JP2007157662A - 有機発光装置の製造方法、有機発光装置および電子機器 - Google Patents

有機発光装置の製造方法、有機発光装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】有機発光素子同士を区画する隔壁部上に形成される補助陰極のような導電体を優れた成膜精度で形成することができる有機発光装置の製造方法、かかる有機発光装置の製造方法により製造され特性の高い有機発光装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】表示装置10の製造方法は、陽極(個別電極)3が設けられたTFT回路基板(基板)20を用意する第1の工程と、隔壁部35を形成する第2の工程と、有機半導体層7を形成する第3の工程と、陰極(共通電極)8を形成する第4の工程と、第2の工程を実施した後から第4の工程を実施する前までの間に、直線状の補助陰極(細幅の導電体)4を、隔壁部35の上面に複数回の真空蒸着法により形成する導電体形成工程とを有しており、この導電体形成工程において、補助陰極4を、同一のマスクを用いて互いに接続される細長い形状の微小部分に分割して形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光装置の製造方法、有機発光装置および電子機器に関するものである。
有機EL素子は、陰極と陽極との間に少なくとも蛍光性有機化合物(発光材料)を含む発光層を有する有機半導体層を挟んだ構成となっており、この発光層に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
この有機EL素子は、10V以下の低電圧で、100〜100000cd/m2程度の高輝度の面発光が可能であること、また、発光材料の種類を選択することにより、青色から赤色までの発光が可能なこと等の特徴を有し、安価で大面積フルカラー表示を実現し得る表示装置(有機発光装置)が備える素子として注目を集めている。
ここで、フルカラー表示を実現し得る有機発光装置は、例えば、図11に示すように、基板が備える複数の薄膜トランジスタ(TFT)910に対応するように設けられた個別の陽極920と、各陽極920を区画する枠状の隔壁部930と、隔壁部930の内側に設けられた発光層940と正孔輸送層950とを含む有機半導体層960と、各有機半導体層960および各隔壁部930を覆うように設けられた共通電極としての陰極970とを備え、陰極970側から光を取り出す構成となっているトップエミッション型の有機発光装置900がある。
このような構成の有機発光装置900では、有機EL素子980の発光効率をより高めるという観点から、陰極970の厚さを可能な限り薄く設定するのが望ましい。ところが、陰極970を薄くするにしたがって、陰極970全体としての抵抗値は増大することとなる。その結果、有機EL素子980の駆動電圧を高く設定する必要が生じ、これに起因して有機EL素子980の消費電力が高くなり、さらには、その寿命が短くなってしまうという問題がある。
なお、このような有機EL素子980の駆動電圧を高くすることに起因した問題は、陽極920側から光を取り出す構成のボトムエミッション型の有機発光装置においても同様に生じている。
このような問題を解決する方法として、陰極970に接触する細幅の補助陰極を隔壁部930の上面に設けることにより、この陰極970全体としての電気抵抗を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この有機発光装置において、補助陰極は、通常、有機半導体層960が雰囲気中の酸素や水分等を吸収して経時的に変質・劣化するのを防止または抑制するためにシャドーマスク(以下、単に「マスク」という。)を用いた真空蒸着法により形成される。
ところが、細幅のパターンを有する補助陰極の形状に対応する開口部を備えるマスクを形成すると、マスクの基材の剛性が低下することに起因して、開口部に撓みや歪みが生じることとなる。そのため、このようなマスクを用いて形成された補助陰極は、その形状が開口部と同様に、撓みや歪みを有するものとなる。その結果、陰極970の低抵抗化が十分に図れていないのが実情である。
特開2003−123988号公報
本発明の目的は、有機発光素子同士を区画する隔壁部上に形成される補助陰極のような導電体を優れた成膜精度で形成することができる有機発光装置の製造方法、かかる有機発光装置の製造方法により製造され特性の高い有機発光装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機発光装置の製造方法は、一方の面側に複数の個別電極が設けられた基板を用意する第1の工程と、
前記個別電極を区画する枠状の隔壁部を形成する第2の工程と、
前記隔壁部の内側に、発光層を含む有機半導体層を形成する第3の工程と、
各前記有機半導体層および前記隔壁部に重なるように共通電極を形成する第4の工程と、
前記第2の工程を実施した後から前記第4の工程を実施する前までの間に、前記共通電極に接触することにより、前記共通電極全体の電気抵抗を低減する機能を有する細幅の導電体を、前記隔壁部の上面に複数回の真空蒸着法により形成する導電体形成工程とを有し、
前記導電体形成工程において、前記導電体を、同一のマスクを用いて互いに接続される細長い形状の微小部分に分割して形成することを特徴とする。
これにより、有機発光素子同士を区画する隔壁部上に形成される補助陰極のような導電体を優れた成膜精度で形成し得る有機発光装置の製造方法とすることができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記導電体は、直線状をなし、
前記導電体形成工程において、前記導電体を、前記真空蒸着法を1回行う毎に、前記マスクを、前記導電体を形成すべき方向に移動させて形成することが好ましい。
これにより、前記導電体を優れた成膜精度で形成することができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記導電体を、ほぼ直線状に配置される複数の微小部分を形成し、次いで、前記微小部分の端部同士を接続するように、さらに複数の前記微小部分を設けることにより形成することが好ましい。
これにより、前記導電体を優れた成膜精度で形成することができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記微小部分は、その幅が両端部において大きくなっていることが好ましい。
これにより、形成される微小部分の幅方向に対して、隣接する微小部分同士が、その両端部において、重なり合わないようになるのを確実に防止することができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記マスクは、支持基板と、該支持基板に固定され、前記微小部分に対応した開口部を備える複数のチップとを有し、前記支持基板と前記チップとは、熱膨張係数がほぼ等しい材料で構成されていることが好ましい。
