JP2007159036A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 表示装置の画面に表示される暗視撮影画像から障害物を容易に発見することを可能とする車両用表示装置を提供する。
【解決手段】 表示パネル１００の共通画面上にメーター画像領域１０１〜１０４と車両前方の暗視画像を表示する暗視画像表示部１２０とが一体表示され、暗視画像中において車両前方に存在する障害物が識別された場合には、暗視撮影画像の表示領域１２１自体を画面上で拡大し、障害物を拡大して表示することを特徴とする。
【選択図】 図２

Description

本発明は、夜間の車両運行における車両前方の撮影画像を表示し、その撮影画像内の障害物を強調表示する車両用表示装置に関する。

従来の車両には、夜間の車両走行時に車両前方の障害物を検出して、夜間の運転者の視界を補助するために、暗視撮影装置（ナイトビジョン）を搭載した障害物検知システムがある。こうした暗視撮影装置が撮影した画像の表示部は、車両のヘッドアップディスプレイやメーター類が表示されるメーター表示画面等、運転者の目に止まり易い位置に設けられている。

ところが、暗視撮影画像を表示する場合、表示装置には他の表示項目が多くあるため、暗視撮影画像を表示できるスペースが制限され、暗視撮影画像の表示領域が比較的小さくなることが多くあった。また、単純に暗視画像を表示させているだけでは、運転者は暗視撮影画像から障害物を発見し難く、実際の風景上のどこにそれがあるかを推測するまでに時間がかかってしまうという課題もあった。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表示装置の画面上に表示される暗視撮影画像から障害物を容易に発見することを可能とする車両用表示装置を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の車両用表示装置は、車両前方の暗視画像を表示する暗視画像表示部を組み込んだ車両用表示装置において、暗視画像中において車両前方に存在する障害物を識別し、該障害物が識別された場合に、当該障害物を含む画像領域を暗視撮影画像表示部にて拡大表示することを特徴とする。この構成によれば、障害物が識別された際に暗視撮影画像表示部において障害物が拡大して表示されるため、運転者は障害物の有無を素早くかつ容易に認識することができ、ステアリング操作やブレーキ操作等による障害物に対する回避操作をより早い段階で行なうことが可能となる。

本発明の車両用表示装置における暗視撮影画像表示部は、画像ディスプレイの共通画面上にメーター画像領域とともに一体表示される暗視撮影画像領域として形成されることができる。この構成によれば、メーター画像領域と暗視撮影画像領域とを単一の表示装置により構成でき、ハードウェアコストやアセンブリの手間を省くことができる上、メーター類のデザイン上の自由度や柔軟性を大幅に増す事ができる。

メーター画像領域と暗視撮影画像領域とが画像ディスプレイの共通画面上に一体表示される場合、障害物が識別された際に、該障害物が表示されてなる暗視撮影画像領域自体を画面上にて拡大することができる。この構成によれば、障害物が識別された際に暗視撮影画像領域が拡大されるため、運転者は車両前方に障害物があることを素早く認識することができるとともに、暗視撮影画像領域全体が拡大されるため、障害物の存在位置を画面上から素早く認識することができ、ひいてはその障害物の実際の実景上での存在位置を素早く推測することができる。

また、障害物が識別された際に、該障害物が表示されてなる暗視撮影画像領域自体を画面上にて拡大される場合、暗視撮影画像領域は、暗視撮影画像の表示視野を固定しつつ縦横比が拡大前と同一となるように拡大することができる。この構成によれば、暗視撮影画像領域は拡大後も同じ範囲を表示しているため、障害物の存在位置の特定が一層容易となる。

本発明の車両用表示装置における画像ディスプレイの画面には、暗視撮影画像領域の背景に複数のメーター画像領域が区画表示されるとともに、暗視撮影画像領域の拡大に伴い、拡大された該暗視撮影画像領域がメーター画像領域の一部を隠蔽する形で重ね表示されるものとすることができる。車両走行時において、車両前方に障害物があるといった緊急時には、メーター表示よりもそうした障害物の存在を報知することの方が安全上優先される方が好ましい。上記構成によれば、障害物が識別された場合には、障害物の報知が優先され、メーター画像領域を使用する形で暗視画像領域が拡大され、運転者は障害物の存在及びその位置を容易に認識することが可能となる。さらに、通常時には常に表示されているメーター表示が急に隠されることによって、障害物の存在を報知する効果が一層増す。

