JP2007143177A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可変長バーストデータの受信に適し、電力消費の少ないノイズ耐力の高いビット同期回路を提供する。
【解決手段】バーストデータ先頭部に位置したプリアンブルの受信期間中に、装置内基準クロックCLと同一周波数をもつ多相クロックの中から、受信バーストデータに同期した位相のクロックを高速に決定する初期位相決定部101と、初期位相決定部で決定された同期位相クロックを初期位相として、バーストデータのペイロードの受信期間中に、同期位相クロックを受信データの位相変動に追従させるための位相追従部102とを備え、同期位相クロックと所定の位相関係にあるデータ取込みクロックによって、バーストデータをリタイミングし、基準クロックCLに同期して出力するビット同期回路。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通信装置に関し、更に詳しくは、伝送路から受信した高速バーストデータ信号を装置内基準クロックに同期したデータ信号に変換するのに適したビット同期回路に関する。
複数の端末から送信されたバースト信号を中継する伝送システムとして、受動光網PON(Passive Optical Network)システムが知られている。PONシステムは、図2に示すように局側装置(OLT:Optical Line Terminal)1Aに収容された光ファイバ11(11−1〜11−m)を光カプラ(スターカプラ)12で複数の支線光ファイバ13(13−1〜13−n)に分岐し、各支線光ファイバ13に加入者接続装置(ONU:Optical Network Unit)10(10−1〜10−n)を接続した構成の光伝送システムである。
各加入者接続装置10には、図示しない加入者端末が接続され、各加入者端末からの送信データは、局側装置1Aを介してネットワーク14に転送される。ネットワーク14は、端末装置がアクセスする各種サーバを接続したインターネットであっても、複数の局側装置(1A、1B、・・・)間を接続する中継網であってもよい。PONによれば、光ファイバ伝送路11を複数の加入者で共用でき、更に、光ファイバ伝送路11から支線光ファイバ13への分岐装置として、低コストで保守も簡便なスターカプラ202を使用できるため、経済的なFTTH(Fiber to the Home)アクセス網を提供できる。
PONには、例えば、ATMセル形式でデータを伝送するB−PON(Broadband PON)、ギガビットクラスの高速データ転送を可能とするG−PON(Gigabit PON)、イーサネット(登録商標名)サービスに適したGE−PON(Giga-Ethernet PON)がある。
PONシステムでは、各加入者接続装置10が支線光ファイバ13に送信したデータ(上りデータフレーム)は、光ファイバ11上で時分割多重される。上りデータフレーム200は、図3に示すように、プリアンブル部210とペイロード220とからなり、ペイロード220に各加入者端末から送信されたデータパケットが含まれる。
複数の加入者接続装置から送信されたデータパケットが光ファイバ11上で衝突するのを避けるために、各加入者接続装置10は、局側装置1Aから指定された時間帯で上りデータフレーム200を送信する。これによって、光ファイバ11上では、複数の上りデータフレームが、フレーム間に或る無信号区間(ガードタイム)をもった状態で時分割多重され、バーストデータとして局側装置1Aに入力される。
一方、局側装置1Aから加入者接続装置10−1〜10−nへのデータ伝送は、同報通信形式で行われる。局側装置1Aが光ファイバ11−1に送信する下りデータフレームには、宛先アドレスの異なる複数のデータパケットが、パケット間に無信号区間を置くことなく連続的に配列されている。下りデータフレームは、光カプラで複数の支線光ファイバ13−1〜13−nに分岐され、各加入者接続装置10は、受信フレームに含まれるパケットの宛先アドレスを判定して、自局宛のパケットのみを選択的に取り込み、加入者端末に転送する。
下りデータフレームは、局側装置1Aの内部基準クロックに同期した周波数f0、または周波数f0の逓倍周波数で送信される。各加入者接続装置10は、下りフレームから基本クロックを抽出し、装置内基準クロックに同期した周波数f0でそれぞれの上り方向のデータフレームを送信する。すなわち、局側装置1Aが受信する上りバーストデータの周波数は、局側装置内基準クロックと同期している。
しかしながら、PONシステムでは、光カプラ12から分岐される支線ファイバ13−1〜13−nの長さに差異があるため、上りデータフレーム(バーストデータ)は、上述した装置内基準クロックに対する位相差が加入者接続装置毎に異なった状態で、局側装置1Aに到着する。従って、局側装置1Aは、光ファイバ11から受信したバーストデータを光/電気変換した後、バーストデータ毎にビット同期をとる必要がある。
図4は、局側装置1Aのビット同期回路(タイミング抽出回路)に入力されるバーストデータのモデルを示す。各バーストデータは、図3でも説明したように、ペイロード220に先立って、例えば、「1」、「0」交番ビット列からなるプリアンブル210を備えている。局側装置1Aでは、上記プリアンブル210の受信期間中に、バーストデータ毎のビット同期を確立する必要がある。加入者接続装置にとって有効なデータは、ペイロード220であり、PON区間での伝送効率を向上されるためには、プリアンブル210を可能な限り短くすることが望まれる。
また、光ファイバで伝送される各バーストデータ信号の減衰量は、バーストデータが通過する光ファイバ長によって異なっているため、局側装置1Aでは、ビット同期回路(タイミング抽出回路)の前段でバーストデータ毎に入力信号レベルを検知し、入力信号の高/低を識別するための閾値Thを自動的に切替えるATC(Automatic Threshold Control)機能を必要とする。一般的にATCでは、入力信号のピークレベル検出によって閾値Thを決定しているため、バーストデータにスパイクノイズ等のノイズ成分が重畳した場合、閾値Thが理想的な値よりも高い値に設定され、結果的に、W(L)、W(H)で示すように、ビット同期回路の入力信号にパルス幅歪みが発生することが知られている。