支持基板とチップとをこのような材料で構成することにより、真空蒸着法で導電体を形成する際に、支持基板の熱膨張量とチップの熱膨張量との差によるマスクの歪みまたは橈みの発生を抑えることができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記微小部分は、直線状をなし、
前記開口部の幅をd1[μm]とし、前記隔壁部の幅をD1[μm]とし、前記支持基板と前記チップとのアライメント精度をA[μm]とし、前記マスクと前記基板とのアライメント精度をB[μm]としたとき、2(A+B)<d1<D1−2(A+B)なる関係を満足することが好ましい。
これにより、前記マスクを用いて導電体を形成する際に、形成される微小部分の幅方向に対して、隣接する微小部分が、隔壁部上からはみ出すのを防止しつつ、それぞれの両端部において重なり合うように確実に形成することができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記微小部分は、直線状をなし、
前記開口部の長さd2[μm]とし、前記導電体の長さをD2[μm]とし、前記D2の分割数をXとし、前記支持基板と前記チップとのアライメント精度をA[μm]とし、前記マスクと前記基板とのアライメント精度をB[μm]としたとき、d2>D2/X+2(A+B)なる関係を満足することが好ましい。
これにより、前記マスクを用いて導電体を形成する際に、形成される微小部分の長軸方向に対して、隣接する微小部分が、それぞれの両端部において重なり合うように確実に形成することができる。
本発明の有機発光装置の製造方法では、前記共通電極を、透明導電性材料を用いて形成し、前記導電体を、前記透明導電性材料より小さい電気抵抗値を有する金属材料を用いて形成することが好ましい。
これにより、共通電極全体としての電気抵抗を確実に低減することができる。
本発明の有機発光装置は、本発明の有機発光装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、消費電力の低減および長寿命化が図られた有機発光素子を備える有機発光装置を得ることができる。
本発明の有機発光装置では、当該有機発光装置は、前記個別電極を陽極とし、前記共通電極を陰極とするトップエミッション構造の装置であることが好ましい。
かかる構成の有機発光装置に適用することにより、有機発光装置が備える有機発光素子の消費電力が確実に低減して、さらには、有機発光素子の長寿命化を確実に図ることができる。
本発明の電子機器は、本発明の有機発光装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の有機発光装置の製造方法、有機発光装置および電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明の有機発光装置の製造方法を説明するのに先立って、本発明の有機発光装置を適用したアクティブマトリクス型表示装置の実施形態について説明する。
<有機発光装置>
図1は、本発明の有機発光装置を適用したアクティブマトリクス型表示装置の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の有機EL素子の配置を示す平面図、図3は、有機EL素子の他の配置を示す平面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すアクティブマトリクス型表示装置(以下、単に「表示装置」と言う。)10は、TFT回路基板20と、このTFT回路基板20上に設けられ、発光色が赤色(R)の有機EL素子1R、緑色(G)の有機EL素子1Gおよび青色(B)の有機EL素子1Bと、各有機EL素子1R、1G、1B同士を区画する隔壁部35と、TFT回路基板20に対向する上基板9とを有している。
基板21は、表示装置10を構成する各部の支持体となるものであり、上基板9は、例えば、各有機EL素子(有機発光素子)1R、1G、1Bを保護する保護膜等として機能するものである。
また、本実施形態の表示装置10は、上基板9(後述する陰極8)側から光を取り出す構成(トップエミッション型)であるため、上基板9は、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)とされ、一方、基板21は、特に、透明性は要求されない。
このような基板21には、各種ガラス材料基板および各種樹脂基板のうち比較的硬度の高いものが好適に用いられる。
一方、上基板9には、各種ガラス材料基板および各種樹脂基板のうち透明なものが選択され、例えば、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等を主材料として構成される基板を用いることができる。
基板21の平均厚さは、特に限定されないが、1〜30mm程度であるのが好ましく、5〜20mm程度であるのがより好ましい。一方、上基板9の平均厚さも、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
回路部22は、基板21上に形成された下地保護層23と、下地保護層23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層25と、第2層間絶縁層26とを有している。
駆動用TFT24は、半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、それぞれ、有機EL素子1R、1G、1Bが設けられている。また、隣接する有機EL素子1R、1G、1B同士は、第1隔壁部31および第2隔壁部32により構成される隔壁部(バンク)35により区画されている。
本発明の有機発光装置では、この隔壁部35上に、細幅の補助陰極(導電体)4が設けられている。なお、本実施形態では、図2に示すように、補助陰極4は、複数設けられ、その形状が直線状となっている。
この補助陰極4は、後述する陰極8と接触することにより、陰極8全体としての電気抵抗を低減することを目的に形成されている。
そのため、補助陰極4の構成材料としては、後述する陰極8の構成材料として用いられる透明導電性材料よりも電気抵抗の小さい導電性材料が好適に用いられる。
このような導電性材料としては、特に限定されないが、例えば、Al、Ni、Co、Cu、Ag、Auおよびこれらを含む合金等の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は、前記透明導性材料よりも優れた導電性を有するものであることから、陰極8全体としての電気抵抗を確実に低減することができる。
補助陰極4の構成材料としては、これらの金属材料の中でも、特に、Alを主成分とするものが好ましい。Alは、比較的安価で優れた導電性を示すとともに、後述する真空蒸着法により容易に成膜し得ることから、補助陰極4の構成材料として好適に用いることができる。
補助陰極4の平均厚さは、陰極8の平均厚さよりも薄くなっていればよく、特に限定されるものではないが、10〜2000nm程度であるのが好ましく、300〜1500nm程度であるのがより好ましい。補助陰極4の厚さが薄すぎると、補助陰極4としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがある。一方、補助陰極4が厚過ぎても、それ以上の効果の増加が期待できない。
