JP4453473B2 - 鉛フリーはんだ合金と、それを用いたはんだ材料及びはんだ接合部 - Google Patents

鉛フリーはんだ合金と、それを用いたはんだ材料及びはんだ接合部 Download PDF

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    • B23K35/262Sn as the principal constituent

Description

本発明は、鉛フリーはんだ合金と、それを用いたはんだ材料及びはんだ接合部に関する
近年、鉛の毒性に関する問題から環境への鉛の排出を規制する動きが高まっている。そ
こで、従来使用されていたSn−Pbはんだに替わり、電化製品の部品接合材料として、
鉛フリーはんだに置き換える動きが進んでいる。
はんだ材料の合金としての必要な特性は、溶融温度、引張強度、伸び特性、濡れ性、部
品接合部の接合強度等が挙げられる。
はんだの溶融温度は200℃前後が好ましい。はんだ融点が高すぎると、基板実装時に
部品の耐熱温度を超えてしまい、現在のはんだ付け工法では部品を損傷してしまう恐れが
ある。また、はんだ融点が低すぎると、使用あるいは保管環境が高い場合に部品の落下や
剥離が生じてしまう可能性がある。
鉛を使用した基板実装用はんだは、Sn−37Pbはんだ合金に代表される。これに置
き換わるはんだとして、以下の鉛フリーはんだ合金が検討されてきた。例として、Sn−
Ag(−Cu)系、Sn−Cu(−Ni)系、Sn−Ag−Bi−Cu系、さらにSn−
Zn(−Bi、−Al)系、Sn−In−Ag−Bi系はんだ合金などが挙げられる。
これらをグループIという。その中で、Sn−Ag(−Cu)系、Sn−Cu(−Ni
)系、Sn−Bi−Cu系はんだ合金は、融点が210〜230℃に調整された合金組成
でフローはんだ付やリフローはんだ付工法などに使用されている。しかし、これら合金の
融点は、これまで使用されてきたSn−Pbはんだの融点よりも30〜40℃高い。その
結果、これらの合金系を用いて実装する温度条件では、部品の耐熱温度を超えてしまう場
合がある。上記はんだで実装できる温度まで、当該部品の耐熱性を高めることは、技術的
に難しい。一方、Sn−Zn(−Bi,−Al)系、Sn−In−Ag−Bi系はんだ合
金等(グループIIという)は、主にリフローはんだ付工法を採用することを前提とした
電子回路基板実装の分野で用いられている。しかしながら、グループIIの合金は、大気
中における溶融状態での酸化が激しく、フローはんだ付工法への採用は現時点では技術的
に難しい。前述のグループIの合金よりもはんだとしての特性はデメリットが多いが、グ
ループIIの合金を使用する利点としては、従来使用されてきたSn−Pbはんだと同等
の温度域まで融点を調整することが可能な利点がある。そして、グループIIの合金系は
、融点が180〜210℃程度になるよう組成を調整して使用される。
つまり、Sn−Zn(−Bi、−Al)系はんだ合金は、融点が190−200℃前後
で従来のSn−37Pbはんだ合金の融点に近く、これまでの実装条件がそのまま使用で
きる上、鉛フリーはんだの中では、コストが安いというメリットがある。しかし、はんだ
の接合母材に対する濡れ性が悪いと考えられている。はんだを実装した後についても、C
u母材にはんだ付けした接合部を、高温高湿度下の条件に曝すと部品の接合強度が急激に
低下する現象が確認されている。
また、はんだ中にZnを使用しているため、はんだ中のZnがフラックス中に溶出して
絶縁抵抗の低下やマイグレーションの発生を起こす可能性がある。
Sn−In−Ag−Bi系はんだ合金も、Sn−Zn系はんだと同様、融点がSn−P
bはんだに近い。この合金系はZnを使用していないので、Cu母材との接合の際にCu
−Zn化合物を形成しない。そのため、高温高湿度雰囲気下におけるCuとの接合界面で