ギガビットクラスの伝送容量を持つG−PONにおいては、各加入者接続装置10に可変長バーストデータの送信が許容されているため、局側装置1Aのビット同期回路に、例えば、125μs程度の長いバーストデータが入力される可能性がある。バーストデータが長くなると、バーストデータ受信期間中のジッタ・ワンダに起因した位相変動や、内部基準クロックと受信バーストデータの周波数非同期に起因した位相変動の発生を考慮しておく必要がある。従って、可変長バーストデータ用のPONシステムには、プリアンブル区間での初期位相の決定機能に加えて、ペイロード区間で発生する位相変動にも追従可能なビット同期回路が必要とされる。
上述した課題を解決するため、例えば、特開2005−012305号公報(特許文献1)では、図5に示すように、受信バーストデータをn相のデータ列に変換する多相データサンプル部50と、最適位相データ列を示す制御信号を発生する位相判定部51と、n相データ列のうち、上記制御信号が示す最適位相データ列を選択的に通過させる出力データ選択部55と、最適位相データ切替えの際に欠落するデータを補充する欠落補充データ供給部56と、上記最適位相データ列を上記基準クロックに同期したデータ列に変換する出力データ同期化部60とからなり、位相判定部51が、同一バーストデータの受信期間中に最適位相データ列の検出動作を繰り返して実行し、最適位相が変動した時、上記出力データ選択部55が、上記出力データ同期化部60に供給する最適位相データ列を動的に切替えるようにした最適位相データ選択方式のビット同期回路を提案している。
ここで、多相データサンプル部50は、例えば、基準クロックCLを遅延して生成したn相のクロックで受信信号をラッチし、ラッチされたn相の信号を基準クロックCLに同期して読み出すことによってn相データ列を生成している。位相判定部51は、受信信号の変化点から識別された最適位相と、マスク信号生成部54が発生するマスク信号Mとに基づいて、切替え制御信号SCとデータ列補正信号SPを発生する。切替え制御信号SCは、出力データ選択部55に与えられ、データ列補正信号SPは、出力データ同期化部60のデータ転送制御部58に与えられる。出力データ選択部55は、多相データサンプル部50から出力されるn相データ列の中から、上記切替え制御信号SCに従って最適位相データ列D1を選択して、データ蓄積部57に供給している。
位相判定部51は、例えば、特開平9−36849号公報(特許文献2)に記載されているように、パルスの立上がりと立下がりを検出するデュアルエッジ検出を実行することによって、パルス幅歪みが生じた場合でも、n相データの中から、装置内基準クロックに対してパルスの立上がりと立下がりの両エッジで位相余裕が最大となるデータ列を選択できる。上記特許文献1では、変化点検出と位相判定を受信バーストデータの全領域で実行し、クロック周期をまたぐデータ切替え時に発生するデータ欠落や重複は、欠落補充データ供給部56とデータ転送制御部58とで補償している。
特開2005−012305号公報 特開平9−36849号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたビット同期回路では、信号位相を全く予測できない状態で開始されるバーストデータの受信初期における同期引き込み機能と、初期位相が確定した後で発生する比較的緩やかな位相変動への追従機能を同一の回路で実現しようとしているため、次のような問題がある。
すなわち、上記従来技術では、位相が不明な受信バーストデータの同期引き込みを高速に行うために、位相判定部51でデュアルエッジ検出によって最適位相データ列を特定し、その結果を出力データ選択部55に与えて、多相データをダイナミック(離散的)に切替えている。しかしながら、初期位相が確定した後に実行される位相追従動作にとっては、最適位相データの判定結果に従って、出力データを別位相のデータ列にダイナミック(離散的)に切替えることは、本来の動作目的から逸脱している。すなわち、上記従来技術では、例えば、ノイズ等によって、位相判定部51での最適位相データの判定に誤りが生じた場合でも、出力データ選択部55において現在の位相から複数相離れた別位相のデータ列への切替えが瞬時に行われるため、結果的に、出力データの連続性が損なわれ、データ欠落や重複を補償するための工夫が必要となる。
また、上記従来技術では、入力された各バーストデータの全区間で、位相判定部51のデュアルエッジ検出回路と最適位相演算回路が駆動されているため、これらの回路部で常時電力消費が発生している。パルス幅歪みに対応した最適位相演算は、プリアンブルの受信期間に完了しているため、「0」、「1」交番ビットが保証されていないペイロードの受信期間でも、デュアルエッジ検出に基づく最適位相演算を実行することには意味がなく、結果的に位相判定部51では電力が無駄に消費されていることになる。
本発明の目的は、可変長バーストデータの受信に適した電力消費の少ない通信装置、特にビット同期回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、出力データの連続性を損なうことなくペイロード受信期間内での位相追従が可能なビット同期回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のビット同期回路は、バーストデータの先頭部分に位置したプリアンブルの受信期間中に、装置内基準クロックと同一周波数をもつ多相クロックの中から、受信バーストデータに同期した位相のクロックを高速に決定する初期位相決定部と、初期位相決定部で決定された同期位相クロックを初期位相として、バーストデータのペイロードの受信期間中に、同期位相クロックを受信データの位相変動に追従させるための位相追従部とを備えたことを特徴とする。バーストデータのペイロードは、上記同期位相クロックと所定の位相関係にあるデータ取込みクロックによってリタイミングされ、装置内基準クロックに同期したデータとして出力される。
