JP2007154007A - フィラーの製造方法、フィラーおよび樹脂成形体 - Google Patents

フィラーの製造方法、フィラーおよび樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーの製造方法、かかる製造方法により製造されたフィラー、および各種特性(例えば機械的強度)に優れる樹脂成形体を提供すること。
【解決手段】本発明のフィラーの製造方法は、樹脂12中に、ナノカーボン11を含んでなるフィラー1を製造する方法であり、ナノカーボン11と、樹脂12とを、樹脂12を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物2を調製する混合物調製工程と、エレクトロスピニング法により、混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、紡糸工程で得られた繊維を切断して、フィラー1を得る切断工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィラーの製造方法、フィラーおよび樹脂成形体に関するものである。
カーボンナノチューブは、炭素原子が筒状につながった炭素繊維であり、グラファイトシートを丸めたような形状をなしている。
このカーボンナノチューブは、直径がナノオーダーと小さく、繊維長が長い。また、一般的な炭素繊維に比べて強度が高く、軽量である。
このため、カーボンナノチューブは、例えば、樹脂成形体に強度を付与するフィラーへの適用が期待されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、炭素繊維の中でも、カーボンナノチューブは、その表面が不活性であるため、樹脂材料との密着性が小さい。
このため、カーボンナノチューブをフィラーとして用いた樹脂成形体では、外部応力を付与すると、カーボンナノチューブが樹脂材料から抜けてしまうという問題がある。
このような理由から、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)は、前述のような優位点があるものの、フィラーとして十分な機能が得られないのが実情である。
特開2004−075706号公報
本発明の目的は、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーの製造方法、かかる製造方法により製造されたフィラー、および各種特性(例えば機械的強度)に優れる樹脂成形体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のフィラーの製造方法は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
前記ナノカーボンと、前記熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、該熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とする。
これにより、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーが得られる。
本発明のフィラーの製造方法は、熱可塑性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
前記ナノカーボンと、前記熱可塑性樹脂とを混合して、固形状の混合物を調製する混合物調製工程と、
エレクトロスピニング法により、溶融状態の前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とする。
これにより、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーが得られる。
本発明のフィラーの製造方法では、前記紡糸工程において、前記混合物の溶融は、前記ノズルを加熱することにより行われることが好ましい。
これにより、ノズルの目詰まりを防止して、確実に繊維を形成することができる。
本発明のフィラーの製造方法は、熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
前記ナノカーボンと、前記熱硬化性樹脂の前駆体とを、該熱硬化性樹脂の前駆体を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
前記繊維を加熱することにより、該繊維中において前記熱硬化性樹脂の前駆体を前記熱硬化性樹脂に変化させる加熱工程と、
該加熱後の繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とする。
これにより、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーが得られる。
本発明のフィラーの製造方法は、熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
前記ナノカーボンと、前記熱硬化性樹脂の前駆体とを、該熱硬化性樹脂の前駆体を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出し、吐出物を加熱することにより該吐出物中において前記熱硬化性樹脂の前駆体を前記熱硬化性樹脂に変化させつつ、繊維を形成する紡糸工程と、
該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とする。
これにより、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボンを含むフィラーが得られる。
