JP2007146964A - 配管防音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体伝播音も空気伝播音も共に低減出来、しかも、防火区画にも問題無く適用出来る配管防音構造、配管防音部材、及びその施工方法を得る。
【解決手段】配管防音構造1を提供する。配管防音構造1は、防火区画を貫通する直管部材2と、直管部材2の外周を囲着する配管防音部材3とを備える。配管防音部材3は、吸音材、遮音材、防振材及び制振材からなる群より選ばれる防音材からなり、少なくとも前記吸音材を含む2層以上の防音材層3A,3Bを備えている。吸音材は85重量%以上の無機質人造繊維の不織布からなる。防音材層3Aは吸音材からなり、吸音材の表面及び裏面の一方又は双方、ここでは、直管部材2側と防音材層3B側の一方又は双方に、無機質人造繊維の飛散が防止される遮蔽層が設けてある。防音材層3Aと防音部材3Bとは、粘着層、接着層及び融着層からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合層を介して積層してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、防火区画に適用する防音部材に係るもので、防火区画を貫通する配管の外周に囲着する火炎抵抗性の配管防音部材に関し、更に詳しくは、配管防音構造の表面温度の上昇を遅延させ、60分加熱等級に合格し、配管内を流れる給排水騒音を低減するための音、振動の技術と、防火性、難燃技術に関する。
従来、防火区画には耐火二層管と呼ばれる塩化ビニル管の外周に水硬性セメント系の管を形成させた配管が多用されていた。ところが、耐火二層管は、硬質管材のみから形成されている為、管の流れ方向が変化する継手付近で管が排水等の流下衝撃を受けると、緩衝作用が無いので、給排水騒音の防止の観点からは充分な音性能が得られなかった。
また、従来より、RC造等のマンションでは、配管がコンクリートに直接埋設され、同一階の排水を集合させる様に横枝管が設けられており、排水騒音は固体伝播音として意外に遠くまで伝播していた。かかる固体伝播音を解消する為、埋設配管部に耐熱性繊維層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−153269号公報
排水騒音は、主として横枝管が集合する主管に排水が衝突する際、つまり、排水が流路方向を変える際の異型管と排水との衝突により発生し、しかも、配管騒音は管内全体に伝達され、管外周に透過する。これは埋設されない部位で生じる空気伝播音であるので、固体伝播音を防止出来ても、この空気伝播音を防止するには、埋設部や埋設部以外においても配管の全外周に有効な防音処理をしなくては効果が得られない。しかし、従来、防音性能と耐火性等との両立の問題から、そのような処理は十分に為されていない。
本発明は、固体伝播音も空気伝播音も共に低減出来、しかも、防火区画にも問題無く適用出来る配管防音構造、配管防音部材、及びその施工方法を得る事を目的とする。
本発明は、防火区画を貫通する配管部材と、前記配管部材の外周を囲着する配管防音部材とを備える配管防音構造であって、前記配管防音部材が、吸音材、遮音材、防振材及び制振材からなる群より選ばれる防音材からなり、前記配管防音部材が少なくとも前記吸音材を含む2層以上の防音材層を備えており、前記吸音材が85重量%以上の無機質人造繊維の不織布からなり、前記吸音材の表面及び裏面の一方又は双方に、前記無機質人造繊維の飛散が防止される遮蔽層が設けられており、前記防音材層が、粘着層、接着層及び融着層からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合層を介して積層されている、配管防音構造に係るものである。
本発明者は、従来の問題を解消すべく、鋭意研究したところ、配管防音部材に求める耐火炎性が、防火区画を貫通する配管の外周を処理し、60分加熱等級に合格する条件として、配管防音部材の表面温度の上昇をある温度以内に一定時間抑制する事が出来れば良い事を見出し、多くの実験を重ね、かかる条件が耐火性のある配管防音構造を十分に可能にする事を確認し、本発明を完成した。
