JP2007152369A - 低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックスおよび溶接方法並びに溶接金属 - Google Patents

低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックスおよび溶接方法並びに溶接金属 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温用鋼の片面サブマージアーク溶接において、良好で安定した低温靭性を有する溶接金属が得られ、溶接欠陥の無い健全な溶込み形状とビード外観が得られる低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックスおよびそれとを組合せた溶接方法を提供する。
【解決手段】 質量%で、SiO2:10〜30%、TiO2:2〜15%、Al23:4〜20%、MgO:10〜35%、MnO:0.1〜3.5%、B23:0.1〜0.9%、Fe:8〜30%、CaO:3〜15%、CaF2:4〜16%、Si:0.1〜2.5%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.1〜2.5%、Ti:0.1〜2.5%を含有し、その他は脱酸剤、CO2、アルカリ酸化物および不可避不純物であることを特徴とする低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックス。
【選択図】 図3

Description

本発明は、造船などの大板継ぎに用いる片面サブマージアーク溶接用フラックスおよびそれとを組合せた溶接方法に関わり、特に低温用鋼を用いた造船などの大板継ぎをする際に、溶接欠陥の無い健全な溶接金属を形成させ、さらに良好で安定した靭性を有する溶接金属を得ることができる片面サブマージアーク溶接用フラックスおよび溶接方法並びに溶接金属に関するものである。
造船の大板継ぎは、主として図1に示すフラックス銅バッキング片面サブマージアーク溶接方法(以下、FCuB法という。)といわれる方法と図2に示すソフトバッキング片面サブマージアーク溶接方法(以下、SB法という。)といわれる方法が適用されている。図1に示すFCuB法は、裏当銅板1に裏フラックス2を約4〜7mm程度散布し、エアーホース3に空気を注入して、これを被溶接鋼板4の開先裏面に押し当て、2〜4本のワイヤ5を用いて表側よりフラックス6を散布して1層溶接し、表ビードと裏ビードを同時に形成するものである。この溶接方法は、開先裏面に裏フラックスが密着するためバッキングの当りが良く、また裏フラックスの下の裏当銅板で裏ビードの余盛高さを抑制するので、大電流の溶接条件で施工しても美麗かつ溶接欠陥の無い健全な裏ビードが得られる。このため、FCuB法は薄板から厚板まで幅広く適用されている。
図2のSB法は、SiO2を主成分とした軽量な固形耐火性裏当材8を粘着テープ9やマグネットクランプ10等によって被溶接鋼板4の開先裏面に密着させ、1〜3本のワイヤ5を用いて表側より鋼粒11とフラックス6を散布して1層溶接し、表ビードと裏ビードを同時に形成するものである。この溶接方法は、開先内に鋼粒を散布するため、開先間隙の変動が多少あっても、安定した裏ビードを形成することが可能である。また、大型の装置を要しないという利点がある。
サブマージアーク溶接は、被覆アーク溶接やガスシールドアーク溶接に比べ、溶接入熱量が高く、母材希釈率が大きいため、溶接作業性や溶接金属の性能は、フラックスとワイヤの成分組成でほぼ決定される。サブマージアーク溶接の中でも特に上記片面サブマージアーク溶接方法は、溶接入熱量が高く、母材希釈率が大きいことが特徴である。
近年、エネルギー産業の発展に伴い、低温用鋼は幅広く用いられており、造船業界においてはLPG船等の建造数が年々増加している。そこで船の建造における生産性の向上や安全性、耐久性の確保のため、更なる品質向上が求められており、その中でも特に溶接の高能率化と溶接部の高靭化の要望が極めて大きい。また、造船の大板継ぎには、主としてFCuB法やSB法が適用されているが、それぞれ溶接法が異なるため、フラックスやワイヤは異なる成分系のものが使用されている。そこで、生産能率の向上や在庫管理の簡素化、溶接法と溶接材料の組合せ間違いを無くすため、FCuB法とSB法どちらの溶接法にも適用可能な溶接材料の開発が求められている。
従来、片面サブマージアーク溶接における溶接金属の高靭化については、Mn、Mo、Ti等の添加量を規定し、焼入れ性を向上させ、靭性向上を図った技術がある(例えば、特許文献1参照)。一般に焼入れ性向上元素としてMn、Mo、Tiは用いられるが、低温用鋼のように−60℃程度の低温領域で良好な靭性を得るためには、大入熱の片面サブマージアーク溶接を行った場合、これらの元素だけでは溶接金属の脱酸および十分な焼入れ性を得ることができないため、粗大な初析(粒界)フェライトが生成し、良好な低温靭性を得ることができない。
