JP6202145B1 - 連続鋳造装置及び連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実に鋳片の位置をトラッキングできる連続鋳造装置及び連続鋳造方法を提供する。【解決手段】連続鋳造装置1は、鋳片21の搬送経路R1に沿って並び、鋳片21を搬送する複数のピンチロール4と、複数のピンチロール4の少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数のセンサ5と、複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21を含む搬送対象物Tの位置を導出することと、複数のセンサ5のうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの移動に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えることと、を実行するように構成された制御装置100と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、連続鋳造装置及び連続鋳造方法に関する。
特許文献1には、検尺ロールと、ピンチロールとを備える連続鋳造装置が開示されている。検尺ロールは、鋳片と接触すると回転し始める。上記連続鋳造装置は、検尺ロールの回転数と、既知情報である検尺ロールの位置とに基づいて鋳片の位置を計測し、計測した位置情報に基づいてピンチロールを駆動することで鋳片を搬送する。
特公平6−77791号公報
本開示は、より確実に鋳片の位置をトラッキングできる連続鋳造装置及び連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る連続鋳造装置は、鋳片の搬送経路に沿って並び、鋳片を搬送する複数のピンチロールと、複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサと、複数の第一センサのうちいずれかを用いて鋳片を含む搬送対象物の位置を導出することと、複数の第一センサのうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物の移動に応じて搬送経路の上流側から下流側に切り替えることと、を実行するように構成された制御装置と、を備える。
本開示の一側面に係る連続鋳造装置は、鋳片の搬送経路に沿って並び、鋳片を搬送する複数のピンチロールと、複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサと少なくとも第一鋳片を含む第一搬送対象物と、第一搬送対象物に後続し、少なくとも第二鋳片を含む第二搬送対象物とを同時に搬送し、第一搬送対象物と第二搬送対象物との間隔が、搬送経路に沿って隣り合うピンチロール同士の間隔の最小値に対して5倍以下となるように複数のピンチロールを制御する制御装置と、を備える。
本開示の一側面に係る連続鋳造方法は、鋳片の搬送経路に沿って並び、鋳片を搬送する複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサのうちいずれかを用いて鋳片を含む搬送対象物の位置を導出することと、複数の第一センサのうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物の搬送に応じて搬送経路の上流側から下流側に切り替えることと、を含む。
本開示によれば、より確実に鋳片の位置をトラッキングできる。
連続鋳造装置の構成を示す模式図である。 制御装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。 鋳造制御の実行手順を示すフローチャートである。 一鋳片に対する鋳造制御手順を示すフローチャートである。 一鋳片に対する鋳造制御手順を示すフローチャートである。 ダミーバの挿入手順を示すフローチャートである。 ロールの駆動制御手順を示すフローチャートである。 ロールの駆動制御手順を示すフローチャートである。 ロールの駆動制御手順を示すフローチャートである。 ロールの駆動制御手順を示すフローチャートである。 ダミーバの分離・搬送手順を示すフローチャートである。 移動速度の調節手順を示すフローチャートである。 鋳型にダミーバを挿入している状態を示す模式図である。 挿入モードにおけるロール駆動制御を実行している状態を示す模式図である。 鋳造モードにおけるロール駆動制御を実行している状態を示す模式図である。 引抜モードにおけるロール駆動制御を実行している状態を示す模式図である。 測長ロールをアクティブに切り替える状態を示す模式図である。 第一鋳造制御及び第二鋳造制御を同時に実行している状態を示す模式図である。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
1.連続鋳造装置
1.1 全体構成
連続鋳造装置1は、溶融金属(例えば溶鋼)を鋳型から引き出すことで、帯状又は線状の鋳片を形成する装置である。図1に示すように、連続鋳造装置1は、少なくとも複数のピンチロール4と、複数のセンサ5(第一センサ)と、制御装置100とを備える。複数のピンチロール4は、鋳片の搬送経路R1に沿って並び、鋳片を搬送する。複数のセンサ5は、複数のピンチロール4の少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する。なお、図1は連続鋳造装置1を模式的に示すものであり、ピンチロール4の数及び配置等は図示のものに限られない。以下、連続鋳造装置1の具体的な構成を例示する。
図1に示すように、連続鋳造装置1は、溶鋼供給部2と、鋳型3と、複数の搬送ユニットU1とを備える。溶鋼供給部2は、鋳造用の溶鋼を鋳型3に供給する。溶鋼供給部2は、例えばレードル及びタンディッシュ等により構成される。鋳型3は、溶鋼供給部2により供給された溶鋼を所定の形状に成形して送出する。複数の搬送ユニットU1は、搬送経路R1に沿って並び、搬送対象物Tを搬送する。
後述のように、鋳片の形成開始前における搬送対象物Tはダミーバ22を含み、鋳片の形成開始時点における搬送対象物Tは互いに連なったダミーバ22と鋳片21とを含み、ダミーバ22の切り離し後における搬送対象物Tはダミーバ22から分離した鋳片21を含む。搬送経路R1は、例えば鋳型3から下方に延び、途中で湾曲して更に水平方向に延びている。以下の説明において、「上流」とは、搬送経路R1における鋳型3側を意味し、「下流」とは、搬送経路R1における鋳型3の逆側を意味する。
搬送ユニットU1は、二つのピンチロール4と、二つのセンサ5と、切替駆動部6と、回転駆動部7とを有する。二つのピンチロール4は、搬送経路R1に交差(例えば直交)する方向において搬送経路R1を挟むように配置されている。
二つのセンサ5は、二つのピンチロール4の少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する。例えばセンサ5はパルスジェネレータであり、ピンチロール4の回転速度に相関する(例えば比例する)周波数にてパルス状の電気信号を出力する。
切替駆動部6は、例えば油圧シリンダ等を動力源として搬送対象物Tの片側(例えば、搬送経路R1の下流側において上方に面する側)のピンチロール4を移動させ、当該ピンチロール4が搬送対象物Tに押し当たった状態(以下、「アクティブ状態」という。)と、当該ピンチロール4が搬送対象物Tから離れた状態(以下、「非アクティブ状態」という。)とを切り替える。
回転駆動部7は、例えば電動モータ等を動力源としてピンチロール4を回転させる。回転駆動部7は、両方のピンチロール4を回転させるように構成されていてもよいし、いずれか一方のピンチロール4のみを回転させるように構成されていてもよい。
搬送対象物Tは、上記アクティブ状態のピンチロール4(以下、「アクティブなピンチロール4」という。)により搬送される。すなわち、アクティブなピンチロール4が、搬送対象物Tを搬送中のピンチロール4に相当する。
連続鋳造装置1は、測長ロール8とセンサ9(第二センサ)とを更に備えてもよく、切替駆動部10を更に備えてもよい。測長ロール8は、搬送対象物Tの片側(例えば上側)に設けられ、搬送対象物Tに接しているときに、当該搬送対象物Tの移動に応じて回転する。搬送対象物Tに接した測長ロール8は、搬送対象物Tとの間の摩擦力により、周速が搬送対象物Tの移動速度に一致するように回転する。ここでの「一致」は実質的な一致を意味し、誤差レベルの差異が存在する状態を含む。以下においても同様である。
測長ロール8は、搬送経路R1に沿う方向において、少なくとも二つの搬送ユニットU1よりも下流側に配置されている。一例として、測長ロール8は、全ての搬送ユニットU1のうち最も下流側に位置する搬送ユニットU1よりも更に下流側に配置されている。
センサ9は、測長ロール8の少なくとも回転速度に関する情報を出力する。例えばセンサ9はパルスジェネレータであり、測長ロール8の回転速度に相関する(例えば比例する)周波数にてパルス状の電気信号を出力する。
