JP2007140288A - 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置およびトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、ファンを備えた画像形成装置に搭載され、像担持体上に形成された潜像を現像して可視像化する現像装置5において、現像剤を担持するとともに像担持体1に対向する現像剤担持体51と、現像剤担持体の一部を覆うとともに現像剤を収容するケース50と、ケースに設けられた内圧を低減させるための圧抜き用の開口部50aと、開口部に設けられたフィルタ62を有し、該フィルタは帯電フィルタであり、該フィルタは、像担持体1から転写された未定着画像を担持する転写像担持体8の転写面に対向した位置に設けられている。この構成により装置本体内の気流によって発生する圧力勾配の影響を抑制し、フィルタ内を通じてのトナー飛散を確実に防止することが可能となる。
【選択図】図9
Description
詳しくは、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いる現像装置では、装置内においてトナーとキャリアとを混合・撹拌して、適正なトナー濃度に調整制御した現像剤を現像剤担持体(例えば現像ローラ)上に搬送している。現像ローラ上に担持された現像剤は、現像ローラの上方に設置された現像剤規制部材(例えばドクターブレード)によってその量が規制された後に、像担持体(例えば感光体ドラム)との対向位置(現像領域と言う)まで搬送される。そして、その位置で、現像ローラ上に担持された現像剤中のトナーが、感光体ドラム上に形成された静電潜像に付着して可視像化し、所望のトナー像が形成される。
そして、このような帯電不足のトナーは、電気的な力による拘束を受けにくいために、装置内に生じる気流に乗って装置内を浮遊する。このような浮遊したトナーはさらに気流にのって現像装置外に飛散して、画像形成装置内を汚染することになる。
そこで、このような現像装置からのトナー飛散を防止するために、一般的に、現像装置を構成する部品と部品との隙間にはシール部材が貼着されている。
本発明の第1の手段は、ファンを備えた画像形成装置に搭載され、像担持体上に形成された潜像を現像して可視像化する現像装置において、前記現像剤を担持するとともに前記像担持体に対向する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の一部を覆うとともに前記現像剤を収容するケースと、該ケースに設けられた内圧を低減させるための圧抜き用の開口部と、該開口部に設けられたフィルタを有し、前記フィルタは帯電フィルタであり、該フィルタは、前記像担持体から転写された未定着画像を担持する転写像担持体の転写面に対向した位置に設けられたことを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の現像装置において、前記フィルタと前記転写面との距離は5mm以上であることを特徴とする(請求項3)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段の画像形成装置において、前記複数配列された現像装置のうち、画像形成装置本体に設けたファンに最も近い側の現像装置に前記フィルタを搭載したことを特徴とする(請求項6)。
さらに本発明の第7の手段は、第4〜6のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記転写像担持体は、中間転写体、あるいは前記転写手段で搬送される記録媒体であることを特徴とする(請求項7)。
また、本発明の第9の手段は、第4〜7のいずれか一つの手段の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、前記像担持体と前記現像装置を一体に備えたことを特徴とする(請求項9)。
本発明の第10の手段は、像担持体に形成された静電潜像を現像装置で現像して可視像化し、前記像担持体上に形成された可視像を転写像担持体に転写する画像形成部を備えた画像形成装置において、前記画像形成部に第8または第9の手段のプロセスカートリッジを着脱自在に備えたことを特徴とする(請求項10)。
図1〜図9にて本発明の第1の実施例について詳細に説明する。まず、図1及び図2により、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図であり、図2はその画像形成装置の作像部の構成例を示す拡大断面図である。
装置本体100内では、中間転写ユニット10の無端ベルト状の中間転写体(以下、中間転写ベルトと言う)8に対向するように、該中間転写ベルト8の進行方向に沿って各色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つの作像部6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられる現像剤のトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2においては、作像部6と感光体ドラム1と1次転写バイアスローラ9とにおける符号のアルファベット(Y、M、C、K)を省略して図示する。
なお、本実施例1では、作像部6を構成する、感光体ドラム1、帯電部4、現像部5、クリーニング部2を、それぞれ、単独のユニットとしたが、これらを一体化して、装置本体100に着脱自在に設置されるプロセスカートリッジとすることもできる。そして、その場合は、作像部6のメンテナンスを行う際の作業性が向上する。
その後、感光体ドラム1の表面は、図1に示す露光部(例えばレーザ走査方式の光書込装置)40から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される。
その後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