本実施形態では、各有機EL素子1R、1G、1Bの陽極3は、個別電極(画素電極)を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線27により電気的に接続されている。また、正孔輸送層5および発光層6R、6G、6Bを備える有機半導体層7R、7G、7Bとは、各有機EL素子1R、1G、1Bに対して個別に形成されており、陰極8は、共通電極とされている。
そして、各有機EL素子1R、1G、1Bは、図2に示すように、平面視において、マトリクス状に配置され、2点鎖線で囲まれる部分(3つの有機EL素子1R、1G、1B)により1画素が構成されている。
なお、有機EL素子1R、1G、1Bの配置は、図2に示すものに限定されず、例えば、図3(a)および図3(b)に示すようなものであってもよい。また、かかる構成とする場合、直線状の補助陰極4は、それぞれ、例えば、図3(a)および図3(b)に示すような位置に形成される。
以下、この有機EL素子1R、1G、1Bについて詳述する。
図1に示すように、有機EL素子1R、1G、1Bは、個別の陽極3と、共通の陰極8と、陽極3と陰極8との間に設けられた個別の有機半導体層7R、7G、7Bとを有している。なお、本実施形態では、有機半導体層7R、7G、7Bは、陽極3側から正孔輸送層5と発光層6R、6G、6Bとがこの順で積層された積層体となっている。
なお、以下では、有機EL素子1R、1G、1Bを総称して有機EL素子1と、有機半導体層7R、7G、7Bを総称して有機半導体層7と、発光層6R、6G、6Bを総称して発光層6と言うことがある。
陽極3は、正孔輸送層5(有機半導体層7)に正孔を注入する電極である。
この陽極3の構成材料(陽極材料)としては、導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、仕事関数が大きく、導電性に優れた材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムと酸化亜鉛との複合物)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Al、Ni、Co、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極3の厚さが薄すぎると、陽極3としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極3が厚過ぎると、後述する正孔と電子との再結合を発光層6において行うことができず、有機EL素子1の発光効率等の特性が低下するおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
また、このような陽極3は、光反射性を有するのが好ましい。これにより、後述する発光層6で発光した光が陽極3側で吸収(吸光)されることなく、上基板9側に反射させて、上基板9(陰極8)を通過する光の量を増大させることができる。その結果、有機EL素子1の発光効率や光の取り出し効率等の特性が向上をすることとなる。
かかる構成の陽極3は、前述したような陽極材料のうち、Al、Ni、Co、Agまたはこれらを含む合金で、その少なくとも表面付近を構成することにより形成することができる。
一方、陰極8は、有機半導体層7(発光層6)に電子を注入する電極である。
この陰極8の構成材料(陰極材料)としては、表示装置10が陰極8側から光を取り出すトップエミッション構造であるため透光性を有する透明導電性材料が選択される。
このような陰極材料としては、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素含有インジウムティンオキサイド(FITO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミニウムジンクオキサイド(AZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、フッ素含有インジウムオキサイド(FIO)、インジウムオキサイド(IO)、等の透明導電性材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、100〜3000nm程度であるのが好ましく、500〜2000nm程度であるのがより好ましい。陰極8の厚さが薄すぎると、陰極8としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極8が厚過ぎると、陰極材料の種類等によっては、光の透過率が低下して、トップエミッション型の構造を有する有機EL素子1として、実用に適さなくなるおそれがある。
このような陰極8は、その光(可視光領域)の透過率が好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上となっている。これにより、光を効率よく陰極8側から取り出すことができる。
ここで、陰極8は、このような光の透過率が確保されるように、その厚さが上述したような範囲内で可能な限り薄く設定される。そのため、陰極8としての抵抗値が増大することとなる。これにより、補助陰極4の形成を省略すると、有機EL素子1の駆動電圧を高く設定しなければならず、その結果として、有機EL素子1の消費電力が高くなり、さらには、その寿命が短くなってしまうという問題がある。また、陽極3と陰極8との間に電圧を印加するための端子は、通常、陰極8の縁部において確保されるが、陰極8抵抗値が大きくなると、この端子から各有機EL素子1(発光層6)までの距離が異なることに起因して、各画素(有機EL素子1)の発光を均一に制御すること、すなわち、複数の画素を同時に発光させることが困難となる。
これに対して、陰極8と接触するように隔壁部35上に補助陰極4を設けることにより、陰極8と補助陰極4とを合わせた電気抵抗、すなわち、陰極8全体としての電気抵抗を低減することができる。その結果、有機EL素子1の消費電力が低くなり、さらには、有機EL素子1の長寿命化を図ることができる。
さらに、補助陰極4は、図2に示すように、陰極8の厚さ方向に対して垂直な方向とほぼ水平となるように直線状に複数設けられている。そのため、上述したような端子を介して陽極3と陰極8との間に電圧を印加したとしても、導電性に優れる補助陰極4を介して電流(電子)が流れることから、各画素(有機EL素子1)をほぼ同時に発光させることができる。
また、陽極3と陰極8との間には、有機半導体層7が設けられている。本実施形態では、この有機半導体層7は、正孔輸送層5と発光層6とで構成される積層体となっている。
正孔輸送層5は、陽極3から注入された正孔を発光層6まで輸送する機能を有するものである。
正孔輸送層5の構成材料(正孔輸送材料)としては、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等の化合物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
このような正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、陽極3と正孔輸送層5との間には、例えば、陽極3からの正孔注入効率を向上させる正孔注入層を設けるようにしてもよい。
