JP4230788B2 - 堆肥浸出液およびその製造方法、並びに植物成長促進資材 - Google Patents

堆肥浸出液およびその製造方法、並びに植物成長促進資材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、堆肥浸出液およびその製造方法、並びに該堆肥浸出液を含有した植物成長促進資材に関し、より詳しくは、植物栽培、特には、有機栽培にて栽培される植物の育成に適した堆肥浸出液およびその製造方法、並びに該堆肥浸出液を含有した植物成長促進資材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、下水汚泥、し尿汚泥といった汚泥や、工場や一般家庭等より排出される有機廃棄物の再利用化が種々検討されている。その中で、有機廃棄物の再利用化において、特に有望視されているものとして、堆肥化処理を挙げることができる。該堆肥化処理とは、食品残渣等の有機廃棄物を、発酵微生物による生物分解にて堆肥化させるものである。この堆肥化においては、処理時間の短縮化等の観点より好気性発酵処理が広く用いられている。
さらに、上記堆肥化処理にて得られる堆肥は、発酵微生物を用いて堆肥化がなされていることから、植物栽培、特に有機栽培に適した化学肥料の代替物として注目されている。
【0003】
また、上記堆肥化処理においては、得られる堆肥を植物栽培に適した良質なものとするための処理方法が種々検討されている。例えば、堆肥化処理する際の発酵温度や発酵期間を調整することで、堆肥の電気伝導度(EC濃度)や食塩濃度等を調整することが図られている。さらに、その処理方法以外にも、有機廃棄物としての食品残渣とともに木材を加えて堆肥化処理することで、堆肥の塩基置換量(CEC濃度)を向上させることや、発酵微生物として、殺菌効果等の植物育成を促進させる効果を持つバチルス属の微生物を用いることなども図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−276579号公報
【特許文献2】
特開平05−301791号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように堆肥化処理の処理方法等を検討することで、堆肥の良質化を図ることは種々なされている。しかしながら、堆肥化処理の過程で堆肥より浸出する浸出液、所謂、堆肥浸出液に関しては、生物化学的酸素要求量(BOD)が高いことや、臭気等を理由に、その有効利用はなされてこなかった。従来、堆肥浸出液においては、堆肥化処理の過程で堆肥に再投入する利用方法や、堆肥浸出液の発生を抑制するために、堆肥化処理の過程で堆肥に水分調整剤や無機保持剤を投入することなどがなされていた。
このように、堆肥浸出液は、負の産物としての認識が一般的であった。そこで、堆肥化処理にて得られる堆肥と同様に、堆肥浸出液においても、植物栽培等に有効利用できるよう検討することは、重要な課題とされる。
【0006】
本発明は、上記課題を考慮してなされたものである。すなわち本発明は、植物栽培、特に、有機栽培にて栽培される植物の育成に適した堆肥浸出液およびその製造方法、並びに該堆肥浸出液を含有してなる植物成長促進資材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するための本発明の堆肥浸出液の製造方法は、
木材と食品残渣を主原料とする被発酵材料を、発酵微生物による生物分解にて堆肥化させる一次発酵工程と、
該一次発酵工程にて得られる堆肥を、さらに発酵熟成させる二次発酵工程と、
該二次発酵工程の過程にて堆肥より浸出する浸出液を発酵容器に捕集するとともに好気性発酵させることで、堆肥浸出液を発酵精製する三次発酵工程とを含み、
前記発酵微生物としては、バチルス属に属する1種以上の微生物を主体として用い、さらに、前記三次発酵工程にて得られる堆肥浸出液は、pHが6.0以上9.0以下、かつEC濃度が、水溶性固形分2%換算で、2dSm−1/cm以上10dSm−1/cm以下、かつC/N比が10以上30以下、かつ有機物比が0.2以上0.9以下となるように調整されてなることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の堆肥浸出液の製造方法において、発酵微生物を用いた生物分解にて堆肥化処理がなされる被発酵材料は、食品残渣とともに木材を主原料とする。このように、被発酵材料の主原料を構成する材料として木材を用いることで、一次発酵工程にて堆肥化される堆肥、および二次発酵工程にて発酵熟成される堆肥、さらに三次発酵工程にて発酵精製される堆肥浸出液を、木材に由来するリグニンの分解生成物であるポリフェノールの含有量が高いものとすることができる。その結果、塩基置換量(CEC濃度)の高いものとすることができ、ひいては、抗菌作用を高めることが可能となる。
【0009】
