から切り起こしにより形成された、下段側の建材の上辺を係止する係止部24及び上段側の建材の下辺を支持する支持部26と、該ベース部22に設けられたストッパ片40の差込み用の開口28と、前記突部13の係合用の孔30とビス孔31とを有している。この実施の形態では、ベース部22の左右両側部分に孔30が設けられ、中央にビス孔31が設けられている。
該ベース部22は柱又は間柱に沿って配置されたときにその前面が全体として該柱又は間柱から所定距離前方に位置する板状のものである。該ベース部22の下縁部及び左右の側縁部からは、脚片部32,34が後方に立設されている。
該開口28は、ベース部22の左右幅方向の中央付近の下縁部に沿って設けられている。
係止部24は、該開口28の切り抜き残片を折曲させた下向きL形片であり、該開口22の上縁部から前方に延出している。支持部26は上向きL形片よりなり、支持部26の左右の両サイドに配置されている。なお、この実施の形態では、ベース部22の左右両側縁部の下部に、下段側の建材の裏面に食い込んだり、側面に当接したりすることが可能な爪片38が突設されている。該爪片38の上下両側にスリット38a,38bが形成されることにより舌片部38cがベース部22に設けられている。このベース部22の先端に爪片38が設けられている。この舌片部38cは後方に向って変形可能である。
この取付金具本体20の素体に対し、ストッパ片40が装着されることにより、取付金具本体20が構成される。
このストッパ片40は、該開口28の下側の縁部を形成する脚片部32を弾性的に挟持する弾性挟持部42と、該弾性挟持部42から下方に垂下した垂下片44を有している。この垂下片44に、建材同士の間に差し込まれるストッパ片本体44aが一体に設けられている。該ストッパ片40は、該弾性挟持部42が脚片部32を挟持することによりベース部22に装着される。
この取付金具本体20は、横長材10の主板11の前面に当てがわれる。この際、取付金具本体20の上縁を係止片12の裏側に差し込むと共に、突部13が孔30に差し込まれる。突部13が孔30内に差し込まれた後、取付金具本体20を若干上方に押し上げる。これにより、突部13の係合部13bが孔30の下側の縁部に係合し、取付金具本体20が横長材10に仮留めされる。
この取付金具本体20及び横長材10よりなる取付金具1を用いた建材の取付構造について第5,6図を参照して説明する。なお、第5,6図では、第8図と同一部分には同一符号を付してある。
柱と間柱がスパン455mmにて立設されており、建材50が柱に沿って下段側から順次に取り付け施工される。この取り付け手順は、取付金具として本発明のものを用いること以外は従来と同様である。なお、第5図でも防水シートが張設されているが、図面を明瞭にするためにその図示は省略されている。これらの建材50及び防水シートの構成は第8図と同様である。
横長材10の左端の取付金具本体20の係止部24が下段側建材50の上辺の雄実50aに係合され、ストッパ片本体44aが該建材50の側面に当接される。その後、この取付金具1の横長材10のうち、柱52の胴縁54に重なる部分に対し、取付金具本体20の素体(ストッパ片40を取り外した状態の取付金具本体20)20’を重ね合わせ、この取付金具本体素体20’のビス孔31及び横長材10のスリット14を通してビス2が胴縁54に打ち込まれ、これにより、取付金具1が柱52に対し固定される。これにより、建材50の上部は前方への移動が拘束される。
なお、第5図では建材50,50の縦継目が柱52の左側に近接しているので、第1図に示すように横長材10の左端に取付金具本体20を装着した取付金具1(左側用)を用いているが、縦継目が柱52の右側に近接しているときには、横長材10の右端に取付金具本体20を装着した取付金具(右側用)を用いる。なお、取付金具本体20の横長材10への装着は現場に合せて右側用、左側用の両方に用いることができる。従って、取付用金具本体がビス等で固定されたときのように右側用、左側用の各々の部材を用意する必要がない。
次いで、この建材50に水平に隣接する建材50を施工する。これらの建材50のうち、間柱53と重なる部分については、取付金具本体20の素体20’を介して間柱53に留め付けられる。この素体20’留め付け用ビス2は、間柱53の前面の胴縁54に打ち込まれている。
下段側のすべての建材50の施工が終了した後、上段側の建材50の施工を行う。この場合、上段側の建材50の下辺の雌実50bを支持部26に載置する。これにより、建材50が支承されると共に、建材50の下部の前方への移動が拘束される。上段側の建材50の上辺は、取付金具1を用いて上記と同様にして柱又は間柱の胴縁54に留め付けられる。
なお、建材同士の縦継目が柱又は間柱に重なるときには、横長材10を連結しない取付金具本体20を用いれば足りる。
