JP2007146330A - セルロース系繊維構造物及びその製造方法 - Google Patents

セルロース系繊維構造物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
寸法安定性が改善されるとともに洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するセルロース系繊維構造物を提供することである。
【解決手段】
アシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であるセルロースエステルを主成分とするセルロース系繊維と合成繊維からなる繊維構造物であって、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含むことを特徴とするセルロース系繊維構造物である。また、前記のセルロース系繊維構造物を、前記ピリジン系抗菌剤および着色物を含む液中に浸し、常圧または加圧の下で、90〜160℃で加熱処理することにより得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、寸法安定性が改善されるとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するセルロース系繊維構造物およびその製造方法に関するものである。
従来からセルロースエステル系の繊維としては、セルロースジアセテートやセルローストリアセテートなどのアセテート類が古くから工業化されており、高発色性で美麗な繊維としてその価値を認められている。セルロースジアセテートは、セルロース骨格を構成するグルコース環上にある3つの水酸基のうち、約2個がアセチル基に置換されたセルロースアセテートをいう。またセルローストリアセテートは、水酸基のほぼ全てがアセチル基に置換されたものをいい、ジアセテートよりは疎水性が高く、また耐熱性が改善されているという特徴がある。
しかしながら、これらのセルロースアセテート類は熱可塑性が小さく、溶融温度と分解温度が近いことから溶融紡糸ができず、有害な有機溶剤を用いる乾式紡糸法によってのみ製造されるものであり、生産性が低い上に環境に対して悪影響の要因が大きい素材であった。更に従来のセルロースエステル繊維であるジアセテートやトリアセテートは湿潤時の寸法安定性が著しく不良となる問題があった。
これらの問題を解消するものとして、セルロース脂肪酸エステル系繊維を用いた織編物が知られている(特許文献1)。
また、従来から抗菌性を付与したセルロース系繊維は各種衣料、芯地、裏地、寝装製品、インテリア製品などに広く利用されている。近年、メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(以下、MRSAという。)による病院内感染が問題となっており、病院用衣料や介護衣料などに抗菌性を付与する必要があるが、これらの衣料は通常60〜85℃の工業洗濯が多数繰り返されるため、従来技術では十分な耐久性を有するものはほとんど得られていない。
繊維の抗菌処理には銀、銅、あるいは亜鉛などの無機系抗菌剤を合成繊維の紡糸段階で練り込む方法と、第四級アンモニウム塩などの有機系抗菌剤をスプレーあるいはパディング処理して付与する後加工の方法がとられてきた。前者の場合、洗濯耐久性という面では優れているが、布などの製品には抗菌加工をすることができない。また、紡糸段階で口金面に抗菌剤が結晶として析出するため、糸切れが多発するなどの製糸上の問題があった。一方、後者の場合は、布などの製品に抗菌加工ができるという利点はあるものの、抗菌性の洗濯耐久性という面では劣っており、従来技術では十分な耐久性を有するものはほとんど得られていない。
これらの問題を解消するものとして、ピリジン系抗菌剤を用いた抗菌性繊維構造物が知られている(特許文献2)。
しかしながら、優れた寸法安定性とともに、抗菌性能をも兼ね備えたものは知られていない。
特開2005−281912 特開2000−303357
本発明の目的は、寸法安定性が改善されるとともに洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するセルロース系繊維構造物を提供することである。
本発明のセルロース系繊維構造物は、前記課題を解決するために、次の構成を有する。
すなわち、アシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であるセルロースエステルを主成分とするセルロース系繊維と合成繊維からなる繊維構造物であって、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含むことを特徴とするセルロース系繊維構造物である。
更に詳しくは、セルロースエステルの炭素数3〜18のアシル基由来のエステル置換度が0.3〜3.0であることを特徴とするセルロース系繊維構造物である。
また、前記のセルロース系繊維構造物を、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤、および着色物を含む液中に浸し、常圧または加圧の下で、90〜160℃で加熱処理することを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法である。