また、上記堆肥化処理がなされる被発酵材料は、工場や一般家庭等より排出される有機廃棄物とされる。該有機廃棄物は、家畜廃棄物、農業廃棄物、水産廃棄物、食品加工業廃物、飲料工業廃物、林業・製材・製紙廃物、食堂残渣、一般家庭より排出される生ゴミといったものよりなる。このような有機廃棄物は、概ね食品残渣と木材とからなり、その他は汚泥や畜糞などである。ここで言う、食品残渣とは、残飯、料理残渣、獣骨、食肉残渣、もみがら、野菜屑、魚骨、魚のあら、おから、菓子屑、馬鈴薯屑、ビールかす等の動植物性を問わない、飲食物に付随する廃棄物である。その意味で、食品残渣としては、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどから廃棄される食品も含まれる。
【0010】
上記のように、被発酵材料は、木材と食品残渣とを主原料とし、その他が汚泥・蓄糞などにより構成される。このような原料よりなる被発酵材料を、発酵微生物による生物分解を用いて、一次発酵工程、二次発酵工程および三次発酵工程のそれぞれの発酵工程にて発酵させることにより堆肥浸出液が製造される。これら発酵工程において主体的に発酵を促進させる発酵微生物は、バチルス属に属する1種以上の微生物とされる。また、バチルス属に属する1種以上の微生物としては、炭素菌のように動植物に有害となるもの以外で、発酵を促進させることができるものであれば限定されるものではない。バチルス属の微生物を用いる利点は、特に、発酵をより促進できることである。また、バチルス属の微生物は抵抗力が強いものとされるので、堆肥浸出液を発酵精製させる三次発酵工程においても、十分、その発酵分解力を維持させることが可能となる。ここで用いるバチルス属の微生物は、固体培地や液体培地などにより培養されたものでもよいし、食品残渣や畜糞等を基材として培養されたものでもよいし、さらには、汚泥や畜糞等に由来するものでもよい。そのため、バチルス属の微生物を有する有機廃棄物を被発酵材料の構成原料の一つとしてもよいし、被発酵材料には属さない形で、バチルス属の微生物を有するものを被発酵材料に投入させて一次発酵工程を行ってもよい。
【0011】
上記のように、被発酵材料は、木材と食品残渣とを主原料とし、その他が汚泥・畜糞などにより構成される。このような原料よりなる被発酵材料を、バチルス属に属する1種以上の発酵微生物による生物分解を用いて、それぞれ一次発酵工程、二次発酵工程および三次発酵工程にて発酵処理させる。
【0012】
上記したバチルス属に属する1種以上の発酵微生物を主体に用いて、被発酵材料は、一次発酵工程にて堆肥化され、該堆肥化により得られた堆肥を、二次発酵工程にて発酵熟成させるとともに、その過程にて堆肥より浸出する浸出液を発酵容器に補集する。そして、該発酵容器に補集された浸出液を三次発酵工程にて発酵精製することにより、本発明の堆肥浸出液が製造される。これら発酵工程において、浸出液を発酵精製する三次発酵工程は、曝気や攪拌、よりよくは曝気と攪拌による好気性発酵を必須とする。二次発酵工程の過程にて堆肥より浸出する浸出液は、アンモニア、低級脂肪酸類、アミン類、硫黄化物、スカトールなどの窒化含有物や、木材に由来するリグニン、タンニンなどを多く含み、臭気がひどく有害なものとされる。そのため、より速く発酵させる必要がある。そこで、浸出液を、好気性発酵にて発酵させることで、嫌気性発酵に比べて、その発酵速度を高めることができる。また、発酵微生物としてバチルス属に属する微生物を用いることで、発酵精製される堆肥浸出液を、臭気のない無害なものとすることが可能となる。さらに、木材に由来するリグニンやタンニンなど植物の生長に有害な成分も発酵によって、植物の生長に極めて有効なポリフェノールなどの成分に分解されることとなる。
【0013】
上記したように、二次発酵工程にて堆肥より浸出する浸出液は、より速く発酵させる必要がある。そこで、該浸出液に対して、再度発酵微生物を添加することにより、堆肥浸出液をさらに速く発酵させることもできる。また、二次発酵工程にて堆肥より浸出する浸出液を発酵精製させる発酵容器とは別の容器に捕集させておき、該容器の浸出液にて発酵微生物を訓養するとともに、それを三次発酵工程にて発酵精製させる発酵容器の浸出液に加えることで、該浸出液をさらに速く発酵させることも可能である。
【0014】
上記のように製造される堆肥浸出液は、従来、有害とされていたものを、無害なものとするとともに植物栽培等に有効利用できるものとすることができる。そこで、このように植物栽培等に適した堆肥浸出液とするためには、そのpH、EC濃度、C/N比、有機物比を上記した数値範囲となるように三次発酵工程の発酵期間を適宜調整すればよい。それぞれに設けられる数値範囲の説明を以下に記す。
【0015】