切替駆動部10は、例えば油圧シリンダ等を動力源として測長ロール8を移動させ、測長ロール8が搬送対象物Tに押し当たった状態(以下、「アクティブ状態」という。)と、測長ロール8が搬送対象物Tから離れた状態(以下、「非アクティブ状態」という。)とを切り替える。
連続鋳造装置1は、ダミーバ搬送装置11を更に備えてもよい。ダミーバ搬送装置11は、所定の切り離し位置に到達したダミーバ22を鋳片21から切り離し、鋳型3への挿入位置まで搬送し、鋳型3内に挿入する。例えばダミーバ搬送装置11は、ウィンチ12と、ダミーバカー13と、コンベヤ14とを有する。
ウィンチ12は、所定の切り離し位置に到達したダミーバ22を引き上げて鋳片21から切り離す。上記切り離し位置は、全ての搬送ユニットU1のうち最も下流側に位置する搬送ユニットU1よりも更に下流側に設定されている。連続鋳造装置1が測長ロール8を備える場合、上記切り離し位置は、最も下流側の搬送ユニットU1と測長ロール8との間に設定されていてもよい。
ダミーバカー13は、ウィンチ12からダミーバ22を受け取るための位置と、ダミーバ22を鋳型3に挿入するための位置との間で移動する。ダミーバ22を鋳型3に挿入するための位置は、例えば鋳型3の上方である。
コンベヤ14は、ダミーバカー13上に設けられており、ダミーバカー13上へのダミーバ22の引き上げと、鋳型3へのダミーバ22の送出とを行う。コンベヤ14はセンサ15(第三センサ)を有してもよい。センサ15は、コンベヤ14からダミーバ22を送出する際に、その送出速度に関する情報を出力する。例えばセンサ15はパルスジェネレータであり、ダミーバ22の送出速度に相関する(例えば比例する)周波数にてパルス状の電気信号を出力する。
連続鋳造装置1は、搬送テーブル16とカッター17とを更に備えてもよい。搬送テーブル16は、全ての搬送ユニットU1のうち最も下流側に位置する搬送ユニットU1から鋳片21を取得して更に搬送し、切断用の位置に配置する。カッター17は、搬送テーブル16により位置決めされた鋳片21を切断する。カッター17の具体例としては、溶断式のトーチカッター等が挙げられる。
1.2 制御装置(コントローラ)
続いて、制御装置100の構成について詳述する。制御装置100は、複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21を含む搬送対象物Tの位置を導出することと、複数のセンサ5のうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの移動に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えることと、を実行するように構成されている。
制御装置100は、導出した搬送対象物Tの位置に基づいてピンチロール4を制御するように構成されていてもよい。より具体的に、制御装置100は、導出した搬送対象物Tの位置に基づいてピンチロール4をアクティブ状態又は非アクティブ状態に切り替えるように構成されていてもよい。更に制御装置100は、アクティブなピンチロール4の回転速度をセンサ5の出力に基づいて制御するように構成されていてもよい。
例えば制御装置100は、機能的な構成(以下、「機能モジュール」という。)として、制御指令生成部111と、ダミーバ搬送制御部112と、溶鋼供給制御部113と、トラッキング制御部114と、ピンチロール制御部115と、切断制御部116とを有する。
制御指令生成部111は、外部からの指令入力を取得し、当該指令入力に応じた処理を実行するように、ダミーバ搬送制御部112、溶鋼供給制御部113、ピンチロール制御部115及び切断制御部116に対する制御指令を生成する。外部からの指令入力は、オペレータにより操作盤に入力されるものであってもよいし、上位の制御装置から入力されるものであってもよい。
ダミーバ搬送制御部112は、制御指令生成部111からの制御指令に基づいて、ダミーバ搬送装置11を制御する。溶鋼供給制御部113は、制御指令生成部111からの制御指令に基づいて、溶鋼供給部2を制御する。
トラッキング制御部114は、複数のセンサ5のうちいずれかを用いて搬送対象物Tの位置を導出することと、複数のセンサ5のうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの移動に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えることと、を実行する。トラッキング制御部114は、センサ9を用いて鋳片21の位置を導出することを更に実行してもよい。
ピンチロール制御部115は、制御指令生成部111からの指令に応じた移動速度(以下、「目標移動速度」という。)にて搬送対象物Tを搬送するように複数の搬送ユニットU1を制御する。この制御に際し、ピンチロール制御部115は、トラッキング制御部114により導出された搬送対象物Tの位置に基づいてピンチロール4をアクティブ状態又は非アクティブ状態に切り替えるように切替駆動部6を制御する。ピンチロール制御部115は、目標移動速度に対応する回転速度(目標移動速度に周速が一致する回転速度)にてアクティブなピンチロール4を回転させるように、センサ5の出力に基づいて回転駆動部7を制御する。
切断制御部116は、制御指令生成部111からの制御指令に基づいて、搬送テーブル16及びカッター17を制御する。
制御装置100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えば制御装置100は、図2に示す回路120を有する。回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、ドライバ125とを有する。
入出力ポート124は、溶鋼供給部2、センサ5,9,15、切替駆動部6及び切替駆動部10との間で電気信号の入出力を行う。更に入出力ポート124は、複数のドライバ125との間で電気信号の入出力を行う。複数のドライバ125は例えばインバータであり、入出力ポート124からの指令信号に応じた駆動電力を回転駆動部7、ウィンチ12、ダミーバカー13、コンベヤ14、搬送テーブル16及びカッター17に出力する。
ストレージ123は、例えば不揮発性の半導体メモリ等、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体を有する。記録媒体は、後述の鋳造手順を連続鋳造装置1に実行させるためのプログラムを記録している。
メモリ122は、ストレージ123からロードしたプログラム及びプロセッサ121による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ121は、メモリ122と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
なお、制御装置100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御装置100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含めて構成されていてもよい。
2.鋳造制御手順
本実施形態に係る連続鋳造方法は、鋳片の搬送経路に沿って並び、鋳片を搬送する複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサのうちいずれかを用いて鋳片を含む搬送対象物の位置を導出することと、複数の第一センサのうち上記位置の導出に用いるセンサを搬送対象物の搬送に応じて搬送経路の上流側から下流側に切り替えることと、を含む。以下、この連続鋳造方法の一例として、制御装置100により実行される鋳造制御手順を説明する。
図3に示すように、制御装置100は、まずステップS01,S02を順に実行する。ステップS01では、制御指令生成部111が、ダミーバ22の挿入準備が完了するのを待機する。ダミーバ22の挿入準備が完了した状態とは、上述のコンベヤ14から鋳型3にダミーバ22を送出可能となった状態を意味する。ステップS02では、制御指令生成部111が、挿入指令の入力を待機する。
ダミーバ22の挿入指令が入力されると、制御装置100はステップS03を実行する。ステップS03では、制御指令生成部111が、第一鋳造制御を開始するように、制御指令の出力を開始する。以後実行される第一鋳造制御の具体的内容については後述する。
次に、制御装置100はステップS04を実行する。ステップS04では、ダミーバ22の再挿入準備が完了しているか否かを制御指令生成部111が確認する。ダミーバ22の再挿入準備が完了した状態とは、先行する鋳片21から切り離されたダミーバ22をコンベヤ14から鋳型3に送出可能となった状態を意味する。ステップS04において、ダミーバ22の再挿入準備が完了していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS08(後述)に進める。
