従来、多くの建築物の外壁材3は図20や図21に示すように取り付けられている。具体的には、まず図20に示すように基礎23の上に土台24を設置し、この土台24の上に複数の柱25を所定間隔をあけて立設する。次に各柱25の屋外側に防水紙26を張設した後、この防水紙26を介して各柱25の屋外側に壁下地2(縦胴縁)を設置する。その後、この壁下地2に下から順に外壁材3を左右隣接させて取り付けていくものであるが、このとき各外壁材3は壁下地2に固定された複数の支持金具(図示省略)によって支持されているものである。
そして、このようにして複数の外壁材3を下から順に取り付けていくと、やがて軒天井34の下部において通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が残ってしまう場合がある。この場合、既に取り付けた外壁材3の上にさらに外壁材3を取り付けようとすると軒天井34が邪魔になるので、軒天井34の下部に残った領域は通常の外壁材3のままでは覆い隠すことができない。
そこで、このような場合には、図22に示すように、外壁材3の上部の余分な箇所を切り落とし、所望の大きさに形成した外壁材3を釘、ねじ等の固定具38を用いて壁下地2に取り付けることによって、軒天井34の下部に残った領域を覆い隠すようにしている。
しかし、図22に示す場合にあっては、釘、ねじ等の固定具38を直接外壁材3に打ち込んだりねじ込んだりしているので、外観が悪くなるおそれがある。なお、図22において、39はスペーサーであって、外壁材3と壁下地2との間の隙間を確保するためのものであり、また35及び36はそれぞれシーリング及びバックアップ材であって、外壁材3と軒天井34との間の隙間を充填するためのものである。
ところで、外壁材3は、窓を形成する箇所を避けて取り付けられるが、このような場合に外壁材3を窓枠37の側端部に近接させて取り付けることができるようにしたサイディング取付金具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして特に特許文献1に記載のサイディング(外壁材3)の上部及び下部にはサイディング取付金具が使用できるようにあらかじめ上サネ及び下サネが設けられている。
しかし、窓枠37の下縁の高さと外壁材3の上縁の高さが一致するのは稀であり、通常は図20や図21に示すように両者の高さは一致しない。これは、窓枠37の上縁の高さと外壁材3の下縁の高さについても同様である。そのため、窓枠37の下部又は上部に通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が残ってしまう場合がある。この場合、既に取り付けた外壁材3の上又は下にさらに外壁材3を取り付けようとすると窓の一部を塞いでしまうことになるので、窓枠37の下部又は上部に残った領域は通常の外壁材3のままでは覆い隠すことができない。
そこで、このような場合には、図23に示すように、外壁材3の上部又は下部の余分な箇所を切り落とし、所望の大きさに形成した外壁材3を釘、ねじ等の固定具38を用いて壁下地2に取り付けることによって、窓枠37の下部又は上部に残った領域を覆い隠すようにしている。この場合、外壁材3を所望の大きさに形成するために上サネ又は下サネを余分な箇所として切り落としてしまっているので、特許文献1に記載されているような従来のサイディング取付金具は使用することができなくなり、上記のように釘、ねじ等の固定具38を使用せざるを得なくなるものである。
しかし、図23に示す場合にあっても、図22に示す場合と同様に、釘、ねじ等の固定具38を直接外壁材3に打ち込んだりねじ込んだりしているので、外観が悪くなるおそれがある。なお、図23において、39はスペーサーであって、外壁材3と壁下地2(横胴縁)との間の隙間を確保するためのものであり、また35及び36はそれぞれシーリング及びバックアップ材であって、外壁材3と窓枠37との間の隙間を充填するためのものである。