本発明におけるセルロースエステルとは、セルロースの水酸基の一部、または全てが脂肪酸のエステル結合で封鎖されているものをいい、特にその脂肪酸基の少なくとも一部が、炭素数3〜18のアシル基(炭素数にはカルボニル炭素も含む)を含有するものをいう。従って、一部、炭素数2のアセチル基があっても、その他に炭素数3以上のアシル基に置換されている部分があれば、これに含まれる。具体的には、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレート、セルロースアセテートステアレート、セルロースステアレート、セルロースアセテートオレエート、セルロースオレエート、セルロースアセテートラウレート、セルロースラウレート、セルロースアセテートパルミテート、セルロースパルミテート、セルロースアセテートバリレート、セルロースバリレートなどのセルロースエステル誘導体及びこれらのブレンド物、変性物などを例示することができ、特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレートが、実用上可能な紡糸条件を採りやすく好ましいものである。
またセルロースのグルコース環中の水酸基の数は3個であるため、その水酸基のエステルへの置換度の上限は3.0である。本発明においては、このエステル置換度は0.3〜2.8が望ましい。さらに好ましくは0.5〜2.0が良い。
繊維化の方法としては特に限定されるものではないが、現行のセルロースアセテートで採用されている乾式紡糸法やレーヨンなどの湿式紡糸法を採用しても良く、本発明で対象となるセルロースエステルの熱流動性を利用して、溶融紡糸法によって繊維化することも可能である。その際、溶融温度を下げ流動性を上げるために、可塑剤としてフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、グリセリン誘導体、ジグリセリン誘導体、ポリエチレングリコール、両末端封鎖ポリエチレングリコールなどが単独、もしくは併用して適量加えられていても良い。
また必要に応じ熱劣化防止剤、着色防止剤、その他、滑剤、帯電防止剤、艶消剤、潤滑剤、難燃剤、着色顔料など、種々の目的で無機微粒子や有機化合物が必要に応じて含有されていても良い。
また本発明のセルロースエステルからなる繊維は、繊維断面形状に関しても特に制限はなく、通常用いられる丸断面の他、三角断面、多葉形、扁平形、W字形、S字形、C字形、H形、中空形などの異形断面繊維であっても良く、少なくとも1成分がセルロースエステルからなる芯鞘型、サイドバイサイド型、分割割繊型、海島型などの複合繊維であっても良く、仮撚加工、タスラン加工などの糸加工が施されていても良い。
また、本発明におけるセルロース系繊維構造物は、セルロースエステルを主成分とするセルロース系繊維と合成繊維からなる繊維構造物であり、合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、アクリルなどを用いることができ、複合混繊、複合仮撚、交織、交編など、いずれの形態を用いることもできる。
本発明のセルロース系繊維構造物において、寸法安定性、抗菌性の耐久性の観点から、合成繊維はポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
また本発明のセルロース系繊維構造物は、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4、かつ平均粒径2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含むものである。
分子量が200未満のときは、抗菌剤が繊維に付着または吸尽・拡散するが洗濯耐久性は低く、分子量が700を超えるときは、抗菌剤が繊維に付着または吸尽しない。好ましくは抗菌剤の分子量は300〜500である。
本発明でいう「無機性/有機性値」とは、藤田稔氏が考案した各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり〔改編 化学実験学−有機化学篇−河出書房(1971)参照〕、炭素(C)1個を有機性20とし、それに対し各種極性基の無機性、有機性の値を表1の如く定め、無機性値の和と有機性値の和を求め両者の比をとった値をいう。
Figure 2007146330
かかる有機概念で、例えばポリエチレンテレフタレートの無機性/有機性値を算出すると0.7、本発明は、かかる有機概念で算出された値をもとにしてセルロース系繊維構造物と抗菌剤との親和性に注目し、無機性/有機性値が所定の範囲内にある抗菌剤を繊維に付着または吸尽・拡散させたものである。
無機性/有機性値が0.3未満の場合は有機性が強くなりすぎて、逆に1.4を超える場合は無機性が強くなりすぎて、繊維に付着または吸尽・拡散しにくくなる。無機性/有機性値は0.35〜1.3であることが好ましく、0.4〜1.2であることがより好ましい。
例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ヒドロキシピリジンの場合、ベンゼン核を1つ、−Cl基を4つ、−OH基を1つ、−NR基を1つ含むため無機性値は265となる。また有機性値は、C(炭素)を5つ、−Cl基を4つ含むため180となり、無機性値/有機性値は1.47となる。また、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛はキレート錯体として存在し、電気陰性度の点から亜鉛と硫黄は共有結合をしていると考えるので、この化合物の無機性値は85、有機性値は190となり無機性値/有機性値は0.45と計算できる。一方、同じピリジン系抗菌剤である2−ピリジルチオール−1−オキシドナトリウムは、ナトリウムと硫黄は電気陰性度差が1.6以上あり、この結合はイオン結合となり、この場合、ナトリウムは軽金属塩として働くため無機性値は585、有機性値は190と算出でき、無機性値/有機性値は3.0となることから、繊維との親和性は悪くなる。
本発明においては、かかる抗菌剤の中でも、平均粒径が2μm以下のものを用いる。平均粒径が2μmを超えると、繊維に付着または吸尽しにくくなる上に、加工液にした時に粒子の沈降が起こり、液の安定性に欠ける傾向を示すものである。好ましくは、抗菌剤の平均粒径は1μm以下である。
