JP2007144535A - フライングシャーの切断制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒鋼、線材の圧延ラインに設置されるフライングシャー設備において、被切断材12の移動速度に応じて、その速度における最適切断速度まで、最短距離で加速可能なシャーブレード4の待機位置を演算する最適ブレード待機位置演算手段15と、その演算結果に基づいて、シャーブレード待機位置を制御するブレード位置制御手段14とを備える。
【選択図】図1
Description
図3に示すように、最初シャーブレード4は決められた待機位置13で被切断材12が搬送されてくるのを待つ。被切断材12が搬送されてきたことを材料検出器10で検出後、圧延機スタンド2に取り付けられたパルスジェネレータからなる検出器11にて材料の搬送距離をトラッキングし、材料先端が図3に示す材料検出器10からの材料長さLcutを検出した所でシャー駆動電動機6を起動させ、設定した材料長さに切断する。
ここで、シャー駆動電動機6の起動タイミングを生成するLcutは、(1)式で表される。
Lms :材料検出器とシャー中心までの距離
Lset:材料の切断長さ(設定値)
Ls : シャーが起動して切断するまでの間に材料が進む距離
Lmsは設備上の絶対距離、Lsetは設定値であり、共に定数であるが、Lsはシャーが起動から材料を切断するまでの速度パターンにより以下のように演算される。図4は、以下の式(2)および式(3)を説明するための図で、横軸が、シャーが起動してからの経過時間、縦軸が、シャーブレードの速度を示している。
ここで、V:材料速度、T2:シャー起動から切断までの時間
材料の速度Vは、被切断材のサイズ、鋼種によって、異なった値になり、切断動作前に、事前にプリセットされる。あるいは、検出器11によって、材料毎に実測することによって得られる。
シャー切断時、すなわち、シャーブレード4が材料に接触するタイミングにおいて、ブレードの速度は材料速度Vに対しては、一定のリード率をもった値KVである必要がある。
したがって、シャーブレード起動後のシャー速度は、図4に示すパターンとなるので、シャー起動から切断までの時間T2は、(3)式で示される。
Ls:シャーが起動してから切断するまでに回転する距離(一定)
V :材料速度(設定値)
K :リード率(材料速度に対するシャー速度比率で設定値)
α :シャーの加速度(一定)
(2)式、(3)式より
結論として、(1)式に(4)を代入すると以下(5)式となり、シャー駆動用電動機の起動タイミングを生成するLcutの距離は、あらかじめスケジュールにより設定される速度Vの関数として演算されるようになっている。
従来の装置では、ブレードの待機位置は、被圧延材の速度が最大の場合において、切断点にブレードが到達するまでの時間にブレード速度が所定の速度KVに到達するだけの加速距離を満足する条件が予め決定され、速度Vによらず、常に同じ位置に制御される。
すなわち、シャー起動から加速完了時間をT1とすると、
であるから、最大速度Vmaxとして、切断までの移動距離Ls、つまり待機位置は、(7)式の関係が成り立つように決められる。
このような制御方法においては、被切断材の速度Vが遅くなるに従い、切断までの時間T2は長くなる。
図4は、この状況を説明するための図であり、模式的に、被切断材の速度Vが、高速時、中速時、および低速時におけるブレード速度パターンを示している。このことは(3)式を参照することによっても、説明できる。すなわち、(3)式において Lsは一定であり、また加速度αも一定である。またリード率は、速度Vによって、可変される場合もあるが、概ね一定と考えてよい。 したがって、速度Vが小さくなると 切断までの時間T2の値は大きくなることが判る。
すなわち、圧延製品サイズによって、被切断材の速度Vが異なる場合、その速度Vにおけるブレードの最短移動距離を演算あるいは実測し、シャーブレードの待機位置をその速度Vにおける最短最適となるようにブレードの待機位置を制御するブレード待機位置演算手段を設けたものである。
以下、この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるフライングシャーの切断制御装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1は、図3の従来の技術に対して、最適ブレード待機位置演算手段15設けた点が特徴である。
最適ブレード待機位置演算手段15では、被圧延材12の移動速度Vから、その速度における最適切断速度まで、最短距離で加速可能な最適ブレード待機位置を求め、その結果をブレード位置制御手段14および、ブレード起動タイミング演算手段9に出力する。ブレード位置制御手段14では、最適ブレード待機位置演算手段15から出力される最適ブレード待機位置に切断後のブレード位置が停止するようにドライブ装置8に対して速度基準を出力する。
一方、ブレード起動タイミング演算手段9では、最適ブレード待機位置演算手段15からの最適ブレード待機位置をブレードの起動位置として、ブレード起動タイミングを演算し、その結果を、ブレード位置制御手段14に出力する。
図2は、従来の装置における作用を示した図4と同様に、横軸が、シャーが起動してからの経過時間、縦軸が、シャーブレードの速度を示している。
従来の装置では、Lsは、先の(7)式によって速度Vによらず一定の値としていた。これに対し、この発明では、図2に示すように、被圧延材速度Vに応じてその速度Vにおける加速に必要な最短加速距離を求めて、その値に応じて、待機位置を変える。すなわち、先の(7)式の代わりに、速度Vを変数として、(8)式によって シャーブレード4の移動距離Ls、つまりシャーブレードの待機位置を決定する。
このときシャーの起動時間は、前述の(3)式で得られるが、従来の方法では、(3)式の中のLsの値が固定値であったのに対して、本制御では、速度Vの関数として、Lsを可変数として扱う。図2中、速度Vが高速、中速、および低速の場合の、ブレード移動距離は、それぞれ、(8)式からLsa、Lsb、およびLscと異なった値となり、速度Vが、小さいほど、起動から切断までの時間T2を小さくすることができる。
つまり、被切断材速度Vが、低速の場合、本装置によれば、切断までの時間を、短くすることができるために、切断までの加速時間中に、被圧延材料の速度変動などの影響で発生する切断長誤差が小さくなるから、主に低速時の圧延で、被切断材のサイズ(断面積)が大きい材料の切断精度を高めることができる。
2 圧延機スタンド
3 クロップシャー本体
4 シャーブレード
5 シャー回転方向
6 シャー駆動電動機
7 パルスジェネレータ(検出器)
8 ドライブ装置
9 ブレード起動タイミング演算手段
10 材料検出器
11 パルスジェネレータ(検出器)
12 被切断材(圧延材)
13 シャーブレード待機位置
14 ブレード位置制御手段
15 最適ブレード待機位置演算手段
16 切断長設定手段
Claims (1)
- 棒鋼、線材の圧延ラインに設置されるフライングシャー設備において、被切断材の移動速度に応じて、その速度における最適切断速度まで、最短距離で加速可能なシャーブレードの待機位置を演算する最適ブレード待機位置演算手段と、その演算結果に基づいて、シャーブレード待機位置を制御するブレード位置制御手段とを備えたこと特徴とするフライングシャーの切断制御装置。
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