JP2007151278A - 配線付き造作部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンセントなどの配置を容易に変更できる配線付き造作部材を提供する。
【解決手段】造作部材本体1の内部には電力線L1と情報線L2とが収納され、長手方向の両端部には嵌合凸部2A,2B、嵌合凹部3A,3Bが設けられている。複数の造作部材Aを直列に連結し、嵌合凸部2A,2Bと嵌合凹部3A,3Bとを凹凸嵌合させると、各造作部材Aに収納された電力線L1同士、情報線L2同士がそれぞれ電気的に接続される。また造作部材本体1には、電力線L1、情報線L2にそれぞれ電気的に接続された電力路接続口6A、情報路接続口6Bを有するゲート装置Bが収納されており、ゲート装置Bに機能モジュールC1又はC2を接続すると、機能モジュールC1,C2ではゲート装置Bを通じて電力線L1から電源供給を受け、情報線L2を通じて情報信号を授受する。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線付き造作部材に関するものである。
従来の屋内配線では、建物の壁の裏側に電気配線を先行配線しておき、壁の要所に設けたスイッチボックスまで電気配線を導入していた。そして、コンセントやスイッチなどの埋込型配線器具を配設する際には、スイッチボックスから引き出した電気配線を埋込型配線器具の端子部に接続した後、配線器具用に規格化された取付枠を用いて配線器具をスイッチボックスに埋込配設していた(例えば特許文献1参照)。
特開2001−37037号公報(段落[0002]、及び、第13図)
上述した従来の屋内配線では、スイッチボックスの施工場所が予め決められており、埋込型の電源コンセントや情報コンセントなどの場所を自由に移動させることができなかった。そのため、電気機器を設置したい場所の近くに電源コンセントや情報コンセントが無い場合は、離れた場所にある電源コンセントや情報コンセントからテーブルタップやモジュラコードを用いて延長配線しなければならず、電源コードやモジュラコードを床に引き回すため、配線が見苦しく部屋の美観を損ねるという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コンセントなどの配置を容易に変更できる配線付き造作部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、建物の壁に取着される長尺の造作部材本体を備え、当該造作部材本体の内部に電源の供給および情報信号の伝送に用いる電線を収納し、造作部材本体における壁と反対側の表面に、電線から得た電源を外部負荷に供給する電源コンセント部、又は、電線を介して情報信号を授受する情報コンセント部の内の少なくとも何れか一方を具備した機能装置部を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、造作部材本体の内部に電線が収納され、造作部材本体における壁と反対側の表面には、電源コンセント部又は情報コンセント部の内の少なくとも何れか一方を具備した機能装置部が設けられているので、電気機器の設置場所の近くに造作部材本体を取着することで、電気機器の近くに電源コンセント部又は情報コンセント部を設けることが可能になり、電源コードやモジュラコードを長距離に亘って引き回さなくても済むので、部屋の美観を損なうことなく配線を行うことができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、機能装置部を、電線を外部の電路に接続するための接続口を具備し、造作部材本体の内部に収納されるゲート装置と、ゲート装置の接続口に着脱自在に接続される被接続部を具備し、ゲート装置を介して電源の供給又は情報信号の授受の少なくとも何れか一方を行う機能モジュールとで構成したことを特徴とする。
この発明によれば、所望の機能を有する機能モジュールをゲート装置に接続することで、機能の変更や拡張にも容易に対応することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、電線が、電源供給のための電力線と、情報信号を伝送するための情報線とで構成されることを特徴とする。
この発明によれば、電力線と情報線とを用いて電力の供給と情報信号の伝送とを行うことができる。
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、電線が電源供給のための電力線からなり、電力線を介して電力線搬送により情報信号を授受する電力線搬送通信手段を機能装置部に設けたことを特徴とする。
