JP2007146958A - 軸受装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異音の発生や部材の摩耗、周辺環境の汚染を回避することができ、製品寿命の長い軸受装置を低コストに提供する。
【解決手段】軸部材1の大径部で成形した保持部6の成形面6aと、軸部材の大径部外周面1aとの間に微小隙間15を備える。この微小隙間が、油溜りとしての機能およびバッファ機能を果たすことにより、潤滑油不足による不具合や、温度上昇に伴う潤滑油の膨張による油漏れを回避することができる。また、保持部の成形面は軸部材の大径部外周面で成形されるため、別工程や別部材を必要とせず、製造コストの低減や製造時間の短縮が図られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、軸受の軸孔に軸部材を嵌合して、両者が相対的に回転、摺動又は摺動回転できるように支持する軸受装置及びその製造方法に係るものであって、特に高精密な回転、摺動又は摺動回転を必要とする軸受装置及びその製造方法に関するものである。
このような軸受装置の軸受として、例えば特許文献1では、軸心に電鋳加工による電鋳部をインサートして型成形した軸受部品が提案されている。この軸受部品によると、電鋳殻である電鋳部の内周面が軸受部品の軸孔を形成するので、真円度及び内径寸法精度が高くて摺動性も良好であり、電鋳部の内周面に装着させて使用する軸部材に対するクリアランスを極小にして高精密な回転、摺動又は摺動回転が可能となる。
特開2003−56552号公報
上記のような軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材とを有する軸受装置では、軸受と軸部材との潤滑性を保つために、軸受の内周面と軸部材の外周面との間に潤滑流体(例えば潤滑油)を介在させることがある。しかし、上述のように、軸受隙間となる電鋳部と軸部材との間のクリアランスは極小に設定されるため、軸受隙間に保持される潤滑油は極少量である。このため、潤滑油が軸部材の作動(例えば回転)に伴う外部への飛散や、蒸発などにより減少すると、潤滑油不足による潤滑不良を招き、異音の発生や、軸受と軸部材との接触摺動による部材の摩耗などの不具合が生じる。また、軸受装置の使用環境が高温になると、潤滑油の体積が膨張し、微小な軸受隙間に保持しきれない潤滑油が漏れ出し、周辺環境の汚染や潤滑油不足の不具合を招く恐れがある。
このような不具合を回避するために、軸受の端部にシール空間を形成することが考えられるが、シール空間を形成するには、別途製作したシール部材を配置したり、軸受の内周面又は軸部材の外周面の一部を機械加工等で除去したりする必要がある。このように部材数や工程数が増えることで、軸受装置の製造コスト高を招くことになる。
本発明の課題は、異音の発生や部材の摩耗、周辺環境の汚染を回避することができ、製品寿命の長い軸受装置を低コストに提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、電鋳部および電鋳部を保持する保持部からなる軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材とを有し、電鋳部に軸部材の外周面と対向する軸受面を設けた軸受装置において、軸部材に小径部と大径部とを設けると共に、保持部に軸部材の大径部で成形した成形面を設け、電鋳部の軸受面および前記保持部の成形面をそれぞれ軸部材の小径部外周面と対向させたことを特徴とする。
また、本発明の軸受装置の製造方法は、電鋳部および電鋳部を保持する保持部からなる軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材とを有し、電鋳部に軸部材の外周面と対向する軸受面を設けた軸受装置の製造に際して、小径部と大径部とを有する軸部材のうち、少なくとも小径部をマスターとして電鋳部を形成した後、軸部材の少なくとも大径部を内型とする射出成形により、電鋳部を保持する保持部を成形し、その後、軸部材を電鋳部および保持部から分離し、分離した軸部材の小径部の外周面を軸部材の大径部で成形された保持部の成形面と対向させることを特徴とする。
