JP2007161142A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】内側ベルト層22のベルト端部25とカーカス11との間にベルト端ゴム層30を設ける。さらに、一方のベルト端部25とカーカス11との間に位置するベルト端ゴム層30である薄側ゴム層32よりも他方のベルト端部25とカーカス11との間に位置するベルト端ゴム層30である厚側ゴム層31のゴム層厚さを厚くする。これにより、厚側ゴム層31寄りのトレッド面6で荷重を受けた場合に、その荷重は厚側ゴム層31でも吸収し、高速走行時の耐久性を向上させることができる。また、薄側ゴム層32寄りのトレッド面6で荷重を受けた場合には、薄側ゴム層32を挟む内側ベルト層22とカーカス11とにずれが発生し難くなり、操縦安定性を向上させることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、耐久性と操縦安定性との両立を図ることのできる空気入りタイヤに関するものである。
近年の空気入りタイヤでは、操縦安定性などの観点から、扁平率が低い、いわゆる低扁平の空気入りタイヤが増加している。このような空気入りタイヤでは、トレッド幅が広くなっているものが多く、広くなったトレッド幅に応じてベルト層の幅も広くなっている。これにより、トレッド曲げ剛性が大きくなるので、コーナリングフォースが向上し、操縦安定性が向上する反面、轍ワンダリング性が低下する虞があった。このため、従来の空気入りタイヤでは、高い操縦安定性を確保しながら、轍ワンダリング性を改善しているものがある。
例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、ベルト層のカーカス層と間にベルト層の幅の20〜45%の幅で形成された離間ゴム層を設け、この離間ゴム層の厚さを、タイヤ幅方向における端部付近よりも中央部付近の方を厚くしている。これにより、ベルト層のセンター域をショルダー域よりも外周側に膨出させることができ、ベルト層の剛性を、センター域よりもショルダー域の方が低くなるようにすることできる。この結果、高い操縦安定性を確保しつつ、轍ワンダリング性を改善することができる。
特開平11−11112号公報
しかしながら、近年の車両では、高速巡航性能が著しく向上しているものもあり、このような車両に装着する空気入りタイヤでは、高速走行時の耐久性、及び高速走行時における操縦安定性が重要になっている。特に、近年の車両では、車両内側のキャンバー角が付けられた車両、つまり、キャンバー角がネガティブキャンバーになっている車両が多く、このような車両において、高速走行時における耐久性と操縦安定性とを両立させることは、非常に困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、ベルト層のタイヤ径方向内方にカーカスが位置する空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層の最もタイヤ径方向内方に位置する面と前記カーカスとの間には、少なくとも前記ベルト層のうちタイヤ幅方向の両端に位置する部分であるベルト端部における位置にゴム層が設けられており、前記ゴム層の厚さであるゴム層厚さは、タイヤ幅方向両端の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層のうち、一方の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層である薄側ゴム層の前記ゴム層厚さよりも、他方の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層である厚側ゴム層の前記ゴム層厚さの方が厚くなっていることを特徴とする。
この発明では、ベルト層とカーカスとの間に位置するゴム層の厚さであるゴム層厚さを、タイヤ幅方向の両端に位置する双方のベルト端部における位置で異ならせている。つまり、ゴム層は、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト端部のうち一方のベルト端部とカーカスとの間に位置するゴム層である薄側ゴム層のゴム層厚さよりも、他方のベルト端部とカーカスとの間に位置するゴム層である厚側ゴム層のゴム層厚さの方が厚くなっている。これにより、厚側ゴム層付近では、ゴム層によって衝撃を吸収することができ、緩衝効果を有している。また、薄側ゴム層付近では、ゴム層の厚さが薄いのでゴム層のせん断力が確保されている。これらのため、車両の直進走行時には、厚側ゴム層寄りの部分のトレッド部を接地させて走行することにより、緩衝効果により、高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、薄側ゴム層寄りの部分のトレッド部を接地させて走行することにより、ゴム層のせん断力が確保されている部分で走行することができるため、操縦安定性の向上を図ることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ゴム層厚さは、前記薄側ゴム層の前記ゴム層厚さを100とした場合に、前記厚側ゴム層の前記ゴム層厚さが120〜150の範囲内となっていることを特徴とする。