この発明によれば、電力線で情報線を兼用しているので、電線の本数を減らして、配線施工を簡略化することができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、造作部材本体の形状、寸法が、既設の造作部材と略同一の形状、寸法に形成したことを特徴とする。
この発明によれば、既設の造作部材と入れ替えて造作部材本体を取り付けることができ、既設の住宅にも容易に対応できる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの発明において、造作部材本体の長手方向両端部に、造作部材本体に収納された電線を連設された他の造作部材本体に収納された電線に接続するためのコネクタを設け、複数の造作部材本体を入替可能な状態で連結したことを特徴とする。
この発明によれば、造作部材本体の長手方向両端部に、内部に収納した電線を他の造作部材本体に収納された電線に接続するためのコネクタが設けられているので、造作部材本体を長手方向に連設することで、電線の接続が行え、且つ、造作部材本体の接続位置を入れ替えることによって、機能装置部を所望の位置に配置することができる。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの発明において、造作部材本体の内部に収納された電線を、壁に配設された電源コンセントおよび情報コンセントに接続するためのコンセント接続モジュールを設けたことを特徴とする。
この発明によれば、コンセント接続モジュールを利用して、造作部材本体の内部に収納された電線を、壁に配設された電源コンセントおよび情報コンセントにそれぞれ接続することができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの発明において、造作部材本体が幅木からなることを特徴とする。
この発明によれば、造作部材本体が幅木で構成されているので、壁の下側に電力路接続口や情報路接続口を配置することができ、低い位置に設置される電気機器に対して短距離で配線を施工することができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至7の何れかの発明において、造作部材本体が、壁の上下方向中間部に取着される腰見切縁からなることを特徴とする。
この発明によれば、造作部材本体が腰見切縁で構成されているので、壁の上下方向中間位置に電力路接続口や情報路接続口を配置することができ、比較的高い位置に設置される電気機器に対して短距離で配線を施工することができる。
本発明によれば、造作部材本体の内部に電線が収納され、造作部材本体における壁と反対側の表面には、電源コンセント部又は情報コンセント部の内の少なくとも何れか一方を具備した機能装置部が設けられているので、電気機器の設置場所の近くに造作部材本体を取着することで、電気機器の近くに電源コンセント部又は情報コンセント部を設けることが可能になり、電源コードやモジュラコードを長距離に亘って引き回さなくても済むので、部屋の美観を損なうことなく配線を行えるという効果がある。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図7に基づいて説明する。尚、以下の説明では、特に断りがないかぎり、図2(a)の向きにおいて上下左右の方向を規定し、図2(a)における正面を前面という。したがって、図2(b)における右端は後端になる。
本実施形態の配線付き造作部材Aの分解斜視図を図1に、正面図を図2(a)に、概略のブロック図を図3にそれぞれ示す。この造作部材Aは、建物の壁に取着される幅木のような長尺の造作部材本体1を備え、この造作部材本体1の内部に電力線L1および情報線L2を長手方向に沿ってそれぞれ収納してある。そして、造作部材本体1の長手方向一端側には角筒状の嵌合凸部2A,2Bを突設してあり、各嵌合凸部2A,2Bの筒内には電力線L1および情報線L2にそれぞれ電気的に接続された接続端子4A,5Aを配置してある。また造作部材本体1の長手方向他端側には、別の造作部材本体1に設けた上記嵌合凸部2A,2Bが凹凸嵌合する嵌合凹部3A,3Bが設けられ、各嵌合凹部3A,3Bの内部には電力線L1および情報線L2にそれぞれ電気的に接続されるとともに、嵌合凸部2A,2Bの接続端子4A,5Aに接続される接続端子4B,5Bを配設してある。ここに、嵌合凸部2A,2B及び嵌合凹部3A,3Bの形状、寸法および内部に設けた接続端子4A,4B,5A,5Bの配列はシステムとして定形化(規格化)してあるので、複数本の造作部材本体1を長手方向に連結して使用することができ、また連結して使用されている複数本の造作部材本体1の順番を入れ替えることも可能である。
