JP2007161056A - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車両周囲のリスクポテンシャルをよりわかりやすく伝え、適切な運転操作を促す車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】車両用運転操作補助装置は、先行車に対する自車両のリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに基づいてアクセルペダルに発生する操作反力を制御する。リスクポテンシャルが高リスク領域にあるときは、テンポの遅い音楽データグループの中から自動的に選曲を行い、演奏を開始する。演奏中にリスクポテンシャルが増加する場合は、演奏中の音楽の音量を段階的に下げる。
【選択図】図1
【解決手段】車両用運転操作補助装置は、先行車に対する自車両のリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに基づいてアクセルペダルに発生する操作反力を制御する。リスクポテンシャルが高リスク領域にあるときは、テンポの遅い音楽データグループの中から自動的に選曲を行い、演奏を開始する。演奏中にリスクポテンシャルが増加する場合は、演奏中の音楽の音量を段階的に下げる。
【選択図】図1
Description
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
車両用運転操作補助装置において、自車両周囲に存在する障害物に対する接近のリスクの大きさをアクセルペダルから発生する操作反力を介して運転者に伝達するものが知られている(特許文献1参照)。この装置は、個々の運転者の特性に応じた反力制御を行う。具体的には、自車両が先行車に追従走行している場合に、自車両と先行車との車間時間の変化に基づいて運転者が先行車に対する接近のリスクに対して敏感であるかを判定し、運転者が敏感である場合には操作反力が小さくなるように補正を行う。
上述した特許文献1の装置は、運転者がアクセルペダルを操作するときに発生する操作反力を制御することにより、自車両周囲のリスクポテンシャルを運転者に伝えることができる。ただし、車両用運転操作補助装置においては、リスクポテンシャルを運転者により判りやすく伝達し、適切な運転操作を促すことが望まれている。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段からの信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する付加情報提供手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助方法は、自車両周囲に存在する障害物を検出し、障害物の検出信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御し、リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する。
本発明による車両は、自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段からの信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する付加情報提供手段とを有する車両用運転操作補助装置を備える。
本発明による車両用運転操作補助方法は、自車両周囲に存在する障害物を検出し、障害物の検出信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御し、リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する。
本発明による車両は、自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段からの信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段で算出されるリスクポテンシャルに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する付加情報提供手段とを有する車両用運転操作補助装置を備える。
リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供することにより、リスクポテンシャルを運転操作機器に発生する操作反力として運転者に伝達するとともに、リスクポテンシャルに応じた適切な方向への運転操作を自然に促すことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
車両用運転操作補助装置1は、車両制御系ITS(Intelligent Transport Systems)システム10、オーディオシステム20およびナビゲーションシステム30から構成される。まず、車両制御系ITSシステム10の構成を説明する。車両制御系ITSシステム10は、レーザレーダ110、前方カメラ120、車速センサ130、コントローラ150、アクセルペダル反力制御装置170、およびブレーキペダル反力制御装置180等を備えている。
レーザレーダ110は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ110は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方障害物までの相対距離と自車両との相対車速を検出する。検出した相対距離及び相対車速はコントローラ150へ出力される。レーザレーダ110によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
前方カメラ120は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ150へと出力する。前方カメラ120による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
車速センサ130は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ150に出力する。