この発明では、薄側ゴム層のゴム層厚さと厚側ゴム層のゴム層厚さとの相対的な関係を上記の範囲内にすることにより、厚側ゴム層のゴム層厚さを、より適切な厚さにすることができる。つまり、薄側ゴム層のゴム層厚さを100とした場合における厚側ゴム層のゴム層厚さを120未満にした場合には、厚側ゴム層のゴム層の厚さがあまり厚くないので、厚側ゴム層寄りの部分のトレッド部が接地した場合における緩衝効果があまり向上しない虞がある。また、薄側ゴム層のゴム層厚さを100とした場合における厚側ゴム層のゴム層厚さを150よりも大きくした場合には、厚側ゴム層のゴム厚さが厚過ぎるため、厚側ゴム層を形成するゴムの量が多くなり過ぎる虞がある。このため、車両走行時にこの部分の発熱量が増加し、耐久性が徐々に低下する虞がある。これらにより、薄側ゴム層のゴム層厚さを100とした場合における厚側ゴム層のゴム層厚さが120〜150の範囲内なるようにゴム層を形成することにより、厚側ゴム層のゴム層厚さを、より適切な厚さにすることができる。この結果、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ゴム層は、少なくとも前記厚側ゴム層の60℃におけるtanδが0.08以下になっていることを特徴とする。
この発明では、厚側ゴム層の60℃におけるtanδを0.08以下にしているので、より確実に耐久性の向上を図ることができる。つまり、厚側ゴム層を形成するゴムの60℃におけるtanδを0.08以下にすることにより、荷重を受けた際における発熱量が低減するので、厚側ゴム層を形成するゴムが発熱することに起因する厚側ゴム層の耐久性の低下を抑制できる。この結果、より確実に高速耐久性を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤは、車両に装着可能なリムホイールを介して前記車両に装着可能になっており、前記厚側ゴム層は、前記車両への装着時における前記車両の幅方向の内側方向に位置していることを特徴とする。
この発明では、厚側ゴム層が車両の内側方向に位置しており、反対に、薄側ゴム層は車両の外側方向に位置している。これにより、キャンバー角がネガティブキャンバーになっている場合には、直進走行時に、車両の内側方向に位置している厚側ゴム層寄りのトレッド部を接地させることができ、緩衝効果によって直進走行時の高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤにおける、車両の外側方向のトレッド部に荷重が作用し易くなるが、この部分の付近には薄側ゴム層が位置している。このため、レーンチェンジ時やコーナリング時における操縦安定性を向上させることができる。これらの結果、より確実に、高速耐久性と操縦安定性とを向上させることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。図1は、この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、子午面方向の断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分に、ゴム材料からなるトレッド部5が設けられており、このトレッド部5の表面であるトレッド面6には、トレッドパターンを形成する溝部(図示省略)が複数設けられている。また、前記トレッド部5のタイヤ幅方向の端部、即ち、ショルダー部8付近からタイヤ径方向内方側の所定の位置までは、サイドウォール部7が設けられており、さらに、このサイドウォール部7のタイヤ径方向内方側には、ビード部16が設けられている。このビード部16は、当該空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、赤道面40を中心として対称になるように、赤道面40を中心としてタイヤ幅方向における両側に設けられている。また、ビード部16にはビードコア17が設けられており、ビードコア17のタイヤ径方向外方にはビードフィラー18が設けられている。
また、前記トレッド部5のタイヤ径方向内方には、ベルト層20が2層設けられている。ベルト層20のタイヤ径方向内方、及び前記サイドウォール部7の赤道面40側には、カーカス11が連続して設けられている。このカーカス11は、ビード部16でビードコア17に沿ってタイヤ幅方向外方に折り返されている。また、このカーカス11の内側、或いは、当該カーカス11の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ15がカーカス11に沿って形成されている。
前記2層のベルト層20はクロスプライベルトとなって形成されている。つまり、各ベルト層20を形成するコード(図示省略)は、2層のベルト層20で互いに異なる角度で形成されており、さらに、赤道面40に対して、互いに反対方向に向かう方向に傾斜している。これらの2層のベルト層20は、2層のベルト層20のうち、タイヤ径方向外方に位置するベルト層20である外側ベルト層21は、2層のベルト層20のうち、タイヤ径方向内方に位置するベルト層20である内側ベルト層22よりもタイヤ幅方向における幅が狭くなっている。このため、外側ベルト層21は、全ての部分がタイヤ径方向において内側ベルト層22とタイヤ径方向に重なって形成されている。
また、ベルト層20とカーカス11との間には、ゴム層であるベルト端ゴム層30が設けられている。このベルト端ゴム層30はゴム材料からなり、少なくともベルト層20のうちタイヤ幅方向の両端に位置する部分であるベルト端部25における位置に設けられている。即ち、ベルト端ゴム層30は、ベルト端部25とカーカス11との間に設けられている。
