JP2007161393A - クレーンの振れ止め制御方法 - Google Patents

クレーンの振れ止め制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007161393A
JP2007161393A JP2005358413A JP2005358413A JP2007161393A JP 2007161393 A JP2007161393 A JP 2007161393A JP 2005358413 A JP2005358413 A JP 2005358413A JP 2005358413 A JP2005358413 A JP 2005358413A JP 2007161393 A JP2007161393 A JP 2007161393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crane
control method
transportation
acceleration
suspended load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005358413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4883272B2 (ja
Inventor
Hiroshi Sudo
拓 須藤
Akihiro Yasuda
明弘 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2005358413A priority Critical patent/JP4883272B2/ja
Publication of JP2007161393A publication Critical patent/JP2007161393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4883272B2 publication Critical patent/JP4883272B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control And Safety Of Cranes (AREA)

Abstract

【課題】運搬先が毎回異なり、初期巻きロープ長の誤差やその変化がある場合でも、振れ角センサを用いることなく、振れ止め後の残留振れを十分小さくできるクレーンの振れ止め制御方法を提供する。
【解決手段】Input Shaping法によりクレーン5の走行計画を作成する走行計画作成ステップS1と、前記走行計画に基づいてクレーン5の運搬シミュレーションを行って残留振動幅を求める運搬シミュレーションステップS2と、前記残留振動幅が所定の閾値以下の場合に、自動運転作業指令を出力し、前記走行計画に基づき、横行し、かつロープの巻上げおよび巻下げにより目標位置まで運搬する自動運転制御ステップS5〜S7とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、横行・巻動作が可能なクレーンの振れ止め制御方法に関する。
天井クレーンやコンテナクレーン等のクレーンを用いた吊荷の運搬では、目的地まで最短時間で運搬しながらなおかつ振れ止めする制御技術が要求される。
図5は、横行・巻動作が可能なクレーンの概略図を示している。クレーン24は、巻きロープ22を介して吊荷21を巻き動作可能であり、同時に走行体23の横行動作が可能である。吊荷21の搬送を行う際、走行体25の加速・減速によって、吊荷21が慣性の作用で振れてしまい、荷役作業に支障をきたすため、振れ角θがゼロになるように各種の振れ止め制御が提案されている。
それらの振れ止め制御の1つとして、Input Shaping法と呼ばれるフィードフォワード制御設計法が知られている(例えば、非特許文献1)。
Input Shaping法は、図6に示すように、1つ目のインパルス31による振動35を、ΔT時間の経過後に発生させた2つ目のインパルス33による振動34によって残留振動を打ち消すものである。
また、Input Shaping法をクレーンの振れ止め制御に適用したものとして、二段階加速法が知られており、既に実用化されている(例えば、非特許文献2、3)。二段階加速法は、第一段目の加速(減速)で生じた吊荷21の振れを第二段目の加速(減速)で相殺するようにしたものである。
図7に示すように、二段階加速法では、停止状態41より一定加速度で加速42し、最高速度の半分の時に速度一定43とし、加速開始から経過時間が巻きロープ22の長さLに基づく振り子の半周期T1になるまで速度43を保った後、一定加速度で加速44して最高速度で定速横行動作45を行う。これにより、吊荷21は、走行体25に対して相対運動することなく一緒に等速度運動を行う。
最高速度からの減速時にも、同様に一定の減速度で減速46し、最高速度の半分の時に速度一定47とし、減速開始からの経過時間が巻きロープ22の長さLに基づく振り子の半周期T2になるまで一定速度47を保った後、一定減速度で減速48して停止(横行終了)49に至る。
