JP2007153047A - ビーム式サスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成のビーム式サスペンションを提供する。
【解決手段】ビーム式サスペンションAにおいて、トーションビーム10は、車幅方向に延びるビーム部10aと、ビーム部10aの両端部から車両後方へ延びる一対のアーム部10bとを金属板または金属筒から形成した。ブッシュ12は、トーションビーム10を車両フレームに揺動可能に取り付けるためにビーム部10aに設けられる。ブラケット18は、車輪を取り付けるベアリングを固定するために一対のアーム部10bの車両後方側の端部にそれぞれ設けられる。リーフスプリング16は、一対のブラケット18に支持され車幅方向に延びている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両のビーム式サスペンションに関する。
従来、トレーリングアームを備えるトーションビーム式サスペンションが知られている。特許文献1には、トーションビームとアーム部材とを溶接により固定したサスペンションが開示されている。また、特許文献2には、左右一対のトレーリングアームと両トレーリングアームの中間部を連結するトーションビームとを一枚の金属板を深絞り加工することで一体的に形成されたサスペンションが開示されている。
特開2000−318420号公報 特開平8−127211号公報
しかしながら、上述のサスペンションでは、コイルスプリングを取り付けようとするとトレーリングアームにコイルスプリングの一端を保持するスプリングシートを溶接により固定しなければならない。また、車体フレームに対してサスペンションを揺動可能とするためのブッシュを保持するブッシュホルダもトレーリングアームの一端に設けなければならず、溶接や追加工、部品点数の増加によるコストアップとなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成によるビーム式サスペンションを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のビーム式サスペンションは、車幅方向に延びるビーム部と、前記ビーム部の両端部から車両後方へ延びる一対のアーム部とを金属板または金属筒から形成したトーションビームと、前記トーションビームを車両フレームに揺動可能に取り付けるために前記ビーム部に設けられたブッシュと、車輪を取り付けるベアリングを固定するために前記一対のアーム部の車両後方側の端部にそれぞれ設けられた一対の固定部と、前記一対の固定部に支持され車幅方向に延びるリーフスプリングと、を備える。
この態様によると、金属板または金属筒からビーム部とアーム部とを有するトーションビームを形成するため、溶接が必要なく部品点数を削減でき、簡易な構成によるビーム式サスペンションを提供することが出来る。また、トーションビームを車両フレームに揺動可能に取り付けるためにビーム部にブッシュを設けることで、ブッシュの取り付け方向によって必要だったブッシュホルダをアームに溶接する必要がなく、部品点数を削減できる。また、一対のアーム部の車両後方側の端部にそれぞれ設けられた一対の固定部に支持され車幅方向に延びるリーフスプリングにより、車幅方向からの入力に対する剛性を向上することが出来る。
前記リーフスプリングは、上方に反った状態で車両フレームに取り付けられる取り付け部と、前記一対の固定部に支持されるために設けられた円筒部材と、を有してもよい。
この態様によると、リーフスプリングを上方に反った状態で車両フレームに取り付けられるので、アームごとに設けていたコイルスプリングを一つのリーフスプリングで代用できるため、部品点数を削減することが出来る。
本発明によれば、簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るビーム式サスペンションの概略構成を示した斜視図である。図2は、図1のブラケット近傍を拡大した斜視図である。なお、図1中の記号Fは車両前方、記号Rは車両後方を表す。
図1に示すように、本実施形態に係るサスペンションAは、板状の金属を打ち抜き、部分的に曲げ加工により補強部を設けたトーションビーム10と、トーションビーム10を車体フレームに揺動可能に取り付けるための二つのブッシュ12と、サスペンションAに車輪を経由して入力された振動を減衰するために車体フレームに取り付けられる振動減衰部材としてのショックアブソーバ14と、トーションビーム10の下方に車幅方向Wに渡って延在するリーフスプリング16と、ショックアブソーバ14およびリーフスプリング16を一体的にトーションビーム10のアーム部10bに取り付けるブラケット18と、を備える。
