JP4591331B2 - 天井用配線システム及びそれを用いた建築物用配線システム - Google Patents

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Description

本発明は、天井用配線システム及びそれを用いた建築物用配線システムに関するものである。
従来より、天井に取り付けられ先行配線された伝送線が接続されているベースユニットと、所望の機能を有しベースユニットに対して着脱自在に接続される機能ユニットとで構成される配線システムがあった。この配線システムでは、ベースユニットに対して機能ユニットを接続すると、機能ユニットがベースユニットを介して伝送線に接続され、伝送線を介してデータ伝送が行えるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開平8−298690号公報(段落番号[0103]〜[0105]、及び、第31図、第32図)
上述の配線システムでは、ベースユニットに対して特定の機能ユニットしか接続できないため、例えば無線通信ユニットが設置されているところに、無線通信ユニットに代えて、センサユニットやカメラユニットなどの別の機能を有する機能ユニットを設置したい場合には、ベースユニットを含めてシステム全体を取り替えるか或いは追加して設置する必要があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、所望の機能を有する機能モジュールを選択的に設置することが可能なレイアウトフリーで施工性に優れた天井用配線システム及びそれを用いた建築物用配線システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、天井材の裏側に先行配線された電力線および複数種の機能モジュールに対応する情報信号を伝送するために用いる情報線にそれぞれ電気的に接続されて、天井材に取着された天井用ゲート装置と、天井用ゲート装置の下面側に接続され、天井用ゲート装置を介して電力線および情報線に電気的に接続される機能モジュールとで構成され、天井用ゲート装置は、天井材に取着される円柱状のゲート装置本体を備え、当該ゲート装置本体の取付状態における下側面には、それぞれ弧状に形成された2個の電源用栓刃挿入口と、それぞれ弧状に形成された2個の情報用栓刃挿入口とが同一の円周上に開口し、2個の電源用栓刃挿入口はゲート装置本体の下側面の中心を挟んで対角の位置に設けられるとともに、2個の情報用栓刃挿入口は上記中心を挟んで対角の位置に設けられ、機能モジュールに、各電源用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の電源用栓刃と、各情報用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の情報用栓刃とを設け、且つ、電源用栓刃挿入口及び情報用栓刃挿入口にそれぞれ対応する部位でゲート装置本体の内側に、電力線および情報線にそれぞれ電気的に接続されるとともに、各栓刃挿入口から挿入された各栓刃をそれぞれ保持する電源用刃受部材および情報用刃受部材を2個ずつ配設し、情報用刃受部材と情報用栓刃との間で情報信号を授受することを特徴とする。
請求項2の発明は、天井材の裏側に先行配線されて複数種の機能モジュールに対応する情報信号を電力線搬送により伝送するために用いる電力線に電気的に接続されて、天井材に取着された天井用ゲート装置と、天井用ゲート装置の下面側に接続され、天井用ゲート装置を介して電力線に電気的に接続される機能モジュールとで構成され、天井用ゲート装置は、天井材に取着される円柱状のゲート装置本体を備え、当該ゲート装置本体の取付状態における下側面には、それぞれ弧状に形成された2個の電源用栓刃挿入口と、それぞれ弧状に形成された2個の情報用栓刃挿入口とが、同一の円周上に開口し、2個の電源用栓刃挿入口はゲート装置本体の下側面の中心を挟んで対角の位置に設けられるとともに、2個の情報用栓刃挿入口は上記中心を挟んで対角の位置に設けられ、機能モジュールに、各電源用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の電源用栓刃と、各情報用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の情報用栓刃とを設け、且つ、電源用栓刃挿入口及び情報用栓刃挿入口にそれぞれ対応する部位でゲート装置本体の内側に、電力線に電気的に接続されるとともに電源用栓刃挿入口から挿入された電源用栓刃を保持する2個の電源用刃受部材と、電力線を通じて電力線搬送により情報信号を授受する電力線搬送通信手段に接続され