ステップS04において、ダミーバ22の再挿入準備が完了していると判定した場合、制御装置100はステップS05を実行する。ステップS05では、制御指令生成部111が、再挿入指令の入力の有無を確認する。ステップS05において、再挿入指令の入力は無いと判定した場合、制御装置100は処理をステップS08(後述)に進める。
ステップS05において、再挿入指令の入力が有ると判定した場合、制御装置100はステップS06,S07を順に実行する。ステップS06では、制御指令生成部111が、第二鋳造制御を開始するように、制御指令の出力を開始する。第二鋳造制御の具体的内容は、第一鋳造制御と同じである。ステップS07では、制御指令生成部111が、搬送対象物Tの移動速度の調節を開始するように、制御指令の出力を開始する。以後実行される移動速度の調節処理については後述する。
次に、制御装置100はステップS08を実行する。ステップS08では、実行中であった全ての鋳造制御が完了したか否かを制御指令生成部111が確認する。ステップS08において、実行中の鋳造制御が残っていると判定した場合、制御装置100は処理をステップS04に戻す。以後、制御装置100がステップS04〜S08を繰り返すことにより、連続鋳造が繰り返される。ステップS08において、実行中であった全ての鋳造制御が完了したと判定した場合、制御装置100は処理を終了する。以下、ステップS03,S06で開始される鋳造制御手順及びステップS07で開始される移動速度の調節手順について詳述する。
2.1 鋳造制御手順
(1)概要
図4に示すように、制御装置100は、まずステップS11を実行する。ステップS11では、制御指令生成部111が、ダミーバ22を鋳型3に搬入するための制御指令を生成し、これをダミーバ搬送制御部112及びピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ダミーバ搬送制御部112及びピンチロール制御部115は、ダミーバ22を鋳型3に搬入するように、コンベヤ14及び切替駆動部6をそれぞれ制御する。具体的な処理内容は後述する。
次に、制御装置100はステップS12を実行する。ステップS12では、制御指令生成部111が、挿入モードにてピンチロール4の駆動制御を開始するための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、挿入モードでのピンチロール4の駆動制御を開始する。以後実行されるピンチロール4の駆動制御の具体的な処理内容は後述する。
次に、制御装置100はステップS13を実行する。ステップS13では、制御指令生成部111が、鋳造開始位置へのダミーバ22の到達を待機する。鋳造開始位置は、例えばダミーバ22のヘッド22b(上流側の端部)が湯面目標位置P0に到達する位置である。ダミーバ22が鋳造開始位置に到達すると、制御装置100はステップS14を実行する。ステップS14では、制御指令生成部111が、ピンチロール4の駆動制御を停止するための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、挿入モードでのピンチロール4の駆動制御を停止する。以上でダミーバ22の挿入が完了する。
次に、制御装置100はステップS15を実行する。ステップS15では、制御指令生成部111が、鋳造開始指令の入力を待機する。鋳造開始指令が入力されると、制御装置100はステップS16を実行する。ステップS16では、制御指令生成部111が、溶鋼の供給を開始するための制御指令を生成し、これを溶鋼供給制御部113に出力する。これに応じ、溶鋼供給制御部113は、鋳型3への溶鋼の供給を開始するように溶鋼供給部2を制御する。
次に、制御装置100はステップS17を実行する。ステップS17では、制御指令生成部111が、鋳造モードにてピンチロール4の駆動制御を開始するための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、鋳造モードでのピンチロール4の駆動制御を開始する。以後実行されるピンチロール4の駆動制御の具体的な処理内容は後述する。
図5に示すように、制御装置100は、次にステップS18を実行する。ステップS18では、制御指令生成部111が、鋳造停止指令の入力の有無を制御装置100が確認する。ステップS18において、鋳造停止指令の入力は無いと判断した場合、制御装置100は処理をステップS23(後述)に進める。
ステップS18において、鋳造停止指令の入力が有ると判断した場合、制御装置100はステップS19を実行する。ステップS19では、制御指令生成部111が、溶鋼の供給を停止するための制御指令を生成し、これを溶鋼供給制御部113に出力する。これに応じ、溶鋼供給制御部113は、鋳型3への溶鋼の供給を停止するように溶鋼供給部2を制御する。
次に、制御装置100はステップS20を実行する。ステップS20では、制御指令生成部111が、ピンチロール4の駆動制御を停止するための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、鋳造モードでのピンチロール4の駆動制御を停止する。
次に、制御装置100はステップS21を実行する。ステップS21では、制御指令生成部111が、引抜開始指令の入力を待機する。引抜開始指令が入力されると、制御装置100はステップS22を実行する。ステップS22では、制御指令生成部111が、引抜モードにてピンチロール4の駆動制御を開始するための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、引抜モードでのピンチロール4の駆動制御を開始する。以後実行されるピンチロール4の駆動制御の具体的な処理内容は後述する。
次に、制御装置100はステップS23を実行する。ステップS23では、鋳片21からダミーバ22を切り離す処理(以下、「分離処理」という。)が完了しているか否かを制御指令生成部111が確認する。
ステップS23において分離処理が完了していないと判定した場合、制御装置100はステップS24を実行する。ステップS24では、分離処理が実行中であるか否かを制御指令生成部111が確認する。ステップS24において、分離処理が実行中であると判定した場合、制御装置100は処理をステップS31(後述)に進める。
ステップS24において、分離処理が実行中ではないと判定した場合、制御装置100はステップS25を実行する。ステップS25では、ダミーバ22のテール22aが上記所定の切り離し位置(以下、「分離位置」という。)に到達したか否かを制御指令生成部111が確認する。ステップS25において、テール22aが分離位置に到達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS31(後述)に進める。
ステップS25において、ダミーバ22のテール22aが分離位置に到達したと判定した場合、制御装置100はステップS26を実行する。ステップS26では、制御指令生成部111が、分離処理を開始するための指令信号を生成し、これをダミーバ搬送制御部112に出力する。これに応じ、ダミーバ搬送制御部112は、鋳片21からダミーバ22を切り離し、鋳型3に再挿入するための位置までダミーバ22を搬送する処理(以下、「分離・搬送処理」という。)を開始するようにダミーバ搬送装置11を制御する。具体的な処理内容は後述する。
ステップS23において、分離処理が完了したと判定した場合、制御装置100はステップS27を実行する。ステップS27では、鋳片21を所望の長さに切断する処理(以下、「切断処理」という。)が完了しているか否かを制御指令生成部111が確認する。
ステップS27において切断処理が完了していないと判定した場合、制御装置100はステップS28を実行する。ステップS28では、切断処理が実行中であるか否かを制御指令生成部111が確認する。ステップS28において、切断処理が実行中であると判定した場合、制御装置100は処理をステップS31(後述)に進める。
ステップS28において、切断処理が実行中ではないと判定した場合、制御装置100はステップS29を実行する。ステップS29では、鋳片21の先端21aが切断開始位置に到達したか否かを制御指令生成部111が確認する。ステップS29において、鋳片21の先端21aが切断開始位置に到達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS31(後述)に進める。
ステップS29において、鋳片21の先端21aが切断開始位置に到達したと判定した場合、制御装置100はステップS30を実行する。ステップS30では、制御指令生成部111が、切断処理を開始するための指令信号を生成し、これを切断制御部116に出力する。これに応じ、切断制御部116は、鋳片21を所望の長さで切断する処理を開始するように搬送テーブル16及びカッター17を制御する。
