JP2010061968A - 燃料電池で用いるガス流路部材とその製造方法および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応ガスの流れを阻害することがなく、かつ集電機能を必要とする部分には導電性付与および腐食防止のための貴金属による表面処理が施されている、燃料電池で用いるガス流路部材(セパレータ)を開示する。
【解決手段】所要形状に成型された基材20の全面に絶縁性の親水化処理を施して絶縁性の親水化処理21を形成する。集電機能を必要とする凸部の端面領域6に形成された絶縁性の親水化処理層21を除去し、その後、貴金属による表面処理を施してその部分に貴金属による表面処理層22を形成する。ガス流路4の部分には親水化処理層21が形成されており、水玉の形成により反応ガスの流れが阻害されるように現象は生じない。貴金属による表面処理層22は集電機能を必要とする凸部の端面領域6にのみ形成されるので、貴金属の無駄な使用も回避できる。
【選択図】図1
【解決手段】所要形状に成型された基材20の全面に絶縁性の親水化処理を施して絶縁性の親水化処理21を形成する。集電機能を必要とする凸部の端面領域6に形成された絶縁性の親水化処理層21を除去し、その後、貴金属による表面処理を施してその部分に貴金属による表面処理層22を形成する。ガス流路4の部分には親水化処理層21が形成されており、水玉の形成により反応ガスの流れが阻害されるように現象は生じない。貴金属による表面処理層22は集電機能を必要とする凸部の端面領域6にのみ形成されるので、貴金属の無駄な使用も回避できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池で用いるガス流路部材とその製造方法および燃料電池に関する。
燃料電池の1つとして固体高分子形燃料電池が知られている。図5は、その一例を示す断面図であり、電解質膜1の両面に触媒層と拡散層とがこの順で積層した電極層2を備えた膜電極接合体3が形成され、その両側をガス流路4を有するセパレータ5、5で挟持することで、1つの燃料電池10とされている。この場合、セパレータ5は金属板をプレス加工して作られており、少なくとも電極層2と接する凸部の端面領域6には集電機能が求められる。
セパレータを一枚の金属板から作るのではなく、図6に示すように、エキスパンドメタル(あるいはラスメタル)と称される金属製のガス流路構成材7と平板状セパレータ本体8との2部材で構成するセパレータ9も知られている。この場合、ガス流路構成材7側を膜電極接合体3の電極層2側に接するようにして組み付けることで、1つの燃料電池10とされる(特許文献1等参照)。この形態のセパレータ9では、図6にQで示す空間と、ガス流路構成材7に形成した菱形状の空間Pがガス流路となる。このガス流路構成材7において、少なくとも平板状セパレータ本体8に接する領域7aと膜電極接合体3における電極層2に接する領域7bには、集電機能が求められる。
燃料電池で使用される前記セパレータは、発電環境における耐腐食性および接触抵抗低減を目的として、表面に貴金属めっき等による表面処理が施されるが、貴金属は高価なことから、必要な箇所のみ、すなわち、集電機能が求められる領域のみに貴金属による表面処理を施すことが提案されている(特許文献2,3等参照)。
特許文献2では、基材の全面にフッ素樹脂のような撥水性樹脂によるコーティング層を形成し、集電機能が求められる部分である凸部の端部における前記コーティング層を除去した後、樹脂に付着しない金属材料によるめっき層を成形する表面処理を施すようにしている。また、特許文献3では、疎水化された凹部および凸部の表面のうち、凸部表面を覆っている疎水性物質を分解して親水化した後、親水化した凸部表面に金属めっき層を形成する表面処理を施すようにしている。
特許文献2あるいは3に記載されるような方法で凸部表面に金属めっきによる表面処理を施すと、凹溝内は撥水処理されていることから、凸部表面にのみ貴金属によるめっきを施すことが可能となり、セパレータの製造コストを低減できることが期待できる。しかし、本発明者らの実験では、燃料電池でのセパレータに形成されるガス流路のように、加湿水や発電反応に伴う生成水が入り込むガス流路では、撥水処理が施されていると、流路内で水が玉状になってしまい、その水玉が発電時に反応ガスの流れを遮断し、反応ガスの均等配分が困難となることを経験した。また、水滴の影響により流路の圧力損失が大きくなり、燃料電池を自動車に搭載した場合、コンプレッサーの大型化が必要となることも経験した。コンプレッサーの大型化は、発電システムの大型化を招き、車両効率を低下させるとともに、コストアップの要因ともなる。