この正孔注入層の構成材料(正孔注入材料)としては、例えば、銅フタロシアニンや、4,4‘,4‘‘−トリス(N,N‐フェニル‐3‐メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等が挙げられる。
ここで、陽極3と陰極8との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層4中を移動して発光層6に注入された正孔と、陰極8から発光層6に注入された電子とが、この発光層6において再結合する。そして、発光層6ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
発光層6(6R、6G、6B)の構成材料(発光材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq)、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))のような低分子系のものや、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子、カルバゾール系高分子のような高分子系のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて、目的とする発光色を得るようにする。
具体的には、赤色の発光材料(発光層6Rの構成材料)としては、例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン) イリジウム(III)、ポリ[2,5−ビス(3、7−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン)フェニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]等が挙げられる。
緑色の発光材料(発光層6Gの構成材料)としては、例えば、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
青色の発光材料(発光層6Bの構成材料)としては、例えば、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
また、各発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、陰極8と発光層6との間には、陰極8から注入された電子を発光層6まで輸送する機能を有する電子輸送層を設けるようにしてもよく、さらには、この電子輸送層と陰極8との間に、陰極8から電子輸送層への電子の注入効率を向上させる電子注入層を設けるようにしてもよい。
電子輸送層の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン系化合物、フェナントレン系化合物、クリセン系化合物、ペリレン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、アクリジン系化合物、スチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ビスチリル系化合物、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリン系化合物、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、オキサジアゾール系化合物、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロン系化合物、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。
また、電子注入層の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン、オキサジアゾール、または、これらの誘導体(例えば、8−ヒドロキシキノリンを含む金属キレートオキシノイド化合物)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態では、上基板9(陰極8)側から光を取り出すトップエミッション型の表示装置10に補助陰極4を設ける場合について説明したが、このような場合に限定されず、TFT回路基板20(陽極3)側から光を取り出すボトムエミッション型の表示装置に補助陰極を設けるようにしてもよい。
ボトムエミッション型の表示装置は、トップエミッション型の表示装置と比較して、TFT回路基板20に駆動用TFT24が存在するため、光を取り出す領域の面積が制限される。すなわち、TFT回路基板20の開口率が低下する。そのため、より高い発光輝度を得るためには、有機EL素子の駆動電圧を高く設定する必要が生じ、これに起因して有機EL素子の消費電力が高くなり、さらには、その寿命が短くなってしまうという問題がある。このようなボトムエミッション型の表示装置の陰極に接触するように補助陰極を設けると、トップエミッション型の表示装置に適用した場合と同様に、有機EL素子の駆動電圧を低くすることができ、上述したような問題を解消することができる。
また、本発明は、本実施形態で説明したような、TFT回路基板20上に陽極3、正孔輸送層5、発光層6および陰極8がこの順で積層された構成の有機EL素子1を備える表示装置10に適用できる他、TFT回路基板20上に個別の陰極、個別の発光層、個別の正孔輸送層および共通の陽極がこの順で積層された構成の有機EL素子を備える表示装置にも適用することができる。この場合、陽極(共通電極)の電気抵抗を低下させることを目的に、陽極3に接触するように、隔壁部35上に導電体として補助陽極を設けるようにすればよい。
さらに、表示装置10は、本実施形態で説明したように各有機EL素子1R、1G、1Bがそれぞれ異なる発光色(赤色、緑色および青色)を発光するフルカラー表示のものに限定されず、各有機EL素子が同一の発光色(例えば、白色)を発光する単色(モノカラー)表示のものであってもよい。
<有機発光装置の製造方法>
上述したような表示装置10は、本発明の有機発光装置の製造方法により、例えば、次のようにして製造することができる。
[1]まず、複数の陽極(個別電極)3が設けられたTFT回路基板20を用意する(第1の工程)。
[1−A]まず、基板21を用意し、基板21上に、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガス等を原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約200〜500nmの酸化シリコンを主材料として構成される下地保護層23を形成する。
[1−B]次に、下地保護層23上に、駆動用TFT24を形成する。
[1−Ba]まず、基板21を約350℃に加熱した状態で、下地保護層23上に、例えばプラズマCVD法等により、平均厚さが約30〜70nmのアモルファスシリコンを主材料として構成される半導体膜を形成する。
[1−Bb]次いで、半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法等により結晶化処理を行い、アモルファスシリコンをポリシリコンに変化させる。
