JP4189241B2 - 燃料フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等に装着される燃料フィルタに関し、特に、上端開口を蓋部材で閉塞された有底ケース内に収容されるフィルタエレメントを交換可能な燃料フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車用内燃機関の燃料浄化装置として、燃料フィルタが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
図4は燃料フィルタの中心縦断面図であり、図4(a)は燃料を濾過中の状態を、また図4(b)は、濾過に供した使用済みフィルタエレメント141を取り外した状態を示している。図示のように、この燃料フィルタ111は、有底ケース121内にその上端開口からフィルタエレメント141を収容し、前記上端開口を蓋部材131で閉塞し、この蓋部材131および前記フィルタエレメント141のそれぞれを液密に貫通する取り付けボルト151を前記ケース底部125の雌ネジ部173bに締結することによって組み立てられている。そして、かかる組立後、前記内燃機関等に前記入口孔123a等が接続されて、液状の燃料中の金属粉やカーボン等のダストを捕捉して濾過するようになっている。
【0003】
この燃料の入口孔123aは前記ケース121に設けられており、これによって、未濾過燃料は、先ずケース121内壁とフィルタエレメント141との間の空間121aに導入される。また、出口孔126は前記雌ネジ部173bによって形成されているとともに、この雌ネジ部173bに締結固定される前記取り付けボルト151の内部には、フィルタエレメント141の内部を前記出口孔126に連通する油路151aが形成されている。従って、ケース121内に導入された前記未濾過燃料は、図4(a)中の破線矢印で示すように、フィルタエレメント141の内部を通過して濾過された後、当該内部にある取り付けボルト151の前記油路151aに達して出口孔126から導出されるようになっている。
【0004】
尚、この濾過に供するフィルタエレメント141は消耗品のため定期交換されるが、その際には、下記手順を経て、図4(b)に示すようにケース121から取り外される。先ず、取り付けボルト151を緩めて前記雌ネジ部173bから取り外し、次いでケース121から蓋部材131およびフィルタエレメント141を取り外す。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−219011号公報(第1頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記雌ネジ部173bから取り付けボルト151を取り外した際には、フィルタエレメント141とケース121内壁との間の空間である一次側空間121aが出口孔126に連通して、当該一次側空間121aに滞留する未濾過燃料が、図4(b)中の破線矢印で示すように雌ネジ部173bを経て出口孔126から出てしまう。そして、これにより未濾過燃料が供給先へと漏出し、供給先の燃料を汚染してしまう虞があった。
【0007】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、取り付けボルトの取り外しに伴って生じる虞のある、フィルタエレメントとケース内壁との間の空間に滞留する未濾過燃料の出口孔からの漏出を確実に食い止めることができる燃料フィルタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、有底ケース内にその上端開口よりフィルタエレメントを前記ケース内壁から離間させて収容し、前記上端開口を蓋部材で閉塞し、該蓋部材および前記フィルタエレメントのそれぞれを液密に貫通する取り付けボルトを前記ケース底部の雌ネジ部に締結することによって組み立てられ、燃料の入口孔が前記ケースまたは蓋部材の少なくともいずれかに設けられる一方、燃料の出口孔が前記雌ネジ部によって形成され、前記取り付けボルトの内部に、フィルタエレメントの内部と前記出口孔とを連通する油路が形成された燃料フィルタにおいて、
前記出口孔には、前記取り付けボルトの締結固定時に該取り付けボルト先端に係合して開弁するとともに、前記取り付けボルトの取り外し時には前記係合が解かれて閉弁するバルブが設けられ、
前記出口孔は、前記雌ネジ部が形成された略鉛直孔と、該鉛直孔の下流側に連続する略水平孔とを備えた略L字状孔であり、前記バルブは、前記鉛直孔に沿って摺動自在かつ液密に嵌合する弁体と、該弁体を、前記取り付けボルトの先端面に付き合わせる方向に付勢するバネ部材とを備え、前記弁体の内部には、該弁体の摺動面と、前記突き合わせられる端面とを連通する連通油路を有し、前記締結固定時に該取り付けボルトによって下流側に押し込まれた弁体は、その摺動面の連通油路を水平孔に臨ませるとともに、前記取り外し時に前記押し込みが解かれた弁体は、その摺動面の連通油路を鉛直孔内に埋没させることを特徴とする燃料フィルタ。
