JP2007145957A - 軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 - Google Patents
軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007145957A JP2007145957A JP2005341085A JP2005341085A JP2007145957A JP 2007145957 A JP2007145957 A JP 2007145957A JP 2005341085 A JP2005341085 A JP 2005341085A JP 2005341085 A JP2005341085 A JP 2005341085A JP 2007145957 A JP2007145957 A JP 2007145957A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- styrene
- resin composition
- thermoplastic resin
- acrylic polymer
- plasticizer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】高い流動性、高い機械的強度並びに高い柔軟性有する成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びこれを射出成形して得られる成形品を提供すること。
【解決手段】アクリル系重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー及び可塑剤を含有する軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形品。
前記アクリル系重合体は質量平均分子量が20〜500万であることが好ましい。また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】アクリル系重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー及び可塑剤を含有する軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形品。
前記アクリル系重合体は質量平均分子量が20〜500万であることが好ましい。また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハロゲン系重合体を含有せず、流動性に優れ、且つポリ塩化ビニル(PVC)樹脂と同様に成形加工が可能で、柔軟性や風合いを有する軟質成形品を得ることができる軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形品に関する。
近年、環境保護の観点からポリ塩化ビニル樹脂から非ハロゲン系樹脂への代替が求められており、オレフィン系エラストマーやウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー等が提案されている。特に最近では、耐候性に優れる熱可塑性アクリル系樹脂を用いたアクリル系の軟質材料も提案されている。しかしながら、従来のアクリル系軟質材料は機械的強度と流動性のバランスがとれておらず、強度を上げた場合には流動性が低下し、流動性を上げた場合には強度が低下する、という課題があった。
例えば特許文献1は、アクリル系重合体と可塑剤からなる熱可塑性樹脂組成物を成形材料として用いて、塩ビ樹脂と同等のカレンダー加工性を得ることを目的としている。しかしながら、この場合には射出成形をするためには流動性がまだ不足しており、成形時の残留応力のため収縮が顕著である。また成形品の強度も十分でない。
また特許文献2にはアクリル系重合体と可塑剤からなる熱可塑性軟質アクリル系樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この場合にもロール混練性等の加工性は得られるが、射出成形を行うには流動性が不足している。また成形品の強度も十分でない。
以上のように、従来のアクリル系材料では高い流動性と機械的強度、更には柔軟性とを両立することが困難であった。
特開2003−3033号公報
特開2003−128711号公報
以上のように、従来のアクリル系材料では高い流動性と機械的強度、更には柔軟性とを両立することが困難であった。
本発明の目的は、高い流動性、高い機械的強度及び高い柔軟性有する軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びこれを射出成形して得られる成形品を提供することにある。
本発明は、アクリル系重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー及び可塑剤を含有する軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形品にある。
本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物は高い流動性、高い機械的強度及び高い柔軟性を有しており、射出成形等の各種成形に好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、アクリル系重合体の構造及び組成は特に限定されない。
アクリル系重合体の構造としては、各種物性のバランスを取らせる上で、粒子構造を有しているものが好ましい。粒子構造としては、粒子全体の重合体組成が均一のものや、重合体の組成が異なる複数の層からなるコアシェル構造や多段構造が挙げられる。ここで、コアシェル構造とは、異なる組成の単量体混合物を2段階でシード重合することによって得られるものをいう。
本発明において、アクリル系重合体の構造及び組成は特に限定されない。
アクリル系重合体の構造としては、各種物性のバランスを取らせる上で、粒子構造を有しているものが好ましい。粒子構造としては、粒子全体の重合体組成が均一のものや、重合体の組成が異なる複数の層からなるコアシェル構造や多段構造が挙げられる。ここで、コアシェル構造とは、異なる組成の単量体混合物を2段階でシード重合することによって得られるものをいう。
例えば、コアシェル構造の好ましい組み合わせの例は、常温において可塑剤との相溶性が良好でシェル重合体よりも溶解度パラメーターが低く且つ分子量が高いコア重合体と、常温において可塑剤と相溶せずコア重合体よりも溶解度パラメーターが高く且つ分子量が低いシェル重合体とからなるコアシェル構造重合体が挙げられる。
更に、ゴム状の重合体成分を含有させることも可能であり、これにより更に柔軟性を付与することが可能である。
更に、ゴム状の重合体成分を含有させることも可能であり、これにより更に柔軟性を付与することが可能である。
