JP2007140146A - 多層膜反射鏡及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高精度の面形状を有し酸化による反射率低下が生じにくい多層膜反射鏡を提供する。
【解決手段】 基板(4)表面にMoを主成分とする層とSiを主成分とする層を交互に周期的に成膜した構造を有するMo/Si多層膜(6)を備え、面内で除去量に分布を生じさせて前記Mo/Si多層膜の表面側の前記Mo/Si多層膜を除去した多層膜反射鏡において、前記Mo/Si多層膜上に光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))のnが、n=1±0.02、の条件を満足する保護層(8)を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、基板表面に多層膜を形成した多層膜反射鏡及び該多層膜反射鏡を備える露光装置に関するものである。
近年、半導体集積回路の微細化の進展に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代えて、これより短い波長(例えば11〜14nm程度)の極端紫外線を使用した投影露光装置が開発されている(特許文献1参照)。
特開2003‐14893号公報
上述の極端紫外線を使用した投影露光装置(EUV露光装置)においては、極端紫外線が透過する物質が存在しないため、光学系は反射鏡によって構成される必要があるが、この波長域では物質の屈折率が1よりも僅かに小さいことによる全反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光の位相を合わせて多数重畳させて、全体として高い反射率を得る多層膜ミラーなどが使用される。
EUVリソグラフィに用いられる反射鏡は、波面収差に対して、形状誤差が小さく、高精度な面形状に形成される必要があるが、その加工は容易でない。そこで、多層膜反射鏡の表面を一層ずつ削り取ることによって、実質的にサブnmの形状誤差を補正する技術が開発されている(国際公開第01/41155号パンフレット参照)。
ここで、多層膜反射鏡に用いられるモリブデン(Mo)層及びシリコン(Si)層により構成される多層膜の場合、多層膜の表面を削り取ることにより酸化しやすいMo層が露出するため、Mo層の酸化を防止するSi単層膜等の酸化防止膜を成膜する必要がある。また、多層膜に対するカーボンコンタミネーション及びSi層を含めた酸化を防止するためにルテニウム(Ru)層等のキャッピング層を成膜する必要がある。
しかしながら、Ru層は光学的にMo層と略同一であるため、削り取った多層膜の表面にキャッピング層としてRu層を成膜することにより、削り取ったMo層の位置とは異なる位置にRu層が位置することにより膜加工量に対する反射波面の位相が大きく変化する。更に、削り取った部分の反射率も大きく変化する。
この発明の課題は、高精度の面形状を有し酸化による反射率低下が生じにくい多層膜反射鏡及び該多層膜反射鏡を備えた露光装置を提供することである。
この発明の多層膜反射鏡(2)は、基板(4)表面にMoを主成分とする層とSiを主成分とする層を交互に周期的に成膜した構造を有するMo/Si多層膜(6)を備え、面内で除去量に分布を生じさせて前記Mo/Si多層膜の表面側の前記Mo/Si多層膜を除去した多層膜反射鏡において、前記Mo/Si多層膜上に光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))のnが、n=1±0.02、の条件を満足する保護層(8)を備えることを特徴とする。
また、この発明の露光装置は、この発明の多層膜反射鏡(2)を光学系の少なくとも一部に備えることを特徴とする。
この発明の多層膜反射鏡によれば、面形状を高精度に加工することができかつ酸化による反射率低下を防止することができる。また、この発明の露光装置によれば、光学系の少なくとも一部に高精度な面形状を有し酸化による反射率低下が生じにくい多層膜反射鏡を備えているため、長期間に亘って良好な露光を行なうことができる。
図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡について説明する。多層膜反射鏡は、例えば極端紫外光(EUV光)を露光光とするEUV露光装置等に用いられる。図1は、第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡2の断面図である。図1に示すように、多層膜反射鏡2は、高精度な形状に研磨された低熱膨張ガラス基板4の表面にモリブデン(Mo)を主成分とする層とシリコン(Si)を主成分とする層が交互に周期的に成膜された構造を有するMo/Si多層膜6を備えている。このMo/Si多層膜6は、反射面形状の補正を行うために面内で除去量に分布を生じさせてMo/Si多層膜6の表面側のMo/Si多層膜6が除去されている。