pHは、発酵の進行状態を示す指標となり、発酵状態の進行に伴い、pHは低下する関係にある。pHが9.0より大きい場合は、発酵不十分であり、アンモニア濃度が高く、アンモニア臭の強いものとなる。このような状態で、植物に施用すると、アンモニア臭により害虫が寄り付きやすくなるとともに、例えば、葉に散布すると葉に障害がきたされる不具合が発生する。一方、pHが6.0未満となると、硝酸系の亜硝酸などが発生して酸性度が強いものとなる。このような状態で、植物や土壌に施用すると植物の発育不良や土壌不良に繋がるとともに、発酵微生物自体が機能しなくなる不具合が生じる。よって、pHは、6.0以上9.0以下とすることが望ましい。特には6.0以上8.5以下とすることが好適である。
【0016】
次に、EC濃度であるが、10dSm−1/cmより大きい場合は、発酵不十分であり、アンモニウムイオンや、植物に対して有害成分である木材に由来するリグニン、タンニン等が、未分解のイオンとして多く存在していることとなる。この状態で、植物に施用するとその育成を悪化させる不具合が生じる。一方、EC濃度が2dSm−1/cm未満となると、無機質化が進んで、窒素成分等、土壌に有効な成分が減少してしまう。よって、EC濃度は、2dSm−1/cm以上10dSm−1/cm以下とすることが望ましい。特には、2dSm−1/cm以上9dSm−1/cm以下とすることが好適である。なお、ここにおけるEC濃度は、堆肥浸出液に存在するアンモニアイオン、硝酸イオン、カリウムイオン、食塩、糖類、アミノ酸、木材に由来するポリフェノール等の分解物、アミノ酸 といった水溶性固形分以外は水分とした場合の、水溶性固形分の含有重量率を2%として換算した水溶性固形分2%換算の値である。
【0017】
次に、C/N比であるが、30より大きくなると、発酵不十分であり、窒素成分が少ないために、土壌や植物の葉に施用した場合、窒素飢餓が発生しやすくなる。一方、C/N比が10未満となると、木材に由来するポリフェノール等の土壌や植物に有益となる成分が減少し、その効果が抑制されてしまう。よって、C/N比は10以上30以下とすることが望ましい。特には、10以上21以下とすることが望ましい。
【0018】
最後に、有機物比であるが、この有機物比は、堆肥浸出液に存在するアンモニアイオン、硝酸イオン、カリウムイオン、食塩、糖類、アミノ酸、木材に由来するポリフェノール等の分解物、アミノ酸といった水溶性固形分の全体における有機物の割合(重量比)を0から1の範囲で規定したものである。そこで、該有機物比であるが、0.9以上であると発酵不十分であり、一方、0.2以下であるとポリフェノール等の土壌や植物に有益となる成分が減少し、その効果が抑制されてしまう。よって、有機物比は、0.2以上0.9以下とすることが望ましい。特には、0.2以上0.75以下とすることが好適である。
【0019】
上述のように、本発明のそれぞれ発酵工程にて、主体的に発酵を促進させる発酵微生物は、バチルス属に属する1種以上の微生物とされる。該バチルス属に属する微生物としては、特に、バチルス・ズブチルス、バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・アシドカルダリウスのうち一種以上を用いることが、本発明には好適である。この中においても、バチルス・ズブチルスは、特に、発酵を促進させる発酵分解力の高いものとされる。そこで、発酵微生物として、バチルス・ズブチルスの一種もしくは、少なくともバチルス・ズブチルスを含むバチルス属に属する2種以上のものを主体として用いることが特に望ましい。また、発酵微生物として、バチルス・ズブチルスおよびバチルス・チューリンゲンシスの2種を主体として用いた場合、バチルス・チューリンゲンシスは、害虫忌避効果をもつことが一般的に知られており、得られる堆肥浸出液をより植物栽培等に適したものとすることができる。
【0020】
次に、バチルス属に属する微生物を主体とする発酵微生物としては、活性汚泥に由来するものが特によい。活性汚泥とは、下水、し尿などを曝気により発酵処理したものである。このような、活性汚泥に由来するバチルス属に属する微生物は、特に発酵分解力に優れたものとされるとともに、病原菌に対しても強い拮抗力を有するものとされる。そこで、発酵微生物として、活性汚泥に由来するバチルス属に属する微生物を主体として用いることが望ましい。
【0021】
ここまでに述べてきた発酵微生物の堆肥浸出液における微生物濃度は、10個/ml以上となるように、堆肥浸出液を発酵精製させる発酵期間を調整することが望ましい。該微生物濃度が10個/ml未満となると、病原菌に対する拮抗力が十分に働かなくなるからである。ここで、微生物濃度の上限値は、特に限定されないが、通常、微生物の数が多くなりすぎると微生物同士が拮抗しあうために許容される微生物濃度の上限値が存在する。バチルス属に属する微生物のような芽胞形成菌においては、一般的に、その上限値は、1011個/mlとされる。そこで、堆肥浸出液における発酵微生物濃度は、10個/ml以上1011個/ml以下となるように調整されることが望ましい。さらに、有害とされる病原菌の発生が多くなる春から夏にかけては、発酵微生物濃度を、10個/ml以上1011個/ml以下の範囲においてもより多くなるように調整することが望ましい。