、接合強度が急激に低下する現象は発生しない。
一方で、Ag電極にはんだ付けをおこなった場合、接合界面にAg−In化合物が形成
する。経時変化により、この化合物相が大きく成長してこの部分が脆くなり、界面強度が
低下すると言う現象が確認されている。この他に、部品を接合した状態で熱サイクルをか
けると、接合部のはんだが変形していくという現象が見られる。電子回路基板は狭ピッチ
の基板設計に向かう方向に進んでおり、実装技術もより高度なレベルが要求されている。
このような技術的流れにおいて、はんだの変形が電気的な短絡につながる可能性がある
という不安要素を抱えている。また、希少で高価なInをはんだ中に多く含み、材料コス
トがかかる上、供給面で将来的に不安を残す。
これら融点が180〜210℃程度となるはんだ合金は、その温度特性上、複数回のは
んだ付け工法(リフローはんだ付け後フローはんだ付け、もしくは、リフローはんだ付け
後リフローはんだ付けなど)において使用されるニーズが少なくない。ここで、問題とな
るのは、一度はんだ付けされた箇所が2度目以降のはんだ付け工程において剥離するとい
う現象である。この剥離は、特に、大型のIC部品などにおいて、部品リードがはんだご
と基板から浮き上がってしまうものである。この現象は、二度目以降のはんだ付けの際に
、それ以前のはんだ付けで形成された接合部のはんだが部分的に溶融してしまい、接合強
度が低下した状態となる。その状態で基板の反りや部品の変形などによって接合部が剥離
してしまうために起こる。即ち、はんだ合金の特性としては、はんだ合金が溶け始める温
度(以下、固相線温度と呼ぶ)と完全に溶融する温度(以下、液相線温度と呼ぶ)までの
温度幅が大きいほど、接合部での剥離が起きる可能性が高い。
従来の技術では、例えば特許第2599890号公報(特許文献1)では、Sn−Ag
系はんだにZnを添加することで、機械的強度やクリープ特性を改善できるとしている。
同時に、ZnもしくはInを添加することによって融点が下がることが示されている。
しかし、特許文献1に記載されているAg濃度は1質量%以上と高い。例えば、Sn−
6Zn−6In−1Agのような高いAg濃度(1質量%)では、図6の示差走査熱量計
(DSC)測定結果に示すように、融点200℃付近を頂点とする吸熱ピーク部分が多く
なる。その結果、Sn−Pbはんだの場合と同等の実装条件では、はんだが十分に溶け切
らない可能性がある。もし、はんだが十分に溶け切れないと、はんだの流動性が損なわれ
、接合部が十分に形成されない。その場合、はんだ中にボイドが残って接合強度を低下さ
せることになる。また、特開平9−174278号公報(特許文献2)では、Sn−Zn
共晶近傍の合金に対して、融点の低下と部品メタライズへのぬれ性向上のためにInを添
加している。更に、このSn−Zn−In合金中のZn相針状結晶を球状化および微細分
散させるため、Agを添加している。そのため、Zn濃度は6〜11%、Agは0.5〜
3%としている。
特許第2599890号公報 特開平9−174278号公報
従来の鉛フリーはんだにおいては、Sn−Zn(−Bi,−Al)系はんだが有するZ
nに起因する濡れ性の悪さ、および、高温高湿度下でCu電極との接合強度が低下すると
いう問題があった。また、Sn−In−Ag−Bi系はんだ合金では、InやAg等、稀
少な金属を使用するという問題があった。
本発明の目的は、溶融温度特性がSn−Pb系はんだと同等である条件を満たしながら
、上記従来のSn−Zn(−Bi,−Al)系はんだやSn−In−Ag−Bi系はんだ
合金の有する問題点を解決するものである。
特に、高温高湿度下におけるはんだ接合部の信頼性を改善することが重要な目的である
上記の目的を達成するため、本発明のはんだ合金は、Sn−Zn−In−Ag系合金か
らなり、Sn、Zn、In、Agの組成比が、3.0質量%<Zn<5.0質量%、0.