本発明では、防火区画の貫通部の給排水管(防火区画内の露出部、躯体埋設部も含む)に用いる配管防音部材は、建築基準法施工令129条の2の5及び消防法53号通知(令八区画及び共住区画の構造並びに当該区画を貫通する配管等の取扱いについて)を共に60分加熱で合格し、防音性能に優れるのはもちろんの事、防火性能にも十分満足する。
防火区画に用いる配管防音部材に十分な火炎抵抗性を持たせるという目的を、配管防音部材の表面温度の上昇を制御する事で、防音性能を損なわずに実現した。
本発明では、吸音材と、遮音材、防振材又は制振材とを組合せて2層以上の構造とする事で、給排水騒音を十分に低減させると共に、防火性能を十分に満足させる事が出来る。この為には、吸音材に無機質人造繊維を吸音材の85重量%以上含有させ、無機質人造繊維の飛散防止や吸音性能の十分な確保等のための遮蔽処理を行って、防火区画の貫通部で60分加熱に十分耐え得るものを得る。また、本発明では、かかる配管防音部材は、施工作業者に対して、無機質人造繊維の飛散による吸入傷害の防止と皮膚刺激の大幅軽減によって、作業者が安全に作業出来る環境を整える。
以下、配管防音構造に用いる材料について、順次説明する。
配管部材は、直管配管等の直管部材、継手等の異型部材からなる。耐火二重管等、種々の配管を用いる事が出来る。防火区画を通る配管は、それ自体で防火性を有するのが好ましい。
配管防音部材は通常の様に種々の防音材から構成する事が出来る。防音材は、吸音材、遮音材、防振材及び制振材等からなる群より選ぶ事が出来る。本発明では、配管防音部材は、少なくとも吸音材を含み、かかる吸音材層と、他の遮音材層、防振材層、制振材層等の少なくとも1層を含む2層以上の防音材層を備える。
吸音材は、防音性能の確保の観点からも、防火区画の貫通部材を構成する材質の観点からも、重要であり、その必要最低限満足すべき条件は、無機質人造繊維を、その比率で吸音材中85重量%以上とし、その無機質人造繊維を不織布とし、その表・裏の少なくとも一方に、無機質人造繊維の飛散防止等の遮蔽処理を行う。吸音材は、他の遮音材等の材質のものと積層するとき、又は積層したとき、表面に無機質人造繊維の遮蔽層を設けておく事で、吸音性能の十分な確保を行い、無機質繊維の飛散や抜け落ちによる防音欠陥を防ぎ、作業者の安全性が増す。
吸音材は3〜8mm厚が好ましく、そのときの目付量は300g/m〜1000g/mが良好な防音、防火性能が得られる。このとき、吸音材厚みが3mm未満であると、薄くなるにつれ徐々に、防音、防火の両性能も悪化し、好ましくない。逆に、8mmを超える厚みは、防音、防火上は良い性能を示すが、コスト高となり、好ましくないばかりか施工性も悪化し、好ましくなくなる。
吸音材中の無機質人造繊維は吸音材中の85重量%未満であると、加熱等級60分を満足し難くなり、その傾向は吸音材厚が薄くなる程大きくなる。
無機質人造繊維は、主として人造ガラス質繊維を言い、発ガン性の高いアスベスト等の無機質天然繊維は含まない。つまり、人造ガラス質繊維は、フィラメントとウールとに大別でき、フィラメントは長繊維、ウールは短繊維を言う。ウールには、グラスウール、ロックウール、セラミック繊維があり、フィラメントには、Eガラス繊維等がある。
上記の人造ガラス質繊維は、短繊維であるのを含めて、本発明で使用できるが、安全衛生上では長繊維である方が好ましい。又、ガラス長繊維の方がガラス短繊維より融点が高く、ガラス長繊維含有率を高くした吸音材の方が良好な防火性能を示し、防火性能を更に良くし、安定にするには、吸音材中にガラス長繊維を70重量%以上含有する様にすると良い。つまり、国際ガン研究機関IARCの分類では、ガラス長繊維も、グラスウール、ロックウールも、共に記号3(発ガン性について分類できない)に分類されているものの、短繊維の方が飛散や抜け落ちが多く、皮膚刺激が大きい為である。一方で、ガラス長繊維でも皮膚刺激が少ないだけで刺激がある事には変わりはなく、そこで、本発明では無機質人造繊維の飛散防止処理を設けている。