図8は、従来のクレーン24の自動運転時における上述した二段階加速法による振れ止め制御のフローチャートである。運転開始前に、最高速度、最高加速度、目的地、加速時の巻き長さ、減速時の巻き長さ等に基づいて、横行・巻きの速度パターン(横行・巻き速度の時系列)を作成後、その速度パターンに基づいて運転を行うものである。
さらに、この制御方法では、初期振れ、横行中の巻き、動特性、速度誤差、等により、残留振れが大きい場合があり、これを解決するために特許文献1が提案されている。
特許文献1は、既定の速度パターンでの運転と、既定速度パターンの減速部分のみを修正した速度パターンでの運転と、既定速度パターンの加速部分のみを修正した速度パターンでの運転とを行い、図9に示すように、既定速度パターンで運転したときの横行停止時の位相平面上での点をP1、既定速度パターンの減速部分のみを時間ΔTだけ増やしたときの位相平面上でのP1に対する変化ベクトルをVd、既定速度パターンの加速部分のみを時間ΔTだけ増やしたときの位相平面上でのP1に対する変化ベクトルをVaとすると、これらのベクトルVd、Vaを合成して図のV0を合成し、横行停止時間の位相平面上での位置を原点に持っていくことで振れを止めることができる。すなわち、V0=αVd+βVaで表せるならば、減速部分の時間をαΔT、加速部分の時間をβΔT増やすことで振れを止めることができる。
言い換えれば、特許文献1は、同じ場所に何度も運搬するクレーンの場合に、最初の数回を調整に用い、クレーンを動作させながらあらかじめ同定された運動方程式の積分を行い、振れ止めパラメータの調整を行い、振れ止めを行うものである。
N. C. Singer and W. P. Seering ,"Preshaping Command Inputs to Reduce System Vibration", ASME Journal of Dynamic Systems, Measurement, and Control, Vol.112,pp.76−82,1990 須藤 拓:"クレーン振れ止めの自動調整"、電気学会技術報告、第943号、p16−19(2003) 鈴木 俊太郎、村山 茂樹、林 亨:"コンテナクレーンの振れ止め制御"、日本機械学会第5回交通・物流部門大会講演論文集、pp95−96、1996−12.17〜19.川崎
特開2003−341975号公報、「クレーンの振れ止め方法」
上述した従来の二段階加速法では、吊荷の重心位置の違いによる、初期巻きロープ長の誤差に起因して残留振れが残ることがある。すなわち、従来の方法では、吊荷の重心が常に一定位置にあることを仮定しており、重心位置に変動がある場合には、同定精度が落ちるため振れ止め後の振れが大きくなる。
また、特許文献1の方法は、最初の数回を調整に用いるため、毎回異なる場所へ運搬する場合には対応できない問題点があった。
そのため、運搬先が毎回異なり、或いは吊荷の重心位置が変動する従来の自動クレーンでは、振れ角センサを装備し、振れ角をフィードバックすることで二段階加速に付加して振れ止め精度の向上を図っているが、コスト増加、故障部分の増加を招いていた。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、運搬先が毎回異なり、初期巻きロープ長の誤差やその変化がある場合でも、振れ角センサを用いることなく、振れ止め後の残留振れを十分小さくできるクレーンの振れ止め制御方法を提供することにある。
本発明によれば、吊荷を巻きロープで吊り下げ、水平に横行し、かつ巻きロープの巻上げ及び巻下げを行なうクレーンの振れ止め制御方法であって、
Input Shaping法によりクレーンの走行計画を作成する走行計画作成ステップと、
前記走行計画に基づいてクレーンの運搬シミュレーションを行って残留振動幅を求める運搬シミュレーションステップと、
前記残留振動幅が所定の閾値以下の場合に、自動運転作業指令を出力し、前記走行計画に基づき、横行し、かつロープの巻上げおよび巻下げにより目標位置まで運搬する自動運転制御ステップと、を有することを特徴とするクレーンの振れ止め制御方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記走行計画作成ステップにおいて、移動距離、最高加速度、最高速度、巻きロープ長および巻きロープ長の変化から、クレーンの加速タイミング時間を求める。
また、前記Input Shaping法は、Zero Vibration and Derivative(ZVD) shaperであり、
さらに、式(10)及び式(11)を満たすように、加速タイミング時間を求める、ことが好ましい。
また本発明の好ましい実施形態によれば、前記運搬シミュレーションステップにおいて、運搬する吊荷の重量を変化させて予めいくつかの重さで吊荷を実際のクレーンで運搬し、クレーンの速度指令に対する実際のクレーンの動作の伝達関数を計測しておき、
実際に運搬するために吊荷を持ち上げた瞬間にその重さを計測し、その重さに近い2つの伝達関数を補間して伝達関数を求める。