質量%≦In≦4.0質量%、0.1質量%≦Ag≦0.4質量%であり、残部がSn
よりなることを特徴とする。
本発明のはんだ合金は、溶融温度が現行のSn−Pbはんだと同程度であり、現行の部
品や生産設備をそのまま使用することが出来る。また、液相線温度と固相線温度との差が
小さく、複数回の実装工程を用いる場合においても、部品リードの浮き発生をほぼ抑える
事ができる。また、高温高湿度下に曝されたときの、接合部強度低下を防ぐ。
以下に、本発明の鉛フリーはんだについて詳細に説明する。
本発明のはんだ合金は、融点210℃以下のSn−Zn−In系はんだに、Cu母材と
はんだとの接合部を高温高湿度下に曝したときに接合界面の強度低下を抑えるAgを微量
添加したSn−Zn−In−Agはんだである。
このはんだ合金では、溶融温度および接合信頼性の面から各元素の割合が以下の比率が
好適である。
3.0質量%<Zn<5.0質量%
0.1質量%≦In<20.0質量%
0.1質量%≦Ag≦0.4質量%
以下、この組成範囲について説明する。
Znの組成範囲は、3.0質量%<Zn<5.0質量%とする。Znの組成比が3.0
質量%以下では、はんだの融点を200℃程度までに低下させることができない。また、
Znの組成比が3.0質量%以下ではInを多くしても固相線温度と液相線温度との差が
広がってしまう。その結果、複数回のはんだ付け工程において、部品接合部での剥離が発
生し易くなる。
また、Zn組成比が5.0質量%以上であれば、高温高湿度下でのCu箔との接合部界
面強度が低下する。また、Znが多くなるとはんだの濡れ性が低下し、はんだの酸化や接
合部の電気絶縁性が低下するという問題も生じる。
Inの組成範囲は、0.1質量%≦In<20.0質量%とする。0.1質量%未満で
は、融点低下が望めない。In組成比が20質量%以上となると、はんだ融点における固
相線温度が低くなりすぎてしまう。Sn−20Inでは固相線温度が153℃であり、固
相線温度が低下すると、高温の環境下に曝されたときにははんだが溶融して剥離してしま
う。
また、機器使用による発熱によっても同様の不具合が起こる可能性がある。さらに、S
n−20In固相線温度(153℃)と液相線温度(199℃)とが離れすぎているので
、2度目以降のはんだ付け工程において剥離するという現象が起こりうる。
Agの組成範囲は、0.1質量%≦Ag≦0.4質量%とする。0.1質量%未満では
、はんだ付けした後、高温高湿度下に曝したときの接合強度低下を防ぐ効果が得られない
Agの組成比が0.4質量%を超えると、はんだの融点温度域における高温側にて溶融
する割合が高くなり、実装プロセスにおいて溶融はんだの流動性が低下する。
なお、それぞれの組成比率は以下の範囲がより好ましい。
3.0質量%<Zn<5.0質量%
0.1質量%≦In≦4.0質量%
0.1質量%≦Ag≦0.4質量%
はんだ合金中のIn組成比が高くなると、はんだ合金の伸び特性が低下する。そして、
In組成比が4質量%以下で、伸び特性は30%以上を確保できる。したがって、熱衝撃
などによって受ける応力に対して、はんだが変形することで応力を緩和させることができ
る。逆に、はんだに伸び特性がないと、基板や部品が膨張収縮した場合に、はんだ接合部
中にクラックが入りやすくなる可能性がある。
なお、本発明で高温高湿度とは、85℃、85%RH(相対湿度)の環境を意味する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、高温高湿度下に曝したときの接合強度変化について、Inを3重量
%にして、Znを0〜6質量%に変化(残部はSnとする。)したときの接合部の剥離強
度を測定する。
まず、目的の組成に配合したはんだ合金約1kgを230℃に保持した。次に、0.6
5mmピッチ、100ピンのQFP(Quad Flat Package)部品を銅張
りガラスエポキシ基板に接着剤を用いて固定した。この試料にフラックスを塗布した後、
はんだ中に浸漬させてはんだ付けをおこなった。はんだ付け後の試料は、アセトンと超音
波洗浄器を用いて洗浄し、フラックス残渣を除去した。洗浄後の実装基板試料は、85℃
、85%RH(相対湿度)の恒温恒湿槽中に投入した後、250時間毎にリードの接合強
度である剥離強度を測定した。
図1は、Inが3質量%、Znが0〜6質量%、残部がSnであるはんだで、QFP部
品を実装したときのリード接合強度変化を示す。0Zn〜6ZnはZnの組成比が0〜6
質量%であることを意味している。そして、Znの組成比が増える程、高温高湿度の雰囲
気に曝されたときの接合強度低下が急激であることがわかる。さらに、Znの組成比が6
質量%では、曝し時間500時間での接合強度が1kgfを切ってしまう。