特開2007−217972号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、釘、ねじ等の固定具を直接外壁材に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材を壁下地に取り付けることができると共に、複数の外壁材を隣接させて壁下地に取り付けていく場合に、通常の外壁材の大きさよりも小さな領域が軒天井の下部や窓枠の上部・下部に残ってしまったとしても、所望の大きさに切断した外壁材を壁下地に取り付けることによって前記領域を覆い隠して無くすことができる外壁材取付金具及び外壁材取付構造を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る外壁材取付金具は、建築物の壁下地2に外壁材3を取り付けるために用いられる外壁材取付金具1であって、前記外壁材取付金具1は、前記外壁材3と係合される係合金具4と、前記壁下地2に固定され、前記係合金具4と係合される固定金具5とからなり、前記係合金具4は、前記外壁材3の上部又は下部を切断して現れた切断面に引っ掛けて係合するための引掛部7と、前記固定金具5と係合するための差込部8とを設けて形成されていると共に、前記固定金具5は、矩形板状の固定部17の両側縁から屋外側に延出された二箇所の延出片18にそれぞれ、前記差込部8が差し込まれて係合されるように形成された受け部9を設けて形成され、前記各受け部9は、前記延出片18の先端から前記固定部17と平行かつ逆向きに設けられた第一受け片20と、前記第一受け片20の先端から屋外側に設けられた第二受け片21と、前記第二受け片21の先端から前記第一受け片20と向き合うように設けられた第三受け片22とからなり、断面略コ字状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記引掛部7は、前記切断面に形成された溝6に引っ掛けて係合されることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1において、前記引掛部7は、前記外壁材3の屋外側の面に引っ掛けて係合されることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1において、前記引掛部7は、前記切断面に突き刺して引っ掛けて係合されることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1において、前記引掛部7は、前記外壁材3の上部又は下部を屋外側に下り傾斜又は上り傾斜するように切断して現れた切断面に引っ掛けて係合されることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1において、前記引掛部7は、前記外壁材3の上部又は下部を段差状に切断して現れた引掛突部40の切断面に引っ掛けて係合されることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記係合金具4の差込部8に鋸歯状の突条10が形成されていると共に、前記固定金具5の受け部9に前記鋸歯状の突条10と逆向きの鋸歯状の突条11が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係る外壁材取付構造は、請求項2に記載の外壁材取付金具1を用いて建築物の壁下地2に外壁材3を取り付けることによって形成された外壁材取付構造であって、前記外壁材3の上部又は下部を切断して現れた切断面に溝6が形成され、前記溝6に前記係合金具4の引掛部7を引っ掛けることによって、前記外壁材3と前記係合金具4とが係合されていると共に、前記固定金具5が前記壁下地2に固定され、前記係合金具4の差込部8を前記固定金具5の受け部9に差し込むことによって、前記係合金具4と前記固定金具5とが係合されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に係る外壁材取付構造は、請求項2に記載の外壁材取付金具1を用いて建築物の窓枠37の下部の壁下地2に外壁材3を取り付けると共に、支え片41及び固定片42を設けて形成された受け金具43を用いて前記窓枠37の上部の壁下地2に他の外壁材3を取り付けることによって形成された外壁材取付構造であって、前記窓枠37の下部に取り付けられる外壁材3の上部を切断して現れた切断面に溝6が形成され、前記溝6に前記係合金具4の引掛部7を引っ掛けることによって、前記外壁材3と前記係合金具4とが係合されており、前記固定金具5が前記窓枠37の下部の壁下地2に固定され、前記係合金具4の差込部8を前記固定金具5の受け部9に差し込むことによって、前記係合金具4と前記固定金具5とが係合されていると共に、前記窓枠37の上部に取り付けられる外壁材3の下部を切断して現れた切断面に溝6が形成され、前記溝6に前記受け金具43の支え片41を引っ掛けることによって、前記外壁材3と前記受け金具43とが係合されていると共に、前記受け金具43の固定片42が前