図2は、図1のA部詳細図である。このベルト端ゴム層30は、詳しくはベルト層20のうちの内側ベルト層22とカーカス11との間に設けられており、内側ベルト層22のベルト端部25とカーカス11との間に設けられ、さらに、この位置からタイヤ幅方向にカーカス11に沿って所定の幅で形成されている。換言すると、ベルト端ゴム層30は、ベルト層20の最もタイヤ径方向内方に位置する面であるベルト層内面24とカーカス11と間に設けられており、このベルト層内面24を有するベルト層20である内側ベルト層22のタイヤ幅方向両端に位置するベルト端部25とカーカス11との間から、所定の幅でカーカス11に沿って形成されている。つまり、内側ベルト層22は、タイヤ幅方向における中央部付近、或いは赤道面40(図1参照)近傍ではカーカス11に接触しており、ベルト端部25付近では、ベルト端部25に向かうに従ってカーカス11から離れている。ベルト端ゴム層30は、このようにベルト端部25に向かうに従って離れている内側ベルト層22とカーカス11との間に設けられている。
また、このように内側ベルト層22のベルト端部25に向かうに従って離れている内側ベルト層22とカーカス11との間隔は、タイヤ幅方向における両端のベルト端部25とカーカス11との間隔同士で異なっている。つまり、ベルト端部25とカーカス11との間隔は、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト端部25のうち、一方のベルト端部25とカーカス11との間隔よりも、他方のベルト端部25とカーカス11との間隔の方が大きくなっている。このため、内側ベルト層22とカーカス11との間に設けられるベルト端ゴム層30の厚さであるゴム層厚さも、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト端部25における位置ごとに異なっている。即ち、カーカス11との間隔が離れている側のベルト端部25とカーカス11との間に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さの方が、他方のベルト端部25とカーカス11との間に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さよりも厚くなっている。これらのベルト端ゴム層30のうち、他方のベルト端ゴム層30よりも相対的にゴム層厚さが厚くなっている側のベルト端ゴム層30は厚側ゴム層31となっており、厚側ゴム層31が位置している側のベルト端部25と異なるベルト端部25とカーカス11との間に位置し、ゴム層厚さが厚側ゴム層31よりも薄くなっているベルト端ゴム層30は薄側ゴム層32となっている。
なお、ここでいうゴム層厚さとは、ベルト端部25からカーカス11に向けて引かれた垂線の方向における厚さをいう。内側ベルト層22のタイヤ幅方向両端のベルト端部25とカーカス11との間に設けられるベルト端ゴム層30は、この方向における厚側ゴム層31のゴム層厚さT1が、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2よりも厚くなっている。
厚側ゴム層31と薄側ゴム層32とは、このようにゴム層厚さが異なっているため、ベルト端ゴム層30を形成するゴムの量が異なっており、薄側ゴム層32を形成するゴムの量よりも、厚側ゴム層31を形成するゴムの量の方が多くなっている。また、このようにゴム層厚さが異なっている厚側ゴム層31と薄側ゴム層32とは、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合に、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1が120〜150の範囲内となるように形成されるのが好ましい。さらに、厚側ゴム層31は、60℃におけるtanδが0.08以下になっているのが好ましい。
図3は、図1の空気入りタイヤを車両に装着した状態を示す要部詳細図である。この空気入りタイヤ1は、リムホイール50をビード部16(図1参照)に嵌合することにより、リムホイール50に組み付けることができるようになっており、さらに、このリムホイール50は、車両70(図4参照)に装着することができるようになっている。これにより、この空気入りタイヤ1は、車両70に装着可能なリムホイール50を介して車両70に装着可能になっている。
空気入りタイヤ1が組み付けられたリムホイール50を車両70に装着する場合には、リムホイール50を、車両70が有する取付部55に取り付ける。これにより、空気入りタイヤ1は、車両70に装着される。また、このようにリムホイール50を介して空気入りタイヤ1を車両70に装着する場合には、ベルト端ゴム層30のうち、厚側ゴム層31が、当該空気入りタイヤ1を装着する車両70の幅方向の内側方向に位置し、薄側ゴム層32が、車両70の幅方向の外側方向に位置する向きで装着する。
また、当該空気入りタイヤ1が装着される車両70は、アライメントがネガティブキャンバーになっている。このため、リムホイール50を介して空気入りタイヤ1を車両70に装着した状態で、この車両70が停止している状態、または、直進走行をしている状態では、空気入りタイヤ1は、下端側、つまり、当該空気入りタイヤ1における路面75側よりも、路面75側と反対側である上端側の方が、車両幅方向における内側方向に位置している。
このため、空気入りタイヤ1の赤道面40は、路面75に対して垂直な仮想線である垂直線60に対して傾斜する。この赤道面40が傾斜する方向は、車両70のアライメントがネガティブキャンバーであるため、空気入りタイヤ1の下端側から上端方向に向かうに従って、車両幅方向の外側方向から車両幅方向の内側方向に向かう方向に傾斜している。このように傾斜している赤道面40と垂直線60とでなす角度が、キャンバー角θとなる。なお、このキャンバー角θは、ネガティブキャンバーの場合には符号が−(マイナス)になり、ポジティブキャンバーの場合、つまり、空気入りタイヤ1の下端側よりも上端側の方が、車両幅方向における外側方向に位置するように空気入りタイヤ1が傾斜している場合には、符号が+(プラス)になる。