【0009】
上記発明によれば、フィルタエレメントをケースから取り外す際には、必ず始めに取り付けボルトを雌ネジ部から取り外す手順を踏むが、この取り外しによって取り付けボルト先端との係合が解かれて前記出口孔のバルブは閉まる。よって、取り付けボルトを雌ネジ部から取り外しても、前記フィルタエレメントとケース内壁との間の空間である一次側空間に滞留する未濾過燃料が、出口孔から漏出することは食い止められる。従って、未濾過燃料の供給先への漏出による当該供給先の燃料の汚染を確実に防ぐことができる。
しかも、上記発明によれば、燃料フィルタの使用中には、取り付けボルトは前記鉛直孔の雌ネジ部に締結固定されている。この時、当該取り付けボルトによって前記弁体は鉛直孔を下流側に押し込まれ、弁体の摺動面の連通油路は水平孔に臨んでいる。よって、この連通油路を介して水平孔と鉛直孔とは連通しており、もって出口孔の前記バルブは開いている。従って、フィルタエレメントの内部の濾過済み燃料は、取り付けボルトの油路を通って出口孔から導出される。一方、フィルタエレメントの取り外しの際に前記雌ネジ部からの取り付けボルトが取り外されると、この取り外しに伴って前記押し込みが解かれた弁体は、バネ部材の付勢力によって上流側に移動して鉛直孔内に埋没する。この時、弁体の摺動面の連通油路も鉛直孔に埋没するため、水平孔と鉛直孔とは遮断されて出口孔の前記バルブは閉まる。従って、取り付けボルトを出口孔たる雌ネジ部から取り外しても、前記フィルタエレメントとケース内壁との間の空間である一次側空間に滞留する未濾過燃料が、出口孔から漏出することはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図3は、本発明の一実施形態の燃料フィルタ11の中心縦断面図であり、図1は取り付けボルトとしてのセンターボルト51の締結固定時の状態を、また図2および図3は、センターボルト51を取り外す状態を示している。尚、これら図については、バルブ71のスプール75だけは一部破断した側面視で示している。また、同図中、矢印で上下方向を示している。
【0013】
===燃料フィルタの概略構成===
先ず、本実施形態の燃料フィルタ11を概略説明する。
図1に示すように、この燃料フィルタ11は、有底ケース21内にその上端開口よりフィルタエレメント41を前記ケース21内壁から離間させて収容し、前記上端開口を蓋部材としてのキャップ31で閉塞し、このキャップ31および前記フィルタエレメント41のそれぞれを液密に貫通するセンターボルト51を前記ケース底部25の雌ネジ部としてのスリーブ73に締結することによって組み立てられている。
【0014】
燃料の入口孔23aは前記ケース21に設けられており、これによって未濾過燃料は、図1中の破線矢印で示すように、ケース21内壁とフィルタエレメント41との間の一次側空間21aに導入される。また、燃料の出口孔26は前記スリーブ73を用いて形成されているとともに、前記センターボルト51の内部には、フィルタエレメント41の内部を前記スリーブ73の内周側空間に連通する油路51aが形成されている。従って、ケース内空間21aに導入された前記未濾過燃料は、フィルタエレメント41の内部を通過して濾過された後、前記内部にあるセンターボルト51の前記油路51aに達しスリーブ73を経て出口孔26から導出されるようになっている。
【0015】
ここで、本発明にあっては、前記出口孔26のスリーブ73には、この出口孔26を開閉するバルブ71が設けられている。そして、図1に示すようにセンターボルト51がスリーブ73に締結固定されている場合には、このバルブ71はセンターボルト51の先端面51cに係合して開弁する一方で、図2および図3に示すようにセンターボルト51がスリーブ73から取り外される場合には、前記係合が解かれて閉弁するように構成されている。
【0016】
従って、図1に示す燃料フィルタ11の使用中には、締結固定されたセンターボルト51によって前記バルブ71は開けられており濾過済み燃料を出口孔26から導出する。また、図2および図3に示すフィルタエレメント41の取り外し時には、前記スリーブ73からのセンターボルト51の取り外しに伴って前記バルブ71は閉弁し出口孔26は閉じられる。このため、図3に示すようにセンターボルト51をスリーブ73たる出口孔26から完全に取り外しても、前記フィルタエレメント41とケース21内壁との間の空間21aである一次側空間に滞留する未濾過燃料が出口孔26から漏出することは食い止められ、もって供給先の燃料の汚染を確実に防止することができる。
【0017】
===燃料フィルタの構成要素===
次に、燃料フィルタの各構成要素を詳細説明する。
(A)ケース