、情報用栓刃挿入口から挿入された情報用栓刃を保持する2個の情報用刃受部材とを配設し、情報用刃受部材と情報用栓刃との間で情報信号を授受することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、情報用栓刃および情報用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、情報信号の接続のみを行う情報信号接続手段を設け、電源用栓刃と電源用刃受部材とで機械的な保持を行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、電源用栓刃および電源用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、電源の接続のみを行う電源接続手段を設け、情報用栓刃と情報用刃受部材とで機械的な保持を行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかに記載の天井用配線システムを用いた建築物用配線システムであって、建物の壁又は床の何れか、或いは、壁及び床の両方に配設されて、電力線および情報線にそれぞれ接続される機能モジュールを設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、天井材に取着された天井用ゲート装置の各栓刃挿入口に機能モジュールの各栓刃を挿入すると、電源用栓刃および情報用栓刃がそれぞれ電源用刃受部材および情報用刃受部材に保持され、機能モジュールが天井用ゲート装置を介して電力線および情報線に接続されるので、天井に設置されたゲート装置に対して機能モジュールを嵌合するだけで、機能モジュールの電力路と情報路とを同時に確保でき、しかも情報線を介して複数種の機能モジュールに対応した情報信号が伝送され、天井用ゲート装置の情報用刃受部材と機能モジュールの情報用栓刃との間で上記情報信号を授受しているので、機能モジュールに所望の機能を有するものを選択的に設置することができ、且つ、機能モジュールを、どの天井用ゲート装置にも接続することができるからレイアウトフリーで施工性に優れた天井用配線システムを提供できる。
請求項2の発明によれば、天井材に取着された天井用ゲート装置の各栓刃挿入口に機能モジュールの各栓刃を挿入すると、電源用栓刃および情報用栓刃がそれぞれ電源用刃受部材および情報用刃受部材に保持されるので、天井に設置されたゲート装置に対して機能モジュールを嵌合するだけで、機能モジュールの電力路と情報路とを同時に確保でき、しかも電力線を通じて複数種の機能モジュールに対応する情報信号を電力線搬送により送受信し、天井用ゲート装置の情報用刃受部材と機能モジュールの情報用栓刃との間で上記情報信号を授受しているので、機能モジュールに所望の機能を有するものを選択的に設置することができ、且つ、機能モジュールを、どの天井用ゲート装置にも接続することができるからレイアウトフリーで施工性に優れた天井用配線システムを提供できる。さらに、天井用ゲート装置は電力線搬送通信手段を備え、電力線搬送により情報信号を伝送しているので、電力線で情報線を兼用することができ、情報線を無くすことによって配線の手間を少なくできる。
請求項の発明によれば、情報用栓刃および情報用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、情報信号の接続のみを行う情報信号接続手段を設けているので、刃受部材による保持力を弱めて、天井用機能モジュールの着脱を小さい力で行えるようにすることができる。
請求項の発明によれば、電源用栓刃および電源用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、電源の接続のみを行う情報信号接続手段を設けているので、刃受部材による保持力を弱めて、天井用機能モジュールの着脱を小さい力で行えるようにすることができる。
請求項の発明によれば、電力線および情報線にそれぞれ接続される機能モジュールを、壁又は床の何れか、或いは、壁及び床の両方に配設しているので、多種多様な機能を有するシステムを実現できる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1に本発明に係る床用配線システムを用いた建物全体の配線システムのシステム構成を示す。この建築物用配線システムでは、建物内の床、壁、天井の適所において1乃至複数の埋込ボックス90を埋込配設してあり、始端の埋込ボックス90に対しては、屋外より配線盤6内に引き込まれ主幹ブレーカMBおよび分岐ブレーカBBを介して屋内に引き込まれた電力線L1と、外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続される情報線L2とを導入する。また各埋込ボックス90の間は造営材の裏側に先行配線された電力線L1と情報線L2とを送り配線してある。
