JP2007154765A - 流体フィルタ及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本流体フィルタ1は、流入路13、流出路10及びドレン路14が形成されたケース2と、ケースに軸心回りの回転により結合されるキャップ3と、ケース及びキャップからなるケーシング4内に収容されるフィルタエレメント5をケース側に向って付勢する付勢手段(コイルバネ17)と、ケースに対してキャップを締め方向に回転させるときに、フィルタエレメントの締め方向の回転を規制する回転規制手段(当接部17及び突起部28)と、フィルタエレメントの軸端面側に設けられ、且つ、フィルタエレメントが付勢手段により付勢され且つ回転規制手段により回転規制された状態でドレン路を閉鎖するシール部材25と、を備える。
【選択図】 図2
Description
また、上記特許文献2には、エレメント8を保持する樹脂製のケース51の底面の溝部に2つのOリング53,54を設け、これらのOリング53,54を、ベース2に形成されたバイパス油路6(ドレン路)を囲むようにベース2に圧接・離反させてバイパス油路6を開閉するものが開示されている(特許文献2の図3等参照;実施例2)。
さらに、上記特許文献2には、エレメント8を保持する樹脂製のケース31の底面にチェックバルブ39を設け、このチェックバルブ39をベース2に形成されたバイパス油路26(ドレン路)に圧接・離反させてバイパス油路6を開閉するものが開示されている(特許文献2の図4及び5等参照;実施例3)。
また、上記特許文献2の実施例2及3では、シール部材(Oリング53,54及びチェックバルブ39)をベース2の表面に圧接させてドレン路をシールしているが、ベース2にキャップ1を締め付ける際に、キャップ1と共にエレメント4が連れ回りしてシール部材がケースの表面に摺動されることとなり、シール部材の摩耗によって、通常使用時にドレン路の長期間にわたるシール性を確保できない恐れがあった。
さらに、上記特許文献2の実施例1〜3では、エレメント側に突起12、Oリング53,54、チェックバルブ39を設けるために、エレメントを保持するケース11,51,31を設ける必要があった。
1.流入路、流出路及びドレン路が形成されたケースと、
前記ケースに軸心回りの回転により結合されるキャップと、
前記ケース及び前記キャップからなるケーシング内に収容されるフィルタエレメントを前記ケース側に向って付勢する付勢手段と、
前記ケースに対して前記キャップを締め方向に回転させるときに、該フィルタエレメントの締め方向の回転を規制する回転規制手段と、
前記フィルタエレメントの軸端面側に設けられ、且つ、前記フィルタエレメントが前記付勢手段により付勢され且つ前記回転規制手段により回転規制された状態で前記ドレン路を閉鎖するシール部材と、を備えることを特徴とする流体フィルタ。
2.前記回転規制手段は、前記シール部材に設けられた当接部と、前記ケース内の前記ドレン路の開口の周囲側に設けられ且つ前記フィルタエレメントの締め方向の回転によって前記当接部が当接する突起部とからなる上記1.記載の流体フィルタ。
3.前記シール部材は、弾性材料からなり、前記ケース内の前記流出路の外周側に設けられた環状面に圧接する平板環状の第1シール部と、該第1シール部の外周側から遠心方向に延び且つ前記ドレン路の開口を塞ぎ得る平板状の第2シール部と、を有する上記1.又は2.に記載の流体フィルタ。
4.前記シール部材は、前記第1シール部の表面から軸方向に延び且つ前記ケース内の保護筒部の外周面に圧接する筒状の第3シール部を更に有する上記3.記載の流体フィルタ。
5.前記第3シール部の外周面側には、前記フィルタエレメントの中心孔に設けられた被係止部に係止する係止部が設けられている上記4.記載の流体フィルタ。
6.前記キャップ内に軸心方向に移動自在に支持され且つ前記付勢手段により前記ケース側に向って付勢される支持体を更に備え、該支持体には、前記フィルタエレメントの中心孔が挿入支持されている上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
7.前記ケーシングは、上方が開放された有底筒状の前記ケースと、該ケースの上側に配設される下方が開放された有底筒状の前記キャップとからなる上記1.乃至6.のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
8.上記1.乃至7.のいずれか一項に記載の流体フィルタの使用方法であって、
前記ケースに対して前記キャップを締め方向に回転させる際に、前記フィルタエレメントが、前記付勢手段により前記ケース側に付勢されると共に前記回転規制手段によりその締め方向への回転が規制されて、前記シール部材で前記ドレン路が閉鎖され、前記ケースに対して前記キャップを緩め方向に回転させる際に、前記付勢手段による前記フィルタエメントの付勢が解除又はその付勢力が減少され、前記フィルタエレメントが緩め方向に回転されて、前記シール部材による前記ドレン路の閉鎖が解除されることを特徴とする流体フィルタの使用方法。