ここで、レーザアニール法では、例えば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm程度に設定される。また、ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザー強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域に重なるようにラインビームを走査する。
[1−Bc]次いで、半導体膜をパターニングして島状とし、各島状の半導体膜241を覆うように、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約60〜150nmの酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるゲート絶縁層242を形成する。
[1−Bd]次いで、ゲート絶縁層242上に、例えば、スパッタ法等により、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングし、ゲート電極243を形成する。
[1−Be]次いで、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極243に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
[1−C]次に、駆動用TFT24に電気的に接続されるソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−Ca]まず、ゲート電極243を覆うように、第1層間絶縁層25を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Cb]次いで、コンタクトホール内にソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−D]次に、ドレイン電極245と陽極3とを電気的に接続する配線(中継電極)27を形成する。
[1−Da]まず、第1層間絶縁層25上に、第2層間絶縁層26を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Db]次いで、コンタクトホール内に配線27を形成する。
以上のようにして、TFT回路基板20が得られる。
[1−E]次に、TFT回路基板20が備える第2層間絶縁層26上に、各配線27に接触するように、複数の陽極(個別電極)3を形成する(第1の工程)。
この陽極3は、第2層間絶縁層26上に、例えば、真空蒸着法やスパッタ法のような気相成膜法等により、前述したような陽極3の構成材料を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングすることにより得ることができる。
[2]次に、第2層間絶縁層26上に、各陽極3を区画するように、すなわち、各有機EL素子1R、1G、1Bを形成する領域を区画するように、隔壁部(バンク)35を形成する(第2の工程)。
隔壁部35は、第2層間絶縁膜26上に第1隔壁部31を形成した後、この第1隔壁部31上に、第2隔壁部32を形成することにより得ることができる。
なお、第1隔壁部31は、陽極3および第2層間絶縁膜26を覆うように絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
また、第2隔壁部32は、陽極3および第1隔壁部31を覆うように絶縁膜を形成した後、第1隔壁部31を得たのと同様にして形成することができる。
ここで、第1隔壁部31および第2隔壁部32の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、下地層との密着性等を考慮して選択される。
具体的には、第1隔壁部31の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂のような有機材料や、SiOのような無機材料が挙げられる。
また、第2隔壁部32の構成材料としては、第1の隔壁部31で挙げたものの他、例えば、フッ素系樹脂等を用いることができる。フッ素系樹脂を用いることにより、第2隔壁部32の耐吸湿性の向上を図ることができる。
また、隔壁部35の開口の形状は、図2に示すように、四角形の他、例えば、円形、楕円形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
なお、隔壁部35の開口の形状を多角形とする場合には、角部は丸みを帯びているのが好ましい。これにより、正孔輸送層5および発光層6を、後述するような液状材料を用いて形成する際に、これらの液状材料を、隔壁部35の内側の空間の隅々にまで確実に供給することができる。
このような隔壁部35の高さは、陽極3、正孔輸送層5および発光層6の合計の厚さに応じて適宜設定され、特に限定されないが、30〜500nm程度とするのが好ましい。かかる高さとすることにより、十分に隔壁(バンク)としての機能が発揮される。
[3]次に、各陽極3上に、すなわち、各隔壁部35の内側に、それぞれ、正孔輸送層5および発光層6をこの順で積層して有機半導体層7を形成する(第3の工程)。
[3−A]まず、各陽極3上に、それぞれ、正孔輸送層5を形成する。
この正孔輸送層5は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等を用いた気相プロセスや、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いた液相プロセス等により形成することができるが、中でも、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。インクジェット法を用いることにより、正孔輸送層5の薄膜化、画素サイズの微小化を図ることができる。また、正孔輸送層形成用の液状材料を、隔壁部35の内側に選択的に供給することができるため、液状材料のムダを省くことができる。
具体的には、正孔輸送層形成用の液状材料を、インクジェットプリント装置のヘッドから吐出し、各陽極3上に供給し、脱溶媒または脱分散媒した後、必要に応じて、150℃程度で短時間の加熱処理を施す。
この脱溶媒または脱分散媒は、減圧雰囲気に放置する方法、熱処理(例えば50〜60℃程度)による方法、窒素ガスのような不活性ガスのフローによる方法等が挙げられる。さらに、追加の熱処理(150℃程度で短時間)で行うことにより、残存溶媒を除去する。
用いる液状材料は、前述したような正孔輸送材料を溶媒または分散媒に溶解または分散することにより調製される。
また、液状材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、陽極3上に供給された液状材料は、流動性が高く(粘性が低く)、水平方向(面方向)に広がろうとするが、陽極3が隔壁部35により囲まれているため、所定の領域以外に広がることが阻止され、正孔輸送層5(有機EL素子1)の輪郭形状が正確に規定される。
[3−B]次に、各正孔輸送層5上に、発光層6を形成する。