一方、溶接金属の低温靭性を向上させるために、フラックス中にAl、Mn等を添加した技術がある(例えば、特許文献1参照)。Alは強脱酸剤および焼入れ性向上元素として、微量添加で大きく影響を及ぼすことが知られているが、大入熱の片面サブマージアーク溶接を行った場合、Al、Mn等の添加量コントロールだけでは、良好で安定した低温靭性を得ることはできない。
また、高速度で高能率な片面サブマージアーク溶接を行うため、フラックスの成分および粒度構成を限定し、溶接条件を改善した技術がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、この溶接技術は、溶接作業性を重点に開発されたものであり、一般的な成分を有するサブマージアーク溶接用フラックスおよび溶接用ワイヤを用いているため、溶接金属の機械性能においては全く考慮がなく、良好な機械的性能を得ることができない。よって、この技術では、良好な溶接作業性と良好な溶接金属機械性能の両立は不可能である。
さらに、鋼板開先内に散布する充填材の改善によって溶接金属の低温靭性向上を図っている技術がある(例えば、特許文献4参照)。この充填材の改善により溶接金属の低温靭性は向上するが、実際の現場では充填材を鋼板開先内に安定して散布することは難しく、散布量バラツキが発生するため、安定した低温靭性を得ることはできない。さらに、FCuB法への適用が困難である。
特開平9−155588号公報 特開2000−107885号公報 特開平6−277878号公報 特開2000−271788号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みて、低温用鋼の片面サブマージアーク溶接において、良好で安定した低温靭性を有する溶接金属が得られ、溶接欠陥の無い健全な溶込み形状とビード外観が得られる片面サブマージアーク溶接用フラックスおよびそれとを組合せた溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 質量%で、SiO2:10〜30%、TiO2:2〜15%、Al23:4〜20%、MgO:10〜35%、MnO:0.1〜3.5%、B23:0.1〜0.9%、Fe:8〜30%、CaO:3〜15%、CaF2:4〜16%、Si:0.1〜2.5%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.1〜2.5%、Ti:0.1〜2.5%を含有し、その他は脱酸剤、CO2、アルカリ酸化物および不可避不純物であることを特徴とする低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックス。
(2) 質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.02〜0.35%、Mn:1.0〜2.2%、Ni:2.0〜4.0%、Al:0.002〜0.045%を含有し、さらにCr:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下の1種または2種以上をCr+3Nb+3Vで0.01〜0.60%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるワイヤと、上記(1)記載のフラックスとを組合せて溶接することを特徴とする低温用鋼の片面サブマージアーク溶接方法。
(3) 上記(2)記載の低温用鋼の片面サブマージアーク溶接方法により生成された溶接金属が、質量%で、Al:0.004〜0.035%、O:0.017〜0.037%を含有し、Al/Oの値が0.2〜1.2である低温用鋼の片面サブマージアーク溶接金属。
本発明の低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックスおよびそれとを組合せた溶接方法によれば、大入熱の片面サブマージアーク溶接においても、良好で安定した低温靭性を有する溶接金属を得られるとともに、溶接欠陥の無い健全な溶込み形状とビード外観が得られ、建築構造物の安全性を著しく高めることができる。また、本発明は、造船の大板継ぎに主として用いられるFCuB法およびSB法どちらの溶接法にも適用可能であるため、生産および溶接能率の向上や在庫管理の簡素化等、作業効率を著しく高めることができる。
まず、本発明の技術思想について、溶接金属組織の点から説明する。