天井100に設けた埋込ボックス90には、図2に示すような天井用ゲート装置(以下ゲート装置と略称する。)1Aが配設される。このゲート装置1Aのゲート装置本体10は略円柱状であって、下端部の周面からは鍔部10aが全周に亘って突設されている。このゲート装置本体10は、天井100に設けた取付孔に下側(室内側)から挿入されて、図示しない取付金具と鍔部10aとの間で天井材を挟持することによって天井材に取着されるようになっている。
ゲート装置本体10の上側面には、例えば従来周知の速結端子構造を有する端子部11a,11b,12a,12bが設けられており、端子部11a,11bには電力線L1が、端子部12a,12bには情報線L2が接続されるようになっている。なお、端子部11a,11bの何れか一方に接続される電力線L1は他の埋込ボックス90への送り配線となる。また端子部12a,12bの何れか一方に接続される情報線L2も他の埋込ボックス90への送り配線となる。
一方、ゲート装置本体10の下側面には、それぞれ弧状に開口する4個の栓刃挿入口13,13,14,14が約90度おきに形成されており、ゲート装置本体10の中心を挟んで対角の位置にある2個の栓刃挿入口13,13が電源用栓刃挿入口となり、他の2個の栓刃挿入口14,14が情報用栓刃挿入口となる。そして、一対の電源用栓刃挿入口13,13にそれぞれ対応する部位で、ゲート装置本体10の内側には、電力線L1に電気的に接続されるとともに、各電源用栓刃挿入口13の一端側の幅広部13aから挿入された後述の電源用引掛栓刃22が各電源用栓刃挿入口13の他端側に移動したときに各電源用引掛栓刃22をそれぞれ保持する一対の電源用引掛刃受部材15,15を配設してある。同様に、一対の情報用栓刃挿入口14,14にそれぞれ対応する部位で、ゲート装置本体10の内側には、情報線L2に電気的に接続されるとともに、各情報用栓刃挿入口14の一端側の幅広部14aから挿入された後述の情報用引掛栓刃23が各情報用栓刃挿入口14の他端側に移動したときに各情報用引掛栓刃23をそれぞれ保持する一対の情報用引掛刃受部材16,16を配設してある。ここに、各栓刃挿入口13,14の開口部の形状や各引掛刃受部材15,16の形状はシステムとして定形化(規格化)されている。
次に天井用ゲート装置1Aに接続される機能モジュール2aについて図3(a)(b)を参照して説明する。この機能モジュール2aは監視カメラによる監視機能を有しており、略円盤型の器体20の下側面に透光性を有するドーム型の保護カバー21を設け、この保護カバー21の内部に監視カメラ(図示せず)を配置してある。また、器体20の上側面には、ゲート装置1Aに設けた各一対の電源用栓刃挿入口13及び情報用栓刃挿入口14にそれぞれ対応する部位に、各栓刃挿入口13,14にそれぞれ挿入される各一対の電源用引掛栓刃22と情報用引掛栓刃23とを設けてある。この機能モジュール2aをゲート装置1Aに取り付けるに当たっては、機能モジュール2aの器体20をゲート装置1Aに下側から近付けて、各引掛栓刃22,23をゲート装置本体10に設けた各栓刃挿入口13,14の一端側の幅広部13a,14aに挿入した後、機能モジュール2aの器体20を回転させると、各引掛栓刃22,23が各栓刃挿入口13,14の他端部に移動して各引掛刃受部材15,16に保持されることで、機能モジュール2aがゲート装置1Aに取着される(図4参照)。またこの時、機能モジュール2aの各引掛栓刃22,23が各引掛刃受部材15,16に電気的に接続されるので、機能モジュール2aがゲート装置1Aを介して電力線L1および情報線L2に電気的に接続されることになる。
機能モジュール2aの器体20内には図7に示すような構成の回路が内蔵されている。すなわち機能モジュール2aは、電源用引掛栓刃22を介して接続される商用電源ACを整流、平滑して安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得るAC/DCコンバータ30と、情報用引掛栓刃23を介して接続される情報線L2を通じて情報信号の送受信を行う送受信部31と、この送受信部31で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行う演算処理部32と、I/Oインターフェース33を介して演算処理部32との間でデータの授受を行って動作する機能部34とを備えており、この機能部34の構成が機能モジュールの種類によって異なるのである。