更に詳述すると、本発明のビット同期回路は、装置内基準クロックと同一周期で互いに位相の異なる多相クロックを生成する多相クロック生成部と、バーストデータのプリアンブル受信期間中に、上記多相クロックを使用して受信信号の変化点を検出し、変化点に同期したクロックの位相番号を含む初期位相情報を出力する初期位相決定部と、データ取込みクロックと位相検出クロックを最適位相のクロックに切替えるためのクロック切替え部と、バーストデータのペイロード受信期間中に、上記データ取込みクロックに従って受信データをリタイミングデータに変換し、上記位相検出クロックを基準として、受信データの信号変化点の進相/遅相を判定し、判定結果に応じた位相補正信号を出力する位相追従部と、上記位相追従部から出力されたリタイミングデータを一時的に蓄積し、上記装置内基準クロックに同期したデータとして出力するためのデータ蓄積部とからなり、
上記クロック切替え部が、上記初期位相決定部から出力された初期位相情報に基いて、上記多相クロックの中から上記位相追従部に供給すべき最初のデータ取込みクロックと位相検出クロックを選択し、その後は、上記位相追従部から出力される位相補正信号に応じて、上記位相追従部に供給すべきデータ取込みクロックと位相検出クロックを最適位相のクロックに切替えることを特徴とする。
本発明の1実施例によれば、上記クロック切替え部は、上記初期位相決定部から出力された初期位相情報と前記位相追従部から出力される位相補正信号とに応じてクロック選択制御信号を生成するポインタ部と、上記クロック選択制御信号に従って、上記多相クロック生成部で生成された多相クロックの中から、上記位相追従部に供給すべき最適なデータ取込みクロックと位相検出クロックを選択するクロック選択部とからなる。
本発明の1実施例によれば、上前記位相追従部は、データ取込みクロックに従って、受信データをリタイミングデータに変換して出力する受信データリタイミング部と、上記位相検出クロックを基準として、受信データの信号変化点の進相/遅相を判定し、判定結果を出力する位相比較部と、上記位相比較部から出力された判定結果を所定期間毎に多数決判定し、上記位相検出クロックを最適化するための位相補正信号を発生する多数決判定部とからなる。
本発明の1実施例によれば、上記初期位相決定部は、上記多相クロック生成部で生成された多相クロックによって受信信号をサンプリングし、サンプリング結果を位相整列された多相データとして出力するデータサンプル部と、上記データサンプル部から出力された多相データに基づいて、受信信号の変化点を検出し、信号変化点に同期したクロックの位相番号を出力するエッジ検出部と、上記エッジ検出部から出力された位相番号に基いて、所定周期で、受信信号の変化点同期位相クロックの位相番号と最適なデータ取込みクロックの位相番号とを決定する最適位相判定部と、上記最適位相判定部から出力された同期位相クロックの位相番号と最適なデータ取込みクロックの位相番号をそれぞれ所定期間毎に平均化し、前記初期位相情報として出力する最適位相平均化部とからなる。
本発明のビット同期回路では、上記初期位相決定部の動作期間と位相追従部の動作期間を同期モード切替え信号によって切替えることによって、消費電力を低減できる。
本発明のビット同期回路をPONシステムの局側装置が備える各回線インタフェースに適用した場合、上記同期モード切替え信号は、各回線インタフェースの制御部から与えることができる。この場合、制御部は、同期モード切替え信号によって、加入者接続装置からのバーストデータの受信前に上記初期位相決定部を起動しておき、予想される最進位相のバーストデータが受信された場合のプリアンブルの完了タイミングで、上記初期位相決定部を停止し、上記位相追従部を起動することができる。
本発明のビット同期回路は、バーストデータのプリアンブル受信期間中に同期位相クロックを高速に決定する初期位相決定部と、バーストデータのペイロードの受信期間中に、同期位相クロックを受信データの位相変動に追従させるための位相追従部とを備え、多相クロック選択方式によって受信バーストデータをリタイミングしているため、バースト長に影響されない、出力データの連続性を保証した消費電力の少ないビット同期回路を提供できる。
図6は、局側装置1Aが備える加入者線インタフェースの1実施例を示す。
加入者線インタフェースは、光ファイバ11−iに接続された光送受信部21と、光送受信部21で受信した上り方向の光信号を電気信号に変換するための光/電気変換部22と、光/電気変換部22に接続されたビット同期回路23と、ビット同期回路23からシリアルに出力されるビット信号を所定ビット単位の並列データに変換する直並列変換部24と、直並列変換部24の出力データを識別して上り方向フレームの終端処理を行い、上り方向フレームに含まれるユーザデータを上りデータバッファ26に蓄積する上りフレーム終端部25と、上りデータバッファ26の蓄積データを装置内の伝送速度で読出し、上位レイヤ終端部40に転送する装置内インタフェース27とを有する。
上位レイヤ終端部40は、例えば、図示しないスイッチ部と網インタフェースを介して、ネットワーク14に接続されている。また、上りフレーム終端部25は、例えば、上りフレームから各加入者側装置の送信データ蓄積状況を示す通知情報(キュー情報)を抽出し、制御部28に転送する。制御部28は、管理者が予め指定した帯域設定情報と、上りフレーム終端部25から通知されたキュー情報とに基づいて、各加入者側装置に割当てるべき上り伝送方向の帯域と送信時間を計算し、帯域管理テーブル29の内容を周期的に更新している。
上位レイヤ終端部40から装置内インタフェース27に供給された下り方向のユーザデータは、装置内インタフェース27から下りデータバッファ30に入力され、一時的に蓄積した後、下りフレーム生成部31により読み出される。下りフレーム生成部31は、下りデータバッファ30から読み出されたユーザデータ群に監視制御データを付与して下り伝送方向フレームを生成し、電気/光変換部32に出力する。光信号に変換された下り伝送方向フレームは、光送受信部21を介して光ファイバ11−iに送出される。
ビット同期回路23は、図1で詳述するように、基準クロック発生器20で発生した周波数f0の装置内基準クロックCLと、制御部28から供給される同期モード切替え信号MODEに従って、受信バーストデータへの同期引き込みと位相追従動作を行う。尚、ここでは、基準クロック発生器20を加入者線インタフェースの1つの要素として図示しているが、基準クロック発生器20は、局側装置1Aが備える複数の加入者線インタフェースに共用されるものであってもよい。
図7は、本発明のビット同期回路23に適用される多相クロックと受信データ信号との関係を示す信号波形図である。