このように本発明では、軸部材の大径部で成形した保持部の成形面を軸部材の小径部外周面と対向させる。この成形面と軸部材の小径部外周面との間の微小隙間は、軸受面と軸部材との間の軸受隙間よりも隙間幅が大きいため、より多くの潤滑油が保持できる。よって、この微小隙間が軸受隙間に油を供給する油溜りとしての機能を果たし、潤滑油不足による不具合を回避することができる。また、微小隙間が軸受隙間に充填された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を果たすことにより、軸受装置の使用環境の高温化により膨張した潤滑油が、軸受外部へ漏れ出すことを防止できる。
また、この微小隙間は、保持部の射出成形工程において軸部材の大径面を内型として成形される成形面と、軸部材の小径部外周面とを対向させることで形成される。すなわち、射出成形により一体に成形された電鋳部、保持部および軸部材から軸部材を分離した後、軸部材を軸方向に移動させるだけで、上記の微小隙間を形成することができるため、別部材や別工程を必要とせず、低コストに油溜りを形成することができる。
また、このような微小隙間を軸受の内周面の端部に設けると、この微小隙間がシール空間として機能し、潤滑油の外部への漏れ出しを防止することもできる。
上記の軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを備えたモータは円滑に作動するため、異音の発生がなく、製品寿命も長い。
以上のように、本発明によると、異音の発生や部材の摩耗、周辺環境の汚染を回避でき、製品寿命の長い軸受装置を低コストに得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態を示す軸受装置を構成する軸受5(図4参照)は、軸部材1をマスターとして使用し、電鋳加工を行って電鋳軸4を形成する工程(図1および図2参照)、電鋳軸4の電鋳部3を保持する保持部6を樹脂で射出成形する工程(図3参照)、および電鋳部3と軸部材1とを分離する工程を経て製作される。
なお、以下の説明において、「回転用の軸受」とは、軸部材との間の相対回転を支持する軸受を意味し、軸受が回転側となるか固定側となるかを問わない。「摺動用の軸受」とは、軸との間の相対的な直線運動を支持する軸受を意味し、同様に軸受が移動側となるか固定側となるかを問わない。「回転摺動用の軸受」とは、前記二つの軸受の機能を併せ持つもので、軸との間の回転運動および直線運動の双方を支持する軸受を意味する。
軸部材1は、導電性材料、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で、図1に示すように、大径部と小径部とを有する横断面円形の軸として製作される。もちろんステンレス鋼に限定されるものでなく、剛性などの機械的強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、電鋳部3の加工性および分離性など、軸受の機能上あるいは軸受製作の都合上求められる特性に適合した材料、さらには熱処理方法が選択される。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば表面に導電性の金属皮膜を形成することにより)使用可能となる。なお、軸部材1の表面には、軸受装置として使用する際の軸受部材との摩擦低減のため、例えばフッ素系の樹脂コーティングを施すのが望ましい。
軸部材1は、中実軸の他、中空軸や中空部に樹脂を充填した中実軸であっても良い。また、回転用の軸受では、軸部材の横断面は基本的に円形に形成されるが、摺動用の軸受の場合は横断面を任意形状にすることができ、円形のほかに多角形状や非真円形状とすることもできる。また、摺動用の軸受では、軸部材1の摺動部の断面形状は軸方向一定に形成されるが、回転用の軸受では、軸部材の断面形状は軸方向一定ではない形態をとることもある。
軸部材1の外周面精度は、後述する軸受隙間の精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等の軸受機能上重要となる表面精度を、予め高精度に仕上げておく必要がある。例えば回転用の軸受では、軸受面との接触回避の観点から真円度が重視されるので、軸部材1の外周面はできるだけ真円度を高める必要がある。例えば、後述する軸受隙間の平均幅(半径寸法)の8割以下にまで仕上げておくのが望ましい。従って、例えば軸受隙間の平均幅を2μmに設定する場合、軸部材外周面は1.6μm以下の真円度に仕上げるのが望ましい。