本発明に用いる抗菌剤としては、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)等のピリジン系化合物を用いることができる。その中でも特に、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が、繊維との親和性がよく、繊維に対して強固に付着、吸尽するため洗濯耐久性が良く、MRSAはじめ、効果を示す対象菌種の広さの点で好ましい。
次に、本発明のセルロース系繊維構造物の製造方法について述べる。
抗菌剤を付与する方法として、抗菌剤と分散染料、酸性染料、カチオン染料、蛍光増白剤などの着色物を含む液中に繊維構造物を浸し、常圧または加圧の下、90〜160℃で加熱処理する。その加熱処理時間は10〜120分間が好ましい。120〜135℃で20〜60分間加熱処理することはより好ましい。このとき、着色物とピリジン系抗菌剤を同時に液中で加熱処理することにより、抗菌剤が染料と同じく繊維に付着し、繊維内部に吸尽・拡散する。先に繊維構造物を着色させてから、その後にピリジン系抗菌剤を浴中で90〜160℃の加熱処理を行うと、着色物が繊維から脱離し、所望の着色性が得られない。また先に抗菌剤を繊維に含有させてから着色処理すると、ピリジン系抗菌剤が脱離し、制菌性能が低下しまう。また、90℃未満の加熱条件では抗菌剤は合成繊維に付着または吸尽しない。160℃を超える条件の場合、エネルギー消費量に見合った効果が得られず、コストパフォーマンスが悪くなる。
かかる方法において液中処理した後、テンター等で160〜200℃の乾熱処理をすることが好ましい。その処理時間は15秒〜5分間でよい。より好ましくは170〜190℃で30秒〜2分間の乾熱処理を行う。かかる乾熱処理により、抗菌剤は繊維に対して強固に付着、吸尽するため洗濯耐久性を向上させることができる。160℃未満の加熱条件では乾熱処理の効果が得られにくい。また、200℃を超える条件の場合、繊維材料の黄変や脆化、さらに染料や抗菌剤の昇華もしくは熱分解ならびにエネルギー消費量の増加などが生じる場合がある。
本発明の抗菌剤を付与する他の方法として、前記したピリジン系抗菌剤を含む液を、着色された繊維構造物にパディング処理またはスプレー処理で付与した後、160〜200℃で乾熱または湿熱の加熱処理を行う。その加熱処理の時間は30秒〜10分間が好ましい。より好ましくは170〜190℃で1〜5分間の乾熱または湿熱の加熱処理を行う。160℃未満の加熱条件ではピリジン系抗菌剤は繊維に強固に付着または吸尽しない。また、200℃を超える条件の場合、繊維材料の黄変や脆化、さらに染料や抗菌剤の昇華もしくは熱分解ならびにエネルギー消費量の増加などが生じる場合がある。
本発明の繊維構造物は、寸法安定性、抗菌性に優れるため、アウター、ブラウス、シャツ、肌着、白衣、介護衣、寝間着、芯地、裏地、寝装製品、インテリア製品等として好適に用いられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例における測定値は次の方法で得たものである。
また実施例と比較例に使用する抗菌剤は、次のコロイド化処理を行ったものを使用する。すなわち、抗菌剤50gとナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物20gおよびリグニンスルホン酸ナトリウム30gを水300gと共にスラリー化し、次いでガラスビーズを用いて湿式粉砕処理を施し、平均粒径1μmのコロイド状態の組成物を得た。
(1)寸法変化率
JIS L1096に準じ、40cm×40cmの試験片を3枚採取し、タテ、ヨコそれぞれ3箇所に長さ200mmの印を付ける。次の洗濯条件にて、洗濯5回を実施し自然乾燥した。
洗濯条件:2槽式洗濯機にて花王(株)製洗剤“アタック”1g/l、温度40℃、浴比1:30で5分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフロー水洗を4分間実施し、脱水を行い、これを洗濯1回とした。
次にタテ、ヨコ別々に3箇所の平均値を測定し、次の式により寸法変化率を求め、タテ、ヨコそれぞれ3枚の平均値を求めた。
寸法変化率(%)=(L−200)×100/200
(2)洗濯方法
ドラム染色機を用い、花王(株)製洗剤“アタック”2g/l、過酸化水素水(35%工業用)3cc/l、過炭酸ナトリウム1.5g/l、温度85±2℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフロー水洗を10分間実施し、脱水を行い、これを洗濯1回とした。最後にタンブラー・ドライヤーを用いて20分間で乾燥させた。
(3)抗菌試験方法
試験方法は統一試験法を採用し、試験菌体はMRSA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格レベルとした。
ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
実施例1
セルロースアセテートプロピオネート(エステル置換度2.5(アセチル置換度2.0、プロピオニル置換度0.5))80重量%とポリエチレングリコール(三洋化成社製、PEG600)20重量%を2軸エクストルーダーで混練しペレットを得た。このペレットを真空乾燥した後、紡糸温度240℃、紡糸速度750m/分の条件で溶融紡糸を行い、105デシテックス、24フィラメントの繊維を得た。
得られたセルロースエステル繊維をタテ糸に用い、ポリエチレンテレフタレート繊維(165デシテックス、48フィラメント)をヨコ糸に用い、2/1綾組織の織物をウォータージェットルームにてタテ109×ヨコ73(本/2.54cm)の生機密度で製織した。
次いで得られた生機を通常の方法にて、精練、乾燥、中間セットし、抗菌剤としてコロイド化処理した2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を1%owf、市販の分散染料2%owf、均染剤0.5g/l、浴比1:15、pH5の液中に浸し、120℃、60分間の条件で染色加工を行った。その後、湯水洗し、170℃で仕上げセットした。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するものであった。