ここに、機能モジュール2aは、外部から入力される制御信号に応じて監視カメラ36を動作させるとともに、監視カメラ36で撮像した画像データを情報線L2に出力する監視カメラ機能を有しており、その機能部34は、CCDカメラのような監視カメラ36と、I/Oインターフェース33を介して演算処理部32から入力された制御信号にもとづいて監視カメラ36を動作させるとともに、監視カメラ36で撮影された画像データを圧縮して、I/Oインターフェース33を介して演算処理部32に出力するCPU部35とで構成される。
なお、本実施形態では機能モジュール2aが監視カメラによる監視機能を備えているが、天井用機能モジュールの機能をカメラ機能に限定する趣旨のものではなく、例えば図1及び図8(a)に示すように照明器具の引掛プラグに対応した引掛栓刃接続部81を持つ引掛シーリングローゼット型の機能モジュール2bや、BGMや音声を流すためのスピーカSPを持つ機能モジュール2cを用いても良いし、図8(b)(c)に示すように熱又は煙の感知センサ(図示せず)を備えた火災感知機能を有する機能モジュール2dや、PIRセンサからなる人感センサ(図示せず)を備えたセンサ型の機能モジュール2eを用いても良い。
またゲート装置1Aに機能モジュール2a…を接続しない場合には、図2に示すような化粧プレート4をゲート装置1Aに取着すれば良い。化粧プレート4は、ゲート装置1Aの前面と略同じ寸法の円板形状に形成され、ゲート装置1A側の表面には各引掛栓刃22,23と略同じ形状の4個の取付爪4aが突設されている。而して、この化粧プレート4は機能モジュール2a…と同様の手順でゲート装置1Aに取り付けることができ(図6参照)、機能モジュール2a…を接続しない場合には各栓刃挿入口13,14を化粧プレート4で塞ぐことができる。尚本実施形態では板状の化粧プレート4を用いているが、ゲート装置1Aの栓刃挿入口13,14を塞ぐことができればどのような形態のものでも良く、立体的な形状の化粧カバーを用いても良い。
ところで、上述のゲート装置1Aは天井材の下側面に取り付けられるのであるが、本システムでは建物の壁101や床102に埋設された埋込ボックス90内にもゲート装置1Bを配設し、このゲート装置1Bに所望の機能を有する機能モジュール3a…を取り付けてある。
ゲート装置1Bは、上述のゲート装置1Aと同様、図9に示すように例えば従来周知の速結端子構造を有する端子部11a,11b,12a,12bを備えており、端子部11a,11bには埋込ボックス90内に導入された上記の電力線L1が、端子部12a,12bには埋込ボックス90内に導入された上記の情報線L2がそれぞれ接続されるようになっている。ここで、端子部11a,11bの何れか一方に接続される電力線L1は他の埋込ボックス90への送り配線となり、端子部12a,12bの何れか一方に接続される情報線L2も他の埋込ボックス90への送り配線となっている。
一方、ゲート装置1Bの前面(室内側の面)には、図1に示すように端子部11a,11bに電気的に接続された導電部を備えて、端子部11a,11bに接続される電力線L1を外部の電力路に接続するための電力路接続口17aと、端子部12a,12bに接続される情報線L2と電気的に接続されている導電部を備えて情報線L2を外部の情報路に接続するための情報路接続口17bとが設けられている。ここに、各接続口17a,17bは、それぞれ、導電部の配列や開口部の形状をシステムとして定形化(規格化)してある。
次に壁101に設けたゲート装置1Bに接続される機能モジュール3a…について図1および図9を参照して説明する。この機能モジュール3aは、ゲート装置1Bの各接続口17a,17bにそれぞれ対応した形態に規格化された電力用コネクタ24aおよび情報用コネクタ24bを背面側に設けてあり、これらのコネクタ24a,24bをゲート装置1Aの各接続口17a,17bに接続することによって、ゲート装置1Aの器体の前面側に機能モジュール3a…の器体を重ねた状態で取着することができ、また機能モジュール3a…の電力路および情報路を同時に確保できるようになっている。
機能モジュール3aの器体内には図9に示すような構成の回路が内蔵されている。この機能モジュール3aは、照明器具などをオン/オフ操作するためのスイッチSW1,SW2を備えた操作スイッチ型の機能モジュールであり、以下の構成を備えている。すなわち機能モジュール3aは、電力用コネクタ24aを介して接続される商用電源ACを整流、平滑して安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得るAC/DCコンバータ30と、情報用コネクタ24bを介して接続される情報線L2を通じて情報信号の送受信を行う送受信部31と、この送受信部31で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行う演算処理部32と、I/Oインターフェース33を介して演算処理部32との間でデータの授受を行って動作する機能部34とを設けてあり、この機能部34の構成が機能モジュールの種類によって異なるのである。
