JP2007155805A - シート処理装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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及川  敦輝
Kenichi Hayashi
賢一 林
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啓子 藤田
Hitoshi Kato
加藤  仁志
Takashi Sugiura
崇 杉浦
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Abstract

【課題】低コストの簡易構成でシート束の折り目の品質を向上させるシート処理装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート集積部A(シート収納部)に搬入されてくる画像形成済みのシートSの1枚ごとに突き板25aを前進動させて突き押し、折りローラ26,27を正搬送させてニップ部で挟圧して折り目Fを付ける。折り目Fを付けた後は折りローラ26,27を逆回転させて再びシート集積部Aに戻す。シート束を構成するシートSの枚数に対してそれを繰り返す。シートSの束に対して再度突き板25aで突き押し、折りローラ26,27間のニップ部に通して完全に折りきって半折りなどする。半折りされたシート束は束排出トレイに排出される。その際、半折りされたシート束の両端が開くことなく、見栄え良好な高品位の折りを実現できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタおよび複合機などの画像形成装置から排出される画像形成済みのシートに対して整合、綴じ、半折りなどの処理を施すシート処理装置に関し、このシート処理装置を備えた画像形成装置に関するものである。
シート処理装置には従来、画像形成済みのシートの複数枚を整合して束ね、そのシート束の中央付近を針綴じ処理した後、針綴じ部を折りローラ対のニップに挿入して半折りするようにしたものがある。折りローラ対によって略中央から半折りされたシート束は折り部を先頭にして排出トレイに排出される(たとえば、特許文献1参照)。
特開平11−193175号公報
しかしながら、半折りするために折りローラのニップに通されるのは一度だけである。したがって、シート束の厚みが厚かったり、シートの腰が強く剛性が大きい場合、一度だけのニップ通過ではシート束を完全に折りきれず、折りが甘くなって開いてしまうことがある。特に、折り処理を施した後のシート束の表紙となる最外のシート、及び外側から数枚の折りシートはその傾向が顕著である。
本発明の目的は、低コストの簡易な構成でシート束の折り品質を向上させるシート処理装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の代表的なシート処理装置は、搬送されてきたシートを収納するシート収納部と、 前記シート収納部に収納されたシートを折るシート折り手段と、を有し、前記シート折り手段は、前記シート収納部に収納されたシートに折り処理を行い、再び前記シート収納部に収納するとともに、シート束を形成する最後のシートが前記シート収納部に搬送された後、まとめてシート束に折り処理を施すことを特徴とする。
本発明のシート処理装置によれば、1枚ずつシートが搬送されるごとに予め折り目を付け、最後に複数枚重ねられたシート束として折りきって半折りなどするため、シート束の外側の表紙側や裏表紙側のシートの折りも甘くなく、高品位の折り処理を施すことが可能となる。また、シート束の束厚みに応じて折りローラ圧を大きくしたりする必要もない。
以下、本発明のシート処理装置および画像形成装置のそれぞれ好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置の具体例として複写機900の内部構造を示す。本例の複写機900は、原稿載置台としてのプラテンガラス906、光源907、レンズ系908、給紙部909および画像形成部902などで構成されている。給紙部909は、記録用のシート束Sを収納して装置本体900Aに着脱自在なカセット910、911およびペディスタル912に配置されたデッキ913を有する。画像形成部902は、円筒状の感光体ドラム914とその回りの現像器915、転写用帯電器916、分離帯電器917、クリーナ918および一次帯電器919などが備わっている。この画像形成部902の下流側には、搬送装置920、定着装置904および排出ローラ対905などが配置されている。
上記構成から、画像形成装置900は次のように作動する。
