JP2007141804A - 荷電粒子線装置、それに用いられるコンピュータプログラム、及び試料像観察方法 - Google Patents

荷電粒子線装置、それに用いられるコンピュータプログラム、及び試料像観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、暗視野信号に基づく画像が、適正な原子番号コントラストを備えているか否かを判断するのに好適な荷電粒子線装置、それに用いられるコンピュータプログラム、及び試料観察方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】上記目的は、入力された参照情報,明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を比較し、その相関値、或いは暗視野像が所定のコントラストを有しているか否かを判定することで実現される。このような構成によれば、暗視野像が適正な原子番号コントラストを備えているか否かを判断する情報を得ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は荷電粒子線装置に係り、特に試料内で散乱して透過した信号粒子と、試料内で散乱せずに透過した信号粒子を区別して検出して、試料内で散乱して透過した信号粒子から原子番号差に由来した試料像を得るのに好適な荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡に代表される荷電粒子線装置では、細く収束された荷電粒子線を試料上で走査して試料から所望の情報(例えば試料像)を得る。このような荷電粒子線装置の多くは、半導体デバイスの評価や不良解析に用いられている。半導体デバイスは年々微細化と多層構造化が進み、多層構造化したデバイスの不良を解析するために、デバイスを薄膜化して評価する手法が重要になっている。
薄膜試料の観察には、通常、試料を透過した透過信号を用いるが、最近では、試料内で散乱して透過した透過信号(暗視野信号)が試料の原子番号コントラストを強く反映するため、デバイスの不良解析に有効であることが知られている。
また、材料分野においても、機能性を持たすため、微細粒子上に坦持させた超微粒子
(例えば触媒)の分散状態の把握にも原子番号コントラストを強く反映する暗視野信号が有効である。
特許文献1では、試料内で散乱して透過した荷電粒子の検出器の位置を変更する機構を備えた装置を提案している。この手法では、暗視野信号の検出器を入射電子線軌道に対し上下に移動させることにより、試料内で散乱して透過した透過信号(暗視野信号)の信号取り込み角を変更することが可能である。
特開2004−214065号公報(対応米国特許公開公報US2004−214065)
暗視野信号は、試料の状況(原子番号,試料の密度,厚さ,結晶方位等)や、観察条件(電子ビーム等の加速電圧,暗視野信号取り込み角等)に応じて変化するため、例え同一試料を観察したとしても、常に原子番号コントラストを強く反映した画像が得られるとは限らない。特許文献1に開示の発明には、得られた暗視野信号に基づく画像が、適正なコントラストを備えているか否かを明確に特定する手段がなかった。
本発明は、暗視野信号に基づく画像が、適正な原子番号コントラストを備えているか否かを判断するのに好適な荷電粒子線装置、それに用いられるコンピュータプログラム、及び試料観察方法を提供することを目的とするものである。
上記目的は、入力された参照情報,明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を比較し、その相関値、或いは暗視野像が所定のコントラストを有しているか否かを判定することで実現される。
本発明によれば、暗視野像が適正な原子番号コントラストを備えているか否かを判断する情報を得ることが可能となる。
以下、発明の実施形態を図面を用いて説明する。
本例では、まず、対照画像として暗視野像と明視野像、または反射信号像あるいは組成分析結果を取得する。図1は、本例による、STEM(Scanning Transmission ElectronMicroscope)像および反射信号像の観察が可能な走査電子顕微鏡の構成例を示す概略図である。この例では、試料が対物レンズの磁極間に配置される、いわゆるインレンズタイプの対物レンズを有する電子顕微鏡について説明するが、特にインレンズタイプの対物レンズに限られることはなく、例えばシュノーケルタイプの対物レンズを適用することも可能である。
図1において、3〜6kVの電圧が印加された引き出し電極3の電界により電界放出型電子銃2から放出された電子線1は陽極4(0.5 〜30kVの電圧が印加されている)により加速され、第一の集束レンズ5(C1レンズ)によって集束され、対物レンズ絞り6でビームの不要な領域が除去される。対物レンズ絞り6を通過した電子線1は第二の集束レンズ7(C2レンズ)と対物レンズ11により細く絞られる。この細く絞られた電子線1は二段の偏向コイル8により、対物レンズ内に置かれた100nm程度の厚さの薄膜試料9上で二次元的に走査される。
薄膜試料9から出た二次電子(又は反射電子)は対物レンズ11の上方に設置された二次電子検出器10で検出される。特性X線などの組成情報は、X線検出器で検出される。二次電子検出器10で検出された電子は、増幅器で増幅され、偏向コイル8と同期した
CRT18上で走査電子顕微鏡像を形成する。
