JP2007161604A - 竹液の製造方法および竹液 - Google Patents
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Abstract
【課題】竹の有用成分を効率的に抽出することができ、植物生長調整剤および忌避剤として使用することができる竹液の製造技術を提供することにある。
【解決手段】竹を粉砕した粉砕物に微生物と発酵促進用助剤とを添加し、7〜25日間、発酵熱として60℃以上の状態(A、C、E、G)で発酵させて半発酵物を得る半発酵工程と、水に、前記半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合し、所定期間静置して有用成分を抽出する抽出工程と、を有することを特徴とする。発酵を2度行うため、水中での発酵を行いやすくなるとともに有用成分が抽出されやすくなって抽出効率が高まり、短期間で竹液を製造することが可能となる。また、竹は、若竹と筍皮の少なくとも一つを含んでいれば、発酵を行いやすくなるとともに、植物ホルモンやアミノ酸等を含んだ植物生長調整剤として、また、害虫等に対する忌避成分を含んだ忌避剤として利用できる。
【選択図】図1
【解決手段】竹を粉砕した粉砕物に微生物と発酵促進用助剤とを添加し、7〜25日間、発酵熱として60℃以上の状態(A、C、E、G)で発酵させて半発酵物を得る半発酵工程と、水に、前記半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合し、所定期間静置して有用成分を抽出する抽出工程と、を有することを特徴とする。発酵を2度行うため、水中での発酵を行いやすくなるとともに有用成分が抽出されやすくなって抽出効率が高まり、短期間で竹液を製造することが可能となる。また、竹は、若竹と筍皮の少なくとも一つを含んでいれば、発酵を行いやすくなるとともに、植物ホルモンやアミノ酸等を含んだ植物生長調整剤として、また、害虫等に対する忌避成分を含んだ忌避剤として利用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、竹の有用成分を利用した竹液の製造技術に関する。
近年、筍堀り従事者の老齢化と人手不足にともない、食用筍の採掘をしないまま放置され、またその後生長した若竹の伐採をしないまま親竹になるまで放置されている管理不十分な竹林が目立っている。竹林の管理が不十分であると、竹の侵攻が進んで保水力が低下し、また、隣接する杉、ヒノキなどの他木への被害が起こり、きれいな山が喪失してしまうという、自然環境面の問題がある。このため、竹を有効利用することは、環境保全の観点からも切望されている。
一方、竹を有効利用する例として竹酢液が知られており、竹酢液は、作物や野菜等(以下、作物)を栽培する際に、農薬の代わりに害虫の忌避剤として使用されている。竹酢液は竹炭を焼くときに竹の中の成分が気体となって蒸発し、それを冷やすことによってできるものであり、pH2.5〜3.5、成分の80〜90%が水で、残りの10〜20%が有機化合物とされている。また、有機化合物の主体は酢酸であり、微量成分としては、酸類・フェノール類・中性物質類・カルボニル類・塩基性成分などに分かれ、その数は200種類以上存在し、これらの成分が複合的に働いて防除効果をなすとされている。竹酢液の製造方法としては、例えば特許文献1が知られている。
また、竹を有効利用する例として、非特許文献1には、80〜100リットルの水に、竹の生葉や竹を切ったときに出るオガコを約2〜3kg漬け、さらに竹炭4〜5kgを加えて、約2週間で竹液をつくることが記載されている。このようにつくられた竹液は、ミネラルやアミノ酸等が含まれているため作物の栽培には有効であり、また、節の部分に特に多い珪酸塩や安息香酸が溶けており、殺菌力や抗菌力があるとされている。
さらに竹を有効利用する例として、特許文献2には、竹の子を主成分とし発酵させて得られる植物生長調整剤が記載されている。この植物生長調整剤の製造方法としては、皮を剥いだ竹の子を水に入れ、糖質分を加えて微生物に発酵する方法であり、この方法により、植物ホルモンであるオーキシン等が抽出されるとしている。
しかしながら、竹酢液を製造するには、炭を焼くための窯が必要となるなど設備が大がかりなものが必要となる。また、炭を焼く温度や時間などの加減によって竹酢液に含まれる成分が不安定となる恐れがあり、製造には熟練の技術を要する。さらに、竹酢液の主成分は酢酸であり土壌に散布されると土壌pHが低くなるため、土壌改良剤として使用することができない。