さらに、造作部材本体1の長手方向略中間部には横長の開口1a,1bが上下に並べて設けられ、各開口1a,1bの内部にはゲート装置Bを取り付けてある(図1及び図2(a)参照)。このゲート装置Bは、造作部材本体1内に収納された電線(電力線L1および情報線L2からなる)を後述の機能モジュールC1,C2に接続するためのもので、ゲート装置Bの前面(開口1a,1bに臨む面)には、電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aと、造作部材本体1内に収納された情報線L2と電気的に接続されている接触部を備えた情報路接続口6Bとが設けられている。ここに、ゲート装置Bと機能モジュールC1,C2とで本発明に係る機能装置部が構成される。
機能モジュールC1,C2の器体7は略直方体状であって、器体7の内部にはそれぞれ図5(a)(b)に示す回路を内蔵してある。器体7の後部の左右方向寸法および上下方向寸法はそれぞれ造作部材本体1の開口1a,1bに比べて若干小さめに形成してある。また器体7の前端部の周縁からは、側方に向かって突出する鍔部8が一体に形成されている。また器体7の背面部には、ゲート装置Bの電力路接続口6Aおよび情報路接続口6Bにそれぞれ対応して被接続部たるコネクタ部10A,10Bを設けてある。なお、電源コンセントしか設けられていない機能モジュールC1では情報線L2の接続が不要なので、電力路接続口6Aに接続されるコネクタ部10Aのみを設けてある。この器体7を造作部材本体1に取り付ける際には、器体7の後部を開口1a,1b内に挿入して、ゲート装置Bの各接続口6A,6Bにコネクタ部10A,10Bを接続すると、鍔部8の背面が開口1a,1bの周縁部に当接するとともに、器体7の側面に設けた取付爪9が開口1a,1bの周縁部の後面と係合する。このとき、取付爪9と鍔部8との間に造作部材本体1の前面が挟持されるので、機能モジュールC1,C2の器体7を造作部材本体1に取り付けることができる。
なお各接続口6A,6Bの形状、寸法および内部に設けた接触部の配列はシステムとして定形化(規格化)してあり、各接続口6A,6Bに対応して機能モジュールC1,C2の背面部に設けたコネクタ部10A,10Bもその形態を定形化してあるので、コネクタ部10A,10Bを各接続口6A,6Bに着脱自在に接続することによって、機能モジュールC1,C2をゲート装置B(造作部材本体1)に対して着脱自在に取着できるようになっている。
次に電源コンセント型の機能モジュールC1の回路構成を図5(a)により説明する。この機能モジュールC1は、ゲート装置Bの電力路接続口6Aに接続されるコネクタ部10Aと、コネクタ部10Aを介して電力線L1に接続される電源コンセント部11とを備え、電源コンセント部11を介して外部負荷への電源供給が行えるようになっている。
またモジュラコンセント型の機能モジュールC2の回路構成を図5(b)に基づいて説明する。この機能モジュールC2は、コネクタ部10Aを介して電力線L1に接続され、電力線L1を介して供給される商用電源を整流、平滑することにより、所定電圧値の直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vを得るAC/DCコンバータ部12と、コネクタ部10Bを介して接続される情報線L2を通じて情報信号を送受信する送受信部13と、機能モジュールC2の種別に対応した機能を有する機能部16と、送受信部13が受信した情報信号を取り込んで機能部16に対応したデータ信号を生成しI/Oインターフェース15を通じて機能部16に伝送する機能や、機能部16から送られてくるデータ信号をI/Oインタフェース15を通じて取り込み、送信先へ情報信号として送信させるための処理を行う演算処理部14とを備えている。機能モジュールC2では機能部16がモジュラコンセントの機能を有しており、情報線L2を通じて送られてくる情報信号からアナログの電話信号をメディアコンバートしてモジュラ接続口17に出力するとともに、モジュラ接続口17を介して入力される電話信号をメディアコンバートして得た情報信号を情報線L2に伝送するようになっている。ここで、情報線L2は複数種の機器に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置Bを介して機能モジュールCに複数種類の情報信号を伝達することができるから、機能モジュールCに多種多様な機能を持つ機能モジュールを使用でき、多種多様な機能をもつシステムを実現することができる。