また、当該車両70のアライメントによって空気入りタイヤ1の赤道面40は垂直線60に対して傾斜しているため、トレッド面6も路面75に対して傾斜する傾向にある。詳細には、空気入りタイヤ1は、下端側よりも上端側の方が車両幅方向における内側方向に位置するように傾斜しており、また、厚側ゴム層31が車両幅方向における内側方向に位置するように車両70に装着されているため、厚側ゴム層31寄りのトレッド面6が、路面75に接地し易くなっている。
換言すると、タイヤ幅方向における両端に位置するショルダー部8のうち、車両幅方向における内側方向に位置するショルダー部8は内側ショルダー部9となっており、車両幅方向における外側方向に位置するショルダー部8は外側ショルダー部10となっている。このショルダー部8に対して、ベルト端ゴム層30は、厚側ゴム層31が内側ショルダー部9寄りに位置しており、薄側ゴム層32が外側ショルダー部10寄りに位置している。
ベルト端ゴム層30に対してこのような位置関係となるショルダー部8は、空気入りタイヤ1が、下端側よりも上端側の方が車両幅方向における内側方向に位置するように傾斜しているため、空気入りタイヤ1の下端側では、外側ショルダー部10寄りのトレッド面6よりも内側ショルダー部9寄りのトレッド面6の方が、路面75に接地し易くなっている。即ち、薄側ゴム層32寄りのトレッド面6よりも、厚側ゴム層31寄りのトレッド面6の方が、路面75に接地し易くなっている。このため、トレッド面6が路面75に接地した場合において、車両70の重量などによりトレッド面6に作用する荷重は、外側ショルダー部10寄りの部分よりも、内側ショルダー部9寄りの部分に、より大きな荷重が作用する。この荷重は、内側ショルダー部9の近傍に位置する、厚側ゴム層31付近にも伝えられ、厚側ゴム層31でも荷重を受ける。
この厚側ゴム層31は、ゴム層厚さT1が厚くなっており、厚側ゴム層31を形成するゴムの量が多くなっている。このため、厚側ゴム層31で荷重を受けた場合には、多量のゴムによって、荷重の変動などに起因する衝撃を吸収し易くなっている。つまり、厚側ゴム層31付近は、緩衝効果が大きくなっており、例えば、車両70の高速走行時に、大きな荷重が内側ショルダー部9寄りの部分に作用した場合には、その荷重の多くを厚側ゴム層31で吸収する。
図4は、車両がコーナリングしている状態を示す図である。前記空気入りタイヤ1が装着された車両70で走行中にコーナリングをすると、車両70の重心はコーナリングの外側方向に移動する。このため、車両70のコーナリング走行中に空気入りタイヤ1に作用する荷重は、車両70の幅方向における両側に位置する空気入りタイヤ1のうち、コーナリングの内側方向に位置する空気入りタイヤ1である内側空気入りタイヤ2よりも、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤ1である外側空気入りタイヤ3に、より大きな荷重が作用する。
図5は、図4の外側空気入りタイヤの説明図である。車両70がコーナリング走行をしている場合には、荷重は内側空気入りタイヤ2よりも、外側空気入りタイヤ3に、より大きな荷重が作用するが、さらに、外側空気入りタイヤ3の外側ショルダー部10寄りのトレッド面6に、より大きな荷重が作用する。詳細には、車両70がコーナリング走行をしている場合には、コーナリングの外側方向に向かう方向に遠心力が作用するが、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6は、路面75と接触している。このため、トレッド面6と路面75との間の摩擦力により、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6と路面75とが接触している部分付近は、路面75に対するタイヤ幅方向における位置が移動し難くなっているが、外側空気入りタイヤ3全体には、遠心力が作用している。これにより、外側空気入りタイヤ3は、トレッド面6と路面75とが接触している部分付近で変形し、この部分よりも上端側、つまり、外側空気入りタイヤ3において、路面75から離れている部分が、コーナリングの外側方向に移動しようとする。
従って、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6に作用する荷重は、当該外側空気入りタイヤ3の内側ショルダー部9寄りの部分よりも、外側ショルダー部10寄りの部分に、より大きな荷重が作用する。トレッド部のタイヤ径方向内方の位置で、外側ショルダー部10寄りの部分には、薄側ゴム層32(図3参照)が位置しており、外側ショルダー部10付近に作用する荷重は、薄側ゴム層32にも伝えられ、この部分でも荷重を受ける。
薄側ゴム層32はゴム層厚さが薄くなっており、当該薄側ゴム層32を形成するゴムの量が少なくなっている。このため、薄側ゴム層32で荷重を受けた場合でも、薄側ゴム層32はゴムの量が少ないので、この部分が荷重を受けた場合におけるゴムの移動量は少なく、タイヤ径方向において薄側ゴム層32の両側に位置する内側ベルト層22とカーカス11との相対的な位置はあまり変化しない。これにより、薄側ゴム層32の近傍に位置する外側ショルダー部10付近のトレッド面6が接地した場合には、外側ショルダー部10寄りの内側ベルト層22とカーカス11とがずれ難くなっているので、走行が安定する。
また、車両走行時において、車両70が走行している車線を変更する走行であるレーンチェンジは、異なる方向のコーナリングを繰り返すことによって行なわれる。このため、レーンチェンジ時にもコーナリング時と同様に、外側ショルダー部10付近のトレッド面6に大きな荷重が作用し易くなっており、この荷重は、薄側ゴム層32にも伝えられる。これにより、外側ショルダー部10寄りの内側ベルト層22とカーカス11とをずれ難くしつつ荷重を受けることができる薄側ゴム層32でも荷重を受けるので、走行が安定する。