ここに、機能モジュール3aは操作スイッチとしての機能を有しており、その機能部34は、スイッチSW1,SW2の操作を監視して、スイッチSW1,SW2が操作されるとI/Oインターフェース33を介して演算処理部32へ操作信号を出力するCPU部37から構成されている。
なお、壁や床に配設されたゲート装置1Bに接続される機能モジュール3a…の機能をスイッチ機能に限定する趣旨のものではなく、機能モジュールの種類に合わせて機能部34の構成を適宜変更すれば良い。例えば図1に示すように、壁101に設けたゲート装置1Bに接続する機能モジュールとして、モニタ装置Mを備えた機能モジュール3bや、空調機器のコントローラ等の操作器型機能モジュール(図示せず)などがある。また床102に設けたゲート装置1Bに接続する機能モジュールとしては、電源プラグ用のコンセント部82を備えた機能モジュール3cや、スピーカSPを備えた機能モジュール3dなどを用いても良く、機能モジュールの種類に合わせて機能部34の構成を適宜変更すればよい。
而して、本発明の天井用配線システムを用いた建築物用配線システムを使用するに当たっては、建物内の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設された埋込ボックス90内に導入されている電力線L1および情報線L2をゲート装置1A,1Bに接続した後、これらのゲート装置1A,1Bを埋込ボックス90に取り付ける。次に天井用のゲート装置1Aの各栓刃挿入口13,14の一端側(幅広部13a,14a)に、天井用の機能モジュール2a…の各引掛栓刃22,23を挿入した後、機能モジュール2a…を回転させて各引掛栓刃22,23を各栓刃挿入口13,14の他端側へ移動させると、各引掛栓刃22,23が対応する引掛刃受部材15,16に保持され、機能モジュール2aが天井100に取着される(図5参照)。この保持状態において、機能モジュール2a…はゲート装置1Aを介して電力線L1および情報線L2に接続され、電力線L1を介して電源が供給されるとともに、情報線L2を介して情報信号の授受が行えるのである。またゲート装置1Bの前面部に設けられた電力路接続口17a及び情報路接続口17bに対して、機能モジュール3a…の対応するコネクタ24a,24bを接続することにより、ゲート装置1Bの前面部を覆うようにして機能モジュール3a…が取り付けられる。この取付状態において、各機能モジュール3a…はゲート装置1Bを介して電力線L1および情報線L2に接続され、電力線L1を介して電源が供給されるとともに、情報線L2を介して情報信号の授受が行えるのである。
ここで、ゲート装置1Aに接続される情報線L2は複数種の機器に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置1Aの情報用引掛刃受部材16と、機能モジュール2a…の情報用引掛栓刃23との間で、複数種の機器用の情報信号が授受されるから、機能モジュール2a…に所望の機能を有するものを選択的に設置することができ、機能モジュール2a…の機能拡張や機能の変更にも容易に対応することができる。
なお、本発明の天井用配線システムを用いた建築物用配線システムにおいて、情報信号を伝送する方式としては、ベースバンド伝送又はブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良いが、音声、映像などを用いるインターホンの親機、子機との間にはJT−H232パケットに基づいて音声・映像を相互に伝送することとし、また制御系にあっては操作側からの操作データにより1乃至複数の負荷を操作できるような1対1又は1対Nの対応が可能なユニキャスト或いはブロードキャストに対応する経路制御プロトコルを採用すれば良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。また、ゲート装置1A,1B間の使用プロトコルと、ゲート装置1A,1Bに接続される機能モジュール2a…,3a…での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置1A,1Bにおいてプロトコル変換を行うようにしても良い。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図10に基づいて説明する。