【0022】
次に、被発酵材料の主原料の1構成原料である木材は、有機廃棄物とされる竹、笹、木材チップ、バークおよび樹木剪定屑の1種以上とする。用いる木材としては、特に限定されるものではないが、このような、竹、笹、木材チップ、バーク、樹木剪定屑は、発酵されやすい適度な大きさや厚さになっていることから、望ましいものと言える。さらに言えば、木材は、より細断しやすい、木材チップ、バークおよび樹木剪定屑の一種以上とするのが好適であると言える。特には、発酵分解されてポリフェノールとなる、リグニンやタンニン等の含有量の多い針葉樹に由来する木材チップ、バーク、樹木剪定屑などが好適である。
また、一次発酵工程および二次発酵工程における発酵工程においては、水分を投入するとともに水分量を適宜調整しつつ行われる。その際、水分の容量が、被発酵材料の容量に対して30〜70%の範囲にあれば、通常、発酵は障害なく進行する。水分の発酵材料に対する、この数値範囲を逸脱すると、発酵が抑制されることとなる。勿論、逐一加水して、水分の調整がなされるが、木材は、その水分調整としての働きをなすことができる。木材を被発酵材料に対する容量比で、30から80%とすることで、水分の容量を、被発酵材料の容量に対して30〜70%の範囲に保持しやすくすることができ、よりよくは、木材を被発酵材料に対する容量比で、40〜70%とすることが望ましい。
【0023】
次に、被発酵材料の主原料の1構成原料である食品残渣は、その包装用のビニールなどの発酵を抑制する成分が付随してなければ、特に限定されるものではなく、種々の動植物性の食品残渣が本発明に適用可能である。その結果、被発酵材料の主原料とされる食品残渣と木材との、各々の主原料に占める容量比を適宜調整することが可能となる。
【0024】
本発明の堆肥浸出液は、最終的に、三次発酵工程において発酵精製される。そこで、三次発酵工程における、発酵期間は、堆肥浸出液を、植物栽培等に有効利用できるように、適宜調整されるものである。そのため、一次発酵工程、二次発酵工程における、それぞれの発酵期間は、通常の堆肥化処理にて行われるものと同程度であれば特に限定されるものではない。しかしながら、一次発酵工程を、特には、一次発酵工程および二次発酵工程を好気性発酵にて行なうことで、それぞれの発酵を効率よく行なうことができる。そこで、その目安としては、好気性発酵とした場合の一次発酵工程の発酵期間は、1日以上行なえば、十分であり、その間、必要に応じて通風又は切り返しを行なう。その期間の上限値は、多いほど発酵を進行させることができるが、作業効率を考慮して、10日とする。このように一次発酵工程の発酵期間は、特に1日以上10日以下とすることが望ましい。次に、好気性発酵とした場合の二次発酵工程は、一次発酵工程にて得られた堆肥を、熟成させるための場所に堆積させるとともに加水して、その発酵工程が行われる。そこで、その発酵期間であるが、2ヶ月以上であれば、十分であり、その間、必要に応じて切り返しを行なう。その期間の上限値は、多いほど発酵を進行させることができるが、作業効率を考慮して、6ヶ月とする。このように二次発酵工程の発酵期間は、特に2ヶ月以上6ヶ月以下とすることが望ましい。
【0025】
なお、一次発酵工程においては、まず、通常用いられている堆肥化装置において通気・攪拌させながら発酵させたものを、堆積させるもしくは別の堆肥化装置にて、必要に応じて通風又は切り返しを行い発酵させるという2段階にておこなってもよい。この場合は、2段階を含めた期間を一次発酵工程の発酵期間とする。また、2次発酵工程も同様で、堆肥化装置にて攪拌させながら発酵させたものを、堆積させるとともに、必要に応じて切り替えしを行なうという2段階にておこなってもよい。この場合も、2段階を含めた期間を二次発酵工程の発酵期間とする。さらに、二次発酵工程の過程にて堆肥より浸出する浸出液の捕集時期については、特に限定されるものではない。つまり、二次発酵工程の初期の堆肥より浸出する浸出液を捕集しても別段問題となるものではない。ただし、当然ながら、二次発酵工程における発酵期間が2ヶ月未満の堆肥は、その熟成度が未熟であるため、該堆肥より浸出する浸出液を三次発酵工程にて堆肥浸出液とするためには、その発酵精製の期間を長くとる必要が出てくる。三次発酵工程においては、捕集した浸出液に対して強制的に曝気や攪拌を行なう必要があるので、この作業効率の観点から言えば、特には、二次発酵工程における発酵期間が2ヶ月以上経た堆肥より浸出する浸出液を捕集することが望ましい。
【0026】
ここまでに本発明の堆肥浸出液の製造方法における、堆肥浸出液を植物栽培等に有効利用させるための構成要件を述べてきた。このように、本発明の製造方法にて製造された堆肥浸出液は、植物栽培等の栽培に必要となる土壌、植物、肥料に優位に施用させることができる。
【0027】