以上の空気入りタイヤ1は、ベルト層20とカーカス11との間に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さを、タイヤ幅方向の両端に位置する双方のベルト端部25における位置で異ならせている。つまり、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1は、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2よりも厚くなっている。このように、厚側ゴム層31はゴム層厚さが厚くなっているので、厚側ゴム層31は、当該厚側ゴム層31を形成するゴムの量が多くなっている。これにより、この付近に作用する荷重が変動し、衝撃が作用した場合でも、その衝撃を吸収することができる。即ち、厚側ゴム層31付近に荷重が作用した場合には、厚側ゴム層31によって緩衝効果を有して荷重を受けることができる。また、薄側ゴム層32はゴム層厚さが薄くなっているので、薄側ゴム層32は、当該薄側ゴム層32を形成するゴムの量が少なくなっている。これにより、この付近に荷重が作用した場合でも、タイヤ径方向において薄側ゴム層32の両側に位置する内側ベルト層22とカーカス11とがずれ難くなっている。つまり、重なるように形成されている内側ベルト層22とカーカス11とに、これらをずらす方向に荷重が作用した場合においても、薄側ゴム層32付近には、このずれを抑制する力であるせん断力が確保されている。
これらのため、車両70の直進走行時には、厚側ゴム層31寄りの部分のトレッド面6を接地させて走行することにより、厚側ゴム層31の緩衝効果により、直進走行時の荷重を吸収することができる。特に、高速走行時には、大きな荷重が作用し易く、また、荷重が大きく変動し易いが、厚側ゴム層31の緩衝効果により、高速走行時における荷重を吸収することができ、高速走行時における空気入りタイヤ1の耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、薄側ゴム層32寄りの部分のトレッド面6を接地させて走行することにより、内側ベルト層22とカーカス11との間におけるせん断力が確保されている部分付近で走行することができる。これにより、タイヤ径方向において薄側ゴム層32の両側に位置する内側ベルト層22とカーカス11とはずれ難くなり、トレッド面6は安定して路面75に接地するため、操縦安定性の向上を図ることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
また、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合に、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1が120〜150の範囲内となるようにベルト端ゴム層30を形成した場合には、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1を、より適切な厚さにすることができる。つまり、薄側ゴム層32のゴム層間厚さT2を100とした場合における厚側ゴム層31のゴム層厚さT1を120以上にすることにより、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1の厚さをより確実に確保できるので、厚側ゴム層31寄りのトレッド面6が接地した場合における緩衝効果を、より確実に向上させることができる。
また、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における厚側ゴム層31のゴム層厚さT1を150以下にすることにより、厚側ゴム層31を形成するゴムの量が多くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、厚側ゴム層31を形成するゴムの量が多過ぎることに起因して、車両走行時に、この部分の発熱量が増加し、耐久性が徐々に低下することを抑制できる。これらにより、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における厚側ゴム層31のゴム層厚さT1が120〜150の範囲内になるようにベルト端ゴム層30を形成することにより、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1を、より適切な厚さにすることができる。この結果、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
また、厚側ゴム層31の60℃におけるtanδを0.08以下にした場合には、より確実に耐久性の向上を図ることができる。つまり、厚側ゴム層31を形成するゴムの60℃におけるtanδを0.08以下にすることにより、荷重を受けた際における発熱量が低減するので、厚側ゴム層31を形成するゴムが発熱することに起因する厚側ゴム層31の耐久性の低下を抑制できる。この結果、より確実に高速耐久性を向上させることができる。