コントローラ150は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により車両制御系ITSシステム1全体の制御を行う。コントローラ150は、車速センサ130から入力される自車速と、レーザレーダ110から入力される距離情報と、前方カメラ120から入力される車両前方の画像情報とから、自車両周囲の障害物状況を検出する。なお、コントローラ150は、前方カメラ120から入力される画像情報を画像処理することにより自車両周囲の障害物状況を検出する。
ここで、自車両周囲の障害物状況とは、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが相対的にどのような関係をもって走行しているかを表しており、具体的には、自車両前方を走行する他車両までの車間距離、および車線識別線(白線)に対する自車両の左右位置、つまり相対位置と角度、さらに車線識別線の形状などである。また、自車両前方を横断する歩行者や二輪車等も障害物状況として検出される。
コントローラ150は、検出した障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。リスクポテンシャル(Risk Potential)は、「潜在的なリスク/危急」を意味し、ここでは特に、自車両と自車両周囲に存在する障害物とが接近していくことにより増大するリスクの大きさを表す。したがって、リスクポテンシャルは、自車両と障害物とがどれほど近づいているか、すなわち自車両と障害物とが近づいている程度(接近度合)を表す物理量であるといえる。
コントローラ150は、算出したリスクポテンシャルを、運転者が自車両を運転する際に操作する運転操作機器から発生する操作反力として運転者に伝達する。コントローラ150における処理は後述する。運転操作機器は、例えばアクセルペダル172、およびブレーキペダル182である。
アクセルペダル反力制御装置170は、コントローラ150からの指令に応じて、アクセルペダル172のリンク機構に組み込まれたサーボモータ171で発生させるトルクを制御する。サーボモータ171は、アクセルペダル操作反力制御装置170からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル172を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。
ブレーキペダル反力制御装置180は、コントローラ150からの指令に応じて、ブレーキブースタ181で発生させるブレーキアシスト力を制御する。ブレーキブースタ181は、ブレーキペダル反力制御装置180からの指令値に応じて発生させるブレーキアシスト力を制御し、運転者がブレーキペダル182を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。ブレーキアシスト力が大きいほどブレーキペダル操作反力は小さくなり、ブレーキペダル182を踏み込みやすくなる。
オーディオシステム20は、音楽に関する情報を入力する入力部21と、車両制御系ITSシステム10またはナビゲーションシステム30からの信号に応じて選曲する選曲部22、音楽データを格納する音楽データ格納部23、および選曲部22によって選択された音楽を乗員に提供する音楽提供部24を備えている。
入力部21は、外部から音楽情報を受け付けて入力する。音楽情報は、予め受け付けて音楽データ格納部23に格納される。あるいは、リアルタイムにインターネット等のネットワークを介して無線入力するように構成することもできる。車両制御系ITSシステム10およびナビゲーションシステム30からの信号等も入力部21を介して入力される。
選曲部22は、車両制御系ITSシステム10およびナビゲーションシステム30からの信号に基づいて、選曲テーブル22aに従って音楽を選曲(検索および並べ替え)し、選択した音楽の音量調節等の編集を行う。選曲テーブルには、楽曲を特定するための情報(曲名等)をキーとして、選曲の基準となり得る全ての情報が対応付けられて整理されている。具体的には、音楽の曲名、ジャンル、アーティスト、楽器、テンポ、キー(調)、リズムパターン等の情報を各音楽に対応付けてテーブル化している。
音楽データ格納部23は、大量の音楽データを記録可能なハードディスク(HDD)から構成される。音楽データは、楽曲の内容となる情報である。なお、音楽データ格納部23は、音楽データを記録したCD,MD,MO、またはカセットテープ等の不揮発性の記録媒体として構成することもできる。インターネット等を介して音楽データを取得する場合は、音楽データを供給するサーバが音楽データ格納部23として機能することができる。
音楽提供部24は、音楽再生手段として機能し、選曲部22によって選曲され、編集された音楽をスピーカを介して乗員に提供する。
ナビゲーションシステム30は、GPS受信機と表示モニタ等を備えており、経路探索および経路案内等を行う。ナビゲーションシステム30は、地図データベース30aを備えており、自車両が走行する道路の種別や道路幅員等の情報を取得することができる。ナビゲーションシステム30に携帯電話あるいは自動車電話を接続することにより、公衆電話網を利用して外部の情報センターとの情報の送受信を行うテレマティクスを利用することができる。オーディオシステム20をナビゲーションシステム30に組み込んで一体化して構成することもできる。
次に、一実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、その概要を説明する。
コントローラ150は、自車両の走行車速、および自車両周囲に存在する障害物との相対位置やその移動方向と、自車両の車線識別線(白線)に対する相対位置等、自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出するための自車両周囲の障害物状況を認識する。コントローラ150は、認識した障害物状況に基づいて障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに応じて運転操作機器の操作反力の制御量を算出する。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルを運転操作機器から発生させる操作反力として運転者に伝達し、運転者の運転操作を適切にアシストする。