まず、本発明の製造方法にて製造された堆肥浸出液を土壌に施用にした場合について述べる。堆肥浸出液または、それを希釈したものを土壌に散布する、もしくは、潅水として土壌に施用するなどした場合、堆肥浸出液に含まれる、木材に由来するポリフェノール等の分解物、バチルス属に属する微生物などにより、植物の育成に適した土壌とすることが可能となる。このように、本発明の堆肥浸出液は、土壌に対する土壌改良剤とすることができる。
【0028】
次に、本発明の堆肥浸出液を植物もしくは、その種子に施用した場合について述べる。堆肥浸出液または、それを希釈したものを植物の葉、茎、根さらにはその種子などに塗布させる、又は、植物の葉、茎、根などに散布させた場合、木材に由来するポリフェノール等の分解物、バチルス属に属する微生物などにより、害虫を忌避又は防除させる効果や、病原菌に対する拮抗効果を与えることができ、ひいては、植物の育成を促進させることが可能となる。このように、本発明の堆肥浸出液は、植物に対する植物促進剤とすることができる。
【0029】
このように、本発明の製造方法にて製造された堆肥浸出液を、土壌や植物に施用することにより、植物栽培等の栽培に有益なものとすることができる。また同じ理由により、肥料などの植物成長促進資材に本発明の製造方法にて製造された堆肥浸出液を混在させることで、該植物成長促進資材を植物栽培等の栽培に有益なものとすることができる。なお、本明細書における植物とは、穀物等の作物も概念として含むものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を製造方法に促して以下に示すが、以下に示す製造方法や実施例は、一例であって、それらに限定されるものではない。
図1に本発明の堆肥浸出液の製造方法の製造過程の概略構成図を示す。まず、被発酵材料となる有機廃棄物を混ぜ合わせることにより被発酵材料とする。ここで、被発酵材料は、食品残渣と木材とを主原料とする。このような被発酵材料を堆積させる又は通常用いられている堆肥化装置に投入し水分を加えるとともに、必要に応じて通風又は切り返しを行いながら堆肥化させる一次発酵を行う。これが一次発酵工程にあたる。また、大量に被発酵材料を一次発酵させる必要がある場合、被発酵材料となる有機廃棄物を混合機にて混ぜあわせる必要がある。そこで、被発酵材料となる有機廃棄物を、通常用いられている堆肥化装置に投入するとともに、通気・攪拌させながら発酵させるようにしてもよい。このように、堆肥化装置のみを用いたものを一次発酵工程としてもよいし、堆肥化装置における発酵を一段階とし、その後、取り出したものを堆積させるもしくは別の堆肥化装置にて発酵させるという2段階を一次発酵工程としてもよい。また、被発酵材料の1主原料である木材の被発酵材料における容量比は、被発酵材料を混ぜ合わせる前に、適宜調整される。
【0031】
上記のような一次発酵工程、後述する二次発酵工程および三次発酵工程において、発酵を主体的に促進させる発酵微生物は、バチルス属に属する一種以上の微生物とされる。このような発酵微生物は、有機廃棄物とされる汚泥・畜糞等に由来するものでもよいし、別途、培養されたものや活性汚泥に由来するものでもよい。また、このような発酵微生物を有する有機廃棄物を被発酵材料の一つとしてもよいし、別途、被発酵材料に加える形で、一次発酵工程を行ってもよい。
【0032】
一次発酵工程にて堆肥化された堆肥を、その後、発酵熟成させるための堆積場所に堆積させて加水するとともに、必要に応じて切り返しを行いながら発酵熟成させる二次発酵を行う。これが二次発酵工程にあたる。ここまでの一次発酵工程および二次発酵工程は、通常の堆肥化処理と変わりなく行うことができる。そこで、それぞれの工程における発酵期間は、通常行われるものと同程度であれば特に気を配る必要はないが、一次発酵工程では、好気性発酵の条件で少なくとも一日以上、二次発酵工程は、好気性発酵の条件で少なくとも2ヶ月以上行えばよい。また、発酵期間は、被発酵材料における木材の容量比や、気温等の気候条件により左右されるが、上記発酵期間であれば問題なくそれぞれの発酵工程にて発酵を促進させることができる。
【0033】
二次発酵工程において、その過程にて堆肥より浸出液が浸出される。この浸出液を発酵容器に補集する。また、発酵容器は複数用意しておくことにより、補集させる浸出液の量を増加させることができる。ここでの発酵容器は、液漏れしないものであれば特に制限されるものでないが、容量が確保できるタンク状のものが望ましい。また、この浸出液は、そのままで外部環境に流出すると環境悪化に繋がるので、二次発酵工程にて堆肥が堆積された堆積場所より特別に設けた溝を通じて発酵容器に補集するようにする。このように補集した浸出液を曝気・攪拌させながら発酵精製させることにより堆肥浸出液を得る。これが三次発酵工程にあたる。また、発酵容器に補集した浸出液を発酵精製させる際に、同じ発酵容器に新たな浸出液を補集してもよいが、発酵精製における発酵の進行度が弱められることに繋がる。そのため、同じ補集容器に新たに浸出液を補集する場合、ある程度の期間、例えば5日間程度あけて、補集させることが望ましい。