一般に溶接金属の組織は、溶接(溶融)、凝固後の冷却過程でδフェライト相からオーステナイト相へ変態し、その後、αフェライト相へ変態して最終組織が形成される。大入熱の片面サブマージアーク溶接においては、凝固後の高い温度域でオーステナイト相からαフェライト相へ変態するため、オーステナイト粒界の周囲に靱性に有害な粗大な初析(粒界)フェライトの生成や、オーステナイト粒内に有害な粗大で硬くて脆いセメンタイトが生成し、これらにより溶接金属の靭性低下が顕著であった。
そこで、本発明者らは、上記の問題を改善するための溶接金属成分組成について溶接実験等により鋭意検討を行った。
その結果、溶接(溶融)、凝固後のオーステナイト相からαフェライト相への変態過程で、オーステナイト粒内に細粒なベイナイトまたはアシキュラーフェライトを生成させ、それらの組織で覆い尽くせば、脆性亀裂の発生起点となるセメンタイトを粒内に細粒なセメンタイトとして微細分散され、上記の結晶粒の微細化による脆性亀裂進展時における破面単位の細分化の効果と併せて、溶接金属の靭性を大幅に向上できることを知見した。このオーステナイト粒内に細粒なベイナイトまたはアシキュラーフェライトを生成させるためには、Si、Mo、Ti、Cr、NbおよびVの適正量の添加による焼入性向上が有効であることを見出した。
また、上記の結晶粒の微細化および粒内組織の細粒なベイナイトまたはアシキュラーフェライトの生成を利用した細粒なセメンタイトの微細分散化がもたらす靱性向上効果をより顕著にするために、Bのオーステナイト粒界への偏析作用を利用し、オーステナイト粒の微細化に伴ってオーステナイト粒界での粗大な初析(粒界)フェライトの生成を抑制する方法が有効であることが判った。
さらに、上記の手段に加えて、溶接金属に添加するCを抑制したり、粗粒なセメンタイトの生成を抑制する作用を有するSiを適量添加することによりオーステナイト相からαフェライト相への変態過程あるいは変態終了後に、粒内に生成する靱性に有害な粗大で硬くて脆いセメンタイトの生成を低減し、溶接金属の靱性をより向上させることができることを明らかにした。
上記溶接金属組織形態にすれば、靭性が向上することは確認できたが、造船の大板継ぎの生産性および作業効率を高めるため、FCuB法およびSB法どちらの溶接法にも適用可能にする必要がある。FCuB法は裏当銅板があるため、溶接後の溶接金属部における熱の放出が容易であり、冷却速度は速い溶接法である。SB法はSiO2を主成分とした軽量な固形耐火性裏当材を使用しているため、溶接後の溶接金属部は熱を放出し難く、冷却速度が遅い溶接法である。したがって、FCuB法とSB法では溶接後の溶接金属部における冷却速度が異なるため、焼入れ性に大きな差が生じることが判り、同一の溶接材料でFCuB法とSB法を行った場合、同じ溶接金属組織形態を得ることは困難であった。そこで、FCuB法およびSB法どちらの溶接法でも、同じ溶接金属組織形態を得ることが可能な溶接材料を開発するため、さらに溶接実験等により鋭意検討を行った。
その結果、溶接金属成分のAlとOの含有量およびバランスが極めて重要であることを見出し、図3に示すようにAl/Oの値が0.2〜1.2の範囲内にすればFCuB法およびSB法どちらの溶接法でも、高靭性で同じ溶接金属組織形態を得ることが判った。Alは強脱酸元素であり、溶接金属の酸素低減と焼入れ性を向上させる。Oはアシキュラーフェライトの生成核として重要な成分であり、このAlとOの含有量およびバランスで、ほぼ溶接金属組織形態は決定される。これは、AlはOとの親和性が強く、Ti、Si、Mn等より早く結合されるためと考えられる。
溶接金属の化学成分設計において、安定した合金元素の歩留を考慮すると、ワイヤに合金元素を添加することが多い。しかし、合金元素を過剰添加するとワイヤの引張強度、硬さが過剰に高くなり、溶接時にワイヤの屈曲性が劣って、ワイヤ送給性を劣化させ、アークが不安定になり、ビード外観および溶け込み不足など、溶接金属形状が悪くなる。よって、ワイヤには、溶接作業性に支障を来さない量の合金元素を添加し、溶接金属の靭性向上に不足な合金元素についてはフラックス中に添加することによって補い、溶接作業性と溶接金属靭性向上の両立を可能とした。
本発明は、以上の知見からなされたものであり、以下に本発明におけるフラックスおよび溶接ワイヤ、溶接金属の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の%は、質量%を示す。
フラックスのSiO2は、片面サブマージアーク溶接において、良好な溶接ビードを形成するために最も重要な成分であるが、過多になると溶接金属中の酸素量が増加し、靭性が劣化する。すなわち、10%未満ではビード趾端部のなじみが悪くなり、スラグ剥離性が劣化し、またアンダーカットも生じる。一方、30%を超えると溶接金属の酸素量が増加して靭性が劣化するため、その含有量を10〜30%とする。
