JP2007160401A - はんだ合金、はんだボールおよびそれを用いたはんだ接合部 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、Sn−Cu合金の表面肌の悪さに起因する外観検査での不良判定やはんだボールの搭載不良といった問題を解決するとともに、耐落下衝撃性に優れ、高温環境下での接合強度の低下を抑制したPbフリーはんだ合金、はんだボール、およびはんだ接合部を提供する。
【解決手段】 mass%で0.6〜0.75%のCuと、0.3〜1.5%のAgと、0.01%を超え、0.1%以下のGeと、残部Sn及び不可避的不純物からなるはんだ合金であり、好ましくはAgの含有量がmass%で、0.5〜1%である。また好ましくはGeの含有量がmass%で0.01%を超え、0.06%以下である。該はんだ合金は球状化されてなるはんだボールであることが好ましい。また、本発明は、はんだ合金がNi電極に接合されてなるはんだ接合部である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品等のはんだ付けに使用されるはんだ合金、はんだボールおよびはんだ接合部に関するものである。
近年、携帯電話などのモバイル機器における実装面積の減少に伴って、半導体パッケージも小型化の傾向にあり、半導体パッケージをマザーボードに接続する実装形態も、従来のリードを用いた周辺端子型から格子状に電極端子を形成したタイプへと変遷している。代表的なものがBGA(Ball Grid Array)であるが、その電極は、球状に成形されたはんだ、つまりはんだボールを用いてマザーボードに接続される。
半導体パッケージには種々の外力が加えられることがある。例えば、モバイル機器特有の外力として、落下衝撃が挙げられる。これはモバイル機器を使用したり持ち運んだりする際に、不注意で落としてしまうことがあるためである。従来の周辺端子型パッケージでは、このような外力をリードが変形することで緩和することができた。一方、BGAの場合、リードを介さずはんだボールにより直接マザーボートに接合されるため、半導体パッケージやマザーボードを破損させないためにははんだ接合部が外力を吸収する必要がある。結果として、落下衝撃が負荷されたときのはんだ接合信頼性が、モバイル機器の寿命を高める上で極めて重要となっている。
一方、EUのRoHS(The restriction of the use of certain hazardous substances)指令に代表される近年の環境問題への取り組みの一つとして、はんだのPbフリー化が世界的に進められており、従来用いられてきたSn−Pb共晶はんだの使用が禁止になりつつある。代替はんだの主たるものとして、Sn−3Ag−0.5CuやSn−3.5Ag−0.75Cuといった、Agを3〜4mass%、Cuを0.5〜0.75mass%含むSn基合金が挙げられる。Snの融点が232℃であるのに対し、AgおよびCuを添加することで220℃付近まで下げることが可能であり、これによってはんだ付け温度を低くして半導体パッケージの熱的損傷を抑えられることができる。
ただし、Sn中のAgやCuは、Snと金属間化合物を形成することではんだを硬化させることから、従来のSn−Pb共晶はんだと比較して延性に乏しい。結果として、モバイル機器を落とした際に、はんだ接合界面で容易に破断することが深刻な問題となっており、耐落下衝撃性に優れたPbフリーはんだに対するニーズが急速に高まっている。
はんだ接合部の耐衝撃性を改善する方法として、次の二つが考えられる。一つは、はんだの延性を改善して変形能を高めることであり、はんだ中のAgやCuの含有量を低減することで行われている。Agは3.5mass%、Cuは0.75mass%ほどSnに添加されることで融点が最も低い共晶組成となるが、AgはCuよりも融点を下げるために多量に添加する必要があり、はんだを硬化させる作用が大きい。
そこで特許文献1や特許文献2では、Agを含まないSn−Cu合金を使用することで、はんだの機械的特性の改善を行っている。もう一つの方法として、はんだ接合界面の強度を改善することが考えられる。例えば、非特許文献1では、Cuが0.7mass%以上のSn−Cu合金をNi上にはんだ付けした際に、接合界面に形成されるCu−Ni−Sn化合物がNiから剥離せず、安定した接合が得られることを報告している。さらに、特許文献1では、Cu電極上にCuを多く含むはんだを接合した場合、Cu電極の食われを抑制することができ、接合強度が改善されることを明らかにしている。
特開平11−221695号公報 特開2000−190090号公報 W.T.Chen et al.: Journal of Materials Research, 17 (2002) 263.