アクリル系重合体を構成する主たる単量体単位は特に限定されるものではなく、目的に応じて選択すればよい。使用される単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、又はシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類が挙げられる。
また、ゴム状の重合体成分を含有させる場合には架橋剤を併用することができる。架橋剤としては、例えば(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート等が挙げられる。
その他、アクリル系単量体以外の共重合成分として、例えば屈折率を調整する等の目的でスチレンや、低温物性を付与する等の目的でシリコーン変性アクリレート類等を用いることができる。
本発明において、アクリル系重合体は可塑剤を良好に保持する高分子ゲルとして機能し、これにより成形品に柔軟性を付与する。
アクリル系重合体の質量平均分子量は、可塑剤の保持性、機械強度発現性等の点で、20万以上が好ましく、成形時の流動性の点から500万以下が好ましい。
また、本発明においては、アクリル系重合体として、質量平均分子量の異なる2成分以上の重合体を併用することも可能である。例えば、質量平均分子量40万以上で可塑剤と良好に相溶する重合体と、質量平均分子量が40万未満で可塑剤と常温では相溶しない重合体とを併用することにより機械的強度と流動性を両立させることが容易となる。この場合の好ましい組成の例として、分子量40万以上の重合体については、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート単量単位を20mol%以上含有する重合体が、また、分子量40万未満の重合体については、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位を20mol%未満含有する重合体が挙げられる。この組成範囲であれば、市販の多くの可塑剤に対して相溶性と非相溶性を満足する重合体となる。
アクリル系重合体の質量平均分子量は、可塑剤の保持性、機械強度発現性等の点で、20万以上が好ましく、成形時の流動性の点から500万以下が好ましい。
また、本発明においては、アクリル系重合体として、質量平均分子量の異なる2成分以上の重合体を併用することも可能である。例えば、質量平均分子量40万以上で可塑剤と良好に相溶する重合体と、質量平均分子量が40万未満で可塑剤と常温では相溶しない重合体とを併用することにより機械的強度と流動性を両立させることが容易となる。この場合の好ましい組成の例として、分子量40万以上の重合体については、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート単量単位を20mol%以上含有する重合体が、また、分子量40万未満の重合体については、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位を20mol%未満含有する重合体が挙げられる。この組成範囲であれば、市販の多くの可塑剤に対して相溶性と非相溶性を満足する重合体となる。
アクリル系重合体を製造する方法は特に限定されず、乳化重合法、ソープフリー重合法、縣濁重合法、微細縣濁重合法、分散重合法等が挙げられる。中でもコアシェル構造等の粒子構造を制御することが容易である点で乳化重合法又はソープフリー重合法が好ましい。
上記重合方法により得られた重合体は通常粉体として各種公知の方法によって回収される。例えば、乳化重合等で得られた水系エマルションの場合は凝固法又はスプレードライ法で回収することができる。
本発明におけるスチレン系熱可塑性エラストマーは、成形温度において可塑剤と相溶し、流動性の高い液状となることによって、アクリル系重合体と可塑剤の組み合わせのみでは実現できない高いレベルの流動性を発現する役割を有する。
スチレン系熱可塑性エラストマーは特に限定されないが、柔軟性、ゴム弾性、高温流動性の点で、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下「SBS共重合体」という)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下「SIS共重合体」という)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下「SEBS共重合体」という)から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量は特に限定されないが、樹脂組成物に十分な流動性を付与する点で、アクリル系重合体100質量部に対して好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。また可塑剤を良好に保持する点で、アクリル系重合体の添加量よりも少ない方が良く、好ましくは80質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
スチレン系熱可塑性エラストマーは特に限定されないが、柔軟性、ゴム弾性、高温流動性の点で、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下「SBS共重合体」という)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下「SIS共重合体」という)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下「SEBS共重合体」という)から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量は特に限定されないが、樹脂組成物に十分な流動性を付与する点で、アクリル系重合体100質量部に対して好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。また可塑剤を良好に保持する点で、アクリル系重合体の添加量よりも少ない方が良く、好ましくは80質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
本発明においては、アクリル系重合体に柔軟性を与えるために可塑剤が添加される。従って、可塑剤はアクリル系重合体の少なくとも1成分と常温において良好に相溶するものが好ましい。
使用される可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸ジアルキル系、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルベンジル系、フタル酸アルキルアリール系、フタル酸ジベンジル系、フタル酸ジアリール系、リン酸トリクレシル等のリン酸トリアリール系、リン酸トリアルキル系、リン酸アルキルアリール系、アジピン酸エステル系、エーテル系、ポリエステル系、エポキシ化大豆油等の大豆油系等が挙げられる。