本発明のフィラーの製造方法では、前記混合物調製工程において、前記混合物中の前記ナノカーボンの含有量は、0.5〜5wt%であることが好ましい。
これにより、混合物の粘度が上昇するのを防止して、紡糸工程において、混合物がノズルの先端に詰まるのを防止することができる。また、得られるフィラー中におけるナノカーボンの含有量が低下するのも防止することができる。
本発明のフィラーの製造方法では、前記ナノカーボンは、細長い形状をなし、
前記紡糸工程において、前記繊維の長手方向に前記ナノカーボンを配向させることが好ましい。
これにより、ナノカーボンがほぼ平行に配列(整列)することになるため、繊維の密度が上昇し、得られるフィラーの機械的強度の向上を図ることができる。
本発明のフィラーの製造方法では、前記紡糸工程において、印加する電圧の値は、5〜50kVであることが好ましい。
これにより、ナノカーボンを繊維の長手方向に確実に配向させることができる。
本発明のフィラーの製造方法では、前記ナノカーボンは、カーボンナノチューブを主成分とするものであることが好ましい。
カーボンナノチューブは、特に、微細な構造と高アスペクト比を有し、強度が高く、軽量である。このため、得られるフィラーは、例えば、樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラー(補強材)として特に適した特性を有している。
本発明のフィラーは、本発明のフィラーの製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明のフィラーは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンが分散した状態となっているので、樹脂成形体を形成する際に、樹脂成形体を構成する樹脂材料に対して優れた密着性が得られる。
本発明のフィラーでは、当該フィラーの平均径をA[nm]とし、前記ナノカーボンの平均径をB[nm]としたとき、A/Bが1.1〜10であることが好ましい。
これにより、フィラーを細径にした場合でも、フィラーに十分な機械的強度を付与することができる。
本発明のフィラーでは、当該フィラー中の前記ナノカーボンの含有量は、0.1〜2wt%であることが好ましい。
これにより、フィラーを細径にした場合でも、フィラーに十分な機械的強度を付与することができる。
本発明の樹脂成形体は、樹脂材料中に、本発明のフィラーを含んでなることを特徴とする。
これにより、各種特性(例えば機械的強度)に優れる樹脂成形体が得られる。
以下、本発明のフィラーの製造方法、フィラーおよび樹脂成形体を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のフィラーの製造方法は、図1に示すように、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(以下、これらをそれぞれ「樹脂12」と言うことがある。)中にナノカーボン11を含んでなるフィラー1を製造する方法であり、エレクトロスピニング法を用いて形成された繊維を切断して製造することに特徴を有する。
エレクトロスピニング法では、例えば、図2に示すエレクトロスピニング装置が用いられる。
図2は、本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の構成を示す模式図である。
図2に示すエレクトロスピニング装置10は、ノズル20と、ノズル20内を加圧するポンプ30と、形成された繊維3を巻き取るための巻き取り手段40と、ノズル20内に収納された混合物2と巻き取り手段40との間に電圧を印加する高圧電源50とを有している。
巻き取り手段40は、ドラム41と、ドラム41を回転可能に支持する支持部42と、ドラム41を回転駆動する駆動手段(図示せず)とを有しており、支持部42が接地されている。
また、高圧電源50は、その一端に接続された電極51が、ノズル20内に混合物2と接触するように設けられ、他端が接地されている。高圧電源50によりノズル20側が正、巻き取り手段40が負となるように電圧を印加すると、ノズル20からドラム41に向かう電界が発生する。
そして、この状態で、ノズル20の先端から、液状または溶融状態の混合物2を連続的に吐出すると、繊維3となってドラム41に向かって吸引され、ドラム41に巻き取られる。
<第1実施形態>
まず、本発明のフィラーの製造方法の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のフィラーの製造方法は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂(樹脂12)中に、ナノカーボン11を含んでなるフィラー1を製造する方法であり、液状の混合物2を調製する混合物調製工程[1A]と、繊維3を形成する紡糸工程[2A]と、繊維3を切断する切断工程[3A]とを有している。
[1A] 混合物調製工程
まず、ナノカーボン11と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物2を調製する。
ここで、ナノカーボン11とは、炭素原子が筒状につながった炭素繊維であり、直径(外径)がナノサイズ(1000nm以下)のものである。
ナノカーボン11としては、例えば、各種カーボンナノチューブ、各種フラーレン等が挙げられるが、これらの中でも、カーボンナノチューブを主成分とするものが好ましい。このものは、特に、微細な構造と高アスペクト比を有し、強度が高く、軽量である。このため、得られるフィラー1は、例えば、樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラー(補強材)として特に適した特性を有している。