図1に示すように、ケース21は略有底円筒体であり、その筒軸を略鉛直にした状態で使用される。このケース21の筒部23上部には、燃料の入口孔23aが形成されており、ここから未濾過燃料がケース21内に導入される。また、ケース21の底部25の略中心には濾過済み燃料の出口孔26が形成されている。この出口孔26は略L字形状の流路の孔であり、すなわち略鉛直孔26aと、その下流側に連続する略水平孔26bとから構成されている。このうちの鉛直孔26aの内周には、前記センターボルト51の螺着用の雌ネジ部73bを有するスリーブ73が螺着されている。よって、このセンターボルト51の内部の前記油路51aを介して、フィルタエレメント41内部の濾過済み燃料を出口孔26から導出可能となっている。尚、このスリーブ73は、前記出口孔26の一部としてだけでなく、前記バルブ71の弁座としても機能する。このため、その内周には、バルブ71の弁体としてのスプール75が上下方向に摺動自在に嵌合していて、これにより出口孔26を開閉可能となっている。このバルブ71の構成については後述する。
【0018】
(B)キャップ
キャップ31は、前記ケース21の筒部23の上端開口とほぼ同じ平面外形の円板部材である。このキャップ31の裏面には、その周縁に沿って環状凸部33が形成されており、この環状凸部33の下面に、前記ケース筒部23の上端開口の端面が当接されて当該上端開口を閉塞するようになっている。尚、これら当接される面の間には、前記上端開口を液密に閉塞するためのシールリング37が介装されている。
【0019】
このキャップ31の円心部分には、前記センターボルト51の通し孔31aが設けられている。そして、前記ケース21に当接されたキャップ31は、当該センターボルト51の頭部51dが前記通し孔31aの周囲部分に係合されるとともに、先端部51bの雄ネジ部が前記ケース底部25の前記スリーブ73に締結固定されることによって前記ケース21に装着されている。尚、前記通し孔31aの内周面には、センターボルト51との隙間からの燃料漏れを防止するシールリング(不図示)が設けられており、これによってキャップ31はセンターボルト51に液密に支持されている。
【0020】
(C)フィルタエレメント
フィルタエレメント41は略円筒形状の外観を呈し、その外周面を前記ケース21内壁から離間させつつケース21内に収容されている。そして、前記ケース21内壁とフィルタエレメント41外周面との間の一次側空間21aに滞留する未濾過燃料を、当該外周面から内側へと径方向に通過させることにより、燃料中の金属粉やカーボン等のダストを捕捉して濾過する。
【0021】
このフィルタエレメント41は、その主な構成部品として、多数の燃料通過孔(不図示)が形成された略円筒形状のフレーム43と、このフレーム43の筒軸方向の両端のそれぞれに一体的に同軸に固定された上下一対の円形形状のエンドプレート45a,45bと、前記フレーム43の全外周を覆って配される、ひだ折り状の濾紙からなるエレメント本体47とを備えている。尚、これらの構成部品は一体的になっており、フィルタエレメント41の交換は、当該フィルタエレメント41単位で行われる。
【0022】
前記上下一対のエンドプレート45a,45bの円心部分には、それぞれにセンターボルト51の通し孔44a,44bが形成されている。また、この通し孔44a,44bの周囲部分には、ゴム等の弾性素材からなる円環形状のシール板46a,46bが同心に貼着されている。このシール板46a,46bは、通し孔44a,44bとセンターボルト51との隙間からの燃料漏れを防ぐものであり、これによってフィルタエレメント41はセンターボルト51に液密に支持されている。
【0023】
尚、このうちの上側のシール板46aとキャップ31裏面との間にはコイルバネ61が介装されており、このフィルタエレメント41は、所定の押し力にて底部25側に押し付けられている。そしてこれにより下側のシール板46bは、前記底部25の出口孔26の前記スリーブ73の上端面に液密に当接している。
【0024】
(D)センターボルト
センターボルト51は、前述したようにキャップ31とフィルタエレメント41とを支持してケース21に組み付けるためのものである。但し、このセンターボルト51の内部には、その軸芯に沿って前記油路51aが形成されている。この油路51aは、センターボルト51の外周面と先端面51cとを連通するものであり、この油路51aによって、前記フィルタエレメント41の内部は前記出口孔26のスリーブ73の内周側空間に連通している。そして、これにより、後述するバルブ71が開いた際に、フィルタエレメント41の内部の濾過済み燃料を出口孔26から導出可能となっている。
【0025】
(E)バルブ
バルブ71は、前記鉛直孔26aの内周面に螺着する弁座としての前記スリーブ73と、このスリーブ73の内周面に沿って上下方向に摺動自在かつ液密に嵌合する弁体としてのスプール75と、このスプール75をセンターボルト51の先端面51cに付き合わせる方向たる上方に付勢するバネ部材としてのコイルバネ77とから主に構成される。
