JP2007159836A - 内視鏡の対物レンズ部 - Google Patents
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Abstract
【課題】内縁形状が非円形の遮光マスクを簡単な組み付け作業で対物鏡筒に対し正確な向きに確実に固定することができる内視鏡の対物レンズ部を提供すること。
【解決手段】対物鏡筒11と遮光マスク15とに、対物鏡筒11に対する遮光マスク15の軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段15a,16を設けると共に、対物鏡筒11とスペーサリング13にも、対物鏡筒11に対するスペーサリング13の軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段13a,16を設け、遮光マスク15とそれより厚肉に形成されたスペーサリング13とを貼り合わせて対物鏡筒11内に配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】対物鏡筒11と遮光マスク15とに、対物鏡筒11に対する遮光マスク15の軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段15a,16を設けると共に、対物鏡筒11とスペーサリング13にも、対物鏡筒11に対するスペーサリング13の軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段13a,16を設け、遮光マスク15とそれより厚肉に形成されたスペーサリング13とを貼り合わせて対物鏡筒11内に配置した。
【選択図】 図1
Description
この発明は、内視鏡の挿入部先端に内蔵された内視鏡の対物レンズ部に関する。
内視鏡の挿入部先端には対物レンズが内蔵されており、フレアやゴースト等の発生を防止するために、観察像投影光路の周辺部の不要光を遮るための遮光マスクが対物鏡筒の後半部分に取り付けられている。
そのような内視鏡の対物レンズ部において、従来は、遮光マスクを対物鏡筒に直接接着固定するか、遮光マスクを間に挟み込んだ二つの光学部品を対物鏡筒内に接着固定していた(例えば、特許文献1、2)。
特開平8−248327
特開平6−269405
観察像が投影される固体撮像素子の撮像面が方形等のような非円形に形成されている内視鏡では、それに対応して遮光マスクの内縁形状も非円形になる。しかし、従来の内視鏡の対物レンズ部においては、遮光マスクを対物鏡筒に接着固定する時に遮光マスクの向きを目測で調整していたので、観察像投影光路に対してマスク形状のズレが発生して不要光が一部通過したり逆に必要光が一部カットされて観察像の品質低下の原因になる場合があった。
そこで、対物鏡筒と遮光マスクとに、対物鏡筒に対する遮光マスクの軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段を設けることが考えられるが、遮光マスクは例えば0.02〜0.03mm程度の極薄の部材なので、対物鏡筒への固定作業の際に加わる力(例えば、後端のレンズを対物鏡筒の後端縁でかしめる際に加わる回転力等)により遮光マスクが簡単に変形して、回転方向に位置ずれが発生してしまう恐れがある。
そこで本発明は、内縁形状が非円形の遮光マスクを簡単な組み付け作業で対物鏡筒に対し正確な向きに確実に固定することができる内視鏡の対物レンズ部を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の対物レンズ部は、複数群のレンズを保持する断面形状が円形の対物鏡筒が内視鏡の挿入部の先端に内蔵されて、光路の周辺部の不要光を遮るための内縁形状が非円形の遮光マスクが対物鏡筒の後半部分に配置されると共に、遮光マスクより厚肉に形成されて複数群のレンズ間の間隔を保持するためのスペーサリングが対物鏡筒内に配置された内視鏡の対物レンズ部において、対物鏡筒と遮光マスクとに、対物鏡筒に対する遮光マスクの軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段を設けると共に、対物鏡筒とスペーサリングにも、対物鏡筒に対するスペーサリングの軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段を設け、遮光マスクとスペーサリングとを貼り合わせて対物鏡筒内に配置したものである。