また、前記回転規制手段が、当接部と、突起部とからなる場合は、フィルタエレメントを所定の回転規制位置に正確に位置決めでき、シール部材でドレン路をより確実に閉鎖できると共に、回転規制手段をより簡易且つ安価な構造とすることができる。
また、前記シール部材が、弾性材料からなり、第1シール部と第2シール部とを有する場合は、第1シール部によってケース内の流出路の外周側の環状面がシールされ、第2シール部によってドレン路の開口がシールされる。これにより、1つのシール部材によって、流入路及び流出路の間をシールできると共にドレン路をシールできる。
また、前記シール部材が、第3シール部を更に有する場合は、第3シール部によってケース内の保護筒部の外周面がシールされ、流入路及び流出路の間をより確実にシールできる。
また、前記第3シール部の外周面側に係止部が設けられている場合は、フィルタエレメントの中心孔に設けられた被係止部に係止部を係止させることによって、フィルタエレメント及びシール部材を容易に一体化できる。
また、支持体を更に備え、該支持体には、前記フィルタエレメントの中心孔が挿入支持されている場合は、エレメント交換の作業性を更に向上させることができる。
また、前記ケーシングが、上方が開放された有底筒状の前記ケースと、下方が開放された有底筒状の前記キャップとからなる場合は、上向き縦型のケーシングの流体ドレンを好適に行うことができる。
本実施形態に係る流体フィルタは、以下に述べるケース、キャップ、付勢手段、シール部材及び回転規制手段を備えている。この流体フィルタは、例えば、後述する支持体を更に備えることができる。
上記ケースの底部には、例えば、流入路が形成され、ケースの底部より厚肉となる厚肉突出部にドレン路が形成され、ドレン路の開口が流入路の開口より高い位置となっており、上記ドレン路及び流入路が平面から見て同一の円周上に配設されていることができる。これにより、ケースを小型化できる。
上記キャップ及び上記ケースの係脱機構としては、例えば、(1)互いに螺合可能な雄雌ネジ部からなる螺着機構、(2)互いに係脱可能な溝部と凸部とからなるバヨネット機構等を挙げることができる。
上記シール部材は、例えば、上記ケースに対してキャップを緩め方向に回転させるときに、上記付勢手段によるフィルタエメントの付勢が解除又はその付勢力が減少された状態でドレン路の閉鎖を解除することができる。
本実施例に係る流体フィルタの使用方法は、上述の流体フィルタの使用方法であって、前記ケースに対して前記キャップを締め方向に回転させる際に、前記フィルタエレメントが、前記付勢手段により前記ケース側に付勢されると共に前記回転規制手段によりその締め方向への回転が規制されて、前記シール部材で前記ドレン路が閉鎖され、前記ケースに対して前記キャップを緩め方向に回転させる際に、前記付勢手段による前記フィルタエメントの付勢が解除又はその付勢力が減少され、前記フィルタエレメントが緩め方向に回転されて、前記シール部材による前記ドレン路の閉鎖が解除されることを特徴とする。
尚、本実施例では、本発明に係る「流体フィルタ」として、内燃機関のオイルフィルタを例示する。
本実施例に係るオイルフィルタ1は、図1に示すように、内燃機関のシリンダブロック(図示せず)に装着される上方を開放してなる有底筒状のケース2と、このケース2に軸心回りの回転により螺合される下方を開放してなる有底筒状のキャップ3と、を備えている。これらケース2及びキャップ3からなるケーシング4内には、濾紙を菊花状に折り曲げ形成してなるフィルタエレメント5(以下、単に「エレメント」とも記載する。)が収容される。
尚、上記ケース2の流入路13に逆止弁を設けて、内燃機関の運転停止時等におけるオイルの逆流を防止するようにしてもよい。
なお、本実施例では、一方の軸端側のシール層22は、後述するシール部材の取付け用の部位として機能する。
ここで、上記当接部27及び突起部28によって、本発明に係る「回転規制手段」が構成されていると言える。
次に、上記構成のオイルフィルタ1の作用について説明する。
先ず、キャップ3のプロテクタ20にエレメント5を挿入支持し、エレメント5のシール部材25をケース2側に対向させた状態で、ケース2に対してキャップ3を締め方向P1に回転させる(図6参照)。すると、キャップ3と共にエレメント5が締め方向P1に回転され、その回転が進むと、圧縮されるコイルバネ17によりエレメント5がケース2側に付勢される。その後、さらに回転が進むと、シール部材25に設けた当接部27がケース2の突起部28に当接して、エレメント5が回転規制されて回転規制位置Cに位置決めされ、シール部材25の第1シール部25aによりケース2の環状面12aがシールされ、第2シール部25bによりドレン路14の開口がシールされ、更に第3シール部25cによりケース2の保護筒部11の外周面がシールされることとなる。