【0034】
三次発酵工程において発酵精製させる発酵期間は、発酵精製される堆肥浸出液が植物栽培や有機栽培等の栽培に有効利用できるように適宜調整される。その目安となるものとして、堆肥浸出液のpH、EC濃度、C/N比、有機物比をあげることができる。これらの値はある程度、互いに相関をもつものであるから、例えば、そのうちの一つを測定し、許容範囲であれば、その時点で三次発酵工程を終了させればよい。このようにして、三次発酵工程に発酵精製される堆肥浸出液を植物栽培や有機栽培等の栽培に対して有益なものとすることができる。
【0035】
上記のような工程にて製造される本発明の堆肥浸出液を、もしくは希釈させたものを土壌に散布する、また、潅水として用いることにより植物栽培や有機栽培等の栽培に適した土壌とすることができる。また、植物や穀物に散布させることにより、害虫に対する防除力、病原菌に対する拮抗力を高めることができ、ひいては、その育成を促進させることができる。また、植物や穀物等の種子に予め塗布させておいても、同様の効果が期待できる。このような施用以外にも、肥料といった植物成長促進資材に混在させることにより、さらに、植物栽培等の栽培に適した植物成長促進資材とすることも可能である。
【0036】
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例を示す。
【0037】
(実施例) 上記した製造方法に従って堆肥浸出液の製造を行った。食品工場および食品流通施設より排出される食品残渣と、製材施設よる排出される木材チップとを被発酵材料とするとともに、木材チップの被発酵材料に対する容量比を70%とした。また、発酵微生物は活性汚泥由来のものとして、被発酵材料に活性汚泥を加え、さらに、水分を被発酵材料に対する容量比で70%となるように加えるとともに堆肥化装置にて40℃〜60℃程度の温度にて通気・攪拌させながら発酵させた。その後、堆肥化装置より堆肥を取り出し、堆積させるとともに通風および切り返しを行い発酵させた。このような一次発酵工程における発酵期間を一日とした。次に、一次発酵工程にて得られた堆肥を、別の場所に堆積させ、水分を加水するとともに、切り返しを行って発酵熟成させた。このような二次発酵工程における発酵期間が2ヶ月経たものから浸出する浸出液を発酵容器に補集した。そして、補集した浸出液を曝気・攪拌させて発酵精製させた。この発酵精製の発酵期間と浸出液の発酵状況の関係を、浸出液の各々pH、EC濃度(dSm−1/cm)、C/N比、有機物比の値を測定することにより調べた。pHは、pH計にて、EC濃度は、EC濃度計にて、C/N比は、肥料分析法にて測定を行った。また、有機物比は、浸出液の水溶性固形分における有機物の割合(重量比)であるが、その割合を、浸出液を組成分析測定することにより求めた。これら測定を、それぞれの発酵精製の発酵期間における浸出液に対して行うとともに、そのアンモニア臭の程度を、漂う匂いの程度により判定した。また、アンモニア臭が強くするものを×、ややあるものを△、ほぼないものを○とした。これら結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004230788
【0039】
表1におけるEC濃度は、浸出液が水分と水溶性固形分とからなるとし、その場合における水溶性固形分の浸出液に対する割合を2%として換算した水溶性固形分2%換算の値である。そこで、表1の結果であるが、発酵精製の発酵期間が10日以上のものが、アンモニア臭がややある又はほとんどないものとなった。このことは、この発酵期間のものが、十分に発酵された良好なものであることを示している。また、発酵精製の期間が少なくとも10日以上150日以下の間であれば、十分に発酵された良好なものとなることが分かる。また、発酵期間が10日以上150日以下において、pHは6.0以上9.0以下、かつEC濃度は、2dSm−1/cm以上10dSm−1/cm以下、かつC/N比は10以上30以下、かつ有機物比は0.2以上0.9以下となった。よって、この数値範囲に、pH、EC濃度、C/N比および有機物比が少なくとも収まれば、十分に発酵された良好な浸出液、つまり堆肥浸出液とすることができる。さらに、より良好な浸出液とするためのpH、EC濃度、C/N比および有機物比の数値範囲としては、アンモニア臭がほとんどない、発酵精製の発酵期間20日以上150日以下に対応するものである。
【0040】
また、発酵精製の発酵期間を180日とした浸出液のpHを測定したところ、そのpHは、150日のものと同じ6であった。このことは、発酵期間が150日を超えると、浸出液の無機質化が進んでいくことを示しており、窒素成分やポリフェノール等の、植物栽培等に有効利用する際に必要となる有効成分が減少していくことを意味する。そこで、EC濃度を測定したところ、EC濃度の値が、1.6となっており、確かに無機質化が進んでいることを確認した。
【0041】