また、非特許文献1に記載の竹液は、ミネラル補給としての目的が主であり害虫予防にも使用されるが、竹は繊維質に富むため水に漬け込むのみでは発酵が進みにくく、忌避剤としての有用成分の抽出効率が低くなって害虫の忌避剤としての効果は小さいと推察される。煮出して竹液を製造する場合もあるが、装置が複雑化するという問題がある。また、使用時には忌避剤として使用する竹酢液と混合して使用していることからも、竹液の忌避剤としての効果は小さいと推察される。
特許文献2に記載の植物生長調整剤は、繊維の柔らかい竹の子(筍)を使用しており、繊維の豊富な竹を有効活用するものではない。また、害虫の忌避剤としての効果は無く、農薬の代わりに使用することはできない。
本発明が解決しようとする課題は、竹の有用成分を効率的に抽出することができ、植物生長調整剤および忌避剤として使用することができる竹液の製造技術を提供することにある。
本発明の竹液の製造方法は、竹を粉砕した粉砕物に微生物と発酵促進用助剤とを添加し、7〜25日間、発酵熱として60℃以上の状態で発酵させて半発酵物を得る半発酵工程と、水に、前記半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合し、所定期間静置して有用成分を抽出する抽出工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の竹液は、前記製造方法により製造されることを特徴とする。
また、本発明の竹液は、前記製造方法により製造されることを特徴とする。
本発明においては、発酵を2度行うことに特徴がある。すなわち、予め半発酵させてから、水中において発酵させるため、水中での発酵を行いやすくなるとともに有用成分が抽出されやすくなって抽出効率が高まり、短期間で竹液を製造することが可能となる。
ここで、半発酵とは、竹の難分解性繊維の一部が分解されていることを意味し、前記期間および前記温度条件であれば、好適に半発酵状態とすることができる。より詳しくは、発酵開始後、発酵熱として60℃以上、好ましくは70℃以上の状態で発酵を維持し、しばらくすると、酸欠状態となって微生物の活動が低下し、温度が徐々に低下して60℃未満になる。この時に再度切り返すと、酸欠状態が解消されて微生物の活動が再度活発になり、温度は再び60℃以上(好ましくは70℃以上)となる。このように、温度が60℃未満に低下した後に切り返しを3度、7〜25日程度かけて発酵を行えば、良好な半発酵状態の竹を得ることができる。
ここで、半発酵とは、竹の難分解性繊維の一部が分解されていることを意味し、前記期間および前記温度条件であれば、好適に半発酵状態とすることができる。より詳しくは、発酵開始後、発酵熱として60℃以上、好ましくは70℃以上の状態で発酵を維持し、しばらくすると、酸欠状態となって微生物の活動が低下し、温度が徐々に低下して60℃未満になる。この時に再度切り返すと、酸欠状態が解消されて微生物の活動が再度活発になり、温度は再び60℃以上(好ましくは70℃以上)となる。このように、温度が60℃未満に低下した後に切り返しを3度、7〜25日程度かけて発酵を行えば、良好な半発酵状態の竹を得ることができる。
ここで、半発酵工程における発酵期間を7〜25日間とすることが望ましく、より望ましくは10〜20日間である。発酵期間が7日未満であれば、期間が短すぎて切り返しが1回または2回しか行えず発酵が不十分であり、次工程である抽出工程において、発酵を促進させるのに時間を要し有用成分の抽出効率が劣る。また発酵期間が25日を越えると、発酵・熟成が進んで有用性分が失われたり失活したりする恐れがあるため好ましくない。また、発酵熱が60℃未満の状態では、発酵が不十分となり、次工程である抽出工程において、発酵を促進させるのに時間を要する。
また、抽出工程においては、容器等に水を溜めて、半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合すれば、半発酵物(竹粉砕物)をさらに発酵させて竹の有用成分を抽出することができる。ここで、竹は半発酵させて難分解性の繊維が分解し易い状態にあるため、水の中でさらに発酵を進めれば、竹の有用成分を効率良く抽出することができる。抽出後は、濾過するなどして液体物を得れば、そのままの状態、或いは希釈するなどして、竹の有効成分を活かした竹液として作物や土壌に使用することができる。なお、有用成分としては、植物ホルモン、アミノ酸等の植物生長調整剤と、忌避剤としては有効な成分が含まれおり、植物生長調整剤、忌避剤として使用することができる。さらに、設備は特に大がかりなものは必要とせず、500L程度のポリ容器があれば容易に抽出作業を行うことができる。また、複数の容器を用いれば、大量の竹を処理することも可能である。