フラックスのTiO2は、ビード表面の平滑性を得るのに効果があり、かつ、靭性向上にも有効である。その含有量が2%未満ではビード表面の平滑性および靭性の向上の効果がなく、15%を超えるとビード趾端部の立ち上がり角度が大きくなり、表ビードおよび裏ビード共にビード外観およびスラグ剥離性が不良になるため、その含有量を2〜15%とする。
フラックスのAl23は、スラグ剥離性を良好にする効果がある。その含有量が4%未満ではスラグ剥離性が劣化するとともにアンダーカットも生じる。一方、20%を超えると凸ビードとなりスラグ剥離性も不良になるため、その含有量を4〜20%とする。
フラックスのMgOは、スラグの耐火性を向上させる。片面サブマージアーク溶接ではスラグの耐火性を高くする必要があり、10%未満では表ビードおよび裏ビード共にビード形状が不良となる。一方、35%を超えるとビード表面に突起物が発生し、スラグ剥離性およびビード外観が不良となる。したがって、MgOの含有量を10〜35%とする。
フラックスのMnOは、スラグの粘性、流動性、融点の調整をするのに有効な成分である。その含有量が0.1%未満ではスラグの粘度が低下し、流動性が劣化するため、表ビードおよび裏ビード共にビード蛇行、アンダーカットを生じる。一方、3.5%を超えるとスラグの粘度が高くなりすぎ、スラグ巻き込み、焼き付きが発生し、スラグ剥離性が劣化する。したがって、MnOの含有量を0.1〜3.5%とする。
フラックスのB23は靭性向上に効果がある。その含有量が0.1%未満では靭性向上の効果が得られず、0.9%を超えると溶接金属が硬化し、かえって靭性が劣化するため、その含有量を0.1〜0.9%とする。
フラックスのFeは、溶着効率の向上およびアークの集中性に効果がある。その含有量が8%未満では溶着効率が低下し、アークの集中性が劣るため裏ビードのビード形状が不安定になる。一方、30%を超えるとビード表面に突起物が発生してスラグ剥離性が不良になるため、その含有量を8〜30%とする。
フラックスのCaOは、スラグの融点および流動性を調整するために重要な成分である。3%未満ではビード趾端部のなじみが悪く、表ビードおよび裏ビード共にビード外観が不良となり、アンダーカットも生じる。一方、15%を超えるとスラグ流動性が不良となり、表ビードおよび裏ビード共にビード高さが不均一でスラグ剥離性も不良になるため、その含有量を3〜15%とする。
フラックスのCaF2は、靭性改善に効果があるが、融点が低いため過多になるとビードの平滑性が損なわれる。4%未満では靭性改善の効果がなく、16%を超えると表ビードおよび裏ビード共にビードが不良となるため、その含有量を4〜16%とする。
フラックスのSiは、脱酸元素であり、溶接金属の酸素量を低減する。その含有量が0.1%未満では脱酸効果が得られず、靭性が劣化する。2.5%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を0.1〜2.5%とする。
フラックスのMoは、溶接金属の焼入れ性増大元素として重要な成分である。その含有量が0.1%未満では溶接金属の靭性向上に効果がなく、3.0%を超えると溶接金属の焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を0.1〜3.0%とする。
フラックスのAlは、微細な溶接金属組織を形成させ、良好な靭性を得るための重要な成分である。その含有量が0.1%未満では溶接金属の酸素低減、焼入れ性効果が得られず、靭性が劣化する。一方、2.5%を超えると溶接金属の酸素量が激減し、靭性向上に有効なアシキュラーフェライトを生成できず、また焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を0.1〜2.5%とする。
フラックスのTiは、溶接金属中で微量でもTi酸化物等を生成して、強度および靭性の向上に有効な微細な結晶粒のアシキュラーフェライトを生成する核生成サイトとなる。その含有量が0.1%未満では十分な効果が得られず、靭性が劣化する。一方、2.5%を超えると、酸化物あるいは窒化物として固定されなかったTiがフェライトマトリックス中に固溶し、靭性を劣化させるので、その含有量を0.1〜2.5%とする。
ワイヤのCは、良好な溶接金属靭性を得るための重要な成分であり、良好な靭性を得るためには、その含有量を0.02〜0.10%にする必要がある。その含有量が0.02%未満であると脱酸不足となり、靭性が劣化する。0.10%を超えると硬さが過剰となって靭性が劣化する。また、溶接金属にCを過剰に含有するとオーステナイト粒内に靭性に有害な粗大セメンタイト(Fe3C)が多く生成するため、Cの含有量の上限を0.07%とすることが、より靭性を向上させるために好ましい。