また、このように細長い形状をなすナノカーボン11は、次工程[2A]において繊維3を形成する際に、繊維3の長手方向に配向させることができる。これにより、ナノカーボン11がほぼ平行に配列(整列)することになるため、繊維3の密度が上昇し、得られるフィラー1の機械的強度の向上を図ることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66、アラミド樹脂)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、溶剤としては、樹脂12の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、クレゾール(o−、m−、p−)等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
具体的には、溶剤としては、例えば、ポリイミド樹脂の場合、フェノールが、ポリエーテルイミドの場合、ジクロロメタン(塩化メチレン)が、全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)の場合、硫酸が、ポリアミド(ナイロン6)の場合、ギ酸が、ポリフェニレンテレフタレートの場合、硫酸が、またポリアクリロニトリルの場合、N,N−ジメチルホルムアミドがそれぞれ好適に用いられる。
混合物2中のナノカーボン11の含有量は、特に限定されないが、0.5〜5wt%程度であるのが好ましく、0.5〜1wt%程度であるのがより好ましい。混合物2中のナノカーボン11の含有量を前記範囲とすることにより、混合物2の粘度が上昇するのを防止して、次工程[2A]において、混合物2がノズル20の先端に詰まるのを防止することができる。また、得られるフィラー1中におけるナノカーボン11の含有量が低下するのも防止することができる。
また、混合物2の調製は、減圧雰囲気下に行うようにしてもよい。これにより、得られる繊維3(フィラー1)中への気泡の混入を防止することや、ナノカーボン11の内側に樹脂12の分子が入り込み易くなることが一要因となり、ナノカーボン11に対する樹脂12の密着性を向上させること等ができ、フィラー1の機械的強度をより向上させることができる。
この場合、さらに混合物2に対して、例えば、超音波等により振動を与えるようにしてもよい。これにより、ナノカーボンが凝集するのを防ぐことができる。
[2A] 紡糸工程
次に、図2に示すエレクトロスピニング装置10を用いて、エレクトロスピニング法により、混合物2をノズル20の先端から連続的に吐出して、繊維3を形成する。
まず、ノズル20内に、混合物2を供給する。
次いで、ポンプ30によりノズル20内を加圧し、混合物2をノズル20の先端から吐出する。
ノズル20の先端から混合物2を吐出すると、ノズル20とドラム41(巻き取り手段40)との間に印加された電圧により、吐出された混合物2(吐出物)の表面に電荷が集まり、互いに反発し合い分裂する。そして、吐出物中から溶剤が揮発すると、電荷の反発力がさらに高まり、吐出物がさらに分裂し、繊維3が形成される。
このようなエレクトロスピニング法によれば、繊維3の長手方向の各部において、ナノカーボン11の含有量をほぼ均一にすることができるという利点がある。また、任意の径の繊維3(フィラー1)を容易かつ大量に作製することができる。
なお、得られる繊維3の径(太さ)は、例えば、印加する電圧、混合物2の粘度等のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより調整可能である。
また、印加する電圧の値を適宜設定することにより、ナノカーボン11が細長い形状をなすものである場合、繊維3の長手方向に配向させることもできる。
繊維3を形成する観点からは、印加する電圧の値は、0.1〜75kV程度であればよいが、ナノカーボン11を配向させる観点からは、5〜50kV程度であるのが好ましい。このような値の電圧を印加することにより、ナノカーボン11を繊維3の長手方向に確実に配向させることができる。
また、本工程[2A]では、ノズル20とドラム41との間に、例えば、ランプヒータ等で構成される加熱手段を設け、ノズル20から吐出される吐出物中から溶剤を強制的に揮発(除去)するようにしてもよい。
[3A] 切断工程
次に、得られた繊維3をドラム41から取り外し、目的とする長さに切断する。これにより、図1に示すように、樹脂12中に複数のナノカーボン11が含まれる(分散してなる)フィラー1が得られる。
繊維3に切断は、例えば、カッターミル等を用いて行うことができる。
フィラー1の平均長さは、特に限定されないが、0.1〜50μm程度であるのが好ましく、1〜20μm程度であるのが好ましい。
なお、前述したように、エレクトロスピニング法によれば、繊維3の長手方向の各部において、ナノカーボン11の含有量をほぼ均一にすることができるため、いかなる長さで繊維3を切断でも、各フィラー1におけるナノカーボン11の含有量を均一にすること、すなわち、特性にバラツキの少ないフィラー1が得られる。
得られたフィラー1は、次のようなIおよびIIの条件のうちの一方を満足するのが好ましく、双方を満足するのがより好ましい。これにより、フィラー1を細径にした場合でも、フィラー1に十分な機械的強度を付与することができる。
I:フィラー1の平均径をA[nm]とし、ナノカーボン11の平均径をB[nm]としたとき、A/Bが1.1〜10程度であるのが好ましく、1.5〜7倍程度であるのがより好ましい。