記窓枠37の上部の壁下地2に固定されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る外壁材取付金具によれば、釘、ねじ等の固定具を直接外壁材に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材を壁下地に取り付けることができると共に、複数の外壁材を隣接させて壁下地に取り付けていく場合に、通常の外壁材の大きさよりも小さな領域が軒天井の下部や窓枠の上部・下部に残ってしまったとしても、所望の大きさに切断した外壁材を壁下地に取り付けることによって前記領域を覆い隠して無くすことができるものである。
請求項2に係る発明によれば、外壁材と係合金具とを強固に係合することができるものである。
請求項3に係る発明によれば、外壁材の切断面に溝を形成する作業を省略することができると共に、外壁材と係合金具とを強固に係合することができるものである。
請求項4に係る発明によれば、外壁材の切断面に溝を形成する作業を省略することができると共に、外壁材の厚みについて特に制限を受けることなく、外壁材と係合金具とを強固に係合することができるものである。
請求項5に係る発明によれば、外壁材の切断面に溝を形成する作業を省略することができると共に、外壁材の厚みについて特に制限を受けることなく、外壁材と係合金具とを強固に係合することができるものである。
請求項6に係る発明によれば、外壁材と係合金具とを強固に係合することができるものである。
請求項7に係る発明によれば、係合金具の差込部の突条と固定金具の受け部の突条とが噛み合うことによって、係合金具と固定金具との係合の解除を確実に防止することができるものである。
本発明の請求項8に係る外壁材取付構造によれば、釘、ねじ等の固定具を直接外壁材に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材を壁下地に取り付けることができると共に、複数の外壁材を隣接させて壁下地に取り付けていく場合に、通常の外壁材の大きさよりも小さな領域が軒天井の下部や窓枠の上部・下部に残ってしまったとしても、所望の大きさに切断した外壁材を壁下地に取り付けることによって前記領域を覆い隠して無くすことができるものである。
本発明の請求項9に係る外壁材取付構造によれば、釘、ねじ等の固定具を直接外壁材に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材を壁下地に取り付けることができると共に、複数の外壁材を隣接させて壁下地に取り付けていく場合に、通常の外壁材の大きさよりも小さな領域が窓枠の上部・下部に残ってしまったとしても、所望の大きさに切断した外壁材を壁下地に取り付けることによって前記領域を覆い隠して無くすことができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る外壁材取付金具の一例を示すものであり、これは、建築物の壁下地2に外壁材3を取り付けるために用いられるものである。そしてこの外壁材取付金具1は、係合金具4と固定金具5とからなる。
係合金具4は、外壁材3と係合されるものであって、図1(a)に示すように、矩形板状の本体部12に引掛部7と差込部8とを設けて形成されている。引掛部7は、本体部12の上端略中央部から突出して設けられた突出片13と、この突出片13の先端から水平に設けられた水平片14と、この水平片14の先端から垂下して突出片13と向き合うように設けられた引掛片15とからなり、断面略コ字状に形成されている。そして引掛部7の引掛片15は、屋外側に位置しており、図1(d)に示すように、外壁材3の上部(又は下部)を切断して現れた切断面に形成された溝6に引っ掛けられるものである。このようにして、外壁材3と係合金具4とを強固に係合することができるものである。なお、溝6は、外壁材3の切断面の全長にわたって形成してもよいし、外壁材取付金具1を取り付ける所定箇所のみに形成してもよい。また、差込部8は、本体部12の両側縁に差込片16として設けられており、後述するように、固定金具5と係合されるものであって、固定金具5に設けられた受け部9に差し込まれるものである。さらに、係合金具4の本体部12のうち少なくとも差込部8には鋸歯状の突条10が形成されている。