ワイヤのSiは、脱酸元素であり、溶接金属の酸素量を低減する。その含有量が0.02%未満では脱酸効果が得られず、靭性が劣化する。0.35%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって靭性が劣化する。またSiは、δフェライトの安定化元素としてオーステナイトの粗大化を抑制し、オーステナイト粒径を微細化するために有効な元素としてワイヤ中に含有させているが、このオーステナイト粒径を微細化する効果に加えて、オーステナイト粒内に生成する靭性に有害な粗大セメンタイト(Fe3C)の生成を抑制する効果があり、その効果を得るためには、Siの含有量の下限を0.15%にすることが好ましい。
ワイヤのMnは、溶接金属の強度の向上および脱酸効果元素として重要な成分である。その含有量が1.0%未満では溶接金属の十分な強度が得られず、また、溶接金属の酸素量が高くなり靭性が劣化する。2.2%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を1.0〜2.2%とする。
ワイヤのNiは、溶接金属のフェライトマトリックスの靭性を向上させる重要な元素である。その含有量が2.0%未満では溶接金属の靭性向上に効果がなく、4.0%を超えるとワイヤの引張強度、硬さを著しく向上させるため、溶接時のワイヤ送給性が劣化してアークが不安定となり、ビード外観および溶込み形状が不良となるなど溶接作業性が悪くなる。また、オーステナイトの安定化元素でもあり、過剰に含有されるとオーステナイト粒径を粗大化させるため、靭性が劣化する。よってオーステナイト粒径の微細化および溶接作業性向上のためにNiの含有量を2.0〜4.0%とする。
ワイヤのAlは、微細な溶接金属組織を形成させ、良好な靭性を得るための重要な成分である。その含有量が0.002%未満では溶接金属の酸素低減、焼入れ性効果が得られず、靭性が劣化する。一方、0.045%を超えると溶接金属の酸素量が激減し、靭性向上に有効なアシキュラーフェライトを生成できず、また焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を0.002〜0.045%とする。
本発明に用いるワイヤの成分として、さらにCrを0.2%以下、Nbを0.1%以下、Vを0.1%以下の1種または2種以上をCr+3Nb+3Vで0.01〜0.60%含むことにより、溶接金属の焼入れ性を増大して靱性を向上させることができる。Cr+3Nb+3Vが0.01%未満であると、溶接金属の靭性向上に効果がない。また、Cr+3Nb+3Vが0.60%超、Crが0.2%超、Nbが0.1%超、Vが0.1%を超えると溶接金属の焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化する。
溶接金属のAlは、微細な溶接金属組織を形成させ、良好な靭性を得るための重要な成分である。その含有量が0.004%未満では溶接金属の酸素低減、焼入れ性効果が得られず、靭性が劣化する。一方、0.035%を超えると溶接金属の酸素量が激減し、靭性向上に有効なアシキュラーフェライトを生成できず、また焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化するため、その含有量を0.004〜0.035%とする。
溶接金属のOは、靭性向上に有効なアシキュラーフェライトを生成させ、微細な溶接金属組織にするための極めて重要な成分となる。その含有量が0.017%未満では、靭性向上に有効なアシキュラーフェライトを生成できず、靭性が劣化する。一方、0.037%を超えると、靭性が劣化する。したがって、Oの含有量を0.017〜0.037%とする。
溶接金属のAl/Oは、良好な溶接金属靭性を得るための重要な値である。その値が0.2未満または1.2を超えると、溶接金属中の組織形態のバランスが崩れ、良好な溶接金属靭性を得ることができない。したがって、良好な溶接金属靭性を得るためにはAl/Oの値を0.2〜1.2とする。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。
表1に示す化学組成の板厚25mmの鋼板を用い、表2に示す化学組成の焼成型フラックスおよび表3に示す化学組成のワイヤを各種組合せて、図1に示すFCuB法の場合、表4に示す化学組成の裏フラックス、図4に示す鋼板開先形状を用いて、表7に示す溶接条件にて3電極片面サブマージアーク溶接による1パス盛りを実施した。図2に示すSB法の場合は、表5に示す化学組成の固形耐火性裏当材、表6に示す化学組成の鋼粒(1mm径のワイヤを1mm長さにカットしたもの)、図5に示す鋼板開先形状を用いて、表8に示す溶接条件にて2電極片面サブマージアーク溶接による1パス盛りを実施した。なお、表2に示すフラックスは、水ガラスを固着材として造粒した後、400〜550℃で2時間焼成し、12×100メッシュに整粒した。表3に示すワイヤは、4.8mm、6.4mmのワイヤ径を作成した。