上述の実施形態1では情報路と電力路とを別々にしているため、ゲート装置1A,1Bには電力線L1と情報線L2とを夫々接続しているが、電力線搬送によって情報信号の伝送を行えば、電力路を情報路として用いることもできるため、配線を電力線L1のみとすることができる。つまり、実施形態1の配線システムにおいて、各埋込ボックス90での先行配線は電力線L1のみとし、これに対応してゲート装置1Aに、電力線L1を通じて供給される電源から情報信号を分離して取り出すPLCモデム部(電力線通信手段)18を設けてあり、PLCモデム部18の情報入出力端子を情報用引掛刃受部材16,16に接続してある。同様にゲート装置1Bにおいても、電力線L1を通じて供給される電源から情報信号を分離して取り出すPLCモデム部を設け、PLCモデム部の情報入出力端子を情報路接続口17bに接続すれば良い。尚、PLCモデム部18以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
ここで、ゲート装置1Aに接続される電力線L1は、複数種の機器用の情報信号を電力線搬送により伝送するために用いられるものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。ゲート装置1Aには電力線L1を通じて電力線搬送により情報信号を送受信するPLCモデム部18が設けられてるので、ゲート装置1Aの情報用引掛刃受部材16と、機能モジュール2a…の情報用引掛栓刃23との間で、複数種の機器用の情報信号が授受されるから、機能モジュール2a…に所望の機能を有するものを選択的に設置することができ、機能モジュール2a…の機能拡張や機能の変更にも容易に対応することができる。
また上述のように本実施形態では、ゲート装置1AにPLCモデム部18を設け、PLCモデム部18により電源から分離された情報信号を機能モジュール2aの送受信部31に出力するとともに、送受信部31から入力された情報信号を電源に重畳させて電力線L1に出力しているので、電力線L1で情報線L2を兼用でき、情報線L2が不要になるから、配線の手間を少なくできるという利点がある。
尚、PLCモデム部18で採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。
(参考例)
本発明の参考例について図11に基づいて説明する。上述の実施形態2ではゲート装置1AにPLCモデム部18を設けているが、本実施形態では電源用引掛栓刃22と情報用引掛栓刃23とを同一の引掛栓刃22で構成するとともに、電源用引掛刃受部材15と情報用引掛刃受部材16とを同一の引掛刃受部材15で構成し、電力線L1を通じて供給される電源から情報信号を分離して取り出すPLCモデム部(電力線通信手段)38を機能モジュール2a側に設けてある。尚、端子部12a,12bと引掛刃受部材15と引掛栓刃23とを無くして、PLCモデム部38を設けた点以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
ここで、ゲート装置1Aに接続される電力線L1は、複数種の機器用の情報信号を電力線搬送により伝送するために用いられるものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。そして機能モジュール2aには電力線L1を通じて電力線搬送により情報信号を送受信するPLCモデム部38が設けられており、PLCモデム部38により複数種の機器用の情報信号を授受することができるので、機能モジュール3a…に所望の機能を有するものを選択的に設置することができ、機能モジュール3a…の機能拡張や機能の変更にも容易に対応することができる。
上述のように本参考例では、機能モジュール2a側にPLCモデム部38を設け、PLCモデム部38により電源から分離された情報信号を送受信部31に出力するとともに、送受信部31から入力された情報信号を電源に重畳させゲート装置1Aを介して電力線L1に出力しているので、電力線L1で情報線L2を兼用でき、情報線L2が不要になるから、配線の手間を少なくできるという利点がある。
尚、PLCモデム部18で採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。
(実施形態