このように、Sn−Cu合金はSnよりも融点が低く、はんだ付け時の半導体パッケージの熱的損傷を抑えることができる上、Ni電極やCu電極に接合された場合に安定した接合強度を示すといった利点がある。しかしながら、本発明者がSn−Cu合金について検討した結果、はんだの表面に非常に大きな凹凸が存在し、良好な金属光沢がなくなるため、外観検査した際に高い確率で不良と判断される問題が発生した。
また、BGAの接合に使用されるはんだボールは、BGAの電極に搭載された後、加熱溶融されるが、表面に凹凸があるとBGAの電極にうまく搭載できず生産性を著しく損ねてしまう。さらに、はんだボールを何とか搭載し接合することができた場合にも、接合後のはんだ表面組織もボールと同様に凹凸が激しいため、外観検査で不良と判断されたり、はんだの高さバラツキを測定する際にレーザー光がうまく反射せず正確な値が測定できないなどの問題が多発した。結果として、半導体パッケージの生産性と歩留まりが大幅に低下した。
加えて、表面の大きな凹凸は外気との接触確率を高めるため、はんだの表面酸化が進行しやすい。このため、機器が高温環境可で使用されたり、半導体パッケージが多量の熱を発する場合、はんだの酸化が進行しやすく、結果として金属光沢がさらに損なわれる問題が発生した。
さらに、Cu含有量が高いSn−Cu合金がNi電極に接合された場合、接合界面に形成されるCu−Ni−Sn化合物がNi電極から剥離せず安定した強度を示す。しかし、半導体パッケージの発熱等により長時間高い温度に曝された場合、Cu−Ni−Sn化合物が厚く成長し、かえって接合強度が損なわれることがわかった。
本発明の目的は、Sn−Cu合金の表面肌の悪さに起因する外観検査での不良判定やはんだボールの搭載不良といった問題を解決するとともに、耐落下衝撃性に優れ、高温環境下での接合強度の低下を抑制したPbフリーはんだ合金、はんだボール、およびはんだ接合部を提供することである。
本発明者らは、Sn−Cu合金にAgを厳密に制御された量だけ添加することにより、延性をほとんど低下させることなく、はんだ表面の凹凸を低減できることを見出した。また、わずかな量のGeを添加することでさらに表面肌が改善され、金属光沢が向上すること見出した。加えて、高温環境下におけるNi電極上のCu−Ni−Sn化合物の成長が、AgおよびGeの添加によって遅延させることが可能であり、接合強度を維持できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、mass%で0.6〜0.75%のCuと、0.3〜1.5%のAgと、0.01%を超え0.1%以下のGeと、残部Sn及び不可避的不純物からなるはんだ合金である。
好ましくは、Agがmass%で、0.5〜1%であるはんだ合金である。
また、好ましくは、Geがmass%で、0.01%を超え0.1%以下であるはんだ合金である。
さらに好ましくは、はんだ合金が球状化されてなることを特徴とするはんだボールである。
また本発明は、はんだ合金がNi電極に接合されてなるはんだ接合部である。
本発明によって、Sn−Cu合金における延性を損ねることなく、表面肌の悪さに起因した金属光沢の低下やはんだボール搭載性の問題が飛躍的に改善され、また、高温環境下での化合物成長に起因する接合強度の低下を抑制し、はんだ付け後、長期に渡って接合信頼性を確保することが可能である。
上述のように本発明の重要な特徴は、Sn−Cu合金の延性を阻害せず、表面肌を改善できるようなAg量を見出したことにある。また、わずかな量のGeを添加することでさらに表面肌が改善される上、金属光沢の低下も抑制できることを見出したことにある。加えて、AgおよびGeの添加は、Ni電極に接合された後、高温環境下に長時間放置された場合にも、接合界面に形成されるCu−Ni−Sn化合物の成長を抑え、十分な接合強度を維持できることを見出したことにある。
以下に、本発明の組成について説明する。
本発明は、Cuの含有量を0.6〜0.75mass%とする。その理由は、CuをSnに添加することで融点が下がるが、0.6mass%未満の場合はその効果が小さいためである。
一方、Cuの含有量が0.75mass%を超えると、融点の上昇を招き、はんだ付け温度を高める必要があるため、半導体パッケージの熱的損傷を与えてしまう。
また、0.75mass%を超えるとCuが過剰となり、接合界面だけでなくはんだ内にも粗大なCu−Ni−Sn化合物が形成され、はんだの延性が損なわれる。