次に、制御装置100はステップS31を実行する。ステップS31では、ピンチロール4の駆動制御が鋳造モード及び引抜モードのいずれで実行されているかを制御指令生成部111が確認する。ステップS31において、ピンチロール4の駆動制御が鋳造モードで実行中であると判定した場合、制御装置100は、処理をステップS18に戻す。ステップS31において、ピンチロール4の駆動制御が引抜モードで実行中であると判定した場合、制御装置100は、処理をステップS23に戻す。以後、ステップS23において分離処理が完了したと判定され、更にステップS27において切断処理が完了したと判定されるまで、鋳造モード又は引抜モードでのピンチロール4の駆動制御が継続される。
ステップS27において、切断処理が完了したと判定した場合、制御装置100は鋳造制御を完了する。
(2)ダミーバ搬入手順
続いて、上記ステップS11の具体的な処理内容を説明する。図6に示すように、制御装置100は、まずステップS41を実行する。ステップS41では、ダミーバ搬送制御部112が、鋳型3へのダミーバ22の搬入を開始するようにコンベヤ14を制御する。
次に、制御装置100はステップS42を実行する。ステップS42では、ダミーバ搬送制御部112が、ダミーバ22のテール22a(下流側の端部)が、所定のピンチロール4を通過するのを待機する。すなわちダミーバ搬送制御部112は、所定の搬送ユニットU1における二つのピンチロール4の間をテール22aが通過するのを待機する。所定のピンチロール4及び所定の搬送ユニットU1は、搬送経路R1の最上流に位置するピンチロール4及び搬送ユニットU1であってもよいし、最上流から数個(例えば2〜3個)目のピンチロール4及び搬送ユニットU1であってもよい。なお、ここでの「通過」は、搬送経路R1に沿う方向におけるピンチロール4の中心位置に一致する位置を通過することを意味する。
ダミーバ搬送制御部112は、センサ15の出力に基づいてテール22aの現在位置を導出し、当該現在位置が上記所定のピンチロール4を通過するのを待機する。例えばダミーバ搬送制御部112は、センサ15の出力に基づいてコンベヤ14からのダミーバ22の送出長L1を求め、これをステップS41の実行直前のテール22aの位置P1に加算することでテール22aの現在位置P2を導出する(図13の(a)参照)。
なお、ここでの「位置」は、搬送経路R1上における位置を一義的に特定可能であればどのように表されていてもよい。例えば「位置」は、所定の基準箇所を原点とし、搬送経路R1の下流側を正方向とする一次元の座標で表されていてもよい。基準箇所は、搬送経路R1上に位置する限りいかなる箇所であってもよい。例えば基準箇所は、鋳型3内における溶鋼の湯面目標位置P0であってもよい。
ステップS42において、上記所定のピンチロール4をテール22aが通過したと判定すると、制御装置100はステップS43を実行する。ステップS43では、コンベヤ14からのダミーバ22の送出を停止するように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する。
次に、制御装置100はステップS44を実行する。ステップS44では、ダミーバ22のテール22aよりも上流側に位置する全てのピンチロール4をアクティブ状態にするように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する切替駆動部6をピンチロール制御部115が制御する(図13の(b)参照)。
次に、制御装置100はステップS45を実行する。ステップS45では、ダミーバカー13をウィンチ12側に移動させ、ダミーバ22からコンベヤ14を離すように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する(図13の(c)参照)。以上でダミーバ22の搬入が完了する。
(3)ロール駆動制御手順
続いて、上記ステップS12,S17,S22において開始されるピンチロール4の駆動制御の具体的な処理内容を説明する。図7に示すように、制御装置100は、まずステップS51を実行する。ステップS51では、ピンチロール4の駆動制御のモード(以下「制御モード」という。)が挿入モードであるか否かをピンチロール制御部115が確認する。
ステップS51において、制御モードが挿入モードであると判定した場合、制御装置100は、図8に示すようにステップS52を実行する。ステップS52では、センサ5を用いて搬送対象物Tの先端部t1の位置(以下、「第一位置」という。)を導出することをトラッキング制御部114が開始する。トラッキング制御部114は、ステップS52の実行直前における搬送対象物Tの第一位置(センサ15を用いて導出された位置)を基準にして、センサ5を用いて搬送対象物Tの位置を導出する。例えばトラッキング制御部114は、センサ5の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L2を求め、これをステップS52の実行直前における搬送対象物Tの先端部t1の位置P3(すなわちテール22aの位置)に加算することで先端部t1の現在位置P4を導出する(図13の(c)参照)。
次に、制御装置100はステップS53を実行する。ステップS53では、ピンチロール制御部115が、全てのアクティブなピンチロール4の駆動を開始するように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。
ステップS53の実行後において、制御装置100は、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替える。制御装置100は、センサ5を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替えることを更に実行してもよい。
例えば制御装置100は、まずステップS54を実行する。ステップS54では、アクティブなピンチロール4に対して一つ下流側に位置するピンチロール4(以下、これを「次のピンチロール4」という。)を搬送対象物Tの先端部t1(すなわちテール22a)が通過したか否かをピンチロール制御部115が判定する。ステップS54において、先端部t1が次のピンチロール4を通過していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS57(後述)に進める。
ステップS54において、先端部t1が次のピンチロール4を通過したと判定した場合(図14参照)、制御装置100はステップS55,S56を順に実行する。ステップS55では、上記次のピンチロール4の回転駆動を開始するように、当該ピンチロール4に対応する回転駆動部7を制御し、当該ピンチロール4をアクティブ状態にするように、当該ピンチロール4に対応する切替駆動部6を制御する。
ステップS56では、トラッキング制御部114が、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサ5を、新たにアクティブ状態となったピンチロール4に対応するセンサ5に切り替える。その後、トラッキング制御部114は、ステップS56における切り替え前のセンサ5を用いて導出した搬送対象物Tの第一位置を基準にして、ステップS56における切り替え後のセンサ5を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出を行う。例えばトラッキング制御部114は、切り替え後のセンサ5の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L3を求め、切り替え前のセンサ5を用いて導出した先端部t1の位置P5に加算することで、先端部t1の現在位置P6を導出する(図14参照)。
次に、制御装置100はステップS57を実行する。ステップS57では、センサ5を用いた位置の導出結果に異常が有るか否かをトラッキング制御部114が判定する。ステップS57において、センサ5を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常は無いと判定した場合、制御装置100は処理をステップS59(後述)に進める。
位置の導出結果に異常が有るか否かを判定する手法に制限は無い。例えば、トラッキング制御部114は、センサ5を用いた位置の導出結果と、前回の導出結果との差が所定の範囲から逸脱している場合(例えば、当該範囲の下限値未満である場合又は当該範囲の上限値を超えている場合)に、位置の導出結果に異常が有ると判定してもよい。所定の範囲は、事前の実験又はシミュレーションにより適宜設定可能である。また、トラッキング制御部114は、搬送ユニットU1の二つのセンサ5を用いて二つの導出結果をそれぞれ得たうえで、これらの差が所定の閾値に比較して大きい場合に、位置の導出結果に異常が有ると判定してもよい。いずれの例においても、所定の閾値は、事前の実験又はシミュレーションにより適宜設定可能である。