ここで、竹液とは、竹から抽出される成分を含んだ水溶液の総称であるが、本発明では、植物ホルモンやアミノ酸等を含んだ植物生長調整剤として、また、害虫等に対する忌避成分を含んだ忌避剤として利用できるものを言う。
ここで、竹液とは、竹から抽出される成分を含んだ水溶液の総称であるが、本発明では、植物ホルモンやアミノ酸等を含んだ植物生長調整剤として、また、害虫等に対する忌避成分を含んだ忌避剤として利用できるものを言う。
また、半発酵工程で使用する微生物は、嫌気性微生物と好気性微生物が共存した有用微生物で、放線菌、光合成菌、糸状菌、乳酸菌、酵母、麹菌のいずれか1種以上であり、また、竹土着菌を使用することもできる。また、抽出工程で使用する微生物は、乳酸菌、特にLactobacillus属やStreptococcus属に属する乳酸菌を使用して乳酸発酵させることが望ましい。乳酸菌により生成された乳酸は他の有害な微生物の増殖を抑制するため、発酵中は、ほぼ乳酸菌のみが増殖し乳酸発酵する。
また、発酵促進用助剤としては、半発酵工程においては米ぬかを、抽出工程においては糖蜜が望ましいが、これらに限定されるものではなく、微生物が好適に発酵できるように適宜選択して利用することができる。
ここで、抽出工程における所定期間とは、気温の変動により異なるが、気温が20℃〜30℃の範囲では、7〜10日間程度である。しかし、冬場など気温がさらに低い状況においては、さらに長い日数を要する。また、状況に応じて、攪拌して酸素供給しても良い。
なお、竹は、後述する親竹のみからでも竹液を製造できるが、親竹以外にも、若竹と筍皮の少なくとも一つを含んでいれば、繊維が柔らかいものを含み、且つ、難分解性のリグニンをほとんど含んでいないため、さらに発酵を行いやすくなって、より短期間で製造することができる。また、若竹や筍皮には、竹本来の忌避剤となる有用物質を含むのみならず、生育が旺盛な部位でもあるため、植物生長調整物質が含まれている。従って、植物生長調整剤としての効果および忌避剤としての効果を併せ持った竹液とすることができる。
なお、親竹には、植物生長調整物質はほとんど含有されておらず、筍には、忌避剤としての有用物質が含まれていないと考えられる。従って、植物生長調整剤と忌避剤の効果を併せ持たせたい場合には、竹を若竹と筍皮の少なくとも一つとすることが望ましい。さらに、若竹を使用することによって、生長途中にある竹を伐採できることから、山林を保護することができ、環境保全上有効である。
ここで、竹は、その生長の度合いにより、親竹、若竹、筍に大別される。若竹とは、親竹となる以前の生長過程の竹を指し、食用筍として掘らずにおいたため生長して食用にはならなくなったもので、およそ竹の枝が出る前迄のものである。わが国で最も多い孟宗竹でいえば、生育場所によって差異があるが、通常高さ1〜4m程度(地表から出て約1週間から1ヶ月)迄のものをいう。親竹とは、それ以上生長したもので、通常1年以上経過した竹質が硬くなった竹である。およそ1年生までの竹は親竹としての機能はなく、また竹質が柔らかいので若竹に分類しても良く、およそ2年生以上の竹質が硬い親竹と区別して、特に新竹という名称で呼ぶこともある。このように分類法は定まったものではなく、竹の性状から呼ぶことが多い。
一方、筍は季節的な産品であり、ごく一部は掘り出した皮付きの状態で一般消費者に販売されるが、大部分は筍の水煮加工を行う事業所で皮を取り除いた水煮の状態で通年販売されている。筍の水煮加工を行う事業所においては、一度に大量の筍皮が発生するので、この筍皮の処理が大きな問題となっている。本明細書においては、筍は皮を含まない可食部を意味し、筍皮と区別する。
従って、筍皮を使用すれば、筍の水煮加工工場で発生する大量の筍皮を処理することができ、環境保全の観点からも有効である。
従って、筍皮を使用すれば、筍の水煮加工工場で発生する大量の筍皮を処理することができ、環境保全の観点からも有効である。