そして、中間転写ベルト8は、図中の矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。このようにして感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された被転写Pは、出力画像として、排紙部(スタック部)30上に順次スタックされる。このようにして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、一方の現像剤収容部54の上方には、トナー補給口54aが接続されている。これにより、現像剤収容部54内にトナー搬送装置からフレッシュトナーが適宜に補給される。
すなわち、現像ローラ51とケース50との間から流入した気体は、現像ローラ51の回転にともないケース50との対向面と壁部58との対向面とを通過して、壁部58の先端部に至る。そして、装置内に流入した気体は、壁部58の先端部を回り込んで、フィルタ61が設置された開口部50aから装置外に排出される。ここで、壁部58の先端部が現像剤Gに埋没しない位置に設置されているので、装置内に流入した気体は現像剤収容部53内の現像剤Gに遮断されることなく、開口部50aまでの流路が確保される。また、壁部58は現像ローラ表面とフィルタ61に通じる空気流路の間に庇のようにかかることで、ローラ上のキャリアが直接フィルタ61に飛散するのを防止している。さらに、壁部58の庇の先端が、反撥磁界が発生している同極のP3極とP4極の間あたりにあることで、剤離れ作用を生じせしめるあたりまで流路空間が狭く構成され、現像剤の剤離れを促進させることも可能である。
このファン70(70a,70b)は主に露光部40を冷却するためのものであるが、作像部6Y〜6Kを冷却する役目も担っている。
ファン70(70a,70b)から発生する気流の大部分は露光部40の上部を図1中の右方向に流れていくが、一部は後方端部を回り込み、結果として図7に示すように現像装置上部を前方向に流れる気流が形成されている。
このため、作像部6M,6C,6Kで飛散防止に最適なフィルタ61を作像部6Yに用いると、作像部6Yからはフィルタ内をトナーが一部通過して現像装置外に飛散してしまう。
従って、作像部6Yの現像装置5Yには、他の作像部の現像装置よりも通気抵抗(圧力損失)が比較的高く、粒子捕集効率の高いフィルタを設置することが望まれる。
また、他のフィルタで同等の効率を得ようとすると、圧力損失が大きすぎてしまい、圧抜き効果が得られなくなってしまうものがほとんどであるが、帯電フィルタ62を用いることによって、ほぼ適切な圧力損失で、かつトナー飛散を確実に防止できることがわかった。
帯電フィルタ62の現像装置5への取り付けも、本実施例では特に上方から押さえる押さえ部材で押圧することなく、ケース50上部の空気流路の範囲外に帯電フィルタ62を両面テープ等で貼り付けているが、厚さと同様に上記のバランスが維持できるなら、上方から押さえ部材で押さえるようにすることも問題はない。また、押さえ部材は空気流路以外を押さえることで毛羽立ち部を極小化できるという効果もある。
帯電フィルタの目付量と共に、圧力損失および捕集効率ともに上昇するが、目付量(密度)が0.03g/cm3以下では経時でトナーが通過してしまい、0.2g/cm3以上では圧抜きが不十分となり、現像ローラ側の開口部端部からのトナー飛散が発生してしまった。したがって、フィルタの目付量は密度に換算して0.03g/cm3以上0.2g/cm3以下が適正範囲となる。本実施例の現像装置5Yに用いた帯電フィルタ62は厚さが約1mmであったため、一般的に用いられる単位g/m3とすると30〜200g/cm3となる。本実施例では60g/m3のものを採用した。
なお、本実施例では帯電フィルタ62を、開口部50aの上に重ねて設置したが、それは以下の理由による。
2.帯電フィルタ62は薄手のものしかないため、図2のようにフィルタ61のスペースに帯電フィルタを収納するには余剰スペースを埋める部品が必要になりコストがかかる。組立性も悪い。
以上の実施例1では、中間転写ベルトを用いた中間転写方式の画像形成装置を例に上げて説明したが、本発明は中間転写方式の画像形成装置に限らず、像担持体から記録媒体に直接転写する方式の画像形成装置においても同様に実施することができる。
図10はその一例を示すカラープリンタの概略構成図であり、同図に示すように、記録媒体(転写紙等の被転写材)Pを担持搬送する転写ベルト80に対向するように、該転写ベルト80の進行方向に沿って各色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。この4つの作像部6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられる現像剤のトナーの色が異なる以外はほぼ同一の構造であり、図2または図9に示す作像部と同様の構成である。
その後、感光体ドラム1の表面は、図1に示す露光部(例えばレーザ走査方式の光書込装置)40から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される。
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置としての現像部5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像剤のトナーで現像されて可視像化され、所望のトナー像が形成される(現像工程である)。
上記の作像プロセスは、4つの作像部6Y、6M、6C、6Kで、それぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部40から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成したY,M,C,Kの各色のトナー像は、転写ベルト80で担持搬送される被転写材P上に重ね合わせて転写される。このようにして被転写材P上にカラー画像が形成される。