なお、図示されていないが図1の装置には、試料から後方散乱した後方散乱電子を検出する検出器が、対物レンズ11と第二の集束レンズ7との間に配置されている。後方散乱電子を検出するための検出器は、後方散乱電子の散乱軌道上に配置される検出器で直接検出しても良いし、後方散乱電子の軌道上に変換電極を備え、当該電極で後方散乱電子から二次電子に変換した後、二次電子検出器10を用いて検出するようにしても良い。
更に本例では、円環形の暗視野検出器14を対物レンズ下磁極12bに近接した位置に配置し、散乱角が50mrad以上の透過電子(弾性散乱電子)13を検出できる構造にしている。加速電圧200kVの電子線を試料に照射した場合、散乱角が50mrad以上の透過電子を検出できれば半導体試料のように重い元素(例えばCuやCoなど)を含む薄膜試料においても実用的な暗視野像を得ることができる。しかしながら、加速電圧が50kV以下になると、少なくとも100mrad以上の散乱角の透過電子を検出することが重い元素を含む薄膜試料で適正な原子番号コントラストを有する暗視野像を形成する条件となるため、本例では上述のように、暗視野検出器14を対物レンズ下磁極12bに近接配置している。
更に本例では、暗視野検出器14の下方に明視野検出器17を配置し、暗視野検出器
14と明視野検出器17の間に明視野絞り16を備え、明視野絞り16の開口を通過する明視野信号(非散乱電子+非弾性散乱電子)15を検出することにより、明視野像の観察を可能としている。
明視野絞り16は、薄膜試料の厚さ,密度,原子番号に応じて透過量が異なるため、試料が厚い場合には、S/Nをよくするため大きな孔径の明視野絞りを用い、試料が薄い場合には、高コントラストを得るため小さな孔径の明視野絞りを用いる。
暗視野検出器14は、図5に示すように円周方向に複数に分割してもよい。試料が結晶体の場合、透過電子の回折によりある特定の方向にだけに強い信号が出ることがあるが、暗視野検出器14を分割することにより、その特定の回折角の信号のみを検出しないことが可能となる。
各分割要素で検出した暗視野信号を同時に出力でき、各々の検出要素の信号を選択、もしくは演算する手段を設け、この手段により、特定の方向に散乱透過した電子のみの情報を表示しないことができるようにした。強い回折コントラストを抑制することにより、より原子番号情報に忠実な暗視野信号を得ることができる可能性がある。ここでは、暗視野検出器14を例として4分割にしているが、2分割以上なら何分割でもよく、分割数は多い方が好ましい。本例では、分割した検出素子の信号をSW1〜SW4のスイッチで選択後、SW11〜SW14で各検出素子の加減算の設定を行う。その後、信号加算回路30で選択した信号のみを加算する。この構成により、所望の検出素子の信号を選択したり、検出素子の信号を加減算した信号でSTEM像を観察することができる。
暗視野検出器14は、図1に示すように光軸に沿った方向に移動可能な構造にし、半導体試料に含まれる重い元素(例えばタングステンやCu等)で大きく散乱した透過電子を検出する場合には、暗視野検出器14を対物レンズ下磁極12bに近接した位置に移動し、軽元素主体の試料(例えば生物試料)を観察する場合(散乱角の小さい透過電子を検出する場合)は、暗視野検出器14を対物レンズ磁極から離した位置に移動する。これにより、暗視野検出器14で検出される透過電子の散乱角範囲を任意に変更することができる。
なお、暗視野信号の取得は上記実施例に限らず、また、信号取り込み角は必ずしも制御しなくても良い。一般的なSTEM装置のように、対物レンズ下方に配した制御レンズにより検出される暗視野信号の取り込み角を制御しても良く、また、特開平7−169429号のように、明視野像用と暗視野像用の絞りを共通の絞り台に保持させ、この絞り位置を切り替えることによって1つの検出器で暗視野信号と明視野信号を切り替えて取得しても良い。
このとき絞りのサイズを変更すれば検出される暗視野信号の取り込み角を制御できる。また、特開平6−139988号に記載のように、カメラのシャッターに似た機構を持つ絞りを多段に配置し、散乱角の範囲を選択した画像を取得しても良い。さらには暗視野信号をいったん変換部材に衝突させて、変換部材で発生する二次信号を検出する信号検出手段において、信号変換部材の形状を変更、あるいは部材近傍の電位を制御することによっても、暗視野信号の取り込み角を制御できる。
また、明視野信号の取得も上記実施例に限らず、信号取り込み角は必ずしも制御しなくても良い。例えば、明視野信号検出器の位置は電子線入射方向から見て試料の下方であれば、必ずしも暗視野信号検出器の下方に設置されなくても良い。また、信号取り込み角を制御する場合には、検出器上部、光軸中心に絞りを配しても良いし、異なる孔経を有する多段絞り切り替え、任意の孔を光軸中心に配しても良い。
なお、本例では図示しない制御装置が備えられ、図1の走査透過電子顕微鏡を制御している。当該制御装置は、走査透過電子顕微鏡を構成する各光学素子を制御すると共に、各検出器によって検出された電子に基づいて形成される画像を登録するためのフレームメモリが備えられる。このフレームメモリは、二次電子像,後方散乱電子像,暗視野像、及び明視野像の各画像を登録可能なように構成されている。更に、当該制御装置には、フレームメモリに登録された画像同士を比較するためのプログラムが組み込まれている。当該プログラムは、画像比較のみならず、走査透過電子顕微鏡の各光学素子を制御するために用いられても良い。更に、画像同士を比較するために、例えば2枚の画像の相関を確認するための正規化相関処理を行うようにプログラムされている。
