JP2007146071A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性、透明性、平滑性および濡れ性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】式(I):
Figure 2007146071

(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。Rは水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)で表されるジオキソラン化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるジオキソラン系重合体と、熱硬化性架橋剤とを含有してなる熱硬化性樹脂組成物重合性不飽和二重結合を有する化合物を重合させてなる高分子化合物の溶液に水素ガスを導入することを特徴とする高分子化合物の無毒化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塗料、接着剤、電子材料、光学用材料、顔料分散剤、離型剤などに好適に使用しうる熱硬化性樹脂組成物に関する。
近年、アクリル系樹脂は、耐光性、透明性、強靭性などを有することから、塗料、接着剤、電子材料などに用いられている。しかし、従来のアクリル系樹脂には、耐熱性および密着性に劣るという欠点がある。
そこで、これらの欠点を解消する材料として、エポキシ基を有する単量体からなる重合体に多価カルボン酸を配合したアクリル系材料が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかし、これらのアクリル系材料は、平滑性、密着性などが必ずしも十分ではない。
特開昭61−252225号公報 特開平5−93047号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐光性、透明性、平滑性および濡れ性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、式(I):
Figure 2007146071
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。Rは水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)
で表されるジオキソラン化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるジオキソラン系重合体と、熱硬化性架橋剤とを含有してなる熱硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた耐光性、透明性、平滑性および濡れ性を発現するという効果を奏する。
式(I)で表されるジオキソラン化合物(以下、単に「ジオキソラン化合物」という)において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。Rは、水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。
直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ジオキソラン化合物は、例えば、ケトンとグリセリンを酸触媒の存在下で反応させ、得られた2置換の(1,3−ジオキソラン−4−イル)メタノール誘導体と(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルとをエステル交換触媒および重合禁止剤の存在下で反応させることにより、容易に調製することができる。例えば、ジオキソラン化合物は、後述する製造例に記載の方法によって容易に調製することができ、また、商業的に容易に入手することもできる。
モノマー成分におけるジオキソラン化合物の含有量は、得られる熱硬化性樹脂組成物に要求される物性などによって異なるので一概には決定することができない。したがって、モノマー成分におけるジオキソラン化合物の含有量は、熱硬化性樹脂組成物に要求される物性などに応じて適宜決定することが好ましい。モノマー成分におけるジオキソラン化合物の含有量は、通常、配合時の粘度および硬化時の強度を考慮して、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
モノマー成分には、官能基含有モノマーを用いることができる。官能基含有モノマーとしては、熱硬化性官能基含有モノマーおよびその他の単官能モノマーが挙げられる。
モノマー成分における官能基含有モノマーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物に要求される物性などに応じて適宜決定することが好ましい。モノマー成分における官能基含有モノマーの含有量は、通常、配合時の粘度および硬化時の強度を考慮して、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。
熱硬化性官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アルコキシシリル基などの熱硬化性官能基を有するモノマーなどが挙げられる。
熱硬化性官能基含有モノマーの具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルエチルモノフタレートなどのカルボキシル基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、トリメトキシシロキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシシリル基含有モノマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」は、「アクリ」または「メタクリ」を意味する。
モノマー成分における熱硬化性官能基含有モノマーの含有量は、通常、ジオキソラン化合物および単官能モノマーの混合時の粘度および熱硬化性樹脂組成物の硬化時の強度を考慮して、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