本発明のビット同期回路23では、基準クロック発生器20から供給される周波数f0の装置内基準クロックから、例えば、φ0〜φ15で示すようにn相(ここでは、n=16)のクロックを生成し、これらのクロックで、光/電気変換部22からの供給される受信データ信号をサンプリングする。例えば、各クロックの立上がりで受信データ信号をラッチ(サンプリング)することによって、16相のデータ列が生成される。これらのデータ列をクロックφ15の位相に同期したデータ列に変換し、隣接するデータ列の排他的論理和をとることによって、受信データの変化点に同期したクロックを検出できる(エッジ検出)。
図示した例では、破線E1が示すように、クロックφ0、φ1で生成されたデータ列が状態「0」を示す時、φ2以降のクロックで生成されたデータ列は状態「1」となっている。従って、n相のクロックでサンプリングされたn相のデータ列を(n−1)相目のクロックに同期して出力し、これらを比較することによって、クロックφ2が受信データ信号の立上がりエッジに同期していることを検出できる。また、破線E2が示すように、クロックφ0、φ1で生成されたデータ列が状態「1」の時、φ2以降のクロックで生成されたデータ列は状態「0」となっており、クロックφ2が受信データの立下りエッジにも同期していることが判る。この場合、クロックφ2からn/2位相離れたクロックφ10の立上がりで受信データ信号をラッチすることによって、受信データの「1」、「0」状態を正確に識別することが可能となる。
以下の説明では、クロックφ2のように、受信データ信号のエッジに同期したクロックを「同期位相クロック」、クロックφ10のように、受信データ信号の取り込みに最適な位相のクロックを「データ取込みクロック」と呼ぶことにする。
図8は、本発明のビット同期回路23の動作を概略的に示した図である。
後で図1を参照して詳述するように、本発明のビット同期回路23は、初期位相決定部と位相追従部とを備える。初期位相決定部は、バーストデータのプリアンブル期間で動作し、同期位相クロックと最適なデータ取込みクロックを決定する。一方、位相追従部は、バーストデータのペイロード期間に動作する。位相追従部は、原理的には、初期位相決定部で決定したデータ取込みクロックに基づいて、受信バーストデータのリタイミングを開始し、上記初期位相決定部で決定した同期位相クロックを初期値として受信バーストデータの位相変動に追従し、データ取込みクロックの位相を最適化する。
図8に示すように、ビット同期回路の動作は、同期モード切替え信号MODEによって、初期位相決定モード期間T1と位相追従モード期間T2に分けられる。
同期モードの切替えタイミングは、制御部28に設定される制御パラメータによってシステム毎に可変である。制御部28は、加入者接続装置10がPONシステムに接続された時に実行されるレンジングプロセスにおいて、加入者接続装置毎の信号伝播時間を測定し、これを記憶しているため、各加入者接続装置に送信時間帯を割当てた時、バーストデータの受信タイミングを±数bitの精度で予測できる。
初期位相決定モード期間T1において、初期位相決定部は、n相クロックを適用して、0ビットと1ビットが交互に現れるプリアンブルのデータ変化点を検出し、内部基準クロックの2周期毎に、同期位相クロックの位相番号とデータ取込みクロックの位相番号を決定する。ここで決定されたデータ取込みクロックの位相番号は、予め指定された内部基準クロックのNサイクル(Nは4以上の整数)分の周期ΔT1で平均化され、最適な位相番号、・・・φh、φi、φjとして出力される。この時、初期位相決定部からは、同期位相クロックの位相番号も平均化して出力される。以下、初期位相決定部で決定されたデータ取込みクロックの位相番号と同期位相クロックの位相番号を合わせて初期位相情報と言う。
本発明の実施例では、上記n相クロックとは別に、内部基準クロック周波数f0をもつm相のクロックを生成しておき、m相クロックの中から選択されたデータ取込みクロックφfによって、受信バーストデータをリタイミングする。受信バーストデータのリタイミングに適用するデータ取込みクロックφfは、初期位相決定部から出力される最適なデータ取込みクロックの位相番号を基準にして、m相クロックの中から選択される。
位相数をm>nとすることによって、MN30−1の位相差を、受信バーストデータの位相追従に適用するm相クロックMN30−1よりも粗くすることができる。但し、位相数はn=mであってもよい。尚、m相クロックとn相クロックの相数が異なる場合、初期位相決定部から出力される最適なデータ取り込みクロックの位相番号PH1と、同期位相クロックの位相番号PH2は、mとnとの相関によって、それぞれm相クロックの対応する位相番号に変換される。
同期モード切替え信号MODEによって、位相追従モード期間T2になると、初期位相決定部からの最後のデータ取込みクロックの位相番号φjに基づいて、m相クロックの中から選択されたデータ取込みクロックφfを適用して、位相追従部によるペイロードデータのリタイミングが開始される。
また、位相追従モード期間T2では、初期位相決定部が出力した最後の同期位相クロックに対応したm相クロックを初期位相として、位相追従部が、予め指定された多数決演算周期ΔT2毎に、データ取込みクロックφfの位相を最適化する。すなわち、位相追従部は、同期位相クロックを基準にして、入力バーストデータの変化点の進相/遅相を検出し、ΔT2(1)内に発生した進相/遅相の多数決演算結果に従って、次の周期ΔT2(2)に適用すべきデータ取込みクロックφfを最適化する。この時、次の周期ΔT2(2)での入力データ変化点の進相/遅相検出に適用するクロックの位相も最適化される。
以下の説明では、位相追従部において入力データ位相変動の検出に適用されるクロック(同期位相クロック)を特に「位相検出クロック」と定義する。位相追従部は、多数決演算周期ΔT2毎に、前の周期での位相追従によって更新されたデータ取込みクロックφfと位相検出クロックを適用して、入力バーストデータのリタイミング動作と位相変動の検出動作を繰り返す。
図8では、簡単化のために、n相クロックとm相クロックの区別を無くして、最初の多数決演算周期ΔT2(1)に適用されるデータ取込みクロックφfを初期位相決定部から出力された最後の最適データ取込みクロックφjで表している。データ取込みクロックφf(φj)は、周期ΔT2(1)における多数決演算結果に従って、現状維持φj(even)、進相φj(up)、遅相φj(down)の如く修正され、次の周期ΔT2(2)のデータ取込みクロックφf(φk)となる。