コントローラ150は、自車両の走行車速、および自車両周囲に存在する障害物との相対位置やその移動方向と、自車両の車線識別線(白線)に対する相対位置等、自車両と障害物との接近度合を示すリスクポテンシャルを算出するための自車両周囲の障害物状況を認識する。コントローラ150は、認識した障害物状況に基づいて障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに応じて運転操作機器の操作反力の制御量を算出する。これにより、障害物に対するリスクポテンシャルを運転操作機器から発生させる操作反力として運転者に伝達し、運転者の運転操作を適切にアシストする。
好きな音楽を聴きながらのドライブは、運転者にとって気持ちよいだけでなく、眠気防止や集中力向上といった効果も期待できる。ただし、音量の大きな音楽やテンポの速い音楽は、逆に運転時の集中力低下や決断力の低下をもたらすということが指摘されている。そこで、本実施の形態においては、リスクポテンシャルに応じた操作反力制御を行う際に、リスクポテンシャルに関する付加的な情報を音楽により運転者に提供する。ここで、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報とは、運転者に対してリスクポテンシャルRPに応じた適切な運転操作を促すための情報である。
以下に、本実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態によるコントローラ150における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS110で自車両の走行状況を読み込む。ここで、走行状況は、自車両の走行環境および自車周囲の障害物状況を含む情報である。自車両周囲の障害物として、自車両前方を走行する先行車を検出する場合を例として説明する。具体的には、レーザレーダ110で検出される前方障害物までの相対距離および相対角度、また、前方カメラ120からの画像入力に基づく自車両に対する白線の相対位置(すなわち左右方向の変位と相対角度)、および白線の形状等を読み込む。さらに、車速センサ130によって検出される自車速Vfを読み込む。また、前方カメラ120で検出される画像に基づいて、自車周囲に存在する障害物の種別、つまり障害物が四輪車両、二輪車両、歩行者またはその他であるかを認識する。
ステップS120では、ステップS110で読み込み、認識した走行状況データに基づいて、現在の車両周囲状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、コントローラ150のメモリに記憶されている自車両に対する各障害物の相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS110で得られた現在の走行状況データとにより、現在の各障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識する。そして、自車両の走行に対して障害物となる他車両や白線が、自車両の周囲にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。
ステップS130では、認識された前方障害物、具体的には先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャルRPを算出するために、まず、自車両と先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWを算出する。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vf、先行車速Vaおよび相対車速Vr(=Va−Vf)が一定の場合に、何秒後に、車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車とが接触するかを示す値であり、以下の(式1)により求められる。
TTC=D/Vr ・・・(式1)
TTC=D/Vr ・・・(式1)
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、余裕時間TTCが小さいほど、先行車への接触が緊迫し接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどの運転者が減速行動を開始することが知られている。
車間時間THWは、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(式2)を用いて算出する。
THW=D/Vf ・・・(式2)
THW=D/Vf ・・・(式2)
車間時間THWは、車間距離Dを自車速Vfで除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲環境変化による予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、自車両が先行車両に追従して自車速Vf=先行車速Vaである場合は、(式2)において自車速Vfの代わりに先行車速Vaを用いることもできる。
先行車に対する接近度合を示す物理量であるリスクポテンシャルRPは、余裕時間TTCと車間時間THWとに基づいて以下の(式3)から算出する。
RP=a/THW+b/TTC ・・・(式3)
(式3)に示すように、リスクポテンシャルRPは余裕時間TTCと車間時間THWとを足し合わせて、連続的に表現される物理量である。なお、a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするためのパラメータであり、例えばa=1,b=8程度に設定する(a<b)。
RP=a/THW+b/TTC ・・・(式3)
(式3)に示すように、リスクポテンシャルRPは余裕時間TTCと車間時間THWとを足し合わせて、連続的に表現される物理量である。なお、a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするためのパラメータであり、例えばa=1,b=8程度に設定する(a<b)。
つづくステップS140では、ステップS130で算出した先行車に対する自車両のリスクポテンシャルRPに基づいて、音楽情報提供処理を行う。ここでの処理は、車両制御系ITSシステムのコントローラ150からの信号に応じて、オーディオシステム20において実行する。音楽情報提供処理の詳細は、後述する。
ステップS150では、ステップS130で算出したリスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル172およびブレーキペダル182に発生させる操作反力の制御量(制御指令値)FA,FBをそれぞれ算出する。アクセルペダル172に関しては、リスクポテンシャルRPが大きいほど、アクセルペダル172を戻す方向へ操作反力を発生させる。また、ブレーキペダル182に関しては、リスクポテンシャルRPが大きいほどブレーキペダル172を踏み込みやすい方向へ操作反力を発生させる。
図4に、リスクポテンシャルRPとアクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図4に示すように、リスクポテンシャルRPが大きいほど、大きなアクセルペダル反力を発生させるようにアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxより大きい場合には、最大のアクセルペダル反力を発生させるように、アクセルペダル反力制御指令値FAを最大値FAmaxに固定する。
図5に、リスクポテンシャルRPとブレーキペダル反力制御指令値FBとの関係を示す。図5に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxよりも大きい場合は、リスクポテンシャルRPが大きいほど、小さなブレーキペダル反力、すなわち大きなブレーキアシスト力を発生させるようにブレーキペダル反力制御指令値FBを算出する。リスクポテンシャルRPが所定値RP1より大きくなると、最小のブレーキペダル反力を発生させるように反力制御指令値FBをFBminに固定する。リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxよりも小さい場合は、ブレーキペダル反力制御指令値FBをゼロに設定し、ブレーキペダル反力特性は変化させない。
このように、リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxより小さい場合は、アクセルペダル反力特性を変更してリスクポテンシャルRPの大きさをアクセルペダル操作反力として運転者に知らせる。リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxを超えると、アクセルペダル反力制御指令値FAを最大として、運転者がアクセルペダル62を解放するように促すとともに、ブレーキペダル反力制御指令値FBを小さくして、運転者がブレーキ操作に移行した際にブレーキペダル92を踏み込みやすいように制御する。
ステップS160では、ステップS150で算出したアクセルペダル反力制御指令値FAとブレーキペダル反力制御指令値FBを、それぞれアクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御指令値180へ出力する。アクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御装置180は、コントローラ150からの指令に応じてサーボモータ171およびブレーキブースタ181を制御し、運転者がアクセルペダル172を操作するときの操作反力およびブレーキペダル182を操作するときの操作反力をそれぞれ制御する。
つぎに、ステップS140で実行される音楽情報提供処理の処理手順について、図6のフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ150で算出されたリスクポテンシャルRPの信号を入力することにより開始される。なお、オーディオシステム20は、リスクポテンシャルRPに応じた選曲を行うモードに設定されているとする。リスクポテンシャル対応モードが設定されていない場合は、通常通り乗員が好みに応じた選曲を行うことができる。
まず、ステップS1401でコントローラ150で算出されたリスクポテンシャルRPを読み込む。ステップS1402では、オーディオシステム20の電源がオンであるか否かを判定する。電源がオンとなっている場合は、ステップS1403へ進んで選曲を開始する。電源がオフの場合はこの処理を終了する。ステップS1404では、選曲中のリスクポテンシャルRPの大きさを判定する。ここでは、ステップS1401で読み込んだ値を用いる。具体的には、リスクポテンシャルRPが低リスク領域(例えばRP≦1.0)、中リスク領域(例えば1.0<RP<2.0)、および高リスク領域(例えばRP≧2.0)のいずれの領域に該当するかを判定する。
リスクポテンシャルRPが低リスク領域にある場合は、ステップS1405へ進む。前方障害物に対するリスクポテンシャルRPが低い場合は、音楽データ格納部23に格納された全音楽データの中から、テンポの速い音楽を選択する。音楽のテンポは、BPM(Beats per Minute)という数値によって表すことができ、BPM値が高いほどテンポの速い音楽であることを表す。そこで、全音楽データのうち、例えば60BPM以上の音楽データの中から選曲する。この選曲はランダムに行うことができるが、後述するように道路種別によって選曲可能グループを設定することもできる。
リスクポテンシャルRPが中リスク領域にある場合は、ステップS1406へ進む。リスクポテンシャルRPが中程度の場合は、音楽データ格納部23に格納された全音楽データの中からテンポに関係なく選曲を行う。リスクポテンシャルRPが高リスク領域にある場合は、ステップS1407へ進む。リスクポテンシャルRPが高い場合は、全音楽データの中から、テンポのゆっくりとした音楽を選択する。例えば60BPM未満のゆっくりとした音楽はリラックス効果が期待できるので、ゆっくりとした音楽を選曲することにより、前方障害物とのリスクポテンシャルRPが高くなっている状態において運転者の集中力向上とリスクポテンシャルRPの低減を促す。
ステップS1408では、ステップS1405、S1406またはS1407でリスクポテンシャルRPに応じて選曲した音楽の演奏を開始する。
つづくステップS1409では、演奏開始後のリスクポテンシャルRPの変化を判定する。リスクポテンシャルRPの変化判定はコントローラ150で行い、オーディオシステム20は、判定結果の信号をコントローラ150から取得する。なお、リスクポテンシャルRPを逐次コントローラ150から取得し、オーディオシステム20内で変化判定を行うこともできる。
ここでは、演奏開始後のリスクポテンシャルRPが減少しているのか、安定しているのか、増加しているのかを判定する。例えば、現時点から1秒前の値に比べて0.5以上減少している場合は、リスクポテンシャルRPが減少していると判定し、1秒前からの値の変化量が−0.5から+0.5の範囲内である場合は、リスクポテンシャルRPが安定していると判定する。1秒前の値に比べて0.5以上増加している場合は、リスクポテンシャルRPが増加していると判定する。