ステップS57において、センサ5を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常が有ると判定した場合、制御装置100はステップS58を実行する。ステップS58では、トラッキング制御部114が、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替える。例えばトラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサ5を搬送経路R1の下流側から上流側に切り替えてもよい。より具体的に、トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサ5を、当該センサ5に対応するピンチロール4に対して一つ上流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。
次に、制御装置100はステップS59を実行する。ステップS59では、ピンチロール4の駆動を停止させるための制御指令(以下、「停止指令」という。)が制御指令生成部111から出力されているか否かをピンチロール制御部115が確認する。
ステップS59において、停止指令は出力されていないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS54に戻す。以後、停止指令が出力されるまでは、挿入モードでのピンチロール4の駆動制御が継続される。
ステップS59において、停止指令が出力されていると判定した場合、制御装置100はステップS60を実行する。ステップS60では、ピンチロール制御部115が、全てのアクティブなピンチロール4の駆動を停止するように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。以上で挿入モードでのピンチロール4の駆動制御が完了する。以上でダミーバ22の挿入が完了する。
図7に戻り、ステップS51において制御モードが挿入モードではないと判定した場合、制御装置100はステップS61を実行する。ステップS61では、制御モードが鋳造モードであるか引抜モードであるかをピンチロール制御部115が判定する。
ステップS61において、制御モードが鋳造モードであると判定した場合、制御装置100は、図9に示すようにステップS62を実行する。ステップS62では、ピンチロール制御部115が、全てのアクティブなピンチロール4の駆動を開始するように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。
ステップS62の実行後において、制御装置100は、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替える。制御装置100は、センサ9を用いて鋳片21の位置を導出することを更に実行してもよい。制御装置100は、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替えることを更に実行してもよい。
例えば制御装置100は、まずステップS63を実行する。ステップS63では、アクティブなピンチロール4に対して一つ下流側に位置するピンチロール4(以下、これを「次のピンチロール4」という。)を搬送対象物Tの先端部t1が通過したか否かをピンチロール制御部115が判定する。
ステップS63において、先端部t1が次のピンチロール4を通過したと判定した場合(図15参照)、制御装置100はステップS64,S65を順に実行する。ステップS64では、上記次のピンチロール4の回転駆動を開始するように、当該ピンチロール4に対応する回転駆動部7を制御し、当該ピンチロール4をアクティブ状態にするように、当該ピンチロール4に対応する切替駆動部6を制御する。
ステップS65では、トラッキング制御部114が、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサ5を、新たにアクティブ状態となったピンチロール4に対応するセンサ5に切り替える。その後、トラッキング制御部114は、ステップS65における切り替え前のセンサ5を用いて導出した搬送対象物Tの第一位置を基準にして、ステップS65における切り替え後のセンサ5を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出を行う。例えばトラッキング制御部114は、切り替え後のセンサ5の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L4を求め、切り替え前のセンサ5を用いて導出した先端部t1の位置P7に加算することで、先端部t1の現在位置P8を導出する(図15参照)。次に、制御装置100は処理をステップS69(後述)に進める。
ステップS63において、先端部t1が次のピンチロール4を通過していないと判定した場合、制御装置100はステップS66を実行する。ステップS66では、先端部t1が測長ロール8を通過したか否かをピンチロール制御部115が確認する。なお、ここでの「通過」は、搬送経路R1に沿う方向における測長ロール8の中心位置に一致する位置を通過することを意味する。ステップS66において、先端部t1が測長ロール8を通過していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS69(後述)に進める。
ステップS66において、先端部t1が測長ロール8を通過したと判定した場合(図17参照)、制御装置100はステップS67,S68を順に実行する。ステップS67では、測長ロール8をアクティブ状態にするように切替駆動部10を制御する。
ステップS68では、トラッキング制御部114が、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを測長ロール8に切り替える。その後、トラッキング制御部114は、例えばステップS68における切り替え前のセンサ5を用いて導出した搬送対象物Tの第一位置を基準にして、測長ロール8を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出を行う。例えばトラッキング制御部114は、測長ロール8の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L5を求め、切り替え前のセンサ5を用いて導出した先端部t1の位置P9に加算することで、先端部t1の現在位置P10を導出する(図17参照)。
次に、制御装置100はステップS69を実行する。ステップS69では、センサ5,9を用いた位置の導出結果に異常が有るか否かをトラッキング制御部114が判定する。ステップS69において、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常は無いと判定した場合、制御装置100は処理をステップS71(後述)に進める。位置の導出結果に異常が有るか否かを判定する手法についてはステップS57と同様である。
ステップS69において、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置の導出結果に異常が有ると判定した場合、制御装置100はステップS70を実行する。ステップS70では、トラッキング制御部114が、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替える。例えばトラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサ5を搬送経路R1の下流側から上流側に切り替えてもよい。トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを、当該位置の導出に用いていたセンサ5に対応するピンチロール4に対して一つ上流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。また、トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを、当該位置の導出に用いていたセンサ9に対して一つ上流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。
次に、制御装置100はステップS71を実行する。ステップS71では、ピンチロール4の駆動を停止させるための制御指令(以下、「停止指令」という。)が制御指令生成部111から出力されているか否かをピンチロール制御部115が確認する。
ステップS71において、停止指令は出力されていないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS63に戻す。以後、停止指令が出力されるまでは、鋳造モードでのピンチロール4の駆動制御が継続される。
ステップS71において、停止指令が出力されていると判定した場合、制御装置100はステップS72を実行する。ステップS72では、ピンチロール制御部115が、全てのアクティブなピンチロール4の駆動を停止するように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。以上で、鋳造モードでのピンチロール4の駆動制御が完了する。