トーションビーム10は、車幅方向Wに延びるビーム部10aと、ビーム部10aの両端部から車両後方Rに向かい延びる左右一対のアーム部10b,10bと、平板状のビーム部10aおよびアーム部10bのサイドに補強部として設けられた複数の立ち上げ部10cと、を有する。本実施形態では、ブレーキ時のワインドアップに対処するために、ビーム部10aのねじり剛性を高めるべく、立ち上げ部10cをビーム部10aとアーム部10bとの境界であるコーナーに設けている。この構成によれば、車幅方向に延びるビーム部10aと、ビーム部10aの両端部から車両後方へ延びる一対のアーム部10bとを金属板から一体形成しているので、ビームとアームを溶接により接合する場合と比較して部品点数を削減し、簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。
二つのブッシュ12は、共にビーム部10aの中心線とほぼ同一の線上であって、立ち上げ部10cに囲まれた平面領域であるコーナーに固定されている。この構成によれば、ブッシュをアームに取り付けるためのブッシュホルダを溶接する必要がなくなり、部品点数の削減による簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。
リーフスプリング16は、図2に示すように、板状のばね部16aの両端が丸く巻かれ、その中心にブッシュ等の円筒部材16bが配置されている。円筒部材16bの中心にはボルト等の軸部材20が通されており、軸部材20は、ブラケット18下部の支持部18aに支持されている。また、リーフスプリング16は、ばね部16aが上方に反った状態でブラケット18を介してトーションビーム10のアーム部10bに固定されていると共に、ばね部16aのほぼ中央部に設けられた穴16cに不図示の締結部材により車両フレームに締結されている。
この構成により、リーフスプリング16は、車輪の接地点からの上下方向への入力に対してコイルスプリングの代わりとして機能する。そのため、コイルスプリングの一端を保持するためのスプリングシートをトーションビーム10に溶接する必要がなく、二つのコイルスプリングを一つのリーフスプリング16で代用できるため、部品点数の少ない簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。また、車幅方向Wへの入力に対してはトーションビーム10のみの場合と比較して簡易な構成により剛性を高めることが出来る。
また、リーフスプリング16に入力が加わると、リーフスプリング16の長手方向の長さが見かけ上変化する。例えば、反ったリーフスプリング16が伸びる場合、円筒部材16bが配置されているブラケット18の支持部18aは、ブラケット18のアーム部10bとの取り付け部18bを支点として車幅方向Wに向かって張り出す。
ブラケット18には、車輪が取り付けられるベアリングをボルト等の締結部材により締結するための複数の穴を有する締結部18cが設けられており、ブラケット18の支持部18aの車幅方向Wへの張り出し量を調整することで車輪のキャンバー角度を設定することが出来る。なお、本実施形態では、ブラケット18は、取り付け部18bにてアーム部10bに溶接により固定されている。
ショックアブソーバ14は、その一端に軸部材20と同軸のベアリング14aが設けられており、軸部材20を中心に回動可能である。また、他端は車両のフレームに取り付けられている。
従来、トレーリングアームにおいて、車輪を取り付けるベアリングを固定するベアリングプレートの位置に対して、コイルスプリングが車両フレームに取り付けられている位置は車両の前後方向で前側に位置している。その場合、接地面からの入力は、コイルスプリングの取り付け位置を支点として、更に前方に配置されているブッシュを車両フレームから離す方向に加わることになり、ブッシュに大きな負荷がかかることからブッシュの取り付け方向に制約がある。
一方、本実施形態では、車輪を取り付けるベアリングのそれぞれの締結部18cに対して、車両フレームにリーフスプリング16が取り付けられる位置およびショックアブソーバ14が車両フレームに取り付けられる位置が、車両の前後方向でほぼ同一または後方になるよう構成している。