また、前記空気入りタイヤ1は、リムホイール50を介して車両70に装着した状態では、厚側ゴム層31が車両70の幅方向における内側方向に位置しており、反対に、薄側ゴム層32は車両70の幅方向における外側方向に位置している。これにより、車両70のキャンバー角がネガティブキャンバーになっている場合には、この車両70が直進走行した際に、車両幅方向の内側方向に位置している厚側ゴム層31寄りのトレッド面6を接地させることができる。このため、このトレッド面6付近に作用する荷重を、厚側ゴム層31によって緩衝効果を有して荷重を受けることができる。従って、直進走行時の高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤ1である外側空気入りタイヤ3における、車両70の外側方向のトレッド面6に大きな荷重が作用し易くなるが、この部分の付近には薄側ゴム層32が位置している。このため、レーンチェンジ時やコーナリング時に、薄側ゴム層32寄りのトレッド面6で荷重を受けることにより、その荷重は、タイヤ径方向において薄側ゴム層32の両側に位置することにより当該薄側ゴム層32によって双方間のせん断力が確保された内側ベルト層22とカーカス11に伝えられる。従って、レーンチェンジ時やコーナリング時における操縦安定性を向上させることができる。これらの結果、より確実に、高速耐久性と操縦安定性とを向上させることができる。
なお、ベルト端ゴム層30のtanδは厚側ゴム層31のみ規定しているが、このtanδは薄側ゴム層32も同じ数値にしてもよく、また、厚側ゴム層31と薄側ゴム層32とで数値を異ならせてもよい。少なくとも、厚側ゴム層31の60℃におけるtanδを0.08以下にすることにより、より確実に高速耐久性を向上させることができる。また、ベルト端ゴム層30の60℃におけるtanδは、0.03以上であるのが好ましい。
また、ベルト層20は、外側ベルト層21と内側ベルト層22との2層により形成されているが、ベルト層20は1層のみでもよく、または3層以上で形成されていてもよい。ベルト層20が何層で形成されているかに関わらず、ベルト端ゴム層30は、最もタイヤ径方向内方に位置するベルト層20のタイヤ径方向内方側の面であるベルト層内面24とカーカス11との間で、且つ、当該ベルト層内面24を有するベルト層20のベルト端部25とカーカス11との間に設けられていればよい。
また、上述したベルト端ゴム層30は、扁平率が55%以下の空気入りタイヤ1に設けられるのが好ましい。低扁平の空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向におけるサイドウォール部7の高さが低いため、車両走行時における緩衝効果が低下し易くなっている。このため、厚側ゴム層31を設けることにより、緩衝効果を得ることができる。また、低扁平の空気入りタイヤ1は、比較的高速走行を行なう車両に装着される場合が多いため、薄側ゴム層32を設けることにより、内側ベルト層22とカーカス11とのせん断力を確保でき、操縦安定性を確保できる。この結果、高速耐久性の向上と操縦安定性の向上とを、より有効的に得ることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤ1と本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、高速走行時における耐久性である高速耐久性と、操縦安定性との2項目について行なった。
試験方法は、225/45R17サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準リムに装着して行なった。各試験項目の評価方法は、高速耐久性については、試験を行なう空気入りタイヤ1の空気圧を250kPaに設定し、この空気入りタイヤ1に、最大荷重の90%の荷重を負荷する。さらに、キャンバー角を−4°とした状態、即ち、ネガティブキャンバーの状態で、ドラム径1707mmのドラムを使用して、以下の速度ステップにより高速耐久試験を実施した。各ステップは、60〜240km/hでは、速度変化の30km/h毎を1つのステップとし、260km/h以上では、速度変化の10km/h毎を1つのステップとする。この高速耐久試験では、各ステップで10分間走行して次のステップに移行し、試験を行なう空気入りタイヤ1が破損するまで試験を行ない、破損するまでの走行距離によって評価した。評価結果は、破損するまでの走行距離を、後述する従来例の空気入りタイヤ1の走行距離を100とする指数で示した。指数が大きいほど、高速耐久性が優れている。なお、ここでいう最大荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、操縦安定性については、試験を行なう空気入りタイヤ1を車両70に装着し、この車両70で平坦な周回路を有するテストコースを80〜250km/hで走行することによって行なった。試験の評価は、このようにテストコースを走行した際のレーンチェンジ時及びコーナリング時の操舵性と、直進時の安定性とについて、専門パネラー3名による官能評価によって行なった。評価結果は、後述する従来例の空気入りタイヤ1の評価結果を100とする指数で示し、指数が大きいほど、操縦安定性が優れていることを示している。また、この性能評価試験では、ベルト端ゴム層30の物性としてtanδを測定しているが、tanδは、(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定した。