可塑剤の添加量は特に限定されないが、アクリル系重合体に十分な柔軟性を付与する上で、アクリル系重合体とスチレン系熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対して好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上である。成形品のブロッキングや経時的な可塑剤のブリードアウトを抑制することを考慮すると、好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
使用される可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸ジアルキル系、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルベンジル系、フタル酸アルキルアリール系、フタル酸ジベンジル系、フタル酸ジアリール系、リン酸トリクレシル等のリン酸トリアリール系、リン酸トリアルキル系、リン酸アルキルアリール系、アジピン酸エステル系、エーテル系、ポリエステル系、エポキシ化大豆油等の大豆油系等が挙げられる。
可塑剤の添加量は特に限定されないが、アクリル系重合体に十分な柔軟性を付与する上で、アクリル系重合体とスチレン系熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対して好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上である。成形品のブロッキングや経時的な可塑剤のブリードアウトを抑制することを考慮すると、好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
本発明においては、必要に応じて更に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、パーライト、クレー、コロイダルシリカ、マイカ粉、珪砂、珪藻土、カオリン、タルク、ベントナイト、ガラス粉末、酸化アルミニウム、フライアッシュ、シラスバルーン等の充填材を配合しても良い。
本発明においては、更に必要に応じて、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、ミネラルターペン、ミネラルスピリット等の希釈剤、消泡剤、防黴剤、防臭剤、抗菌剤、安定剤、加工助剤、界面活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、香料、発泡剤、レベリング剤、接着剤、艶消し剤等を適宜配合することが可能である。
本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物は特に限定された使い方をする必要はなく、従来の軟質塩化ビニルの加工設備で取り扱うことが出来る。但し、可塑剤の配合量が多い場合には予めアクリル系重合体と可塑剤のみを混合しておくことが好ましく、ヘンシェルミキサーやバンバリーミキサー等を用いることが出来る。スチレン系熱可塑性エラストマーの混合は2軸押出し機等の装置で溶融混練することが好ましい。
また、本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物は加熱時の高い流動性を活かして射出成形に好適であるが、Tダイ押出成形、異形押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、真空成形、インフレーション成形等、公知の各種成形にも適用することが可能である。
本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物の用途は上記用途に限定されず、従来の軟質塩化ビニル樹脂が用いられてきた分野に広く適用可能である。
また、本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物は加熱時の高い流動性を活かして射出成形に好適であるが、Tダイ押出成形、異形押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、真空成形、インフレーション成形等、公知の各種成形にも適用することが可能である。
本発明の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物の用途は上記用途に限定されず、従来の軟質塩化ビニル樹脂が用いられてきた分野に広く適用可能である。
本発明の成形品は射出成形して得られたものであり、成形物の例としては、玩具、食品サンプル、疑似餌の製品等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。各評価は以下の方法により実施した。
(1)平均分子量
アクリル系重合体のクロロホルム可溶分の平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。
(1)平均分子量
アクリル系重合体のクロロホルム可溶分の平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)測定
下記実施例1と同様の方法で得られたペレットについて、メルトインデクサー(TAKARA社、L244)を用いてMFR(単位:g/10分)を測定した。測定温度は180℃、荷重は5kgで行った。
◎ 20以上
○ 10以上20未満
△ 5以上10未満
× 5未満
下記実施例1と同様の方法で得られたペレットについて、メルトインデクサー(TAKARA社、L244)を用いてMFR(単位:g/10分)を測定した。測定温度は180℃、荷重は5kgで行った。
◎ 20以上
○ 10以上20未満
△ 5以上10未満
× 5未満
(3)引張試験
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートを用い、JIS K−6251記載のダンベル形状2号形に裁断して試験片とし、テンシロン測定器により引張試験時の破断強度(単位:MPa)及び初期弾性率(単位:MPa)の測定を行った。尚、試験速度は200mm/分、ロードセル定格980N、測定した時の環境温度は25℃であった。
破断強度 ○:8以上
×:8未満
初期弾性率 ○:50未満
△:50以上100未満
×:100以上
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートを用い、JIS K−6251記載のダンベル形状2号形に裁断して試験片とし、テンシロン測定器により引張試験時の破断強度(単位:MPa)及び初期弾性率(単位:MPa)の測定を行った。尚、試験速度は200mm/分、ロードセル定格980N、測定した時の環境温度は25℃であった。