而して機能モジュールC1,C2の器体7を造作部材本体1の開口1a,1bに取着して、機能モジュールC1,C2のコネクタ部10A,10Bをゲート装置Bの各接続口6A,6Bに接続すれば、電源コンセント部11を通じて負荷に商用電源を供給できるとともに、モジュラ接続口17に電話機を接続して電話通信が行えるようになっている。尚、機能部16の機能はモジュラコンセントの機能に限定される趣旨のものではなく、機能部16がセンサ機能やスイッチ機能を有しているのであれば、センサの検知データやスイッチの操作データを情報信号として送信し、スピーカ機能であれば情報信号として送られてくる音声データを復調して機能部16に設けたスピーカで再生させ、監視カメラ機能であれば画像データを圧縮符号化して情報信号として送信し、また機能部16がカメラ画像のモニタ機能である場合には送られてくる画像データを伸張復号してモニタ装置で表示させれば良い。つまり、機能部16の構成によって機能が異なる複数種類の機能モジュールCが準備されることになる。また、造作部材Aに電源コンセントや情報コンセントなどの機能モジュールC1,C2を設ける必要が無い場合は、造作部材本体1の開口1a,1bに目隠し蓋(図示せず)を取着して、ゲート装置Bを閉塞しても良く、この場合、造作部材Aは電力線L1および情報線L2の延長用として機能する。また、図6に示すように上述の造作部材Aにおいて、ゲート装置Bを無くすとともに、開口1a,1bを閉塞した形態の造作部材A’を設けても良く、このような造作部材A’を造作部材Aに接続して使用することで、電力線L1および情報線L2を延長することができる。
次に、本実施形態の配線付き造作部材Aを用いた配線システムについて図6及び図7に基づいて説明する。上述のように造作部材A,A’は、造作部材本体1の長手方向一端側に嵌合凸部2A,2Bが設けられるとともに、長手方向他端側には嵌合凹部3A,3Bが設けられているので、複数の造作部材A,A’を長手方向に並べて連結し、嵌合凸部2A,2Bと嵌合凹部3A,3Bとを凹凸嵌合させることによって、各々の造作部材A,A’にそれぞれ収納された電力線L1同士、情報線L2同士をそれぞれ電気的に接続することができる。そして、直列接続された複数の造作部材A,A’の内、一方の端にある造作部材A’にコンセント接続モジュールDを接続し、他方の端にある造作部材Aに端末モジュールFを接続する。また造作部材A,A間を連結モジュールEを介して接続することによって、造作部材A,Aの連結方向を90度変更することができ、コーナ部を挟んで互いに直交する2つの壁50,51に造作部材A,A’を配設することができる。
ここで、コンセント接続モジュールDは、図7(a)に示すように造作部材本体1と上下方向寸法および厚み寸法が略同じ寸法に形成された器体18を備えている。造作部材本体1と面接する器体18の一側面には、造作部材本体1の嵌合凸部2A,2Bと嵌合する嵌合凹部19A,19Bが形成され、この嵌合凹部19A,19Bの内部には、嵌合凸部2A,2Bの接続端子4A,5Aに接続される接続端子20,21を配設してある。また器体18の他方の側面からは接続端子20,21にそれぞれ電気的に接続された電源コード22及びモジュラコード24が導出され、各コード22,24の先端にはそれぞれ電源プラグ23、モジュラコネクタ25が接続されている。而して、造作部材本体1の一端側に設けた嵌合凸部2A,2Bを嵌合凹部19A,19Bと凹凸嵌合させることで、コンセント接続モジュールDを造作部材Aに接続し、造作部材本体1内に収納された電力線L1および情報線L2をそれぞれ電源コード22およびモジュラコード24に電気的に接続することができる。そして、コンセント接続モジュールDの電源プラグ23及びモジュラコネクタ25を、壁50に埋込配設された電源コンセント41およびモジュラコンセント42に接続することによって、壁50,51の裏側に先行配線された電力線および情報線に、造作部材A内部の電力線L1および情報線L2を接続することができる。