また、この場合、メーター画像領域は、拡大された暗視撮影画像領域に隠蔽されない部分の表示寸法及び表示位置が、該暗視撮影画像領域の拡大前と不変に維持されるものとすることができる。この構成によれば、暗視撮影画像領域が拡大表示された際にメーター表示の位置が変わらないため、暗視撮影画像領域に隠蔽されないメーター画像領域部分から読み取る場合に、通常と同じ感覚で見ることができる。また、特に重要なメーター表示情報を暗視撮影画像領域に隠蔽されない位置に表示しておくことで、暗視撮影画像領域の拡大表示時においてもそうした情報に関しては視認することが可能となる。

重要なメーター表示情報としては、例えば安全走行上重要な車両の車速情報がある。この場合、メーター画像領域は車速メーター画像領域を含み、暗視撮影画像領域の拡大に伴い該車速メーター画像領域の一部が隠蔽されるとともに、該車速メーター画像領域の、拡大後の該暗視撮影画像領域に隠蔽されない部分において車速指示値を視認可能とすることができる。この構成によれば、暗視撮影画像領域が拡大された状態であっても、安全走行上重要な表示情報である車速情報を運転者は読み取ることができる。

また、メーター画像領域は車速メーター画像領域とエンジン回転数メーター画像領域とを含み、暗視撮影画像領域は、車速メーター画像領域よりもエンジン回転数メーターの画像領域の隠蔽面積が大となるように拡大されることができる。一般的に車速メーターとエンジン回転数メーターとは広い画面表示領域を有する形で表示されるが、このうち安全走行上重要であるのは主に車速メーターである。上記構成によれば、暗視撮影画像領域を拡大する際に、安全走行上の重要度が低いエンジン回転数メーターよりも、重要度の高い車速メーターの表示面積を大きくとることができ、車速メーターの表示する車速情報が読み取り易くなる。

また、本発明の車両用表示装置における画像ディスプレイの画面には、暗視撮影画像領域の背景に複数のメーター画像領域が区画表示されるとともに、複数のメーターの少なくとも一部において、その表示モードが、標準表示モードと、暗視撮影画像領域の拡大時に対応した、全体表示に必要な面積が標準表示モードよりも小さい縮小表示モードとを有するマルチモードメーターとして定められ、暗視撮影画像領域の拡大に伴い、当該マルチモードメーターの画像表示を標準表示モードから縮小表示モードに切り替えて表示することができる。この構成によれば、暗視撮影画像領域の拡大時において暗視撮影画像に隠されてしまうメーター表示の一部を縮小し、暗視撮影画像に隠されない領域に表示位置を変えて表示することができるので、運転者は暗視撮影画像領域の拡大時においてもそれらの表示を見ることが可能となる。例えばその標準表示モードと縮小表示モードとに切り替えられるマルチモードメーターには、速度メーター及び燃料メーターの少なくともいずれかを含むことができ、これにより、運転者は暗視撮影画像領域の拡大時においても安全走行上重要な表示情報である車速情報と燃料残量を知ることができる。

また、標準表示モードと縮小表示モードとに切り替えられるマルチモードメーターにおいて、縮小表示モードのメーター画像領域を、拡大された暗視撮影画像領域の背景に表示することができる。これにより、暗視画像領域以外のところにメーター情報を見易く表示することができる。また、縮小表示モードのメーター画像領域を、拡大された暗視撮影画像領域の内部に重ね表示することもできる。これにより、暗視撮影画像領域の表示面積を一層広く取ることが可能となる。