上述のステップS61において、制御モードが引抜モードであると判定した場合、制御装置100は、図10に示すようにステップS73を実行する。ステップS73では、センサ5を用いて搬送対象物Tの基端部t2の位置(以下、「第二位置」という。)を導出することをトラッキング制御部114が開始する。トラッキング制御部114は、ステップS73の実行直前における搬送対象物Tの第二位置(例えば湯面目標位置P0)を基準にして、センサ5を用いて搬送対象物Tの第二位置を導出する。例えばトラッキング制御部114は、センサ5の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L6を求め、これを湯面目標位置P0に加算することで基端部t2の現在位置P11を導出する(図16参照)。
次に、制御装置100はステップS74を実行する。ステップS74では、ピンチロール制御部115が、全てのアクティブなピンチロール4の駆動を開始するように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。
ステップS74の実行後において、制御装置100は、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第一位置及び第二位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えてもよい。制御装置100は、センサ9を用いて鋳片21の第一位置を導出することを更に実行してもよい。制御装置100は、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置及び第二位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替えることを更に実行してもよい。
例えば制御装置100は、まずステップS63と同様のステップS75を実行する。ステップS75において、先端部t1が次のピンチロール4を通過したと判定した場合、制御装置100はステップS64,S65と同様のステップS76,S77を順に実行する。次に、制御装置100は処理をステップS81(後述)に進める。ステップS75において、先端部t1が次のピンチロール4を通過していないと判定した場合、制御装置100はステップS66と同様のステップS78を実行する。ステップS78において、先端部t1が測長ロール8を通過していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS81(後述)に進める。ステップS78において、先端部t1が測長ロール8を通過したと判定した場合、制御装置100はステップS67,S68と同様のステップS79,S80を順に実行する。
次に、制御装置100はステップS81を実行する。ステップS81では、全てのアクティブなピンチロール4のうち、搬送経路R1における最も上流側に位置するピンチロール4(以下、「最上流のピンチロール4」という。)に搬送対象物Tの基端部t2(すなわち鋳片21の基端部21b)が接近したか否かをピンチロール制御部115が判定する。ステップS81において、基端部t2が最上流のピンチロール4に接近していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS84(後述)に進める。
ステップS81において、基端部t2が最上流のピンチロール4に接近したと判定した場合(図16参照)、制御装置100はステップS82,S83を順に実行する。ステップS82では、トラッキング制御部114が、複数のセンサ5のうち搬送対象物Tの第二位置の導出に用いるセンサ5を、最上流のピンチロール4に対して一つ下流側のピンチロール4に対応するセンサ5に切り替える。その後、トラッキング制御部114は、ステップS82における切り替え前のセンサ5を用いて導出した搬送対象物Tの第二位置を基準にして、ステップS82における切り替え後のセンサ5を用いた搬送対象物Tの第二位置の導出を行う。例えばトラッキング制御部114は、切り替え後のセンサ5の出力に基づいてピンチロール4による搬送対象物Tの移動距離L7を求め、切り替え前のセンサ5を用いて導出した基端部t2の位置P12に加算することで、基端部t2の現在位置P13を導出する(図16参照)。
ステップS82では、上記最上流のピンチロール4を非アクティブ状態にするように、当該ピンチロール4に対応する切替駆動部6を制御し、当該ピンチロール4の回転駆動を停止するように、当該ピンチロール4に対応する回転駆動部7をピンチロール制御部115が制御する。
次に、制御装置100はステップS84を実行する。ステップS84では、センサ5,9を用いた第一位置及び第二位置の導出結果に異常が有るか否かをトラッキング制御部114が判定する。ステップS84において、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置及び第二位置の導出結果に異常は無いと判定した場合、制御装置100は処理をステップS86(後述)に進める。位置の導出結果に異常が有るか否かを判定する手法についてはステップS57と同様である。
ステップS84において、センサ5,9を用いた搬送対象物Tの第一位置あるいは第二位置の導出結果に異常が有ると判定した場合、制御装置100はステップS85を実行する。ステップS85では、トラッキング制御部114が、搬送対象物Tの位置の導出に用いるセンサを当該搬送対象物Tの搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替える。
例えば、第一位置の導出結果に異常が有ると判定した場合、トラッキング制御部114は、第一位置の導出に用いるセンサ5を搬送経路R1の下流側から上流側に切り替えてもよい。トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第一位置の導出に用いるセンサを、当該位置の導出に用いていたセンサ5に対応するピンチロール4に対して一つ上流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。また、トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの位置の導出に用いるセンサを、当該位置の導出に用いていたセンサ9に対して一つ上流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。
第二位置の導出結果に異常が有ると判定した場合、トラッキング制御部114は、第二位置の導出に用いるセンサ5を搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えてもよい。トラッキング制御部114は、搬送対象物Tの第二位置の導出に用いるセンサを、当該位置の導出に用いていたセンサ5に対応するピンチロール4に対して一つ下流側に位置するピンチロール4に対応するセンサ5に切り替えてもよい。
次に、制御装置100はステップS86を実行する。ステップS86では、搬送対象物Tを搬送していた全てのピンチロール4の駆動が停止したか否かをピンチロール制御部115が確認する。
ステップS86において、未だ駆動中のピンチロール4が有ると判定した場合、制御装置100は処理をステップS75に戻す。以後、搬送対象物Tを搬送していた全てのピンチロール4の駆動が停止するまで(ピンチロール4による搬送対象物Tの搬送が完了するまで)、引抜モードでのピンチロール4の駆動制御が継続される。
ステップS86において、搬送対象物Tを搬送していた全てのピンチロール4の駆動が停止していると判定した場合、制御装置100は処理を完了する。
(4)ダミーバの分離・搬送制御手順
続いて、ステップS26において開始される分離・搬送処理の具体的な処理内容を説明する。図11に示すように、制御装置100は、まずステップS91を実行する。ステップS91では、ウィンチ12によるダミーバ22の引き上げを開始するように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する(図16参照)。
次に、制御装置100はステップS92を実行する。ステップS92では、ダミーバ22のテール22aがコンベヤ14に到達するのをダミーバ搬送制御部112が待機する。ステップS92において、ダミーバ22のテール22aがコンベヤ14に到達すると、制御装置100はステップS93を実行する。ステップS93では、ウィンチ12によるダミーバ22の引き上げを停止するように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する。
次に、制御装置100はステップS94を実行する。ステップS94では、コンベヤ14によりダミーバカー13上にダミーバ22を引き上げるように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する。
次に、制御装置100はステップS95を実行する。ステップS95では、ダミーバ搬送制御部112が、ダミーバカー13によるダミーバ22の搬送を開始するようにダミーバ搬送装置11を制御する。