II:フィラー1中のナノカーボン11の含有量は、0.1〜2wt%程度であるのが好ましく、0.5〜1wt%程度であるのがより好ましい。
なお、以上のような条件は、混合物2中のナノカーボン11の含有量や、繊維3の形成条件等を設定することにより調整可能である。
<第2実施形態>
次に、本発明のフィラーの製造方法の第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態のフィラーの製造方法について、前記第1実施形態のフィラーの製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のフィラーの製造方法は、熱可塑性樹脂(樹脂12)中に、ナノカーボン11を含んでなるフィラー1を製造する方法であり、固形状の混合物2を調製する混合物調製工程[1B]と、繊維3を形成する紡糸工程[2B]と、繊維3を切断する切断工程[3B]とを有している。
なお、本実施形態では、エレクトロスピニング法において、例えば、図3に示すエレクトロスピニング装置が用いられる。
図3は、本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の他の構成を示す模式図である。
図3に示すエレクトロスピニング装置10は、ノズル20を加熱する加熱手段60が設けられている。この加熱手段60でノズル20を加熱することにより、ノズル20内に供給された混合物2を溶融状態とすることができる。
加熱手段60は、例えば、ヒータ、ペルチェ素子等で構成することができる。
[1B] 混合物調製工程
まず、ナノカーボン11と、熱可塑性樹脂とを混合して、固形状の混合物2を調製する。
なお、ナノカーボン11および熱可塑性樹脂は、前記第1実施形態で挙げたものと同様のものを用いることができる。
[2B] 紡糸工程
次に、エレクトロスピニング法により、溶融状態の混合物2をノズル20の先端から連続的に吐出して、繊維3を形成する。
まず、加熱手段60によりノズル20を加熱して、混合物2を溶融させる。
この状態で、ポンプ30によりノズル20内を加圧し、混合物2をノズル20の先端から吐出する。
これにより、前述したのと同様にして、繊維3が形成される。
なお、この溶融状態の混合物2の粘度は、前記第1実施形態における混合物2の粘度と同様にするのが好ましい。
[3B] 切断工程
次に、前記工程[3A]と同様の工程を行う。これにより、図1に示すように、樹脂12中に複数のナノカーボン11が含まれるフィラー1が得られる。
なお、混合物2は、ノズル20内に供給する前に、予め溶融させ、この状態でノズル20内に供給するようにしてもよいが、本実施形態のように、ノズル20を加熱する加熱手段60を設け、ノズル20内で混合物2を溶融させることにより、ノズル20の目詰まりを防止して、確実に繊維3を形成することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のフィラーの製造方法の第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態のフィラーの製造方法について、前記第1実施形態のフィラーの製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のフィラーの製造方法は、熱硬化性樹脂(樹脂12)中に、ナノカーボン11を含んでなるフィラーを製造する方法であり、熱硬化性樹脂の前駆体を用いて、液状の混合物2を調製する混合物調製工程[1C]と、繊維3を形成する紡糸工程[2C]と、加熱により熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させる加熱工程[3C]と、繊維3を切断する切断工程[4C]とを有している。
なお、本実施形態では、エレクトロスピニング法において、例えば、図2に示すエレクトロスピニング装置が用いられる。
[1C] 混合物調製工程
まず、ナノカーボン11と、熱硬化性樹脂の前駆体とを、この熱硬化性樹脂の前駆体を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物2を調製する。
ここで、熱硬化性樹脂の前駆体には、前記第1実施形態で挙げた熱硬化性樹脂に対応する各種前駆体が用いられる。
具体的には、前駆体としては、例えば、ポリイミド樹脂の場合、ポリアミド酸を用いるが、例えばビフェニルテトラカルボン酸とp−フェニレンジアミンとの混合物等が用いられる。
また、溶剤には、前記第1実施形態で挙げたもののうち、熱硬化性樹脂の前駆体の種類に応じて適宜選択される。
具体的には、溶剤としては、例えば、ポリアミド酸の場合、クレゾールやN−メチル−2−ピロリドン等が好適に用いられる。
なお、ナノカーボン11は、前記第1実施形態で挙げたものと同様のものを用いることができる。
[2C] 紡糸工程
次に、前記工程[2A]と同様の工程を行う。これにより、繊維3が形成される。
なお、本実施形態では、繊維3中には、熱硬化性樹脂の前駆体がそのままの状態で存在している。
[3C] 加熱工程
次に、繊維3を加熱することにより、繊維3中において熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させる。
このときの加熱の条件(加熱温度、加熱時間、加熱雰囲気)は、熱硬化性樹脂の前駆体の種類に応じて適宜設定され、特に限定されない。
熱硬化性樹脂の前駆体がポリアミド酸の場合、加熱温度は、300℃以上であるのが好ましく、300〜350℃程度であるのがより好ましい。
[4C] 切断工程