以下、本発明の車両用表示装置を車両用メーターユニットに適用した場合の一実施例を、図面を用いて説明する。

図１は、本発明の車両用表示装置の電気的構成を示すブロック図である。図１の車両用メーターユニット１は、各種入力操作を行なう操作部２０と、光量の少ない夜間においても撮影可能な暗視カメラ３０と、周知の描画ＬＳＩ９０と、運転席から視認可能に設けられて車両の基本動作状態情報を視覚表示する表示パネル１００と、表示パネル１００の表示制御を行なうメーターＥＣＵ１０と、各種センサが接続されるボデー系ＥＣＵ２００とを備えて構成される。

表示パネル１００は、ＴＦＴカラーＬＣＤ（thin film transistor-Liquid Crystal Display）からなる画像ディスプレイであり、車両の運転席に対向配置される。この表示パネル１００には、図２の（ａ）に示すように、中央に暗視撮影画像領域１２１を有する暗視撮影画像表示部１２０が設けられ、さらにその背景にメーター表示部１１０（暗視撮影画像表示部の背景部）が設けられている。メーター表示部１１０には、速度メーター、エンジン回転数メーター、ガソリン（燃料）残量メーター、及び水温メーターを表示するためのメーター表示領域（メーター画像領域）として、速度メーター表示領域１０１、エンジン回転数メーター表示領域１０２、ガソリン残量メーター表示領域１０３、及び水温メーター表示領域１０４が区画されており、それぞれに対応するメーター画像がカラー表示されている。表示パネルは同様の効果が得られれば、他の表示器、例えば有機ELやプラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等であっても良いし、配置は運転席の対向でなくても車両中央部等にあっても良い。

操作部２０は、暗視カメラ３０の撮影を開始するためのスイッチや表示パネルの輝度調整などを行なうためのスイッチ（いずれも図示なし）等で構成される。図２は、このスイッチがＯＮとされた状態であり、ＯＦＦ時には、暗視撮影画像領域１２１が無くなり、それに隠蔽されていたメーター表示部１１０が表れる。なお、暗視カメラ３０の撮影を開始するためのスイッチは、運転者によるマニュアル操作に限られるものではなく、車両のヘッドライトあるいはフォグライトの点灯をトリガーとして撮影が開始されるものや、ボデー系ＥＣＵ２００に接続される日射センサ（図示なし）の検出量が予め定められた量以下となったこと等に基づいて撮影が開始されるものであってもよい。

暗視カメラ３０は、バックミラーに装着されて車両前方を撮影するもので、十分な光量が得られない夜間においても撮影可能な周知のカメラである。本実施例では、視野範囲内の物体が放射する赤外線を検出する赤外線カメラを用いるとともに、光源として、自然光や他の外部からの光に加え、車両のヘッドライトあるいはフォグライトを利用することが可能となっている。暗視カメラ３０によってとらえた画像は、障害物が検出されない通常状態においては暗視撮影画像領域１２１に単一色の濃淡によって映し出される。本実施例では、白黒の濃淡（モノクロ）で映し出される。なお、暗視カメラ３０の配置位置は、車両前方を撮影可能な位置であれば特に限定はされない。また、暗視カメラ３０としてレーダ等を用いることもできる。

メーターＥＣＵ１０は、メーター表示の主要制御を司る表示制御部として構成され、その要部は、ＣＰＵ１１、ワークメモリ１２ａを有するＲＡＭ１２、各種プログラムを記憶するＲＯＭ１３、入出力部（図ではＩ／Ｏと表示）１５、通信インターフェース（図ではＩＦと表示）１６、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ（図では外部メモリと表示）１７が内部バス１４にて接続されて構成される。このメーターＥＣＵ１０は、ボデー系ＥＣＵ２００等の他のＥＣＵとシリアル通信バス５０により、各々が通信インターフェースを介してネットワーク接続されている（符号１６ｆは、送受信のデータを一次格納するための通信バッファメモリである）。ボデー系ＥＣＵ２００には、表示パネル１００に表示されるべき基本動作状態情報を取得するためのセンサ群が接続されている。具体的には車速センサ２０１、エンジン回転数センサ２０２、ガソリン（燃料）残量センサ２０３、水温センサ２０４などである。