次に、制御装置100はステップS96を実行する。ステップS96では、ダミーバ22を鋳型3に挿入するための位置(以下、「挿入開始位置」という。)にダミーバカー13が到達するのをダミーバ搬送制御部112が待機する。
ステップS96において、ダミーバカー13が挿入開始位置に到達したと判定すると、制御装置100はステップS97を実行する。ステップS97では、ダミーバカー13によるダミーバ22の搬送を停止するように、ダミーバ搬送制御部112がダミーバ搬送装置11を制御する。以上でダミーバ22の分離・搬送処理が完了する。
2.2 移動速度の調節手順
ステップS04〜S07の説明において上述したように、第二鋳造制御は、先行鋳片が有る状況で、次の鋳造が開始される場合に実行される。以下においては、先行鋳片(第一鋳片)を鋳片21Aといい、鋳片21Aに後続する後行鋳片(第二鋳片)を鋳片21Bという(図18参照)。また、鋳片21Aを含む搬送対象物を搬送対象物T1(第一搬送対象物)といい、鋳片21Bを含む搬送対象物を搬送対象物T2(第二搬送対象物)という。更に、搬送対象物T1を搬送するアクティブなピンチロール4をグループG1(第一グループ)のピンチロール4といい、搬送対象物T2を搬送するアクティブなピンチロール4をグループG2(第二グループ)のピンチロール4という。
制御装置100は、鋳片21Aに対して第一鋳造制御を実行している最中に、第二鋳造制御を開始する。この場合、複数のセンサ5のうちいずれかを用いて搬送対象物Tの位置を導出することは、鋳片21Aを搬送中のグループG1のピンチロール4にそれぞれ対応する複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21Aの位置を導出することと、鋳片21Bを搬送するグループG2のピンチロール4にそれぞれ対応する複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21Bの位置を導出することと、を含む。
第一鋳造制御及び第二鋳造制御を同時に実行している際に、制御装置100は、搬送対象物T1の先端部t11が通過したピンチロール4をグループG1に加えることと、搬送対象物T2の先端部t21が通過したピンチロール4をグループG2に加えることと、を実行する。
以下、ステップS07における移動速度の調節処理の具体的な処理内容を説明する。図12に示すように、制御装置100は、まずステップS101を実行する。ステップS101では、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第一閾値以下であるか否かを制御指令生成部111が確認する(図18参照)。第一閾値は、搬送対象物T1と搬送対象物T2とを衝突させることなく搬送対象物T2を減速又は停止させられるように適宜設定される。例えば第一閾値は、搬送対象物T2を停止させるのに必要な制動距離等に基づいて設定可能である。ステップS101において、搬送対象物T1,T2の間隔が第一閾値を超えていると判定した場合、制御装置100は処理をステップS109(後述)に進める。
ステップS101において、搬送対象物T1,T2の間隔が第一閾値以下であると判定した場合、制御装置100はステップS102を実行する。ステップS102では、搬送対象物T2の移動速度を減速させるように、制御指令生成部111が搬送対象物T2の目標移動速度を変更する。例えば制御指令生成部111は、グループG2に属するピンチロール4の回転速度の目標値を小さくする。これに応じ、ピンチロール制御部115が、グループG2に属するピンチロール4の回転を減速させるように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。
次に、制御装置100はステップS103を実行する。ステップS103では、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第二閾値以下であるか否かを制御指令生成部111が確認する。第二閾値は、第一閾値よりも小さい値にであってもよい。
ステップS103において、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第二閾値を超えていると判定した場合、制御装置100はステップS104を実行する。ステップS104では、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上であるか否かを制御指令生成部111が確認する。第三閾値は、第一閾値よりも大きい値であってもよい。
ステップS104において、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値未満であると判定した場合、制御装置100は処理をステップS103に戻す。以後、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第二閾値を超えている限り、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上となるまで、減速状態での搬送対象物T2の搬送が継続される。
ステップS104において、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上であると判定した場合、制御装置100はステップS105を実行する。ステップS105では、搬送対象物T2の移動速度を加速させるように、制御指令生成部111が搬送対象物T2の目標移動速度を変更する。例えば制御指令生成部111は、グループG2に属するピンチロール4の回転速度の目標値を大きくし、ステップS102における減速前の値に戻す。これに応じ、ピンチロール制御部115が、グループG2に属するピンチロール4の回転を加速させるように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。次に、制御装置100は処理をステップS109(後述)に進める。
ステップS103において、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第二閾値以下であると判定した場合、制御装置100はステップS106を実行する。ステップS106では、制御指令生成部111が、搬送対象物T2を停止させるための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、グループG2に属するピンチロール4の回転を停止させるように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。
次に、制御装置100はステップS107を実行する。ステップS107では、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上となるのを制御指令生成部111が待機する。以後、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上となるまで、搬送対象物T2が停止状態に保たれる。
ステップS107において、搬送対象物T1,T2の間隔L8が第三閾値以上であると判定した場合、切替駆動部10はステップS108を実行する。ステップS108では、制御指令生成部111が、搬送対象物T2の搬送を再開させるための制御指令を生成し、これをピンチロール制御部115に出力する。これに応じ、ピンチロール制御部115は、グループG2に属するピンチロール4の回転を再開させるように、これらのピンチロール4にそれぞれ対応する回転駆動部7を制御する。なお、制御指令生成部111は、ステップS108の実行後における搬送対象物T2の目標移動速度を、ステップS102の実行前の値に設定してもよい。
次に、制御装置100はステップS109を実行する。ステップS109では、未だ先行鋳片が存在しているか否か(ピンチロール4による先行鋳片の搬送が継続しているか否か)を制御指令生成部111が確認する。ステップS109において先行鋳片が存在していると判定した場合、制御装置100は処理をステップS101に戻す。以後、先行鋳片が存在する限り、移動速度の調節処理が継続される。ステップS109において、先行鋳片は存在していないと判定した場合、制御装置100は移動速度の調節処理を完了する。
3.本実施形態の効果
連続鋳造装置1は、鋳片21の搬送経路R1に沿って並び、鋳片21を搬送する複数のピンチロール4と、複数のピンチロール4の少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数のセンサ5と、複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21を含む搬送対象物Tの位置を導出することと、複数のセンサ5のうち位置の導出に用いるセンサを搬送対象物Tの移動に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えることと、を実行するように構成された制御装置100と、を備える。