破断強度 ○:8以上
×:8未満
初期弾性率 ○:50未満
△:50以上100未満
×:100以上
(4)引裂試験
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートを用い、JIS K−6252記載の切り込み無しアングル形に裁断して試験片とし、テンシロン測定器により引裂強度(単位:N/m)の測定を行った。尚、試験速度は200mm/分、ロードセル定格980N、測定した時の環境温度は25℃であった。
引裂強度 ○:40以上
△:30以上40未満
×:30未満
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートを用い、JIS K−6252記載の切り込み無しアングル形に裁断して試験片とし、テンシロン測定器により引裂強度(単位:N/m)の測定を行った。尚、試験速度は200mm/分、ロードセル定格980N、測定した時の環境温度は25℃であった。
引裂強度 ○:40以上
△:30以上40未満
×:30未満
(5)タックフリー性
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートの表面のタック感を、指による触感により判断した。
○:ベタつき無し
△:若干ベタつき有り
×:顕著なベタつき有り
下記実施例1と同様の方法で得られたプレスシートの表面のタック感を、指による触感により判断した。
○:ベタつき無し
△:若干ベタつき有り
×:顕著なベタつき有り
[アクリル系重合体(A1)の製造]
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した300mlの4つ口フラスコに純水80.0g、メチルメタクリレート3.3g、n−ブチルメタクリレート2.5gを入れ、200rpmで攪拌しつつ30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガスの通気を停止した後、80℃に昇温して、5.0gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.15gを一度に添加し、発熱ピークを確認することでソープフリー重合によるシード粒子の形成を確認した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第1単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて30分攪拌を継続した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第2単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて30分攪拌を継続した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第3単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて60分攪拌を継続し、多段階重合の重合体エマルションを得た。
得られた重合体エマルションを室温まで冷却した後、スプレードライヤー(大河原化工機(株)L8形)を用いて、入口温度170℃、出口温度75℃、アトマイザ回転数22000rpmにて噴霧乾燥し、乾燥されたアクリル系重合体(A1)の粉体を得た。
得られたアクリル系重合体(A1)についてGPC測定すると、2つのピークから成っており、高分子量側ピークのものはMw34.7万及びMn29.8万であり、低分子量側ピークのものはMw5.1万及びMn4.7万であった。
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した300mlの4つ口フラスコに純水80.0g、メチルメタクリレート3.3g、n−ブチルメタクリレート2.5gを入れ、200rpmで攪拌しつつ30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガスの通気を停止した後、80℃に昇温して、5.0gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.15gを一度に添加し、発熱ピークを確認することでソープフリー重合によるシード粒子の形成を確認した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第1単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて30分攪拌を継続した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第2単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて30分攪拌を継続した。
引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化させた第3単量体乳化液を30g/hrの速度で滴下して重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて60分攪拌を継続し、多段階重合の重合体エマルションを得た。
得られた重合体エマルションを室温まで冷却した後、スプレードライヤー(大河原化工機(株)L8形)を用いて、入口温度170℃、出口温度75℃、アトマイザ回転数22000rpmにて噴霧乾燥し、乾燥されたアクリル系重合体(A1)の粉体を得た。
得られたアクリル系重合体(A1)についてGPC測定すると、2つのピークから成っており、高分子量側ピークのものはMw34.7万及びMn29.8万であり、低分子量側ピークのものはMw5.1万及びMn4.7万であった。
[アクリル系重合体(A2)の製造]
アクリル系重合体の原料組成を表1の値とする以外はアクリル系重合体(A1)の製造の場合と同様にしてアクリル系重合体(A2)の粉体を得た。得られたGPC測定結果を表1に示す。
アクリル系重合体の原料組成を表1の値とする以外はアクリル系重合体(A1)の製造の場合と同様にしてアクリル系重合体(A2)の粉体を得た。得られたGPC測定結果を表1に示す。
[アクリル系重合体(A3)の製造]