正規化相関法では、2枚の画像について1画素ずつ全面、或いは所定の領域の範囲で、2枚の画像間の一致度合を求める。相関値が最大となる1の画像の位置から、他の画像の一致する位置が求められる。1の画像の点(i,j)における画素値をMij、他の画像の対応する点(X+i,Y+j)の画素値をPijとし、1の画像の全体、或いは所定領域の範囲の構成画素数をNとすると、1の画像の他の画像上の位置(X,Y)における両画像の正規化相関係数r(X,Y)は(1)式によって求められる。
Figure 2007141804
正規化相関は、2つの画像の画素値の差を算出するような手法であり、位置ずれの検出や、画像間の相違を確認するのに好適な手法である。なお、以下の説明では、2つの画像を比較する手法として、上述した正規化相関法を用いる例について説明するが、これに限られることはなく、複数の画像の違いを数値化できる画像処理法であれば、本例の画像比較法として適用が可能である。
なお、本例は制御装置が電子顕微鏡と一体、或いはそれに準ずるものとして説明したが、無論それに限られることはなく、電子顕微鏡鏡体とは別に設けられた制御装置で以下に説明するような処理を行っても良い。その際には検出器で検出される検出信号を制御装置に伝達したり、制御装置から走査電子顕微鏡のレンズや偏向器等に信号を伝達する伝達媒体と、当該伝達媒体経由で伝達される信号を入出力する入出力端子が必要となる。
また、以下に説明する処理を行うプログラムを記憶媒体に登録しておき、画像メモリを有し走査電子顕微鏡に必要な信号を供給する制御装置で、当該プログラムを実行するようにしても良い。以下の説明は画像プロセッサを備えた荷電粒子線装置に採用可能なプログラム、或いはプログラムプロダクトの説明でもある。
以下に、暗視野信号と、その他の信号(後方散乱電子像,明視野信号,参照情報)を比較することによって、暗視野像が適正なコントラストを備えているか否かを判断する手法について説明する。
図4は、暗視野像の適否を判断するためのフローチャートである。まず、参照画像の撮影条件を設定する(ステップ1)。ステップ1では、暗視野像の比較の対象としての明視野像,後方散乱電子像、その他の参照画像を取得するための装置条件を設定する。例えば装置の光学条件(電子線の加速電圧,観察倍率,レンズフォーカス等)が設定され、更に暗視野像の比較対象として、明視野像,後方散乱電子像、或いはその他の参照画像のいずれかを選択する。
次に、明視野像,後方散乱電子像、或いはその他の参照画像を取得する(ステップ2)。更に評価用の画像である暗視野像の撮影条件を設定する(ステップ3)。この撮影条件の1つとして、暗視野信号の取り込み角が挙げられる。そして暗視野像を取得する(ステップ4)。
次に、暗視野像と選択された画像(例えば明視野像)との位置合わせを行い(ステップ5)、両者の相関を計算する(ステップ6)。試料がない部分(背景)が真暗となり、試料で散乱した部分が明るくなるのが暗視野像であり、試料のない部分が明るく輝くのが明視野像である。両者のコントラストは逆転した状態にあるため、両者の相関は低いものとなる。
このような条件を利用すると、両者の相関値が或る閾値を下回ったときに、暗視野像が適正に形成されていると判断することができる。なぜなら、両者の相関が高いということは、上述のようなコントラストの逆転現象が十分におきていないことを意味するためであり、暗視野像が適正に形成されていないと判断できるからである。
図2は、STEMによる明視野像と暗視野像の撮影例である。図2a)は、参照画像として取得された明視野像である。図2b),c)は、暗視野像であるが図2b)は原子番号コントラストが不十分な画像、図2c)は、原子番号コントラストが適切な画像である。これらの画像を見ても判るように、図2b)の暗視野像は、図2a)の明視野像と比較すると、例えば画像中心部分でのコントラストに明確な違いがない。それに対して図2c)では、コントラストに明確な違いがある。
この関係をグラフ化したものが図3である。図2b)と比較すると、明らかに図2c)は相関値が低いことが判る。
よって、以上の理由から、相関値がしきい値を上回っている場合は、適正な暗視野像が取得されていないので、再度撮像条件を設定しなおし、評価画像を取得するようにする
(ステップ7)。
なお、評価画像の取得条件であるが、信号取込角の範囲(内角および外角の値)を設定する。または、暗視野信号検出器においてより信号検出量が多い内側(狭角側)の信号取込角を設定する。あるいは信号取込角を制御することにつながる操作を行うことにより実現する。信号取込角を制御することにつながる操作としては、例えば、本例では暗視野信号検出器を光軸に添って上下する。あるいは薄膜試料の位置を光軸に添って上下させて試料を観察する際の対物レンズの磁場強度を変更するなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。また、その他の評価画像の像コントラストを変化させる要因を評価画像の取得条件として設定しても良い。一例としては電子線1の加速電圧が上げられる。加速電圧を上げた場合には電子線と試料の相互作用が小さくなり、同じ信号取込角でもより原子番号差に由来した像コントラストを得ることができる。