メーターＥＣＵ１０は、上記のセンサ群２０１〜２０４から基本動作状態情報を、通信バス５０を介して取得し、各々対応するメーターのマスター画像（例えばＲＯＭ１３に記憶されているものである）上にその指示値を反映させ、各メーターの描画データ(以下、メーター描画データ)を作成する。具体的には、車速センサ２０１の検出値が速度メーター画像に、エンジン回転数センサ２０２の検出値がエンジン回転数メーター画像に、燃料残量センサ２０３の検出値が燃料残量メーター画像に、水温センサ２０４の検出値が水温メーター画像に反映され、それぞれ対応するメーター表示領域１０１〜１０４に表示される。

描画ＬＳＩ９０は、画像合成出力制御部をなすものであり、暗視撮影画像領域１２１に表示される暗視画像データと、表示パネル１００の各種メーターのメーター画像領域１０１〜１０４に表示される各メーター画像データとを受け取り、グラフィックメモリ８０上で画像合成して、個々の領域の画像データに基づいて表示パネル１００の各ピクセルの出力設定値を決定し、表示パネル１００に出力する。これにより、表示パネル１００には、障害物が検知されない通常状態であれば、図２の（ａ）に示すような表示形態でメーター画像と暗視画像とが一体表示される。

本発明の車両用表示装置には、メーターＥＣＵ１０のＲＯＭ１３に、上記の描画データを作成する周知のプログラムの他、暗視カメラ３０で撮影した画像から障害物を検出する障害物識別プログラム１３ａと、通常状態においては図２の（ａ）に示すように表示し、障害物識別プログラム１３ａによって障害物が検出された場合には図２の（ｂ）に示すように暗視撮影画像領域、ひいては暗視撮影画像領域内の障害物を拡大表示して、運転者に障害物の存在を報知する表示パネル描画プログラム１３ｂとが格納されている。障害物識別プログラム１３ａはメーターＥＣＵ１０内になくても、その情報をメーターＥＣＵ１０が得られるようなシステムになっていれば良い。

障害物識別プログラム１３ａは、暗視カメラ３０が撮影した画像に障害物があるか否かを識別するものである。外部メモリ１７には障害物データが保存されており、障害物識別プログラム１３ａは、暗視カメラ３０が撮影した暗視画像の中に存在する障害物と思われるもののデータと上記の障害物データとを比較して、暗視画像の中に障害物があるか否かを識別するものである。

外部メモリ１７には様々な障害物データがパターン化されたものが記憶されている。例えば走行中の車両の障害物となりうる「人間」の場合は、歩いているパターン、立ち止まっているパターン、走っているパターン等、障害物とされるものの取り得る形態変化のそれぞれのパターンデータが記憶されている。なお、人間などの熱を有する障害物の場合であれば、赤外線カメラによって熱源対象を特定し、それら対象物のデータと外部メモリ１７に記憶された障害物データとを比較（形状比較）することで、障害物を識別してもよい。本実施例の障害物検知はいずれも周知の技術である。

表示パネル描画プログラム１３ｂは、表示パネル１００に各種メーター画像や暗視カメラ３０で撮影した暗視画像を表示するとともに、障害物識別プログラム１３ａによって障害物が検出された場合に、障害物が強調表示されるようにするものであり、ＣＰＵ１１によって実行されることで表示制御手段として機能するものである。以下、図３に示すフローチャートを用いて表示パネル描画プログラム１３ｂの流れを説明する。