装置本体900に装備された制御装置150から給紙信号が出力されると、カセット910、911またはデッキ913からシートSが給送される。一方、原稿載置台906上に載置されている原稿Dに光源907から照射されて反射した光は、レンズ系908を介して感光ドラム914上に照射される。感光体ドラム914は、予め一次帯電器919によって帯電され、光の照射によって静電潜像が形成され、次いで現像器915によって静電潜像を現像してトナー像が形成される。給紙部909から給送されたシートSは、レジストローラ対901で斜行が補正され、さらにタイミングが合わされて画像形成部902へ送られる。
画像形成部902では、感光体ドラム914上のトナー像が、送られてきたシートSに転写用帯電器916によって転写される。トナー像が転写されたシートSは、分離帯電器917によって転写用帯電器916と逆極性に帯電され、感光体ドラム914から分離される。分離されたシートSは、搬送装置920により定着装置904に搬送されて、同定着装置904によってシートSに転写画像が永久定着される。画像が定着されたシートSは、排出ローラ905によって装置本体900Aから排出される。
(シート処理装置)
つぎに、上記画像形成装置900に装備された本実施形態のシート処理装置2について、図2乃至図9の各図を参照して説明する。
本実施形態のシート処理装置2は主にシート束折り装置として機能し、画像形成装置900から排出された画像形成済みのシートSの複数枚を束ねて綴じ、半折りなどして折り畳む処理の場合が示されている。
図2および図3に示すように、入口フラッパ3は入口側のソレノイド3dに接続され、このソレノイド3dの駆動によって製本モードまたはスタックモードへのパス(搬送路)切り替えを行う。排紙ガイド4の下流にはスタッカ排出ローラ5とスタッカ排出コロ6が対で配置されている。スタッカトレイ7はスタッカ排出ローラ5から排出されてきたシートを積載して収容する。
画像形成装置900側の操作パネル405(図12)を操作してユーザがスタックモードを選択すると、画像形成装置900側の排紙ローラ905から排出された画像形成済みのシートは入口フラッパ3によって排紙ガイドパス4に誘導される。排紙ガイドパス4を搬送されたシートはスタッカ排出ローラ5とスタッカ排出コロ6によって排出され、スタッカトレイ7上に積載して収容される。
また、製本モードが選択された場合、入口フラッパ3の切替によって画像形成装置900からの画像形成済みシートは、ガイド11,12で形成される処理搬送パスに誘導される。そのパス途中に第1搬送ローラ13と搬送コロ14が対向して配置されている。処理搬送パスの図でいう上位と下位にそれぞれ切替フラッパ15,16が配置され、ソレノイド15d,16dの駆動によって図中の一点鎖線と実線による2つの切替位置にパス切替が行われる。また、第2搬送ローラ17a,22aを有し、シートを搬送ローラ17a,22aに接触させる方向へ弾性部材17d,22dで付勢している。第2搬送ローラ17a,22aは第1搬送ローラ13から送られてきたシートを受け取ってさらに搬送し、シート先端が先端ストッパ23に達したことがシート検出センサ33で検出された時点で回転を停止するようになっている。
上記入口フラッパ3および関連する構成について追記する。揺動シャフト3aの周りで入口フラッパ3が揺動可能であり、その揺動シャフト3aの一端にリンク3bが結合されている。このリンク3bにばね部材3cが連結されて一方向へ入口フラッパ3を付勢している。また、リンク3bの一端は入口ソレノイド3dに接続され、入口ソレノイド3dのオン/オフで入口フラッパ3が上部に跳ね上がって製本モードに切り替えられる。オフ時はスタックモードになって、排紙ガイドパス4の方向にシートを案内する。
第1搬送ローラ13のローラシャフト13a上には搬送ローラプーリ13bが結合され、搬送ローラ17aのローラシャフト17bには搬送ローラプーリ17cが結合されている。また、搬送ローラ22aローラシャフト22bには搬送ローラプーリ22cが結合されている。搬送モータ51の回転出力シャフトは搬送モータプーリ52が結合されている。それら搬送モータプーリ52、搬送プーリ13bおよび搬送ローラプーリ17cの外周にタイミングベルト53が捲回されている。また、搬送ローラプーリ17c,22c間にはタイミングベルト54が捲回されている。搬送モータ51の回転出力は搬送モータプーリ52からタイミングベルト53に伝達され、搬送ローラプーリ13b、17cを回転させ、さらにタイミングベルト54を介して搬送ローラプーリ22cを回転させる。それにより、搬送ローラ13、17a、22aを回転させる。この場合、搬送ローラプーリ17c、22cが同期して回転するため、搬送ローラ17a,22aも同期して回転する。