実施例2
供試布として、ヨコ糸にポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートのサイドバイサイド型複合延伸糸(110デシテックス、48フィラメント)を用いた以外は、実施例1と同じ処理を行った。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するものであった。
実施例3
実施例1と同じ生機を使用し、抗菌剤として2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジンを使用した以外は、実施例1と同じ処理を行った。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するものであった。
実施例4
実施例1と同じ生機を使用し、抗菌剤として2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジンを使用した以外は、実施例1と同じ処理を行った。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するものであった。
実施例5
実施例1と同じ生機を使用し、通常の方法にて精練、乾燥、中間セット、染色まで行った後、抗菌剤としてコロイド化処理した2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛を15g/Lに調整した液に供試布を浸漬し、マングルにて絞り率70%で搾液後、テンターにて130℃で2分間乾燥し、170℃で1分間加熱した。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた抗菌性を有するものであった。
比較例1
乾式紡糸法で得られた市販のセルロースジアセテート(84デシテックス、42フィラメント)をセルロースエステル繊維としてタテ糸に用いる以外は、実施例1と同じ処理を行った。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性が劣るものであった。
比較例2
抗菌剤として2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムを使用する以外は、実施例1と同条件で加工した。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するが、抗菌性の洗濯耐久性に劣るものであった。
比較例3
抗菌剤として1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニル)ベンゼンを使用する以外は、実施例1と同条件で加工した。
得られた加工布は、表2に示すとおり、寸法安定性を有するが、抗菌性の洗濯耐久性に劣るものであった。
Figure 2007146330

Claims (8)

  1. アシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であるセルロースエステルを主成分とするセルロース系繊維と合成繊維からなる繊維構造物であって、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含むことを特徴とするセルロース系繊維構造物。
  2. 該セルロースエステルの炭素数3〜18のアシル基由来のエステル置換度が0.3〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載のセルロース系繊維構造物。
  3. 該ピリジン系抗菌剤が、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース系繊維構造物。
  4. 該ピリジン系抗菌剤が、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース系繊維構造物。
  5. 該合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセルロース系繊維構造物。
  6. アシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であるセルロースエステルを主成分とするセルロース系繊維構造物と合成繊維からなる繊維構造物を、分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤、および着色物を含む液中に浸し、常圧または加圧の下で、90〜160℃で加熱処理することを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法。
  7. 請求項6において、前記液中での加熱処理した後、160〜200℃の乾熱処理を行うことを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法。
  8. 分子量が200〜700、無機性/有機性値=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下のピリジン系抗菌剤を含む液を、アシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であるセルロースエステルと合成繊維からなる着色された繊維構造物にパディング処理またはスプレー処理によって付与した後、160〜200℃の条件で乾熱または湿熱の加熱処理することを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法。
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