Figure 2007152369
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溶接終了後、溶接金属部の機械的性能評価として、鋼板中央部12.5mmの溶接金属部中央よりシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)および引張試験片(JIS Z2201 A1号)を採取して、それぞれ機械試験を実施した。靭性の評価は−60℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数3本の平均により評価した。なお、引張強度は490N/mm2以上、シャルピー吸収エネルギーは、100J以上であれば良好とした。
溶接作業性の評価は、アーク安定性、スラグ剥離性、表ビード外観、裏ビード外観、溶接欠陥の有無を調査した。アーク安定性については、電流および電圧の変動がなく、安定したワイヤ送給であれば良好とし○、不安定であれば×とした。スラグ剥離性については、ハンマーまたはタガネを用いてスラグを軽打して簡単にスラグが剥離すれば良好とし○、軽打でスラグが剥離しなければ劣るとし×とした。表ビード外観については、ビード表面の波目が細かく、均一で美しいビード形状であれば良好とし○、1つでも劣るものについては×とした。裏ビード外観については、ビード幅および高さが均一で、凹凸の無い美しいビード形状であれば良好とし○、1つでも劣るものについては×とした。溶接欠陥評価については、アンダーカットやブローホールなどの溶接欠陥が全くなければ良好とし○、1つでも欠陥がある場合は劣るとし×とした。表9にこれらの試験結果をまとめて示す。
Figure 2007152369
表9から明らかなように、本発明例である試験記号T1〜T8は、フラックスF1、F2、F3、F4およびワイヤW1、W2、W3が本発明の構成要件を満足し、また、溶接金属中のAl含有量、O含有量およびAl/Oの構成範囲を満たすため、溶接金属の引張強度およびシャルピー吸収エネルギーは良好な値が得られた。また、アーク安定性およびスラグ剥離性が優れ、アンダーカットなどの溶接欠陥のない美しいビード外観と健全な溶込み形状を得ることができ、極めて満足な結果であった。
これに対し、比較例である試験記号T9は、フラックスF5のSiO2が低いため、表ビード趾端部のなじみが悪くなり、スラグ剥離性が劣化し、またアンダーカットが発生した。また、ワイヤW4のCが低いため、脱酸不足となり、溶接金属中のOが増加して、Alの歩留がやや減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T10は、フラックスF6のSiO2が高いため、溶接金属中のOが増加し、Alの歩留がやや減少することによって、Al/Oの値が低くなり、また、ワイヤW5のCが高いため、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T11は、フラックスF7のTiO2が低いため、靭性を向上する効果が得られず、また表ビード表面の平滑性が劣化した。さらにワイヤW7のSiが高いため、溶接金属中のAlがやや高めでOがやや減少し、Al/Oの値が高くなり、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T12は、フラックスF8のTiO2が高いため、表ビードおよび裏ビード共にビード趾端部の立ち上がり角度が大きくなり、スラグ剥離性も劣化した。また、ワイヤW9のMnが高いため、溶接金属中のOがやや減少し、Al/Oの値が高くなり、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T13は、フラックスF9のAl23が低いため、スラグ剥離性が劣化し、アンダーカットが発生した。また、ワイヤW6のSiが低いため、脱酸不足となり、溶接金属中のOが増加して、Alの歩留がやや減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T14は、フラックスF10のAl23が高いため、表ビードが凸ビードとなってスラグ剥離性も劣化した。また、ワイヤW8のMnが低いため、脱酸不足となり、溶接金属中のOが増加して、Alの歩留がやや減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T15は、フラックスF11のMgOが低いため、表ビードおよび裏ビード共にビード形状が不均一になった。