このように構成することで、車輪と地面との接地面から上下方向の入力がトーションビーム10に加えられても、ショックアブソーバ14およびリーフスプリング16により上下方向への入力をほぼ制振できると共に、ブッシュ12に加わる入力を最小限に抑えることが出来る。そのため、ブッシュ12を、従来のブッシュホルダを介さず、トーションビーム10のビーム部10aに上向きに固定することが出来、部品点数の削減が可能となると共に、簡易な構成によるビーム式サスペンションを提供することが出来る。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るビーム式サスペンションの概略構成を示した斜視図である。第1の実施形態と大きく異なる点は、筒状の金属パイプからトーションビームを作成している点である。なお、図3中の記号Fは車両前方、記号Rは車両後方を表す。
図3に示すように、本実施形態に係るサスペンションBは、筒状の金属パイプをコの字状に曲げ、ハイドロフォーム法により角の部分を平坦に成形されたトーションビーム110と、トーションビーム110を車体フレームに揺動可能に取り付けるための二つのブッシュ(不図示)と、サスペンションBに車輪を経由して入力された振動を減衰するために車体フレームに取り付けられる振動減衰部材としてのショックアブソーバ(不図示)と、トーションビーム110の下方に車幅方向Wに渡って延在するリーフスプリング116と、ショックアブソーバおよびリーフスプリング116を一体的にトーションビーム110のアーム部110bに取り付けるブラケット118と、を備える。
ここで、ハイドロフォーム法とは、金型内に管材を装着し、管内部に液圧(例えば数百気圧)を負荷することによって陥没部分や壁のある金型形状に仕上げる成形法である。
トーションビーム110は、車幅方向Wに延びる筒状のビーム部110aと、ビーム部110aの両端部から車両後方Rに向かい延びる左右一対の筒状のアーム部110b,110bと、筒状のビーム部110aおよびアーム部110bの境界にブッシュを取り付ける取り付け部110cを有する。なお、本実施形態では、ブレーキ時のワインドアップに対処するために、ビーム部110aのねじり剛性を高めるべく、取り付け部110cは、補強のため断面H状またはコの字状に成形されている。この構成によれば、車幅方向に延びるビーム部110aと、ビーム部110aの両端部から車両後方へ延びる一対のアーム部110bとを金属筒から一体形成しているので、ビームとアームを溶接により接合する場合と比較して部品点数を削減し、簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。
また、二つのブッシュは、共にビーム部110aの中心線とほぼ同一の線上であって、平面領域であるコーナーに設けられた円形の穴である取り付け部110cに固定すればよい。この構成によれば、ブッシュをアームに取り付けるためのブッシュホルダを溶接する必要がなくなり、部品点数の削減による簡易な構成のビーム式サスペンションを提供できる。
以上、本発明を上述の各実施形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。
第1の実施形態に係るビーム式サスペンションの概略構成を示した斜視図である。 図1のブラケット近傍を拡大した斜視図である。 第2の実施形態に係るビーム式サスペンションの概略構成を示した斜視図である。
符号の説明
10 トーションビーム、 10a ビーム部、 10b アーム部、 10c 立ち上げ部、 12 ブッシュ、 14 ショックアブソーバ、 16 リーフスプリング、 18 ブラケット、 20 軸部材、 A サスペンション。

Claims (2)

  1. 車幅方向に延びるビーム部と、前記ビーム部の両端部から車両後方へ延びる一対のアーム部とを金属板または金属筒から形成したトーションビームと、
    前記トーションビームを車両フレームに揺動可能に取り付けるために前記ビーム部に設けられたブッシュと、
    車輪を取り付けるベアリングを固定するために前記一対のアーム部の車両後方側の端部にそれぞれ設けられた一対の固定部と、
    前記一対の固定部に支持され車幅方向に延びるリーフスプリングと、
    を備えることを特徴とするビーム式サスペンション。
  2. 前記リーフスプリングは、
    上方に反った状態で車両フレームに取り付けられる取り付け部と、
    前記一対の固定部に支持されるために設けられた円筒部材と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のビーム式サスペンション。
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