また、固定金具5は、壁下地2に固定され、係合金具4と係合されるものであって、図1(b)に示すように、矩形板状の固定部17の両側縁から屋外側に延出された二箇所の延出片18にそれぞれ受け部9を設けて形成されている。固定部17には、釘、ねじ等の固定具38を挿入して壁下地2に固定するための開孔19が形成されている。また各受け部9は、延出片18の先端から固定部17と平行かつ逆向きに設けられた第一受け片20と、この第一受け片20の先端から屋外側に設けられた第二受け片21と、この第二受け片21の先端から第一受け片20と向き合うように設けられた第三受け片22とからなり、それぞれ断面略コ字状に形成されている。各受け部9において第一受け片20と第三受け片22との間の間隔は、係合金具4の差込部8の差込片16の厚みと略同一であり、また両受け部9の第二受け片21間の長さは、係合金具4の本体部12の両側縁間の長さと略同一である。さらに、固定金具5の受け部9において第一受け片20の屋外側の面及び第三受け片22の屋内側の面には、係合金具4の差込部8に形成された鋸歯状の突条10と逆向きの鋸歯状の突条11が形成されている。なお、係合金具4の鋸歯状の突条10が本体部12の屋外側の面にのみ形成されている場合には、固定金具5の鋸歯状の突条11は第三受け片22の屋内側の面にのみ形成すればよく、また係合金具4の鋸歯状の突条10が本体部12の屋内側の面にのみ形成されている場合には、固定金具5の鋸歯状の突条11は第一受け片20の屋外側の面にのみ形成すればよい。
そして、図1(c)の矢印で示すように、固定金具5の上方から係合金具4の差込部8の差込片16を固定金具5の受け部9に差し込んでいくことによって、係合金具4と固定金具5を係合することができる。このとき、係合金具4の差込部8の突条10と固定金具5の受け部9の突条11とは逆向きに形成されているので、両者が噛み合うことによって、係合金具4と固定金具5との係合の不用意な解除を防止することができるものである。このように、通常、固定金具5の受け部9は、一旦差し込まれた係合金具4の差込部8の差込片16を引き抜いて係合を解除することができないように形成されているが、外壁材3を取り替える場合には、適宜の治具を用いて係合を解除することができる。
図2は本発明に係る外壁材取付金具の他の一例を示すものであり、この外壁材取付金具1も、係合金具4と固定金具5とからなる。なお、固定金具5は図1(b)に示すものと同じである。
図2(a)に示す係合金具4は、矩形板状の本体部12に引掛部7と差込部8とを設けて形成されている。引掛部7は、本体部12の上端略中央部から突出して設けられた突出片13と、この突出片13の先端から水平に設けられた水平片14と、この水平片14の先端から垂下して突出片13と向き合うように設けられた引掛片15とからなり、断面略コ字状に形成されている。そして図2(d)に示すように、引掛部7の水平片14の長さは外壁材3の厚みと略同一であり、また引掛部7の引掛片15は、外壁材3の屋外側の面に引っ掛けられるものである。この場合には、外壁材3の切断面に溝6を形成する作業を省略することができると共に、外壁材3と係合金具4とを強固に係合することができるものである。また、差込部8は、本体部12の両側縁に差込片16として設けられており、図1に示す場合と同様に、固定金具5と係合されるものであって、固定金具5に設けられた受け部9に差し込まれるものである。さらに、係合金具4の本体部12のうち少なくとも差込部8には鋸歯状の突条10が形成されている。
図3は本発明に係る外壁材取付金具の他の一例を示すものであり、この外壁材取付金具1も、係合金具4と固定金具5とからなる。なお、固定金具5は図1(b)に示すものと同じである。
図3(a)に示す係合金具4は、矩形板状の本体部12に引掛部7と差込部8とを設けて形成されている。引掛部7は、本体部12の上端略中央部から突出して設けられた突出片13と、この突出片13の先端から水平に設けられた水平片14と、この水平片14の先端から垂下して突出片13と向き合うように設けられた引掛片15とからなり、断面略コ字状に形成されている。そして引掛部7の引掛片15は、先端に向かって幅が狭くなる台形状に鋭利に形成され、屋外側に位置しており、図3(d)に示すように、外壁材3の上部(又は下部)を切断して現れた切断面に突き刺して引っ掛けられるものである。この場合には、外壁材3の切断面に溝6を形成する作業を省略することができると共に、外壁材3の厚みについて特に制限を受けることなく、外壁材3と係合金具4とを強固に係合することができるものである。また、差込部8は、本体部12の両側縁に差込片16として設けられており、図1に示す場合と同様に、固定金具5と係合されるものであって、固定金具5に設けられた受け部9に差し込まれるものである。さらに、係合金具4の本体部12のうち少なくとも差込部8には鋸歯状の突条10が形成されている。