その他の単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどのエステルを構成しているアルキル基の炭素数が1〜22のアルキル(メタ)アクリレート;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜12のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素数6〜18の脂環基を有する脂環基含有(メタ)アクリレート;ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどの炭素数6〜15のアリール基含有(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン などのスチレン誘導体;N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸ビニルアルコールなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、炭素数が1〜22のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数1〜12のアルコキシ基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
モノマー成分におけるその他の単官能モノマーの含有量は、好ましくは20〜85重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
ジオキソラン系重合体は、モノマー成分を重合開始剤の存在下で重合させることにより、容易に調製することができる。
重合開始剤としては、例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチルニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ−1−カルボニトリル)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2、2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ系化合物;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素など、有機過酸化物などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の量は、生産効率の向上、生成する樹脂の分子量の調整などの観点から、モノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。
モノマー成分の重合方法には、特に限定がない。かかる重合方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明においては、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法によってモノマー成分を重合させる際には、有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、例えば、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
有機溶媒の量は、通常、モノマー成分の濃度が15〜50重量%となるように調整することが好ましい。
重合時の反応温度および反応雰囲気については、特に限定がない。通常、重合時の反応温度は、60〜100℃程度である。重合時の反応雰囲気は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気であればよい。また、反応時間は、通常、3〜20時間程度である。
かくしてジオキソラン系重合体が得られるが、得られたジオキソラン系重合体の重量平均分子量は、熱硬化性樹脂組成物の製膜性およびその粘度を考慮して、好ましくは1000〜500000、より好ましくは5000〜100000である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ジオキソラン系重合体および熱硬化性架橋剤を含有するものである。
熱硬化性樹脂組成物におけるジオキソラン系重合体の含有量は、熱硬化性組成物に含まれている熱硬化性官能基の種類などに応じて適宜選択することが好ましい。熱硬化性樹脂組成物におけるジオキソラン系重合体の含有量は、平滑性および密着性の観点から、好ましくは40〜98重量%、より好ましくは70〜95重量%である。
得られた熱硬化性樹脂組成物には、熱硬化性を高める観点から、熱硬化性架橋剤を含有させる。熱硬化性架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、多価カルボン酸などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのなかでは、メラミン樹脂、ポリイソシアネートおよびエポキシ樹脂が好ましい。
メラミン樹脂としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンビスフェニルジイソシアネートなどの2官能イソシアネート、ポリオール変性ポリイソシアネートなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂などが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの2価カルボン酸およびその無水物、トリメリット酸およびその無水物、ピロメリット酸およびその無水物などが挙げられる。
熱硬化性架橋剤の使用量は、熱硬化性組成物に含まれている熱硬化性官能基の種類などに応じて適宜選択することが好ましい。熱硬化性樹脂組成物における熱硬化性架橋剤の含有量は、耐熱性および密着性の観点から、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