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した500mlの4つ口フラスコに純水100g及び乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(商品名「ペレックスO−TP」、花王(株))0.10gを入れ、200rpmで攪拌しつつ30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガスの通気を停止した後、80℃に昇温して、5.0gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.05gを一度に添加し、引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化した第2単量体の乳化液を30g/hrの速度で滴下し、重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、重合体エマルションを得た。
次いで、アクリル系重合体(A1)の製造の場合と同様にしてアクリル系重合体(A3)の粉体を得た。
得られたアクリル系重合体(A3)についてGPC測定すると、単一つのピークから成っており、Mw4.9万及びMn1.6万であった。
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した500mlの4つ口フラスコに純水100g及び乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(商品名「ペレックスO−TP」、花王(株))0.10gを入れ、200rpmで攪拌しつつ30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガスの通気を停止した後、80℃に昇温して、5.0gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.05gを一度に添加し、引き続き表1に示した組成の混合物を強制乳化した第2単量体の乳化液を30g/hrの速度で滴下し、重合した。重合中は内温が80℃となるよう湯浴の温度を制御した。滴下が終了後、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、重合体エマルションを得た。
次いで、アクリル系重合体(A1)の製造の場合と同様にしてアクリル系重合体(A3)の粉体を得た。
得られたアクリル系重合体(A3)についてGPC測定すると、単一つのピークから成っており、Mw4.9万及びMn1.6万であった。
MMA:メチルメタクリレート
n−BMA:n−ブチルメタクリレート
KPS:過硫酸カリウム
n−BA:n−ブチルアクリレート
AMA:アリルメタクリレート
DOSS:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
St:スチレン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
V−65:アゾ系重合開始剤(和光純薬(株))
O−TP:ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(商品名「ペレックスO−TP」、花王(株))
n−OSH:n−オクチルメルカプタン
[実施例1]
アクリル系重合体(A1)80.0g、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてSEBS共重合体(商品名「タフテック1062」、旭化成(株))20.0g、ポリエステル系の可塑剤(商品名「ポリサイザーW-230-S」、大日本インキ化学工業(株))40.0g、安定剤(商品名「アデカスタブAO−60」、旭電化工業(株))0.50g、安定剤(商品名「アデカスタブ2662」、旭電化工業(株))0.10gを混合して小形2軸押出機に供給し、バレル温度180℃、ダイ温度160℃及びスクリュー回転数100rpmで溶融混練並びにペレット化を行った。
次いで、得られたペレットを37tonプレス機及び1mm厚のスペーサーを設けた5mm厚の平板金形を用いて溶融させ、プレスした。プレス条件は、プレス機の上段温度を180℃とし、下段温度を180℃として、プレス圧5MPaでプレス時間5分とした。その後直ちに100トンプレス機で冷却し(水冷、5MPa×3分)、プレスシートを製造した。得られたプレスシートを用い、引張試験、引裂試験及びタックフリー性の評価を実施した。成形材料用熱可塑性樹脂組成物の組成を表2に示す。また、評価結果を表3に示す。
本樹脂組成物は高い流動性と柔軟性、機械的強度の両立を実現しており良好である。
アクリル系重合体(A1)80.0g、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてSEBS共重合体(商品名「タフテック1062」、旭化成(株))20.0g、ポリエステル系の可塑剤(商品名「ポリサイザーW-230-S」、大日本インキ化学工業(株))40.0g、安定剤(商品名「アデカスタブAO−60」、旭電化工業(株))0.50g、安定剤(商品名「アデカスタブ2662」、旭電化工業(株))0.10gを混合して小形2軸押出機に供給し、バレル温度180℃、ダイ温度160℃及びスクリュー回転数100rpmで溶融混練並びにペレット化を行った。
次いで、得られたペレットを37tonプレス機及び1mm厚のスペーサーを設けた5mm厚の平板金形を用いて溶融させ、プレスした。プレス条件は、プレス機の上段温度を180℃とし、下段温度を180℃として、プレス圧5MPaでプレス時間5分とした。その後直ちに100トンプレス機で冷却し(水冷、5MPa×3分)、プレスシートを製造した。得られたプレスシートを用い、引張試験、引裂試験及びタックフリー性の評価を実施した。成形材料用熱可塑性樹脂組成物の組成を表2に示す。また、評価結果を表3に示す。
本樹脂組成物は高い流動性と柔軟性、機械的強度の両立を実現しており良好である。
[実施例2〜3及び比較例1〜5]
実施例1と同様の操作により、表2に記載の配合比率の成形材料用熱可塑性樹脂組成物を溶融混練して、ペレット化し、プレスシートを作成して、各種評価を実施した。評価結果を表3に示す。
スチレン系熱可塑性エラストマーを配合した実施例2及び実施例3では、高い流動性と柔軟性、機械的強度の両立を実現しており良好である。これに対し、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いずに可塑剤を30部用いた比較例1及び比較例3の場合は、溶融粘度が高すぎ(MFRが不足)、且つ柔軟性が不足(初期弾性率が高い)し、不良である。更に可塑剤を追加して合計40部とした比較例2及び比較例4の場合は、流動性及び柔軟性は向上するが、シートの機械的強度が低下し、引張破断強度及び引裂強度のいずれも低位となっている。また、比較例5では流動性は良好であるが、機械的特性等が顕著に低く、シート表面にタックが発生し、不良である。
実施例1と同様の操作により、表2に記載の配合比率の成形材料用熱可塑性樹脂組成物を溶融混練して、ペレット化し、プレスシートを作成して、各種評価を実施した。評価結果を表3に示す。