このMo/Si多層膜6上には、酸化防止層である光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))のnが、n=1±0.02、の条件を満足する保護層8が設けられている。
EUV露光装置の投影結像光学系は、いわゆる回折限界の光学系であり、波面収差を充分に小さくしておかないと設計通りの性能を得ることは出来ない。回折限界の光学系における波面収差の許容値の目安としては、Marechalによる、二乗平均値(RMS)で使用波長の1/14以内という基準がある。これはStrehl強度(収差のある光学系と無収差光学系との間の点像強度の最大値の比)が80%以上になるための条件である。実際の露光装置の投影結像光学系は、これよりも更に低い収差になるように製造されている。
EUV露光装置においては、露光波長は主として13nmあるいは11nm付近の波長が使用される。光学系の波面収差(WFE)に対して、個々のミラーに許容される形状誤差(FE)は(1)式で与えられる。
FE=WFE/2/√n(RMS)・・・(1)
ここでnは光学系を構成するミラーの数である。反射光学系においては入射光と反射光の両方がそれぞれ形状誤差の影響を受けるので、波面収差には形状誤差の2倍の誤差が乗ることから、(1)式に示すように、2で割る必要がある。即ち、回折限界の光学系において、個々の反射鏡に許容される形状誤差(FE)は、波長λとミラーの枚数nに対して(2)式で与えられる。
FE=λ/28/√n(RMS)・・・(2)
例えば、波長13nmで、4枚の反射鏡で構成される反射光学系の場合には、各反射鏡に許容される形状誤差は、0.23nmRSMとなり、6枚の反射鏡で構成された反射光学系の場合には、各反射鏡に許容される形状誤差は、0.19nmRSMとなる。しかしながら、このような高精度の面形状の反射鏡を製造することは非常に困難である。
近年、多層膜反射鏡の多層膜の表面を一層ずつ削り取ることによって、実質的にサブnmの形状誤差を補正することのできる技術が報告された(国際公開第01/41155号パンフレット参照)。以下に、この技術の原理を説明する。図2に示すようにA,B二種類の物質を一定の周期長dで交互に積層した多層膜の表面から、図3に示すように一層対を除去する場合を考える。図2で、多層膜表面に対して垂直方向に進行する光線に対する、厚さdの多層膜一層対の光路長は、OP=nAdA+nBdBで与えられる。ここでdA,dBは各層の厚さを表し、dA+dB=dである。nA,nBは物質A,Bそれぞれの屈折率である。図3で、最表面の多層膜一層対を除去した厚さdの部分の光路長は、OP’=ndで与えられる。nは真空の屈折率を表し、n=1である。多層膜の最上層を除去することによって、そこを通過する光線が進む光学的距離が変化することになる。これは、実質的にその変化分だけ面形状を修正したことと光学的に等価である。
光路長の変化(即ち、面形状の変化)は、Δ=OP’−OPで与えられる。極端紫外線の波長域では、物質の屈折率が1に近いので、Δは小さな量となり、本方法により精密な面形状の補正が可能になる。具体例として、波長13.4nmでMo/Si多層膜を用いた場合を示す。直入射で使用するために、d=6.8nm、dMo=2.3nm、dSi=4.5nmとする。この波長での屈折率は、nMo=0.92,nSi=0.998である。これらの数値を用いて光路長の変化を計算すると、OP=6.6nm、OP’=6.8nm、Δ0.2nmとなる。厚さ6.8nmの層を除去する加工によって、0.2nm相当の面形状の補正を行うことが出来る。なお、Mo/Si多層膜の場合、Si層の屈折率は1に近いので、光路長の変化は主としてMo層の有無によるものであり、Si層の有無には殆ど依存しない。従って、多層膜の層を除去する際に、Si層の厚さを正確に制御する必要は無い。この例ではSi層の厚さは4.5nmあり、この層の途中で加工が停止すれば良い。即ち、数nmの精度の加工を施すことによって0.2nm単位の面形状補正を行うことが出来る。なお、多層膜の反射率は積層数とともに増加して一定の層数を越えると飽和して一定になる。予め反射率が飽和するのに充分な層数を積層しておけば、表面から多層膜の一部を除去しても反射率の変化は生じない。
上記のように多層膜の最上層を除去して形状補正を行った多層膜反射鏡表面には、Mo層とSi層が露出する。Mo層表面は酸化しやすく、酸化すると反射率の低下を招く。これを防ぐために、多層膜の除去加工を行った後に全面にSi層を保護膜として成膜する方法が知られている。