軸部材1の外周面には、図1の散点で示すように、電鋳部3の形成予定部を除き、マスキングが施される。マスキング用の被覆材2としては、非導電性、および電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液に軸部材1を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属を軸部材1の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、軸受の軸受面に求められる硬度、疲れ強さ等の物理的性質、化学的性質に応じて適宜選択される。電鋳部3の厚みは、これが厚すぎると軸部材1からの剥離性が低下し、薄すぎると軸受面の耐久性低下等につながるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚みに設定される。例えば軸径1mm〜6mmの回転用の軸受では、10μm〜200μmの厚さとするのが好ましい。
電鋳軸4は、図3に示す射出成形工程に移送され、電鋳部3および軸部材1をインサート部品とするインサート成形が行われる。
この射出成形工程では、電鋳軸4は、図3に示すようにその軸方向を型締め方向(図面上下方向)と平行にして、上型7、および下型8からなる金型内部に供給される。下型8には、軸部材1の小径部外周面1bの外径寸法に適合した位置決め穴10が形成され、この位置決め穴10に前工程から移送した電鋳軸4の下端を挿入して電鋳軸4の位置決めがなされる。上型7には、軸部材1の大径部外周面1aの外形寸法に適合する内径を有するガイド穴11が位置決め穴10と同軸に形成されており、型締め時に可動型(本実施形態でいえば上型7)を固定型(本実施形態では下型8)に接近させて型締めすると、先ず電鋳軸4の上端がガイド穴11に挿入されて電鋳軸4の芯出しが行われる。さらに接近させ、上型7と下型8とが当接し、型締めが完了する。
図3に示す型締め完了時において、電鋳軸4の下端は位置決め穴10の下端に突き当たり、軸部材1の大径部外周面1aと小径部外周面1bとの間に形成される段部1cは、成形面の上端面より下に位置する。本実施形態では、電鋳部3は段部1cから成形面の下端面に当接するまで設けられている。この状態で、スプルー12、ランナー13、およびゲート14を介してキャビティ9に樹脂材料を射出し、インサート成形を行う。
射出される樹脂材料は熱可塑性樹脂であり、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
なお、射出される材料としては金属材料も使用可能である。例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度、耐熱性、または導電性等をより向上させることができる。この他、金属紛とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもできる。
型開き後、脱型した成形品は、図4で示すように、軸部材1、電鋳部3、および保持部6が一体となった構造を有する。この成形品は、その後分離工程に移送され、電鋳部3および保持部6からなる軸受5と、軸部材1とに分離される。
この分離工程では、電鋳部3に蓄積された内部応力を解放することにより、電鋳部3の内周面を拡径させ、軸部材1の外周面から剥離させる。内部応力の解放は、軸部材1又は軸受5に衝撃を与えることにより、あるいは電鋳部3の内周面と軸部材1の外周面との間に軸方向の加圧力を付与することにより行われる。内部応力の解放により、電鋳部3の内周面を半径方向に拡径させて、電鋳部3の内周面3aと軸部材1の小径外周面1bとの間に適当な大きさの隙間を形成することにより、電鋳部3の内周面に対して軸部材1を軸方向に動かすことができ、これにより成形品が、電鋳部3および保持部6からなる軸受5と、軸部材1とに分離される。なお、電鋳部3の拡径量は、例えば電鋳部3の肉厚や電解質溶液の組成、電鋳条件を変えることによって制御できる。
衝撃の付与だけでは電鋳部3の内周を十分に拡径さえることができない場合、電鋳部3と軸部材1とを加熱又は冷却し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによって、軸部材1と軸受5とを分離することもできる。
また、射出成形後の固化時に、保持部6の軸部材1と接している面が成形収縮により拡径するよう樹脂材料の組成や成形条件を配慮することにより、保持部6と軸部材1とを容易に分離することが可能となる。