また、前記運搬シミュレーションステップにおいて、前記残留振動幅が所定の閾値を超える場合に、位相平面図上でのベクトル合成によって、残留振動幅が前記閾値以下になるまで加速タイミングを調整して走行計画を修正する。
上述した本発明の方法によれば、Input Shaping法の一種であるZero Vibration and Derivative shaper(ZVDシェーパー)を更に修正した新規の振れ止め制御方法である修正ZVDシェーパーを用いる。
修正ZVDシェーパーにより、対象とするシステムに基づいたモデルを構築することで、複数のインパルスによる残留振動の重ね合わせを予測し、残留振動がなくなるように設定することができる。
また、ZVDシェーパーでは横行中の巻き長さの変化に対応していないが、本発明の修正ZVDシェーパーでは、式(10)及び式(11)を満たすように、加速タイミング時間を求めることにより加速減速途中に巻き長さの変化がある場合でも精度良く振れ止めができるようになる。
さらに、特許文献1では、クレーンの運転を行いながら運動モデルの数値積分を行うことで、立案された速度計画通りに実際のクレーンが動かないことに対処していたが、本発明では、運搬する吊荷の重量を変化させて予めいくつかの重さで吊荷を運搬し、クレーンの速度指令に対する実際のクレーンの動作の伝達関数を計測しておき、実際に運搬するために吊荷を持ち上げた瞬間にその重さを計測し、その重さに近い2つの伝達関数を適当な補間方法で補間することにより、実際のクレーンの運動を行わずに、クレーンの動特性を正確に表現し、これに基づいて振れ止め計画を立案することができる。
従って、特許文献1では振れ止めを行うために最低3回の運搬が必要であった制限をなくし、毎回違う場所に運ぶことを可能にしている。
更に、毎回実際の吊荷の運搬を行う毎に、伝達関数の同定も毎回行うことで、モータの能力低下や駆動系の摩擦の増加などに伴う動特性の変化にも対応が可能となる。
以下本発明の好ましい実施例について、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
1.天井クレーンやコンテナクレーン等の運搬では、目的地まで最短時間で運搬しながらなおかつ振れ止めする制御技術が要求されている。
しかし、運搬先の高さが異なると巻きロープ長が変わり振れ周期が変化するため、解析的に速度計画を行うことは難しい。
そこで、本発明ではフィードフォワード制御設計法である Input Shaping法[非特許文献1]に着目し、さらに実用中のケーブルクレーン振れ止め自動調整技術[非特許文献2]も活用する。それにより、巻きロープ長の変化を考慮したクレーンの振れ止め制御に関する方法を提案する。
さらに実際に使用されているコンテナクレーンの条件[非特許文献3]を参考にして、クレーンの運搬シミュレーションを設定した。その結果、巻きロープ長に誤差が含まれていても振れ止め効果が得られること以下で示す。
2.クレーンによる振れのモデリング
図1にクレーンの運動モデルを示す。この図において、1は吊荷、2は吊荷を吊り下げる巻きロープ、3はトロリ台車、4は制御装置である。クレーン5は、吊荷1、巻きロープ2、トロリ台車3及び制御装置4で構成される。制御装置4は、トロリ台車3に搭載しても、図示しない制御ラインを介して外部に設置してもよい。
トロリ台車3は、吊荷1を巻きロープ2で吊り下げ、水平に横行し、かつ巻きロープ2の巻上げ及び巻下げを行なう機能を有する。制御装置4は、トロリ台車3及び巻きロープ2の巻上げ・巻下げを制御する。
図1において、座標系はトロリ台車1の進行方向をxとして地面に固定し、振れ角θは図で右向きを正としてトロリ台車3に固定する。
この時、トロリ台車3によって生じる振れの運動方程式は式(1)、固有周期Tは式(2)のようになる。
本発明の方法では、トロリ台車3から吊荷1を吊り下げている巻きロープ長L(t)と、トロリ台車3の加速度dθ/dt(・・付きθ)によりクレーンの振れ止めを行う。
Figure 2007161393
3.Input Shaping法
(1)Zero Vibration (ZV) shaper
Input Shapingは、フィードフォワード制御設計法であり[非特許文献1]、モデルに基づいて加速度計画を作成する。
ZV Shaperとは、二次系システムに対し複数のインパルスによる残留振動を重ね合わせることで振れ止めを行う制御方法である。
式(2a)で示す伝達関数のシステムに対して、積分値がAのインパルスn個を受けた直後の残留振動幅V(ω,ζ)は式(3)(4)(5)で表せる。
Figure 2007161393
なお、iは入力インパルスの順番数、Aはインパルス、tは加速タイミング時間、ωは対象物の固有角周波数、ζは減衰係数である。
(2)Zero Vibration and Derivative(ZVD) shaper
ZVD shaperでは、固有角周波数ωに対する残留振動幅V(ω,ζ)の感度を鈍らせるために、ZV shaperに以下の拘束式(6)を加える。その結果式(7),式(8)を得る。
Figure 2007161393