即ち、はんだ中のZn濃度が高いほど、高温高湿度下での部品接合強度が低下しやすい
という傾向が見られる。高温高湿度雰囲気中において、はんだ中のZn相が接合界面へと
拡散してCu母材反応し、Cu−Zn化合物層を形成・成長させる。この過程で高湿度雰
囲気の影響によりZnが酸化し、接合界面のCu−Zn化合物層とはんだとの界面におい
て接合強度が急激に低下する。図1より、Zn含有量としては、5質量%未満が望ましい
また、図2(a)〜図2(e)はInが3質量%、Znが2〜6質量%、Agが0.3
質量%、残部がSnである各はんだのDSC測定結果を示している。3質量%以下では金
属融点が210℃を超えてしまう。したがって、Zn含有量は3質量%より大きい方が好
ましい。
さらに、Zn含有量が5質量%以上となると、高温高湿における接合強度が次第に低下
する。したがって、Zn含有量は5質量%未満が好ましい。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、Sn−4Zn−3InにAgを微量添加したときの組織観察をしたも
のである。Znを4質量%、Inを3質量%、Agを0.1〜0.5質量%、残部がSn
からなる各はんだ約0.6gを、セラミック板上で溶融させて球状にし、そのまま空気中
で冷却した。それぞれのはんだ粒について断面を研磨し、SEMを用いて観察をおこなっ
た。その結果を図3(a)〜図3(c)に示す。
図に示すように、Ag組成比が増えるに従って、針状のZn結晶が減り、図3(b)、
図3(c)から球状のZn−Ag相が増えていくのがわかる。また、はんだ組織が微細化
していることも確認される。Znの結晶が細かく分散することによって、Zn結晶同士の
繋がりがなくなる。このことにより、接合強度の低下の原因となるZnの酸化がはんだ内
部に向かって進行せず、高温高湿度下での接合強度低下を防いでいる。
Agが0.1質量%の場合には、図3(a)に示すように、針状のZn結晶がまだ多く
見られるが、はっきりと球状Zn−Ag層が確認される。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、Sn−4Zn−3InにAgを微量添加したときの腐食電位の変化
について説明する。
Znを4質量%、Inを3質量%、Agを0〜0.5質量%、残部がSnからなる各は
んだを断面形状5mm×5mmの棒状に加工した。この棒状試料の表面を1200メッシ
ュの耐水研磨紙で研磨した後、Al2O3懸濁液を用いてバフ研磨をおこなった。これを
、25℃の3.5質量%NaCl水溶液中に浸漬させた。そして、銀塩化銀電極と飽和K
Cl水溶液を用いた標準電極を用いて、この標準電極のAgと、はんだ試料との間で発生
する起電力差を測定した。その結果を図4に示す。また、参考例としてZnを含まないS
n−3Inはんだの腐食電位を示す。
図4において、起電力値がSn−3Inはんだに近づくことで、はんだ中のZnが酸化
されにくくなることが示される。つまり、Agを0.1質量%以上添加することにより、
酸化の進行を防ぐ効果が得られることが判る。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、Sn−4Zn−3In―0.3AgをCu板にはんだ付けしたとき
の接合界面観察結果を説明する。Sn−4Zn−3In―0.3Agはんだ0.3gをC
u板上に乗せ、フラックスを塗布した。これを230℃の熱板上で加熱し、はんだ付けを
おこなった。この試料を樹脂中に埋め込み、研磨および蒸着をおこなった後、走査電子顕
微鏡(SEM)とX線マイクロアナライザ(XMA)を用いて接合界面の断面観察をおこ
なった。SEMとXMAによる解析の結果、はんだとCu板との接合界面に、Zn層及び
Ag層の生成が観察できた。即ち、Cu板とはんだとの接合界面には、Zn−Ag相が形
成されていることが判る。接合界面にZn−Cu化合物相が形成されると、はんだとZn
−Cu化合物との界面で酸化が進行して接合強度が低下する。つまり、Zn−Cu化合物
層の形成を防ぐことにより、接合強度の低下を回避することができる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、Sn−4Zn−3InにAgを微量添加したときの融点の変化を説
明する。図5(a)〜図5(e)に、DSCを用いてZnを4質量%、Inを3質量%
Agを0〜0.5質量%、そして残部がSnからなる各はんだの融点を測定した結果を示
す。図より、Agの組成比が増えるに従い、205℃〜210℃付近の吸熱量を示すピー
クが大きくなり、この温度域におけるはんだの溶融量が増えることが判る。Ag添加量が