本発明は、上記のような事象に鑑みてなされたものであり、反応ガスの流れを阻害することがなく、かつ集電機能を必要とする部分には導電性付与および腐食防止のための貴金属による表面処理が施されている、燃料電池で用いるガス流路部材とその製造方法、およびそのガス流路部材を備えた燃料電池を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明による燃料電池で用いるガス流路部材は、基本的に、集電機能を必要としない部分には絶縁性の親水化処理が施されており、集電機能を必要とする部分には貴金属による表面処理が施されていることを特徴とする。
本発明による燃料電池で用いるガス流路部材では、集電機能を必要とする部分には貴金属による表面処理が施されており、燃料電池運転環境下での耐腐食性を備えるとともに、燃料電池に組み込んだときに、所定の低接触抵抗値を維持することができる。また、集電機能を必要としない部分、すなわちガス流路として機能する部分には絶縁性の親水化処理が施されており、生成水等は流路表面に沿って滑らかに流下する。そのために、水が玉状になってガスの流れを遮断するような現象が生じることはない。
本発明によるガス流路部材の1つの形態は、1枚の金属板をプレス加工して形成されたセパレータであり、前記集電機能を必要とする部分は燃料電池を構成する膜電極接合体における電極層に接する部分である。
本発明によるガス流路部材の他の形態は、ガス流路構成材と平板状セパレータ本体との2部材からなるセパレータにおける前記ガス流路構成材であり、前記集電機能を必要とする部分は前記平板状セパレータ本体に接する部分と燃料電池を構成する膜電極接合体における電極層に接する部分である。
本発明は、さらに、上記したガス流路部材の製造方法として、所要形状に成型された基材の全面に絶縁性の親水化処理を施した後、集電機能を必要とする部分における絶縁性の親水化処理層を除去し、その後、貴金属による表面処理を施すことを特徴とするガス流路部材の製造方法を開示する。さらに、上記したガス流路部材の他の製造方法として、所要形状に成型された基材における集電機能を必要とする部分に対してマスキング処理を行った後、絶縁性の親水化処理を施し、マスキングを除去した後、貴金属による表面処理を施すことを特徴とするガス流路部材の製造方法をも開示する。
本発明による上記の製造方法によれば、貴金属による表面処理を施す領域には、ガス流路部材の基材である導電性を有する任意の金属材料の表面が露出しており、他の領域、すなわちガス流路となる領域には、絶縁性材料からなる処理層が形成されている。従って、電解めっきによる浸漬めっき処理あるいは部分めっき処理等の表面処理、あるいはCVD(化学蒸着)に代表される蒸着による被膜形性処理による表面処理等によって、貴金属の被膜を形成するときに、被膜は金属材料の表面が露出している領域のみに形成され、他の箇所は絶縁性材料からなる処理層が存在していて電流が流れないので、貴金属の被膜は形成されない。すなわち、貴金属の被膜を必要とする箇所にのみ選択的に貴金属による表面処理を施すことができ、貴金属の無駄な使用をなくすことができる。
本発明によるガス流路部材は、導電性を有する任意の金属材料で作ることができる。例として、チタン、アルミニウム、ステンレス(例えば、SUS)やその合金、銅やその合金、などが挙げられる。
本発明において、表面処理に用いる貴金属は、所要の耐食性と導電性を備えることを条件に任意であり、金が最も好ましいが、従来のセパレータの表面処理に用いられてきた材料を適宜用いることができる。
本発明において、施す絶縁性の親水化処理は任意であり、特に制限はない。例として、親水性を持つ絶縁性高分子樹脂を適宜の手段により基材表面にコーティングする化学的親水化法がある。この場合、親水性を持つ絶縁性高分子樹脂の例として、特開2007−291244号公報に記載される樹脂組成物が挙げられるが、これに限らない。コーティング手段としては、スプレー噴霧、電着、浸漬などの手法が挙げられる。
絶縁性の親水化処理の他の例として、凹凸の付与による物理的な親水処理がある。一例として、セラミックやサーメット、ガラス、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の無機系材料を溶射あるいはスパッタリング等によって基材表面にコーティングする方法が挙げられる。この方法では、溶射処理あるいはスパッタリング処理により表面粗度が高くなることで、滑らかな面に比して高親水性である無機系材料からなる絶縁性の層が得られる。具体的な一例として、Al2O3−SiO2からなるセラミック溶射層を基材表面に形成することが挙げられる。この溶射層は気孔率が高く、外表面に露出する開気孔部の表面積が大きくとれる。それにより、より高い高親水性が得られる。必要に応じて、親水性に優れた無機質コーティング剤によって封孔処理を施してもよい。