本発明の実施形態を図12に基づいて説明する。上述の実施形態1、2では、ゲート装置1Aに各一対の電源用引掛刃受部材15,15と情報用引掛刃受部材16とを設けるとともに、機能モジュール2a…に各引掛刃受部材15,16に対応して各一対の電源用引掛栓刃22,22と情報用引掛栓刃23,23とを設けており、4本の引掛栓刃22,23を対応する引掛刃受部材15,16に引掛係止させることで、機能モジュール2a…をゲート装置1Aに取着しているのに対して、本実施形態では図12に示すように情報用引掛栓刃23に代えて、平板状の接続端子25,25を器体20上面の所定位置に配設してある。またゲート装置1Aでは、情報用引掛刃受部材16に代えて、ゲート装置本体10の下側面に、電源用引掛栓刃22を電源用栓刃挿入口13の他端側(幅広部13aと反対側)まで移動させた時に、機能モジュール2aの接続端子25,25にそれぞれ摺接する平板状の接続端子19を設けてある。尚、引掛栓刃23および引掛刃受部材16に代えて、接続端子19,25を設けた点以外は上述の実施形態1、2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態では情報用引掛栓刃23および情報用引掛刃受部材16に代えて、接続端子19,25を設けているので、機能モジュール2aをゲート装置1Aに接続する際には、電源用栓刃挿入口13の一端側(幅広部13a)に、機能モジュール2aの電源用引掛栓刃22を挿入した後、機能モジュール2aを回転させて各引掛栓刃22を各栓刃挿入口13の他端側へ移動させると、各引掛栓刃22が対応する引掛刃受部材15に保持されるとともに、ゲート装置1A側の各接続端子19が機能モジュール2a側の各接続端子25に摺接する。而して、この保持状態において、機能モジュール2aはゲート装置1Aを介して電力線L1および情報線L2に接続され、電力線L1を介して電源が供給されるとともに、情報線L2を介して情報信号の授受が行えるのである。また上述の実施形態1、2では、4本の引掛栓刃22,23が対応する引掛刃受部材15,16と引掛係止しているので、引掛係止させるのに大きな力が必要になり、また機能モジュール2aを外す際にも大きな力が必要になる。それに対して、本実施形態では情報用引掛栓刃23および情報用引掛刃受部材16に代えて、機械的な保持は行わず、情報信号の接続のみを行う接続端子(情報信号接続手段)19,25を設けているので、引掛刃受部材による保持力を弱めて、天井用機能モジュール2aの着脱を小さい力で行えるようにすることができる。なお、本実施形態では情報信号接続手段として、互いに摺接する接続端子19,25を設けているが、機械的な保持は行わずに、情報信号の接続のみを行うような接続手段であれば、光信号を用いて非接触で信号伝送を行う手段や、差込栓刃と刃受部材との組み合わせからなる接続手段などどのような形態のものを用いても良い。
また本実施形態では、情報用引掛栓刃23および情報用引掛刃受部材16に代えて、接続端子19,25を設けているが、上述の実施形態1、2において、情報用引掛栓刃23および情報用引掛刃受部材16は残し、電源用引掛栓刃22および電源用引掛刃受部材15に代えて、上述の接続端子19,25を設けるようにしても良く、ゲート装置1Aと機能モジュール2aとの間で接続端子19,25を介して電源供給を行うとともに、引掛栓刃23および引掛刃受部材15を介して情報信号の授受を行うことができる。なおこの場合にも、電源接続のための接続端子(電源接続手段)19,25は、機械的な保持は行わず、電源の接続のみを行っているので、引掛刃受部材による保持力を弱めて、天井用機能モジュール2aの着脱を小さい力で行えるようにすることができる。なお、本実施形態では電源接続手段として、互いに摺接する接続端子19,25を設けているが、機械的な保持は行わずに、電源の接続のみを行うような接続手段であれば、磁気結合により非接触で給電する手段や、差込栓刃と刃受部材との組み合わせからなる接続手段などどのような形態のものを用いても良い。
実施形態1のシステム構成図である。 同上に用いるゲート装置からカバープレートを外した状態の分解斜視図である。 同上に用いる機能モジュールを示し、(a)は正面より見た外観斜視図、(b)は背面より見た外観斜視図である。 同上に用いるゲート装置に機能モジュールを取着した状態の外観斜視図である。 同上に用いるゲート装置および機能モジュールを天井に取り付けた状態の説明図である。 同上に用いるゲート装置にカバープレートを取着した状態の外観斜視図である。 (a)は同上に用いる天井用ゲート装置および天井用機能モジュールのブロック図、(b)は天井用機能モジュールの要部ブロック図である。 (a)〜(c)は同上に用いる機能モジュールの他の構成の正面図である。 (a)は同上に用いるゲート装置および機能モジュールのブロック図、(b)は機能モジュールの要部ブロック図である。 実施形態2に用いる天井用ゲート装置および天井用機能モジュールのブロック図である。 参考例に用いる天井用ゲート装置および天井用機能モジュールのブロック図である。 実施形態に用いる天井用ゲート装置から天井用機能モジュールを外した状態の分解斜視図である。
符号の説明
1A,1B ゲート装置
2a… 機能モジュール