なお、熱硬化性樹脂組成物の接着性をさらに向上させるために、例えば、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのシランカップリング剤を適量で熱硬化性樹脂組成物に含有させてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分を混合することにより、容易に調製することができる。これらの成分は、例えば、適当な溶媒に適量で溶解させることにより、均一な組成となるように調製することができる。なお、この場合、溶媒の量は、後述するように、熱硬化性樹脂組成物の溶液における熱硬化性樹脂組成物の濃度が10〜40重量%程度となるように調整することが好ましい。
溶媒としては、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢酸エステルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、これらの溶媒のなかでは、本発明の熱硬化性樹脂組成物に対する溶解性など観点から、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールジメチルエーテルアセテートが好ましい。
前記各成分を混合する順序および熱硬化性樹脂組成物の溶液における熱硬化性樹脂組成物の濃度には特に限定がなく、本発明の熱硬化性樹脂組成物の用途、塗布方法などに応じて適宜選択することが好ましい。通常、熱硬化性樹脂組成物の溶液における熱硬化性樹脂組成物の濃度は、塗工性を高める観点および塗膜が厚くなりすぎないようにする観点から、10〜40重量%程度であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコーター法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ジオキソラン化合物が含有されているので、顔料、染料、無機フィラー、有機フィラーなどの分散性に優れ、熱可塑性樹脂との相溶性が良好であり、熱可塑性樹脂に対する密着性に優れている。したがって、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、塗料、各種コーティング剤(木工用トップコート、ビニルフロアコート、紙用OPワニスなど)、平版用印刷インキ、凸版用印刷インキ、水性インキ、接着剤、ドライフィルム・レジスト、半導体レジスト、集積回路用封止剤、ソルダーレジストなど電子材料などの幅広い分野において好適に使用することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
10段オルダーショウ蒸留塔を備えた還流装置を用い、500mL容の側管付き四つ口フラスコ内に、グリセリン184g(2.0モル)、メチルエチルケトン(以下、MEKと略す)144g(2.0モル)、ヘキサン50gおよび硫酸0.4g(0.004モル)を仕込み、窒素気流下で反応溶液の沸点に加熱し、攪拌した。
生成した水をヘキサンとの共沸混合物として反応系外に除去した後、反応溶液を凝縮し、分離器で水を取り除き、ヘキサンを前記フラスコに戻した。反応溶液中に水28gが生成した時点で反応溶液を30℃に冷却することにより、反応を終了した。グリセリンの転化率は77%であった。
この反応溶液を分液ロートに移し替え、上層と下層とに分離させた。下層にグリセリンおよび硫酸が含まれているので、原料として再利用した。他方、上層にナトリウムメチラート0.2gを加えた後、エバポレーターでMEKとヘキサンを留去することにより、純度99.7%の(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタノール(以下、MEDOLOHと略す)202gを得た(収率:69%)。
製造例2
10段オルダーショウ蒸留塔を備えた還流装置を用い、500mL容の側管付き四つ口フラスコ内に、グリセリン184g(2.0モル)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)200g(2.0モル)および硫酸0.4g(0.004モル)を仕込み、窒素気流下で反応溶液の沸点に加熱し、攪拌した。
生成した水をMIBKとの共沸混合物として反応系外に除去し、反応溶液を凝縮し、分離器で水を取り除き、MIBKを前記フラスコに戻した。反応溶液中に水20gが生成した時点で反応溶液を30℃に冷却することにより、反応を終了した。グリセリンの転化率は55%であった。
この反応溶液を分液ロートに移し替え、上層と下層とに分離させた。下層にグリセリンおよび硫酸が含まれているので、原料として再利用した。他方、上層にナトリウムメチラート0.3gを加えた後、エバポレーターでMIBKを留去することにより、純度99.5%の(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタノール(以下、MIBDOLOHと略す)182gを得た(収率:52%)。
製造例3
10段オルダーショウ蒸留塔を備えた還流装置を用い、1リットル容の側管付き四つ口フラスコ内に、アクリル酸メチル(以下、MAと略す)430g(5.0モル)、製造例1で得られたMEDOLOH292g(2.0モル)、ジオクチルスズオキサイド(以下、DOTOと略す)3.6g(0.01モル)、4−メトキシフェノール(以下、MEHQと略す)0.02gおよび4-ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン-N-オキシル(以下、HOTEMPOと略す)0.02gを仕込み、空気気流下に攪拌して、反応溶液の沸点に加熱してエステル交換反応を行なった。この間、反応で生成したメタノールはMAとの共沸混合物として反応系外に除去し、この共沸混合物が留出しなくなった時点でエステル交換反応の終了を確認した。反応時間は16時間であった。このときの反応溶液の温度は88〜97℃に上昇していた。
次に、この反応溶液を減圧蒸留(100℃、0.7kPa)することにより、純度が99.6%である(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート380gを得た(収率96%)。
製造例4