0.5質量%になると、この205℃〜210℃付近の吸熱ピークが、190℃付近の吸
熱ピークと同等程度まで大きくなり、はんだとして使用したときに、はんだが溶けにくく
なる。換言すると、低温側(約193℃)で一旦溶融し、さらに高温側にて溶融すること
になる。また、溶融はんだの濡れ性や流動特性も低下する。
以上の測定結果より、Agを0.1質量%以上添加すると腐食電位が改善される。一方
、Agを0.5質量%以上添加すると、合金のDSC測定が示すように高温側のピークが
増大し、はんだが溶けにくくなり、濡れ性や流動特性が低下する。
また、Znを含有するはんだにおいてAgを添加すると、針状のZn結晶が減少し、球
状のZn−Ag相が増え、はんだ組織が微細化することが組織観察によりわかる。Agの
含有量が0.1質量%では、針状のZn結晶が見られるが、Ag0.1質量%の添加でも
前述のように、腐食電位が改善される効果が得られる。
またAgを添加すると、Cu上にはんだ付けしたときの接合界面において、Zn−Ag
化合物相が形成されるので、CuとZnの反応を抑制するバリア層となる。その結果、酸
化されやすいZn−Cu化合物層形成を阻止でき、接合界面での酸化を防ぎ、接合強度の
低下を防止することができる。
(第6の実施の形態)
Znを4質量%、Inを0〜10質量%、Agを0.3質量%、残部がSnからなる各
はんだを、はんだ液相線温度より50℃高い温度で板状に鋳造し、引張試験片を作製した
試験片の形状は、JIS4号試験片とした。引張試験の条件は、引張速度5.0mm/
minとした。
その結果を図7に示す。図から明らかなように、Inの割合が4質量%までの範囲にお
いて、伸び特性が30%以上を保っている。
(第7の実施の形態)
Sn−Zn−In−Ag系はんだ合金であって、Sn、Zn、In、Agの組成比が、
3.0質量%<Zn<5.0質量%
0.1質量%≦In≦4.0質量%
0.1質量%≦Ag≦0.4質量%
で、残部がSnであるはんだ合金と、フラックスとから構成された鉛フリーはんだ材料は
、糸はんだやクリームはんだとして好適である。なお、フラックスは公知のものを使用で
きる。
以上説明したように、本発明は亜鉛の含有量を3質量%<Zn<5質量%の範囲に限定
することによってはじめて、高温高湿度雰囲気下におけるはんだ接合部の信頼性を改善で
きたものである。また、本発明のはんだ合金は、棒はんだ(溶融はんだ)としても好適で
あり、拡散接合にも好適な鉛フリーはんだ合金である。さらに、本発明のはんだ合金を用
いた電気・電子機器のはんだ接合部も本発明に含まれるものである。
本発明にかかるはんだ合金を用いた鉛フリーはんだは、溶融温度が従来のSn−Pbは
んだと同等程度である。その結果、現行のSn−Pbはんだ付け工法をそのまま使用する
ことができる。そして、部品接合強度に優れたはんだ特性を有する鉛フリーはんだ材料を
提供することができる。
本発明の第1の実施の形態おける各はんだのはんだ接合部の剥離強度を示す 図 本発明の第1の実施の形態におけるSn−3In−0.3AgにZnを2〜 6質量%添加したときの各はんだ合金のDSC測定結果を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるSn−4Zn−3InにAgを微量添加 したときの組織を示す模式図 本発明の第3の実施の形態におけるSn−4Zn−3InにAgを微量添加 したときの腐食電位の変化を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるSn−4Zn−3InにAgを微量添加 したときの融点の変化を説明するための図 従来の、Sn−6Zn−6In−1Ag合金のDSC測定結果を示す図 本発明の第6の実施の形態におけるSn−4Zn−0.3AgにInを0〜 10質量%添加したときのはんだ合金の機械的特性変化を示す図

Claims (3)

  1. Sn−Zn−In−Ag系はんだ合金であって、Sn、Zn、In、Agの組成比が、
    3.0質量%<Zn<5.0質量%
    0.1質量%≦In≦4.0質量%
    0.1質量%≦Ag≦0.4質量%
    で、残部がSnであるはんだ合金。
  2. Sn−Zn−In−Ag系はんだ合金であって、Sn、Zn、In、Agの組成比が、
    3.0質量%<Zn<5.0質量%
    0.1質量%≦In≦4.0質量%
    0.1質量%≦Ag≦0.4質量%
    で、残部がSnであるはんだ合金と、フラックスとからなる鉛フリーはんだ材料。
  3. 請求項1記載のはんだ合金からなる電気・電子機器のはんだ接合部。
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