データ取込みクロックφf(φk)は、周期ΔT2(2)における多数決演算結果に従って、φk(even)、φk(up)、φk(down)の如く修正され、更に次の周期ΔT2(3)のデータ取込みクロックφf(φl)となる。
図9は、同期モードの切替え信号MODEによるモード切替えタイミングを示す。
制御部28は、図(B)に示すように、想定される最進位相のバーストデータが入力された場合のプリアンブル期間の完了タイミングで、同期モード切替え信号MODEを発生している。理想的な位相でバーストデータが入力された場合は、図(A)に示すように、プリアンブル期間の最後の部分が受信される前に同期モードが切替えられ、想定される最遅位相のバーストデータが入力された場合は、図(C)に示すように、位相追従モード期間T2の開始直後に、相当量のプリアンブル受信期間が残ることになる。
図1は、本発明によるビット同期回路23の1実施例を示すブロック構成図である。
本実施例のビット同期回路23は、周波数f0の装置内基準クロックCLからn相クロックとm相クロックを生成する多相クロック生成部100と、それぞれ光/電気変換部22からのバーストデータが入力される初期位相決定部101および位相追従部102と、データ取込クロックおよび位相検出クロックの位相を最適位相に動的に切替えるためのクロック切替え部105と、上記データ取込クロックによって位相追従部102がリタイミングしたデータをバッファリングし、装置内基準クロックCLに従って出力するための蓄積部106とから構成される。
クロック切替え部105は、初期位相決定部101から出力された初期位相情報(PH1、PH2)と位相追従部102から出力された位相補正信号とに基づいて、クロック選択制御信号(SEL1、SEL2)を生成するポインタ部103と、上記クロック選択制御信号に従って、多相クロック生成部100が出力するm相クロックの中から、位相追従部102に供給すべき最適なデータ取込クロックと位相検出クロックを選択するクロック選択部104とからなる。
ここで、多相クロック生成部100が生成するn相クロックは、図7で説明したように、周波数f0の内部基準クロックの位相を1/nずつ遅延したものであり、例えば、クロックφ0〜クロックφ15からなる16相クロックである。一方、m相クロックは、周波数f0の内部基準クロックCLの位相を1/mずつ遅延したものであり、例えば、n相クロックよりも多数の32相クロックである。但し、n、mの値は任意であり、n=8、m=16であってもよい。以下の説明では、n相クロックは、位相順にクロックφ0〜クロックφ(n−1)、m相クロックは、位相順にクロックφ0〜クロックφ(m−1)で表す。
初期位相決定部101は、多相クロック生成部100から出力されたn相のクロックφ0〜クロックφ(n−1)の立上がり受信バーストデータをラッチし、最遅位相クロックφ(n−1)に位相整合されたn系統のデータ列として出力するデータサンプル部111と、上記n系統のデータ列から受信データの変化点(パルスの前端エッジまたは後端エッジ)に同期した位相クロックを検出し、同期位相クロックの識別子(位相番号)とエッジ種別を検出情報として出力するエッジ検出部112と、内部基準クロックCLの2周期(2T0)を単位期間として、エッジ検出部112から出力された検出情報を記憶しておき、単位期間2T0毎に、上記検出情報を解析して最適な同期位相クロックの位相番号とデータ取込クロックの位相番号とを決定する最適位相判定部113と、最適位相判定部113から出力された同期位相クロックの位相番号とデータ取込クロックの位相番号を記憶しておき、図8で説明した平均化周期ΔT1毎に平均化し、初期位相情報(データ取込クロックの位相番号PH1と同期位相クロックの位相番号PH2)として出力する最適位相平均化部114とからなる。
最適位相平均化部114は、例えば、最適位相判定部113から単位期間2T0毎に周期的に出力された同期位相クロックの位相番号とデータ取込クロックの位相番号をそれぞれ遂次加算器で加算しておき、予め設定された平均化周期ΔT1で、加算結果を加算回数で除算しても良いし、予め設定された平均化個数分の位相番号を蓄積しておき、平均化周期ΔT1毎に、位相番号の加算と除算を実行するようにしても良い。
位相追従部102は、受信データリタイミング部120と、位相比較部121と、多数決判定部122とからなる。
受信データリタイミング部120は、クロック選択部104から供給されたデータ取込クロックの立上がりで受信バーストデータをラッチし、リタイミングされたバーストデータとして蓄積部106に出力する。この時、データ取込クロックが、リタイミングクロックとして蓄積部106に与えられる。リタイミングされたバーストデータは、上記リタイミングクロックで蓄積部106に書き込まれ、装置内基準クロックCLに同期して読み出される。
位相比較部121は、上記受信バーストデータリタイミング部120の動作と並行して、クロック選択部104から供給された位相検出クロックと受信バーストデータの変化点とを比較し、比較結果に応じた位相補正信号(進相:up、遅相down)を出力する。多数決判定部122は、位相比較部121から出力された位相補正信号を図8で説明した所定周期ΔT2にわたって信号別にカウントし、多数決で決定した位相補正信号を出力する。
前述したように、光ファイバ11を通して伝送された光信号には、パルス幅歪みが発生している可能性があり、プリアンブルの受信期間中にエッジ検出部112が検出するデータ変化点の間隔が常に一定になるとは限らない。パルス幅歪みのある受信データを識別するデータ取込みクロックの位相余裕を最大にするためは、基本的には図7で説明したように、時間軸上で隣接する前後2つの変化点で検出された第1、第2の同期位相の中点に位置した位相を同期位相とすればよい。
また、事前に想定されるパルス幅歪みと入力データに重畳するジッタの量から、時間軸上で隣接して現れる2つの変化点の間隔は、その最小値を予め見積ることが可能である。従って、エッジ検出部112で検出された隣接変化点の間隔が上記最小値に満たない場合は、ノイズに起因する誤った変化点が検出されたものとみなして、最適位相判定部113が、エッジ検出部112から出力された同期位相クロックの識別結果を無効にすることによって、ノイズ耐力を向上できる。