また、切替フラッパ15,16を有し、それらの回転支軸15a、16a上にフラッパリンク15b,16bが結合され、それらリンク一端部はソレノイド15d,16dに連結されている。フラッパリンク15b,16bの他端部にはばね部材15c,16cが係止され、切替フラッパ15,16を図中実線の位置に保持している。ソレノイド15d,16dのオン/オフの駆動切替によってソレノイド鉄芯を吸引し、切替フラッパ15,16を一点鎖線の位置に切り替える。切替フラッパ15,16は本実施形態のシート処理装置2で処理されるシートサイズによって作動し、本装置内で積載整合されているシートが重ねられる順序が常に一定になるよう、つまり後から積載されるシートは常に束の左上方に重なるようになっている。
また、処理搬送パスの途中にはシートの所定枚数を束ねて針綴じするための後述のステイプルユニット18A,18Bが左右一対で配置されている。このステイプルユニット18の下流側には幅寄せ部材24a,24bが配置され、シートを両サイドから押えて整合する。先端ストッパ23は、パスガイド20,21からなるシート集積部(シート収納部:符号Aで示す)に搬入されてきたシートの1枚ずつの先端を受け止め、図2中矢印X1、X2方向への移動が可能である。この先端ストッパ23は2つの機能を担っている。機能の1つはステイプルユニット18で針打ちするときの位置決めであり、他の機能の1つは折り位置決めである。そうした先端ストッパ23上にシート束先端を検知する先端ストッパセンサ33が配設されている。
ステイプルユニット18と先端ストッパ23の間には、折りローラ26,27(シート折り手段)および突き出しユニット(突き出し手段)25からなる後述のシート折り機構が配置されている。当機構の主要部をなす一対の折りローラ26,27から送り出された折り処理済みのシート(または束)をスタック排出ローラ30とスタックコロ31とのニップ間に案内する排出ガイド28を有している。また、排出センサ29は、折りローラ26,27によって折られつつ搬送されるシートまたは束の先端と後端を検知する。スタッカトレイ32では排出ローラ30と排出コロ31によって排出されたシート束をほぼ水平の積載面に積載する。また、上記の突き出しユニット25としては、折り処理を行う前は処理搬送パスガイド12,21の外側に退避している。
図4は幅寄せ機構を示す。この幅寄せ部材24a,24bは搬送方向と直交する方向に互いに接離可能に配置され、シートやその束の搬送方向および水平方向の両サイドに垂直な壁面を有し、中央部にラック歯車部が形成され、ピニオンギア24cが噛合している。幅寄せ駆動モータ24dはステッピングモータを使用することができ、その回転出力シャフト上にピニオンギア24cが結合されている。幅寄せホームセンサ24eはフォトインタラプタなどの光学式センサを用いることができる。この幅寄せホームセンサ24cは幅寄せ部材24a,24bが整合し得る最大シート幅寸法よりも所定量だけ外側に待避した際、幅寄せ部材24aの一部に形成されたフラグを検知できる位置に配置されている。幅寄せ部材24a,24bは、幅寄せ駆動モータ24dから回転動力を受けて、上記先端ストッパ23に搬入されてきたシートやその束を整合する。
また、同じく図4においてストッパ駆動機構を示す。かかる先端ストッパ23には回転コロ23aが回転自在に取り付けられ、本体フレーム8に形成された溝部8aを摺動によって移動する。また、先端ストッパ23の両端にはラック23eが設けられ、このラック23eにピニオンギア23bが噛合している。ピニオンギア23bにはギアシャフト23cを介して駆動が伝えられる。そのギアシャフト23cの一端にストッパギア23dが結合されている。ストッパモータ61はステッピングモータを用いることができる。ストッパモータ61の回転出力シャフト上にはギア62が結合され、これがストッパギア23dと噛合している。また、先端ストッパ23の一部にフラグが形成され、ホームポジションまで達したときにストッパホームセンサ63で検出する。
ここで、図5〜図7を参照して、所定枚数が束ねられたシート束を半折りするのに備えて、上記シート折り機構によって予めシートに1枚ずつ折り目Fを付けるための構成および動作について説明する。