図6は目的とする像コントラストを有する評価画像が得られるまで評価画像の取得条件を変更しながら、測定を繰り返す場合のフローチャートである。まず参照画像取得条件を設定し(ステップ1)、参照画像を取得する(ステップ2)。その後評価画像取得条件を設定するが(ステップ3)、この時、例えば暗視野信号取込角初期値と合わせての変更ステップも予めセットする。その後、暗視野像を取得し(ステップ4)、位置合わせ(ステップ5),相関値を計算する(ステップ6)が、ここで相関値がしきい値を上回っている場合には、ステップ3で定めた割合(度合い)で設定値を変更した後(ステップ8)評価画像を取得することを、相関値がしきい値を下回るまで繰り返す。ここではステップ3で設定する信号取込角は狭角側から広角側に設定を変更する前提の説明を述べたが、広角側から狭角側に設定を変更しながら画像を取得してもよい。この場合は、しきい値を上回るまで測定を繰り返し、相関値がしきい値を上回る直前の条件設定で取得した画像(相関値はしきい値を下回る)を最終目的画像としてもよい。なお、図示されていないが、設定した複数の評価画像取得条件(例えば信号取込角の変更条件)で評価画像の取得を繰り返した後、それぞれの画像で参照画像との位置合わせ、相関値計算を行って、相関値が最も小さい画像を目的とする画像として選択してもよい。また、最終目的画像として閾値を下回る相関値を有する画像の中で最も大きな相関値を有する画像を選択しても良い。相関値と暗視野信号画像のS/Nには正の相関が認められることが多いため、この場合には目的とする像コントラストを有し、かつ高S/Nな画像を最終画像として選択することができる。
ここで、暗視野信号と明視野信号または反射信号を比較する上では、視野ズレなく同一位置で信号取得することが望ましいため、異種信号を同時に検出し、それぞれの画像を独立して保存する手段があると良い。図7は参照画像と評価画像の信号を同時に検出する場合の操作フローである。まず参照画像の次に評価画像の撮影条件を設定する(ステップ1および2)。次に参照画像と評価画像の信号を同時に取得する(ステップ3:ただし、それぞれの画像は個別に一時的に保存する)。評価と参照画像の位置合わせ(ステップ4)、相関値計算の後(ステップ5)、相関値がしきい値を上回る場合にはステップ2で定めた条件で設定値を変更した後(ステップ7)評価参照画像を取得することを相関値がしきい値を下回るまで繰り返す。なお、図示されていないが、設定した複数の評価画像取得条件で評価画像の取得を繰り返した後、それぞれの画像で参照画像との位置合わせ相関値計算を行って相関値が最も小さい画像または相関値が閾値を下回る範囲で最大の画像を目的の画像として選択しても良い。このとき、参照画像は評価画像取得時同時に得られる参照画像を用いてもよいが、複数回繰り返し取得された参照画像の中の一枚を指定し、全ての評価画像を指定された参照画像と比較するようにしてもよい。若干視野ズレがある場合には、上述のように正規化相関などの画像相関法で補正すればよい。また、画像相関法での視野ズレ補正が上手く適応しない場合には、画像中の特徴点を作業者が指定した後、特徴点が一致するよう位置補正させても良い。
位置補正後の相関値計算は参照画像(明視野像)と評価画像(暗視野像)の画像全体領域で相関値を比較すればよい。また、明視野像では、特定位置に於いては回折コントラストにより組成が同一でもコントラストが異なる領域が存在するため、このような画像領域を予め省く、あるいは領域指定をしてその部分のみ平均化したコントラストで相関値を求めるなどの工夫をしても良い。
更に参照画像として、実際に撮像された明視野像や後方散乱電子像ではなく、擬似的に作成した画像や、過去に撮影された同種の画像を、図示しない入力装置を用いて上述の制御装置に入力し、暗視野像と比較するようにしても良い。
例えば参照画像として取得した明視野像或いは暗視野像(必ずしも原子番号コントラストを有していなくて良い)で同視野内の組成の異なる複数領域で領域指定をした後、それぞれの領域の平均原子番号を入力あるいは平均原子番号順に領域を指定し、評価画像内の同一領域における像コントラストが平均原子番号順に(重元素ほど)明るくなっているか否かを比較するようにしてもよい。
以下に透過電子の散乱角領域予測シュミレーションに基づく観察条件決定が可能な装置について、図面を用いて説明する。
実施例1では、主に、得られた暗視野信号に基づく画像が適正なコントラストを有しているか否かを、評価用の暗視野像を予め取得しておいた上で、明視野像と比較することについて説明されている。この評価用の暗視野像を取得するためには、透過電子像に関する知識や、装置光学系の原理をおおよそ把握しておく必要がある。
また、評価用暗視野像を取得した際の条件が、理想的な条件と異なる場合には、最適観察条件に達するまでの画像枚数が多くなるため、試料へのビームダメージや試料汚染のリスクを踏まえて効率よく最適観察条件まで到達する必要がある。
また、評価画像の取得ならびに、画像取得条件の変更に時間を要する場合もある。
以下に、暗視野信号に基づく画像が、適正な原子番号コントラストを備えるための最適な観察条件を導出するのに好適な荷電粒子線装置、それに用いられるコンピュータプログラム、及び試料観察方法を説明する。
本例では、特に透過電子の散乱角領域予測シュミレーションを用いた観察手法の提案によって、試料を透過する電子の挙動を予想し、その予想値から最適な光学条件を導出することについて説明する。