しかし、ZVD shaperだけでは巻きロープ長が大きく変化する巻き動作がある場合、実用的に十分な振れ止め精度を得ることは難しい。
(3)ZVD shaperの修正
そこで、本発明では、クレーンの角周波数ωを式(9)で定義する時変数ω(t)とする。
Figure 2007161393
さらに本発明では、クレーンの初期巻きロープ長Lの吊荷の重心位置の誤差について対応可能とするため、L(t)を式(10)のように置く。ΔL(t)はLからの変化量であり巻き長さを変えることにより変化する量である。
また本発明では、残留振動幅V(ω,ζ)をV(L,ζ)と置き換えて、初期巻きロープ長Lに対する残留振動幅Vの感度を鈍らせるために、式(6)を式(11)のようにする。
Figure 2007161393
式(11)の成立条件は式(12),式(13)となる。
Figure 2007161393
式(10)のように、巻きロープ長L(t)をLとΔL(t)に分けたため、巻きロープ長が変わることで変化する角周波数ωが式中に残り、ωの変化を考慮した振れ止め条件となっている。
クレーンでは重量が重く、ほとんど減衰しないため減衰係数ζ=0として式(12),式(13)を解いた場合、n=3で式(14)の結果となる。
Figure 2007161393
式(14)は角周波数ωが一定の場合には、インパルスはA:A:A=1:2:1、加速タイミング時間は t=π/ω、t=2π/ωとなり、式(7),式(8)から求められる条件と同じになり、式(7),式(8)の場合を含む一般的な式と考えられる。
4.振れ止めの自動調整
実際は式(1)のようにシステムは非線形であること、入力はインパルスではなく、入力を与えている間に角周波数ωが変化すること、モデル化誤差があることなどにより、式(12),式(13)を満足するだけで十分に振れ止めを行うことは難しい。
そこで、式(12),式(13)の解を初期状態として、位相平面上のベクトル合成により振れ止めの自動調整[非特許文献2]を行う。これにより、式(11)によりLに誤差があっても残留振動への影響は小さいため、運ぶ吊荷の重心のばらつきを許容できることになる。
5.シミュレーション
(1)クレーンの運搬シミュレーション設定
[非特許文献3]を参考に、巻きロープの巻き動作を含めたクレーンの運搬シミュレーションを行った。
巻きロープ長は、30[m]から10[m]に巻き上げた後、30[m]に巻き下げる。巻きは、クレーンの加速中に行う。横行については最大加速度0.5[m/]、最大速度3[m/s]、移動距離45[m]とした。
図2は、本発明によるクレーンの振れ止め制御方法のフローチャートである。
本発明のクレーンの振れ止め制御方法は、図1に示した吊荷1を巻きロープ2で吊り下げ、水平に横行し、かつ巻きロープの巻上げ及び巻下げを行なうクレーンの振れ止め制御方法である。
本発明のクレーンの振れ止め制御方法は、走行計画作成ステップS1、運搬シミュレーションステップS2、残留振動判別ステップS3、加速タイミング調整ステップS4、及び自動運転制御ステップS5〜S6からなる。これらの各ステップは、上述した制御装置4によりトロリ台車3および巻ロープ2の長さを制御して実施される。
走行計画作成ステップS1では、Input Shaping法により運搬クレーンの走行計画を作成する。この走行計画作成ステップにおいて、移動距離、最高加速度、最高速度、巻きロープ長および巻きロープ長の変化から、クレーンの加速タイミング時間を求める。
またこのInput Shaping法は、Zero Vibration and Derivative(ZVD) shaperであり、さらに、上述した式(10)及び式(11)を満たすように、加速タイミング時間を求める。
運搬シミュレーションステップS2では、 前記走行計画に基づいてクレーン5の運搬シミュレーションを行って残留振動幅を求める。
残留振動判別ステップS3では、残留振動幅を所定の閾値と比較する。
残留振動幅が所定の閾値を超える場合には、加速タイミング調整ステップS4において、位相平面図上でのベクトル合成によって、残留振動幅が前記閾値以下になるまで加速タイミングを調整して走行計画を修正する。
前記残留振動幅が所定の閾値以下の場合に、自動運転制御ステップS5〜S6において、自動運転作業指令を出力し、前記走行計画に基づき、吊荷を巻上げ、水平に横行し、吊荷を巻下げて目標位置まで運搬する。
また運搬シミュレーションステップS2は実際に運搬するために吊荷を持ち上げその重さを計測した後に実施される。そのためここで、運搬する吊荷の重量を変化させて予めいくつかの重さで吊荷を運搬し、クレーンの速度指令に対する実際のクレーンの動作の伝達関数を計測しておいたデータから、実際に計測した重さに近い2つの伝達関数を補間してS2の運搬シミュレーションを実施することができる。
(2)クレーンの運搬シミュレーション実施手順
上述したように、走行計画作成ステップS1において、移動距離、最高加速度、最高速度、巻きロープ長と巻きロープ長の変化といった条件から、式(14)より修正ZVDによるクレーンの加速タイミング時間を求めた。