ここで、多層膜反射鏡表面のコンタミネーションを防止するためにMo/Si多層膜の最上層だけを別の材料(キャッピング層)を用いることが提案されている。多層膜表面のコンタミネーションには、表面に吸着した炭化水素が分解して生じる炭素層の堆積と、表面の酸化がある。何れもEUV光照射による光化学反応によるものである。炭素層は、酸化性の使用雰囲気にすることにより付着を防止したり、表面を積極的に酸化させることにより炭酸ガス(CO,CO)として除去することが可能である。しかし、そうすると多層膜表面も酸化してしまい、多層膜表面が酸化すると反射率が低下する。Siよりも耐酸化性に優れたキャッピング材料が盛んに研究されており、その代表的な材料はRuである。Ruは、EUV光が照射されたときにSiよりも酸化し難いことが知られている。
しかしながら、多層膜の除去加工を行った後の保護膜としてRu層を使用するためには大きな課題がある。図4は、Mo層の厚さが2.4nm、Si層の厚さが4.5nm、積層数50層対で、最上層はSi層であるMo/Si多層膜の表面を少しずつ削り取ったときの、波長13.5nmのEUV光に対する反射率と反射波の位相(即ち形状誤差補正量)の変化を示す。反射率は僅かに上昇して元の値に戻るが殆ど変化しない。反射波の位相は、Si層が削られている間は全く変化しないが、Mo層が削られるに従って変化する。この結果、Mo/Si多層膜を一層対(厚さ6.9nm)除去すると、位相差8°、即ち0.3nm(8/360×13.5=0.3)に相当する反射面形状の補正をしたのと等価となる。Si層の途中では殆ど反射率と位相の変化は無いので、一層対を除去する加工精度は0.3nmを実際に加工するのと比べて大幅に緩和される。
図5は、この上に厚さ2nmのSi層を全面に成膜した場合の反射率と反射波の位相の変化を示す。表面にSi層を形成しても、図4の反射率と反射波の位相の変化は保存される。反射率の変化は若干低減されている。図6は、Si層の上に厚さ2nmのRu層を全面に成膜した場合の反射率と反射波の位相の変化を示す。反射率と反射波の位相の変化は、図4とは全く異なる振る舞いを示すようになり、これでは多層膜除去加工によって形状誤差を補正することが出来ない。以上のように、Mo/Si多層膜の表面を削って実質的な形状を補正する技術と、耐酸化性を高めたRuキャッピング層とは両立し得ないという重大な問題点があった。
ここで、多層膜加工後の表面コート材料によってコート後の反射率と位相が大きく異なるのは、コートする材料の光学的性質によるものである。表1に、波長13.5nmにおける各種材料の光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))を示す。
Figure 2007140146
Siの光学定数は非常に1に近い。即ち真空の光学定数に近い。従って、Si層の有無により多層膜反射鏡の反射特性は殆ど変化しない。一方、Ruの光学定数は真空の光学定数との差が大きく、Moの光学定数に近い。そのため、多層膜の表面を部分的に除去加工した後に全面にRu層を形成すると、Ru層と下地の多層膜との間の光学的干渉が生じる。除去されたSi層の厚さが異なると、下地多層膜の最上層のMo層とRu層の間隔が異なるため、干渉条件が変化して反射率と位相が変化する。そのために、Mo/Si多層膜表面を除去加工した段階では殆ど反射率と位相の変化の無かったSi層の途中まで除去された箇所でも、その上にRu層を形成することによって反射率と位相の大きな変動が生じてしまう。
そこで、この実施の形態に係る多層膜反射鏡は、多層膜の表面除去加工後の全面コート材料に、Si層よりも優れRu層に匹敵する耐酸化性を有する、光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))のnが、n=1±0.02、の条件を満足する保護層8を備える。
具体的には、保護層は、Baを主成分とする保護層である。ここで、Baを主成分とする保護層には、Ba,BaSi,BaAl,BaAl及びBaOからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成される保護層が含まれる。即ち、保護層には、Ba,BaSi,BaAl,BaAl及びBaOからなる層のみならず、これらの混合物からなる層も含まれる。
なお、保護層は、Laを含む保護層で有っても良い。ここでLaを含む保護層には、LaAl,LaSi及びLaからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成される保護層が含まれる。即ち、LaAl,LaSi及びLaからなる層のみならず、これらの混合物からなる層も含まれる。また、保護層は、Geを主成分とする保護層で有っても良い。ここでGeを主成分とする保護層には、Ge,GeAl,GeSi,GeO及びGeOからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成される保護層が含まれる。即ち、Ge,GeAl,GeSi,GeO及びGeOからなる層のみならず、これらの混合物からなる層も含まれる。