さらに、発酵精製の発酵期間と、浸出液における微生物濃度(個/ml)の関係を調べた。微生物濃度の測定は、SPC(標準寒天培地)法にて行った。その結果を表1に示す。表より分かるように、すべての発酵期間において、微生物濃度は、10個/ml以上1011個/mlの範囲に収まっていることが分かる。さらに、これら発酵精製のすべての発酵期間における浸出液の主となる微生物を、分離培養及び顕微鏡観察を用いて特定した。その結果、すべての発酵期間において、主となる微生物は、バチルス・ズブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスであった。また、該バチルス・チューリンゲンシスは、プロテアーゼ活性が強いものであることが確認され、発酵分解力に優れたものであることが分かった。また、用いた活性汚泥における主となる微生物もまた、バチルス・ズブチルス及びバチルス・チューリンゲンシスであることを確認した。また、発酵精製の発酵期間と、該発酵期間での浸出液における水溶性固形分の割合の関係を調べたところ、表1に係わるすべての発酵期間において、水溶性固形分の割合は、0.1%以上5.0%以下の範囲内のものであった。この水溶性固形分の割合は、加水や水分の蒸発などにより左右されるものとなるが、この範囲内であれば植物栽培等にも問題ないものと言える。なお、浸出液における水溶性固形分の割合(重量%)は、該浸出液を104℃にて2時間保持した状態で、蒸発する水分の重量を水分計にて測定するとともに、この測定された水分以外に残存する固形物を水溶性固形物とし、その重量を測定することで求めたものである。
【0042】
さらに、発酵精製の発酵期間と、浸出液における塩分濃度の関係を調べた。また、塩分濃度を食塩濃度として、その食塩濃度を測定した。その結果、発酵精製の発酵期間が150日以下のすべての発酵期間において、その塩分濃度は、浸出液に対する容量比で、0.1%となった。このことより、発酵精製の発酵期間が150日以下の浸出液であれば、塩分濃度が低いものとなり、土壌や植物などに施用しても、食塩による障害が発生する心配がないことが分かった。
【0043】
次に、発酵精製の発酵期間が、0日、5日、10日、30日、150日となる、各々浸出液を植物に施用して、その効果を確かめた。それぞれの発酵期間の浸出液および、それを水で3倍に希釈した希釈液とを別々に、梅となる果樹の葉の表面に散布させるとともに、その若葉への障害と、アブラムシに対する防除効果および忌避効果とを目視にて判定した。若葉10枚につき5枚上の葉に障害がでたものを×とし、二枚以上4枚以下の葉に障害がでたものを△、一枚も障害がでなかったものを○とし、アブラムシが散布後すぐに死滅したものを◎、散布後一時間後に死滅または忌避させたものを○として、その結果を表2に示す。なお、若葉は、出葉後4週間以内の葉とした。
【0044】
【表2】
Figure 0004230788
【0045】
表2により、発酵精製の発酵期間が、10日以上150日以下の浸出液および希釈液のものが若葉に障害をきたすことなく、害虫であるアブラムシを死滅または忌避させる効果をもつことが分かる。このように、発酵精製の発酵期間を10日以上150日以下とする浸出液が、害虫防除および忌避効果を持つことが確認された。また、発酵精製の発酵期間が、0日および5日のものは、アンモニア臭による、カミキリムシなどの害虫の若葉への飛来が認められた。さらに、発酵精製の発酵期間が180日の浸出液を、同じく梅となる果樹の葉の表面に散布させるとともに、その若葉への障害とアブラムシに対する防除効果および忌避効果を調べた。その結果、若葉への障害は認められなかったが、アブラムシを死滅または忌避させる効果が弱く、散布後一時間後においても、若葉に存在するアブラムシが認められた。
【0046】
表1および表2の結果より、発酵精製の発酵期間が10日以上150日以下に対応する浸出液のものは、十分に発酵されたものであり、かつ、植物育成を促進させるものであることが分かった。
【0047】
また、表にはしないが、発酵精製の発酵期間が10日および150日の浸出液をそれぞれ50倍に希釈した希釈液を、20kg/mの割合で、根コブ病で生育が抑制されたハウス栽培のほうれん草の畑50mに、潅水させた。その結果、どちらの希釈液を用いた潅水においても、施用後、20日で生育がかなり回復した。この時点で、施用していない場所のほうれん草は、生育不良のままであり葉には黄化が認められた。この他の植物ウドンコ病や灰色カビ病などの糸状菌に対しても、発酵精製の発酵期間が10日および150日の浸出液を用いた潅水を土壌に施用することで、その菌の拡大を阻止できることが分かった。
【0048】
最後に、発酵精製の発酵期間が10日および150日の浸出液をそれぞれ20倍に希釈させたものを、未耕運土壌100mに10kg/mの割合で散布させた。そして、散布後、経過日数ごとに、その土壌に対して直径1cmのステンレスパイプを、5kgのコンクリートブロックを用いて進入させて、その進入度を測定した。また、進入度は、2時間後のステンレスパイプの進入長さとした。この測定結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 0004230788