図5に示すように、上記の折りローラ26,27においては、一方の折りローラ26は回転ローラ26aが支軸26bを介して揺動アーム78の一端部に軸支されている。揺動アーム78はこの長手方向のほぼ中央部に設けた回動支点78aを中心に回動可能に装置フレーム8に軸支されている。すなわち、折りローラ26はこの回転軸線が揺動アーム78ごと移動する。他方の折りローラ27は位置不変の回転シャフト27bの軸周りで回転自在な回転ローラ27aを有している。したがって、位置固定された折りローラ27に対して折りローラ26は接離可能であり、揺動アーム78の一端に係止したばね部材79によって双方の回転ローラ26a,27aが互いに圧接する方向へ付勢されている。このような構造によって、ニップ部に通すシートの束の厚さに応じて折りローラ26,27の軸間距離が拡大縮小して自在に調整される。
図6および図7は、折りローラ26,27の回転機構を示す。折り駆動モータ64の回転出力シャフト64a上にモータプーリ65が結合されている。モータプーリ65からの回転動力はタイミングベルト66を介してアイドラギアプーリ67のプーリ部へと伝達される。アイドラギアプーリ67は同軸上にプーリ部とギア部が設けられている。折りローラ26,27のそれぞれ回転シャフト26a,27aには噛合するギア68,69が結合されている。一方のギア68の一端は上記アイドラギアプーリ67のギア部に噛合している。また、他方のギア69はアイドラギア77に噛合している。
折り駆動モータ64の回転動力はモータプーリ65からタイミングベルト66を介してアイドラギアプーリ67に伝達され、アイドラギアプーリ67の回転がギア26,27から折りギア69へと伝達され、折りローラ26,27が回転駆動する。同時に、ギア68に噛合するアイドラギア77にも回転動力が伝達され、そのアイドラギア77からスタック排出ローラ30に回転動力を伝達する。
また、同じく図6および図7には、突き出しユニット25の作動機構が示されている。機構は突き板25a、ホルダ25b,25dおよびシャフト25c,25eなどで構成されている。突き板25aはホルダ25b,25dに保持され、ホルダ25bにはシャフト25c,25eが結合されている。シャフト25c,25eの外周には、回転コロ(図示略)が回転自在に取り付けられている。その回転コロは、本体フレーム8に形成されている溝部8aの内部を摺動可能である。また、突き出し駆動モータ74の回転出力シャフト上にはモータプーリ74aが固定して結合され、アイドラギアプーリ75が同軸上にプーリ部とギア部が設けられている。そのアイドラギアプーリ75のプーリ部とモータプーリ74aとの間にはタイミングベルト70が捲回されている。アイドラギアプーリ75のギア部はギア73と噛合している。ギア73のギアシャフト73a上にはフラグ81a,81bが固定して結合され、それらフラグ81a,81bは一部に切欠部が形成されている。また、フラグ81a,81bの切欠部を検出する位置に突き出しホームセンサ82aと突き位置センサ82bが配置されている。突き出しホームセンサ82aは上記突き板25aがパスガイド21a,21bで構成されるシート搬送面より引き込んだ位置で検出できるように配置されている。突き位置センサ82bは突き板25aが突き切った位置で検出できるように配置されている。
また、ギアシャフト73a上でギア73の他端にはシャフト72aを介して回動板72が結合され、ギア73と同期して回転する。突き出し駆動モータ74から出力された回転動力はモータプーリ74aからタイミングベルト70を介してアイドラギアプーリ75に伝達される。このアイドラギアプーリ75が回転することによりギア73が回転し、シャフト72aが円運動する。このシャフト72aにはリンク71の一端が嵌合し、リンク71の他端は突き出しユニット25のシャフト25cに嵌合している。また、回動板72上のシャフト72aにも同様にリンク71の一端が嵌合し、リンク71の他端は突き出しユニット25のシャフト25cに嵌合している。これにより、回動板72の円運動はリンク71を介して突き出しユニット25のシャフト25cに伝達され、このシャフト25cが一緒に不図示の回転コロを介して嵌合しているフレーム溝部8aに沿って直線運動を行う。このようにして突き出しユニット25はその両端で駆動を受けて、図6の矢印方向に折りローラ26,27とは常に平行にスライド移動する。
また、図8および図9(a),(b)に示すように、回動板72のシャフト72aとは反対側の面にストッパシャフト72b,72cが設けられている。本体フレーム8上にはストッパ部材76が揺動シャフト76aを中心に揺動自在に配置され、引張ばね80でギアシャフト73aに向かって付勢されている。上記したように回動板72は回転し、その回転動作が直線運動に変換されて突き出しユニット25をスライド移動させる。その場合、回動板72が図9(a)中の矢印で示す時計廻り方向に回転すると、突き出しユニット25が突き切って突き位置センサ82bが検出位置に達する(図6の最左位置)。そのとき、ストッパシャフト72cとストッパ部材76が嵌合して、回動板72がそれ以上回転しないようになっている。このため、突き出しユニット25が突き切った位置で固定される。また、突き出しユニット25をホームポジションに戻す場合は、突き出し駆動モータ74を突き時とは反対方向に回転させることによって、ストッパ部材76とストッパシャフト72との嵌合を外す。そして、突き出しユニット25がホームポジションに戻り、ホームセンサ82aで検知された位置(図6の最右位置)で、図9(b)に示すように、ストッパシャフト72bとストッパ部材76とが嵌合し、回動板72はそれ以上回動することはない。