図4は本発明に係る外壁材取付金具の他の一例を示すものであり、この外壁材取付金具1も、係合金具4と固定金具5とからなる。なお、固定金具5は図1(b)に示すものと同じである。
図4(a)に示す係合金具4は、矩形板状の本体部12に引掛部7と差込部8とを設けて形成されている。引掛部7は、本体部12の上端略中央部から突出して設けられた突出片13と、この突出片13の先端から本体部12の側に傾斜させて設けられた傾斜片44とからなり、断面略V字状に形成されている。そして引掛部7の傾斜片44は、屋外側に位置しており、図4(d)に示すように、外壁材3の上部(又は下部)を屋外側に下り傾斜(又は上り傾斜)するように切断して現れた切断面に引っ掛けられるものである。この場合には、外壁材3の切断面に溝6を形成する作業を省略することができると共に、外壁材3の厚みについて特に制限を受けることなく、外壁材3と係合金具4とを強固に係合することができるものである。また、差込部8は、本体部12の両側縁に差込片16として設けられており、図1に示す場合と同様に、固定金具5と係合されるものであって、固定金具5に設けられた受け部9に差し込まれるものである。さらに、係合金具4の本体部12のうち少なくとも差込部8には鋸歯状の突条10が形成されている。
図5は本発明に係る外壁材取付金具の他の一例を示すものであり、この外壁材取付金具1も、係合金具4と固定金具5とからなる。なお、固定金具5は図1(b)に示すものと同じである。
図5(a)に示す係合金具4は、矩形板状の本体部12に引掛部7と差込部8とを設けて形成されている。引掛部7は、本体部12の上端略中央部から突出して設けられた突出片13と、この突出片13の先端から水平に設けられた水平片14と、この水平片14の先端から垂下して突出片13と向き合うように設けられた引掛片15とからなり、断面略コ字状に形成されている。そして引掛部7の引掛片15は、屋外側に位置しており、図5(d)に示すように、外壁材3の上部(又は下部)を段差状に切断して現れた引掛突部40の切断面に引っ掛けられるものである。このようにして、外壁材3と係合金具4とを強固に係合することができるものである。なお、引掛部7の水平片14の長さは引掛突部40の厚みと略同一である。また、差込部8は、本体部12の両側縁に差込片16として設けられており、図1に示す場合と同様に、固定金具5と係合されるものであって、固定金具5に設けられた受け部9に差し込まれるものである。さらに、係合金具4の本体部12のうち少なくとも差込部8には鋸歯状の突条10が形成されている。
上記のように形成された外壁材取付金具1を用いて建築物の壁下地2に外壁材3を取り付けることによって、図6や図8に示すように外壁材取付構造を形成することができる。なお、図6において、外壁材取付金具1は簡略化して図示している。また、以下では、図1に示す外壁材取付金具1を用いる場合について説明するが、図2〜図5に示す外壁材取付金具1を用いる場合も略同様である。
まず図20に示すように基礎23の上に土台24を設置し、この土台24の上に複数の柱25を所定間隔をあけて立設する。次に各柱25の屋外側に防水紙26を張設した後、この防水紙26を介して各柱25の屋外側に壁下地2(縦胴縁)を設置する。その後、この壁下地2に下から順に外壁材3を左右隣接させて取り付けていくものであるが、このとき各外壁材3は、図6に示すように、壁下地2に固定された複数の支持金具27によって支持されているものである。支持金具27は、押さえ片28と支持片29とを設けて形成されており、押さえ片28によって、外壁材3の上部に設けられた被押さえ部30を押さえて、支持金具27より下に位置する外壁材3を固定することができると共に、支持片29によって、外壁材3の下部に設けられた被支持部31を支持して、支持金具27より上に位置する外壁材3を固定することができるものである。なお、各外壁材3において、被押さえ部30の屋外側には切欠部32が形成され、被支持部31の屋外側には突起部33が形成されており、下に位置する外壁材3の切欠部32に、上に位置する外壁材3の突起部33が嵌まり込むことによって、屋外から支持金具27の押さえ片28及び支持片29が見えないようになっている。