また、保護層は、Alを含む保護層で有っても良い。ここで、Alを含む保護層には、AlSi,AlBa,AlLa,AlGe及びAlからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成される保護層が含まれる。即ち、AlSi,AlBa,AlLa,AlGe及びAlからなる層のみならず、これらの混合物からなる層も含まれる。
第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡によれば、Mo/Si多層膜の表面を削る実質的な形状の補正と、補正加工後の耐酸化性の維持とを両立することが出来るので、高精度で、かつ酸化による反射率低下の生じにくい多層膜ミラーを提供することが出来る。
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかるEUV露光装置について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかるEUV露光装置(縮小投影露光装置)の概略構成を示す図である。図7に示すEUV露光装置においては、光路上はすべて真空(例えば、1×10−3Pa以下)に保たれている。EUV露光装置は、光源を含む照明光学系ILを備えている。照明光学系ILから射出されたEUV光(一般的には波長5〜20nmを指し、具体的には波長13nm、11nmが用いられる。)は、折り返しミラー301により反射され、パターンが形成されているレチクル302上を照射する。
レチクル302は、反射型のレチクルであり、レチクルステージ303に固定されたチャック303aに保持されている。レチクルステージ303は、走査方向に100mm以上移動可能に構成されており、走査方向と直交する方向及び光軸方向に微小移動可能に構成されている。レチクルステージ303の走査方向及び走査方向に直交する方向の位置は図示しないレーザ干渉計により高精度に制御され、光軸方向の位置はレチクルフォーカス送光系304とレチクルフォーカス受光系305からなるレチクルフォーカスセンサにより制御されている。
レチクル302にはEUV光を反射する多層膜(例えば、モリブデン(Mo)/シリコン(Si)やモリブデン(Mo)/ベリリウム(Be))が成膜されており、この多層膜の上の吸収層(例えば、ニッケル(Ni)やアルミニウム(Al))によりパターニングされている。レチクル302により反射されたEUV光は、光学鏡筒314内に入射する。
光学鏡筒314内には、複数(この実施の形態においては4つ)のミラー306,307,308,309が設置されている。これらのミラー306〜309の少なくとも1つは、第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡により構成されている。なお、この実施の形態においては、投影光学系として4つのミラーを備えているが、6つまたは8つのミラーを備えるようにしてもよい。この場合には、開口数(NA)をより大きくすることができる。
光学鏡筒314内に入射したEUV光は、ミラー306により反射された後、ミラー307、ミラー308、ミラー309により順次反射され、光学鏡筒314内から射出して、ウエハ310に入射する。なお、ミラー306〜309等により構成される投影光学系の縮小倍率は、例えば1/4または1/5である。また、光学鏡筒314の近傍には、ウエハ310のアライメントを行なうオフアクシス顕微鏡315が設置されている。
ウエハ310は、ウエハステージ311に固定されたチャック311a上に保持されている。ウエハステージ311は、光軸と直交する面内に設置されており、光軸と直交する面内に例えば300〜400mm移動可能に構成されている。また、ウエハステージ311は、光軸方向にも微小移動可能に構成されている。ウエハステージ311の光軸方向の位置は、ウエハオートフォーカス送光系312とウエハオートフォーカス受光系313からなるウエハオートフォーカスセンサにより制御されている。ウエハステージ311の光軸と直交する面内における位置は、図示しないレーザ干渉計により高精度に制御されている。
露光時には、レチクルステージ303とウエハステージ311は、投影光学系の縮小倍率と同一の速度比、例えば、(レチクルステージ303の移動速度):(ウエハステージ311の移動速度)=4:1または5:1で同期走査する。
この第2の実施の形態にかかるEUV露光装置によれば、投影光学系を構成するミラーの少なくとも1つが第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡により構成されているため、酸化による反射率低下が生じない高精度な面形状を有する光学系により良好な露光を行なうことができる。
なお、第2の実施の形態においては、ミラー306〜309の少なくとも1つが第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡により構成されているが、照明光学系ILに含まれるミラー、折り返しミラー301、レチクル302等が第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡により構成されるようにしてもよい。