無機質人造繊維の飛散防止処理は、遮蔽層を用いる事が出来る。吸音材の一方の面が、他の遮音材、防振材、制振材等からなる防音材層で覆われ、これらが粘着層、接着層、融着層を介して積層される為、かかる遮蔽層による飛散処理は、少なくとも吸音材の表・裏の一方で良く、一方のみを処理した場合には、処理面を積層しない側にすると良い。処理方法には、種々のものが考えられるが、無機質人造繊維の飛散が防止される様になれば良く、特に防音性能及び防火性能を妨げるものでないのが好ましい。
遮蔽層は、フィルム、膜、紙、箔、布、繊維等からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を単独又は併用して施す事が出来る。例えば、遮蔽層は、上記材料をそのままか、織布又は不織布として、吸音材面を被覆するか、吸音材面に、溶液又は懸濁液状態のものを塗布、噴霧し乾燥させるか、吸音材面を熱又は化学薬品等で処理して、形成する事が出来る。又、この様な処理を行うとき、後述の難燃剤を単独又は併用し、粉体として又はエマルジョン等に分散して、吹付処理等を、形成される遮蔽層に対して施すのも良い。かかる遮蔽層付き吸音材は、配管外周に密接させた方が、単に吸音性能だけより、直管等の制振効果もプラスされるので、音性能も向上させる事が出来る。
遮音材はゴムやプラスチックのシートが、偏平状に折り畳み出来、配管直管を挿入し、差し込む事により容易に筒状に復元させる事が出来る点で有利である。尚、遮音材は、特に制限される事なく、防火性に点でも十分に機能する限り、その他の遮音材であっても通常の様に用いる事が出来る。又、配管防音部材は、遮音量を大きく設計しなくても、充分必要な遮音量で得られるので、遮音材としては特に高比重シートとしなくて良い。面密度を1.5kg/m以上とすれば良い。ゴムは加硫ゴムでも良いが、非加硫ゴムで用いる方が、生産工程を少なく出来るだけでなく、工程内で発生する様な廃棄物が少ないので良い。
又、防火性能の観点からは、各種難燃剤を用いて難燃処理をすると、配管防音部材表面の温度上昇が遅れ、耐火60分等級を得易くなる。遮音材をUL−94のV−0に相当する防火性能にする事には、比較的多くの難燃剤の使い方がある。ここで、本発明では、UL−94のV−0に相当する防火性能は、他に燃焼熱4000Cal/g又は酸素指数30〜34を目安としてもよい。
本発明では、近年の難燃手段の傾向からして、比較的有害とされるものを使用しない方法が良い。つまり、脱ハロゲン、脱リン、脱酸化アンチモンに配慮すべきである。脱ハロゲンはハロゲン燃焼時のダイオキシン類の発生を避ける為であり、脱リンはリン過激分子による有機リン系物質の毒性、リン系洗剤による富栄養化、ビニル壁紙から揮散するリン系可塑剤等、リン系物質による健康障害等の社会問題化した物質を避ける為である。又、脱酸化アンチモンは、不純物としてヒ素を含有する傾向が強い酸化アンチモンを避ける為である。つまり、難燃化は高温で燃焼する事を前提に考えるべきであり、その燃焼も、完全燃焼、不完全燃焼が共に発生する事を考慮すべきで、出来るだけ有害物の発生が少ない様にすべきである。
本発明に好適に用いる難燃剤には、水和金属系難燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム等を挙げる事が出来る。これ等は比較的多量に使用出来、これ等の水和金属系難燃剤は、吸熱剤として作用し、火炎の温度を低下させて高分子の分解を抑制する。つまり、水和金属系難燃剤は、燃焼時に発生する水で冷却され、燃焼が抑制されると同時に、脱水と共に生成する酸化物が、燃焼バリア層として作用する。
又、難燃剤には、ラジカル捕捉剤としての、シュウ酸鉄の様な金属キレート化合物やメルカプタンが包含される。これらラジカル補足剤は気相で火炎の温度を低下させる。難燃剤には、ホウ素化合物も包含され、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸亜鉛等が挙げられ、ホウ酸ガラスとして作用し、酸素遮断による燃焼バリア形成効果がある。同様な理由から、ガラス微粉末を用いる事も出来る。又、熱膨張性黒鉛を用いる事が出来、これにより炭化断熱膜を次々と供給して温度上昇を遅延させる効果もある。これら難燃剤は、安全性が高く、単独又は併用して用いて、配管防音部材の表面温度の上昇時間を遅らせる効果が高くなる。
