JP2007161158A - ブラシレスモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル44が巻装された円筒状のステータ21と、該ステータ21と対向する磁極57及び出力軸52を備えたロータ51と、ロータ51の回転角度を検出する角度検出器22と、前記ステータ21及び前記角度検出器22を内装するフレーム23,23A,23Bと、該フレームに対して前記ロータ51を回転自在に支持する軸受装置28,32とを有するブラシレスモータ14であって、前記フレーム23,23Aは、被取付部86に固定するフランジ部24が一体成型され、且つ前記ステータ21をその一方の端面が前記フランジ部24に対向するように配置した構成とされている。
【選択図】図7
Description
一方、ステータにおいては、小型軽量化及び銅損低減を図るために、巻線係数が高くかつ集中巻が可能なスロットコンビネーションが選択され、さらに、磁場解析による鉄製機械と銅製機械の比率の最適設計や磁路設計の最適化や、分割コアや平角線などを用いた高密度巻線が施されている。
一方、モータコイルに限らずモータを構成する部品には使用温度の限界があり、銅損によりその温度を超えるとモータは焼損に至ってしまう。
また、電動パワーステアリング装置において、あってはならない故障であるセルフステアを防ぐために、フレームとステータの空転を確実に防止することが必須である。したがって、フレームとステータとは一般的に広く用いられているものの、緩んだり剥がれたりした際に空転してしまう可能性のある、圧入や焼きばめ、接着等の嵌合方法と併用して、機械的な回り止めを設けることが望ましい。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、小型軽量でありながら安価で信頼性の高いブラシレスモータを提供すると共に、このブラシレスモータを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
さらに、請求項3に係るブラシレスモータは、請求項2に係る発明において、前記フレームは、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム及びマグネシウム合金の何れか一方で形成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係るブラシレスモータは、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、前記ステータの両端面に突出しているコイルエンド部と、前記フレームとの間に存在する隙間の少なくとも一方に空気より高い熱伝導率を有する材料で形成された伝熱材を介挿したことを特徴としている。
さらに、請求項7に係るブラシレスモータは、請求項1乃至6の何れか1つの発明において、前記フレームは、前記角度検出器と対向する外周部にフィン状のリブが多数形成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項9に係るブラシレスモータは、請求項1乃至8の何れか1つの発明において、前記フレームは、前記ステータの嵌合面に1個所又は複数個所の凹部が形成され、前記ステータは前記フレームとの嵌合面に前記凹部に係合する凸部が形成されていることを特徴としている。
さらに、請求項11に係るブラシレスモータは、請求項9に係る発明において、前記凹部は軸方向に延長する溝で構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項12に係るブラシレスモータは、請求項11に係る発明において、前記凹部は、その長さが前記ステータの軸方向長さ以上の長さに選定されていることを特徴としている。
また、請求項14に係るブラシレスモータは、請求項1乃至13の何れか1つの発明において、前記ステータは、フレームに嵌合する円周方向に延長するステータヨークと該ステータヨークの円周方向中央部から内方に延長し、モータコイルが巻装される磁脚部とで軸方向と直交する断面形状がT形に形成された複数の分割コアを、前記ステータヨークの円周方向の両端を隣接する分割コアのステータヨークの円周方向端に連接させて円環状に形成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項16に係るブラシレスモータは、請求項15に係る発明において、各分割コアは、隣接する分割コアの半部同士を溶接することにより、円環状に連結されていることを特徴としている。
また、請求項17に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至16の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したことを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、ステータの両端面に突出しているコイルエンド部と、フレームとの間に存在する隙間の少なくとも一方に空気よりも高い熱伝導率を有する材料で形成された伝熱材を介挿したので、コイルエンド部からフレームへの伝熱が増え、許容できる銅損を大きくできるので、小型、軽量なブラシレスモータを提供できる。
なおさらに、請求項9に係る発明によれば、フレームはステータとの嵌合面に1個所以上の凹部が形成され、ステータはフレームとの嵌合面に前記凹部に係合する凸部が形成されているので、凹部及び凸部がフレームとステータとの間の機械的な回り止めとして機能し、ステータの空転を確実に防止して信頼性の高いブラシレスモータを提供することができる。
さらに、請求項11に係る発明によれば、フレームの凹部が軸方向に延長する溝で構成されているので、フレームへのステータの嵌合を容易に行うことができ、安価でありながら信頼性が高いブラシレスモータを提供することができる。
なおさらに、請求項13に係る発明によれば、ステータの凸部の数はスロット数と同数で且つ等間隔に配設されているので、均一な磁路を形成することができ、コギングトルク及びトルクリップルの小さい高性能なブラシレスモータを提供することができる。