低熱膨張ガラス製の基板上に、マグネトロンスパッタリングにより周期長6.9nmのMo/Si多層膜を50層対形成した。Mo層の厚さは2.4nm、Si層の厚さは4.5nmとした。次に、Arイオンビームを用いたイオンビーム加工装置により、表面側からMo/Si多層膜の一部を部分的に除去して実質的な反射面形状の修正を行った。このままの状態では、Mo層の一部が表面に露出しているので、この部分が酸化して経時的な反射率の低下を招く。これを防ぐための保護膜として、反射面全面にマグネトロンスパッタリングにより厚さ2nmのBa層を形成した。Ba層は化学的に安定な材料なので、露出していたMo層を被覆して酸化による反射率の低下を防ぐ。また、Ba層は光学定数が1(真空の光学定数)に近いので、Ba層の形成による光学特性(反射率と位相)の変化はごく僅かであり、多層膜の除去加工による実質的なミラー面形状の修正の効果を有効に維持することが出来る。
なお、本実施例ではBaを除去加工後の保護層として用いたが、このほかにバリウムシリサイド(BaSi)やバリウムアルミニウム合金(BaAl)などを用いても良い。あるいは、アルミン酸バリウム(BaAl)や酸化バリウム(BaO)などの酸化物を用いても良い。酸化物を用いると耐酸化性は更に向上するが、光学定数の1との差がやや大きくなるので、出来るだけ膜厚を薄く(例えば1nm程度)するのが良い。しかしながら、あまり薄くし過ぎると不連続な薄膜になって被覆力が低下するので、例えば1nm程度が好ましい。
低熱膨張ガラス製の基板上に、イオンビームスパッタリングにより周期長6.9nmのMo/Si多層膜を50層対形成した。Mo層の厚さは2.4nm、Si層の厚さは4.5nmとした。次に、Arイオンビームを用いたイオンビーム加工装置により、表面側からMo/Si多層膜の一部を部分的に除去して実質的な反射面形状の修正を行った。このままの状態では、Mo層の一部が表面に露出しているので、この部分が酸化して経時的な反射率の低下を招く。これを防ぐための保護膜として、反射面全面にイオンビームスパッタリングにより厚さ2nmのランタンシリサイド(LaSi)層を形成した。La単体では耐酸化性は低いが、合金化することによって耐酸化性が向上する。LaSi層は化学的に安定な材料なので、露出していたMo層を被覆して酸化による反射率の低下を防ぐ。また、LaSi層は光学定数が1(真空の光学定数)に近いので、LaSi層の形成による光学特性(反射率と位相)の変化はごく僅かであり、多層膜の除去加工による実質的な反射面形状の修正の効果を有効に維持することが出来る。
なお、本実施例ではLaSiを除去加工後の保護層として用いたが、このほかにランタンアルミニウム合金(LaAl)などを用いても良い。あるいは、酸化ランタン(La)などの酸化物を用いても良い。酸化物を用いると耐酸化性は更に向上するが、光学定数の1との差がやや大きくなるので、出来るだけ膜厚を薄く(例えば1nm程度)するのが良い。しかしながら、あまり薄くし過ぎると不連続な薄膜になって被覆力が低下するので、例えば1nm程度が好ましい。
低熱膨張ガラス製の基板上に、マグネトロンスパッタリングにより周期長6.9nmのMo/Si多層膜を50層対形成した。Mo層の厚さは2.4nm、Si層の厚さは4.5nmとした。次に、Arイオンビームを用いたイオンビーム加工装置により、表面側からMo/Si多層膜の一部を部分的に除去して実質的な反射面形状の修正を行った。このままの状態では、Mo層の一部が表面に露出しているので、この部分が酸化して経時的な反射率の低下を招く。これを防ぐための保護膜として、反射面全面にマグネトロンスパッタリングにより厚さ2nmのGe層を形成した。Ge層は化学的に安定な材料なので、露出していたMo層を被覆して酸化による反射率の低下を防ぐ。またGe層は光学定数が1(真空の光学定数)に近いので、Ge層の形成による光学特性(反射率と位相)の変化はごく僅かであり、多層膜の除去加工による実質的なミラー面形状の修正の効果を有効に維持することが出来る。
なお、本実施例ではGeを除去加工後の保護層として用いたが、このほかにゲルマニウムシリコン合金(GeSi)やゲルマニウムアルミニウム合金(GeAl))などを用いても良い。あるいは、一酸化ゲルマニウム(GeO)や二酸化ゲルマニウム(GeO)などの酸化物を用いても良い。酸化物を用いると耐酸化性は更に向上するが、光学定数の1との差がやや大きくなるので、出来るだけ膜厚を薄く(例えば1nm程度)するのが良い。しかしながら、あまり薄くし過ぎると不連続な薄膜になって被覆力が低下するので、例えば1nm程度が好ましい。