この発光層6も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。また、インクジェット法を用いることにより、複数色の発光層6R、6G、6Bの塗り分けを容易に行うことができるという利点も得られる。
[4]次に、次工程[5]で形成される陰極8と接触し得るように、直線状の補助陰極(導電体)4を隔壁部35上に形成する。(導電体形成工程)。
ここで、前述したように、直線状の補助陰極4すなわち細幅の導電体を、その形状に対応した開口部を備えるシャドーマスク(以下、単に「マスク」という。)を用いた真空蒸着法で1度に(一括して)形成すると、開口部に生じた撓みや歪みにより、形成される補助陰極も撓みや歪みを有するものとなる。
これに対して、本発明の有機発光装置の製造方法では、複数回の真空蒸着法により、細幅の導電体(本実施形態では、直線状の補助陰極4)が、同一のマスクを用いて互いに接続される細長い形状の微小部分に分割して形成される。
そこで、本発明の有機発光装置の製造方法で用いられるマスクには、その開口部が細幅の導電体を分割した形状に対応するように形成されている。そして、1回の真空蒸着法を施す毎に、このマスクを導電体を形成すべき方向に移動させることにより導電パターンを形成することができる。
すなわち、本実施形態では、1回の真空蒸着法を施す毎に、直線状の補助陰極4を分割した形状に対応する開口部を備えるマスクを、形成すべき補助陰極4の長軸方向(長手方向)に沿って水平移動させることにより、補助陰極4を形成することができる。
また、マスクをかかる構成とすることにより、マスクの基材の剛性が低下するのを防止し得ることから、開口部における撓みや歪みの発生が確実に阻止されることとなる。これにより、形成される補助陰極4に撓みや歪みが生じるのを確実に阻止し得ることから、優れた成膜精度で補助陰極4を形成することができる。その結果、陰極8全体としての電気抵抗が低減され、有機EL素子1の消費電力の低減、さらには、その長寿命化が図られる。
以下では、まず、本発明の有機発光装置の製造方法で用いられるマスクの一例(マスク40)について説明し、その後に、真空蒸着法により、このマスク40を用いて直線状の補助陰極4を形成する方法について説明する。
なお、このマスク40を用いる場合、直線状の補助陰極4は、2回の真空蒸着法により、微小部分として、それぞれ同一の形状を有する第1の微小部分4aおよび第2の微小部分4bがこの順で成膜されることにより形成される。
(マスク)
図4は、本発明の有機発光素子の製造方法に用いられるマスクの一例を示す模式的斜視図、図5は、図4に示すマスクの要部を示す拡大斜視図である。
支持基板41は、図4および図5に示すように、平面視で長方形をなすとともに厚さ方向に貫通する開口領域42を複数有し、これらの開口領域42は、それぞれ、その長手方向に沿って平行に、かつ、一定間隔に設けられている。
そして、支持基板41には、これらの開口領域42の周囲に、チップ45を取り付ける際に支持基板41に対するチップ45の位置合わせのためアライメントマーク44が形成されている。このようなアライメントマーク44は、フォトリソグラフィー技術または結晶異方性エッチングなどで形成することができる。
また、支持基板41には、その外周部に、マスク40を使用して真空蒸着法により補助陰極4を形成する際にマスク40の位置決めを行うためのマスク位置決めマーク46が形成されている。このマスク位置決めマーク46は、1回目の真空蒸着法を施す際に用いられるマスク位置決めマーク46aと、2回目の真空蒸着法を施す際に用いられるマスク位置決めマーク46bとで構成されている。マスク位置決めマーク46は、例えば、金属膜で構成されている。なお、チップ45にマスク位置決めマーク46を形成してもよい。
このような支持基板41の構成材料としては、チップ45の構成材料(すなわちシリコン)の熱膨張係数とほぼ同一(等しい)または近い熱膨張係数を有するものが好適に用いられる。
より具体的には、支持基板41の構成材料としては、例えば、シリコンの熱膨張係数(30×10−7/℃)とほぼ同一の熱膨張係数を有するものとして、コーニング社製のパイレックス(登録商標)ガラス(熱膨張係数30×10−7/℃)が挙げられ、また、シリコンの熱膨張係数と近い熱膨張係数を有するものとして、無アルカリガラスである日本電気ガラス社製のOA−10(熱膨張係数38×10−7/℃)、金属材料では42アロイ(熱膨張係数50×10−7/℃)、およびインバー材(熱膨張係数12×10−7/℃)などが挙げられる。このような材料で支持基板41を構成することにより、真空蒸着法で、補助陰極4を形成する際に、支持基板41の熱膨張量とチップ45の熱膨張量との差によるマスク40の歪みまたは橈みの発生を抑えることができる。
このような支持基板41に対し、前述したアライメントマーク44により位置合わせされた状態で、複数のチップ45が接合されている。
より具体的には、複数のチップ45は、支持基板41の開口領域42を塞ぐように、互いに等間隔を隔てて、支持基板41上に行列をなすように配置・接合されている。なお、本実施形態では、図4に示すように、チップ45は、支持基板41上に行列ともに7個ずつ配置・接合される。
各チップ45には、図5に示すように、形成する補助陰極4の一部の形状および配置に対応するようにして、複数の貫通部(開口部)47が形成されている。本実施形態では、各貫通部47は、形成すべき微小部分(第1の微小部分4aおよび第2の微小部分4b)の形状に対応して、平面視で直線状をなすとともに厚さ方向に貫通している。そして、複数の貫通部47は、互いに平行に一定間隔離間して形成されている。
このような各貫通部47は、それぞれ、支持基板41の開口領域42の長手方向と直交する向きに延在している。
また、各貫通部47の幅d1は、図5に示すように、形成する補助陰極4の幅とほぼ同一になっている。そして、同一の開口領域42を塞ぎかつ互いに隣り合うチップ45同士は、その間隔を補助陰極4の幅d1だけ開けた状態で配置されている。そのため、このようなチップ45同士の隙間は、チップ45の貫通部47と同様に機能し、この隙間を用いて補助陰極4の一部を形成することができる。
さらに、貫通部(開口部)47の幅d1[μm]は、支持基板41とチップ45とのアライメント精度をA[μm]とし、マスク40とTFT回路基板20とのアライメント精度をB[μm]とし、隔壁部35の幅をD1[μm]としたとき、2(A+B)の値よりも大きく、かつ、D1−2(A+B)の値よりも小さくなるように設定されているのが好ましい。これにより、マスク40を用いて補助陰極4を形成する際に、すなわち、マスク40を用いて後述する第1の微小部分4aと第2の微小部分4bを形成する際に、第1の微小部分4aと第2の微小部分4bとを、貫通部47の長軸方向と垂直な方向に対して、隔壁部35上からはみ出すのを防止しつつ、それぞれの両端部において確実に重なり合わせて形成することができる。
また、貫通部47の形状は、すなわち、形成される微小部分(第1の微小部分4aおよび第2の微小部分4b)の形状は、その幅が両端部において他の部分(両端部を除く部分)よりも大きくなっているのが好ましい。これにより、貫通部47の幅方向(長軸方向と垂直な方向)に対して、隣接する微小部分同士(第1の微小部分4aと第2の微小部分4bと)が、その両端部において、重なり合わないようになるのを確実に防止することができる。