リスクポテンシャルRPが減少している場合は、ステップS1410へ進み、現在演奏中の音楽の音量を上げる。音量の増加量は、例えば1dBとする。リスクポテンシャルRPが安定している場合は、ステップS1411へ進み、現在の音量を維持する。一方、リスクポテンシャルRPが増加している場合は、ステップS1412へ進み、現在演奏中の音楽の音量を下げる。音量の減少量は、例えば1dBとする。リスクポテンシャルRPが増加している場合は、音量を下げて運転者をリラックスさせ、集中力の向上とリスクポテンシャルRPの低減を促す。
このようにステップS1410〜S1412でリスクポテンシャルRPの変化量に基づく音量調節を行った後、ステップS1413へ進む。ステップS1413では、選曲された音楽の演奏が継続しているか否かを判定する。演奏中である場合は、ステップS1409へ戻り、演奏が終了するまでリスクポテンシャルRPの変化量に応じた音量調整を行う。演奏が終了すると、ステップS1414へ進む。
ステップS1414では、オーディオシステム20の電源がオンであるか否かを判定する。電源がオンである場合はステップS1403へ戻り、再びリスクポテンシャルRPに応じた選曲を行う。なお、リスクポテンシャルRPは選曲中に読み込まれるリアルタイムの値を利用する。オーディオシステム20の電源がオフとなるとこの処理を終了する。
以下に、リスクポテンシャルRPに応じた選曲と音量調節の具体例を説明する。
選曲を開始したときのリスクポテンシャルRPがRP=1.5の場合、中リスク領域と判断して、音楽データ格納部23に格納されている全音楽データの中から音楽を選択し、演奏を開始する。選択された音楽を演奏中に、例えば先行車の減速によりリスクポテンシャルRPが増加したとする。リスクポテンシャルRPが1秒間に0.5以上増加すると音量を1dB下げるように設定しているので、リスクポテンシャルRPが3秒間で2ポイント増加した場合は、音量を段階的に3dB下げる。
選曲を開始したときのリスクポテンシャルRPがRP=1.5の場合、中リスク領域と判断して、音楽データ格納部23に格納されている全音楽データの中から音楽を選択し、演奏を開始する。選択された音楽を演奏中に、例えば先行車の減速によりリスクポテンシャルRPが増加したとする。リスクポテンシャルRPが1秒間に0.5以上増加すると音量を1dB下げるように設定しているので、リスクポテンシャルRPが3秒間で2ポイント増加した場合は、音量を段階的に3dB下げる。
その後、先行車がいなくなり、リスクポテンシャルRPが低下すると、演奏中の音楽の音量を上げる。例えば、リスクポテンシャルRPが2秒間で2.5ポイント低下した場合は、音量を段階的に2dB上げる。このように、音楽の演奏中はリスクポテンシャルRPの変化に応じて音量調節を行う。演奏が終了すると、その時点でのリスクポテンシャルRPに応じて再び選曲を行う。
なお、上述したリスクポテンシャルRPの変化量および音量の調整量は、例である。これらの数値は実験データ等に基づいて適切に設定することが望ましい。
上述した実施の形態では、リスクポテンシャルRPが低リスク領域にあるときにテンポの速い音楽を選択するように構成した。ただし、これには限定されず、少なくともリスクポテンシャルRPが高リスク領域にあるときにテンポの遅い音楽を選択するように構成すれば、低リスク領域または中リスク領域において全音楽データの中から選曲するように構成することもできる。
このように、以上説明した一実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することが出来る。
(1)車両制御系ITS10のコントローラ150は、自車両周囲に存在する障害物を検出し、その検出信号に基づいて自車両の障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出する。そして、リスクポテンシャルRPに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する。車両用運転操作補助装置1は、さらに、リスクポテンシャルRPに関する付加情報を音楽として提供する。ここで、リスクポテンシャルRPに関する付加情報は、運転者に対してリスクポテンシャルRPに応じた適切な運転操作を促すための情報である。このような付加情報を音楽として提供することにより、操作反力としてリスクポテンシャルRPを伝達しながら、より適切な方向へ運転操作を促すことが可能となる。とくに、走行中に聞く音楽は、運転者をリラックスさせたり集中力を向上させたりする効果があるので、音楽により付加情報を提供することで、運転者の運転操作を自然に適切な方向へと促すことが可能となる。
(2)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPに応じたテンポの音楽を選曲する。適切なテンポの音楽を選曲することにより、運転者をリラックスさせたり集中力を向上させたりして運転者の運転操作を自然に適切な方向へと促すことが可能となる。
(3)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPを高リスク領域と低リスク領域とに分割し、リスクポテンシャルRPが高リスク領域にある場合は、低リスク領域にある場合に比べてテンポの遅い音楽を選曲する。テンポの遅い音楽、例えば60BPM未満の音楽はリラックス効果が期待できるので、リスクポテンシャルRPが高く、障害物との接触の可能性が高いような状況で、運転者の集中力を高めて自然と適切な運転操作へと促すことが可能となる。ここで、高リスク領域は、例えばRP≧2.0の領域で、自車両と障害物との接触の可能性が高い状態を表している。低リスク領域は、例えばRP≦1.0の領域で、自車両と障害物との接触の可能性が低い状態を表している。なお、RP<2.0の領域を全て低リスク領域とすることもできる。
(4)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPの変化に応じて演奏中の音楽の音量を調節する。走行中に聞く音楽の音量も運転者の集中力等に影響を与えるので、リスクポテンシャルRPが変化する場合には、音量を調節することにより運転者の集中力を向上させて適切な運転操作へと促すことが可能となる。
(5)リスクポテンシャルRPが増加している場合には、演奏中の音楽の音量を低下する。音量を低下し、運転者をリラックスさせることにより、リスクポテンシャルRPを低下させる方向への運転操作を促すことが可能となる。