本発明の特徴は、竹を粉砕した粉砕物に微生物と発酵促進用助剤とを添加し、7〜25日間、発酵熱として60℃以上の状態で発酵させて半発酵物を得る半発酵工程と、水に前記半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合し、所定期間静置して有用成分を抽出する抽出工程と、を有することにある。これにより、簡素な設備で竹を大量に処理でき、竹の有用成分を効率的に抽出して、植物生長調整剤および忌避剤として使用することができる竹液を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について工程ごとに説明する。
(1)竹原料調整工程(半発酵工程1)
竹液の原料となる孟宗竹の親竹、若竹、筍皮をそれぞれ約1cm以下となるように粉砕する。粉砕後、質量比で、親竹50%、若竹20%、筍皮20%、発酵促進用助剤としての米糠10%を混合し、さらに有用微生物である竹土着菌を混合して約100kgの混合物を得る。なお、ここでの竹の混合量はこれらに限定されるものではなく、利用目的に合わせて竹液の原料を選抜することができる。例えば、植物生長調節剤としての機能を強調させたい場合には、若竹と筍皮を主体とし、忌避剤としての効果を強調させたい場合には、親竹の混合量を増やせば良い。なお、山林保護を主目的とする場合には、親竹を主体とすることができるが、この場合においては植物生長調節剤としての効果は小さいものとなる。
(1)竹原料調整工程(半発酵工程1)
竹液の原料となる孟宗竹の親竹、若竹、筍皮をそれぞれ約1cm以下となるように粉砕する。粉砕後、質量比で、親竹50%、若竹20%、筍皮20%、発酵促進用助剤としての米糠10%を混合し、さらに有用微生物である竹土着菌を混合して約100kgの混合物を得る。なお、ここでの竹の混合量はこれらに限定されるものではなく、利用目的に合わせて竹液の原料を選抜することができる。例えば、植物生長調節剤としての機能を強調させたい場合には、若竹と筍皮を主体とし、忌避剤としての効果を強調させたい場合には、親竹の混合量を増やせば良い。なお、山林保護を主目的とする場合には、親竹を主体とすることができるが、この場合においては植物生長調節剤としての効果は小さいものとなる。
(2)静置・切り返し工程(半発酵工程2)
図1を用いて本発明の半発酵工程(静置・切り返し)について説明する。図1に示すように、発酵開始後、前記混合物の内部の温度が、発酵熱として60℃以上(好ましくは70℃以上)の状態で静置して発酵を維持し(A)、しばらくすると、混合物の内部が酸欠状態となって微生物の活動が低下し、温度が徐々に低下して60℃未満になる(B)。この時に再度切り返しを行うと、混合物内部の酸欠状態が解消されて微生物の活動が再度活発になり、静置して温度は再び60℃以上(好ましくは70℃以上)となる(C)。同様に再度温度は下降して60℃未満となり(D)、2回目の切り返しを行う。これにより再々度温度が上昇して60℃以上(好ましくは70℃以上)となる(E)。更に下降後(F)、3回目の切り返しを行って、温度上昇し(G)、60℃未満に下降したところで、発酵を終える(H)。
図1を用いて本発明の半発酵工程(静置・切り返し)について説明する。図1に示すように、発酵開始後、前記混合物の内部の温度が、発酵熱として60℃以上(好ましくは70℃以上)の状態で静置して発酵を維持し(A)、しばらくすると、混合物の内部が酸欠状態となって微生物の活動が低下し、温度が徐々に低下して60℃未満になる(B)。この時に再度切り返しを行うと、混合物内部の酸欠状態が解消されて微生物の活動が再度活発になり、静置して温度は再び60℃以上(好ましくは70℃以上)となる(C)。同様に再度温度は下降して60℃未満となり(D)、2回目の切り返しを行う。これにより再々度温度が上昇して60℃以上(好ましくは70℃以上)となる(E)。更に下降後(F)、3回目の切り返しを行って、温度上昇し(G)、60℃未満に下降したところで、発酵を終える(H)。
以上のように、切り返しを3回(B、D、F)行って、温度60℃以上の期間を4回((A、C、E、G)設けて半発酵状態とする。本発明では、前述の工程(発酵開始〜Hまで)を経るのに約2週間程度要して半発酵状態となるが、状況に応じて発酵期間を調節することが望ましく、気温状況等によっては7〜25日程度、好ましくは10〜20日程度で終了させるような状況とすると良い。なお、室内で温度を一定とする環境であれば、所用日数のばらつきを抑えて、均一な半発酵物を得ることができる。
