JP2000343848A - 光触媒体を用いた画像形成材料および画像形成方法 - Google Patents

光触媒体を用いた画像形成材料および画像形成方法

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JP2000343848A
JP2000343848A JP2000091206A JP2000091206A JP2000343848A JP 2000343848 A JP2000343848 A JP 2000343848A JP 2000091206 A JP2000091206 A JP 2000091206A JP 2000091206 A JP2000091206 A JP 2000091206A JP 2000343848 A JP2000343848 A JP 2000343848A
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JP2000091206A
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Shinichi Koizumi
真一 小泉
Hiroshi Koyama
拓 小山
Akira Nakajima
章 中島
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Akira Fujishima
昭 藤嶋
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Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 撥水、撥油効果のあるインク反発層を備え、
現像を必要としない光照射と水洗による短時間かつ簡便
な方法で親水性、親油性表面にすることができ、水性イ
ンクだけでなく油性インクにも対応したインク担持層が
得られる光触媒体を用いた画像形成材料を提供する。 【解決手段】 微細な凹凸構造を持った表面を持つ光触
媒体を撥水処理することによって撥水性または撥油性を
示し水性かつ油性インクいずれに対しても反発させるイ
ンク反発層とし、光照射による光触媒層の励起と、その
酸化分解反応によって撥水撥油剤を容易に分解し除去す
ることによって光触媒層を露出させることによって高度
な親油性表面にし、これを油性インク担持層とする光触
媒体を用いた画像形成材料を提供する。また分解する際
に、光照射と表面を水洗することによって撥水撥油性か
ら親油性への変化を促進させて短時間でインク担持層を
形成させる光触媒体を用いた画像形成方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク画像を形成
する画像形成材料およびその形成方法に関し、特に光触
媒反応を用いて親水性あるいは親油性部分と撥水性ある
いは撥油性部分とからなるパターンにその親水性あるい
は親油性部分に水性インクあるいは油性インクを付着さ
せることによってインク画像を形成する光触媒体を用い
た画像形成材料およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン光触媒はその強力な酸化力に
より表面に吸着した有機物を分解するため防汚、抗菌、
環境浄化等への応用で注目を集めており、既に一部で実
用化されている。一方でこの酸化分解反応を利用して有
機物であるパラフィンやステアリン酸、トリメチルシラ
ンなどを吸着させて疎水化した酸化チタン表面の有機物
を除去することによって親水化し、画像を形成する方法
について報告されている(藤嶋昭、加藤民彦、前川悦
郎、本多健一、:電気化学、54、No21986年。
この場合、光照射による水の接触角の変化が100°か
ら20゜程度であるため、親水性部分に水性インクを付
着させて画像を形成させるのには親水性と疎水性の差が
不十分である。また最近になって光触媒体表面に、その
価電子帯上端と伝導電子帯下端とのバンドギャップ以上
のエネルギーを持つ波長の光を照射して光励起すると、
疎水的および親油的な部材表面が水および油を全くはじ
かない超親水性および超親油性を合わせもつ両親媒性に
なる現象が見い出された。この疎水性から超親水性へ、
親油性から超親油性への変化を利用して画像形成するこ
とが考えられるが、この光によって誘起される水の接触