<シート折り目付け動作>
次に、以上の構成から、シート束の折り畳み処理に先立ち、所定枚数分のシートに予め1枚ずつ、たとえば搬送方向の中央に折り目Fを付ける動作について、図10(a)〜(d)を参照して説明する。
折りローラ26,27と突き出しユニット25が協働する上記シート折り機構が使用される。画像形成済みのシートSがシート集積部Aに搬入されてくる。ストッパ駆動機構によって先端ストッパ23を移動させて位置調整する。図10(a)に示すように、シート集積部A内に搬入されたシートSの中央に折り目Fを付けるべく、折り目位置が折りローラ26,27のニップ部と一致するよう、先端ストッパ23の位置が決められる。続いて、図10(b)に示すように、突き出しユニット25の突き板25aを前進させ、シート集積部A内で位置決めされているシートSの折り目位置を突く。突き板25aの前進または後退動作は専用の駆動モータ74の正回転駆動と逆回転駆動の切り替えによって行われる。
すなわち、突き板25aをシート集積部Aの内部に進入させ、シートSを折りローラ26,27間ニップ部に向けて突き出す。シートSは折りローラ26,27間に挟圧されて折り目Fが付けられ、そのまま所定距離シートSが折りローラ26,27の回転で搬送される。その後、図10(c)に示すように、突き板25aをホームポジションに後退させ、折りローラ26,27を逆回転させて折り目Fが付いたシートSを再びシート集積部A内に戻して収納する。折り目Fが付いたシートSは折り目を頂点として湾曲した状態でシート集積部A内に戻される。その湾曲により折り目付きシートSの両端部は折りローラ26,27側の搬送ガイドに当接する。続いてシート集積部Aに送られてくる後続のシートS1は、図10(d)に示すように、折りローラ26,27側の搬送ガイドに当接したシートSの端部と突き出しユニット25側の搬送ガイドとの間に搬入されてくる。図10(d)において折り目付きシートSの右側に重なるようにシート集積部Aに搬入されるのである。
なお、図2におけるシート集積部Aの傾きを逆にすれば、折り目付きシートSの湾曲だけでなく、重力によってもシート端部を折りローラ26,27側の搬送ガイドに当接させることができ、確実な後続シートの搬入が期待できる。
また、後続シートのシート集積部Aへ搬入した後、折り目付け処理が完了したシートをシート集積部Aへ戻すようにしても良い。この場合、後続シートが搬入される前に突き板25aだけ先にホームポジションに戻しておく必要がある。ただし、折りローラ26,27に挟持されたシートの端部がシート集積部Aへ突出しているとシート剛性により突き出しユニット25側の搬送ガイドに当接して後続シートの搬入を妨げる可能性がある。そのため、後続シートの搬入前にシート端部をシート集積部Aから退避させなければならず、折り目付きシートSをシート集積部Aに戻した後、後続シートが搬入されるのが好ましい。
この折り目F付け処理が、束折りされるシート束のシート枚数分、1枚ずつ繰り返される。最初に折り目付け処理されたシートSは束折りされるシート枚数分の回数、後続のシートと重ねられた状態で繰り返し折り目付けされ、搬送の順番が後のシートSほど折り目付け処理が施される回数は少なくなる。このようにすることで、シート束を構成するシート枚数が増えても、折り畳んだ後にシート束の表紙となるシートを始め、すべてのシートに充分な折り目が付いた状態となる。
本実施形態において折り目付け処理は、シートSがシート集積部Aに一枚ずつ搬入されるたびに実行されるが、シート束を構成するシートSの厚み、あるいは枚数の少なくとも一方に応じて複数枚ごとに折り目付け処理を行うようにしても良い。充分な折り目が付けられるのであれば、複数枚まとめて折り目付け処理したほうが処理時間の短縮につながる。
さらに、すべてのシートに折り目をつける必要はなく、例えば折りシート束の表紙となる最外のシート、及び外側から数枚のシートだけに折り目付け処理を施し、内側のシートは重ねて一度の折り処理するだけで充分な場合もある。外側から何枚に折り目付け処理をするかは、シート束を構成するシートの厚み、あるいは枚数の少なくとも一方に応じて決定すればよく、シートの厚みが小さい、あるいは枚数が少ない場合には一枚ずつ折り目付け処理をせずにまとめて一度の折り処理をしてもよい。処理時間を短縮したい場合には従来の一括折り処理、折り品位を追及したい場合には一枚ずつの折り目付け処理を、それぞれ選択できるようモード設定可能にしてもよい。