防振材としては、独立気泡構造を有するシートに、液状ゴムを注型硬化させたものが良く、特に、断面で見て、独立気泡と液状ゴム硬化物とが交互に繰り返して存在するシートが好適である。このとき、難燃処理は、上記難燃剤を液状ゴムに混合したものを用いれば良い。
制振材としては、粘弾性体の粘性に富むものが好適で、出来るだけ剛性に富む材質のものと積層したものが更に好適である。このときの難燃処理も、前記難燃剤を単独又は併用する事により充分な難燃性が得られる。
各防音材間を結合するには、種々の結合層を用いる事が出来る。代表的には、かかる結合層は、粘着層、接着層及び融着層からなる群より選ばれる少なくとも1種である。結合層は、配管防音部材を配管部材に接合するのにも用いる事が出来る。融着層は、代表的には、熱融着層である。
又、前記各防音材間を積層する時に用いる粘着層、接着層、融着層も、各々前記難燃剤をポリマーやエマルジョンに分散させたり、熱溶融樹脂粉末と混合して界面に散布させたりする事が出来る。これ等の結合層は厚みが薄い為、熱膨張黒鉛と他の難燃剤を併用する事で、燃焼遅延効果を出させる事が出来る。
配管部材間、配管防音部材間、特にそれらの継ぎ目を接合するには、ジョイントテープ等の封止材等が用いられる。かかる直管部材や異型部材等、直管部材用又は異型部材用配管防音部材等の各部材間の隙間を防ぐ封止材にも、難燃処理する事も出来る。ジョイントテープは50%〜500%の伸びがあればよい。
本発明では、配管防音部材は、吸音材を内側にして、遮音材、防振材及び制振材からなる群より選ばれる少なくとも1種の防音材と積層し、二層以上の防音材層の構造として用いる事が出来る。又、配管防音部材は、必ずしも直管部材用に筒状物にして用いる必要はないが、防音材の積層シートの両端を接合して筒状物とする事で、施工現場で直管部材を差し込み、偏平形状の筒状物を筒状に復元させ、各部材間を連結して、配管部材を組み立てると同時に、配管防音構造を施工出来る。継ぎ目等の隙間が生じる場合は、ジョイントテープ等を貼るだけで封止処理出来る。この様な処理は、施工性を格段に向上させる事が出来る。更に、必要に応じ、配管防音構造と躯体貫通開口部との間の隙間が生じる場合には、これに不燃性埋込材等を埋め込む事でより一層の防火性を提供する事が出来る。
又、このとき、配管部材において、直管部材の両端と接合する異型部材(継手とも称する)は、予め工場出荷時にか、配管組立直前に、直管部材とほぼ同様に、無機質人造繊維を吸音材の85重量%以上とする吸音材と、遮音材、防振材及び制振材のうちから選ばれた2層以上の防音材層からなる配管防音部材を取り付けておけば、更に施工性を格段に向上させる事が出来る。
この際にも、配管防音構造の各部材間の隙間が生じない様にジョイントテープ等をかけておけば、施工現場では、異型部材に接着剤を塗布し、直管部材を差し込むだけで、配管組立が出来る。又、直管部材と異型部材の配管防音材の隙間が出来ない様にジョイントテープ等を管周方向にほぼ1周させれば、後は、配管部材の支持部を支持バンドで躯体に固定し、防火区画の貫通部(躯体貫通開口部)に不燃性のモルタル等の埋込材を封止材として隙間無く詰める等の処理により、配管組立と防音、防火処理を終える事が出来る。この異型部材用配管防音部材も、直管部材の場合と同様に、遮音材、防振材、制振剤、ジョイントテープ、層間の粘着層、接着層、融着層等の任意の部材に難燃性の部材を用いるか、難燃処理を行う事で、防火性を更に向上させる事が出来る。
上述のように直管部材用の配管防音部材を筒状物とし、予め偏平形状に折り畳む事で、工場から施工現場まで、嵩を小さくして運ぶ事が出来、在庫、運送、配管組立現場等での搬入、準備等のスペースが小さくて済むメリットがある。又、筒状等に復元した配管防音部材は、配管部材の管軸方向及び管周方向の一方又は双方への移動も可能で、ジョイントテープ等の固定部材で固定する事が出来、配管防音部材の吸音材等が配管部材に密に接する様にする事も出来る。