例えば、Ni電極に接合した際に接合界面に形成されるCu−Ni−Sn化合物が不安定で、Ni電極から剥離し接合強度を損ねるためである。これは、Cu−Ni−Sn化合物には(Cu,Ni)Snと(Ni,Cu)Snの2種類があり、0.6mass%未満のCuでは両方が共存することで接合状態が一様でなくなるためである。一方、はんだとしてのCuの含有量が0.6mass%以上になると、十分にCuの濃度が高いためCu−Ni−Sn化合物は(Cu,Ni)Snが安定して存在し、接合界面からの化合物の剥離もなく接合強度を確保できる。
例えば、Cu電極の場合、はんだ付け時に0.8mass%程度までCu電極がSn中に溶け込み、はんだとしてのCuの含有量が0.6mass%以上であれば、Cu電極の食われも小さく、接合強度の低下を抑制するには十分な量である。
本発明において重要なのは、Sn−Cu合金にAgおよびGeを添加することにより、表面肌の問題を解決できることである。Sn−Cu合金において表面肌が悪くなる要因は、合金が凝固したときに凹凸のあるデンドライト組織を形成するためである。また、冷却速度が速くなるほどはんだが過冷されて急激なデンドライトの形成を伴うため、表面の凹凸は大きくなる。
さらに、デンドライト組織はその組織間に巣を形成しやすい。このような表面の凹凸や巣は、金属光沢を低下させるだけでなく、外気と接する割合を増加するため、はんだの酸化が進行し、さらなる光沢の低下を招く。
表面肌の問題を解決するには、はんだの組成を厳密にコントロールして凝固速度を遅くすることが有効である。これは、凝固の際に必要な過冷度を小さくすることと、凝固の際に固相と液相が共存している温度範囲、つまり固−液共存域を広くすることで達成される。
Ag単独で添加した場合は、固−液共存域の拡大に非常に有効である。AgにはSn−Cu合金の融点を下げる効果もある。
一方、Geを単独で添加した場合は、過冷度の縮小に非常に有効である。さらに、AgとGeを併せて添加することによって、Agの添加によって拡大された固−液共存域をさらに拡大でき、表面肌の良好なはんだが得られる。これにより、外観検査における金属光沢の問題やはんだボールの搭載不良の問題を飛躍的に改善できる。
Agの含有量を0.3〜1.5mass%とするのは以下の理由である。Agの添加により融点が低下するとともに、固−液共存域を広げることが可能である。Agの含有量が0.3mass%未満の場合、それらの効果はほとんど期待できないが、Agの含有量が0.3mass%以上になると、それらの効果が得られる。一方、1.5mass%を超えて添加すると、はんだ中にSnと金属間化合物を形成することで硬化し、耐落下衝撃性が損なわれるうえ、Sn−Ag−Cu三元共晶組成に近くなり、固−液共存域が縮小する。
また、好ましいAgの量は0.5〜1.0mass%であり、はんだの延性を損ねることなく固−液共存域を十分に拡大することが可能であり、表面肌の改善に有効である。また、Ni電極上のCu−Ni−Sn化合物の成長を阻害するピンニング効果が有効に発揮され、高温環境下での強度低下を抑える。
Geの含有量を0.01mass%を超え0.1mass%以下とするのは以下の理由である。はんだとしてのGeの含有量が0.01mass%以下の場合、過冷度を小さくする効果が小さいため表面肌の改善があまり期待できない。また、Ni電極上でCu−Ni−Sn化合物の結晶粒界に濃化し成長を抑制するのに十分な添加量ではないため、強度低下を抑制する効果がほとんど得られない。
一方、0.1mass%を超えて添加するとはんだが著しく硬化するため、耐落下衝撃性がかえって損なわれる。また、GeはSnよりも酸化しやすい合金であり、過剰な添加ははんだの濡れ性を低下させる。
また、好ましいGeの含有量は、0.01mass%を超え0.06mass%以下である。これは、0.06mass%までにすることで、表面肌の改善に十分な過冷度が得られるとともに、Geによるはんだの延性低下を最小限に抑えることができ、耐衝撃性改善効果が得られやすいためである。
以上に述べた本発明のはんだ合金は、球状化してはんだボールとして用いる場合、非常に有効である。BGAをマザーボードに接合するために、はんだボールをBGAの電極上に搭載し、加熱溶融することで突起状のはんだバンプを形成するが、本発明におけるはんだ合金では、表面肌の良いボールに成形できるため、ボールを搭載するときの搭載不良が大幅に低減できる。
また、搭載時にボール同士が機械的に接触するため表面酸化が進行しやすいが、表面肌の良いボールは比表面積が小さく外気との接触率が低い上、搭載確率そのものも高いため、酸化の進行を抑えられる。また、溶融してはんだバンプにしたときにも良好な表面肌は維持されるため、外観検査において見た目も良好であり、レーザー顕微鏡を用いてはんだバンプの高さばらつきを測定する際にも、レーザー光が安定して反射するため測定エラーが発生しない。