次に、前記工程[3A]と同様の工程を行う。これにより、図1に示すように、樹脂12中に複数のナノカーボン11が含まれるフィラー1が得られる。
<第4実施形態>
次に、本発明のフィラーの製造方法の第4実施形態について説明する。
以下、第4実施形態のフィラーの製造方法について、前記第1および第3実施形態のフィラーの製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のフィラーの製造方法は、紡糸工程において、加熱により熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させること以外は、前記第3実施形態のフィラーの製造方法と同様である。
すなわち、第4実施形態のフィラーの製造方法は、熱硬化性樹脂(樹脂12)中に、ナノカーボン11を含んでなるフィラー1を製造する方法であり、熱硬化性樹脂の前駆体を用いて、液状の混合物2を調製する混合物調製工程[1D]と、加熱により熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させつつ、繊維3を形成する紡糸工程[2D]と、繊維3を切断する切断工程[3D]とを有している。
なお、本実施形態では、エレクトロスピニング法において、例えば、図4に示すエレクトロスピニング装置が用いられる。
図4は、本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の他の構成を示す模式図である。
図4に示すエレクトロスピニング装置10は、ノズル20と、巻き取り手段40との間に、ノズル20から吐出された吐出物(混合物2)を加熱する加熱手段70が設けられている。この加熱手段70で吐出物を加熱することにより、吐出物中において熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させることができる。
加熱手段70は、例えば、ランプヒータ等で構成することができる。
[1D] 混合物調製工程
まず、前記工程[1C]と同様の工程を行う。これにより、液状の混合物2を調製する。
[2D] 紡糸工程
次に、前記工程[2A]と同様の工程を行う。
このとき、本実施形態では、ノズル20の先端から吐出された吐出物を、加熱手段70により加熱する。これにより、吐出物中において熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化性樹脂に変化させる。
このときの加熱の条件(加熱温度、加熱雰囲気)は、熱硬化性樹脂の前駆体の種類に応じて適宜設定され、特に限定されない。なお、加熱時間は、混合物2の吐出速度を設定することにより調整することができる。
本実施形態の場合、加熱時間が短時間となるため、熱硬化性樹脂の前駆体がポリアミド酸の場合、加熱温度は、300〜350℃程度であるのが好ましい。
[3D] 切断工程
次に、前記工程[3A]と同様の工程を行う。これにより、図1に示すように、樹脂12中に複数のナノカーボン11が含まれるフィラー1が得られる。
以上のようにして得られたフィラー1は、サイズが微小であり、また、強度が高く、軽量である。
また、このようなフィラー1は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂(樹脂12)中に、ナノカーボン11が分散した状態となっているので、樹脂成形体を形成する際に、樹脂成形体を構成する樹脂材料に対して優れた密着性が得られる。
本発明の樹脂成形体は、このようなフィラー1を含んであるものである。前述のように、フィラー1は、樹脂成形体を構成する樹脂材料との高い密着性が得られるので、樹脂成形体に対して外部応力を付与した場合でも、樹脂成形体からフィラー1中に含まれるナノカーボン11が抜けてしまうことが防止され、樹脂成形体に対して高い機械的強度や、その他、ナノカーボン11に起因する高い特性(例えば、伝熱性や導電性等)を付与することができる。
したがって、本発明の樹脂成形体は、例えば、時計やプリンター等の歯車で比較的強度が必要な部品(部材)、加熱を要する定着用ローラの弾性層等の比較的高い伝熱性が必要な部品(部材)等に好適に適用することができる。
このような樹脂成形体は、フィラー1と、樹脂成形体を構成する樹脂材料とを混合して混練して混練物を得、次いで、得られた混練物を、所望の形状に成形することにより得られる。
ここで、樹脂材料としては、前述した各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができ、樹脂成形体に用いる樹脂材料の種類に応じて、フィラー1の種類を選択するようにする。
すなわち、フィラー1には、樹脂成形体に用いる樹脂材料と相溶性の高い樹脂12を含むものを選択するのが好ましい。
フィラー1と樹脂材料との混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の3軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
また、混練物の成形には、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形等の方法が挙げられる。
特に、樹脂成形体に用いる樹脂材料として熱可塑性樹脂を用いて、成形に際して、混練物を溶融または軟化させる場合には、フィラー1には、これが含む樹脂12が、樹脂成形体の熱可塑性樹脂より融点の高い熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であるものを選択するのが好ましい。これにより、樹脂成形体を構成する樹脂材料とフィラー1との密着性がより向上し、樹脂成形体からフィラー1(ナノカーボン11)が抜けてしまうことがより確実に防止される。