(1)車両制御系ITS10のコントローラ150は、自車両周囲に存在する障害物を検出し、その検出信号に基づいて自車両の障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出する。そして、リスクポテンシャルRPに基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する。車両用運転操作補助装置1は、さらに、リスクポテンシャルRPに関する付加情報を音楽として提供する。ここで、リスクポテンシャルRPに関する付加情報は、運転者に対してリスクポテンシャルRPに応じた適切な運転操作を促すための情報である。このような付加情報を音楽として提供することにより、操作反力としてリスクポテンシャルRPを伝達しながら、より適切な方向へ運転操作を促すことが可能となる。とくに、走行中に聞く音楽は、運転者をリラックスさせたり集中力を向上させたりする効果があるので、音楽により付加情報を提供することで、運転者の運転操作を自然に適切な方向へと促すことが可能となる。
(2)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPに応じたテンポの音楽を選曲する。適切なテンポの音楽を選曲することにより、運転者をリラックスさせたり集中力を向上させたりして運転者の運転操作を自然に適切な方向へと促すことが可能となる。
(3)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPを高リスク領域と低リスク領域とに分割し、リスクポテンシャルRPが高リスク領域にある場合は、低リスク領域にある場合に比べてテンポの遅い音楽を選曲する。テンポの遅い音楽、例えば60BPM未満の音楽はリラックス効果が期待できるので、リスクポテンシャルRPが高く、障害物との接触の可能性が高いような状況で、運転者の集中力を高めて自然と適切な運転操作へと促すことが可能となる。ここで、高リスク領域は、例えばRP≧2.0の領域で、自車両と障害物との接触の可能性が高い状態を表している。低リスク領域は、例えばRP≦1.0の領域で、自車両と障害物との接触の可能性が低い状態を表している。なお、RP<2.0の領域を全て低リスク領域とすることもできる。
(4)車両用運転操作補助装置1は、リスクポテンシャルRPの変化に応じて演奏中の音楽の音量を調節する。走行中に聞く音楽の音量も運転者の集中力等に影響を与えるので、リスクポテンシャルRPが変化する場合には、音量を調節することにより運転者の集中力を向上させて適切な運転操作へと促すことが可能となる。
(5)リスクポテンシャルRPが増加している場合には、演奏中の音楽の音量を低下する。音量を低下し、運転者をリラックスさせることにより、リスクポテンシャルRPを低下させる方向への運転操作を促すことが可能となる。
−変形例1−
上述した実施の形態においては、リスクポテンシャルRPに基づいて、テンポの速い音楽のグループ、テンポの遅い音楽のグループ、あるいはテンポに無関係な全音楽データグループの中から選曲を行った。選曲可能なグループを、自車両が走行する道路の種別に応じて設定することも可能である。道路種別に関する情報は、ナビゲーションシステム30から取得することができる。
上述した実施の形態においては、リスクポテンシャルRPに基づいて、テンポの速い音楽のグループ、テンポの遅い音楽のグループ、あるいはテンポに無関係な全音楽データグループの中から選曲を行った。選曲可能なグループを、自車両が走行する道路の種別に応じて設定することも可能である。道路種別に関する情報は、ナビゲーションシステム30から取得することができる。
図7に、道路種別と選曲可能グループとの関係の一例を示す。道路種別が一般道路(国道)の場合は、全音楽データのうち、男性アーティストによる邦楽のグループを選択可能グループとする。国道以外の一般道路の場合は、女性アーティストによる邦楽のグループを選曲可能グループとする。高速道路または有料道路の場合は、歌詞のある洋楽のグループを選曲可能グループとし、道路幅員が狭い道路(例えば幅員が4m未満)の場合は、歌詞のない洋楽のグループを選曲可能グループとする。
音楽情報提供処理において選曲を行う場合に、自車両が現在走行している道路の種別に応じて選曲可能なグループを選択し、選曲可能なグループの中から、リスクポテンシャルRPに応じた範囲内のテンポの音楽を選択する。例えば、自車両が高速道路を走行し、リスクポテンシャルRPが2.0を超える場合は、歌詞のある洋楽のグループから、テンポの遅い(例えば60BPM未満)音楽を選択する。
図7に示す道路種別と選曲可能なグループとの関係は、オーディオシステム20の選曲部22の選曲テーブル22a内に予め設定しておく。なお、道路種別と選曲可能なグループとの関係は、図7に示すものには限定されず、道路種別に応じて運転者の適切な運転操作を促すことが出来るようなグループを設定することができる。また、ユーザが道路種別に応じて選曲可能なグループを設定できるように構成することもできる。
このように、車両用運転操作補助装置1は自車両が走行する道路の種別を検出し、検出される道路種別に応じた音楽を選曲する。これにより、道路種別が変化すると、変化後の道路種別に応じた選曲可能グループから選曲されるので、運転者の気分を一新して集中力を向上させることが期待できる。
−変形例2−
上述した実施の形態においては、選択した音楽の演奏が終了すると、リスクポテンシャルRPに基づいて選曲を再開した。ただし、これには限定されず、選曲開始のタイミングを自車両の走行環境の変化に合わせて設定することもできる。
上述した実施の形態においては、選択した音楽の演奏が終了すると、リスクポテンシャルRPに基づいて選曲を再開した。ただし、これには限定されず、選曲開始のタイミングを自車両の走行環境の変化に合わせて設定することもできる。
例えば、以下のような条件で選曲を再開するように設定することができる。これらの条件は音楽を切り替えるトリガであるといえる。
・先行車の入れ替わり
・先行車の非検知状態への移行
・自車両の車線変更
・渋滞の最後尾への追いつき
・道路種別の変化
・先行車の入れ替わり
・先行車の非検知状態への移行
・自車両の車線変更
・渋滞の最後尾への追いつき
・道路種別の変化