そして、上記のようにして複数の外壁材3を下から順に取り付けていくと、図6(a)に示すように、やがて窓枠37の下部において通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が残ってしまう場合がある。この場合、既に取り付けた外壁材3の上にさらに外壁材3を取り付けようとすると窓枠37が邪魔になるので、窓枠37の下部に残った領域は通常の外壁材3のままでは覆い隠すことができない。
そこで、このような場合には、図6(a)(b)や図8(a)(b)に示すように、まず係合金具4の差込部8の差込片16を固定金具5の受け部9に上方から差し込んで係合金具4と固定金具5とを係合する。ただし、この段階では係合金具4の差込部8の差込片16は固定金具5の受け部9に完全には差し込まないようにしておく。なぜなら、後で係合金具4に外壁材3を係合しやすくするためである。そして釘、ねじ等の固定具38を用いて図6(b)や図8(b)に示すように固定金具5を壁下地2に固定する。なお、先に固定金具5を壁下地2に固定した後、この固定金具5と係合金具4とを係合するようにしてもよい。
他方、外壁材3の上部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。次に図7(a)(b)に示すように外壁材3の上部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。この溝6は、適宜の加工工具を用いて施工現場において容易に形成することができる。ここで、外壁材3としては、図7に示すような中実のものだけではなく、図10(a)に示すような中空孔60が内部に複数設けられたものも用いることができる。そしてこのような外壁材3の場合も、まず上部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。図10(b)において、切断箇所を破線イで示す。次に図10(c)(d)に示すように外壁材3の上部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。このとき溝6は、例えば、図10(d)に示すように中空孔60の屋内側の側面を基準として形成することができる。このような溝6も、適宜の加工工具を用いて施工現場において容易に形成することができる。
そして図6(c)や図8(c)(d)に示すように、外壁材3を持ち上げつつ、外壁材3の切断面に形成した溝6に係合金具4の引掛部7の引掛片15を引っ掛けることによって、この外壁材3と係合金具4とを係合する。なお、実際には溝6の断面は見えないが、図8(c)(d)では溝6の断面が見えるように外壁材3を縦に切断して示している。次に、図6(d)や図8(e)に示すように、まず外壁材3を押し下げて、この外壁材3の被支持部31を支持金具27の支持片29によって支持し、その後、係合金具4を押し下げて引掛部7の引掛片15を溝6にしっかりと差し込んで外壁材3を固定する。あるいは、外壁材3と係合金具4を両方同時に押し下げて、外壁材3の被支持部31を支持金具27の上に載せると共に、係合金具4の引掛部7の引掛片15を溝6にしっかりと差し込んで外壁材3を固定するようにしてもよい。なお、図8(e)でも溝6の断面が見えるように外壁材3を縦に切断して示すと共に、支持金具27の図示は省略している。その後、図6(e)の矢印や図8(f)に示すように、係合金具4の差込部8の差込片16を固定金具5の受け部9に上方から完全に差し込んで係合金具4と固定金具5とを係合する。そして最後に図8(g)に示すようにシーリング35を用いて外壁材3と窓枠37との間の隙間を充填すると、外壁材取付構造が形成され、窓枠37の下部に残った領域を完全に覆い隠すことができるものである。
また、図9に示すようにして外壁材取付構造を形成することもできる。なお、図9においても、外壁材取付金具1は簡略化して図示している。また、以下では、図1に示す外壁材取付金具1を用いる場合について説明するが、図2〜図5に示す外壁材取付金具1を用いる場合も略同様である。また、軒天井34の下部において通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が残る工程までは既述のとおりであるので説明は省略する。