こうして軸受5と軸部材1とを分離した後、軸部材1を上方に移動させることにより、軸部材1の小径部外周面1bと、軸部材1の大径部で成形された保持部6の成形面6aとを対向させる(図5参照)。このとき、軸部材1の小径部外周面1bと対向する電鋳部3の内周面3aは軸受面として機能する。この軸受面と軸部材1の小径部外周面1bとの間の軸受隙間は、電鋳加工の特性から、クリアランスが極めて小さく、かつ高精度であるという特徴を有するため、高い回転精度または摺動性を有する軸受の提供が可能となる。また、軸部材1を軸受5の内周に挿入したまま移動させるだけで良いため、例えば、軸部材1を軸受5から抜き去った後に別途製作した軸部材を挿入する場合と比べ、異物が混入するおそれが少ないため、異物による異音の発生や部材の摩耗などの危険が少ない。
また、軸部材1の小径部外周面1bと保持部6の成形面6aとの間には、微小隙間15が形成される。これまでの製造工程から明らかなように、微小隙間15は軸受隙間よりも大きな隙間幅に設定される。軸受隙間および微小隙間15に潤滑油を充填することで、軸受装置が完成する。
軸受5の作動(回転、摺動、又は回転摺動)時には、微小隙間15に保持された潤滑油が軸受隙間に供給されるため、常に潤沢な潤滑油が軸受隙間に介在し、油不足による潤滑不良による異音の発生や、軸部材と軸受5との接触摺動による摩耗が回避され、製品寿命が延長される。また、微小隙間15がバッファ機能を果たすため、軸受装置の使用環境が高温化に伴い潤滑油の体積が膨張しても、潤滑油の軸受外部への漏れ出しを防止できるため、周辺環境の汚染等の不具合を回避できる。
また、微小隙間15はシール空間としての機能も果たすため、潤滑油が漏れ出したり、軸受5の作動に伴って飛散したりするのを防ぐことができ、潤滑油の減少や周辺環境の汚染等をより確実に防止することができる。微小隙間15の隙間幅は、潤滑油が漏れ出さないように毛細管力が得られる範囲、例えば0.5mm以下、望ましくは0.3mm以下に設定される。
本発明は、上記実施形態に限られない。図6に示す本発明の第2の実施形態に係る軸受装置では、電鋳部3の軸方向寸法が第1の実施形態に比べ短く、微小隙間15と電鋳部3とが軸方向に離間している。このように、必要最小限の部分のみに電鋳部3が形成されるので、コストの低減を図ることができる。
図7に示す本発明の第3の実施形態に係る軸受装置では、軸受5の大径内周面5aと小径内周面5bとにそれぞれ電鋳部31、32が形成される。これによると、例えば潤滑油なしで軸受装置を使用する場合も、軸部材1の大径部で成形される保持部6の成形面(大径内周面)と軸部材1の小径部外周面1bとの間に形成される微小隙間15が逃げ部として作用することで、軸方向に離隔した複数の軸受面を設けることができ、モーメント荷重に対する軸受剛性を高めることができる。また、軸受内部に潤滑油を充填して軸受装置を使用する場合は、軸部材1の大径部で成形される保持部6の成形面(大径内周面)と軸部材1の小径部外周面1bとの間に形成される微小隙間15が、油溜りとしての機能を果たすことにより、油不足を防止することができる。
図8に示す本発明の第4の実施形態では、軸受5の下端側開口部をスラストプレート23で閉塞した点で他の実施形態と異なる。この場合、他の実施形態と同様に、軸部材を上方にずらして、軸部材1の小径部外周面1bと、軸部材1の大径部で成形された保持部6の成形面6aとの間に微小隙間15を形成し、その後スラストプレート23を軸受5の下端開口部に固定する。本実施形態では、軸部材の下端部1dが凸球面状に形成され、この下端部1dとスラストプレート23の上端面23aとの間に、軸部材1をスラスト方向に支持するスラスト軸受部Tが形成される。
次に、以上に説明した軸受を備えた軸受装置をモータ21の回転軸の支持に適用し、その一実施形態を図9に基いて説明する。
図示例のモータ21は、HDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータである。このモータ21の軸受装置は、軸部材1をラジアル方向に回転自在に支持するラジアル軸受部Rと、スラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tとを有する。ラジアル軸受部Rは、軸部材1の外周面と電鋳部3の内周面とで構成され、スラスト軸受部Tは、軸部材1の凸球面状の軸端を、軸受5の端面に対向させたスラストプレート23で接触支持することによって構成される。軸受5は、以上の説明で述べたとおり、電鋳部3をインサートした射出成形により形成される。そして、モータ21は、この軸受装置以外にも、軸部材を装着したロータ(ディスクハブ)24と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル25およびロータマグネット26とを備えている。ステータコイル25は、ブラケット27の外周に取付けられ、ロータマグネット26はディスクハブ24の内周に取付けられている。ディスクハブ24には、磁気ディスクDが一又は複数枚保持されている。