先行車の入れ替わりおよび非検知状態への移行は、例えばレーザレーダ110により検出される車間距離Dの変化から判断することができる。非検知状態とは、レーザレーダ等の検出器により先行車が検知されなくなった状態を意味する。自車両の車線変更は、例えば前方カメラ120によって検出される車線識別線と自車両の左右方向位置との相対関係から判断することができる。渋滞の最後尾への追いつきおよび道路種別の変化は、例えばナビゲーションシステム30からの信号に基づいて判断することができる。
リスクポテンシャルRPに応じて選択された音楽の演奏中に、例えば他車両が割りこんできて先行車が入れ替わったとすると、その時点でのリスクポテンシャルRPに応じて再び選曲を行う。提供される音楽が変更されるので、運転者の気分一新を促して新しい先行車に対する運転者の注意を促すことが可能となる。
このように、車両用運転操作補助装置1は自車両の走行環境を検出し、走行環境が変化したことが検出されると、提供する音楽を変更する。これにより、運転者の気分を一新し、集中力を向上させることが期待できる。選曲トリガとなる走行環境の変化としては、(a)前方障害物の入れ替わり、(b)前方障害物の非検知状態への移行、(c)自車両の車線変更、(d)渋滞の最後尾への追いつき、および(e)道路種別の変化、のいずれかを検出する。これにより、リスクポテンシャルRPの変化を招くような走行環境の変化が発生したときに、音楽を切り替えることにより運転者の気分を一新し、集中力を向上させることが期待できる。
なお、上述した5つ全てを選曲トリガとして設定する必要はなく、どの条件で選曲を再開させたいかをユーザが設定できるように構成することもできる。また、上記以外の条件を選曲トリガとして設定することも出来る。
−変形例3−
上記実施の形態では、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報、すなわちリスクポテンシャルRPに応じた適切な運転操作を促すための情報を音楽により運転者に提供するように構成した。ただし、これには限定されず、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報を別の手段により運転者に提供することも可能である。
上記実施の形態では、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報、すなわちリスクポテンシャルRPに応じた適切な運転操作を促すための情報を音楽により運転者に提供するように構成した。ただし、これには限定されず、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報を別の手段により運転者に提供することも可能である。
例えば、音楽に代えて、以下のような手段により情報提供を行うこともできる。
・警報音等を発生して聴覚情報として提供する
・光を用いた表示等による視覚情報として提供する
・エアコンからの風あるいは匂いを用いて情報提供する
・運転席シート、ステアリングホイール、アクセルペダルまたはブレーキペダルからの振動として情報提供する
・警報音等を発生して聴覚情報として提供する
・光を用いた表示等による視覚情報として提供する
・エアコンからの風あるいは匂いを用いて情報提供する
・運転席シート、ステアリングホイール、アクセルペダルまたはブレーキペダルからの振動として情報提供する
これらのうちのいずれかの情報提供手段を用いる場合も、リスクポテンシャルRPの大きさに応じて提供する情報を選択し、リスクポテンシャルRPの変化に応じて情報提供量を調節するように構成する。また、複数の情報提供手段を備える場合に、上述した選曲トリガに応じて情報提供手段を切り替えるように構成することも可能である。
上記実施の形態ではリスクポテンシャルRPに応じて選曲を行ったが、これには限定されず、リスクポテンシャルRPに基づく反力制御指令値FA,FBに応じて選曲することもできる。上記実施の形態では、リスクポテンシャルRPに応じたテンポの音楽を選曲し、さらに、演奏中にリスクポテンシャルRPが変化すると音量を調節したが、音量の調節を省略することも出来る。あるいは、運転者が好みで選曲した音楽に対して、リスクポテンシャルRPに応じた音量となるように調節することも可能である。すなわち、リスクポテンシャルRPに関する付加的な情報を音楽として乗員に提供し、リスクポテンシャルRPを低減する適切な運転操作を促すことができれば、種々の方法により音楽の音量やテンポの調節を行うことができる。
上記実施の形態では、先行車に対するリスクポテンシャルRPをアクセルペダル172およびブレーキペダル182を操作する際の操作反力として運転者に伝達する構成を説明した。しかし、これには限定されず、リスクポテンシャルRPをアクセルペダル172およびブレーキペダル182のいずれか一方から発生する操作反力として運転者に伝達することもできる。また、リスクポテンシャルRPに応じて自車両に発生する制駆動力を制御するシステムに、本発明を適用することももちろん可能である。
上記実施の形態では、自車両と先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWを用いて、先行車に対する接近度合を表すリスクポテンシャルRPを算出した。ただし、これには限定されず、例えば余裕時間TTCと車間時間THWのいずれか一方をに用いてリスクポテンシャルRPを算出することもできる。先行車に対するリスクポテンシャルRPは、自車両の前後方向についての潜在的なリスクであるといえるが、自車両の前後方向だけでなく、左右方向の状況によっても変化する潜在的なリスクを算出することもできる。
例えば、自車両の後側方領域を撮像する後側方カメラをさらに備え、レーザレーダ10、前方カメラ20および後側方カメラによって検出される自車両の周囲の複数の障害物について自車両との余裕時間TTCを算出する。そして、算出した各障害物の余裕時間TTCの前後方向成分を統合して前後方向のリスクポテンシャルとし、余裕時間TTCの左右方向成分を統合して左右方向のリスクポテンシャルとする。この場合、前後方向のリスクポテンシャルに基づいてアクセルペダル172およびブレーキペダル182に発生する操作反力を制御し、左右方向のリスクポテンシャルに基づいてステアリングホイールに発生する操舵反力を制御する。ステアリングホイールも、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器であるといえる。