折り目Fを付けられてシート集積部Aに再収納されたシートSは幅寄せ機構24a,24bによって整合される。所定枚数に束ねられる最終のシートSが先端ストッパ23上のシート集積部Aに収納されると、ストッパ駆動機構によって先端ストッパ23を移動させ、各シートSの折り目Fが重なり合っているシート束に針綴じ処理(ステイプル処理)が施される位置まで、そのシート束を位置移動させる。
なお、図11は、ステイプルユニット18の構造を示し、前工程で1枚1枚折り目Fが付けられた所定枚数からなるシートSの束に対して、その折り目Fの位置に針綴じ処理を行う。このステイプルユニット18は左右対称位置に設けられた18A,18Bの2つからなり(図4参照)、本体の両側フレーム8,8に固定された支持板99上に取り付けられている。ステイプルユニット18は、回転シャフト18aを中心に揺動可能に支持された上側の針打ち込み部となるフォーミング101と、駆動ユニット100と、そして折り曲げ部となるアンピル部19などで構成されている。回転シャフト18aの下方にはシートSの束を案内するガイド部材102のガイド面102aと、案内されたシートSの束を針綴じするアンピル部19の綴じ面103とが互いに角度βを成して構成されている。その角度βを有するパス部102がガイドパス111に続いて設けられている。ガイドパス111は上記シート集積部Aに連結される搬送路である。そうしたガイドパス111には、ステイプルユニット18のフォーミング部101が揺動する際に干渉しないだけの大きさの切欠孔111aが形成されている。フォーミング部101には針カートリッジ104が着脱される。針カートリッジ104内には板状に連結された綴じ針105が複数本装填されている。針カートリッジ104に装填された板状の綴じ針105は、針カートリッジ104の最上側に設けられたばね部材106によって下方に押し下げられる方向へ付勢され、最下側に配置された送りローラ107に搬送力を付与する。送りローラ107によって送り出された針105は、フォーミング部101を回転シャフト18aの軸周りで揺動させることで1本ずつコ字状に形成される。ステイプルモータ108が起動すると、ギア列109を介して偏心カムギア110が回転する。これによって、偏心カムギア110と一体に取り付けられている偏心カムの作用により、フォーミング部101が矢印aに示す方向にアンピル部19側へ揺動して、クリンチ動作(針打ち込み動作)を行い、打ち込んだ針105をシート束下面のアンピル部19で折り曲げることによりシートSの束を針綴じする。偏心カムギア110と同軸上にいずれも図示しないが、フラッグが配設され、そのフラッグをステイプルセンサで検出することによって、ステイプルユニット18がクリンチ中であるか、それともクリンチを終了(または開始前)かを判断するようになっている。
<ステイプル処理シート束の一括折り動作>
以上のように、前工程で、シートSの1枚ごとに折り目Fが付けられ、そのシートSを所定枚数だけ束ねて折り目Fに針綴じ処理が施されたシート束に対して本折り処理が以下のように実行される。このシート束本折り動作がこの発明の主旨となるものであり、束折り後の体裁や見栄え向上を目的とした処理である。
上記ステイプル処理によって針綴じされたシート束は、シート集積部A内で再びストッパ機構による移動ストッパ23の移動で位置調整される。すなわち、移動ストッパ23に束先端部を突き当てて位置決めされ、折り目Fに針綴じされた針綴じ部が折りローラ26,27間ニップに適合するようにシート束が位置決めされて折り畳み処理に備える。
かくして、図8(a),(b)に示すように、シート集積部A内で位置決めされた針綴じ処理後のシートSの束に対して、突き板25aを前進させ、折りローラ26,27間ニップ部に向かってシート束中央部の針綴じ部を突く。なお、この本折り処理動作は、図12に示すブロック図に基づいて行われる。