ステータコイル25に通電すると、ステータコイル25とロータマグネット26との間の電磁力でロータマグネット26が回転し、それによって、ディスクハブ24および軸部材1が一体となって回転する。このとき、微小隙間15に保持された油が、ラジアル軸受部Rおよびスラスト軸受部Tに供給される。
図9では、スラスト軸受部Tをピボット軸受で構成した場合を例示しているが、この他にも、動圧溝等の動圧発生手段で軸部材1をスラスト方向に非接触支持する動圧軸受も使用可能である。あるいは、軸部材1の下端部にフランジ部を設け、軸受5からの抜け止めとして作用させることもできる。
本発明の軸受装置は、以上の例示に限らず、モータの回転軸支持用として広く適用可能である。この軸受装置は、上記のとおりラジアル軸受部Rにおいて高精度の軸受隙間(ラジアル軸受隙間)を備えるので、上記HDD等の磁気ディスク駆動用のスピンドルモータを初めとして、高回転精度が要求される情報機器用の小型モータ、例えば光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ、あるいはレーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用として特に適合するものである。また、長寿命が要求されるファンモータなどにも適用できる。
以上の説明では、軸受5を回転用の軸受に使用する場合を例示しているが、この他にも軸受5は、摺動用の軸受や、回転摺動用の軸受にも適用することができる。摺動用若しくは回転摺動用の軸受に本発明を適用する場合は、軸受が軸部材の大径部と小径部の間の段部と干渉しないように、軸受の摺動範囲を設定する必要がある。
軸部材1の斜視図である。 電鋳軸4の斜視図である。 射出成形金型に電鋳軸4を取付けた状態(型締め時)を示す断面図である 軸受5と軸部材1とが一体成形された状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態を示す軸受装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す軸受装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す軸受装置の断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す軸受装置の断面図である。 本発明を適用したモータ21を示す断面図である。
符号の説明
1 軸部材
1a 大径部外周面
1b 小径部外周面
2 被覆材
3 電鋳部
4 電鋳軸
5 軸受
6 保持部
6a 成形面
15 微小隙間
21 モータ
25 ステータコイル
26 ロータマグネット

Claims (4)

  1. 電鋳部および電鋳部を保持する保持部からなる軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材とを有し、電鋳部に軸部材の外周面と対向する軸受面を設けた軸受装置において、
    軸部材に小径部と大径部とを設けると共に、保持部に軸部材の大径部で成形した成形面を設け、電鋳部の軸受面および前記保持部の成形面をそれぞれ軸部材の小径部外周面と対向させたことを特徴とする軸受装置。
  2. 軸部材の大径部で成形した保持部の成形面と軸部材の小径部外周面との間の微小隙間が、軸受の内周面の端部に形成された請求項1記載の軸受装置。
  3. 請求項1記載の軸受装置と、ロータマグネットと、ステータコイルとを有するモータ。
  4. 電鋳部および電鋳部を保持する保持部からなる軸受と、軸受の内周に挿入された軸部材とを有し、電鋳部に軸部材の外周面と対向する軸受面を設けた軸受装置の製造に際して、
    小径部と大径部とを有する軸部材のうち、少なくとも小径部をマスターとして電鋳部を形成した後、軸部材の少なくとも大径部を内型とする射出成形により、電鋳部を保持する保持部を成形し、その後、軸部材を電鋳部および保持部から分離し、分離した軸部材の小径部の外周面を軸部材の大径部で成形された保持部の成形面と対向させることを特徴とする軸受装置の製造方法。
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