また、本発明のはんだ合金およびはんだボールは、Ni電極に接合された場合さらに有効である。これは、Ni電極上に形成されるCu−Ni−Sn化合物が高温環境に曝された場合も、AgがSnと化合物を形成することでピンニング効果を発揮するとともに、Geが化合物の結晶粒界に濃化することで成長を抑え、高温環境下での接合強度の低下を縮小できるためである。Ni電極の表面には、Niの酸化を抑制し、はんだ濡れ性を改善する目的でAuやPdなどの金属層が形成される場合がある。この場合にも同様の効果が得られる。
Sn−Cu合金と、それにAgおよびGeを添加した合金を作製した後、直径0.3mmのはんだボールへ成形した。評価したはんだ組成を表1に示す。成形には均一液滴噴霧法を用いた。均一液滴噴霧法とは、るつぼ内ではんだ合金を溶解し、溶融はんだをるつぼから排出することにより微小球を製造する方法であり、排出する際に溶融はんだに振動を付与することで、排出された溶融金属を体積の均一な微小球とする方法である。尚、該成形方法における冷却速度は約100℃/sであった。作製したはんだボールの反射率を測定し、金属光沢の度合を評価した。
測定は色彩計により行い、30mm角のトレイにはんだボールが互いに重ならないように一様に並べた後、光を当ててL表色系における明度Lを求めた。また、表面酸化の進行による金属光沢の低下と表面肌との関係を明らかにするため、はんだボールを150℃で100h放置したものも作製し、同様に反射率を測定した。これに加え、固−液共存域の温度範囲と過冷度を測定するため、示差熱分析を行った。熱分析における昇温および降温速度はいずれも2℃/minとした。
評価結果を表2に示す。また、本発明2のはんだボール表面の走査型電子顕微鏡で観察した結果を図1に示す。尚、比較例1は成形性が非常に悪く、反射率の測定に十分なはんだボールを得ることができなかった。表1より、Agを添加することで固−液共存域を広げることができるが、比較例5のように、添加量が1mass%を超えるとその効果が薄れるだけでなく、過冷度が1mass%の場合よりも大きくなる。
一方、Ge添加により、固−液共存域を若干広げることができ、過冷度も大幅に小さくなるため、はんだボールの反射率が改善されている。特に、150℃で100h放置した場合の反射率に大きな差が見られ、本発明におけるはんだによって得られたボールは、100h放置後も40%以上を維持した。また図1より、本発明におけるはんだは非常に真球に近いはんだボールが得られることがわかる。以上のことから、本発明におけるはんだは表面肌が良好であり、成形後だけでなく高温環境下でも十分な光沢を有していることがわかる。
次に、Cu基材上へ電解Ni/Auめっきした電極(以降、Ni電極と称す)に直径0.3mmのはんだボールを用いてはんだバンプを形成し、はんだ接合信頼性を評価した。ここで、電極の直径は0.25mmとした。はんだ付けは240℃まで加熱することで行ったが、高温環境下での劣化挙動を評価するため、はんだ付け後に150℃で100h放置した試料も併せて作製した。このようにして作製した試料において、接合界面に形成されるCu−Ni−Sn化合物の剥離の確認と、化合物厚さ測定を行うため断面組織観察を行った。Cu−Ni−Sn化合物の厚さは、断面組織写真における界面化合物の面積を画像処理により求め、単位接合界面長当たりの厚さとして求めた。その結果を表3に示す。
また、本発明2のはんだ付け後の断面組織を図2に、比較例3のはんだ付け後の断面組織を図3に示す。
また、本発明3、5、6と比較例6のはんだ付け後の断面組織をそれぞれ図4、6、8、10に示す。また、本発明3、5、6と比較例6の150℃100h放置後の断面組織をそれぞれ図5、7、9、11に示す。尚、比較例3および5は、図3に示すような化合物剥離が発生したため、化合物厚さが測定できなかった。
接合信頼性を評価する方法として小型シャルピー衝撃試験機を用い、はんだバンプに重さ20gの振り子を1m/sの速度で衝突させ、はんだ接合界面で破壊する確率を求めた。測定は、25個のはんだバンプに対して行った。はんだ付け時の化合物剥離の有無と、衝撃試験における界面破壊確率の測定結果を表3に示す。
表3および図2より、Cu量を0.6〜0.75mass%とすることで化合物剥離が抑えられる上、Ge添加により150℃放置による化合物成長が抑制されており、シャルピー衝撃試験による破壊も相対的に低い界面破壊確率を示した。ただし、比較例1に示されるように、Ge添加量が0.01mass%以下の場合は添加量が少ないため化合物の成長を抑制できず、界面破壊確率も高い。