シート処理装置2に備えられた束の厚み検知手段401、束数検知手段402などからなるセンサ部403、あるいは画像形成装置900側の操作パネル405などのデータ入力部406から情報が入力される。この入力情報により、画像形成装置900側の制御装置150が紙厚などのシート材質やシート枚数の少なくとも一方に応じて折り目付けの動作を実施するか否かを決定する。また、そうした入力情報によって先端ストッパ23上に積載された最初のシートから所定枚数にのみ折り目付け動作を実施するか、あるいは最初のシートのみ折り目つけ動作を実施するか、といった折り目付けの動作を行う枚数を判断する。その判断に基づいて、シート処理装置2のCPU407を介して折り駆動モータ64や突き出し駆動モータ74を駆動させるモータドライバ408を制御する。装置全体の制御を司る制御装置150は、CPU407を介してシート処理装置2の各処理部を制御するようになっているが、すべての機能を制御装置150に持たせ、制御装置150から直接、シート処理装置2の各処理部を制御するようにしてもよい。このような構成にすることで、オプションとしてのシート処理装置2の装着の有無に関わらず、制御装置150にその機能を集約することができるため、基板の共通化を図るとともに、基板を小型化することができる。
図8(a)は、シート束の針綴じ個所に突き板25を突き入れて折りきる様子を示す。図8(b)は突き板25aで突かれたシート束の中央部を折りローラ26,27の正回転によって挟持しつつ、規定位置まで搬送する様子を示す。本折り終了後、突き板25aはホームポジションに後退し、折りローラ26,27を逆回転に切り替え、本折りされたシート束はシート集積部A内に収納される。
以上から理解されるように、シートSの1枚ずつに折り目Fが付けられた所定枚数からなるシート束は、折り目Fを折り畳み処理することで折られるので、折り畳まれたシート束の両端が開かず見栄え良好なものとなる。すなわち、シート束の表側や裏側のシートSの折りが甘くなるといった従来の問題が解消され、高品位に折りが得られる。
また、重要な点であるが、従来のように最初の折りが甘くなるため、その最初の折り目に沿って折りローラを横方向へ移動させる駆動系も不要であるので、装置構造や制御が複雑化せず、また大型化することなく、コストの高騰を抑えることができる。加えて、シート束の束厚みに応じて折りローラによる二度の折り圧を高めるといった従来の制御の複雑さも解消され、常に一定の折りローラ圧力で可能になる大きな利点も得られる。圧量での
したがって、以上のように高品位の折り処理を終えたシート束は、図2および図3に示すように、排出ローラ30によってスタッカ32に排出される。
排出ローラ30の回転シャフト30aにプーリ30bが結合され、排出モータ91の回転出力シャフト上にプーリ92が結合されている。それらプーリ92およびプーリ30b間にタイミングベルト93が捲回され、排出モータ91の回転動力はプーリ92からタイミングベルト93を介してプーリ30bに伝達され、排出ローラ30を駆動する。排出モータ91としてステッピングモータを用いることができ、排出ローラ30の周速度を折りローラ26,27の周速度よりも速く大きくなるように設定されている。折りローラ26,27の搬送圧接力は排出ローラ30,31の搬送圧接力よりも高く設定してある。それにより、シート束Sが折りローラ26,27に挟持して搬送されているときには滑りを生じるが、折りローラ26,27を抜けると排出ローラ30,31の搬送力で搬送される。
スタッカ排出ローラ5のローラシャフト5a上にはプーリ98が固着されている。スタッカ排出モータ95の回転出力軸上にはプーリ96が固着されている。プーリ96とプーリ98にはタイミングベルト97が捲回されている。スタッカ排出モータ95の回転は、プーリ96からタイミングベルト97を介してプーリ98に伝達され、スタッカ排出ローラ5を駆動する。スタッカ排出モータ95はステッピングモータで構成され、スタッカ排出ローラ5の周速が排出ローラ905の周速よりも高く設定されている。排出ローラ905の搬送力は、スタッカ排出ローラ対5、6の搬送力よりも高く設定されているため、シートが排出ローラ対905に挟持搬送されている間はスタッカ排出ローラ5,6間で滑りを生じ、排出ローラ905を抜けると、スタッカ排出ローラ5,6の搬送力で搬送される。
以上、本実施形態のシート処理装置が示されたが、本発明の主旨を逸脱しない範囲内でその他の実施形態、応用例、変形例およびそれらの組み合わせも可能である。
たとえば、上記実施形態においては、シートSの1枚ごとに折り目Fを付けた後、所定枚数を束ねて再度本折りして折りきる形態が説明された。それに限定されず、表紙頁から複数枚のシートSに対してだけ折り目F付けしたり、本折りしたりするようCPU407(制御手段)で制御し、突き出しユニット25の突き板25aの作動、ならびに折りローラ26,27の正逆回転制御などを行うようプログラムすることも可能である。