まず、Ｓ１では暗視画像表示を行なう状態となっているか否かを判定する。これは操作部２０の暗視カメラ３０の撮影を開始するためのスイッチがＯＮとされたか否かに基づいて行なう。ＯＮとされた場合にはＳ２に進み、Ｓ２にて車速メーター２０１の検出値から車両が走行中であるか否かを判定する。停車中であった場合にはＳ５に進み、障害物の有無が判定された暗視カメラ３０の撮影画像を、図２の（ａ）に示すように通常表示する。走行中であった場合には、Ｓ３に進み、障害物識別プログラム１３ａにて障害物が検出されていない場合にはＳ４に進み、障害物の有無が判定された暗視カメラ３０の撮影画像を、図２の（ａ）に示すように通常表示する。Ｓ３にて障害物が検出された場合にはＳ４に進み、図２の（ｂ）に示すように障害物を強調して表示する。Ｓ５では、暗視カメラ３０の撮影スイッチがＯＦＦであるか否かを判定し、ＯＮであればＳ２〜Ｓ５を繰り返し、障害物が検出されない通常状態および停車時においては暗視画像を通常表示状態とし、障害物が検出された場合には、該通常表示状態から障害物が強調表示された強調表示状態に切り替える。暗視カメラ３０の撮影スイッチがＯＦＦである場合には、本プログラム１３ｂを終了する。

本実施例では、通常表示状態においては、図２の（ａ）に示すように、表示パネル１００の画面に暗視撮影画像領域１２１の背景に複数のメーター表示領域（メーター画像領域）１０１〜１０４が区画表示されているが、通常表示状態から強調表示状態に切り替わると、図２の（ｂ）に示すように、暗視撮影画像領域１２１の表示視野を固定しつつ縦横比が拡大前と同一となるように拡大され、さらに暗視撮影画像領域１２１の上部に定められた帯状マーキング領域（暗視撮影画像部強調マーキング表示）１２３が背景と同じ色からそれとは異なる色に変化して、障害物の存在が運転者に報知される。また、その拡大に伴い、拡大された該暗視撮影画像領域１２１がメーター表示領域１０１〜１０４の一部を隠蔽する形で重ね表示されている。このとき、メーター表示領域１０１〜１０４のうちの、拡大された暗視撮影画像領域１２１に隠蔽されない部分の表示寸法及び表示位置が、該暗視撮影画像領域１２１の拡大前と不変に維持され、かつ、メーター表示領域１０１〜１０４の、拡大後の該暗視撮影画像領域１２１に隠蔽されない部分において車速指示値、ガソリン残量、水温が視認可能となっている。さらに、車速メーター画像領域１０１よりもエンジン回転数メーターの画域領域１０２の法が背景の隠蔽面積が大となるように表示されている。また、暗視撮影画像領域１２１内における障害物の位置が一層特定し易いように、障害物には、自身を囲うように障害物マーキング表示１２２がなされるとともに、障害物自体はカラー表示される。

なお、本実施例の場合、少なくとも車両の停車状態においては通常表示状態から強調表示状体への切り替えが禁止されている。車両の停車状態においてその車両自らが障害物に向かっていくことはなく安全であるので、こうした場合には、他のメーター表示が全て見える通常表示状態とし、運転者に視認可能としておくことが望ましい。また、例えば、横断歩道手前で停止した状態で、その上を歩く歩行者を全て検出し、強調表示するといった不要な装置負荷も排除することができる。なお、これは停車時に限らず、例えばある程度の安全が確保され前方を十分に視認できるような低速状態の場合にも適用することができる。この通常表示状態から強調表示状体への切り替えを禁止する表示切替禁止手段は、上記表示パネル描画プログラム１３ｂをＣＰＵ１１が実行することで機能している。

以上、本発明の実施例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下、上記実施例を第一実施例とし、それとは異なる実施例について述べる。

図４は本発明の第二実施例であり、障害物が強調表示された強調表示状態を示している。ここでは、暗視撮影画像領域１２１が、上記第一実施例の強調表示状態に比べて大きく表示されており、障害物の存在を運転者に一層強調して示しており、ここでは、車速指示値、ガソリン残量のみが表示されている。メーター表示領域１０１〜１０４のうちの、拡大された暗視撮影画像領域１２１に隠蔽されない部分の表示寸法及び表示位置が、該暗視撮影画像領域１２１の拡大前と不変に維持されている。