以上、本発明のフィラーの製造方法、フィラーおよび樹脂成形体について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.樹脂成形体の製造
(実施例1)
<1> まず、N,N−ジメチルホルムアミドに、ポリアクリロニトリルを20wt%、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)を1wt%となるように、それぞれ混合して、液状の混合物を得た。
このとき、混合物に、周波数38kHz、出力100Wで超音波を付与した。
なお、カーボンナノチューブは、平均径が80nm、平均長さが15μmであった。
<2> 次に、図2に示すエレクトロスピニング装置を用いて、ノズル内に混合物を供給し、電源電圧25kVでエレクトロスピニングを行って、得られた繊維(不織布の状態)をドラムに巻き取った。
なお、ノズルの先端開口径は、0.9mmである。
<3> 次に、加熱後の繊維をカッターミルで切断して、平均径が150nm(ナノチューブの平均径の約1.9倍)、平均長さ10μmのフィラーを得た。
なお、フィラー中のカーボンナノチューブの含有量は、約0.5wt%であった。
<4> 次に、得られたフィラー100gを、ポリエチレン900gとともに、連続2軸ロール混練機に投入、混練し、ペレット状に加工した。
次に、このペレットを、射出成形機を用いてJIS K 7113に記載の1号形試験片(樹脂成形体)を製造した。
(実施例2)
以下に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
前記工程<1>において、フェノールに、ポリイミド樹脂を20wt%、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)を1wt%となるように、それぞれ混合して、液状の混合物を得た。
前記工程<2>において、図4に示すエレクトロスピニング装置を用いて、エレクトロスピニングを行った。
このとき、ノズルとドラムとの間に設けられてランプヒータにより、吐出物を200℃に加熱して、フェノールを除去し、得られた繊維(不織布の状態)をドラムに巻き取った。
なお、フィラー中のカーボンナノチューブの含有量は、約0.6wt%であった。
(実施例3)
以下に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
前記工程<1>において、ポリエチレンを99wt%、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)を1wt%で混合して、固形状の混合物を得た。
前記工程<2>において、図3に示すエレクトロスピニング装置を用いて、エレクトロスピニングを行った。
このとき、ノズルをヒータで加熱して、混合物を溶融させた。
なお、フィラー中のカーボンナノチューブの含有量は、約0.6wt%であった。
(実施例4)
以下に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
前記工程<1>において、N−メチル−2−ピロリドンに、ポリアミド酸(ポリイミド樹脂の前駆体)を20wt%、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)を1wt%となるように、それぞれ混合して、液状の混合物を得た。
前記工程<2>において、図4に示すエレクトロスピニング装置を用いて、エレクトロスピニングを行った。
このとき、ノズルとドラムとの間に設けられてランプヒータにより、吐出物を250℃に加熱して、N−メチル−2−ピロリドンを除去し、得られた繊維(不織布の状態)をドラムに巻き取った。
前記工程<2>と前記工程<3>との間において、繊維を回収し、350℃×60分間で加熱し、繊維中において、ポリアミド酸をポリイミド樹脂に変化させた。
なお、フィラー中のカーボンナノチューブの含有量は、約0.5wt%であった。
(実施例5)
以下に示すように変更した以外は、前記実施例4と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
前記工程<2>において、ノズルとドラムとの間に設けられてランプヒータにより、吐出物を350℃に加熱して、N−メチル−2−ピロリドンを除去するとともに、吐出物中において、ポリアミド酸をポリイミド樹脂に変化させ、得られた繊維(不織布の状態)をドラムに巻き取った。
なお、フィラー中のカーボンナノチューブの含有量は、約0.5wt%であった。
(比較例1)
カーボンナノチューブをそのままフィラーとして用いた以外は、前記実施例1と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
(比較例2)
フィラーの混合を省略した以外、すなわち、ポリエチレンを単独で用いた以外は、前記実施例1と同様にして、試験片(樹脂成形体)を製造した。
なお、各実施例および各比較例において、試験片は、それぞれ、10個ずつ製造した。
2.評価
各実施例および各比較例で製造した試験片について、それぞれ、引っ張り強度を測定した。
なお、引っ張り強度は、島津製作所製万能引張試験機により測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2007154007
なお、表1中に示す各値は、それぞれ、それぞれ、各実施例および各比較例の試験片の10個の平均値である。
表1に示すように、各実施例で製造された試験片(本発明の樹脂成形体)は、いずれも、高い引っ張り強度が得られた。