先ず、電子が試料を透過する際の散乱角領域をシミュレーションする計算モデルについて説明する。
固体試料への電子ビーム照射において、電子は散乱を受けながらその固体内を侵入する。その電子軌道のシミュレーションにモンテカルロ(MC)手法がよく使われる。そのシミュレーション・モデルについては、文献1に開示されている。以下では、薄膜試料における電子軌道の計算モデルについて図8を用いて簡単に説明する。
電子は薄膜試料表面上の点P0 に入射し、点P1,P2,P3 にて弾性散乱を受けてその進行方向を変え、最後に裏面上の点P4 から透過電子となって透過する。各弾性散乱における散乱角φは、スクリーン・クーロン・ポテンシャルを用いて算出された微分散乱断面積dσ(φ)と第一の乱数(範囲0−1から発生させる一様乱数)R1 を用いて計算する。
Figure 2007141804
Figure 2007141804
ここで、σT は全散乱断面積である。散乱後の電子進行方向の回転角ψは、別に発生させた第二の一様乱数を用いて決定する。
Figure 2007141804
次の弾性散乱までの行路長Lは、第3の一様乱数R3 と平均自由行程λを用いて決める。
Figure 2007141804
Figure 2007141804
ここで、Naはアボガドロ数、ρは試料の密度、σTは全散乱断面積である。また、この行路長Lを進む間に非弾性衝突により運動エネルギーを失う。そのエネルギーの損失能はBethe の式の拡張版から算出できる。σT は、試料の原子番号Z2が大きいほど、また衝突電子の運動エネルギーEが小さいほど大きくなる特徴を持っている。dσ(φ)およびσTの具体的計算には上記式を利用した。
こうして、電子が試料の裏面から透過,表面に戻りそこから脱出、あるいはエネルギーが低下して試料内で停止するまで、弾性散乱,行路長分の前進、および非弾性散乱によるエネルギー損失を繰り返して計算をすすめる。これが、単一散乱を基本としたMCモデルである。また、入射電子数を多くすることにより、電子の平均的な振る舞いの特徴を抽出することができる。
本STEM画像のコントラスト計算では、垂直入射の電子に対して、透過電子の深さ方向である光軸Zからの散乱角θの分布F(θ)を計算した。透過電子のZ軸に対する散乱角θの単位立体角当たりの透過電子強度をP(θ)とすると、P(θ)とF(θ)の間には次式の関係がある。
Figure 2007141804
円環状のDF検出器における透過電子の検出散乱角の範囲をθ1からθ2の範囲とすると、その透過電子検出強度I(θ1,θ2)は次式から計算できる。
Figure 2007141804
ただし、試料構成元素情報に関しては既知とし、複合材料に対しては原子濃度で重み付けした平均原子番号の物質を仮定してMC計算する。より高精度計算が必要な場合は、平均化せずに複合材料の中での個々の構成元素の原子との衝突に全断面積と原子濃度との積を重み付けした確率を持ち込みMC計算する。
次に実試料を用いてシミュレーションした例を挙げる。
図9は銅配線の断面(厚さは約100nm)をSTEM(加速電圧30KV)により撮影した明視野像と暗視野像の例である。図9(a)は参照画像として取得された明視野像であり、図2b)〜d)は検出角度領域をそれぞれ変更した時の暗視野像である。銅配線を構成している元素種は配線部のCu,バリアメタル部のTa,その周囲を充填しているSiO2 と3種類から構成されている。また、この暗視野像図9(b)〜(d)3種の中で原子番号を反映したコントラスト(原子番号コントラストOK)となるのは、最も重元素であるTaが最も明るく表示されている図9(d)である。
逆に、図9(b)(c)は同一視野を観察したにも関わらず、原子番号を反映していないコントラスト(原子番号コントラストNG)となっている。
この厚さ100nmの銅配線を30keVのエネルギーを持つ電子が透過する際の散乱角領域を各構成元素について該当シミュレーションプログラムにより計算した結果を図
10に示す。図10は各構成元素についてのシミュレーション結果を並列化したもので、縦軸を散乱角の単位立体角あたりの信号強度とし、横軸を散乱角領域とした。また、図中の選択領域(1),(2),(3)は、各暗視野像図9(b)(c)(d)の撮影時に検出した散乱角領域を示すものである。
次に、得られたシミュレーション結果と暗視野像コントラストとの関係について説明する。図9(b)〜(d)の暗視野像のコントラストは、該当する散乱角領域内にて検出された信号総量から説明することができる。図11は各検出領域(1)(2)(3)それぞれで検出される信号総量を(式8)にて計算し、その相対強度を構成元素毎に比較したものである。
(1)の検出領域では、SiO2 (平均原子番号:10)を透過した電子の検出量が最も多く、次いでCu,Taの順に信号量が減少する。この検出領域(1)に対応する図9(b)の暗視野像では、SiO2 が最も明るく、次いでCu,Taの順に暗くなるというコントラストである。図9(c)(d)も同様、検出領域で得られた各元素の信号総量を反映した暗視野STEM像となっている。この事から、各元素の信号総量が高ければ明るいコントラストとなり、低ければ暗いコントラストとして画像に反映されている事が分かる。
散乱角の小さい範囲(例えばゼロから10mradの範囲)明視野STEM像において、検出信号総量は試料元素の原子番号Zが小さいほど強くなる特徴がある。以後、明視野STEM像と暗視野像のZコントラスト依存性比較において、定性的に同じZ依存性を示す場合を両像間に“正の相関”があると呼ぶ。一方、暗視野像はZが小さいほど検出信号総量が強くなり、明視野像のZコントラスト依存性と逆傾向になる場合は、両像間に“負の相関”があると呼ぶ。
明視野像と負の相関の暗視野像を得るには、つまりZの高い順に明るいコントラストを得るためには、評価対象の暗視野像において、Zが大きいほど信号総量画大きくなる検出角度領域を選択すればよい。
この銅配線試料の場合は、平均原子番号順がTa(73)>Cu(29)>SiO2(10)であるため、信号総量がTa>Cu>SiO2 の順となる散乱角領域(3)を検出する条件を設定すればよい。
今回は散乱角領域選定の例として検出角度領域を(1),(2),(3)に限定した説明をしたが、信号総量がTa>Cu>SiO2 の順となる散乱角領域は(3)に固定されない。原子番号コントラストを得るための領域が複数ある中で最適な領域を選出する場合、該当する条件中から最も高コントラストで、かつ信号総量の多い(つまり、SN比が良くなる)領域を選出すれば良い。今、元素AとBの信号総量をそれぞれIaとIb(ただし、IaIb)とすると、通常、コントラスCは、次式で定義される。
Figure 2007141804
しかし、画像上では、その画像強度として信号総量の相当量をとるので、画像コントラストは信号総量の差(Ia−Ib)の大小で議論するので便利であり、以後これに従う。
以下、コントラスの高い像の取得条件について述べる。多数の元素(A,B,Cなど)から構成される試料の場合、元素A−B間のコントラストが最大となるようにすると、B−C間のコントラストが最大とはならない場合が出てくるはずである。もし、注目する元素の指定が特にない場合は、デフォルトとして以下のような手法をとるように設定しておけばよい。
例えば、A,B,C,D,E(平均原子番号はA>B>C>D>E)から構成される試料(観察視野)の隣接する各原子番号差(A−B,B−C,C−D,D−E)を比較した結果、A−Bの原子番号差が最大である場合、シミュレーションより得た原子番号コントラスト取得条件(信号総量の関係がA>B>C>D>Eとなる条件)の中で、A−B間の信号総量の差が最大となる条件を選択する。つまり、原子番号差が最大となる2元素を基準とし、その2元素間のコントラストが最も顕著に反映される条件を選択するようなしくみとする。ただし、試料構成物質が複合材料の場合は原子濃度で重み付けした平均原子番号の物質を仮定して比較する。
また、特に注目したい元素差がある場合、その元素差を指定し、両元素のコントラストが強調される(=検出信号量の差が最大となる)条件を選出するようにする。これについては下記に詳述する。
ここでは、重元素と軽元素数種が混合している試料としてSRAMを例にあげて説明する。
図12に示す試料(SRAM)はW,CoSix,PolySi,SiO2 ,SiNなどにより構成されており、この中ではWが極端に重い元素である。このWを含む全ての元素種について原子番号を反映するコントラストを得るためには、高角度の散乱領域を検出する必要がある。しかし、その場合はMOSトランジスターゲート部(〇部)におけるコントラストがS/N不足により低下してしまう。
そのため、これら軽元素のコントラストに着目する場合は、比較的低角度の散乱領域を検出する必要がある。この場合は、シミュレーションに用いる元素種はW等を除外した注目する軽元素種のみに限定することで、目的とする元素種についての原子番号コントラストを得ることができる。この場合、注目したい元素について指定するか、不必要な元素のみを除外するようにしても良い。
このように試料の中で特に着目したい複数の元素種について原子番号を反映したコントラストを得たい場合は、試料構成元素の全てについて計算するのではなく、その注目したい元素にのみ限定することにより実現可能である(しかし、この場合は明視野像との比較による像質の判定は不可能である。これを回避するためには、画像内に着目したい元素のみが入るように留意すれば良い。)。
また、本シミュレーションでは試料情報として試料構成元素に加え試料の厚さを入力する必要があるが、この入力値が実試料と大きく異なる場合も、理想観察条件と大きく異なってしまうため、結果的に試料ダメージや汚染および作業効率が低下する原因となる。特に未知試料を観察する場合や、試料情報が曖昧な場合などは誤差が発生する可能性が高い。これを防ぐ手段として、下記の手法などを併用する。
薄膜試料の厚さを予め正確に測定し(薄膜試料の断面方向からSEMなどで観察する)、実際に測定した試料厚さをシミュレーションに入力(又は自動的に反映)することで大きな誤差の発生を防ぐことができる。
加えて、観察前に装置内で構成元素を定性できる手法(EDX分析など)があれば、事前に試料の構成元素を特定し、その元素種を用いて計算することによって大きな誤差の発生を未然に防ぐ事が可能である。
これらの手法を組み合わせることにより、試料情報が曖昧である場合や、もしくは全く不明である場合でも、より正確でかつ撮影枚数を最小限に抑えた(試料へのダメージや汚染を抑えた)画像取得が可能となる。
図13は上記したシミュレーションを用いた原子番号コントラスト像取得条件の導出手法を、実施例1で説明したコントラストの判定機構と組み合わせた時の処理フローを示すものである。まず、シミュレーションに使用する数値を入力する(ステップ1)。ここで入力する情報は、1)評価試料の構成元素2)試料厚さ3)観察に用いる電子線の加速電圧値の少なくとも3項目である。入力値で実施したシミュレーション結果から、評価試料に対する理論的な最適観察条件を導出し(ステップ2)、その観察条件となる様に装置を制御する(ステップ3)。このときステップ2とステップ3の間で、導出された観察条件を一旦画面上に表示し、その条件での観察を許可するかどうか選択できるようにしても良いし、自動的にフローを進めても良い。どちらにも設定できることが望ましい。
装置条件の変更が完了後、参照画像と評価画像を取得する(ステップ4)。このときの、画像の焦点や非点及び明るさやコントラスト等の調整は、フロー開始前に実施しておけば画像取得までの手順を全て自動化させることができるが、ステップ4の直前にフローを一時停止し、再度調整可能としておく方が望ましい。また、装置内にそれらを自動的に制御できる機能(オートフォーカス,オートスティグマ,オートブライトネスコントラストコントロール等)がある場合は、これらを併用することで更なる自動化が可能である。これらの適用に関しても、任意に設定可能とする。
得られた画像の相関値計算(ステップ5)及び、相関値から画像コントラストを判定
(ステップ6)する内容に関しては、実施例1に記載した通りの手法通りとする。
ステップ6で相関値が設定された閾値を下回れば、原子番号コントラストが得られていると判断できるためフローは終了である。逆に閾値を上回れば、観察条件を変更しながらステップ4〜6を繰り返し、下回るまで行われる。
ここで、該当演算された相関値が閾値を上回った場合に、光学条件を調整する手法について記述する。相関値が閾値を上回る(=原子番号コントラストを取得することができていない)場合は以下のことが原因であると考えられる。
(ケース1)最適な散乱取込角領域よりも大幅に低角度の散乱領域を検出している。
(ケース2)最適な散乱取込角領域よりも大幅に高角度の散乱領域を検出している。
ケース1の場合、得られた暗視野像は画像の一部もしくは全体が明視野像と同等のコントラストとなる。そのため、画像に明視野像の情報(コントラスト)を含んでいるかを検知する機構を持たせ、もし検知した場合はより高角度の散乱領域を検出する光学条件となるように調整すれば良い。また、明視野情報を検知した場合に、検出領域をどの程度高角度側にシフトするかは予め設定可能とし、自動的に光学条件を調整するしくみにすれば良い。明視野像の情報を検知するしくみとしては、評価画像(暗視野像)と参照画像(明視野像)のラインスキャンを実施し、両者の波形パターンが一致もしくは類似するような場合が明視野像の情報を含んでいると判断することができる。ラインスキャンする場所や本数の設定は手動でも自動でも可能である事が好ましい。
ここで、参照画像はBSE像でも良い。この場合は評価画像と波形パターンが一致もしくは類似する場合に原子番号コントラストを有している事となる。また、画像の相関関係から像コントラストを判定しても良い。
ケース2の場合、得られた暗視野像はS/Nが大きく不足してしまうため、得られる像は暗く、低コントラストとなる。そのため、このような画像が得られた場合は、より低角度の散乱領域を検出する光学条件となるように調整すればよい。これには、画像全体のシグナル強度が規定値を下回った場合や、評価画像(暗視野像)と参照画像(明視野像)のラインスキャンを実施した時に、明視野像でコントラスト(シグナル強度)差が得られている部位でもシグナル強度が得られていないまたは弱い場合を低S/Nと判断する機構を備えることで検出可能である。この場合も、ラインスキャンする場所や本数の設定は手動でも自動でも可能である事が好ましい。
上記した手法を全て駆使し、なるべく自動化させることを考えれば、シミュレーションに用いる試料情報と観察条件の入力のみで目的画像の取得を完了する事ができる。図14は画像取得までをなるべく自動化させたときのフローチャートを示したものである。手動で実施する必要があるのは試料情報と観察条件の入力(ステップ1)のみで、それ以外の処理は全て自動化されており、前述と同様原子番号コントラストを有する暗視野STEM像が得られるまでステップ4〜7が繰り返される。
本例は特に電子線を100kV以下で加速し、暗視野像および明視野像を表示する表示手段を持つ電子線装置において、特に有効である。
走査透過電子顕微鏡の構造の一例を示す図である。 走査透過電子顕微鏡で取得された明視野像と暗視野像の一例を示す図である。 参照画像と暗視野像を比較したときの相関を示すグラフである。 暗視野像の適否を判断するためのフローチャートである。 暗視野検出器の一例を示す図である。 目的とする像コントラストが得られるまで測定を繰り返す例を説明するフローチャートである。 参照画像と評価画像の信号を同時に検出する場合の処理フローを示す図である。 モンテカルロシュミレーションの概要を説明する図。 銅配線の暗視野像と明視野像の一例を説明する図。 透過電子の散乱のシュミレーション結果の一例を説明する図。 領域(1)(2)(3)の信号総量の比較を説明する図。 SRAMの明視野像と暗視野像の一例を説明する図。 画像取得までの一連の流れを説明する図。 自動化に好適な画像取得までの一連の流れを説明する図。
符号の説明
1…電子線、2…電界放出型電子銃、3…引き出し電極、4…電子を加速する陽極、5…第一の集束レンズ、6…対物レンズ絞り、7…第二の集束レンズ、8…偏向コイル、9…薄膜試料、10…二次電子検出器、11…対物レンズ、12a…対物レンズ上磁極、
12b…対物レンズ下磁極、13…暗視野信号(弾性散乱電子)、14…暗視野検出器、15…明視野信号、16…明視野絞り、17…明視野検出器、18…像観察用CRT、
30…信号加算回路。


Claims (13)

  1. 荷電粒子源と、
    当該荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系を備えた荷電粒子線装置において、前記試料内で散乱した透過電子、或いは前記試料から後方散乱した電子に基づいて、明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を形成する制御装置が備えられ、当該制御装置は、前記明視野像或いは前記後方散乱電子像と、前記暗視野像を比較して、明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像の相関を演算することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御装置は、前記明視野像或いは後方散乱電子像と、前記暗視野像の相関値が、閾値を下回っているか否かを判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2において、
    前記制御装置は、前記相関値が、閾値を下回っている場合に、前記暗視野像が適切なものと判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項2において、
    前記制御装置は、前記相関値が、閾値を上回っている場合に、前記暗視野像が不適切なものであると判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 荷電粒子線装置によって検出された透過電子、及び/又は後方散乱電子に基づく信号を受けて、試料の明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を形成する制御装置に用いられるコンピュータプログラムにおいて、前記明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を比較して、その相関を演算するようなシーケンスを備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
  6. 試料に荷電粒子線を走査して、当該試料を透過した電子に基づいて、前記試料の明視野像或いは後方散乱電子と、暗視野像を形成する試料像形成方法において、前記形成された明視野像或いは後方散乱電子像と、暗視野像を比較して、その相関を演算し、当該演算された相関値が、閾値を上回った場合、前記荷電粒子線の光学条件を調整することを特徴とする試料像形成方法。
  7. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系を備えた荷電粒子線装置において、前記試料内で散乱した透過電子に基づいて暗視野像を形成する制御装置と、前記制御装置は、当該制御装置に登録される参照情報と前記暗視野像を比較し、前記暗視野像が、所定のコントラストを有するか否か判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7において、
    前記参照情報は、前記試料を透過した電子を検出することによって形成される明視野像、前記試料から後方散乱した後方散乱電子を検出することによって形成される後方散乱電子像、或いは前記制御装置へ情報を入力する入力装置によって入力される試料情報であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項7において、
    前記制御装置は、前記暗視野像と前記参照情報を比較して、当該暗視野像が、参照情報に対して、所定のコントラストを有するか否かを判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系を備えた荷電粒子線装置において、前記試料内で散乱した透過電子、或いは前記試料から後方散乱した電子に基づいて、暗視野像を形成する制御装置が備えられ、当該制御装置は、前記透過電子の散乱シュミレーション結果を記憶していることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項10において、
    前記制御装置は、前記散乱シュミレーション結果に基づいて、前記暗視野信号の取得条件を調整することを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項10において、
    前記制御装置は、前記試料の構成元素及び装置条件に基づいて、前記各構成元素を透過した電子の深さ方向の散乱角と、散乱角の単位立体角当たりの透過電子強度を推定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項10において、
    前記制御装置は、前記各構成元素の信号強度を比較することによって、前記暗視野像のコントラストを予測することを特徴とする荷電粒子線装置。
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