【0026】
前記スリーブ73は略円筒体であり、その外周面の雄ネジ部73aが前記鉛直孔26aの内周面の雌ネジ部に締結固定されている。また、同スリーブ73の内周面には、その下部の一部を残して雌ネジ部73bが形成されており、この雌ネジ部73bに前記センターボルト51の先端部51bが締結固定される。尚、このセンターボルト51のスリーブ73に対する締結力よりも、スリーブ73の鉛直孔26aに対する締結力の方が充分大きく設定されている。このため、前記センターボルト51のスリーブ73への締結固定またはその取り外しに伴って、スリーブ73が鉛直孔26bから脱落することはない。
前記スリーブ73における内周面下部の雌ネジ部未形成部分は、滑面部となっており、ここには前記スプール75が上下に摺動自在かつ液密に嵌合している。
【0027】
前記スプール75は有底円筒体であり、その底部には、径方向外方に環状に張り出した鍔部75aを有している。この鍔部75aは、スリーブ73内におけるスプール75の上限位置を規制する規制部材である。すなわち、スプール75は、前記コイルバネ77によって上方に付勢されているが、この鍔部75aがスリーブ73の下端面に当接することによってスプール75は上限位置よりも下方である下流側への移動のみが許容されている。尚、このスプール75の下方への移動は、センターボルト51のスリーブ73へのねじ込みによってなされる。
すなわち、図2に示すようにねじ込み量が所定値以上に達すると、センターボルト51の先端面51cがスプール75の上端面に当接し、これ以降は、センターボルト51のスリーブ73へのねじ込み量に応じてスプール75は前記上限位置から下方へと押し込まれて移動する。そして、図1に示すセンターボルト51の締結固定状態において下限位置に達する。尚、この下限位置においても前記スプール75の上部はスリーブ73内に嵌合しており、よってセンターボルト51のねじ込みが緩められれば、当該スプール75は滑らかに前記上限位置へと復帰する。
【0028】
このスプール75の筒部75bには貫通孔75cが形成されており、この貫通孔75cは、スリーブ73の内周側空間たるスプール75の内周側空間を介して、前記センターボルト71の油路51aと連通している。そして、図1に示すセンターボルト51の前記締結固定状態において、下限位置までスプール75が押し込まれると、前記貫通孔75cは、スリーブ73の下端面から下方に突出して前記水平孔26bに臨むようになっている。よって、この貫通孔75cを介して水平孔26bとスリーブ73の内周側空間とは連通し、つまりバルブ71は開いた状態となる。一方、図2に示すようにセンターボルト51がスリーブ73から緩められてそのねじ込み量が少なくなると、これに伴ってスプール75は前記上限位置へと移動する。そして当該上限位置においては、この貫通孔75cはスリーブ73内に埋没するため、水平孔26bとスリーブ73の内周側空間とは遮断されてバルブ71は閉じる。
【0029】
前記コイルバネ77は、図1に示すように、前記スプール75の底部と、前記鉛直孔26aの底面26cとの間に介装されている。この底面26cからは、このコイルバネ77の円心に位置させて円柱部26dが突出形成されており、これによってコイルバネ77の設置位置を安定化させている。
【0030】
===バルブの開閉動作===
ここで、図1乃至図3を参照しながら、燃料フィルタ11からフィルタエレメント41を取り外す際のバルブ71の開閉動作について説明する。
図1に示す燃料フィルタ11の使用中においては、センターボルト51は前記鉛直孔26aのスリーブ73に締結固定されている。そして、この時にはセンターボルト51によって前記スプール75は、スリーブ73内の下限位置に押し込まれており、もってその貫通孔75cは水平孔26bに臨んでいる。よって、この貫通孔75cを介して水平孔26bとスリーブ73の内周側空間とは連通していてバルブ71は開いている。従って、入口孔23aから導入された未濾過燃料は、フィルタエレメント41を通過して濾過され、しかる後に、フィルタエレメント41内部のセンターボルト51の油路51aを通って出口孔26から導出される。
【0031】
一方、フィルタエレメント41の交換時には、燃料ポンプ等の停止によって入口孔23aからの未濾過燃料の供給は絶たれるが、ケース21内壁とフィルタエレメント41との間の一次側空間21aには未濾過燃料が滞留しており、この状況下でフィルタエレメント41を取り外すことになる。ここで、本実施形態においては、前記バルブ71が以下で示すように動作して、前記未濾過燃料の出口孔26からの漏出を確実に防止する。
【0032】