時間軸上で隣接して現れる2つの変化点の間隔は、それがパルス幅歪みに基づいて予め見積られた第1最小値に満たない場合であっても、パルス幅歪みと最大ジッタとから見積られた更に小さい第2最小値よりも大きい場合は、変化点間隔と第1最小値との差分をジッタ起因分として判断できる。この場合、ジッタによる変化点の変位が正常変化点に対して正規分布していると仮定して、最適位相判定部113が、エッジ検出部112から出力された同期位相クロックの位相をジッタ正規分布の中心位相になるように補正するようにしてもよい。このような補正処理によって、ジッタ重畳に起因した同期位相クロックの判定誤差を軽減することが可能となる。
図10は、エッジ検出部112における同期位相の検出結果と、最適位相判定部113における判定結果との関係を示す。ここでは、エッジ検出部112が、16相クロックを適用して、内部基準クロックCLの2周期T01、T02内に、事象例で示した受信データ変化を検出した時、最適位相判定部113が出力するデータ取込みクロックの位相φLと同期位相クロックの位相φSの例を示す。
ケース1は、第2周期T02で検出されたエッジ数が0個の場合である。最適位相判定部113は、データ取込みクロックφL、同期位相クロックφSとして、従前の判定サイクルで決定した位相を選択する。
ケース2は、第2周期T02で検出されたエッジ数が1個の場合である。第1周期T01で検出されたエッジ数が0であれば、最適位相判定部113は、エッジ検出部112が今回検出した同期位相φを同期位相クロックの位相φSとして採用し、データ取込みクロックの位相φLとして、同期位相φからn/2(ここでは、n=16)離れた位相(φ+8)を選択する。ケース2で、第1周期T01で検出されたエッジ数が1個または2個の場合、最適位相判定部113は、エッジ検出部112が第1周期T01で最後に検出した同期位相φ(1st)と、第2周期T02で検出した同期位相φ(2nd)との間の距離に応じて、個別に同期位相クロックの位相φSを決定する。この場合、データ取込みクロックφLとしては、φ(1st)とφ(2nd)の中点位相からn/2離れた位相[φ(1st)+φ(2nd)]/2+8が選択される。
ケース3は、第2周期T02で検出されたエッジ数が2個の場合である。この場合、最適位相判定部113は、第1周期T01におけるエッジ数には無関係に、エッジ検出部112が第2周期T02で検出した2つ同期位相をφ(1st)、φ(2nd)として、ケース2で第1周期T01で検出されたエッジ数が1個または2個の場合と同様の方法で、同期位相クロックの位相φSを決定する。データ取込みクロックφLとしては、φ(1st)とφ(2nd)の中点の位相[φ(1st)+φ(2nd)]/2が選択される。
各加入者接続装置10のバーストデータ送信時間帯は、局側装置1Aの制御部28によって指定されており、制御部28は、予め測定された加入者接続装置毎の信号伝播時間によって、各バーストデータの受信タイミングをかなりの精度での予測できる。従って、制御部28は、同期モード切替え信号MODEによって、バーストデータの受信開始タイミングで初期位相決定部101を起動し、基本的には、ペイロードの受信前に初期位相決定部101の動作を停止し、位相追従部102を起動することができる。初期位相決定モードから位相追従モードへの切替えタイミングは、予想されるペイロードの受信タイミング精度、プリアンブル部のビット数、初期位相決定部101内の最適位相平均化部114における平均化回数等を考慮して、システム毎に最適化することが可能である。
図1に示した実施例では、初期位相決定モードから位相追従モードに切替えるとき、同期モード切替え信号MODEによって、ポインタ部103の動作モードも切替えられるようにしている。初期位相決定部101が動作中は、ポインタ部103は、初期位相決定部101から、データ取込みクロックの位相番号と、同期位相クロックの位相番号とを受信し、これらの位相番号をオフセット値(基準値)としてクロック選択制御信号SEL1、SEL2を生成し、クロック選択部104を制御している。
ポインタ部103は、例えば、図11に示すように、データ取込みクロック制御回路400Aと位相検出クロック制御回路400Bとからなる。制御回路400Aと400Bは、構造的には同一であり、up/downカウンタ401(401Aまたは401B)と選択制御信号生成回路402(402Aまたは402B)とからなっている。
2つの制御回路400Aと400Bの違いは、up/downカウンタ401に供給される初期位相番号情報の種類にあり、制御回路400Aのup/downカウンタ401Aには、初期位相決定部101から出力されたデータ取込みクロックの位相番号PH1が入力され、制御回路400Bのup/downカウンタ401Bには、初期位相決定部101から出力された同期位相クロックの位相番号PH2が入力されている。
各up/downカウンタ401には、初期位相番号の他に、同期モード切替え信号MODEと、位相追従部102から出力された位相補正信号(up/down/even)が入力されている。同期モード切替え信号が初期位相決定モードを示している間は、各up/downカウンタ401は、初期位相番号として入力された位相番号をカウンタにセットする。初期位相決定モードでは、位相補正信号(up/down/even)は無視され、位相番号のup/downは行われない。従って、初期位相番号として入力された位相番号が、カウント値となって、選択制御信号生成回路402に通知される。
同期モードが位相追従モードに切替わると、各up/downカウンタ401は、その後の初期位相番号の変化は無視して、位相追従部102から与えられる位相補正信号(up/down/even)に従って、カウント値のup/downカウント動作(減算、加算、または現在値保持)を実行する。
位相追従モードにおける位相番号のカウント動作は、多数決演算周期ΔT2で繰り返される。up/downカウンタ401A、401Bで更新されたカウント値(位相番号)は、それぞれ選択制御信号生成回路402A、402Bに出力される。選択制御信号生成回路402A、402Bは、更新されたカウント値に従って、それぞれのクロック選択制御信号SEL1、SEL2を変更する。クロック選択部104は、多相クロック生成部100が発生するm相クロックの中から、クロック選択制御信号(位相番号)SEL1、SEL2に従って、データ取込みクロックと位相検出クロックを選択し、位相追従部102の位相比較部121に供給する。