図５は本発明の第三実施例であり、障害物が強調表示された強調表示状態を示している。ここでは、暗視撮影画像領域１２１が、上記第二実施例の強調表示状態に比べてさらに大きく表示されており、障害物の存在を運転者に一層強調して示している。また、走行中重要な情報となる車速指示値、ガソリン残量表示が、拡大された暗視撮影画像領域１２１に隠蔽されない位置（拡大された暗視撮影画像領域１２１の背景）において、表示形態を変え、小さく縮小して表示（縮小表示モード）されている。つまり、通常表示状態から強調表示状態に切り替わるに際して、車速メーター表示領域１０１ａとガソリン残量メーター表示領域１０３ａ、およびその表示形態が変化している。この実施例では、車速メーター及びガソリン残量メーターが本発明のマルチモードメーターとなっている。

図６は本発明の第四実施例であり、障害物が強調表示された強調表示状態を示している。ここでは、暗視撮影画像領域１２１が、上記第三実施例の強調表示状態に比べてさらに大きく表示されており、障害物の存在を運転者に一層強調して示している。また、走行中重要な情報となる車速指示値、ガソリン残量表示が、拡大された暗視撮影画像領域１２１に隠蔽されない位置（拡大された前記暗視撮影画像領域の内部）において、表示形態を変えて重ね表示（縮小表示モード）されている。つまり、通常表示状態から強調表示状態に切り替わるに際して、車速メーター表示領域１０１ｂ、およびその表示形態が変化している。この実施例では、車速メーターが本発明のマルチモードメーターとなっている。

図７は本発明の第五実施例であり、上記第四実施例とほぼ同様であるが、車速メーターの表示領域１０１ｃが、暗視撮影画像領域１２１の下部領域に薄く形成されて、表示される画像の手前下側を隠す形で帯状に表示されている。

図８は、本発明の第六実施例であり、障害物が強調表示された強調表示状態を示している。ここでは、通常表示状態に比べて障害物のみが拡大表示されており、その通常表示状態から強調表示状態への画面の切り替わりによって車両前方に障害物があることを運転者が認識することが可能となっている。

なお、本発明の車両用表示装置は上記実施例のような車両用メーターユニットに適用されるだけでなく、暗視画像表示を主目的とするナイトビジョン表示装置（暗視画像表示装置）や、暗視画像表示機能を有するナビゲーション装置などにも適用することができる。これにより、それら表示装置においても、障害物が識別された場合には、当該障害物を含む画像領域を暗視撮影画像表示部にて拡大表示することができ、運転者が障害物を認識し易くなる。また、本発明の車両用表示装置において、暗視撮影画像領域の拡大に伴い、拡大された該暗視撮影画像領域が隠蔽する表示領域の表示内容は、メーター画像領域のメーター画像に限られず、暗視撮影画像以外の予め定められた表示内容であればよい。例えば、本発明の車両用表示装置がナビゲーション装置の表示装置であれば、隠蔽されるメーター画像は、ナビゲーション装置の表示部のナビゲーション画面表示領域に表示されるナビゲーション画面画像とすることができる。

本発明の車両用メーターユニットの、電気的構成の一例を示すブロック図 本発明の車両用メーターユニットの、第一実施例における通常表示状態と強調表示状態を説明する図。 表示パネル描画プログラムの流れを示すフローチャート。 本発明の車両用メーターユニットの、第二実施例における強調表示状態を説明する図。 本発明の車両用メーターユニットの、第三実施例における強調表示状態を説明する図。 本発明の車両用メーターユニットの、第四実施例における強調表示状態を説明する図。 本発明の車両用メーターユニットの、第五実施例における強調表示状態を説明する図。 本発明の車両用メーターユニットの、第六実施例における強調表示状態を説明する図。