先ず最初に、作業者は図2および図3に示すようにセンターボルト51を緩めて前記スリーブ73から取り外すが、これに伴って前記センターボルト51の押し込みを解かれたスプール75は、コイルバネ77の付勢力によって前記下限位置から上限位置へ移動してスリーブ73内に埋没する。この上限位置では、スプール75の貫通孔75cもスリーブ73内に完全に埋没するため、水平孔26bとスリーブ73の内周側空間とは遮断されてバルブ71は閉じる。従って、図3に示すように、センターボルト51をスリーブ73から完全に取り外しても、前記フィルタエレメント41とケース21内壁との間の一次側空間21aに滞留する未濾過燃料が、出口孔26から漏出することはない。そして、このようにして、出口孔26の下流にある供給先の燃料の汚染を未然に防止することができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
【0034】
本実施形態においては、未濾過燃料の入口孔23aをケース21に設けたが、未濾過燃料をケース21内壁とフィルタエレメント41との間の空間21aに導入できればこれに限るものではなく、例えば、前記蓋部材としてのキャップ31に設けても良い。
【0035】
本実施形態においては、出口孔26を開閉するバルブ71として、スプール75を用いたスプール弁を例示したが、前記出口孔26に設けることが可能なバルブであれば何等これに限るものではない。
【0036】
本実施形態においては、前記バルブ71に係るスリーブ73およびスプール75に対してOリングのようなシール部材を用いていないが、前記バルブ71の防漏性を向上するために適宜シール部材を設けても良い。例えば、スリーブ73の内周面の前記滑面部や、スプール75の外周面にOリングを設けても良いし、スプール75の鍔部75aの上面にOリングを設けても良い。
【0037】
本実施形態においては、取り付けボルトとしてのセンターボルト51をケース21の略円心に締結固定したが、この締結固定位置はこれに限るものではなく、前記円心から偏心させても良い。
【0038】
本実施形態においては、ケース21やフィルタエレメント41として略円筒形状のものを例示したが、その形状はこれに限るものではなく、その横断面が多角形の筒体であっても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取り付けボルトの取り外しに伴って生じる虞のある、フィルタエレメントとケース内壁との間の空間に滞留する未濾過燃料の出口孔からの漏出を確実に食い止めることができる燃料フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の燃料フィルタの中心縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の燃料フィルタの中心縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の燃料フィルタの中心縦断面図である。
【図4】従来の燃料フィルタの中心縦断面図である。
【符号の説明】
11 燃料フィルタ
21 ケース、有底ケース
23a 入口孔
26 出口孔
31 蓋部材、キャップ
41 フィルタエレメント
51 センターボルト、取り付けボルト
51a 油路
61 コイルバネ
71 バルブ、スプール弁
73 スリーブ、弁座
73b 雌ネジ部
75 スプール、弁体
77 コイルバネ、バネ部材
Claims (1)
- 有底ケース内にその上端開口よりフィルタエレメントを前記ケース内壁から離間させて収容し、前記上端開口を蓋部材で閉塞し、該蓋部材および前記フィルタエレメントのそれぞれを液密に貫通する取り付けボルトを前記ケース底部の雌ネジ部に締結することによって組み立てられ、燃料の入口孔が前記ケースまたは蓋部材の少なくともいずれかに設けられる一方、燃料の出口孔が前記雌ネジ部によって形成され、前記取り付けボルトの内部に、フィルタエレメントの内部と前記出口孔とを連通する油路が形成された燃料フィルタにおいて、
前記出口孔には、前記取り付けボルトの締結固定時に該取り付けボルト先端に係合して開弁するとともに、前記取り付けボルトの取り外し時には前記係合が解かれて閉弁するバルブが設けられ、
前記出口孔は、前記雌ネジ部が形成された略鉛直孔と、該鉛直孔の下流側に連続する略水平孔とを備えた略L字状孔であり、前記バルブは、前記鉛直孔に沿って摺動自在かつ液密に嵌合する弁体と、該弁体を、前記取り付けボルトの先端面に付き合わせる方向に付勢するバネ部材とを備え、前記弁体の内部には、該弁体の摺動面と、前記突き合わせられる端面とを連通する連通油路を有し、前記締結固定時に該取り付けボルトによって下流側に押し込まれた弁体は、その摺動面の連通油路を水平孔に臨ませるとともに、前記取り外し時に前記押し込みが解かれた弁体は、その摺動面の連通油路を鉛直孔内に埋没させることを特徴とする燃料フィルタ。
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