10段オルダーショウ蒸留塔を備えた還流装置を用い、1リットル容の側管付き四つ口フラスコ内に、MA500g(5.0モル)、製造例2で得られたMIBDOLOH344g(2.0モル)、DOTO3.6g(0.01モル)、MEHQ0.02gおよびHOTEMPO0.02gを仕込み、空気気流下に攪拌して、反応溶液の沸点に加熱してエステル交換反応を行なった。この間、反応で生成したメタノールはMAとの共沸混合物として反応系外に除去し、この共沸混合物が留出しなくなった時点でエステル交換反応の終了を確認した。反応時間は16時間であった。このときの反応溶液の温度は88〜97℃に上昇していた。
次に、この反応溶液を減圧蒸留(115℃、0.7kPa)することにより、純度が99.5%である(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート438gを得た(収率97%)。
調製例1〜5
表1に示す組成のモノマー成分を混合し、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いてキシレンとn-ブタノール(80:20重量比)中で共重合させ、加熱残分50重量%アクリル樹脂溶液を得た。重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)(ポリスチレン換算)で測定した。
Figure 2007146071
実施例1〜5
調製例1〜5で得られたジオキソラン系重合体および表2に示す熱硬化性架橋剤を用い、各成分を混合することにより、熱硬化性樹脂組成物を得た。
なお、表2に示す熱硬化性架橋剤の詳細は、以下のとおりである。
ブチル化メラミン:三和ケミカル(株)製、商品名:ニカラックMW30
ポリイソシアネート:三井武田ケミカル(株)製、商品名:コスモネートM100
エポキシA:ビスフェノール型エポキシ樹脂〔JER社製、商品名:エピコート828〕
エポキシB:クレゾールノボラックエポキシ樹脂〔東都化成(株)製、品番:YDCN−701〕
Figure 2007146071
次に、バーコターNo.24を用いて、熱硬化性樹脂組成物を塗布量300g/mで冷間圧延鋼板に塗布し、オーブンにて160℃で30分間焼き付けることにより、被膜を形成させた。
比較例1
冷却管、攪拌機および温度計を備えた1リットル容の3つ口丸底フラスコ内に、グリシジルメタクリレート50g、テトラヒドロフルフリルメタクリレート50gおよびエチルセロソルブアセテート250gを仕込み、フラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを加え、溶液の温度を80℃に昇温し、5時間攪拌を続けることにより、メタクリル系共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で70000であった。
この得られた共重合体溶液100重量部に、無水トリメリット酸の12%ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液40重量部およびγ−グリシドキシトリメトキシシラン7重量部を加えて熱硬化性樹脂溶液を得た。得られた熱硬化性樹脂溶液を用い、実施例1と同様にして被膜を形成させた。
次に、形成された被膜の物性を以下の方法に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
(1)耐光性
JIS D 0205「5.5」に規定の条件に準拠し、サンシャインウェザオメーター〔スガ試験機(株)製〕にて、被膜が形成された基材に光線(光源:キセノンランプ)を500時間照射した後、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:外観に異常なし
△:白化が見られる
×:剥離などの明らかな異常が見られる
(2)透明性
オーブンにて200℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜の着色度を分光光度計の透過率により測定し、その400nmにおける透過率(%)を比較した。
(3)平滑性
KLAテンコール(株)製、表面形状測定機P10により、表面粗さ(Ra)を測定し、表面粗さRa(μm)比較した。
(4)濡れ性
純水の水滴を塗膜上に落とし、その水滴の接触角をエルマ光学(株)製、接触角測定器にて測定し、その接触角を比較した。
Figure 2007146071
表3に示された結果から、各実施例で得られた熱硬化性樹脂組成物は、いずれも、耐光性、透明性、平滑性および濡れ性に優れていることがわかる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、耐光性、透明性、平滑性および濡れ性に優れているので、例えば、塗料、接着剤、電子材料、光学用材料、顔料分散剤、離型剤などに好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 式(I):
    Figure 2007146071
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。Rは水素原子または炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)
    で表されるジオキソラン化合物を含有するモノマー成分を重合させてなるジオキソラン系重合体と、熱硬化性架橋剤とを含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
  2. モノマー成分がさらに官能基含有モノマーを含有する請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. モノマー成分がジオキソラン化合物5〜70重量%および官能基含有モノマー30〜95重量%を含有する請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 熱硬化性架橋剤がメラミン樹脂、ポリイソシアネートおよびエポキシ樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. ジオキソラン系重合体40〜98重量%および熱硬化性架橋剤2〜60重量%を含有してなる請求項1〜4いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
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