また、各貫通部47の長さd2は、形成する補助陰極4の長さを等分割(本実施形態では、14分割)した大きさとほぼ同一またはそれよりも若干大きくなっている。そして、隣接する各貫通部47同士の間の長さd3は、形成する補助陰極4の長さを等分割した大きさとほぼ同一またはそれよりも若干小さくなっている。
さらに、貫通部47の長さd2[μm]は、形成する補助陰極4の長さをD2[μm]とし、D2の分割数をXとし、前述したのと同様に、支持基板41とチップ45とのアライメント精度をA[μm]とし、マスク40とTFT回路基板20とのアライメント精度をB[μm]としたとき、D2/X+2(A+B)の値よりも大きくなるように設定されているのが好ましい。これにより、後述する第1の微小部分4aと第2の微小部分4bを形成する際に、貫通部47の長軸方向に対して、第1の微小部分4aと第2の微小部分4bとをそれぞれの両端部において確実に重なり合わせて形成することができる。
なお、本明細書中において、「アライメント精度」とは、2つのアライメントマーク(マスク位置決めマーク)同士を対向させる位置からのバラツキ(標準偏差)を示すものとする。
このようなチップ45は、面方位(110)のシリコン単結晶基板で構成されている。そして、チップ45における貫通部47の長手方向の側面は、面方位(111)となっている。このように貫通部47の側面の面方位を(111)とすることは、面方位(110)のシリコンチップに対し結晶異方性エッチングを施すことで簡便に実現できる。
(補助陰極の形成方法)
図6および図7は、図1に示すアクティブマトリクス型表示装置が備える補助陰極の形成方法を説明するための図である。なお、図6は、図2中のA−A線断面に対応する断面を示す縦断面図であり、図7は、平面図である。
[4−A]まず、図6(a)に示すように、隔壁部35上に予め形成しておいたマスク位置決めマーク48と、マスク40が備えるマスク位置決めマーク46aとを対向させて、TFT回路基板20に対してマスク40を位置決めする。
なお、図6(a)において、TFT回路基板20上には、前記工程[1]〜[3]を経ることにより、既に、陽極3、有機半導体層7および隔壁部35が形成されている。
[4−B]次に、図6(b)および図7(a)に示すように、真空蒸着法により、隔壁部35のマスク40で覆われていない領域、すなわち、隔壁部35の貫通部47に対応する領域に第1の微小部分4aを形成する。これにより、隔壁部35上に、複数の第1の微小部分4aがほぼ直線状に配置された状態で形成される。
[4−C]次に、図6(c)に示すように、マスク位置決めマーク48とマスク40が備えるマスク位置決めマーク46bとが対向するように、マスク40を形成すべき方向すなわち形成される補助陰極4の長軸方向(図7中のX軸方向)に沿って移動させることにより、TFT回路基板20に対してマスク40を位置決めする。
ここで、2つのマスク位置決めマーク46a、46b同士間の距離すなわちマスク40を平行移動させる移動量は、隣接する貫通部47同士間の距離d3よりも長く、かつ、貫通部47の長さd2よりも短く設定される。これにより、隔壁部35の貫通部47に対応する領域の両端部が、隣接する第1の微小部分4a同士の対向し合う(近い方の)端部と重なり合うこととなる。
[4−D]次に、図6(d)および図7(b)に示すように、真空蒸着法により、隔壁部35のマスク40で覆われていない領域、すなわち、隔壁部35の貫通部47に対応する領域に第2の微小部分4bを形成する。
これにより、隔壁部35上に、さらに、第1の微小部分4aと同一の形状を有する第2の微小部分4bがほぼ直線状に配置された状態で形成される。
ここで、前記工程[4−C]において、マスク40は、隔壁部35の貫通部47に対応する領域の両端部と、隣接する第1の微小部分4a同士の対向し合う(近い方の)端部とが重なり合う位置に配置されている。そのため、第1の微小部分4aと第2の微小部分4bとが、その互いの端部同士を接続するように形成される。その結果、隔壁部35上に、第1の微小部分4aと第2の微小部分4bとが交互に配設された構成の直線状の補助陰極4が形成される。
また、マスク40には、図4に示すように、貫通部47の幅方向にも複数の貫通部47が形成されていることから、2回の真空蒸着法(工程[4−A]〜工程[4−D])を施すことにより、複数(本実施形態では7つ)の補助陰極4が一括して形成されることとなる。
なお、本実施形態では、2回の真空蒸着法で直線状の補助陰極4を形成することとしたが、マスク40の長さより長尺の補助陰極4を形成する場合には、3回以上の真空蒸着法を行うようにすればよい。
また、形成される補助陰極4の形状は、直線状のものに限られず、細幅のものであればよく、例えば、曲線状に蛇行するものであってもよいし、枠状のものであってもよい。
曲線状の補助陰極4は、マスク40が備える貫通部47を曲線状とすることにより得ることができる。
さらに、枠状の補助陰極4は、例えば、2回目の真空蒸着法を施した後に、マスク40をほぼ90°回転させて、すなわち、図7中のY軸方向と貫通部47の長軸方向とがほぼ平行となるように配置した後、さらに真空蒸着法を行うことにより得ることができる。
なお、本実施形態では、有機半導体層7を形成する前記工程[3]と陰極8を形成する次工程[5]との間に、補助陰極4(導電体)を形成する本工程[4]を行う場合について説明したが、このような場合に限定されず、隔壁部35を形成する前記工程[2]と有機半導体層7を形成する前記工程[3]との間に、本工程[4]を行うようにしてもよい。
[5]次に、各有機半導体層7(発光層6)および各隔壁部35に重なるように、すなわち、有機半導体層7の陽極3と反対側を覆うように、共通の陰極8を形成する(第4の工程)。
これにより、TFT回路基板20上に複数の有機EL素子1が形成される。
この陰極8も、前述したような気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、これらの方法は、陰極8の構成材料の熱安定性や、溶媒への溶解性等の物理的特性および/または化学的特性を考慮して選択される。
なお、本実施形態では、有機半導体層7(発光層6)および隔壁部35に重なるように
陰極8を形成することから、マスクを用いる必要がないため、これらの形成には、スパッタ法、真空蒸着法を用いた気相プロセス等が好適に用いられる。
[6] 次に、上基板9を用意し、この上基板9により陰極8を覆うようにして、陰極8と上基板9とを接合する。
これにより、各有機EL素子1が上基板9により封止され、表示装置10が完成される。
この陰極8と上基板9との接合は、陰極8と上基板9との間に、エポキシ系の接着剤を介在させた状態で、この接着剤を乾燥させること等により行うことができる。
この上基板9は、有機EL素子1を保護する保護基板としての機能を有する。このような上基板9を、陰極8上に設けることにより、有機EL素子1が酸素や水分に接触するのをより好適に防止または低減できることから、有機EL素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果をより確実に得ることができる。
<電子機器>