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1は本発明の1例の配管防音構造の部分的な断面図であり、直管部材を配管防音部材に挿入したときの直管部材及び配管防音部材の横断面を示す。図2は本発明の他の例の配管防音構造の部分的な断面図である。図3は本発明の更に他の例の配管防音構造の部分的な断面図である。
図1に示す様に、1例の配管防音構造1は、防火区画を貫通する配管部材、ここでは、直管部材2と、配管部材、ここでは直管部材2の外周を囲着する配管防音部材3とを備える。配管防音部材3は、吸音材、遮音材、防振材及び制振材からなる群より選ばれる防音材からなり、少なくとも前記吸音材を含む2層以上の防音材層3A,3Bを備えている。ここでは、防音材層3Aは吸音材からなり、防音材層3Bは遮音材からなる。吸音材は85重量%以上の無機質人造繊維の不織布からなる。防音材層3Aは、吸音材の表面及び裏面の一方又は双方に無機質人造繊維の飛散が防止される遮蔽層を設ける事が出来、ここでは、吸音材の表面及び裏面の双方、すなわち、直管部材2側と防音材層3B側とに、遮蔽層が設けてある。防音材層3Aと防音部材3Bとは、粘着層、接着層及び融着層からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合層を介して積層してある。
配管防音部材3は予め偏平形状にする事が出来、図1等は、偏平形状にした配管防音部材3に、直管部材2を差し込んで、偏平形状から円筒状に復元させた時の断面図である。直管部材2の外周に防音材層3Aの吸音材が密に接しており、その外周に防音材層3Bの遮音材が設けられている。配管防音部材3は予めシート状に形成する事が出来る。この場合、シート両端を突合せ部3Cとし、防音材層3Aの吸音材も防音材層3Bの遮音材も共に突き合わされ、その上からジョントテープ4等で接合する事が出来る。
図2は、他の例の配管防音構造11の部分的な断面図であり、配管防音部材13は、直管部材2を差し込まれ、偏平形状から円筒状へと復元されている。直管部材2の外周に防音材層13Aの吸音材が密に接しており、その外周に防音材層13Bの遮音材が設けられている。図からは判断出来ないが、この例では、防音材層13Aを防音材層13Bに貼り付ける粘着層及び防音材層13B及びジョイントテープ4の何れにも難燃処理を施してある。配管防音部材13は、防音材層13Aの両端が突合せ部13Cで突き合わされ、余分に突出した防音材層13Bの一方の端部が防音材層13Bの他方の端部に貼られ、その上からジョイントテープ4が両方の端部に接合してある。吸音材は無機質人造繊維の不織布からなり、組成、遮蔽層、結合層等は、図1のものと同様の条件を満たす。
図3は、更に他の例の配管防音構造21の部分的断面図であり、配管防音部材23は、直管部材2を差し込まれ、偏平形状から円筒状へと復元されている。直管部材2の外周に防音材層23Aの吸音材が密に接しており、その吸音材の裏面、つまり、配管外周面に接する面には、遮蔽層として、難燃吹付材23Dが吹付け、乾燥されている。防音材層23Aの外周は図2と同じ難燃防音材層23B(難燃粘着層付)であり、接合部のジョイントテープ4も難燃処理されている。吸音材の構成、結合層、突合せ部23C等、配管防音部材23の端部接合状況も図2のものと同様である。
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す様な配管防音構造を施工する。
吸音材として、Eガラス長繊維不織布(目付500g/m、5mm厚)の両面に各々ポリエステル不織布(目付158/m)を合せ、ニードルパンチして、三層構造の無機質人造繊維比率94wt%の吸音材と、粘着層付ブチル非加硫ゴムシート(2mm厚)の遮音材Iを貼り合せ、配管防音部材用の積層シートとする。遮音材Iの配合処方例、遮音材Iの粘着層の配合処方例を表1に示す。
防火試験用には、配管部材を塩ビVU管150A用とし、575mm幅×1000mm長さに上述の積層シートを切断し、長辺両端の突合せ部の遮音シート側に、100mm幅のジョイントテープをテープ幅のほぼ中央に突合せ部がくる様に貼り付けて接合し、筒状配管防音部材を作製する。ジョイントテープIの配合処方例を表1に示す。