なおさらに、請求項17に係る発明によれば、ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至16の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したので、小型、軽量でありながら安価で信頼性が高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は電動パワーステアリング装置であり、この電動パワーステアリング装置1は、運転者が操舵するステアリング機構2を備えている。
このステアリング機構2は、ステアリングホイール3に運転者から作用される操舵力が伝達される入力軸4aと出力軸4bとを有するステアリングシャフト4を有し、このステアリングシャフト4は、入力軸4aの一端がステアリングホイール3に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ5を介して出力軸4bの一端に連結されている。
そして、このブラシレスモータ14が、操舵トルクセンサ5で検出されるステアリングホイール3に付与されて入力軸4aに伝達された操舵トルクが入力されると共に、車速を検出する車速センサ15から出力される車速検出値が入力された制御装置16によって駆動制御される。
また、フレーム半体23Bは、図3及び図6で特に明らかなように、フレーム半体23Aとは反対側の内周面にレゾルバ22を収容する大径部31が形成され、この大径部31と連結して例えば深溝玉軸受で構成される固定軸受装置32を嵌合する小径部33が形成されていると共に、外周部におけるレゾルバ22と対向する位置に半径方向に突出するフィン状のリブ34が円周方向に所定間隔を保って多数一体成型され、さらに外周部におけるフレーム半体23Aの突出板部26に対向する位置にケーブル引出し口35が一体成型されている。
このように、フレーム半体23A及び23Bを共に鋳造によって製作するが、インロー部などの高い精度が必要な部位は適宜切削加工が施されている。
そして、フレーム半体23Aの大径部27内にステータ21が嵌合されている。このステータ21は、図5及び図6で特に明らかなように、12個の電磁鋼板を積層したT形の分割コア41を円環状に連接させた構成を有する。
また、外周側基部42の外周面における円周方向の両端部にフレーム半体23Aの凹部30に係合する断面が4分の1円状の凸半部45が軸方向の全域にわたって形成されている。したがって、分割コア41同士を連接させたときに、図5で拡大図示したように、双方の凸半部45で断面半円形のフレーム半体23Aに形成した凹部30に係合する凹部30と同一の曲率でその中心点をフレーム半体23Aの凹部30の中心点よりもステータ中心軸側に若干ずらした形状の凸部46が形成される。そして、各分割コア41を円環状に連接させた状態で、凸部46をレーザ溶接等で溶接することにより、円環状のステータ21が構成され、このステータ21が、フレーム半体23Aの大径部27に凸部46を凹部30に係合させて嵌合されている。このとき、フレーム半体23Aに形成したステータ21のヨーク43を突き当てるステータヨーク突き当て部47とステータ21の先端を突き当てるステータ先端突き当て部48は、その両部でステータ21の端面に接触する形状としており、さらにその部位におけるコイルエンドとの間の隙間には、エポキシ系樹脂からなる伝熱体49が充填されている。
このように、ステータ21を分割コア方式にすることにより、一体コア方式に巻線を施す際に必要な巻線ノズルを通すための空間や、巻線をスロットに落とし込む際のガイドのための空間など、巻線構成のためだけに生じる無駄なスロット空間が不要となるので、高密度な巻線が可能となる。
さらに、T形の分割コア41において、ステータヨーク42のスロット側を磁脚部56の首部中心線に直交する直線形状としたことにより、巻線時にステータヨーク42が干渉しないので、高密度な巻線が可能である。
また、その凸部46は、フレーム半体23Aに設けてなる凹部に対して、径方向には隙間が大きいが、回転方向には隙間が殆どない形状なので、分割コア41同士を溶接する際に生じるビードや膨らみを取り除くことなくフレーム半体23Aに焼ばめすることができる。さらに、ブラシレスモータ14の雰囲気温度のみが急激に上昇してフレーム半体23Aのみが高温になったり、予期せぬ外力などでフレーム半体23Aに割れが生じたりしてフレーム半体23Aとステータ21のしめしろが無くなってしまった場合でもステータ21は空転しないので、トルク低下やトルクリップル、回転方向によるトルク差、さらには電動パワーステアリング装置においてあってはならない故障であるセルフステアといった現象を確実に防ぐことができる。
これらの特徴は、T形の分割コア41がスロット数と同数個連結されており、連結部を折り曲げることにより円環状のステータ21となる展開コア方式のステータで適用しても同様の効果が得られる。
また、フレーム半体23Bの大径部31には、レゾルバ22を構成するレゾルバステータ21sが内嵌されている。
そして、上記構成を有するブラシレスモータ14が被取付部としての減速ギヤ13に図7に示すように取付けられている。ここで、減速ギヤ13は、図7に示すように、ハウジング81に一対の軸受装置82及び83によって回転自在に支持されたウォームギヤ84と、このウォームギヤ84に噛合する同様にハウジング81に回転自在に支持されたウォームホイール85とで構成されている。
そして、ハウジング81のウォームギヤ84の中心軸と直交する端面にモータ取付部86が形成され、このモータ取付部86にブラシレスモータ14のフレーム半体23Aの取付端がインロー結合されると共に、フランジ部24がネジ止めされている。
今、車両が停車しているものとすると、この状態で、ステアリングホイール3を右切り(又は左切り)する所謂据え切り状態とすると、このときのステアリングホイール3に付加される操舵トルクが操舵トルクセンサ5で検出され、検出された操舵トルクが制御装置16に入力されると共に、車速センサ15で検出した零の車速検出値が制御装置16に入力される。
この状態から車両を走行させると車速検出値の増加に応じて同一操舵トルクであっても算出される操舵補助指令値が小さい値となり、これに応じてブラシレスモータ14が回転駆動されるので、このブラシレスモータ14で発生する操舵補助力が据え切り時より小さくなり、車速に応じた最適な操舵補助力を発生することができる。