また、残留振動幅が所定の閾値を超える場合には、加速タイミング調整ステップS4において、[非特許文献2]に示すθとdθ/dt/ωの位相平面図上でのベクトル合成によって、加速タイミング時間を調整し、クレーン加速終了時、減速終了時に振れ幅が0、又は所定の閾値以下になるようにした。
(3)シミュレーション結果
図3に初期巻きロープ長Lの誤差がない時のシミュレーション結果を示す。この図において、横軸は時間、縦軸は(A)は走行計画作成ステップS1で得られた走行計画におけるトロリ台車3の走行速度、および巻き長さの変化速度、(B)は運搬シミュレーションステップS2で得られた走行位置、および巻き長さ、(C)は運搬シミュレーションステップS2で得られた残留振動幅である。また図中のt,t,tは加速タイミング、t’,t’,t’は減速タイミングである。
この図から、吊荷を巻上げ、水平に横行し、吊荷を巻下げて目標位置まで運搬した際の残留振動幅は0.6[mm]となり、初期巻きロープ長に誤差がない場合には残留振動はほとんどないことがわかる。また、運搬時間は26.33[sec]となった。
図4に初期巻きロープ長の誤差が2.5%の時のシミュレーション結果を示す。この図において、横軸は時間、縦軸は(A)は走行計画作成ステップS1で得られた走行計画におけるトロリ台車3の走行速度、および巻き長さの変化速度、(B)は運搬シミュレーションステップS2で得られた走行位置、および巻き長さ、(C)は運搬シミュレーションステップS2で得られた残留振動幅である。また図中のt,t,tは加速タイミング、t’,t’,t’は減速タイミングである。
この例では、式(1)を数値積分する事で振れシミュレーションを行うが、L=1.025La(Laは真の巻きロープ長)として、横行・巻きの速度パターンを図3と同じように与えて、数値積分を行っている。この結果、この図では残留振動幅4.7[cm]となり、実用上十分小さい値となっている。
6.上述したように本発明では、ZVD shaperの修正と振れ止めの自動調整の利用による振れ止め制御方法を提案した。またクレーンの運搬シミュレーションにより、各巻きロープ長の計測値に誤差が+2.5%ある場合にも実用上十分な振れ止め効果が得られることを示した。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
クレーンの運動モデル図である。 本発明によるクレーンの振れ止め制御方法のフローチャートである。 初期巻きロープ長の誤差がない時のシミュレーション結果である。 初期巻きロープ長の誤差が2.5%の時のシミュレーション結果である。 横行・巻動作が可能なクレーンの概略図である。 Input Shaping法の説明図である。 二段階加速法の説明図である。 従来のクレーンの自動運転時における振れ止め制御のフローチャートである。 特許文献1の振れ止め制御の説明図である。
符号の説明
1 吊荷、2 巻きロープ、3 トロリ台車、4 制御装置、5 クレーン

Claims (5)

  1. 吊荷を巻きロープで吊り下げ、水平に横行し、かつ巻きロープの巻上げ及び巻下げを行なうクレーンの振れ止め制御方法であって、
    Input Shaping法により運搬クレーンの走行計画を作成する走行計画作成ステップと、
    前記走行計画に基づいてクレーンの運搬シミュレーションを行って残留振動幅を求める運搬シミュレーションステップと、
    前記残留振動幅が所定の閾値以下の場合に、自動運転作業指令を出力し、前記走行計画に基づき、横行し、かつロープの巻上げおよび巻下げにより目標位置まで運搬する自動運転制御ステップと、を有することを特徴とするクレーンの振れ止め制御方法。
  2. 前記走行計画作成ステップにおいて、移動距離、最高加速度、最高速度、巻きロープ長および巻きロープ長の変化から、クレーンの加速タイミング時間を求める、ことを特徴とする請求項1のクレーンの振れ止め制御方法。
  3. 前記Input Shaping法は、Zero Vibration and Derivative(ZVD) shaperであり、
    さらに、数6の式(10)及び式(11)を満たすように、加速タイミング時間を求める、
    Figure 2007161393
    ここでiは入力インパルスの順番数、Aはインパルス、tは加速タイミング時間、ωは対象物の固有角周波数、ζは減衰係数である、
    ことを特徴とする請求項2のクレーンの振れ止め制御方法。
  4. 前記運搬シミュレーションステップにおいて、運搬する吊荷の重量を変化させて予めいくつかの重さで吊荷を実際のクレーンで運搬し、クレーンの速度指令に対する実際のクレーンの動作の伝達関数を計測しておき、
    実際に運搬するために吊荷を持ち上げた瞬間にその重さを計測し、その重さに近い2つの伝達関数を補間して伝達関数を求める、ことを特徴とする請求項1のクレーンの振れ止め制御方法。
  5. 前記運搬シミュレーションステップにおいて、前記残留振動幅が所定の閾値を超える場合に、位相平面図上でのベクトル合成によって、残留振動幅が前記閾値以下になるまで加速タイミングを調整して走行計画を修正する、ことを特徴とする請求項1のクレーンの振れ止め制御方法。