角の変化では60〜80°から0°程度であり、また油
の接触角変化では10°から0°程度であり、水性イン
クおよび油性インクで画像形成する場合、この程度の接
触角の差では画線部と非画線部のパターン形成が困難で
ある。さらに光触媒表面に撥水剤を塗布し、光触媒表面
に吸着している撥水剤を分解することによって親水性表
面を形成し、これを水性インク担持部分として画像を形
成することが試みられている(特開平9−13191
4)。ここで撥水処理における撥水剤として流動パラフ
ィン、油脂類および脂肪酸類を用いているが、その撥水
性で水性インクを反発させる効果はあるが、油性インク
を用いる場合この撥水剤で撥水剤が溶ける、または油を
反発するための撥油効果が低いために、現在の印刷にお
いて主流となっている油性インクによる画像形成が困難
である。また現行のオフセット版では露光後、画線部を
形成させるためにインク反発層を剥がす現像工程が必要
であり、画像形成に時間が必要となり、また現像機の購
入や現像液の処理でコストが高くなり、現像廃液の環境
への影響も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在の印刷インクでは
油性のものが主流であり、これで画像を形成させるため
には撥油性から親油性への大きな油の接触角が求められ
ている。本発明は、高度な撥水、撥油効果のあるインク
反発層を備え、光照射と水洗による現像機を必要としな
い短時間かつ簡便な方法で高度な超親水性、超親油性表
面にすることができ、水性インクだけでなく油性インク
にも対応したインク担持層が得られる光触媒体を用いた
画像形成材料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、微細な凹凸
構造を持った表面を持つ光触媒体を撥水処理することに
よって高度な撥水性または撥油性を示し水性かつ油性イ
ンクいずれに対しても反発させるインク反発層をもち、
光照射による光触媒層を励起し、その酸化分解反応によ
って容易に分解し除去することによって光触媒層を露出
させることによって高度な親水性、親油性表面にし、こ
れをインク、特に油性インク担持層とする光触媒体を用
いた画像形成材料を提供する。また撥水剤を分解する際
に光触媒反応だけでは完全に分解できないので、表面に
残っている分解生成物、特に親水性部を持ち水が浸透し
やすい構造に変化する撥水撥油剤を用いた画像形成材
料、光照射と表面を水洗することによって撥水撥油性か
ら親水性、特に親油性への変化を促進させて短時間で簡
便にインク担持層を形成させる光触媒体を用いた画像形
成方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】実施例の如く微細な凹凸構造を持
った表面にした光触媒体をフッ素系撥水剤で撥水処理す
ることによって水の接触角で150°以上の高度な撥水
性、特に油(ヘキサデカン)の接触角で110°以上の
撥油性が発現する。この微細な構造は光触媒層自体に微
細な凹凸構造を付与することによって、または基板とし
て表面に微細な凹凸構造を持つものを用いてその構造を
損なうことなく光触媒層を形成することによって付与す
ることができる。光触媒層自体に微細な凹凸構造を付与
する場合には例えば平均粒径10から数100nm程度
の粒子、好ましくは平均粒子径10〜500nmの粒
子、より好ましくは平均粒子径10〜500nmのゾル
によって構成されたものを好適に用いることができ、こ
れにより10〜500nmの微細な凹凸が構成される。
この構造を持った表面は撥水処理前では親水性かつ親油
性を示している。前記部材にその価電子帯上端と伝導電
子帯下端とのバンドギャップ以上の紫外光(300〜4
00nm)を照射すると光触媒層が励起され、正孔と電
子が生成し拡散し、表面または空気中の水や酸素と反応
し電子の供受によってラジカルが発生し、このラジカル
の強い酸化力で光触媒体表面の撥水剤が分解除去され
る。撥水剤の分解によって光触媒体表面が露出するが、
微細な構造を持つためより親水性が強調され、また光照
射によって誘起された超親水性または超親油性表面に変
換されるため水性インクまたは油性インクいずれも付着
させることができるようになる。例えばこの撥水撥油化
光触媒体に画像パターンが描かれたマスクを被せ、紫外
光照射によって撥水撥油性である非画線部の撥水剤を分
解除去して光触媒層を露出させて親水性と親油性へと変