また、磁極部57を構成する永久磁石59をキャップ60で覆うことにより、永久磁石59に欠けや割れが生じたり、永久磁石59がロータヨーク58から剥がれたりした場合であっても永久磁石59がエアギャップに噛み込まないので、電動パワーステアリング装置においてあってはならない故障であるモータロックによるホイールステアリングロックを確実に防止することができる。
この第2の実施形態では、上述した第1の実施形態において、2つに分割したフレーム半体23A及び23Bを一体に構成したものである。
すなわち、第2の実施形態では、図8に示すように、外周部にフランジ部42を一体成型し、且つステータ21を収容する大径部91と、この大径部91に連接する固定軸受装置32を嵌合する小径部92と、この小径部92に連接するレゾルバ22を収容する中径部93とを有する円筒状の1つのフレーム23を構成し、このフレーム23のフランジ部24側の端面に予圧軸受装置28を収容する軸受ホルダ94をインロー結合し、さらに各相のモータコイル44の終端を連結するバスバー50及びモータケーブルのケーブル引出し口35をフランジ部24側に配置し、レゾルバケーブル95については第1の実施形態と同様としたことを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図4との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、ロータ回転角を検出する回転角検出器としてレゾルバ22を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ホール素子などの磁気検出素子や、ロータリエンコーダ等の任意の回転角検出器を適用することができる。
さらにまた、上記第1及び第2の実施形態においては、本発明のブラシレスモータ14を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置やその他の車載機器等の任意の機器の回転駆動源として適用することができる。
Claims (17)
- コイルが巻装された円筒状のステータと、該ステータと対向する磁極及び出力軸を備えたロータと、ロータの回転角度を検出する角度検出器と、前記ステータ及び前記角度検出器を内装するフレームと、該フレームに対して前記ロータを回転自在に支持する軸受装置とを有するブラシレスモータであって、
前記フレームは、被取付部に固定するフランジ部が一体成型され、且つ前記ステータをその一方の端面が前記フランジ部に対向するように配置したことを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記フレームは、高熱伝導率を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 前記フレームは、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム及びマグネシウム合金の何れか一方で形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブラシレスモータ。
- 前記フレームは鋳造によって一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記ステータの両端面に突出しているコイルエンド部と、前記フレームとの間に存在する隙間の少なくとも一方に空気より高い熱伝導率を有する材料で形成された伝熱材を介挿したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記出力軸は前記フランジ部側に配置され、且つ当該出力軸に対して予圧側軸受装置、前記ロータの磁極、固定側軸受装置及び前記角度検出器がその順に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記フレームは、前記角度検出器と対向する外周部にフィン状のリブが多数形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記リブはフレームに一体成型されていることを特徴とする請求項7に記載のブラシレスモータ。
- 前記フレームは、前記ステータの嵌合面に1個以上の凹部が形成され、前記ステータは前記フレームとの嵌合面に前記凹部に係合する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記凹部は、フレームに一体成型されていることを特徴とする請求項9に記載のブラシレスモータ。
- 前記凹部は軸方向に延長する溝で構成されていることを特徴とする請求項9に記載のブラシレスモータ。
- 前記凹部は、その長さが前記ステータの軸方向長さ以上の長さに選定されていることを特徴とする請求項11に記載のブラシレスモータ。
- 前記ステータの凸部は、スロット数と同数で且つ等間隔に配設されていることを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記ステータは、フレームに嵌合する円周方向に延長するステータヨークと該ステータヨークの円周方向中央部から内方に延長し、モータコイルが巻装される磁脚部とで軸方向と直交する断面形状がT形に形成された複数の分割コアを、前記ステータヨークの円周方向の両端を隣接する分割コアのステータヨークの円周方向端に連接させて円環状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記分割コアは、ステータヨークの外周面における円周方向両端に夫々前記凹部に係合する凸部を構成する半部が突出形成されていることを特徴とする請求項14記載のブラシレスモータ。
- 各分割コアは、隣接する分割コアの半部同士を溶接することにより、円環状に連結されていることを特徴とする請求項15に記載のブラシレスモータ。
- ステアリング機構に伝達する操舵補助力を発生するモータとして請求項1乃至16の何れか1項に記載のブラシレスモータを適用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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