また、ワイヤW10のNiが低いため、溶接金属の焼入れ性が劣り、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Niが低いため、フェライトマトリックスの靭性を向上させることができず、組織微細効果のみではシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T16は、フラックスF12のMgOが高いため、ビード表面に突起物が発生し、表ビードのスラグ剥離性およびビード外観が劣化した。また、ワイヤW13のAlが高いため、溶接金属中のOが激減し、Al/Oの値が高くなり、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T17は、フラックスF13にMnOが添加されていないため、スラグの粘度が低下し、表ビードおよび裏ビード共にビード蛇行、アンダーカットが発生した。また、ワイヤW14のCrが高いため、溶接金属の硬さが過剰となり、さらにAl/Oの値が高くなってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T18は、フラックスF14のMnOが高いため、スラグの粘度が高くなりすぎ、焼き付きが発生してスラグ剥離性が劣化した。また、別途実施したX透過試験でスラグ巻き込み欠陥があることがわかった。さらに、ワイヤW12のAlが低いため、脱酸不足となり、溶接金属中のOが増加して、Alの歩留がやや減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T19は、フラックスF15にB23が添加されていないため、溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低くなった。(Al/O:低い)
試験記号T20は、フラックスF16のB23が高いため、硬さが過剰となって溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低くなった。(Al/O:高い)
試験記号T21は、フラックスF17のFeが低いため、溶着量が不足した。また、アークの集中性が劣るため、裏ビードのビード形状が劣化した。さらに、ワイヤW15のNbが高いため、焼入れ性が高くなり、硬さが過剰となって溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Nbが高いため、フェライトマトリックスの強度が高くなりすぎ、強度過剰によってシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T22は、フラックスF18のFeが高いため、表ビード表面に突起物が発生し、スラグ剥離性も劣化した。また、ワイヤW16のVが高いため、焼入れ性が高くなり、硬さが過剰となって溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Vが高いため、フェライトマトリックスの強度が高くなりすぎ、強度過剰によってシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T23は、フラックスF19のCaOが低いため、表ビードおよび裏ビード共にビード趾端部のなじみが悪くなり、ビード外観が劣化し、アンダーカットも発生した。また、ワイヤW18のCr+3Nb+3Vが高いため、焼入れ性が高く、溶接金属の硬さが過剰となり、また、溶接金属中のOが減少し、Al/Oの値が高くなってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T24は、フラックスF20のCaOが高いため、スラグ流動性が不良となり、ビード高さが不均一となり、表ビードおよび裏ビード共にビード外観が不良でスラグ剥離性も劣化した。また、ワイヤW17のCr+3Nb+3Vが低いため、溶接金属の焼入れ性が足りず、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Cr+3Nb+3Vが低いため、フェライトマトリックスの靭性を向上させることができず、組織微細効果のみではシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T25は、フラックスF21のCaF2が低いため、靭性向上の効果が得られなかった。また、ワイヤW11のNiが高いため、ワイヤの引張強度、硬さが過剰に高くなり、溶接時のワイヤ送給性が劣化してアークが不安定になり、表ビードおよび裏ビード共にビード外観が不良で溶け込み形状も不良となった。同時に、オーステナイト粒径の粗大化や溶接作業性不安定による大気の巻き込みによって溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T26は、フラックスF22のCaF2が高いため、ビードの平滑性が損なわれて表ビードおよび裏ビード共にビード外観が劣化した。