試験を行なう空気入りタイヤ1は、本発明が4種類、本発明と比較する比較例として2種類、そして、1種類の従来例を、上記の方法で試験する。なお、試験を行なうこれらの空気入りタイヤ1は、全てベルト層20のベルト端部25とカーカス11との間にベルト端ゴム層30を有している。このうち、従来例は、ベルト層20の、タイヤ幅方向両端に位置するベルト端部25の位置での双方のベルト端ゴム層30の厚さが等しくなっている。これにより、当該空気入りタイヤ1を車両70に装着した状態における車両70の幅方向の内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと、車両70に装着した状態における車両70の幅方向の外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとは等しくなっており、これらのゴム層厚さは、共に2.00mmになっている。このため、車両装着時に外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さを100とした場合における、内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとの比率{(内側ゴム層厚さ/外側ゴム層厚さ)×100}は、100になっている。また、ベルト端ゴム層30の60℃におけるtanδもゴム層厚さと同様に、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のtanδと、外側に位置するベルト端ゴム層30のtanδとが等しくなっており、これらのtanδは、共に0.10になっている。
また、比較例1は、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと、外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとは等しくなっており、これらのゴム層厚さは、共に2.40mmになっている。これにより、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとの比率は、100になっている。また、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のtanδと外側に位置するベルト端ゴム層30のtanδもゴム層厚さと同様に等しくなっており、これらのベルト端ゴム層30のtanδは、共に0.10になっている。
また、比較例2は、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと、外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとは等しくなっており、これらのゴム層厚さは、共に1.60mmになっている。これにより、内側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さと外側に位置するベルト端ゴム層30のゴム層厚さとの比率は、100になっている。また、車両装着時に内側に位置するベルト端ゴム層30のtanδと外側に位置するベルト端ゴム層30のtanδもゴム層厚さと同様に等しくなっており、これらのベルト端ゴム層30のtanδは、共に0.10になっている。
また、これらの従来例、比較例1及び比較例2に対し、本発明1〜4では、タイヤ幅方向両端に位置するベルト端部25の位置での双方のベルト端ゴム層30の厚さが互いに異なっており、空気入りタイヤ1を車両70に装着した状態における車両70の幅方向の内側に厚側ゴム層31が位置し、車両70の幅方向の外側に薄側ゴム層32が位置している。このうち、本発明1は、車両装着時に内側に位置する厚側ゴム層31のゴム層厚さT1は2.40mmになっており、車両装着時に外側に位置する薄側ゴム層32のゴム層厚さT2は1.80mmになっている。これにより、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1と薄側ゴム層32のゴム層厚さT2との比率{(内側ゴム層厚さT1/外側ゴム層厚さT2)×100}は、133になっている。また、車両装着時に内側に位置する厚側ゴム層31のtanδと、車両装着時に外側に位置する薄側ゴム層32のtanδとは等しくなっており、これらのベルト端ゴム層30のtanδは、共に0.10になっている。
また、本発明2は、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1は2.60mmになっており、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2は1.80mmになっている。これにより、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1と薄側ゴム層32のゴム層厚さT2との比率は、144になっている。また、厚側ゴム層31のtanδと、薄側ゴム層32のtanδとは等しくなっており、これらのベルト端ゴム層30のtanδは、共に0.10になっている。
また、本発明3は、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1は2.20mmになっており、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2は1.80mmになっている。これにより、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1と薄側ゴム層32のゴム層厚さT2との比率は、122になっている。また、厚側ゴム層31のtanδと、薄側ゴム層32のtanδとは等しくなっており、これらのベルト端ゴム層30のtanδは、共に0.10になっている。
また、本発明4は、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1は2.40mmになっており、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2は1.80mmになっている。これにより、薄側ゴム層32のゴム層厚さT2を100とした場合における、厚側ゴム層31のゴム層厚さT1と薄側ゴム層32のゴム層厚さT2との比率は、133になっている。また、厚側ゴム層31のtanδと、薄側ゴム層32のtanδとは互いに異なっており、厚側ゴム層31のtanδは0.07になっており、薄側ゴム層32のtanδは0.10になっている。