このような表示装置(本発明の有機発光装置)10は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図8は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述の表示装置10で構成されている。
図9は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述の表示装置10で構成されている。
図10は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述の表示装置10で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図8のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図9の携帯電話機、図10のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の有機発光装置の製造方法、有機発光装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
また、本発明の有機発光装置の製造方法は、任意の目的の工程が1または2以上追加されていてもよい。
本発明の有機発光装置を適用したアクティブマトリクス型表示装置の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の有機EL素子の配置を示す平面図である。 有機EL素子の他の配置を示す平面図である。 本発明の有機発光素子の製造方法に用いられるマスクの一例を示す模式的斜視図である。 図4に示すマスクの要部を示す拡大斜視図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置が備える補助陰極の形成方法を説明するための縦断面図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置が備える補助陰極の形成方法を説明するための平面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 従来のアクティブマトリクス型表示装置の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1、1R、1G、1B……有機EL素子 3……陽極 31……第1隔壁部 32……第2隔壁部 35……隔壁部 4……補助陰極 4a……第1の微小部分 4b……第2の微小部分 40……マスク 41……支持基板 42……開口領域 44……アライメントマーク 45……チップ 46、46a、46b、48……マスク位置決めマーク 47……貫通部 5……正孔輸送層 6、6R、6G、6B……発光層 7、7R、7G、7B……有機半導体層 8……陰極 9……上基板 10……表示装置 20……TFT回路基板 21……基板 22……回路部 23……下地保護層 24……駆動用TFT 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 25……第1層間絶縁層 26……第2層間絶縁層 27……配線 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306…………シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ 900……有機発光装置 910……薄膜トランジスタ 920……陽極 930……隔壁部 940……発光層 950……正孔輸送層 960……有機半導体層 970……陰極 980……有機EL素子

Claims (11)

  1. 一方の面側に複数の個別電極が設けられた基板を用意する第1の工程と、
    前記個別電極を区画する枠状の隔壁部を形成する第2の工程と、
    前記隔壁部の内側に、発光層を含む有機半導体層を形成する第3の工程と、
    各前記有機半導体層および前記隔壁部に重なるように共通電極を形成する第4の工程と、
    前記第2の工程を実施した後から前記第4の工程を実施する前までの間に、前記共通電極に接触することにより、前記共通電極全体の電気抵抗を低減する機能を有する細幅の導電体を、前記隔壁部の上面に複数回の真空蒸着法により形成する導電体形成工程とを有し、
    前記導電体形成工程において、前記導電体を、同一のマスクを用いて互いに接続される細長い形状の微小部分に分割して形成することを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  2. 前記導電体は、直線状をなし、
    前記導電体形成工程において、前記導電体を、前記真空蒸着法を1回行う毎に、前記マスクを、前記導電体を形成すべき方向に移動させて形成する請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
  3. 前記導電体を、ほぼ直線状に配置される複数の微小部分を形成し、次いで、前記微小部分の端部同士を接続するように、さらに複数の前記微小部分を設けることにより形成する請求項2に記載の有機発光装置の製造方法。
  4. 前記微小部分は、その幅が両端部において大きくなっている請求項3に記載の有機発光装置の製造方法。
  5. 前記マスクは、支持基板と、該支持基板に固定され、前記微小部分に対応した開口部を備える複数のチップとを有し、前記支持基板と前記チップとは、熱膨張係数がほぼ等しい材料で構成されている請求項3または4に記載の有機発光装置の製造方法。
  6. 前記微小部分は、直線状をなし、
    前記開口部の幅をd1[μm]とし、前記隔壁部の幅をD1[μm]とし、前記支持基板と前記チップとのアライメント精度をA[μm]とし、前記マスクと前記基板とのアライメント精度をB[μm]としたとき、2(A+B)<d1<D1−2(A+B)なる関係を満足する請求項5に記載の有機発光装置の製造方法。
  7. 前記微小部分は、直線状をなし、
    前記開口部の長さd2[μm]とし、前記導電体の長さをD2[μm]とし、前記D2の分割数をXとし、前記支持基板と前記チップとのアライメント精度をA[μm]とし、前記マスクと前記基板とのアライメント精度をB[μm]としたとき、d2>D2/X+2(A+B)なる関係を満足する請求項5または6に記載の有機発光装置の製造方法。
  8. 前記共通電極を、透明導電性材料を用いて形成し、前記導電体を、前記透明導電性材料より小さい電気抵抗値を有する金属材料を用いて形成する請求項1ないし7のいずれかに記載の有機発光装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の有機発光装置の製造方法により製造されたことを特徴とする有機発光装置。
  10. 当該有機発光装置は、前記個別電極を陽極とし、前記共通電極を陰極とするトップエミッション構造の装置である請求項9に記載の有機発光装置。
  11. 請求項9または10に記載の有機発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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