換させる。このことを利用して画線部を形成させ水性イ
ンクと油性インクのいずれにも対応する光触媒体を用い
た画像形成材料が提供できる。しかし、光照射だけでは
実施例の如く撥水性から親水性への変換は容易に行うこ
とができるが、撥油性から親油性への変化は困難であっ
た。しかし、光照射後に表面を水洗すると容易にかつ早
く撥油性から親油性へ変換することが可能となった。こ
れは、表面の分析から光照射だけでは撥水剤の分解生成
物が残っており、表面を水洗すると除去されていること
が確認できた。このことから次のような撥水剤の分解除
去機構が考えられる。光触媒体表面の撥水剤は光照射に
よって酸化分解されるが完全に分化されず、分解生成物
として表面に残りこれが撥油性を示し、親油性への変化
を阻害する。一方水の接触角が水洗しなくても減少する
ことから、付着させた水滴によって分解生成物が除去さ
れることが考えられ、油では除去されないことから分解
生成物には親水性部分が生成していることが予想され、
そのため水によって容易に除去されるものと推定してい
る。また水によって撥水剤が除去され光触媒層が露出す
るので、実施例の如く再び撥水処理をして撥水撥油化光
触媒体である画像形成材料を得ることができ、これは繰
り返し利用することができる。本発明における光触媒反
応を励起する光源としては、蛍光灯、白熱電灯、ブラッ
クライトランプ、メタルハライドランプ、水銀ランプの
ような室内照明、太陽、それらの光源からの光を低損失
のファイバーで誘導した光源等が好適に利用できる。本
発明で使用できる光触媒体としては、伝導電子帯と価電
子帯とエネルギーギャップよりも大きなエネルギーの光
を照射によって、伝導電子と正孔を生成しうる酸化物が
用いられ、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化錫、三酸化二ビスマス、三酸化タン
グステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が好
適に利用できる。本発明で使用できる光触媒体コート剤
としては、例えばアナターゼ型酸化チタンの場合、大別
して以下の3種が好適に使用できる。 (1) アナターゼ型酸化チタンゾル、スラリー等。 (2) チタンアルコキシド(テトラメトキシチタン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシチタン等)、
チタンアセテート、またはチタンキシレート等の有機チタ
ネートを、塩酸またはアンモニア等を添加したアルコー
ル等(エタノール、イソプロパノール等)の非水溶媒で
希釈後、部分的にまたは完全に加水分解した光触媒コー
ト剤。 (3) テトラアルコキシシラン(テトラエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン
等)とアナターゼ型酸化チタンゾルとの混合物を必要に
応じて加水分解させてシラノールを形成させた光触媒コ
ート剤。特に前述の(1)または(3)のアナターゼ型
酸化チタンゾルにおいて平均粒径10〜500nmのゾ
ルが好適に利用して、酸化チタン薄膜表面に10〜50
0nmの微細な凹凸を設けることができる。本発明で使
用できる撥水撥油剤としてはパーフルオロアルキル鎖を
有する化合物、パーフルオポリエーテル鎖を有する化合
物、芳香環にフルオロ鎖やトリフルオロメチル鎖を有す
る化合物等が好適に利用できる。また前記化合物の光触
媒側に配向する部分は酸化されると親水性基に変換さ
れ、水洗によって水が浸透しやすく、溶解しやすいもの
が好適に利用できる。具体的にはパーフルオロアルキル
シランやパーフルオロアルキルカルボン酸やアルコール
類等が好適に利用できる。本発明で使用できる光触媒層
および撥水撥油層の形成方法としては、基板上に例えば
含浸法、ディップコーティング法、スピンコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、リバースロールコー
ティング法等の通常の方法で塗布したり、スプレーコー
ティング法等の通常な方法で吹き付け、乾燥、必要に応
じて焼成する方法等が好適に利用できる。基板として
は、ガラス板、アルミニウム板、ポリエチレンテレフタ
レート等のプラスチックフィルムを用いることができ
る。本発明に用いられる光触媒体は、表面が親水化しや