本実施例のオイルフィルタ1では、ケース2に対してキャップ3を締め方向P1に回転させる際に、エレメント5の締め方向P1の回転を規制して、エレメント5を回転規制位置Cに位置決めし、シール部材25の第2シール部25bでドレン路14を閉鎖するようにしたので、シール部材25のケース2表面に対する摺動を殆どなくしてシール部材25の摩耗を抑制でき、従来のように、シール部材をケースの表面に長時間にわたって摺動させてドレン路をシールするもの(上記特許文献2の実施例2及3等)に比べて、通常使用時に長期間にわたってドレン路14のシール性を確保できる。
また、本実施例では、フィルタエレメント5にシール部材25を一体的に設けるようにしたので、エレメント交換時にシール部材25の交換し忘れを防止できる。また、フィルタエレメント5及びシール部材25を同時に廃棄できる。
また、本実施例では、第3シール部25cの外周側に、エレメント5のシール層22に嵌合する凸部25dを設けるようにしたので、エレメント5及びシール部材25を容易に一体化できる。
また、本実施例では、ドレン路14及び流入路13を、ドレン路14の開口が流入路13の開口より高い位置となるように、平面から見て同一の円周上に配設するようにしたので、ケース2の小型化を図ることができる。
また、上記実施例では、第1シール部25a、第2シール部25b及び第3シール部25cからなるシール部材25を例示したが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、第1シール部25a及び第2シール部25bからなるシール部材25’を設けたり、図9に示すように、第2シール部25bのみからなるシール部材25"を設けたりしてもよい。
さらに、上記実施例では、フィルタエレメント5の軸端面側に当接部27を設け、ケース2の底部2bの表面側に突起部28を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、フィルタエレメント5の外周面側に当接部27を設け、ケース2の筒部2aの内周側に突起部28を設けるようにしてもよい。
Claims (8)
- 流入路、流出路及びドレン路が形成されたケースと、
前記ケースに軸心回りの回転により結合されるキャップと、
前記ケース及び前記キャップからなるケーシング内に収容されるフィルタエレメントを前記ケース側に向って付勢する付勢手段と、
前記ケースに対して前記キャップを締め方向に回転させるときに、該フィルタエレメントの締め方向の回転を規制する回転規制手段と、
前記フィルタエレメントの軸端面側に設けられ、且つ、前記フィルタエレメントが前記付勢手段により付勢され且つ前記回転規制手段により回転規制された状態で前記ドレン路を閉鎖するシール部材と、を備えることを特徴とする流体フィルタ。 - 前記回転規制手段は、前記シール部材に設けられた当接部と、前記ケース内の前記ドレン路の開口の周囲側に設けられ且つ前記フィルタエレメントの締め方向の回転によって前記当接部が当接する突起部とからなる請求項1記載の流体フィルタ。
- 前記シール部材は、弾性材料からなり、前記ケース内の前記流出路の外周側に設けられた環状面に圧接する平板環状の第1シール部と、該第1シール部の外周側から遠心方向に延び且つ前記ドレン路の開口を塞ぎ得る平板状の第2シール部と、を有する請求項1又は2に記載の流体フィルタ。
- 前記シール部材は、前記第1シール部の表面から軸方向に延び且つ前記ケース内の保護筒部の外周面に圧接する筒状の第3シール部を更に有する請求項3記載の流体フィルタ。
- 前記第3シール部の外周面側には、前記フィルタエレメントの中心孔に設けられた被係止部に係止する係止部が設けられている請求項4記載の流体フィルタ。
- 前記キャップ内に軸心方向に移動自在に支持され且つ前記付勢手段により前記ケース側に向って付勢される支持体を更に備え、該支持体には、前記フィルタエレメントの中心孔が挿入支持されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
- 前記ケーシングは、上方が開放された有底筒状の前記ケースと、該ケースの上側に配設される下方が開放された有底筒状の前記キャップとからなる請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流体フィルタ。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の流体フィルタの使用方法であって、
前記ケースに対して前記キャップを締め方向に回転させる際に、前記フィルタエレメントが、前記付勢手段により前記ケース側に付勢されると共に前記回転規制手段によりその締め方向への回転が規制されて、前記シール部材で前記ドレン路が閉鎖され、前記ケースに対して前記キャップを緩め方向に回転させる際に、前記付勢手段による前記フィルタエメントの付勢が解除又はその付勢力が減少され、前記フィルタエレメントが緩め方向に回転されて、前記シール部材による前記ドレン路の閉鎖が解除されることを特徴とする流体フィルタの使用方法。
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