試験記号T27は、フラックスF23にSiが添加されていないため、脱酸不足となり、溶接金属中のOが増加して、Alの歩留がやや減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T28は、フラックスF24のSiが高いため、溶接金属中のOが減少し、Al/Oの値が高くなり、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T29は、フラックスF25にMoが添加されていないため、溶接金属の焼入れ性が劣り、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Moが低いため、フェライトマトリックスの靭性を向上させることができず、組織微細効果のみではシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T30は、フラックスF26のMoが高いため、溶接金属の焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。なお、溶接金属のAl/Oのバランスは良好で、微細な組織形態を得られているが、Moが高いため、フェライトマトリックスの強度が高くなりすぎ、強度過剰によってシャルピー吸収エネルギーは若干低くなった。
試験記号T31は、フラックスF27にAlが添加されていないため、Alの歩留が減少し、Al/Oの値が低くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T32は、フラックスF28のAlが高いため、溶接金属中のOが激減し、Alの歩留が増加してAl/Oの値が高くなり、溶接金属の硬さが過剰となってシャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T33は、フラックスF29にTiが添加されていないため、溶接金属の靭性向上に有効な微細なアシキュラーフェライトを生成するための核生成サイトを形成できず、また脱酸不足で溶接金属中のOが多くなり、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
試験記号T34は、フラックスF30のTiが高いため、溶接金属中のOが減少し、さらに酸化物あるいは窒化物として固定されなかったTiがフェライトマトリックス中に固溶したため、シャルピー吸収エネルギーが低くなった。
フラックス銅バッキング片面サブマージアーク溶接方法(FCuB法)を示す断面図である。 ソフトバッキング片面サブマージアーク溶接方法(SB法)を示す断面図である。 溶接金属中のAl/Oと−60℃におけるシャルピー吸収エネルギーの関係を示すグラフである。 本発明の実施例に用いたFCuB法用の開先形状を示す図である。 本発明の実施例に用いたSB法用の開先形状を示す図である。
符号の説明
1 裏当銅板
2 裏フラックス
3 エアーホース
4 鋼板
5 ワイヤ
6 フラックス
7 ホース格納箱
8 固形耐火性裏当材
9 粘着テープ
10 マグネットクランプ
11 鋼粒

Claims (3)

  1. 質量%で、SiO2:10〜30%、TiO2:2〜15%、Al23:4〜20%、MgO:10〜35%、MnO:0.1〜3.5%、B23:0.1〜0.9%、Fe:8〜30%、CaO:3〜15%、CaF2:4〜16%、Si:0.1〜2.5%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.1〜2.5%、Ti:0.1〜2.5%を含有し、その他は脱酸剤、CO2、アルカリ酸化物および不可避不純物であることを特徴とする低温用鋼の片面サブマージアーク溶接用フラックス。
  2. 質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.02〜0.35%、Mn:1.0〜2.2%、Ni:2.0〜4.0%、Al:0.002〜0.045%を含有し、さらにCr:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下の1種または2種以上をCr+3Nb+3Vで0.01〜0.60%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるワイヤと、請求項1記載のフラックスとを組合せて溶接することを特徴とする低温用鋼の片面サブマージアーク溶接方法。
  3. 請求項2記載の低温用鋼の片面サブマージアーク溶接方法により生成された溶接金属が、質量%で、Al:0.004〜0.035%、O:0.017〜0.037%を含有し、Al/Oの値が0.2〜1.2である低温用鋼の片面サブマージアーク溶接金属。
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