また、連結モジュールEは、図7(b)に示すように平面視の形状が略L字形に形成された器体26を備え、器体26の内部には電力線L1および情報線L2を収納してある。一方の側片26aの先端面には、造作部材本体1の嵌合凹部3A,3Bに凹凸嵌合する角筒状の嵌合凸部27A,27Bが突設されており、各嵌合凸部27A,27Bの筒内には、嵌合凹部3A,3B内に配設された接続端子4B,5Bと電気的に接続される接続端子28,29が配設されている。また他方の側片26bの先端面には、造作部材本体1の嵌合凸部2A,2Bが凹凸嵌合する嵌合凹部30A,30Bが形成されており、各嵌合凹部30A,30Bの内部には、接続端子28,29に電力線L1および情報線L2を介して電気的に接続されるとともに、嵌合凸部2A,2Bの接続端子4A,5Aに電気的に接続される接続端子31,32が配設されている。而して、壁50に配設された造作部材Aの嵌合凹部3A,3Bに嵌合凸部27A,27Bを接続するとともに、壁51に配設された造作部材Aの嵌合凸部2A,2Bに嵌合凹部30A,30Bを接続して、両造作部材A,A間を連結モジュールEを介して連結すると、各造作部材A,Aに収納された電力線L1,L1間が連結モジュールEの電力線L1を介して電気的に接続されるとともに、各造作部材A,Aに収納された情報線L2,L2間が連結モジュールEの情報線L2を介して電気的に接続されるのである。
また更に、端末モジュールFは、図7(c)に示すように造作部材本体1と上下方向寸法および厚み寸法が略同じ寸法に形成された器体33を備え、造作部材本体1と面接する器体33の一側面には、造作部材本体1の嵌合凹部3A,3Bと嵌合する嵌合凸部34A,34Bが形成されている。而して、造作部材本体1の嵌合凹部3A,3Bに端末モジュールFの嵌合凸部34A,34Bを凹凸嵌合させることで、造作部材Aに対して端末モジュールFを接続することができ、造作部材Aの嵌合凹部3A,3Bを塞いで、嵌合凹部3A,3B内の接続端子4B,5Bにゴミや埃などが付着するのを防止することができる。
以上説明したように複数の造作部材Aを互いに直列に連結された状態で壁50,51に配設し、一方の端にある造作部材A’にコンセント接続モジュールDを接続して、造作部材A内に収納された電力線L1および情報線L2を壁内に先行配線された電力線および情報線に電気的に接続することができるから、壁50,51の所望の位置に機能モジュールC1,C2を設けることができる。したがって、電気機器の設置位置に合わせて電気機器の近傍に造作部材Aを設置すれば、電源コンセントやモジュラコンセントなどの機能モジュールC1,C2を電気機器の近くに設けることができ、電源コンセントやモジュラコンセントと電気機器との間の配線が短距離で済むから、配線を纏まり良く施工でき、配線が邪魔になったり、室内の美観を損なうことがない。また造作部材本体1を、壁50,51と床52との境界部に取着される幅木で構成しているので、壁50,51の下部に電源コンセントや情報コンセントなどの機能モジュールC1,C2を配置することができる。また各造作部材A,A’は、長手方向の一端側に嵌合凸部2A,2Bを形成して、各嵌合凸部2A,2Bに接続端子4A,5Aを配設するとともに、他端側に嵌合凹部3A,3Bを形成して、各嵌合凹部3A,3B内に接続端子4B,5Bを形成してあり、接続端子4A,4Bからなる電力用コネクタと、接続端子5A,5Bからなる情報用コネクタとを造作部材Aの長手方向両端部に設けているので、複数の造作部材A,A’を連結する順番を容易に入れ替えることができ、レイアウト変更などによって機能モジュールC1,C2の位置を変更したい場合にも造作部材A,A’の接続位置を入れ替えることで、機能装置部(機能モジュールC1,C2)を所望の位置に配置することができる。またゲート装置Bに接続する機能モジュールC1,C2を交換することで、所望の機能を有する機能モジュールを使用することができ、機能の追加や拡張にも容易に対応できる。
ところで、上述の実施形態では造作部材本体1を幅木で構成しているが、造作部材本体1を幅木に限定する趣旨のものではなく、例えば図6に示すように壁50,51の上下方向中間部に取着される腰見切縁で造作部材本体1’を構成しても良く、造作部材本体1を幅木で構成した場合に比べて、電源コンセントや情報コンセントなどの機能モジュールC1,C2を高い位置に配置することができるから、比較的高い位置に配置される電気機器への配線を短距離で施工することができる。尚、造作部材本体1’を腰見切縁で構成した点以外は上述の造作部材Aと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図8〜図11に基づいて説明する。