本実施形態のシート処理装置が装備された画像形成装置の全体構成を示す図。 本実施形態のシート処理装置の構成を示す図。 同じく本実施形態のシート処理装置の構成を示す図。 幅寄せ機構、ストッパ駆動機構やステイプラなどを備えた本実施形態のシート処理装置を示す図。 本実施形態のシート処理装置における折りローラの構成を示す図。 折りローラや突き出しユニットを主部とする本実施形態のシート処理装置におけるシート折り機構を示す側面図。 同シート折り機構の平面図。 同図(a),(b)は、折り目を付けたシートの束を本折りして折りきる様子を示す図。 同図(a),(b)はシート折り機構における突き出しユニットの一部構造を示す図。 同図(a)〜(d)はシートを1枚ずつ折り目を付ける様子を順に示す動作図。 本実施形態のシート処理装置に装備されたステイプルユニットの一例を示す図。 折り目付け後のシート束に対して折り畳み処理して半折りなどする動作のシーケンス図。
符号の説明
2 シート処理装置
S シート
20,21(A )シート集積部(シート収納部)
23 先端ストッパ
25 突き出しユニット(突き出し手段)
25a 突き板
26,27 折りローラ
900 複写機(画像形成装置)
F 折り目

Claims (10)

  1. 搬送されてきたシートを収納するシート収納部と、
    前記シート収納部に収納されたシートを折るシート折り手段と、
    を有し、
    前記シート折り手段は、前記シート収納部に収納されたシートに折り処理を行い、再び前記シート収納部に収納するとともに、シート束を形成する最後のシートが前記シート収納部に搬送された後、まとめてシート束に折り処理を施すことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記シート折り手段は、シートを搬送しながら折り畳み、逆搬送して前記シート収納部に戻す折りローラ対と、前記折りローラ対に向かってシートを突き押しする突き出し部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記シート折り手段は、前記シート収納部にシートが一枚ずつ収納されるごとに折り処理を行い、再び前記シート収納部に収納することを特徴とする請求項1または2に記載のシート処理装置。
  4. 前記シート折り手段は、前記シート収納部にシートが複数枚収納されるごとに折り処理を行い、再び前記シート収納部に収納することを特徴とする請求項1または2に記載のシート処理装置。
  5. 前記シート収納部は、前記シート折り手段によって折り処理を施された後のシート束の外側になるシートから順に収納し、
    前記シート折り手段は、前記シート収納部に搬送された最初のシートから所定枚数にのみ折り処理と前記シート収納部への再収納を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  6. 前記所定枚数はシート束を形成するシートの材質、及び枚数のうち少なくとも一方によって決定されることを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
  7. 前記シート折り手段は、前記シート収納部に最後のシートが搬送されるまで、折り処理と前記シート収納部への再収納を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  8. 前記シート折り手段により折られたシートは、次のシートが前記シート収納部に搬送される前に前記シート収納部に再収納されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  9. 前記シート収納部に最後のシートが搬送された後、前記シート収納部に収納されたシートを綴じる綴じ手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  10. 画像形成部によって画像形成されたシートに処理を施す前記請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008189452A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Konica Minolta Business Technologies Inc 用紙後処理装置
JP2011184112A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Elemex Corp 用紙折り装置
JP2013173600A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Ricoh Co Ltd シート折り装置、及び画像形成システム

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