なお、遮光マスク位置決め手段が、遮光マスクの外縁部分から外方に突出する突起と、その遮光マスクの突起が係合するように対物鏡筒に形成された係合溝とにより構成され、スペーサリング位置決め手段が、係合溝と係合するようにスペーサリングの外縁部分から外方に突出する突起と係合溝とにより構成されていてもよい。
また、複数群のレンズ中の後端のレンズが対物鏡筒の後端部分内に配置されて、その後端のレンズの前側に隣接して遮光マスクとスペーサリングとが配置され、対物鏡筒の後端縁がかしめられることにより後端のレンズが対物鏡筒内に押圧固定され、それによって遮光マスクとスペーサリングも対物鏡筒内に押圧固定されるようにしてもよい。
また、対物鏡筒の後方に固体撮像素子の撮像面が配置されていて、その固体撮像素子を保持する撮像部保持部材の対物鏡筒に対する軸線周り方向の位置決めをするための撮像部保持部材位置決め手段が、対物鏡筒と撮像部保持部材とに設けられていてもよい。
本発明によれば、対物鏡筒と遮光マスクとに、対物鏡筒に対する遮光マスクの軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段を設けると共に、対物鏡筒とスペーサリングにも、対物鏡筒に対するスペーサリングの軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段を設け、遮光マスクとそれより肉厚のあるスペーサリングとを貼り合わせて対物鏡筒内に配置したことにより、スペーサリングが有する機械的強度により遮光マスクの変形が防止されるので、内縁形状が非円形の遮光マスクを簡単な組み付け作業で対物鏡筒に対し正確な向きに確実に固定することができる。
複数群のレンズを保持する断面形状が円形の対物鏡筒が内視鏡の挿入部の先端に内蔵されて、光路の周辺部の不要光を遮るための内縁形状が非円形の遮光マスクが対物鏡筒の後半部分に配置されると共に、遮光マスクより厚肉に形成されて複数群のレンズ間の間隔を保持するためのスペーサリングが対物鏡筒内に配置された内視鏡の対物レンズ部において、対物鏡筒と遮光マスクとに、対物鏡筒に対する遮光マスクの軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段を設けると共に、対物鏡筒とスペーサリングにも、対物鏡筒に対するスペーサリングの軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段を設け、遮光マスクとスペーサリングとを貼り合わせて対物鏡筒内に配置する。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、内視鏡の挿入部1の先端部分を示しており、挿入部1の先端に連結された先端部本体2の先端面に観察窓3が配置されている。
図1は、内視鏡の挿入部1の先端部分を示しており、挿入部1の先端に連結された先端部本体2の先端面に観察窓3が配置されている。
この実施例の観察窓3には、凹レンズからなるカバーレンズ4が取り付けられていて、その奥に配置された対物レンズ5による被写体の投影位置(即ち、観察像投影光路の後端位置)に、固体撮像素子6の撮像面6aが配置されている。
固体撮像素子6の撮像面6aは例えば長方形又は正方形等の非円形形状であり、それに対応して、対物レンズ5中の観察像投影光路の断面形状も非円形になっている。7はYAGレーザカットフィルタ、8は固体撮像素子6のカバーガラスである。
9は、固体撮像素子6で撮像された内視鏡観察画像の撮像信号等が伝送される信号ケーブルであり、挿入部1内に全長にわたって挿通配置されている。10は、固体撮像素子6と信号ケーブル9との間に接続された電子部品等が封止された回路封止部である。
11は、カバーレンズ4と対物レンズ5が前方と後方から嵌め込まれて固定された対物鏡筒であり、内面と外面の各々に段が形成された円筒状に形成されて、先端部本体2に形成された対物部収容孔2aに内蔵されている。12は開口絞りである。
対物レンズ5は複数群(カバーレンズ4を除いてここでは2群)のレンズにより構成されており、その中の後端のレンズ5aとその前のレンズとの間には、その間の間隔を所定間隔に保持するためのスペーサリング13が挟み込まれている。