絶縁性の親水化処理の他の例として、金属カチオンを含む溶液を調製し、それから溶媒を除去して得られたゲルを熱処理することによりセラミックス薄膜を作製する、いわゆるゾルゲル法が挙げられる。この場合、前記溶液にガス流路部材となる基板を浸し、それを引き上げた後、基板を乾燥、熱処理することによって、基板上に高親水性の絶縁性薄膜がコーティングされたガス流路部材が得られる。材料としては、ガラス(シリカ系)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、セラミック等が例示できる。
本発明において、施す貴金属による表面処理は、電位差により金属イオンが移動して基材表面に金属イオンが付着して被膜を形成するような処理であればよく、例として、電解めっき処理、またはCVD(化学蒸着)に代表される蒸着処理が挙げられる。電解めっき処理の場合、浸漬めっき処理でもよく部分めっき処理でもよい。
本発明は、さらに上記のガス流路部材と膜電極接合体とを少なくとも備える燃料電池をも開示する。
本発明によれば、反応ガスの流れを阻害することがなくかつ集電機能を必要とする部分には導電性付与と耐腐食性向上のための貴金属による表面処理が施されているガス流路部材が得られる。このガス流路部材を用いることにより、高い発電効率を維持できる燃料電池を低コストで製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明によるガス流路部材およびその製造方法のいくつかの実施の形態を説明する。
[第1の形態]
図1は、第1の態様によるガス流路部材およびその製造方法を示す。このガス流路部材は、1枚の金属板をプレス加工して形成されたセパレータであり、前記図5に基づき説明したセパレータ5に相当する。また、それを用いて膜電極接合体3とともに燃料電池10を形成する態様も、図5に基づき説明したと同じであり、説明は省略する。
[第1の形態]
図1は、第1の態様によるガス流路部材およびその製造方法を示す。このガス流路部材は、1枚の金属板をプレス加工して形成されたセパレータであり、前記図5に基づき説明したセパレータ5に相当する。また、それを用いて膜電極接合体3とともに燃料電池10を形成する態様も、図5に基づき説明したと同じであり、説明は省略する。
最初に平板状の基材20を用意する(図1(a))。基材20の素材は、前記したように、チタン、アルミニウム、ステンレスあるいはその合金などの薄板である。基材20に対して、所要のガス流路4・・が形成されるようにプレス加工する(図1(b))。次に、ガス流路4側となる面に対して前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施し、絶縁性の親水化処理層21を形成する(図1(c))。
次に、凸部の端面領域6に形成されている前記絶縁性の親水化処理層21を、研磨あるいはスクレーパによる剥ぎ取り等の手段によって除去した後(図1(d))、前記したいずれかの手法により貴金属による表面処理を施して貴金属による表面処理層22を形成する(図1(e))。それにより、本発明によるガス流路部材の一形態であるセパレータ5Aとされる。
上記のセパレータ5Aにおいて、絶縁性の親水化処理層21が除去された凸部の端面領域6のみが導電性を有しており、貴金属による表面処理層22はその端面領域6にのみ形成される。上記セパレータ5Aは、前記図5に示すように、貴金属(例えば、金)による表面処理層22が形成された面を膜電極接合体3(図1には示されない)の電極2側に接するようにして配置され、燃料電池10とされる。この燃料電池10では、反応ガス流路は親水性であり、水玉によって反応ガスの流れが遮断されるような事態は生じない。
なお、上記では、説明のわかりやすさから、基材20の一方の面側にのみ絶縁性の親水化処理層21を形成するように説明したが、実際は、基材20の両面に絶縁性の親水化処理層21、21が形成される。そして、両面におけるすべての凸部の端面領域6・・から絶縁性の親水化処理層21が除去され、除去されたすべての端面領域6・・に対して、貴金属による表面処理層22を形成する処理が行われる。
前記のように、絶縁性の親水化処理層21が除去された凸部の端面領域6のみが導電性を有した領域であり、ガス流路4となる凹溝部分は導電性を有しないので、例えば浸漬による電解めっき処理を行っても、集電機能を必要とする部分、すなわち凸部の端面領域6にのみ金などの貴金属による導電性表面処理層22が形成される。
[第2の形態]