本発明1および2と、本発明3から6の比較からわかるように、Ge添加量が0.01mass%を超え0.06mass%以下の場合、Ge添加によるはんだの延性低下を最小限に抑制できるため、はんだ付け後の界面破壊確率に顕著な優位性が見られることがわかる。
また、本発明1と本発明2の比較から明らかなように、Ag量の多いほうがAgSnによるピンニング効果が大きくなるため、Cu−Ni−Sn化合物の成長をより抑え、高温放置後も界面破壊確率を低減できている。
耐落下衝撃性を評価するため、JEDEC規格JESD22−B111に基づいた基板落下試験を実施した。直径0.3mmのはんだボールを用いて345個のNi電極を有するBGAにはんだバンプを形成した後、はんだペーストを用いてマザーボードに接合し、落下試験用試験基板を作製した。
はんだペーストには一般的に使用されているSn−3Ag−0.5Cu(mass%)を用いた。次に、ドロップテーブルに試験基板を水平に固定した後、水平姿勢を保ったまま、ドロップテーブルに加えられる落下衝撃が1500G、0.5msの半正弦波となるような高さから30回落下させた。落下試験中、BGAとマザーボードの間に形成された導通測定用のデージーチェーンにおけるバイアスを測定し、導通の有無を確認した。尚、試験基板一枚当り15個のBGAが搭載されており、各はんだ組成に対して2つの試験基板、つまり合計30個のBGAについて評価した。
試験結果から、導通不良となるBGAの累積不良数と落下回数との関係をワイブルプロットし、5%不良確率に相当する落下回数を求めた。基板落下試験における5%不良確率に相当する落下回数の結果を表4に示す。比較例5とそれ以外のものとの比較から明らかなように、Ag含有量を低下することで耐落下衝撃性が大幅に改善され、本発明のはんだはCu、AgおよびGeの添加量を厳密に制御することで、比較例3よりも落下寿命が改善されている。特に、本発明3、5、6のように、Ge添加量を0.01mass%を超え0.06mass%以下とすることで、40回以上の落下に耐え得るはんだが得られている。
本発明2のはんだボール表面の光学顕微鏡写真である。 本発明2のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例3のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例6のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例6の150℃100h放置後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明3のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明3の150℃100h放置後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明5のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明5の150℃100h放置後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明6のはんだ付け後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明6の150℃100h放置後の接合部断面の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. mass%で0.6〜0.75%のCuと、0.3〜1.5%のAgと、0.01%を超え、0.1%以下のGeと、残部Sn及び不可避的不純物からなることを特徴とするはんだ合金。
  2. Agがmass%で、0.5〜1%であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ合金。
  3. Geがmass%で、0.01%を超え、0.06%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のはんだ合金が球状化されてなることを特徴とするはんだボール。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のはんだ合金がNi電極に接合されてなるはんだ接合部。
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