リスクポテンシャルRPとアクセルペダル反力制御指令値FAおよびブレーキペダル反力制御指令値FBとの関係は、図4および図5に示すものには限定されず、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど、アクセルペダル反力制御指令値FAが大きくなり、ブレーキペダル反力制御指令値FBがマイナス方向に大きくなるような種々の関係を用いることが可能である。
上記実施の形態においては、ブレーキブースタ91によってエンジンの負圧を利用してブレーキアシスト力を発生させているが、これには限定されず、例えばコンピュータ制御による油圧力を用いてブレーキアシスト力を発生させることもできる。
以上説明した実施の形態においては、レーザレーダ110および前方カメラ120が障害物検出手段および走行環境検出手段として機能し、コントローラ150がリスクポテンシャル算出手段として機能し、コントローラ150、アクセルペダル反力制御装置170およびブレーキペダル反力制御装置180が操作反力制御手段として機能し、オーディオシステム20が付加情報提供手段として機能し、ナビゲーションシステム30が道路種別検出手段として機能することができる。また、アクセルペダル172およびブレーキペダル182が運転操作機器として機能することができる。ただし、これらには限定されず、例えば障害物検出手段および走行環境検出手段として、レーザレーダ110の代わりに別方式の検出器、例えばミリ波レーダを用いることも可能である。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何等限定も拘束もされない。
10:車両制御系ITSシステム 、110:レーザレーダ、120:前方カメラ、130:車速センサ、150:コントローラ、170:アクセルペダル反力制御装置、180:ブレーキペダル反力制御装置、20:オーディオシステム、21:入力部、22:選曲部、23:音楽データ格納部23、24:音楽提供部、30:ナビゲーションシステム
Claims (10)
- 自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段からの信号に基づいて、前記自車両の前記障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段で算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、
前記リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する付加情報提供手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記付加情報提供手段は、前記リスクポテンシャルに応じたテンポの音楽を選曲することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記付加情報提供手段は、前記リスクポテンシャルを高リスク領域と低リスク領域に分割し、前記リスクポテンシャルが前記高リスク領域にある場合は、前記リスクポテンシャルが前記低リスク領域にある場合に比べてテンポの遅い音楽を選曲することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記付加情報提供手段は、前記リスクポテンシャルの変化に応じて演奏中の音楽の音量を調節することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記付加情報提供手段は、前記リスクポテンシャルが増加している場合に、前記演奏中の音楽の音量を低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段をさらに備え、
前記走行環境検出手段によって前記走行環境が変化したことが検出されると、前記付加情報提供手段は提供する前記音楽を変更することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項6に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行環境検出手段によって検出される前記走行環境の変化は、(a)前方障害物の入れ替わり、(b)前方障害物の非検知状態への移行、(c)前記自車両の車線変更、(d)渋滞最後尾への追いつき、および(e)道路種別の変化、のいずれかであることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記自車両が走行する道路の種別を検出する道路種別検出手段をさらに備え、
前記付加情報提供手段は、前記道路種別検出手段で検出される道路種別に応じた音楽を選曲することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 自車両周囲に存在する障害物を検出し、
前記障害物の検出信号に基づいて、前記自車両の前記障害物に対するリスクポテンシャルを算出し、
前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御し、
前記リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供することを特徴とする車両用運転操作補助方法。 - 自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段からの信号に基づいて、前記自車両の前記障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段で算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、運転者が前記自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を制御する操作反力制御手段と、
前記リスクポテンシャルに関する付加情報を音楽として提供する付加情報提供手段とを有する車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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JP2005358908A JP2007161056A (ja) | 2005-12-13 | 2005-12-13 | 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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