図2に示す第2の形態は、マスキング25を行う点でのみ前記第1の形態と相違する。図2(a)に示す基材20の素材は、第1の形態と同じであり、同じようにして所要のガス流路4・・が形成されるようにプレス加工が施される(図2(b))。次に、貴金属による表面処理を施そうとする領域にマスキング25を行った後(図2(c))、前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施す。それにより、ガス流路部分4および場合によっては図示のようにマスキング25の部分に、絶縁性の親水化処理層21が形成される(図2(d))。
図2に示す第2の形態は、マスキング25を行う点でのみ前記第1の形態と相違する。図2(a)に示す基材20の素材は、第1の形態と同じであり、同じようにして所要のガス流路4・・が形成されるようにプレス加工が施される(図2(b))。次に、貴金属による表面処理を施そうとする領域にマスキング25を行った後(図2(c))、前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施す。それにより、ガス流路部分4および場合によっては図示のようにマスキング25の部分に、絶縁性の親水化処理層21が形成される(図2(d))。
マスキング25を除去し(図2(e))、マスキング25を除去した領域に前記したいずれかの手法により貴金属による表面処理を施して貴金属による表面処理層22を形成する(図2(f))。それにより、図1(e)に示したと同様の本発明によるガス流路部材の一形態であるセパレータ5Aが形成される。
図示の例でも、第1の形態と同様、説明のわかりやすさから、基材20の一方の面側にのみマスキング処理および絶縁性の親水化処理層21を形成するように説明したが、実際は、基材20の両面において、マスキング25の処理が行われ、両面に絶縁性の親水化処理層21、21が形成される。そして、両面からすべてのマスキング25が除去され、除去されたすべての端面領域6・・に対して、貴金属による表面処理層22を形成する処理が行われる。
[第3の形態]
図3は、第2の態様によるガス流路部材およびその製造方法を示す。このガス流路部材7Aは、前記図6に基づき説明したセパレータ9のように、ガス流路構成材7と平板状セパレータ本体8との2部材からなるセパレータ9における前記ガス流路構成材7に相当する。また、それを用いて膜電極接合体3とともに燃料電池10を形成する態様も、図6に基づき説明したと同じであり、説明は省略する。
図3は、第2の態様によるガス流路部材およびその製造方法を示す。このガス流路部材7Aは、前記図6に基づき説明したセパレータ9のように、ガス流路構成材7と平板状セパレータ本体8との2部材からなるセパレータ9における前記ガス流路構成材7に相当する。また、それを用いて膜電極接合体3とともに燃料電池10を形成する態様も、図6に基づき説明したと同じであり、説明は省略する。
最初に平板状の基材20を用意する(図3(a))。この場合も、基材20の素材は、前記したように、チタン、アルミニウム、ステンレスあるいはその合金などの薄板である。基材20に対して、前記特許文献1(特開2005−310633号公報)の図6で説明するような加工を施して、すでに知られた形態のエキスパンドメタル30とする。図3(b)はこのエキスパンドメタル30の一部の厚さ方向での断面を模式的に示している。このエキスパンドメタル30において、31は加工された基材部分であり、32は加工後に基材部分31によって囲まれた開口部であってガス流路として機能する部分である。
加工後の基材に対して、前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施し、加工後の基材部分31の外周全面を覆うようにして絶縁性の親水化処理層33を形成する(図3(c))。次に、エキスパンドメタル30の上下両面を面方向に研磨して、上下面に形成されている絶縁性の親水化処理層33を除去する(図3(d))。その際に、必要な場合には、エキスパンドメタル30の一部も研削して、平坦な表面を露出させる。その後、前記したいずれかの手法により貴金属による表面処理を施し、貴金属による表面処理層34を絶縁性の親水化処理層33を除去した領域に形成する(図3(e))。それにより、本発明によるガス流路部材の一形態であるガス流路構成材7Aが完成する。
図6に基づき説明したように、このガス流路構成材7A(すなわち、本発明によるガス流路部材)は、上下面における前記貴金属による表面処理層34の一方が平板状セパレータ本体8に接するように、他方は膜電極接合体3の電極層2側に接するようにして組み付けられて、燃料電池10とされる。この燃料電池10でも、前記ガス流路構成材7Aによって形成されるガス流路32の部分は親水性であり、ガス流路部分に形成される水玉によって反応ガスの流れが遮断されるような事態は生じない。
[第4の形態]