ここで、切り返しの回数が2回しか行わなければ、発酵があまりなされておらず、後述する抽出工程での抽出効率が劣ると考えられる。切り返し回数を4回以上とすると、発酵が進み過ぎてしまい、有用性分が失われたり失活したりする恐れがあるため好ましくない。
ここで、切り返しの回数が2回しか行わなければ、発酵があまりなされておらず、後述する抽出工程での抽出効率が劣ると考えられる。切り返し回数を4回以上とすると、発酵が進み過ぎてしまい、有用性分が失われたり失活したりする恐れがあるため好ましくない。
(3)容器混合工程(抽出工程1)
次に、前述のように得られた半発酵物を、500リットル容器に入れ、水を300〜350リットル入れる。水は、水道水、地下水、井戸水等を使用する。さらに、有用微生物である乳酸菌、発酵促進用助剤である糖蜜を加え、混合する。なお、竹には木質資材等に比べて多くの気泡が存在し、微生物の住処となりやすく発酵には好適な環境となる。また、容器の大きさや半発酵物の量、水の量は、上記に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。
次に、前述のように得られた半発酵物を、500リットル容器に入れ、水を300〜350リットル入れる。水は、水道水、地下水、井戸水等を使用する。さらに、有用微生物である乳酸菌、発酵促進用助剤である糖蜜を加え、混合する。なお、竹には木質資材等に比べて多くの気泡が存在し、微生物の住処となりやすく発酵には好適な環境となる。また、容器の大きさや半発酵物の量、水の量は、上記に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。
(4)静置工程(抽出工程2)
気温が20℃〜30℃の範囲において、7〜10日間静置する。冬場など気温がさらに低い状況においては、適宜調整する。また、状況に応じて、攪拌して酸素供給しても良い。所定期間静置後には、濾過するなどして精製し、竹液を得る。
なお、この工程においては、酢酸は含有しないものの、竹酢液に含まれる有用成分の多くが抽出されていると考えられ、これらの成分が複合的に働いて植物生長調整剤および忌避剤として利用することができる。濾過した残渣は、発酵が進んでいるため堆肥として有効利用することができる。また、酢酸を含有しないため、中性となり、土壌改良材としても有用である。
気温が20℃〜30℃の範囲において、7〜10日間静置する。冬場など気温がさらに低い状況においては、適宜調整する。また、状況に応じて、攪拌して酸素供給しても良い。所定期間静置後には、濾過するなどして精製し、竹液を得る。
なお、この工程においては、酢酸は含有しないものの、竹酢液に含まれる有用成分の多くが抽出されていると考えられ、これらの成分が複合的に働いて植物生長調整剤および忌避剤として利用することができる。濾過した残渣は、発酵が進んでいるため堆肥として有効利用することができる。また、酢酸を含有しないため、中性となり、土壌改良材としても有用である。
また、この竹液に含まれる植物生長調整物質は、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン等の植物ホルモンや、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のミネラルに加え、チロシン、トリプトファン、バリン、ロイシン等のアミノ酸も含有されているため、作物の生育に有効である。
本発明は、竹を有効利用した竹液の製造方法であり、竹林管理に付随して生じる若竹や親竹と、筍の水煮加工工場で発生する筍皮とを、農業場面で有効に利用することができる。
Claims (4)
- 竹を粉砕した粉砕物に微生物と発酵促進用助剤とを添加し、7〜25日間、発酵熱として60℃以上の状態で発酵させて半発酵物を得る半発酵工程と、
水に、前記半発酵物、微生物、発酵促進用助剤を混合し、所定期間静置して有用成分を抽出する抽出工程と、を有することを特徴とする竹液の製造方法。 - 前記竹は、若竹と筍皮の少なくとも一つを含む請求項1記載の竹液の製造方法。
- 前記竹は、若竹と筍皮の少なくとも一つである請求項1記載の竹液の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかの項に記載の製造方法により製造された竹液。
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