このため、作像部6M,6C,6Yで飛散防止に最適なフィルタ61を作像部6Kに用いると、作像部6Kからはフィルタ内をトナーが一部通過して現像装置外に飛散してしまう。
従って、作像部6Kの現像装置5Kには、他の作像部の現像装置よりも通気抵抗(圧力損失)が比較的高く、粒子捕集効率の高いフィルタを設置することが望まれる。
次に実施例1、実施例2で説明したような画像形成装置に使用されるトナーについて説明する。
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
このようにトナーの改良によりそもそも飛散しやすいトナーの発生を低減させ、なお飛散するトナーに対しては、前述のようなフィルタを用いた排気機構による気流制御により飛散を防止する。
こうして従来に比して非常にトナー飛散の発生しにくい現像装置を得ることができるとともに、飛散したトナーによる画像の汚れや機内の汚れを防止することが出来るので、良好な画像が得られ、メンテナンス性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
2:クリーニング部
4:帯電部
5:現像部(現像装置)
6:作像部
8:中間転写ベルト(中間転写体(転写像担持体))
9:転写バイアスローラ
10:中間転写ユニット
20:定着部
26:給紙部
27:給紙ローラ
28:レジストローラ
30:排紙部
40:露光部
50:ケース
50a:圧抜き用の開口部
51:現像ローラ(現像剤担持体)
52:ドクターブレード
53.54:現像剤収容部
55,56:搬送スクリュ
57:トナー濃度センサ
58:壁部
61:フィルタ
62:帯電フィルタ
70(70a,70b):ファン
80:転写ベルト
P:被転写材(記録媒体(転写像担持体))
Claims (12)
- ファンを備えた画像形成装置に搭載され、像担持体上に形成された潜像を現像して可視像化する現像装置において、
前記現像剤を担持するとともに前記像担持体に対向する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の一部を覆うとともに前記現像剤を収容するケースと、
該ケースに設けられた内圧を低減させるための圧抜き用の開口部と、
該開口部に設けられたフィルタを有し、
前記フィルタは帯電フィルタであり、該フィルタは、前記像担持体から転写された未定着画像を担持する転写像担持体の転写面に対向した位置に設けられたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
前記フィルタの目付量は、密度に換算して0.03g/cm3以上、0.2g/cm3以下であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2記載の現像装置において、
前記フィルタと前記転写面との距離は5mm以上であることを特徴とする現像装置。 - 像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像を現像して可視像化する現像装置と、前記像担持体上に形成された可視像を転写像担持体に転写する転写手段を備えた画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1〜3のいずれか一つに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4記載の画像形成装置において、
前記像担持体と前記現像装置を前記転写像担持体に対向して該転写像担持体の進行方向に複数配列し、その複数配列された現像装置のうち前記転写像担持体の進行方向の両端に位置する現像装置のいずれか一方または両方に前記フィルタを搭載したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
前記複数配列された現像装置のうち、画像形成装置本体に設けたファンに最も近い側の現像装置に前記フィルタを搭載したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記転写像担持体は、中間転写体、あるいは前記転写手段で搬送される記録媒体であることを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
像担持体と請求項1〜3のいずれか一つに記載の現像装置を一体に備えことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項4〜7のいずれか一つに記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
前記像担持体と前記現像装置を一体に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体に形成された静電潜像を現像装置で現像して可視像化し、前記像担持体上に形成された可視像を転写像担持体に転写する画像形成部を備えた画像形成装置において、
前記画像形成部に請求項8または9記載のプロセスカートリッジを着脱自在に備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4〜7、10のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記現像装置で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4〜7、10のいずれか一つに記載の画像形成装置に使用され、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、
少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とするトナー。
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