この連続鋳造装置1によれば、複数のピンチロール4にそれぞれ対応する複数のセンサ5が鋳片21の位置のトラッキングに利用される。位置の導出に用いるセンサは、鋳片21の搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えられる。このため、いずれかのピンチロール4が鋳片21に接触している限り鋳片21の位置のトラッキングを継続可能である。従って、より確実に鋳片21の位置をトラッキングできる。
制御装置100は、複数のセンサ5のうち位置の導出に用いるセンサ5を鋳片21の搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替える際に、切り替え前のセンサ5を用いて導出した位置を基準にして、切り替え後のセンサ5を用いた位置の導出を行うように構成されていてもよい。この場合、センサの切り替えに伴う位置の導出結果の急変が抑制される。従って、より確実に鋳片21の位置をトラッキングできる。
制御装置100は、センサ5を用いた搬送対象物Tの位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを、当該搬送対象物Tを搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替えることを更に実行するように構成されていてもよい。この場合、センサ5が故障した際にも鋳片21の位置のトラッキングを継続させることができる。
センサ5を用いた搬送対象物Tの位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを、当該搬送対象物Tを搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5に切り替えることは、当該位置の導出に用いるセンサを搬送経路R1の下流側から上流側に切り替えることを含んでもよい。位置の導出結果に異常が生じない限り、位置の導出に用いるセンサは、鋳片21の搬送に応じて搬送経路R1の上流側から下流側に切り替えられる。このため、鋳片の位置の導出に用いているセンサ5の上流側には、当該鋳片を搬送中のピンチロール4に対応する他のセンサ5が存在する(以下、これを「上流側の他のセンサ5」という。)。位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを下流側から上流側に切り替えることにより、上流側の他のセンサ5を有効活用し、鋳片21の位置のトラッキングをより確実に継続させることができる。
複数のセンサ5のうちいずれかを用いて位置を導出することは、鋳片21Aを搬送中のグループG1のピンチロール4にそれぞれ対応する複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21Aを含む搬送対象物T1の位置を導出することと、鋳片21Aに後続する鋳片21Bを搬送中のグループG2のピンチロール4にそれぞれ対応する複数のセンサ5のうちいずれかを用いて鋳片21Bを含む搬送対象物T2の位置を導出することと、を含んでもよい。この場合、鋳片21A,21Bの各々にいずれかのピンチロール4が接している限り、鋳片21A,21Bの位置を同時進行でトラッキングできる。従って、鋳片21A,21Bの位置をより確実にトラッキングできるので、鋳片同士の間隔を短縮することができる。
例えば制御装置100は、搬送対象物T1と搬送対象物T2との間隔が、搬送経路R1に沿って隣り合うピンチロール4同士の間隔の最小値に対して5倍以下となるように複数のピンチロール4を制御してもよい。更に制御装置100は、搬送対象物T1と搬送対象物T2との間隔が、搬送経路R1に沿って隣り合うピンチロール4同士の間隔の最小値に対して2倍以下となるように複数のピンチロール4を制御してもよい。搬送対象物T1と搬送対象物T2との間隔を短縮することによって、生産効率を高めることができる。
制御装置100は、搬送対象物T1の先端部t11が通過したピンチロール4をグループG1に加えることと、搬送対象物T2の先端部t21が通過したピンチロール4をグループG2に加えることと、を更に実行するように構成されていてもよい。この場合、鋳片21A,21Bのそれぞれの位置をより確実にトラッキングできる。
連続鋳造装置1は、搬送対象物Tに接しているときに、当該搬送対象物Tの移動に応じて回転する測長ロール8と、測長ロール8の少なくとも回転速度に関する情報を出力するセンサ9と、を更に備えてもよく、制御装置100は、センサ9を用いて搬送対象物Tの位置を導出することを更に実行するように構成されていてもよい。この場合、位置の導出に特化したセンサを併用することで、鋳片21の位置をより高い信頼性でトラッキングできる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
1…連続鋳造装置、4…ピンチロール、5…センサ(第一センサ)、100…制御装置、R1…搬送経路、21…鋳片、21A…鋳片(第一鋳片)、21B…鋳片(第二鋳片)、8…測長ロール、9…センサ(第二センサ)、T…搬送対象物、T1…搬送対象物(第一搬送対象物)、T2…搬送対象物(第二搬送対象物)、G1…グループ(第一グループ)、G2…グループ(第二グループ)。

Claims (7)

  1. 鋳片の搬送経路に沿って並び、前記鋳片を搬送する複数のピンチロールと、
    前記複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサと、
    前記複数の第一センサのうちいずれかを用いて前記鋳片を含む搬送対象物の位置を導出することと、前記複数の第一センサのうち前記位置の導出に用いるセンサを前記搬送対象物の移動に応じて前記搬送経路の上流側から下流側に切り替えることと、前記第一センサを用いた前記搬送対象物の前記位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを、当該搬送対象物を搬送中の前記ピンチロールに対応する他の前記第一センサに切り替えることと、を実行するように構成された制御装置と、を備える連続鋳造装置。
  2. 前記制御装置は、前記複数の第一センサのうち前記位置の導出に用いるセンサを前記搬送対象物の搬送に応じて前記搬送経路の上流側から下流側に切り替える際に、切り替え前の前記第一センサを用いて導出した前記位置を基準にして、切り替え後の前記第一センサを用いた前記位置の導出を行うように構成されている、請求項1記載の連続鋳造装置。
  3. 前記第一センサを用いた前記搬送対象物の前記位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを、当該搬送対象物を搬送中の前記ピンチロールに対応する他の前記第一センサに切り替えることは、当該位置の導出に用いるセンサを前記搬送経路の下流側から上流側に切り替えることを含む、請求項1又は2記載の連続鋳造装置。
  4. 前記複数の第一センサのうちいずれかを用いて前記位置を導出することは、第一鋳片を搬送中の第一グループの前記ピンチロールにそれぞれ対応する複数の前記第一センサのうちいずれかを用いて前記第一鋳片を含む第一搬送対象物の位置を導出することと、前記第一鋳片に後続する第二鋳片を搬送中の第二グループの前記ピンチロールにそれぞれ対応する複数の前記第一センサのうちいずれかを用いて前記第二鋳片を含む第二搬送対象物の位置を導出することと、を含む、請求項1〜のいずれか一項記載の連続鋳造装置。
  5. 前記制御装置は、前記第一搬送対象物の先端部が通過した前記ピンチロールを前記第一グループに加えることと、前記第二搬送対象物の先端部が通過した前記ピンチロールを前記第二グループに加えることと、を更に実行するように構成されている、請求項記載の連続鋳造装置。
  6. 前記搬送対象物に接しているときに、当該搬送対象物の移動に応じて回転する測長ロールと、
    前記測長ロールの少なくとも回転速度に関する情報を出力する第二センサと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記第二センサを用いて前記搬送対象物の位置を導出することを更に実行するように構成されている、請求項1〜のいずれか一項記載の連続鋳造装置。
  7. 鋳片の搬送経路に沿って並び、前記鋳片を搬送する複数のピンチロールの少なくとも回転速度に関する情報をそれぞれ出力する複数の第一センサのうちいずれかを用いて前記鋳片を含む搬送対象物の位置を導出することと、
    前記複数の第一センサのうち前記位置の導出に用いるセンサを前記搬送対象物の搬送に応じて前記搬送経路の上流側から下流側に切り替えることと、
    前記第一センサを用いた前記搬送対象物の前記位置の導出結果に異常が生じた際に、当該位置の導出に用いるセンサを、当該搬送対象物を搬送中の前記ピンチロールに対応する他の前記第一センサに切り替えることと、を含む連続鋳造方法。
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