これらの従来例、比較例1及び比較例2、本発明1〜4の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1及び表1−2に示す。これらの表1−1及び表1−2のうち、表1−1は、従来例、比較例1、比較例2の試験結果を表示しており、表1−2は、本発明1〜4の試験結果を表示している。
Figure 2007161142
Figure 2007161142
表1−1及び表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、車両装着時における車両幅方向の内側に位置するベルト端ゴム層30と車両幅方向の外側に位置するベルト端ゴム層30とを共に厚くした場合には、外側に位置するベルト端ゴム層30によってせん断力を確保することが困難になるので、高速耐久性を向上させることはできるが、操縦安定性を向上させることが困難になる(比較例1)。また、車両装着時における車両幅方向の内側に位置するベルト端ゴム層30と車両幅方向の外側に位置するベルト端ゴム層30とを共に薄くした場合には、内側に位置するベルト端ゴム層30による緩衝効果の向上が困難になるので、操縦安定性を向上させることはできるが、高速耐久性を向上させることが困難になる(比較例2)。
これに対し、本発明1〜4では、車両装着時における車両幅方向の外側に位置する薄側ゴム層32のゴム層厚さT2は小さくし、車両幅方向の内側に位置する厚側ゴム層31のゴム層厚さT1を大きくしているので、高速耐久性を向上させることができると共に、操縦安定性も向上させることができる。特に、厚側ゴム層31の60℃のtanδを0.08以下にした場合には、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる(本発明4)。即ち、タイヤ幅方向におけるベルト層20の両端に位置するベルト端部25とカーカス11との間に設けられたベルト端ゴム層30のうち、一方のベルト端ゴム層30である厚側ゴム層31のゴム層厚さT1が、他方のベルト端ゴム層30である薄側ゴム層32のゴム層厚さT2よりも厚くなるようにし、厚側ゴム層31が車両幅方向における内側、薄側ゴム層32が車両幅方向における外側に位置するように配設することにより、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、ベルト端部とカーカスとの間にゴム層を有する空気入りタイヤに有用であり、特に、高速走行で使用される空気入りタイヤに適している。
この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図1のA部詳細図である。 図1の空気入りタイヤを車両に装着した状態を示す要部詳細図である。 車両がコーナリングしている状態を示す図である。 図4の外側空気入りタイヤの説明図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 内側空気入りタイヤ
3 外側空気入りタイヤ
5 トレッド部
6 トレッド面
7 サイドウォール部
8 ショルダー部
9 内側ショルダー部
10 外側ショルダー部
11 カーカス
15 インナーライナ
16 ビード部
17 ビードコア
18 ビードフィラー
20 ベルト層
21 外側ベルト層
22 内側ベルト層
25 ベルト端部
30 ベルト端ゴム層
31 厚側ゴム層
32 薄側ゴム層
40 赤道面
50 リムホイール
55 取付部
60 垂直線
70 車両
75 路面

Claims (4)

  1. ベルト層のタイヤ径方向内方にカーカスが位置する空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層の最もタイヤ径方向内方に位置する面と前記カーカスとの間には、少なくとも前記ベルト層のうちタイヤ幅方向の両端に位置する部分であるベルト端部における位置にゴム層が設けられており、
    前記ゴム層の厚さであるゴム層厚さは、タイヤ幅方向両端の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層のうち、一方の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層である薄側ゴム層の前記ゴム層厚さよりも、他方の前記ベルト端部と前記カーカスとの間に位置する前記ゴム層である厚側ゴム層の前記ゴム層厚さの方が厚くなっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム層厚さは、前記薄側ゴム層の前記ゴム層厚さを100とした場合に、前記厚側ゴム層の前記ゴム層厚さが120〜150の範囲内となっていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム層は、少なくとも前記厚側ゴム層の60℃におけるtanδが0.08以下になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤは、車両に装着可能なリムホイールを介して前記車両に装着可能になっており、
    前記厚側ゴム層は、前記車両への装着時における前記車両の幅方向の内側方向に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。
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