すい状態へと変化し、微弱光によって親水性が誘起され
る高感度な親水化性能を有するものが好適に利用でき
る。
【0006】
【実施例】 以下に、実施例を示し、本発明をさらに説
明する。 実施例1 脱脂洗浄したガラス基板上に酸化チタンゾルSTS−2
1(平均粒径20nm、石原産業(株)製)をスピンコ
ーティングにて塗布し、120°で40分乾燥後500
℃で30分焼成して酸化チタン薄膜を作製した。この薄
膜の表面を原子間力顕微鏡で表面粗さを観察したとこ
ろ、50nm〜200nm程度の凹凸が確認できた。得
られた薄膜に加水分解したフルオロアルキルシラン(F
AS;東芝シリコーン(株)製)を250℃にて蒸気と
し、これを吸着させることによって撥水化酸化チタン薄
膜を作製した。(薄膜A) この薄膜表面の撥水性または撥油性を水または油との接
触角の測定はにより評価した。特に油の接触角測定には
n−ヘキサデカン(東京化成(株))を用いた。接触角
は接触角測定器(協和界面科学(株)、CA-X)により測定
した。その結果、得られた薄膜表面は水の接触角で14
0°以上の撥水性を、100°以上の撥油性を示した。 実施例2 アセチルアセトンチタン(ACAT;ビス(2,4−ペ
ンタジオナト)チタンオキシド:東京化成(株)製)を
エタノールに分散したゾルを500℃に加熱したパイレ
ックス(登録商標)ガラス上にスプレーパイロリシス法
にて噴霧し焼成して酸化チタン薄膜を作製した。(薄膜
B) この薄膜Bを電子顕微鏡で観察したところ100〜30
0nm程度の針状構造をもつ多孔質な表面が確認でき
た。この薄膜表面の撥水性または撥油性を実施例1同様
水または油との接触角の測定により評価した結果、水の
接触角で150°以上の高い撥水性を、115°以上の高
い撥油性を示した。一方比較例1のようにガラスを直接
撥水処理すると水の接触角で110°程度の撥水性、油
の接触角で60°程度の撥油性を示した。ガラスの表面
は平滑なために撥水撥油効果が低いと考えられる。しか
し、薄膜Bのように膜表面を粗化して撥水処理を施すこ
とにより液滴に直接接する面の割合が小さくなるために
高い撥水性および撥油性が得られた。 実施例3 実施例1および2で得られた薄膜A、Bの表面に水銀キ
セノンランプ(林時計工業(株)製、ルミナーエースL
A−210UV)を用いて強度20mW/cm 2、波長
300〜400nmの紫外光を照射し、それぞれの照射
時間に対する水との接触角の変化を測定した。図1に示
すように、薄膜A、Bいずれも照射時間とともに接触角
が減少し表面が高い撥水性から親水性へと変化した。紫
外光照射後は写真4に示すように水を全くはじかない超
親水性に変化した。一方比較例1の酸化チタン層のない
撥水性膜に同様に紫外光を照射したが、水の接触角に変
化は全く見られなかった。紫外光によって撥水剤が分解
することはないことがわかる。上記の結果から撥水化酸
化チタン薄膜に紫外光を照射することによって酸化チタ
ンの光触媒反応によって表面の撥水剤が分解され撥水効
果が徐々に消失し、撥水剤が除去されると今度は光によ
って誘起された酸化チタンの超親水性表面が露出するこ
とによって親水性表面に変化する。すなわち光照射によ
って高い撥水性から超親水性への大きな表面物性の変化
させることができることがわかった。 実施例4 実施例1同様に酸化チタン薄膜を作製し、これに撥水剤
としてディックガードF−90(大日本インキ(株)
製)スピンコーティングにて塗布し120℃で30分乾
燥して撥水撥油化酸化チタン薄膜を作製した。得られた
薄膜に、ブラックライトランプ(松下電器工業(株)製
FL10BLB)を用いて強度2mW/cm2、波長3
00〜400nmの紫外光を照射し、照射時間に対する
水および油との接触角の変化を測定した。その結果図2
に示すように、120°以上の撥水性を示していた表面
が紫外光照射に伴って水の接触角が徐々に減少し、つい
には0°となって超親水性表面へと変化した。また同時
に油の接触角を測定したところ、紫外光照射による水の
接触角の減少に伴って80°以上あった油の接触角も減
少して0°となり超親油性へと変化した。この様に撥水
剤を変えてもその分解に伴った表面の濡れ性の大きな変
化が起こることがわかった。また比較的弱い紫外光強度
においても照射時間を長くすれば撥水性および撥油性か
ら親水性および親油性への変化が起こることもわかっ
た。 実施例5 実施例1で得られた薄膜Aの表面に実施例3の様に紫外