図12は、入力バーストデータの波形と、位相追従部102の位相比較部121が出力する位相判定結果(up/down)との関係を示す。
本実施例の位相比較部121は、図12の(B)に示すように、位相検出クロックの2周期を単位として、この2周期を1/2周期毎に、(1)「φ(n)−π」〜「φ(n)」、(2)「φ(n)」〜「φ(n)+π」、(3)「φ(n)+π」〜「φ(n+1)」、(4)「φ(n+1)」〜「φ(n+1)+π」の4つの領域に区分し、受信バーストデータの変化点が、上記領域(1)−(4)のどこに現れるかによって、位相検出クロックと受信バーストデータの位相関係を判定する。図12の(C)は、理想的な入力データ位相を示している。位相追従部102が実際に受信するペイロードデータは、図12の(A)に示すように、理想的な入力データとは位相がずれる可能性がある。
図13は、入力バーストデータに発生したエッジ(信号変化点)位置と、位相比較部121から出力される位相判定結果との関係を表した進相/遅相判定論理の1例を示す。
位相比較部121は、データ取込みクロックの位相を受信バーストデータの位相変化に適合させるために、上記進相/遅相判定論理に従って、位相検出クロックを現在の位相よりも進相(up)すべきか、遅相(down)すべきかを判定し、多数決演算部122にup信号またはdown信号を出力する。例えば、CASE1は、図12の番号11の判定論理に該当し、CASE2は、番号4の判定論理に該当している。他のCASEも、図13の何れかの判定論理に該当する。
前述したように、入力データにパルス幅歪みが発生し、論理“1”のパルス幅が位相検出クロックの1/2周期幅(図12の領域幅)よりも細くなるケースがあり得る。図13の判定論理では、このように極端に細いパルスは、判定対象外としている。尚、位相比較部121からの位相判定結果の出力は、位相検出クロックの周期毎であってもよいし、2周期毎であってもよい。
図14は、位相追従部102の多数決判定部122の1実施例を示す。
多数決判定部122は、位相比較部121から受信した位相判定結果(up/down)に対して、予め指定された多数決演算周期(ΔT2)で多数決をとり、その結果を進相/遅相/現在位相保持(up/down/even)を示す位相補正信号としてポインタ部103に出力する。
多数決判定部122は、位相比較部121から出力されたup信号の受信回数をカウントするup数カウンタ500と、位相比較部121から出力されたdown信号の受信回数をカウントするdoun数カウンタ501と、up数カウンタ500のカウント値を記憶するupカウント値レジスタ502と、downカウンタ501のカウント値を記憶するdownカウント値レジスタ503と、多数決周期(ΔT2)制御回路504と、レジスタ502と503の値を比較する比較回路505から構成される。
多数決周期(ΔT2)制御回路504は、外部から与えられる多数決周期設定信号で指定された多数決周期(ΔT2)で、カウンタ500、501のカウント値をリセットすると共に、比較回路505に演算を指示する。up数カウンタ500とdown数カウンタ501は、それぞれ位相比較部121から受信したup信号、down信号をリップルカウンタでカウントする。カウンタ500、501が示すカウント値は、更新の都度、レジスタ502、503に保持される。比較回路505は、制御回路504から指示されたタイミングで、レジスタ502、503が示すupカウント値UPとdownカウント値DWを比較し、比較結果(UP>DW、UP<DW、UP=DW)に応じた位相補正信号(up/down/even)を出力する。
上記ビット同期回路23によれば、クロック選択部104から位相追従部102に供給されるデータ取込みクロックが、受信バーストデータの位相変動に追従して周期ΔT2で最適化され、受信データリタイミング部120が、上記データ取込みクロックによって、ペイロードの1、0状態を正確に識別できることが判る。受信データリタイミング部120でリタイミングされたバーストデータ(ペイロード)は、蓄積部106から装置内の基準クロックに従って読み出されるため、これによって受信バーストの位相変動に対処したビット同期が達成できる。
尚、蓄積部106の容量は、PON区間で予想される位相変動量と最大バーストデータ長に応じて、システム毎に決定すれば良い。また、同期モード切替え信号MODEが位相追従モードの期間中は、初期位相決定部101(データサンプル部111、エッジ検出部112、最適位相判定部113および最適位相平均化部114)の動作を停止させることによって、消費電流を削減できる。
以上の実施例から明らかなように、本発明のビット同期回路は、初期位相決定部と位相追従部とを備え、これらの機能部を同期モード切替え信号によって選択的に動作させている。本発明によれば、入力データ位相が不明な状態で開始されるバーストデータのプリアンブルの受信期間中は、初期位相決定部によって、パルス幅歪みを考慮した形でダイナミック(離散的)にデータ取込みクロック位相を決定しておき、入力データ位相が特定済みとなったバーストデータのペイロードの受信期間中は、位相追従部での位相追従によって、データ取込みクロック位相を所定周期で最適化することができるため、受信バーストデータの高速度の同期引き込みとノイズ耐力のある位相追従が可能となる。
また、多相クロックの中から、受信データ識別に適した位相をもつデータ取込みクロック、あるいは受信データの変化点に同期した位相検出クロックを選択するためには、比較的大規模な論理回路が必要となるが、本発明の構成によれば、デュアルエッジ検出によるクロック位相の選択動作を初期位相決定時に限定して実行すればよいため、ビット同期回路の消費電力の削減が可能となる。更に、本発明のビット同期回路は、多相クロック選択方式を採用しているため、多相データ選択方式を適用した場合のように、受信データの位相変化に伴うデータの欠落や重複への対策が不要となる。