図9(a)(b)に示すように、まず外壁材3の上部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。図9(a)において、切断箇所を破線イで示す。次に図9(b)に示すように外壁材3の上部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。この溝6は、適宜の加工工具を用いて施工現場において容易に形成することができる。ここで、外壁材3としては、図9に示すような中実のものだけではなく、図10(a)に示すような中空孔60が内部に複数設けられたものも用いることができる。そしてこのような外壁材3の場合も、まず上部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。図10(b)において、切断箇所を破線イで示す。次に図10(c)(d)に示すように外壁材3の上部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。このとき溝6は、例えば、図10(d)に示すように中空孔60の屋内側の側面を基準として形成することができる。このような溝6も、適宜の加工工具を用いて施工現場において容易に形成することができる。
そして釘、ねじ等の固定具38を用いて固定金具5を壁下地2に固定すると共に、図9(c)に示すように外壁材3の切断面に形成した溝6に係合金具4の引掛部7の引掛片15を引っ掛けることによって、この外壁材3と係合金具4とを係合する。その後、図9(c)(d)に示すように、係合金具4の差込部8の差込片16を固定金具5の受け部9に上方から差し込んで係合金具4と固定金具5とを係合する。このとき係合金具4に係合された外壁材3の被支持部31は支持金具27の支持片29によって支持されることになる。そして最後にシーリング35及びバックアップ材36を用いて外壁材3と軒天井34との間の隙間を充填すると、外壁材取付構造が形成され、軒天井34の下部に残った領域を完全に覆い隠すことができるものである。
図11は、窓枠37の下部及び上部に通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が残ってしまう場合にも、この領域を所望の大きさに形成した外壁材3及び外壁材取付金具1を用いて完全に覆い隠すことができることを示すものである。窓枠37の下部の場合については、軒天井34の場合と同様の手順で外壁材3を取り付けることになるので説明は省略するが、窓枠37の上部の場合については、外壁材取付金具1を逆向きに用いて外壁材3を取り付けることになる。すなわち、まず外壁材3の下部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。次に外壁材3の下部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。そして釘、ねじ等の固定具38を用いて固定金具5を壁下地2に固定する。このとき固定金具5は、軒天井34の場合とは逆向きに固定する。そして外壁材3の切断面に形成した溝6に係合金具4の引掛部7の引掛片15を引っ掛けることによって、この外壁材3と係合金具4とを係合する。その後、係合金具4の差込部8の差込片16を固定金具5の受け部9に下方から差し込んで係合金具4と固定金具5とを係合する。このとき係合金具4に係合された外壁材3の被押さえ部30は支持金具27の押さえ片28によって押さえられることになる。そして最後にシーリング35及びバックアップ材36を用いて外壁材3と窓枠37との間の隙間を充填すると、外壁材取付構造が形成され、窓枠37の上部に残った領域を完全に覆い隠すことができるものである。
上記のように本発明によれば、釘、ねじ等の固定具38を直接外壁材3に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材3を壁下地2に取り付けることができるものである。また、複数の外壁材3を隣接させて壁下地2に取り付けていく場合に、通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が軒天井34の下部や窓枠37の上部・下部に残ってしまったとしても、係合金具4と固定金具5とからなる外壁材取付金具1を用いて、所望の大きさに切断した外壁材3を壁下地2に取り付けることによって、軒天井34の下部や窓枠37の上部・下部に残った領域を覆い隠して無くすことができるものである。
ところで、図11に示すものでは、係合金具4の差込部8に鋸歯状の突条10が形成され、固定金具5の受け部9に前記鋸歯状の突条10と逆向きの鋸歯状の突条11が形成された図12に示すような外壁材取付金具1を用いる場合について説明したが、このような外壁材取付金具1の代わりに、図13や図14に示すようなものを用いてもよい。