JP2005358413A 2005-12-13 2005-12-13 クレーンの振れ止め制御方法 Expired - Fee Related JP4883272B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005358413A JP4883272B2 (ja) 2005-12-13 2005-12-13 クレーンの振れ止め制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005358413A JP4883272B2 (ja) 2005-12-13 2005-12-13 クレーンの振れ止め制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007161393A true JP2007161393A (ja) 2007-06-28
JP4883272B2 JP4883272B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=38244733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005358413A Expired - Fee Related JP4883272B2 (ja) 2005-12-13 2005-12-13 クレーンの振れ止め制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4883272B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010143824A3 (ko) * 2009-06-09 2011-03-03 Choi Gy-Yun 인풋 쉐이핑을 위한 호이스트 길이 측정방법
CN105549386A (zh) * 2015-12-04 2016-05-04 南开大学 船用起重机自动控制实验系统
CN105600683A (zh) * 2016-03-01 2016-05-25 山东大学 带初始负载摆角及台车位移的桥式吊车误差跟踪器及方法
CN107857196A (zh) * 2017-11-13 2018-03-30 浙江大学 一种桥式集装箱起重机摆动最优控制系统
WO2019167765A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 オムロン株式会社 シミュレーション装置、方法、及びプログラム
JP2020007081A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社タダノ 遠隔操作端末及び作業車両
JP2022014976A (ja) * 2020-07-08 2022-01-21 株式会社三井E&Sマシナリー 制御システムおよび走行体
US11619929B2 (en) 2019-04-17 2023-04-04 Hitachi, Ltd. Automatic operation control method and system
CN117842848A (zh) * 2024-01-12 2024-04-09 山东普瑞机械科技有限责任公司 一种面向起重机的防错装检测控制系统及方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0761770A (ja) * 1993-08-31 1995-03-07 Nippon Steel Corp クレーンの小移動振れ止め停止制御方法
JP2003341975A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd クレーンの振れ止め方法
JP2005339503A (ja) * 2004-04-26 2005-12-08 Japan Science & Technology Agency 駆動装置の位置決め制御方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0761770A (ja) * 1993-08-31 1995-03-07 Nippon Steel Corp クレーンの小移動振れ止め停止制御方法
JP2003341975A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd クレーンの振れ止め方法
JP2005339503A (ja) * 2004-04-26 2005-12-08 Japan Science & Technology Agency 駆動装置の位置決め制御方法及び装置

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010143824A3 (ko) * 2009-06-09 2011-03-03 Choi Gy-Yun 인풋 쉐이핑을 위한 호이스트 길이 측정방법
CN102459058A (zh) * 2009-06-09 2012-05-16 崔基允 用于输入整形的起重机长度测量方法