なお、フィラーの樹脂としてポリエチレンを用いた実施例3では、試験片の引っ張り強度が特に高いものであった。
これに対して、比較例1の試験片の引っ張り強度の値は、比較例2の試験片の引っ張り強度の値と同等であり、明らかに低いものであった。これは、カーボンナノチューブがポリエチレンから抜けてしまうことが原因であるものと推察される。
また、エレクトロスピニング装置の印加電圧、ポンプの圧力、混合物の粘度等を変更して、前記実施例と同様にしてフィラーの製造を行ったところ、異なる径のフィラーを得ることができた。
本発明のフィラーの構成を模式的に示す図である。 本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の構成を示す模式図である。 本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の他の構成を示す模式図である。 本発明のフィラーの製造方法に用いるエレクトロスピニング装置の他の構成を示す模式図である。
符号の説明
1……フィラー 11……ナノカーボン 12……樹脂 2……混合物 3……繊維 10……エレクトロスピニング装置 20……ノズル 30……ポンプ 40……巻き取り手段 41……ドラム 42……支持部 50……高圧電源 51……電極

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
    前記ナノカーボンと、前記熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、該熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
    エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
    該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とするフィラーの製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
    前記ナノカーボンと、前記熱可塑性樹脂とを混合して、固形状の混合物を調製する混合物調製工程と、
    エレクトロスピニング法により、溶融状態の前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
    該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とするフィラーの製造方法。
  3. 前記紡糸工程において、前記混合物の溶融は、前記ノズルを加熱することにより行われる請求項2に記載のフィラーの製造方法。
  4. 熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
    前記ナノカーボンと、前記熱硬化性樹脂の前駆体とを、該熱硬化性樹脂の前駆体を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
    エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出して、繊維を形成する紡糸工程と、
    前記繊維を加熱することにより、該繊維中において前記熱硬化性樹脂の前駆体を前記熱硬化性樹脂に変化させる加熱工程と、
    該加熱後の繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とするフィラーの製造方法。
  5. 熱硬化性樹脂中に、ナノカーボンを含んでなるフィラーを製造する方法であって、
    前記ナノカーボンと、前記熱硬化性樹脂の前駆体とを、該熱硬化性樹脂の前駆体を溶解し得る溶剤に混合して、液状の混合物を調製する混合物調製工程と、
    エレクトロスピニング法により、前記混合物をノズルの先端から連続的に吐出し、吐出物を加熱することにより該吐出物中において前記熱硬化性樹脂の前駆体を前記熱硬化性樹脂に変化させつつ、繊維を形成する紡糸工程と、
    該紡糸工程で得られた繊維を切断して、前記フィラーを得る切断工程とを有することを特徴とするフィラーの製造方法。
  6. 前記混合物調製工程において、前記混合物中の前記ナノカーボンの含有量は、0.5〜5wt%である請求項1ないし5のいずれかに記載のフィラーの製造方法。
  7. 前記ナノカーボンは、細長い形状をなし、
    前記紡糸工程において、前記繊維の長手方向に前記ナノカーボンを配向させる請求項1ないし6のいずれかに記載のフィラーの製造方法。
  8. 前記紡糸工程において、印加する電圧の値は、5〜50kVである請求項7に記載のフィラーの製造方法。
  9. 前記ナノカーボンは、カーボンナノチューブを主成分とするものである請求項1ないし8のいずれかに記載のフィラーの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のフィラーの製造方法により製造されたことを特徴とするフィラー。
  11. 当該フィラーの平均径をA[nm]とし、前記ナノカーボンの平均径をB[nm]としたとき、A/Bが1.1〜10である請求項10に記載のフィラー。
  12. 当該フィラー中の前記ナノカーボンの含有量は、0.1〜2wt%である請求項10または11に記載のフィラー。
  13. 樹脂材料中に、請求項10ないし12のいずれかに記載のフィラーを含んでなることを特徴とする樹脂成形体。
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