すなわち、図13に示す外壁材取付金具1においては、係合金具4の差込部8の下端に膨出部45が形成され、固定金具5の受け部9に前記膨出部45が嵌合する嵌合凹部46が上下方向に複数形成されている。そして、膨出部45を任意の嵌合凹部46に嵌合させることによって、固定金具5に対して係合金具4が係合する位置を上下方向において調整することができるものである。
また、図14に示す外壁材取付金具1においては、係合金具4の差込部8の下端の屋外側に返し部47が形成され、固定金具5の受け部9の下端に開口部48が形成されている。また、受け部9の第一受け片20と第三受け片22とは、その両者の間隔が返し部47よりも若干狭く形成されているが、その両者の間を返し部47が通過する場合にはその両者の間隔が弾性的に広がるように形成されている。そして、開口部48から突き出た返し部47が第三受け片の下端縁に引っ掛かることによって、係合金具4と固定金具5との係合の不用意な解除を防止することができるものである。
図15は、窓枠37の下部及び上部の壁下地2に外壁材3を取り付けて形成される外壁材取付構造の他の一例を示すものである。窓枠37の下部の場合については、軒天井34の場合と同様の手順で外壁材3を取り付けることになるので説明は省略するが、窓枠37の上部の場合については、受け金具43を用いて外壁材3を取り付けることになる。
ここで、受け金具43は、図17に示すように、支え片41及び固定片42を設けて形成されている。具体的には、受け金具43は、窓枠37の上部の壁下地2に固定される固定片42と、この固定片42の下端から屋外側に下り傾斜させて設けられた下り傾斜片49と、この下り傾斜片49の下端から垂下して設けられ、外壁材3の背面に当接される背面当接片50と、この背面当接片50の下端から水平に設けられ、外壁材3の底面に当接される底面当接片51と、この底面当接片51の先端から上向きに突出して設けられた支え片41とを備えて形成されている。なお、固定片42には、釘、ねじ等の固定具38を挿入して窓枠37の上部の壁下地2に固定するための固定孔52が形成されている。
また、図17に示す受け金具43の代わりに、図18や図19に示す受け金具43を用いることもできる。図18に示す受け金具43は、窓枠37の上部の壁下地2に固定される固定片42と、この固定片42の上端から水平に設けられ、外壁材3の底面に当接される底面当接片51と、この底面当接片51の途中から上向きに突出して設けられ、外壁材3の背面に当接される背面当接片50と、底面当接片51の先端から上向きに突出して設けられた支え片41とを備えて形成されている。なお、固定片42には、釘、ねじ等の固定具38を挿入して窓枠37の上部の壁下地2に固定するための固定孔52が形成されているが、この固定孔52は固定片42の下端縁において開口されている。他方、図19に示す受け金具43は、底面当接片51の長さが外壁材3の厚みと略同一である以外は、図17に示すものと同一である。
以下では、図17に示す受け金具43を用いる場合について説明するが、図18及び図19に示す受け金具43を用いる場合も略同様である。なお、図18及び図19に示す受け金具43を用いる場合には、外壁材3の切断面に溝6を形成する作業を省略することができる。
そして、まず必要に応じて外壁材3の下部の余分な箇所を切り落とし、外壁材3を所望の大きさに形成する。次に外壁材3の下部を切断して現れた切断面に溝6を形成する。一方、釘、ねじ等の固定具38を用いて受け金具43の固定片42を壁下地2に固定した後、外壁材3の切断面に形成した溝6に受け金具43の支え片41を引っ掛けることによって、この外壁材3と受け金具43とを図15(a)に示すように係合する。そして最後に図15(b)に示すようにシーリング35及びバックアップ材36を用いて外壁材3と窓枠37との間の隙間を充填すると、外壁材取付構造が形成され、窓枠37の上部に残った領域を完全に覆い隠すことができるものである。なお、図15において、53は防水テープである。また、バックアップ材36としては、図16に示すように、弾性体で形成され、断面略円形状のものを用いるようにしてもよい。
上記のように本発明によれば、釘、ねじ等の固定具38を直接外壁材3に打ち込んだりねじ込んだりすることなく外壁材3を壁下地2に取り付けることができると共に、複数の外壁材3を隣接させて壁下地2に取り付けていく場合に、通常の外壁材3の大きさよりも小さな領域が窓枠37の上部・下部に残ってしまったとしても、所望の大きさに切断した外壁材3を壁下地2に取り付けることによって前記領域を覆い隠して無くすことができるものである。