本発明のビット同期回路の1実施例を示すブロック図。 PONシステムを適用したネットワーク構成の1例を示す図。 ビット同期回路に入力されるバーストデータの構成を示す図。 ビット同期回路に入力されるバーストデータのモデルを示す図。 ビット同期回路の従来例を示すブロック図。 本発明のビット同期回路23が適用されるPON局側装置の加入者線インタフェースの1実施例を示すブロック図。 本発明のビット同期回路に適用される多相クロックと受信データ信号との関係を示す信号波形図。 本発明のビット同期回路の動作を概略的に示した図。 同期モード切替え信号MODEによるビット同期回路の同期モードの切替えタイミングを示す図。 図1に示したエッジ検出部112による同期位相の検出結果と、最適位相判定部113の出力との関係を示す図。 図1に示したポインタ部103の1実施例を示すブロック図。 入力バーストデータの波形と、図1に示した位相比較部121から出力される位相判定結果との関係を示す図。 位相比較部121における進相/遅相判定論理の1例を示す図。 図1に示した多数決判定部122の1実施例を示すブロック図。
符号の説明
1:局側装置、10:加入者接続装置、11:光ファイバ、12:スターカプラ、13:支線光ファイバ:20:基準クロック発生器、21:光送受信部、22:光/電気変換部、23:ビット同期回路、24:直並列変換部、25:上りフレーム終端部、26:上りデータバッファ、27:装置内インタフェース、28:制御部、29:帯域管理テーブル、30:下りデータバッファ、31:下りフレーム生成部、32:電気/光変換部、
100:多相クロック生成部、101:初期位相決定部、102:位相追従部、103:ポインタ部、104:クロック選択部、105:クロック切替え部、106:蓄積部、
111:データサンプル部、112:エッジ検出部、113:最適位相判定部、114:最適位相平均化部、120:受信データリタイミング部、121:位相比較部、122:多数決判定部。

Claims (9)

  1. 伝送路から、1と0の交番ビット列を含む第1信号区間と、該第1信号区間に続く第2信号区間とを有する信号を受信する通信装置であって、
    装置内クロックを生成するクロック発生部と、
    上記装置内クロックから、位相の異なる複数のクロックを含む多相クロックを生成する多相クロック生成部と、
    上記第1信号区間の信号と上記多相クロックとが入力され、該多相クロックのうちのどの位相のクロックを用いて上記受信信号と同期をとるかを決定する初期位相決定部と、
    上記多相クロックと上記初期位相決定部からの指示が入力され、上記多相クロックの中から選択された特定位相のクロックを出力するクロック選択部と、
    上記第2信号区間の信号と、上記クロック選択部から出力された特定位相のクロックとが入力され、上記第2信号区間の信号と上記特定位相のクロックとの位相差を示す情報を出力する位相追従部とを有し、
    上記クロック選択部が、上記位相追従部から出力される位相差情報に応じて、上記初期位相決定部からの指示によって決まる位相のクロック、またはそれとは別位相のクロックを上記特定位相のクロックとして選択的に出力することを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記位相追従部が、前記第2信号区間の信号を受信している間、予め定められた周期で前記位相差を判定し、
    前記クロック選択部が、前記位相追従部からの位相差情報に応じて、前記特定位相のクロックを現在出力中のクロックから別位相のクロックに切り替えることを特徴とする通信装置。
  3. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記初期位相決定部が、前記第2信号区間の信号を受信している間、動作を停止していることを特徴とする通信装置。
  4. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第1信号区間および前記第2信号区間の信号の受信タイミングを予測し、前記第1信号区間の信号の受信開始タイミングで前記初期位相決定部を起動し、前記第2信号区間の信号の受信開始タイミングで前記初期位相決定部を停止させる制御部を有することを特徴とする通信装置。
  5. 請求項4に記載の通信装置が、PON(Passive Optical Network)のOLT(Optical Line Terminal)であって、前記受信信号の送信元装置に対して、予め信号の送信タイミングを指示することを特徴とする通信装置。
  6. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記多相クロック生成部が、前記初期位相決定部に第1グループの多相クロックを出力し、前記クロック選択部に対して、上記第1グループの多相クロックとは位相数が異なる第2グループの多相クロックを出力することを特徴とする通信装置。
  7. 請求項6に記載の通信装置であって、
    前記第2グループの多相クロックが、前記第1グループの多相クロックよりも位相数が多いことを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記初期位相決定部が、前記クロック選択部に対して、前記多相クロックの中から決定されたクロックの識別情報を通知し、
    前記位相追従部が、前記クロック選択部に対して、現在出力中のクロックよりも位相を進めるか、遅らせるか、現在位相を維持するかを指示することを特徴とする通信装置。
  9. 伝送路から、1と0の交番ビット列を含む第1信号区間と該第1信号区間に続く第2信号区間とを有する信号を受信する通信装置であって、
    装置内クロックを生成するクロック発生部と、
    上記装置内クロックから、位相の異なる複数のクロックを含む多相クロックを生成する多相クロック生成部と、
    上記第1信号区間の受信信号に基いて、記多相クロックのうちのどの位相のクロックを用いて上記受信信号と同期をとるかを決定する初期位相決定部と、
    上記第2信号区間の信号に基いて、上記初期位相決定部が決定したクロックと受信信号との位相差を判定し、位相差情報を出力する位相追従部と、
    上記位相追従部から出力された位相差情報に応じて、上記初期位相決定部で決定した位相のクロック、またはそれとは別位相のクロックを選択するクロック切替え部とを有することを特徴とする通信装置。
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