光を照射し、照射時間に対する油との接触角の変化を測
定した。実施例3、4同様に撥水剤の分解に伴って撥油
性から親油性への変化が起こることを予想したが、図3
に示すようにただ紫外光を照射しただけでは油の接触角
は変化しなかった。次に薄膜を予め水に浸してから光照
射して、酸化チタン表面のOHラジカル等の活性酸素の
量を増やすことで撥水剤の分解を促進させることを試み
たが、ある程度油の接触角の減少が見られたが90°程
度で止まってしまった。そこで光照射後に薄膜表面を水
で洗浄したところ油の接触角が減少した。水洗によって
撥油性から親油性への変化が促進することがわかった。
図4のように水の接触角で測定すると撥水性から親水性
への変化が見られ、また水による洗浄によって親水性へ
の変化がわずかに早くなってる。このことから酸化チタ
ンによって酸化分解された撥水剤は完全に分解されずに
表面に残ってしまい撥油性を示してしまう。しかし水に
よって表面を洗浄すると撥水剤の撥油性残基が除去され
て酸化チタン表面が露出して親油性を示すと考えられ
る。また水の接触角では付着した水滴で分解され残って
いる撥水剤残基を溶かすまたは浮かすことによって除去
されるために接触角の減少が見られると考えられる。表
面を水洗することによって撥油性から写真5の様な親油
性へと変化させることができるようになった。 実施例6 脱脂洗浄したアルミ基板上に酸化チタンゾルSTS−2
1(石原産業(株)製)をスピンコーティングにて塗布
し、120°で40分乾燥後500℃で30分焼成して
酸化チタン薄膜を作製した。この薄膜の表面を原子間力
顕微鏡で表面粗さを観察したところ、50nm〜200
nm程度の凹凸が確認できた。得られた薄膜に実施例1
同様に撥水処理することによって撥水化酸化チタン薄膜
を作製した。(薄膜C) さらにパターンを形成したフイルム原版を付けた撥水撥
油酸化チタン薄膜に紫外光を照射したところ、露光した
部分は親水性かつ親油性を示し、一方露光されなかった
部分は撥水性かつ撥油性のままであり、画像が形成され
ていることがわかった。露光した撥水撥油化酸化チタン
薄膜に水性インクまたはオフセットインクを塗布し、紙
に転写したところ良好な画像が得られた。 実施例7 実施例1得られた薄膜Aに実施例3の如く紫外光を照射
して撥水性から親水性へと変化させた。その後実施例1
の如く撥水処理をして再び撥水性表面を得た。この紫外
光照射と撥水処理を繰り返した時の水の接触角変化を比
較したところ、図5の様に親水化速度に変化がほとんど
見られないことから、この様な方法で撥水性表面と親水
性表面(撥油性と親油性)を可逆的に得られることがわ
かった。 比較例1 実施例1で用いたガラス基板に直接加水分解したフルオ
ロアルキルシラン(FAS)を250℃にて蒸気とし、
これを吸着させることによって撥水化薄膜を作製した。
【0007】
【発明の効果】本発明のように、微細な凹凸構造を持っ
た表面を持つ光触媒体を撥水処理することによって高度
な撥水性または撥油性を示し水性かつ油性インクいずれ
に対しても反発させるインク反発層をもち、光照射によ
る光触媒層を励起し、その酸化分解反応によって容易に
分解し除去することによって光触媒層を露出させること
によって高度な親水性、親油性表面にし、これをイン
ク、特に油性インク担持層とする光触媒体を用いた画像
形成材料を提供できる。また撥水剤を分解する際に光触
媒反応だけでは完全に分解できないので、表面に残って
いる分解生成物、特に親水性部を持ち水が浸透しやすい
構造に変化する撥水撥油剤を用いた画像形成材料、光照
射と表面を水洗することによって撥水撥油性から親水
性、特に親油性への変化を促進させて短時間で簡便にイ
ンク担持層を形成させる光触媒体を用いた画像形成方法
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例に係る、撥水撥油
化酸化チタン薄膜表面の紫外光照射時間と、水の接触角
との関係を示す図。
【図2】本発明の実施例に係る、異なる撥水撥油化酸化
チタン薄膜表面の紫外光照射時間と、水の接触角との関
係を示す図。
【図3】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜表面の紫外光照射時間と、油の接触角との関係を示
す図。