低熱膨張ガラス製の基板上に、イオンビームスパッタリングにより周期長6.9nmのMo/Si多層膜を50層対形成した。Mo層の厚さは2.4nm、Si層の厚さは4.5nmとした。次に、Arイオンビームを用いたイオンビーム加工装置により、表面側からMo/Si多層膜の一部を部分的に除去して実質的な反射面形状の修正を行った。このままの状態では、Mo層の一部が表面に露出しているので、この部分が酸化して経時的な反射率の低下を招く。これを防ぐための保護膜として、反射面全面にイオンビームスパッタリングにより厚さ2nmのアルミニウムシリコン合金(AlSi)層を形成した。Al単体では耐酸化性は低いが、合金化することによって耐酸化性が向上する。AlSi層は化学的に安定な材料なので、露出していたMo層を被覆して酸化による反射率の低下を防ぐ。また、AlSi層は光学定数が1(真空の光学定数)に近いので、AlSi層の形成による光学特性(反射率と位相)の変化はごく僅かであり、多層膜の除去加工による実質的な反射面形状の修正の効果を有効に維持することが出来る。
なお、本実施例ではAlSiを除去加工後の保護層として用いたが、このほかにアルミニウムランタン合金(AlLa)、アルミニウムバリウム合金(LaBa)やアルミニウムゲルマニウム合金(AlGe)、及びこれらを複合した合金などを用いても良い。あるいは、酸化アルミニウム(Al)などの酸化物を用いても良い。酸化物を用いると耐酸化性は更に向上するが、光学定数の1との差がやや大きくなるので、出来るだけ膜厚を薄く(例えば1nm程度)するのが良い。しかしながら、あまり薄くし過ぎると不連続な薄膜になって被覆力が低下するので、例えば1nm程度が好ましい。
第1の実施の形態にかかる多層膜反射鏡の断面図である。 多層膜反射鏡の形状誤差の補正を説明するための図である。 多層膜反射鏡の形状誤差の補正を説明するための図である。 Mo/Si多層膜の表面を少しずつ削り取ったときの波長13.5nmのEUV光に対する反射率と反射波の位相の変化を示すグラフである。 Mo/Si多層膜の表面を少しずつ削り取りオーバーコートを設けたときの波長13.5nmのEUV光に対する反射率と反射波の位相の変化を示すグラフである。 Mo/Si多層膜の表面を少しずつ削り取りオーバーコート及びキャップ層を設けたときの波長13.5nmのEUV光に対する反射率と反射波の位相の変化を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかるEUV露光装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
2…多層膜反射鏡、4…ガラス基板、6…Mo/Si多層膜、8…保護層、IL…照明光学系、302…レチクル、303…レチクルステージ、306〜309…ミラー、310…ウエハ、311…ウエハステージ。

Claims (10)

  1. 基板表面にMoを主成分とする層とSiを主成分とする層を交互に周期的に成膜した構造を有するMo/Si多層膜を備え、面内で除去量に分布を生じさせて前記Mo/Si多層膜の表面側の前記Mo/Si多層膜を除去した多層膜反射鏡において、
    前記Mo/Si多層膜上に光学定数(複素屈折率:n+ik(iは虚数単位))のnが以下の条件を満足する保護層を備えることを特徴とする多層膜反射鏡。
    n=1±0.02
  2. 前記保護層は、Baを主成分とする保護層であることを特徴とする請求項1記載の多層膜反射鏡。
  3. 前記Baを主成分とする保護層は、Ba,BaSi,BaAl,BaAl及びBaOからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項2記載の多層膜反射鏡。
  4. 前記保護層は、Laを含む保護層であることを特徴とする請求項1記載の多層膜反射鏡。
  5. 前記Laを含む保護層は、LaAl,LaSi及びLaからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項4記載の多層膜反射鏡。
  6. 前記保護層は、Geを主成分とする保護層であることを特徴とする請求項1記載の多層膜反射鏡。
  7. 前記Geを主成分とする保護層は、Ge,GeAl,GeSi,GeO及びGeOからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項6記載の多層膜反射鏡。
  8. 前記保護層は、Alを含む保護層であることを特徴とする請求項1記載の多層膜反射鏡。
  9. 前記Alを含む保護層は、AlSi,AlBa,AlLa,AlGe及びAlからなる群から選ばれた少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項8記載の多層膜反射鏡。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の多層膜反射鏡を光学系の少なくとも一部に備えることを特徴とする露光装置。
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