上述の実施形態1では、造作部材本体1,1’の内部に、電力線L1と情報線L2との2本の電線を収納してあるが、本実施形態では造作部材本体1,1’に電力線L1のみを収納し、電力線L1を通じて電力線搬送により情報信号を伝送しており、電力線L1で情報線L2を兼用することにより、電線の本数を減らして配線施工を簡略化することができる。尚、電力線搬送により情報信号を伝送する点以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8は配線付き造作部材Aの分解斜視図であり、造作部材本体1の内部には電力線L1のみが長手方向に沿って収納してある。そして、造作部材本体1の長手方向一端側には角筒状の嵌合凸部2Aを突設し、嵌合凸部2Aの筒内に電力線L1にそれぞれ電気的に接続された接続端子4Aを配置してある(図9参照)。また造作部材本体1の長手方向他端側には、別の造作部材本体1に設けた上記嵌合凸部2Aが凹凸嵌合する嵌合凹部3Aが設けられ、嵌合凹部3Aの内部には電力線L1にそれぞれ電気的に接続されるとともに、嵌合凸部2Aの接続端子4Aに接続される接続端子4Bを配設してある。ここに、嵌合凸部2A及び嵌合凹部3Aの形状、寸法および内部に設けた接続端子4A,4Bの配列はシステムとして定形化(規格化)してあるので、複数本の造作部材本体1を長手方向に連結して使用することができ、また連結して使用されている複数本の造作部材本体1の順番を入れ替えることも可能である。
さらに、造作部材本体1の長手方向略中間部には横長の開口1a,1bが上下に並べて設けられ、各開口1a,1bの内部にはゲート装置Bを取り付けてある。このゲート装置Bは、造作部材本体1内に収納された電線(電力線L1)を後述の機能モジュールC1,C2に接続するためのもので、ゲート装置Bの前面(開口1a,1bに臨む面)には、電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aが設けられている。ここに、ゲート装置Bと機能モジュールC1,C2とで本発明に係る機能装置部が構成される。
機能モジュールC1,C2の器体7は略直方体状であって、器体7の内部にはそれぞれ図10に示す回路を内蔵してある。また器体7の背面部には、ゲート装置Bの電力路接続口6Aに対応して被接続部たるコネクタ部10Aを設けてある。この器体7を造作部材本体1に取り付ける際には、器体7の後部を開口1a,1b内に挿入して、ゲート装置Bの接続口6Aにコネクタ部10Aを接続すると、鍔部8の背面が開口1a,1bの周縁部に当接するとともに、器体7の側面に設けた取付爪9が開口1a,1bの周縁部の後面と係合する。このとき、取付爪9と鍔部8との間に造作部材本体1の前面が挟持されるので、機能モジュールC1,C2の器体7を造作部材本体1に取り付けることができる。
なお接続口6Aの形状、寸法および内部に設けた接触部の配列はシステムとして定形化(規格化)してあり、接続口6Aに対応して機能モジュールC1,C2の背面部に設けたコネクタ部10Aもその形態を定形化してあるので、コネクタ部10Aを接続口6Aに着脱自在に接続することによって、機能モジュールC1,C2をゲート装置B(造作部材本体1)に対して着脱自在に取着できるようになっている。
次にモジュラコンセント型の機能モジュールC2の回路構成を図10に基づいて説明する。この機能モジュールC2は、コネクタ部10Aを介して電力線L1に接続され、電力線L1を介して供給される商用電源を整流、平滑することにより、所定電圧値の直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vを得るAC/DCコンバータ部12と、コネクタ部10Aを介して電力線L1に接続され、電力線L1を通じて電力線搬送により情報信号を授受するPLCモデム(電力線搬送通信手段)17と、PLCモデム17と演算処理部14との間で情報信号の受け渡しを行う送受信部13と、機能モジュールC2の種別に対応した機能を有する機能部16と、送受信部13が受信した情報信号を取り込んで機能部16に対応したデータ信号を生成しI/Oインターフェース15を通じて機能部16に伝送する機能や、機能部16から送られてくるデータ信号をI/Oインタフェース15を通じて取り込み、送信先へ情報信号として送信させるための処理を行う演算処理部14とを備えている。このように本実施形態では、機能装置部に電力線搬送通信手段を設けているので、造作部材本体1の内部に電力線L1のみを収納すれば良く、電力線L1が情報線L2を兼用しているので、電線の数を減らして配線施工を簡略化することができる。