スペーサリング13は例えば肉厚が0.2〜1mm程度の金属製であり、そのスペーサリング13と後端のレンズ5aとの間に、対物レンズ5内の観察像投影光路の周辺部の不要光を遮るための遮光マスク15が配置されている。遮光マスク15は、例えば0.02〜0.03mm程度の肉厚の金属板からエッチング加工により形成されている。
遮光マスク15は、図1におけるII−II断面を図示する図2に示されるように、不要光を遮るマスク縁である内縁15iが、その位置の観察像投影光路の断面形状に合わせた非円形状に形成され、外縁15oは対物鏡筒11の後端付近の内周面に嵌合する円形状に形成されている。
そのような遮光マスク15の外縁部分には、対物鏡筒11に対する遮光マスク15の軸線周り方向の位置決めをするための突起15a(遮光マスク位置決め手段)が突出形成されている。この突起15aは、エッチング加工によりできるブリッジ部を利用することができる。
また、図1におけるIII−III断面を図示する図3に示されるように、スペーサリング13にも、対物鏡筒11に対するスペーサリング13の軸線周り方向の位置決めをするための突起13a(スペーサリング位置決め手段)が、遮光マスク15の突起15aと形状を合わせて突出形成されている。
スペーサリング13の外縁13oは、遮光マスク15と同様に対物鏡筒11の後端付近の内周面に嵌合する円形状に形成され、内縁13iは、遮光マスク15の内縁15iより大きな径に形成されて、図4に示されるように、スペーサリング13と遮光マスク15とが重ね合わせられた状態において、スペーサリング13の内縁13iが遮光マスク15の内縁15iより内側に出ないようになっている。
また、対物鏡筒11には、図5に示されるように、遮光マスク15の突起15aとスペーサリング13の突起13aが各々ガタつきなく係合する一つの係合溝16(遮光マスク位置決め手段であってスペーサリング位置決め手段)が形成されている。係合溝16は、対物鏡筒11の後端側に一端が開放された直線溝状に形成されている。
スペーサリング13と遮光マスク15は、前述のように重ね合わせられた状態で対物鏡筒11内に配置されるのであるが、その前に予め接着剤で貼り合わされている。図5には、貼り合わせ面が砂目状に図示されている。
その結果、図6に示されるように、スペーサリング13と遮光マスク15とが、互いの突起13a,15a位置及び外縁13o,15oの位置をピッタリ合わせて一体化された状態になる。
そして、貼り合わされて一体化された状態のスペーサリング13と遮光マスク15の突起13a,15aを係合溝16に係合させて、スペーサリング13と遮光マスク15を対物鏡筒11内に後方から嵌め込むと、突起13a,15aと係合溝16との係合により遮光マスク15の内縁15iの向きが所定の方向に規制された状態に対物鏡筒11に組み付けられる。
図1に戻って、組立時に対物鏡筒11内に後方から嵌め込まれるのは、開口絞り12、後端のレンズ5aを除く対物レンズ5、スペーサリング13、遮光マスク15、そして後端のレンズ5aの順であり、対物鏡筒11の後端縁11aが内方にかしめられて後端のレンズ5aの後端部分に押し付けられることで、開口絞り12、対物レンズ5、スペーサリング13、遮光マスク15及び後端のレンズ5aが対物鏡筒11内に機械的に押圧固定される。
そのかしめ作業の際に、遮光マスク15に比べて格段に肉厚があって機械的強度の大きなスペーサリング13に遮光マスク15が貼り合わされていて、そのスペーサリング13が突起13aと係合溝16との係合により対物鏡筒11に回転しないように保持されているので、後端のレンズ5aに回転力が作用して後端のレンズ5aが軸線回りに回転しても、それに追従して遮光マスク15が回転したり変形することがない。
対物鏡筒11の後方に配置された固体撮像素子6は、断面形状が方形状の撮像部保持筒18(撮像部保持部材)の中間部分に軸線周りの向きを撮像部保持筒18と合わせて、YAGレーザカットフィルタ7等と共に固着されており、その撮像部保持筒18の最先端部分には、図7に示されるように、対物鏡筒11と連結するための撮像部接続枠19が一体的に固着されている。
撮像部接続枠19には、前面の上下(又は左右)両端位置に一対の平行突起21が突出形成されており、それとピッタリ係合する一対の平行平面部20が、図1におけるVIII−VIII断面を図示する図8や図5、図6等に示されるように、係合溝16の位置と対応をつけて対物鏡筒11の外周面に平行に形成されている。