【図4】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜表面の水洗による紫外光照射時間と、水の接触角と
の関係を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜に紫外光照射と撥水処理を繰り返した際の、紫外光
照射時間と、水の接触角との関係を示す図。
【図6】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜における撥水剤の分解と表面の塗れ性の変化の関係
を表す概念図。
【図7】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜を用いた画像形成方法の概念図。
【図8】本発明の実施例に係る、撥水撥油化酸化チタン
薄膜を用いた画像形成方法による印刷の概念図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 521 G03F 7/004 521 (71)出願人 592116165 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地の2 ニューシティ本郷台D棟213号 (71)出願人 591115936 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710ー5 (72)発明者 小泉 真一 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 小山 拓 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 中島 章 埼玉県浦和市白幡4−20−1 白幡西住宅 4−102 (72)発明者 渡部 俊也 神奈川県藤沢市鵠沼海岸6−15−7 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティー本郷台D棟213号 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710番地5

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射によって親水性または親油性へと
    変化する表面を持つ光触媒体、もしくは該光触媒を含有
    する物質により形成されたインク像担持層に、撥水性ま
    たは撥油性物質を塗布することによって水性または油性
    インク反発層が形成され、露光による光照射によって前
    記層を光触媒反応で分解を促進しインク像担持層を露出
    させることによって画像を形成させる光触媒体を用いた
    画像形成材料。
  2. 【請求項2】 前記インク担持層として用いる親水性ま
    たは親油性表面を持つ光触媒層に数10〜数100nm
    程度の微細な凹凸構造を形成し、撥水性または撥油性物
    質を塗布することによって高度な水性または油性インク
    反発層が形成された請求項1記載の画像形成材料。
  3. 【請求項3】 前記インク反発層に用いる撥水性または
    撥油性物質に酸化反応によって親水性に変化する基を持
    つフッ素系化合物を使用した請求項1記載の画像形成材
    料。
  4. 【請求項4】 請求項1から3において前記インキ反発
    層の水の接触角が140°以上好ましくは150°以上
    の撥水性または油の接触角が100°以上好ましくは1
    10°以上の撥油性であり、光照射によってインク担持
    層である光触媒層を露出させることによって親水性また
    は親油性へと変化する画像形成材料。
  5. 【請求項5】 インク反発層を光照射によって光触媒反
    応で分解後、表面を水で洗浄することによって撥水剤の
    分解生成物を除去し、撥水性から親水性へまたは撥油性
    から親油性への変化を促進させ、露光された部分におい
    てインク担持層である光触媒層を露出させパターンを形
    成させる画像形成方法。
  6. 【請求項6】 親水性あるいは親油性部分に再び撥水撥
    油処理を施すことによって、撥水性から親水性あるいは
    撥油性から親油性への変化を繰り返し行う請求項5記載
    の画像形成方法。
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