一方で、防音試験用には、配管部材を塩ビVU管75A用とし、340mm幅×1000mm長に上述の積層シートを切断し、長辺両端の突合せ部の遮音シート側に、100mm幅のジョイントテープをテープ幅のほぼ中央に突合せ部がくる様に貼り付けて接合し、筒状配管防音部材を作製する。
継手は、継手配管(90°エルボ)に、上述のような直管部と同一の配管防音部材を全周に囲着し、上述のジョイントテープIで配管防音部材の継目の隙間を塞ぐ。
防火試験は、床、壁共に、ALC100mm厚、開口面積0.0491m以下とし、占積率を、直管51.8%以下、継手56.5%以下にモルタルで埋め戻して、建築基準法施工令129条の2の5により供試し、その結果を表3に示す。
防音試験は、2Fトイレ直下室の直管(総延長4.5m)と継手90°エルボ4ヵ所、支持バンド4ヵ所に、前記配管防音部材を取り付け、トイレ排水音を測定し、その結果を表3に騒音レベル、N等級で示す。
[実施例2]
図2に示す様な配管防音構造を施工する。
吸音材として、無機質繊維の飛散防止材としてのポリエステル不織布(30g/m)の間に、Eガラス長繊維不織布(目付400g/m、4mm厚)を挟み、ニードンパンチして、三層構造の無機質繊維比率87wt%の吸音材を作製する。これと難燃ブチル非加硫シート(粘着層付)2mm厚を遮音材IIとして、この遮音材が片側50mm分余分に出る様に貼り合せて、配管防音部材の原反の積層シートを作製する。遮音材IIの配合処方例、遮音材IIの粘着層の配合処方例を表1に示す。
試験用に、直管部材を塩ビVU管150A用として、625mm幅(うち50mm分は吸音材がなし)×1000mm長さに上記積層シートを切断し、長辺両端の吸音材を突き合せ、余分の遮音材のみの部分を遮音材の他方の端部に貼り合せる。その遮音材のみの部分の端部を中央になる様に、難燃性ジョイントテープ100mm幅を貼り付けて円筒状の配管防音部材を作製する。
防音試験用として、上記配管防音部材用の積層シートを、塩ビVU管75A用として、390mm幅(うち50mmは遮音材のみの部分)×1000mm長さに切断し、長辺両端の吸音材を突き合せ、残る50mm幅の遮音材を遮音材の他方の端部上に貼り、円筒状配管防音部材を作り、遮音材のみの部分の端部を中央になる様に、難燃性ジョイントテープ100mm幅を貼り付けている。
継手部は、前記と同じ配管防音部材を、継手配管(90°エルボ)の外周に囲着し、継目の隙間を難燃ジョイントテープIIで塞ぐ。防火試験、防音試験を実施例1と同様に行い、結果を表3に示す。尚、難燃ジョイントテープIIの配合処方例は表1に示す。
Figure 2007146964
[実施例3]
図3に示す様な配管防音構造を施工する。
Eガラス繊維不織布(目付500g/m、5mm厚)の片面に、この無機質人造繊維の飛散防止材として吹付け材をリシンガンで拭き付け、乾燥させて吸音材(乾燥後の吸音材目付量535g/mの二層構造で、吸音材中の無機質人造繊維比率93wt%)を作製する。前記吸音材の吹付処理面と反対面を、実施例2で用いる難燃処理ブチル非加硫ゴムシート(粘着層付2mm厚)の片側50mmをずらして貼り付けて、配管防音部材の原反の積層シートとする。吹付け材の配合処方例を表2に示す。
Figure 2007146964
上記原反を、防火試験用として、625mm幅(うち50mm分は吸音材なし)×1000mn長さに切断し、長辺両端の吸音材を突き合せ、余分の遮音材のみの部分を遮音材の他方の端部上に貼り合せ、その遮音材のみの部分の端部を中央になる様に難燃性エルボ100mm幅を貼り付け、円筒状の配管防音部材を作製する。防音用としては、390mm幅(うち50mmは遮音材のみの部分)×1000mm長さに切断し、前記と同様にして円筒状配管防音部材を作製する。実施例1と同様に、防火試験、防音試験を行い、表3に結果を示す。
Figure 2007146964
表3を参照して、実施例の結果を説明する。
実施例1は、吸音材を、無機質人造繊維の含有率で85wt%以上とした例であり、防火試験では、床を、ALC100mm厚で、開口面積を0.0491mとした場合、加熱等級60分をクリアーしている。壁に於いては、ALC100mm厚で、開口面積を0.0491mとしたとき、加熱等級60分をクリアーする。防音試験では、騒音レベル340dBでN−30等級である。充分な防火、防音性能を示す。