符号の説明

１ 車両用メーターユニット
１０ メーターＥＣＵ
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＡＭ
１３ ＲＯＭ
１３ａ 障害物識別プログラム
１３ｂ 表示パネル描画プログラム
１７ 外部メモリ
３０ 暗視カメラ
９０ 描画ＬＳＩ
１００ 描画パネル
１０１，１０１ａ，１０１ｂ，１０１ｃ 車速メーター表示領域
１０２ エンジン回転数メーター表示領域
１０３，１０３ａ ガソリン（燃料）残量メーター表示領域
１０４ 水温メーター表示領域
１１０ メーター表示部
１２０ 暗視撮影画像表示部
１２１ 暗視撮影画像領域
１２２ 障害物マーキング表示
１２３ 帯状マーキング表示
２００ ボデー系ＥＣＵ
２０１ 車速センサ
２０２ エンジン回転数センサ
２０３ 燃料残量センサ
２０４ 水温センサ

Claims (12)

1. 車両前方の暗視画像を表示する暗視画像表示部を組み込んだ車両用表示装置において、前記暗視画像中において車両前方に存在する障害物を識別し、該障害物が識別された場合に、当該障害物を含む画像領域を前記暗視撮影画像表示部にて拡大表示することを特徴とする車両用表示装置。
2. 前記暗視撮影画像表示部は、画像ディスプレイの共通画面上にメーター画像領域とともに一体表示される暗視撮影画像領域として形成されてなる請求項１記載の車両用表示装置。
3. 前記障害物が識別された場合に、該障害物が表示されてなる暗視撮影画像領域自体を前記画面上にて拡大する請求項１又は請求項２記載の車両用表示装置。
4. 前記暗視撮影画像領域は、前記暗視撮影画像の表示視野を固定しつつ縦横比が拡大前と同一となるように拡大される請求項３記載の車両用表示装置。
5. 前記画像ディスプレイの前記画面には、前記暗視撮影画像領域の背景に複数の前記メーター画像領域が区画表示されるとともに、前記暗視撮影画像領域の拡大に伴い、拡大された該暗視撮影画像領域が前記メーター画像領域の一部を隠蔽する形で重ね表示される請求項３又は請求項４記載の車両用表示装置。
6. 前記メーター画像領域は、拡大された前記暗視撮影画像領域に隠蔽されない部分の表示寸法及び表示位置が、該暗視撮影画像領域の拡大前と不変に維持される請求項５記載の車両用表示装置。
7. 前記メーター画像領域は車速メーター画像領域を含み、前記暗視撮影画像領域の拡大に伴い該車速メーター画像領域の一部が隠蔽されるとともに、該車速メーター画像領域の、拡大後の該暗視撮影画像領域に隠蔽されない部分において車速指示値が視認可能とされてなる請求項５又は請求項６記載の車両用表示装置。
8. 前記メーター画像領域は車速メーター画像領域とエンジン回転数メーター画像領域とを含み、前記暗視撮影画像領域は、前記車速メーター画像領域よりも前記エンジン回転数メーターの画像領域の隠蔽面積が大となるように拡大される請求項５ないし請求項７のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
9. 前記画像ディスプレイの前記画面には、前記暗視撮影画像領域の背景に複数の前記メーター画像領域が区画表示されるとともに、複数のメーターの少なくとも一部において、その表示モードが、標準表示モードと、前記暗視撮影画像領域の拡大時に対応した、全体表示に必要な面積が前記標準表示モードよりも小さい縮小表示モードとを有するマルチモードメーターとして定められ、前記暗視撮影画像領域の拡大に伴い、当該マルチモードメーターの画像表示を前記標準表示モードから前記縮小表示モードに切り替えて表示する請求項３ないし請求項８のいずれか１項に記載の車両用表示装置。
10. 前記マルチモードメーターは、速度メーター及び燃料メーターの少なくともいずれかを含む請求項９記載の車両用表示装置。
11. 前記縮小表示モードの前記メーター画像領域を、拡大された前記暗視撮影画像領域の背景に表示する請求項９又は請求項１０記載の車両用表示装置。
12. 前記縮小表示モードの前記メーター画像領域を、拡大された前記暗視撮影画像領域の内部に重ね表示する請求項９ないし請求項１１のいずれか１項に記載の車両用表示装置。