3a… 機能モジュール
13 電源用栓刃挿入口
14 情報用栓刃挿入口
90 埋込ボックス
100 天井
101 壁
102 床
L1 電力線
L2 情報線

Claims (5)

  1. 天井材の裏側に先行配線された電力線および複数種の機能モジュールに対応する情報信号を伝送するために用いる情報線にそれぞれ電気的に接続されて、天井材に取着された天井用ゲート装置と、前記天井用ゲート装置の下面側に接続され、前記天井用ゲート装置を介して前記電力線および前記情報線に電気的に接続される機能モジュールとで構成され、
    天井用ゲート装置は、天井材に取着される円柱状のゲート装置本体を備え、
    当該ゲート装置本体の取付状態における下側面には、それぞれ弧状に形成された2個の電源用栓刃挿入口と、それぞれ弧状に形成された2個の情報用栓刃挿入口とが、同一の円周上に開口し、2個の電源用栓刃挿入口はゲート装置本体の下側面の中心を挟んで対角の位置に設けられるとともに、2個の情報用栓刃挿入口は前記中心を挟んで対角の位置に設けられ、機能モジュールに、前記各電源用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の電源用栓刃と、前記各情報用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の情報用栓刃とを設け、且つ、前記電源用栓刃挿入口及び前記情報用栓刃挿入口にそれぞれ対応する部位で前記ゲート装置本体の内側に、前記電力線および前記情報線にそれぞれ電気的に接続されるとともに、前記各栓刃挿入口から挿入された各栓刃をそれぞれ保持する電源用刃受部材および情報用刃受部材を2個ずつ配設し、情報用刃受部材と情報用栓刃との間で情報信号を授受することを特徴とする天井用配線システム。
  2. 天井材の裏側に先行配線されて複数種の機能モジュールに対応する情報信号を電力線搬送により伝送するために用いる電力線に電気的に接続されて、天井材に取着された天井用ゲート装置と、前記天井用ゲート装置の下面側に接続され、前記天井用ゲート装置を介して前記電力線に電気的に接続される機能モジュールとで構成され、
    天井用ゲート装置は、天井材に取着される円柱状のゲート装置本体を備え、
    当該ゲート装置本体の取付状態における下側面には、それぞれ弧状に形成された2個の電源用栓刃挿入口と、それぞれ弧状に形成された2個の情報用栓刃挿入口とが、同一の円周上に開口し、2個の電源用栓刃挿入口はゲート装置本体の下側面の中心を挟んで対角の位置に設けられるとともに、2個の情報用栓刃挿入口は前記中心を挟んで対角の位置に設けられ、機能モジュールに、前記各電源用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の電源用栓刃と、前記各情報用栓刃挿入口にそれぞれ挿入される2個の情報用栓刃とを設け、且つ、前記電源用栓刃挿入口及び前記情報用栓刃挿入口にそれぞれ対応する部位で前記ゲート装置本体の内側に、前記電力線に電気的に接続されるとともに前記電源用栓刃挿入口から挿入された電源用栓刃を保持する2個の電源用刃受部材と、前記電力線を通じて電力線搬送により情報信号を授受する電力線搬送通信手段に接続され、前記情報用栓刃挿入口から挿入された情報用栓刃を保持する2個の情報用刃受部材とを配設し、情報用刃受部材と情報用栓刃との間で情報信号を授受することを特徴とする天井用配線システム。
  3. 前記情報用栓刃および前記情報用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、情報信号の接続のみを行う情報信号接続手段を設け、前記電源用栓刃と前記電源用刃受部材とで機械的な保持を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の天井用配線システム。
  4. 前記電源用栓刃および前記電源用刃受部材に代えて、機械的な保持は行わず、電源の接続のみを行う電源接続手段を設け、前記情報用栓刃と前記情報用刃受部材とで機械的な保持を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の天井用配線システム。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の天井用配線システムを用いた建築物用配線システムであって、建物の壁又は床の何れか、或いは、壁及び床の両方に配設されて、前記電力線および前記情報線にそれぞれ接続される機能モジュールを設けたことを特徴とする建築物用配線システム。
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