【0050】
表3の結果より、発酵期間が10日および150日の浸出液を用いた希釈液を、未耕運土壌に散布することで、日数の経過に伴いステンレスパイプの進入度が増していくことが分かる。つまり、日数の経過に伴い土壌の軟らかさが増していく。さらに、未耕運土壌に浸出液を散布させた後、その経過日数が0日のものと30日のものをそれぞれ採取して顕微鏡にて観察を行った。その結果、30日ものでは、団粒構造が多数観察された。該団粒構造は、発酵微生物や、発酵微生物により発酵分解された木材に由来する生成物により形成された、植物の栽培に適したものと推測される。これら結果より、発酵期間が10日および150日の浸出液を用いた希釈液を土壌に散布させることで、土壌改良がなされることが分かった。
【0051】
上記実施例および、発酵精製された浸出液を用いた植物や土壌への施用例の結果より、本発明の堆肥浸出液の製造方法にて製造される堆肥浸出液は、植物栽培等の栽培に有効に利用できるものであることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆肥浸出液の製造方法における製造過程を示す概略構成図。

Claims (13)

  1. 木材と食品残渣とを主原料とする被発酵材料を、発酵微生物による生物分解にて堆肥化させる一次発酵工程と、
    該一次発酵工程にて得られる堆肥を、さらに発酵熟成させる二次発酵工程と、
    該二次発酵工程の過程にて堆肥より浸出する浸出液を発酵容器に捕集するとともに好気性発酵させることで、堆肥浸出液を発酵精製する三次発酵工程とを含み、
    前記発酵微生物としては、バチルス属に属する1種以上の微生物を主体として用い、さらに、前記三次発酵工程にて得られる堆肥浸出液は、pHが6.0以上9.0以下、かつEC濃度が、水溶性固形分2%換算で、2dSm−1/cm以上10dSm−1/cm以下、かつC/N比が10以上30以下、かつ有機物比が0.2以上0.9以下となるように調整されてなることを特徴とする堆肥浸出液の製造方法。
  2. 前記発酵微生物としては、バチルス属に属するバチルス・ズブチルスを主体として用いることを特徴とする請求項1記載の堆肥浸出液の製造方法。
  3. 前記発酵微生物としては、バチルス属に属するバチルス・ズブチルスおよびバチルス・チューリンゲンシスを主体として用いることを特徴とする請求項1記載の堆肥浸出液の製造方法。
  4. 前記発酵微生物は、活性汚泥に由来するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法。
  5. 前記堆肥浸出液における前記バチルス属に属する微生物の微生物濃度が、10個/ml以上となるように調整されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法。
  6. 前記木材は、竹、笹、木材チップ、バークおよび樹木剪定屑の1種以上からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法。
  7. 前記被発酵材料の全容量に対する前記木材の容量比は、30%以上80%以下となるように調整されてなることを特徴とする請求項6記載の堆肥浸出液の製造方法。
  8. 前記食品残渣は、動植物性残渣であること特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法。
  9. 前記一次発酵工程における堆肥化は、好気性発酵にて1日以上行なうことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法。
  10. 前記二次発酵工程における発酵熟成は、好気性発酵にて行なうことを特徴とする請求項9記載の堆肥浸出液の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法にて製造される堆肥浸出液であって、
    該堆肥浸出液は、土壌改良剤として土壌に施用されるものであることを特徴する堆肥浸出液。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法にて製造される堆肥浸出液であって、
    該堆肥浸出液は、植物育成促進剤として、植物もしくはその種子に施用されるものとされることを特徴とする堆肥浸出液。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の堆肥浸出液の製造方法にて製造される堆肥浸出液を有することを特徴とする植物成長促進資材。
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