スチレン系熱可塑性エラストマーを配合した実施例2及び実施例3では、高い流動性と柔軟性、機械的強度の両立を実現しており良好である。これに対し、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いずに可塑剤を30部用いた比較例1及び比較例3の場合は、溶融粘度が高すぎ(MFRが不足)、且つ柔軟性が不足(初期弾性率が高い)し、不良である。更に可塑剤を追加して合計40部とした比較例2及び比較例4の場合は、流動性及び柔軟性は向上するが、シートの機械的強度が低下し、引張破断強度及び引裂強度のいずれも低位となっている。また、比較例5では流動性は良好であるが、機械的特性等が顕著に低く、シート表面にタックが発生し、不良である。
タフテック1062:スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成(株)SEBS、「タフテック1062」)
W−230−S:可塑剤(大日本インキ化学工業(株)、「ポリサイザーW-230-S」)
AO−60:安定剤(旭電化工業(株)、「アデカスタブAO-60」)
2662:安定剤(旭電化工業(株)、「アデカスタブ2662」)
Claims (4)
- アクリル系重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー及び可塑剤を含有する軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物。
- アクリル系重合体の質量平均分子量が20〜500万である請求項1記載の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物。
- スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物の射出成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005341085A JP2007145957A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005341085A JP2007145957A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007145957A true JP2007145957A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38207757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005341085A Pending JP2007145957A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007145957A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010053295A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー組成物及び成形体 |
-
2005
- 2005-11-25 JP JP2005341085A patent/JP2007145957A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010053295A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | スチレン系エラストマー用加工助剤、スチレン系エラストマー組成物及び成形体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6234269B2 (ja) | 耐衝撃性が改良された生分解性ポリマー組成物 | |
JP5562644B2 (ja) | 半透明および不透明なポリ乳酸用耐衝撃性改良剤 | |
JP2003277574A5 (ja) | ||
US20080274357A1 (en) | Resin composition for molding material and molded article made therefrom | |
KR20150010565A (ko) | 내충격성과 투명성이 우수한 (메트)아크릴레이트계 수지 조성물 | |
KR101957854B1 (ko) | 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물 | |
KR20150142906A (ko) | 아크릴계 공중합체 라텍스, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물 | |
JP2008189860A (ja) | シリコーンゴムグラフト共重合体およびその製造法 | |
JP2007145957A (ja) | 軟質成形材料用熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品 | |
JP3344830B2 (ja) | 透明マガジンレール | |
JP5633716B2 (ja) | アクリル系樹脂組成物及び成形品 | |
JP2000302937A (ja) | 軟質樹脂ペレット | |
WO2015008945A1 (ko) | 내충격성과 투명성이 우수한 (메트)아크릴레이트계 수지 조성물 | |
JP4078862B2 (ja) | オレフィン系熱可塑性エラストマーおよびその成形体 | |
JP5063043B2 (ja) | 軟質成形用アクリル系重合体微粒子及びこれを用いた軟質アクリル系樹脂組成物並びにアクリル系軟質シート | |
JP3934796B2 (ja) | 床材 | |
CN1156740A (zh) | 热塑性成型材料 | |
JP2006083334A (ja) | 塩化ビニル系共重合樹脂及びその製造方法並びにその樹脂組成物 | |
KR20180017371A (ko) | 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물 | |
JP3538489B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0673200A (ja) | ラミネート用艶消フィルム | |
JP2008208180A (ja) | アクリル系重合体微粒子、その製造方法、及びプラスチゾル組成物、並びにこれを用いた成形品 | |
CN108291041B (zh) | 丙烯酸组合物 | |
JPH0673199A (ja) | ラミネート用艶消フィルム | |
KR20170033056A (ko) | 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물 |