上記のように、この実施の形態では横長材10と取付金具本体20とからなる取付金具1を用いているので、建材50の縦継目Jが柱、間柱の胴縁54から外れていても左右に隣接する建材50を面出入りを揃えて取付施工することができる。しかも、取付金具1のストッパ片40により、建材50の横ズレも防止される。
この取付金具1は、板状の横長材10と取付金具本体20とからなるものであり、構成が簡易で安価である。なお、取付金具本体20としては、横長材10を水平に取り付け可能なものであれば、市販品を用いることができる。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
上記実施の形態では、突部13は逆L字形であるが、孔30に入り込むものであればよく、例えば筒軸心線方向と主板11の板面と垂直方向とした短い円筒形の突部を設けてもよい。ただし、上記実施の形態の通り、逆L形の突部13であれば、孔30の縁部に係合するので、取付金具本体20を横長材10に対ししっかりと保持させることができる。
1 取付金具
2 ビス
10 横長材
12 係止片
13 突部
13a 前方突出部
13b 係合部
14 スリット
20 取付金具本体
20’ 取付金具本体の素体
24 係止部
26 支持部
30 孔
31 ビス孔
40 ストッパ片
44a ストッパ片本体
2 ビス
10 横長材
12 係止片
13 突部
13a 前方突出部
13b 係合部
14 スリット
20 取付金具本体
20’ 取付金具本体の素体
24 係止部
26 支持部
30 孔
31 ビス孔
40 ストッパ片
44a ストッパ片本体
Claims (5)
- 建物の柱に対し板状の建材を取り付けるための取付金具であって、
柱の前面に取り付けられる横長板状の横長材と、
下段側建材の上部を前後移動不能に係止する係止部、上段側の建材の下部が載荷され、該建材下部を前方移動不能に支持する支持部、及び、該下段側建材の側面に当接して建材の横移動を阻止するストッパ片を有する取付金具本体と、
を有し、該横長材の前面に該取付金具本体が装着される建材取付金具において、
前記横長材の長手方向の両端側に、前方へ突出する突部が設けられ、
該取付金具本体に、該突部が係合する孔が設けられていることを特徴とする建材取付金具。 - 請求項1において、前記突部は、該孔を通過する前方突出部と、該前方突出部から垂設され、該孔の縁部に係合した係合部とを有することを特徴とする建材取付金具。
- 請求項1又は2において、前記横長材は、
平板状であり、該取付金具本体が前面に重ねられる主板と、
該主板の上縁から前方へ突設され、該取付金具本体の上縁を係止する係止片と
を有することを特徴とする建材取付金具。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、該横長材の長手方向に沿って、該取付金具を柱に留め付けるための留付具の挿通用のスリットが設けられていることを特徴とする建材取付金具。
- 壁面の柱列に対し複数枚の板状の建材を取付金具によって取り付けた建材の取付構造において、
少なくとも一部の該建材同士の縦継目が柱同士のスパン間に位置しており、
該柱に請求項1ないし4のいずれか1項に記載の取付金具の横長材が固定され、該取付金具の取付金具本体に建材が留め付けられ、該取付金具本体のストッパ片が建材同士の縦継目間に差し込まれていることを特徴とする建材の取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005360617A JP2007162352A (ja) | 2005-12-14 | 2005-12-14 | 建材取付金具及び取付構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111032978A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-04-17 | 日吉华株式会社 | 安装件及建筑物的壁结构 |
-
2005
- 2005-12-14 JP JP2005360617A patent/JP2007162352A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN111032978A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-04-17 | 日吉华株式会社 | 安装件及建筑物的壁结构 |
US11428013B2 (en) | 2017-09-29 | 2022-08-30 | Nichiha Corporation | Mounting member and building wall structure |
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