図4に示す第4の形態は、図3に示した第2の態様によるガス流路部材の他の製造方法を示す。この形態でも、最初に平板状の基材20を用意する(図4(a))。基材20の素材は同じである。次に、基材20に対して、前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施し、基材20の外周全面を覆うようにして絶縁性の親水化処理層33を形成する(図4(b))。
図4に示す第4の形態は、図3に示した第2の態様によるガス流路部材の他の製造方法を示す。この形態でも、最初に平板状の基材20を用意する(図4(a))。基材20の素材は同じである。次に、基材20に対して、前記したいずれかの手法により絶縁性の親水化処理を施し、基材20の外周全面を覆うようにして絶縁性の親水化処理層33を形成する(図4(b))。
全面に親水化処理層33を形成して基材20に対して、前記特許文献1(特開2005−310633号公報)の図6で説明するような加工を施して、すでに知られた形態のエキスパンドメタル30とする。図4(c)はこのエキスパンドメタル30の一部の厚さ方向での断面を模式的に示している。図示のように切断加工を受けた上下の端面およびその近傍には、親水化処理層33が残存している。
加工後の基材に対して、キスパンドメタル30の上下両面を面方向に研磨して、上下面に残存している絶縁性の親水化処理層33を除去する(図4(d))。その際に、必要な場合には、エキスパンドメタル30の一部も研削して、平坦な表面を露出させる。最後に、前記したいずれかの手法により貴金属による表面処理を施し、貴金属による表面処理層34を前記露出した平坦面領域に形成する(図4(e))。それにより、本発明によるガス流路部材の一形態であるガス流路構成材7Aが完成する。
この製造方法によって形成されたガス流路構成材7Aの使用方法および奏する作用効果は、図3に基づき説明したものと同じである。
1…電解質膜、2…電極層、3…膜電極接合体、4…ガス流路、5,5A…セパレータ、6…凸部の端面領域、7,7A…ガス流路構成材、8…平板状セパレータ本体、9…2部材からなるセパレータ、10…燃料電池、20…基材、21…絶縁性の親水化処理層、22…貴金属による表面処理層、25…マスキング、30…エキスパンドメタル、31…加工された基材部分、32…加工後に基材部分によって形成される開口部(ガス流路として機能する)、33…絶縁性の親水化処理層、34…貴金属による表面処理層
Claims (6)
- 燃料電池で用いるガス流路部材であって、集電機能を必要としない部分には絶縁性の親水化処理が施されており、集電機能を必要とする部分には貴金属による表面処理が施されていることを特徴とするガス流路部材。
- 請求項1に記載のガス流路部材は、1枚の金属板をプレス加工して形成されたセパレータであり、前記集電機能を必要とする部分は燃料電池を構成する膜電極接合体における電極層に接する部分であることを特徴とする請求項1に記載のガス流路部材。
- 請求項1に記載のガス流路部材は、ガス流路構成材と平板状セパレータ本体との2部材からなるセパレータにおける前記ガス流路構成材であり、前記集電機能を必要とする部分は前記平板状セパレータ本体に接する部分と燃料電池を構成する膜電極接合体における電極層に接する部分であることを特徴とする請求項1に記載のガス流路部材。
- 請求項1に記載のガス流路部材の製造方法であって、所要形状に成型された基材の全面に絶縁性の親水化処理を施した後、集電機能を必要とする部分における絶縁性の親水化処理層を除去し、その後、貴金属による表面処理を施すことを特徴とするガス流路部材の製造方法。
- 請求項1に記載のガス流路部材の製造方法であって、所要形状に成型された基材における集電機能を必要とする部分に対してマスキング処理を行った後、絶縁性の親水化処理を施し、マスキングを除去した後、貴金属による表面処理を施すことを特徴とするガス流路部材の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のガス流路部材と膜電極接合体とを少なくとも備える燃料電池。
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US9515324B2 (en) | 2012-07-11 | 2016-12-06 | Toyota Shatai Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing fuel cell separator |
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2008
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