実施例2は、吸音材を、無機質人造繊維の含有率で85wt%以上とし、更に遮音材、遮音材の粘着層及びジョイントテープを難燃処理した例であり、防火試験で、床をALC100mm厚で、開口面積を0.0491mとした時、加熱等級60分をクリアーしている。壁に於いては、ALC75mm厚で、開口面積を0.0491mmとした時、加熱等級60分をクリアーし、実施例1より薄い厚みのALCで、過熱等級60分となり、良い結果が得られる。防音試験では、騒音レベル35dB、N等級N−35である。充分な防火、防音性能を示す。
実施例3は、吸音材を、無機質人造繊維の含有率85wt%以上とし、更に遮音材、遮音材の粘着層及びジョイントテープを難燃処理し、吸音材の配管に接する面に、無機質人造繊維の飛散防止材として難燃性吹付材による処理をした例である。防火試験で、床をALC100mm厚、開口面積0.0491mとした時、加熱等級60分をクリアーし、壁をALC75mm厚、開口面積を0.0491mとした時、加熱等級60分をクリアーする。防音試験も、騒音レベル34dB、N−30である。充分な防火防音性能を示す。
防音性能を犠牲にする事の無い防火性に優れる配管防音構造を、2層以上の防音材層を用いる配管防音部材において、無機質人造繊維からなる吸音材とその飛散が防止される遮蔽層とを設ける事で達成する事が出来、作業環境を安全に保ち、優れた施工性の防火防音処理に適用出来る。
本発明の1例の配管防音構造の部分的な断面図である。 本発明の他の例の配管防音構造の部分的な断面図である。 本発明の更に他の例の配管防音構造の部分的な断面図である。
符号の説明
1,11,21 配管防音構造
2 直管部材
3,13,23 配管防音部材
3A,3B,13A,13B,23A,23B 防音材層
3C,13C,23C 突合せ部
4 ジョイントテープ
23D 吹付材

Claims (6)

  1. 防火区画を貫通する配管部材と、前記配管部材の外周を囲着する配管防音部材とを備える配管防音構造であって、前記配管防音部材が、吸音材、遮音材、防振材及び制振材からなる群より選ばれる防音材からなり、前記配管防音部材が少なくとも前記吸音材を含む2層以上の防音材層を備えており、前記吸音材が85重量%以上の無機質人造繊維の不織布からなり、前記吸音材の表面及び裏面の一方又は双方に、前記無機質人造繊維の飛散が防止される遮蔽層が設けられており、前記防音材層が、粘着層、接着層及び融着層からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合層を介して積層されている事を特徴とする配管防音構造。
  2. 前記無機質人造繊維が、70重量%以上のガラス長繊維からなる、請求項1記載の配管防音構造。
  3. 遮音材、防振材、制振材、粘着層、接着層及び融着層の少なくとも1種が難燃性を有する、請求項1又は2記載の配管防音構造。
  4. 前記遮蔽層が、フィルム、膜、紙、箔、布、及び繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を単独又は併用されて施されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の配管防音構造。
  5. 前記配管防音部材が筒状物からなり、前記配管部材に接する側に前記吸音材が設けられており、偏平状に折り畳まれた前記筒状物への直管部材の挿入による筒状への復元によって、前記吸音材が前記直管部材に密に接するようにされている、請求項1〜4のいずれか一項記載の配管防音構造。
  6. 前記配管部材が前記直管部材に加えて異型部材を備えており、前記異型部材がこの異型部材の形状に沿った形状と防音及び防火作用とを有する異型部材用配管防音部材を予め取り付けられており、前記直管部材と前記異型部材との連結及び継ぎ目の封止材での処理によって施工されている、請求項5記載の配管防音構造。
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