したがって、対物鏡筒11の平行平面部20と撮像部接続枠19の平行突起21とを係合させて、図9に示されるように対物鏡筒11と撮像部接続枠19とを連結固着することにより、撮像部保持筒18が対物鏡筒11に対して軸線周りに相対的に回転できない状態に位置決めされて連結固定された状態になり、対物鏡筒11内の遮光マスク15の内縁15iと撮像部保持筒18内の撮像面6aとが、軸線周りの回転方向が対応をつけて規制された状態で固定的にセットされる。
その結果、遮光マスク15の内縁15iが、固体撮像素子6の撮像面6aの形状に対応した断面形状の観察像投影光路と合致する状態に組み付けられ、良質な内視鏡観察像を得ることができる。
1 挿入部
5 対物レンズ
5a 後端のレンズ
6 固体撮像素子
6a 撮像面
11 対物鏡筒
11a 後端縁
13 スペーサリング
13a 突起(スペーサリング位置決め手段)
15 遮光マスク
15a 突起(遮光マスク位置決め手段)
16 係合溝(遮光マスク位置決め手段、スペーサリング位置決め手段)
18 撮像部保持筒(撮像部保持部材)
19 撮像部接続枠
20 平行平面部(撮像部保持部材位置決め手段)
21 平行突起(撮像部保持部材位置決め手段)
5 対物レンズ
5a 後端のレンズ
6 固体撮像素子
6a 撮像面
11 対物鏡筒
11a 後端縁
13 スペーサリング
13a 突起(スペーサリング位置決め手段)
15 遮光マスク
15a 突起(遮光マスク位置決め手段)
16 係合溝(遮光マスク位置決め手段、スペーサリング位置決め手段)
18 撮像部保持筒(撮像部保持部材)
19 撮像部接続枠
20 平行平面部(撮像部保持部材位置決め手段)
21 平行突起(撮像部保持部材位置決め手段)
Claims (4)
- 複数群のレンズを保持する断面形状が円形の対物鏡筒が内視鏡の挿入部の先端に内蔵されて、光路の周辺部の不要光を遮るための内縁形状が非円形の遮光マスクが上記対物鏡筒の後半部分に配置されると共に、上記遮光マスクより厚肉に形成されて上記複数群のレンズ間の間隔を保持するためのスペーサリングが上記対物鏡筒内に配置された内視鏡の対物レンズ部において、
上記対物鏡筒と上記遮光マスクとに、上記対物鏡筒に対する上記遮光マスクの軸線周り方向の位置決めをするための遮光マスク位置決め手段を設けると共に、上記対物鏡筒と上記スペーサリングにも、上記対物鏡筒に対する上記スペーサリングの軸線周り方向の位置決めをするためのスペーサリング位置決め手段を設け、上記遮光マスクと上記スペーサリングとを貼り合わせて上記対物鏡筒内に配置したことを特徴とする内視鏡の対物レンズ部。 - 上記遮光マスク位置決め手段が、上記遮光マスクの外縁部分から外方に突出する突起と、その遮光マスクの突起が係合するように上記対物鏡筒に形成された係合溝とにより構成され、上記スペーサリング位置決め手段が、上記係合溝と係合するように上記スペーサリングの外縁部分から外方に突出する突起と上記係合溝とにより構成されている請求項1記載の内視鏡の対物レンズ部。
- 上記複数群のレンズ中の後端のレンズが対物鏡筒の後端部分内に配置されて、その後端のレンズの前側に隣接して上記遮光マスクと上記スペーサリングとが配置され、上記対物鏡筒の後端縁がかしめられることにより上記後端のレンズが上記対物鏡筒内に押圧固定され、それによって上記遮光マスクと上記スペーサリングも上記対物鏡筒内に押圧固定される請求項1又は2記載の内視鏡の対物レンズ部。
- 上記対物鏡筒の後方に固体撮像素子の撮像面が配置されていて、その固体撮像素子を保持する撮像部保持部材の上記対物鏡筒に対する軸線周り方向の位置決めをするための撮像部保持部材位置決め手段が、上記対物鏡筒と上記撮像部保持部材とに設けられている請求項1、2又は3記載の内視鏡の対物レンズ部。
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-
2005
- 2005-12-14 JP JP2005360392A patent/JP2007159836A/ja active Pending
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