図11は本実施形態の使用例であり、実施形態1と同様に複数の造作部材本体1,1’を連結して使用することで、所望の位置に機能モジュールC1…を配置でき、また連結モジュールEを用いることで、部屋の全周に亘って造作部材本体1,1’を施工することもできる。なお本実施形態では情報線L2を無くしているので、コンセント接続モジュールDには電源プラグ23のみが設けられており、この電源プラグ23を電源コンセント41に接続することで、造作部材本体1,1’に収納された電力線L1を商用電源に接続している。
尚、PLCモデム17で採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。
実施形態1の配線付き造形部材の分解斜視図である。 同上に機能装置部を取着する前の状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図である。 同上に機能装置部を取着した状態の正面図である。 同上の一部省略せるブロック図である。 (a)(b)は同上に用いる機能装置部のブロック図である。 同上の施工状態の説明図である。 (a)は同上に用いるコンセント接続モジュールの外観図、(b)は同上に用いる連結モジュールの外観斜視図、(c)は同上に用いる端末モジュールの外観斜視図である。 実施形態2の配線付き造形部材の分解斜視図である。 同上の一部省略せるブロック図である。 同上に用いる機能モジュールのブロック図である。 同上の施工状態の説明図である。
符号の説明
A 造作部材
B ゲート装置部
C1,C2 機能装置部
L1 電力線
L2 情報線
1 造作部材本体
2A,2B 嵌合凸部
3A,3B 嵌合凹部
6A 電力路接続口
6B 情報路接続口

Claims (9)

  1. 建物の壁に取着される長尺の造作部材本体を備え、当該造作部材本体の内部に電源の供給および情報信号の伝送に用いる電線を収納し、前記造作部材本体における壁と反対側の表面に、前記電線から得た電源を外部負荷に供給する電源コンセント部、又は、前記電線を介して情報信号を授受する情報コンセント部の内の少なくとも何れか一方を具備した機能装置部を設けたことを特徴とする配線付き造作部材。
  2. 前記機能装置部を、前記電線を外部の電路に接続するための接続口を具備し、前記造作部材本体の内部に収納されるゲート装置と、ゲート装置の接続口に着脱自在に接続される被接続部を具備し、ゲート装置を介して電源の供給又は情報信号の授受の少なくとも何れか一方を行う機能モジュールとで構成したことを特徴とする請求項1記載の配線付き造作部材。
  3. 前記電線が、電源供給のための電力線と、情報信号を伝送するための情報線とで構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の配線付き造作部材。
  4. 前記電線が電源供給のための電力線からなり、前記電力線を介して電力線搬送により情報信号を授受する電力線搬送通信手段を前記機能装置部に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の配線付き造作部材。
  5. 前記造作部材本体の形状、寸法が、既設の造作部材と略同一の形状、寸法に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の配線付き造作部材。
  6. 前記造作部材本体の長手方向両端部に、前記造作部材本体に収納された電線を連設された他の造作部材本体に収納された電線に接続するためのコネクタを設け、複数の造作部材本体を入替可能な状態で連結したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の配線付き造作部材。
  7. 造作部材本体の内部に収納された電線を、壁に配設された電源コンセントおよび情報コンセントに接続するためのコンセント接続モジュールを設けたことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の配線付き造作部材。
  8. 前記造作部材本体が幅木からなることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の配線付き造作部材。
  9. 前記造作部材本体が腰見切縁からなることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の配線付き造作部材。
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