CN105549386A (zh) * 2015-12-04 2016-05-04 南开大学 船用起重机自动控制实验系统
CN105600683A (zh) * 2016-03-01 2016-05-25 山东大学 带初始负载摆角及台车位移的桥式吊车误差跟踪器及方法
CN107857196A (zh) * 2017-11-13 2018-03-30 浙江大学 一种桥式集装箱起重机摆动最优控制系统
CN107857196B (zh) * 2017-11-13 2019-03-01 浙江大学 一种桥式集装箱起重机摆动最优控制系统
WO2019167765A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 オムロン株式会社 シミュレーション装置、方法、及びプログラム
JP2019150887A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 オムロン株式会社 シミュレーション装置、方法、及びプログラム
JP2020007081A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社タダノ 遠隔操作端末及び作業車両
JP7172199B2 (ja) 2018-07-05 2022-11-16 株式会社タダノ 遠隔操作端末及び作業車両
US11619929B2 (en) 2019-04-17 2023-04-04 Hitachi, Ltd. Automatic operation control method and system
JP2022014976A (ja) * 2020-07-08 2022-01-21 株式会社三井E&Sマシナリー 制御システムおよび走行体
JP7365975B2 (ja) 2020-07-08 2023-10-20 株式会社三井E&S 制御システムおよび走行体
CN117842848A (zh) * 2024-01-12 2024-04-09 山东普瑞机械科技有限责任公司 一种面向起重机的防错装检测控制系统及方法
CN117842848B (zh) * 2024-01-12 2024-09-13 山东普瑞机械科技有限责任公司 一种面向起重机的防错装检测控制系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4883272B2 (ja) 2012-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4883272B2 (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP5293977B2 (ja) クレーンの振れ止め制御方法及び振れ止め制御装置
JP5168482B2 (ja) 制振位置決め制御方法および装置
JP2004521839A (ja) 運転者の命令下におけるクレーンの揺れ防止制御システム及び方法
CN111196557B (zh) 用于补偿可振动的技术系统的振动的方法和振动调节器
WO2007094190A1 (ja) 吊荷振れ止め装置
JP2016120996A (ja) トロリ式クレーンの振れ止め制御方法及び装置
JP5039365B2 (ja) クレーンのスキュー振れ止め装置およびクレーン
JP2002241079A (ja) クレーンの積み付け制御方法および積み付け制御装置
JP7117852B2 (ja) 巻上げ機
JP7384025B2 (ja) 懸架式クレーンの制御装置及びインバータ装置
JP3237557B2 (ja) クレーン吊り荷の振れ止め制御方法
KR100293185B1 (ko) 흔들림방지기능을구비한무인천정크레인제어장치
JPH09156878A (ja) クレーン吊り荷振れ角センサー校正方法
JP5688834B2 (ja) クレーンの振れ止め制御装置
JP5245085B2 (ja) 時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム
JP2017178545A (ja) クレーンの振れ止め制御方法、及びクレーンの振れ止め制御装置
JP6756431B2 (ja) 吊り荷の移送方法及びクレーン
JP2007269450A (ja) 搬送設備とその制御方法
JP2766726B2 (ja) 振れ止め制御装置
JP3312200B2 (ja) 支持体の振れ止め制御方法、クレーンの振れ止め制御方法、支持体の振れ止め制御装置、及びクレーンの振れ止め制御装置
JP2003341975A (ja) クレーンの振れ止め方法
JP6449744B2 (ja) クレーンの制御装置、及びクレーンの制御方法
JP4155785B2 (ja) 吊り荷の振れ止め制御方法
JP3565702B2 (ja) 懸垂式昇降装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110815

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees