JP2007141600A - 燃料電池構成部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池構成部品の基材の表面に所望パターンの金属メッキ層を正確に形成可能な燃料電池構成部品の製造方法を提供する。また、基材の表面に金属メッキ層が正確にパターニングされた燃料電池構成部品を提供する。
【解決手段】凹凸が付与されたプレート状基材1を準備する。基材1の凹部及び凸部の表面(2a,3a,3b)を疎水性物質で疎水化し、疎水層4を形成する。光触媒リソグラフィー又は光触媒走査により、前記疎水化された凹部及び凸部の表面のうちの凸部頂面2aを覆っている疎水性物質を分解して親水化することにより、凸部頂面2aに親水層5を形成する。最後に、この基材1を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている凸部頂面2aに金属メッキを選択的に施し、金属メッキ層6を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池を構成する部品(燃料電池構成部品)の製造方法に関し、特に燃料電池構成部品の表面の一部に対し選択的に金属メッキを施す技術に関する。また、その方法によって製造される燃料電池構成部品に関するものである。
一般に燃料電池は、電池セルとセパレータとを交互に配置・積層したものを端子板(ターミナルプレート)及び絶縁板を介して一対のエンドプレート間に挟着保持してなる燃料電池スタックから構成されている。そして、例えば金属製のセパレータにあっては、耐食性向上及び接触抵抗低減を目的としてセパレータ表面に貴金属メッキが施されることが多い。また、貴金属の使用量を極力減らすために、貴金属メッキの範囲をセパレータ表面の一部に限定する等の工夫もされている。
従来、セパレータ表面の一部に金属メッキを施す場合、メッキを施さない部分には予めマスキング材(例えばマスキング治具やマスキングテープ)でマスキングを施し、マスキング材付きのセパレータ基材をメッキ液中に浸してメッキ処理を行った後、マスキング材を取り除くことにより、セパレータ表面の必要部位にだけ金属メッキを施していた(特許文献1の第0007段落参照)。しかし、マスキング材を使ったメッキ処理では、基材表面とマスキング材との間の微妙な隙間にメッキ液が浸入したり、メッキ液中でマスキング材が剥がれたりするといったトラブルに見舞われ易く、狙い通りに金属メッキのパターニングを行うことが難しい。また、メッキパターンが複雑化するとマスキング材では対応できない。その他にも様々な不都合がある(特許文献1の第0008段落参照)。
特許文献1は、マスキング材を使用しない燃料電池用プレートの表面処理方法を開示する。特許文献1の方法によれば、溝部が形成されたプレート(基材)の全面に撥水性樹脂を塗布してコーティング層を形成し、溝部を除くプレート外表面に形成されたコーティング層をスクレーパー等の除去具を用いて機械的に除去してプレート外表面を露出させ、この露出部分に上記撥水性樹脂に付着しない金属材料をめっきしてメッキ層を形成するという手順を採用している(特許文献1の請求項4,第0012〜0014段落,図6,図7参照)。しかしながら、溝部を除くプレート外表面(つまり山部頂面)に付着している樹脂をスクレーパー等で機械的に除去する際に、溝部の内壁面(つまり山部の垂直側面)を覆っている樹脂がスクレーパー等による引っ張り作用を受けて付着面に対する密着力が低下するおそれがある。密着力が低下した樹脂層の一部が剥がれたり千切れたりすると、樹脂の剥離片や切断片が溝部(即ちガスや水の流路)に詰まって、燃料電池の発電性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
特開2000−353532号公報
本発明の目的は、従来とは全く異なる手法により、燃料電池構成部品の基材の表面に所望パターンの金属メッキ層を正確に形成可能な燃料電池構成部品の製造方法を提供することにある。また、基材の表面に金属メッキ層が正確にパターニングされた燃料電池構成部品を提供することにある。
請求項1の発明は、燃料電池構成部品の基材の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、光触媒リソグラフィー、光触媒走査、コロナ放電処理又はプラズマ処理により、前記疎水化された基材表面のうちの一部を選択的に親水化する選択的親水化工程と、疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている基材表面の一部に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなることを特徴とする燃料電池構成部品の製造方法である。
請求項2の発明は、凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品の製造方法であって、前記基材の凹部及び凸部の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、光触媒リソグラフィー又は光触媒走査により、前記疎水化された凹部及び凸部の表面のうちの凸部頂面を選択的に親水化する選択的親水化工程と、疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている凸部頂面に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなることを特徴とする燃料電池構成部品の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の燃料電池構成部品の製造方法において、前記光触媒リソグラフィー又は光触媒走査は、光触媒を凸部頂面に接触させた状態又は凸部頂面との距離が100μm以下になるように非接触にて近接配置させた状態で当該光触媒に対して光を照射するものであることを特徴とする。また、請求項4の発明は、請求項3に記載の燃料電池構成部品の製造方法において、前記疎水性物質は、シランカップリング剤又は疎水性チオールであり、前記光触媒は、酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化タングステンから選択される光触媒であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品であって、前記基材に付与された凹部の表面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールを結合することによる疎水層が形成され、前記基材に付与された凸部の頂面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールの結合後にこれを光触媒で分解することによる親水層が形成され、その親水層の上には金属メッキ層が形成されていることを特徴とする燃料電池構成部品である。
なお、本発明の各構成要件の意義、本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件については、後記「発明を実施するための最良の形態」の欄で更に説明する。
請求項1〜4の燃料電池構成部品の製造方法によれば、基材の表面を疎水化した後、疎水化された表面のうちの一部(又は凸部頂面)を選択的に親水化し、更にその後に当該基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、疎水化された部分にはメッキが施されず親水化された部分にだけメッキが施されるという現象を利用して、親水化された基材表面の一部(又は凸部頂面)にだけ金属メッキが選択的に施される。従ってこの方法によれば、燃料電池構成部品の基材の表面に所望パターンの金属メッキ層を正確に形成することができる。また、本方法では、光触媒リソグラフィー、光触媒走査、コロナ放電処理又はプラズマ処理といった手法による疎水性物質の化学分解に基づき、疎水性物質で疎水化された表面のうちの一部(又は凸部頂面)を選択的に親水化するため、従来例が有するような欠点(例えば撥水性樹脂の密着力低下等)がない。
請求項5の燃料電池構成部品によれば、基材に付与された凸部の頂面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールの結合後にこれを光触媒で分解することによって形成される親水層の上に金属メッキ層を形成したので、金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に基材を浸漬するという通常のメッキ手法により、基材の凸部頂面にだけ金属メッキ層を正確にパターニングすることができる。また、基材に付与された凹部の表面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールを結合することによる疎水層を形成したので、当該凹部を水はけの良好な流通路として機能させることができ、電池性能の向上を図ることができる。
本発明に従う燃料電池構成部品の製造方法は、燃料電池構成部品の基材の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、光触媒リソグラフィー、光触媒走査、コロナ放電処理又はプラズマ処理により、前記疎水化された基材表面のうちの一部を選択的に親水化する選択的親水化工程と、疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている基材表面の一部に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなるものである。
より好ましくは、凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品の製造方法であって、前記基材の凹部及び凸部の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、光触媒リソグラフィー又は光触媒走査により、前記疎水化された凹部及び凸部の表面のうちの凸部頂面を選択的に親水化する選択的親水化工程と、疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている凸部頂面に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなるものである。
燃料電池構成部品としては、燃料電池スタックを構成するためのセパレータ、ターミナルプレート及びエンドプレートを例示することができる。燃料電池構成部品の基材は、好ましくは凹凸が付与されたプレート状基材であり、更に好ましくは凹凸が付与されたアルミニウム系材料製又は鉄系材料製のプレート状基材である。基材の構成材料としては、入手のし易さやコスト等の点から、アルミニウム系材料や鉄系材料が好ましい。使用可能なアルミニウム系材料としては、純アルミニウム(Al)、Al−Mg系、Al−Si系、Al−Mg−Si系、Al−Mn系、Al−Zn系を例示することができる。また、使用可能な鉄系材料としては、ステンレス鋼を例示することができる。
疎水化工程で使用可能な疎水性物質としては、シランカップリング剤(例えばオクタデシルトリエトキシシラン、フルオロアルキル基を持つシラン)及び疎水性チオール(例えばフルオロデカンチオール)を例示することができる。シランカップリング剤又は疎水性チオールで基材表面を化学的に修飾することにより、当該基材表面を撥水性を示すレベルにまで疎水化することが可能である。
選択的親水化工程では、疎水化された基材表面(例えば基材の凹部及び凸部の表面)のうちの一部(例えば凸部頂面)が、光触媒リソグラフィー、光触媒走査、コロナ放電処理又はプラズマ処理により選択的に親水化される。
光触媒リソグラフィー及び光触媒走査とは、光によって活性化された光触媒によって固体表面をパターニングしつつ化学的に処理する手法をいう。更に詳しく説明すると、「光触媒リソグラフィー」とは、被処理基材に対して光触媒を静的に対面させると共に、リソグラフィーの手法に準じて被処理基材の特定部位(処理対象部位)だけを光によって活性化された光触媒で化学的に処理することにより、光触媒による処理部と未処理部とを区別するようなパターニングを行うことをいう(図1参照)。他方、「光触媒走査」とは、被処理基材に対して光触媒を動的に(移動可能に)対面させると共に、被処理基材の特定部位(処理対象部位)に沿って光触媒を走査(スキャン)させつつ当該特定部位を順次、光によって活性化された光触媒で化学的に処理することにより、光触媒による処理部と未処理部とを区別するようなパターニングを行うことをいう(図2参照)。
光触媒リソグラフィーによるパターニングの具体的手法としては、図1(A)〜(D)に示すような具体例を例示することができる。すなわち、図1(A)は、基材の上方に保持した透明なガラス基板の下側全面に光触媒を配置すると共に、その光触媒の下側にフォトマスクを配置した状態でガラス基板の背面(上面)側から紫外線(UV)等を照射し、フォトマスクの開口部に対応する光触媒部分だけを基材に対面させるものである。図1(B)は、基材の上方に保持した透明なガラス基板の下側にフォトマスクを配置し、更にその下側全面に光触媒を被覆した状態でガラス基板の背面(上面)側から紫外線(UV)等を照射し、フォトマスクの開口部に対応する光触媒部分だけを光活性化させるものである。図1(C)は、基材の上方に保持した透明なガラス基板の下側全面に光触媒を配置すると共に、ガラス基板の上側にフォトマスクを配置した状態でガラス基板及びフォトマスクの背面(上面)側から紫外線(UV)等を照射し、フォトマスクの開口部に対応する光触媒部分だけを光活性化させるものである。図1(D)は、基材の上方に保持した透明なガラス基板の下側に、所望のパターニング形状に対応した平面パターンに予め形成された光触媒を配置した状態でガラス基板の背面(上面)側から紫外線(UV)等を照射し、パターン形成された光触媒を基材に対面させるものである。なお、図1(A)〜(D)では光触媒を基材に対して非接触な状態としているが、光触媒を基材に対して接触させた状態で光触媒リソグラフィーを行ってもよい。
光触媒走査によるパターニングの具体的手法としては、図2(A)及び(B)に示すような具体例を例示することができる。すなわち、図2(A)は、光ファイバーの先端部に光触媒を装着し、光ファイバーを介して光触媒に紫外線(UV)等を供給しつつ光ファイバー先端の光触媒を基材の特定部位(処理対象部位)に沿って走査させるものである。図2(B)は、基材の上方に保持した透明なガラス基板の下側全面に光触媒を配置すると共にガラス基板の上方に光ファイバーを配設し、光ファイバーを介して光触媒に紫外線(UV)等を供給しつつ光ファイバー先端を基材の特定部位(処理対象部位)に沿って走査させるものである。なお、図2(A)及び(B)では光触媒を基材に対して非接触な状態としているが、光触媒を基材に対して接触させた状態で光触媒走査を行ってもよい。
光触媒リソグラフィー及び光触媒走査において使用可能な光触媒としては、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化タングステンがあげられる。これらの中でも光活性が最も高い酸化チタンを光触媒として使用することは好ましく、その場合にはパターニング処理時間を短くすることができる。酸化チタン等の光触媒的分解作用については、酸化チタン等が紫外線等の照射を受けることによって光励起され、光励起により生じる還元力及び酸化力に基づいて活性酸素種が生成され、その活性酸素種がほとんどの有機物や一部の無機物と反応してこれらを酸化・分解することが知られている。この活性酸素種は、光触媒に接する物質に作用することはもちろん、光触媒に非接触状態で近くに位置する物質にも作用してこれらを酸化・分解する。本発明に関して言えば、疎水性物質で疎水化された基材表面のうちの一部に対し、光励起(光活性化)された光触媒により生成された活性酸素種が作用することにより、当該部分の疎水性物質が分解され、当該部分が親水性を有するに到る。
尚、基材(例えば凹凸が付与されたプレート状基材)の表面の一部(例えば凸部頂面)だけを選択的に親水化したい場合、基材の表面全体を疎水性物質で疎水化した後、光触媒を疎水化された基材表面の一部(例えば凸部頂面)に接触させた状態又は基材表面の一部(例えば凸部頂面)との距離が100μm以下になるように非接触にて近接配置させた状態で当該光触媒に対して光を照射する光触媒リソグラフィー又は光触媒走査により、基材表面の一部(例えば凸部頂面)を親水化することが好ましい。光触媒と基材表面の一部(例えば凸部頂面)との距離が100μmを超えると、疎水性物質の分解が不十分又は不可能になり、基材表面の一部(例えば凸部頂面)を必要レベルにまで親水化することが難しくなる。なお、光触媒を基材に接触させた場合、分解処理時間を短くできるという利点がある。その一方で、光触媒を基材に非接触状態とした場合には、基材を傷め難く、光触媒の汚損劣化も起こりにくいという利点がある。
このように、光触媒リソグラフィー又は光触媒走査による疎水化表面の一部の選択的な親水化処理は、紫外線等の光の照射に起因する光触媒の活性化反応に基づくものであるため、次のような多くの利点を有する。即ち、(ア)反応がマイルドで反応制御がし易い。(イ)ドライプロセスのため処理が簡単である。(ウ)一般的なリソグラフィーと異なり、基材に対するレジスト剤の塗布及び除去といった手間がいらず基材を傷めない。(エ)光を照射した箇所の光触媒だけが活性化されるため、親水化処理部分のパターニングを正確に行うことができる。(オ)正確で複雑な親水化処理部分のパターニングを行うことができるため、後記選択的金属メッキ工程で形成する金属メッキの面積を必要最小限に抑制することができ、製造コストの低減を図ることができる。
なお、疎水化された基材表面の一部(例えば凸部頂面)を選択的に親水化する手法としては、上記光触媒を用いた処理の他に、コロナ放電処理やプラズマ処理をあげることができる。これらの処理の具体的手法としては、例えば一般的なリソグラフィーにおけるフォトマスクに準じたマスク手段を基材表面に被覆し、マスク手段の開口部から露出している基材表面の一部(例えば凸部頂面)に対してコロナ放電やプラズマ処理を施すという手法があげられる。このようなコロナ放電処理やプラズマ処理により、基材の疎水化表面を覆っている疎水性物質を分解して、当該疎水化表面を親水化することが可能である。
選択的メッキ工程では、上述のように疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている基材表面の一部(例えば凸部頂面)に金属メッキが選択的に施される。これは、基材の表面に疎水化部分と親水化部分とがある場合に当該基材を水溶液ベースのメッキ浴に浸漬すると、疎水化部分では水弾きがあってほとんどメッキが施されないのに対し、親水化部分では水濡れがよくメッキが施されるという現象を利用したものである。従って、選択的メッキ工程におけるメッキ方法は、無電解メッキ、電解メッキ、又は電解メッキの一種であるストライクメッキのいずれでもよい。
金属メッキの目的となる金属(即ちメッキ浴中の金属イオン)は、貴金属又は貴金属以外の金属のいずれでもよい。貴金属としては、金(Au)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)等があげられる。これらの貴金属は、酸などの腐食性物質に侵されにくい耐食性金属である。貴金属の中でも金(Au)又は白金(Pt)が好ましく、特に金(Au)が最も好ましい。金は、高い耐食性と低い電気抵抗とを兼ね備えた貴金属であり、燃料電池セパレータ等の燃料電池構成部品における導電部の表面被覆金属として非常に適している。他方、貴金属以外の金属としては、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等があげられる。これらの金属については、基材の表面に貴金属を直接メッキした場合の密着力等の弱さを補うために、基材表面と貴金属メッキ層との間に介在させるための中間メッキ層又は下地メッキ層の構成金属としても有用である。
なお、凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品において、前記基材に付与された凹部の表面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールを結合することによる疎水層が形成され、前記基材に付与された凸部の頂面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールの結合後にこれを光触媒で分解することによる親水層が形成され、その親水層の上には金属メッキ層が形成されていることは好ましい。このような燃料電池構成部品では、表面に疎水層を有する凹部を水はけの良好な流通路として機能させることができ、電池性能を向上させることができる。また、表面に金属メッキ層を有する凸部頂面を導電性接触部として機能させることができる。なお、凸部頂面の金属メッキ層を、耐食性及び導電性に優れた貴金属メッキ層とすることは更に好ましい。
本発明の具体例である実施例1及び2を以下に説明する。
[実施例1]
JIS:A1100系アルミニウムの圧延材を用いて、図3に示すように凹凸が付与されたプレート状の燃料電池セパレータ基材1を形成した。この基材1の一方の面には、突条状又は突起状をなす複数の凸部2と、これらの凸部2の周囲に位置する凹部3とが設けられている。特に二つの突条状凸部2の間に位置する凹部3は溝部をなしている。凹部底面3a及び凹部側面3b(3bは凸部側面でもある、図4(A)参照)によってガス等の流通路が区画形成され、凸部の頂面2aによって導電性接触部が提供される。
先ず、上記基材1を脱脂洗浄してから乾燥した後、疎水性シランカップリング剤であるオクタデシルトリエトキシシランを基材1の表面にスプレー塗布し、これを凸部頂面2a、凹部底面3a及び凹部側面3bに結合させて基材1の表面に疎水層4を形成した(図4(B)参照)。次に、光触媒としての酸化チタンと紫外線とを用いた、図1(A)のパターニング手法に準じた光触媒リソグラフィーによって、基材表面のうちの凸部頂面2aだけを光励起された酸化チタンで処理した。その際、酸化チタンと凸部頂面2aとの距離を20〜50μm程度として両者を非接触状態に保った。この光触媒リソグラフィーにより凸部頂面2aを被覆するシラン化合物を分解して、凸部頂面2aの疎水層4を親水層5に変換した(図4(C)参照)。最後に、シアン化金、シアン化ナトリウム及び炭酸カリウムを含有する水溶液からなる金メッキ浴を準備し、この金メッキ浴中に上記光触媒処理を施した基材1を浸漬した。この無電解メッキにより、凸部頂面2aの親水層5の上に金メッキ層6を形成した(図4(D)参照)。
こうして、基材1の表面のうち凹部底面3a及び凹部側面3bにシラン化合物による疎水層4が形成されると共に凸部頂面2aに親水層5及び金メッキ層6が形成された燃料電池セパレータを得た。このセパレータにあっては、凹部底面3a及び凹部側面3bは高い撥水性を示し、凸部頂面2aは低い接触抵抗と高い耐食性とを示した。
[実施例2]
実施例2は、実施例1中の光触媒リソグラフィーに代えて、図2(A)のパターニング手法に準じた光触媒走査を行ったものであり、その以外は実施例1と同じである。この実施例2によっても、実施例1で得られた燃料電池セパレータと同等の燃料電池セパレータを得た。
(A)〜(D)は、光触媒リソグラフィーでのパターニングの具体例を示す断面図。 (A)及び(B)は、光触媒走査でのパターニングの具体例を示す断面図。 燃料電池セパレータの一例を示す平面図。 (A)〜(D)は、図3のA−A線位置での表面処理手順を示す断面図。
符号の説明
1…基材、2…凸部、2a…凸部頂面(凸部表面)、3…凹部、3a…凹部底面、3b…凹部側面(3a,3bは凹部表面を構成する)、4…疎水層、5…親水層、6…金メッキ層(金属メッキ層)。

Claims (5)

  1. 燃料電池構成部品の基材の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、
    光触媒リソグラフィー、光触媒走査、コロナ放電処理又はプラズマ処理により、前記疎水化された基材表面のうちの一部を選択的に親水化する選択的親水化工程と、
    疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている基材表面の一部に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなることを特徴とする燃料電池構成部品の製造方法。
  2. 凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品の製造方法であって、
    前記基材の凹部及び凸部の表面を疎水性物質で疎水化する疎水化工程と、
    光触媒リソグラフィー又は光触媒走査により、前記疎水化された凹部及び凸部の表面のうちの凸部頂面を選択的に親水化する選択的親水化工程と、
    疎水化及び選択的親水化を受けた基材を金属イオン含有水溶液からなるメッキ浴中に浸漬することにより、親水化されている凸部頂面に金属メッキを選択的に施す選択的メッキ工程とを備えてなることを特徴とする燃料電池構成部品の製造方法。
  3. 前記光触媒リソグラフィー又は光触媒走査は、光触媒を凸部頂面に接触させた状態又は凸部頂面との距離が100μm以下になるように非接触にて近接配置させた状態で当該光触媒に対して光を照射するものであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池構成部品の製造方法。
  4. 前記疎水性物質は、シランカップリング剤又は疎水性チオールであり、
    前記光触媒は、酸化チタン、酸化亜鉛又は酸化タングステンから選択される光触媒であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池構成部品の製造方法。
  5. 凹凸が付与されたプレート状基材からなる燃料電池構成部品であって、
    前記基材に付与された凹部の表面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールを結合することによる疎水層が形成され、
    前記基材に付与された凸部の頂面には、シランカップリング剤又は疎水性チオールの結合後にこれを光触媒で分解することによる親水層が形成され、その親水層の上には金属メッキ層が形成されていることを特徴とする燃料電池構成部品。
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