JP2007139891A - 電子写真感光体の梱包材、その製造方法、および電子写真感光体の梱包方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体に対して過剰に付着しないよう粉末状の固体潤滑剤を布置した電子写真感光体の梱包材を提供する。
【解決手段】電子写真感光体用の潤滑剤付梱包材1は、基本梱包材2の片面における所定の布置領域4内にのみ粉末状の固体潤滑剤3が付着されて構成されている。この布置領域4は、電子写真感光体の表面の感光層に過不足なく当接可能な大きさとなっている。この構成により、電子写真感光体の感光層以外の表面領域に固体潤滑剤3が付着することがなく、結果的に当該感光層に付着する固体潤滑剤3が過剰とならないようにすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】電子写真感光体用の潤滑剤付梱包材1は、基本梱包材2の片面における所定の布置領域4内にのみ粉末状の固体潤滑剤3が付着されて構成されている。この布置領域4は、電子写真感光体の表面の感光層に過不足なく当接可能な大きさとなっている。この構成により、電子写真感光体の感光層以外の表面領域に固体潤滑剤3が付着することがなく、結果的に当該感光層に付着する固体潤滑剤3が過剰とならないようにすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真感光体の梱包材、その製造方法、および電子写真感光体の梱包方法に関する。
一般に、電子写真感光体は非常に傷つきやすい。そのため、例えばこの電子写真感光体がカールソン方式の電子写真複写装置に使用される場合、その表面の打痕・傷跡、指紋や油による汚れ、溶剤や酸・アルカリ、または紫外線等の被暴などは、良好な画像を形成する上で様々な悪影響を及ぼす。
そこで、電子写真感光体を電子写真複写装置などの画像形成装置に装着するまでの間に当該感光体に対して上記悪影響が及ぶことを防止するため、当該感光体の梱包形態には従来より数々の工夫がなされている。例えば従来より、感光体表面に所定の保護機構を設けた梱包形態や、アモルファスセレン(a−Se)等が使用される場合において感光体表面に何も接触しないように工夫された梱包形態などが採用されている。
一方、一般的に感光体の交換作業は専門の作業者(サービスマン)が行っていたが、近年では電子写真装置の普及に伴い、通常の利用者にも電子写真複写装置の感光体の交換作業を簡易に行うことができることが望まれるようになっている。
また、カールソン方式等を採用した電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、LCDプリンター、CRTプリンター等の電子写真装置は、通常、帯電器、現像器、クリーナー等が備えられる。このクリーナーとしては、簡便な構成で、かつクリーニング効率が高いため、板状のゴム材を使用したクリーニングブレードが広く採用されている。
このクリーニングブレードは、その端辺部分を感光体の表面に当接されており、その当接部分を感光体の回転方向に対して逆方向(カウンター方向)へ向けるよう感光体表面に対して傾けられて設置される。そのため、最初の動作時すなわち最初に感光体が回転する際、クリーニングブレードがひっかかることにより感光体の回転方向へ反転しやすいという問題がある。
このようなクリーニングブレードの反転を防止するには、例えばクリーニングブレードと感光体との接触部に潤滑性粉体を介在させればよい。そこで、滑材として表面エネルギーの低い潤滑性粉体を感光体の表面に布置(塗布)することにより、感光体表面およびクリーニングブレードの滑り性を改善し、最初の動作時におけるクリーニングブレードの反転を防ぐことができる。
このようにクリーニングブレードと感光体との接触部に潤滑性粉体を介在させるように電子写真感光体表面上に潤滑性粉体を塗布するため、従来より電子写真感光体の保護シートに粉末状の固体潤滑剤を塗布した電子写真感光体用梱包材が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。なお、本明細書における塗布とは、なすりつけることのみを指すのではなく、広く布置することを指すものとする。
特開昭61−152581号公報
しかしながら、特許文献1に示されている電子写真感光体の保護シートに粉末状の固体潤滑剤を塗布した電子写真感光体用梱包材では、塗布される粉末状の固体潤滑剤の塗布量が少なすぎる場合、感光体表面およびクリーニングブレードの滑り性が改善されない。この場合には、電子写真装置へ搭載(装着)された後、感光体表面とクリーニングブレードのエッジ部との摩擦が大きくなることによって、前述したようにクリーニングブレードが反転するという問題が発生する。
ここで、保護シートにおける電子写真感光体との当接面全面にわたり多量の固体潤滑剤を塗布した電子写真感光体用梱包材を使用すれば、上記問題点を回避することができる。このとき、上記固体潤滑剤の塗布量が多すぎる場合であっても、感光体表面およびクリーニングブレードの滑り性は改善される。
しかし、この電子写真感光体用梱包材が電子写真装置へ搭載された後、感光体表面に付着した固体潤滑剤はクリーニングブレードによって徐々に掻き取られていくが、その際の摩擦などの物理的作用により感光体表面およびクリーニングブレードには静電気が発生する。この静電気は、クリーニングブレードに当接する感光体上に帯電し保持される(すなわちメモリーとして残る)。このような現象を以下ではメモリーが生じると表現する。このようにメモリーが生じることにより、感光体上に形成される静電潜像に欠陥が生じ、結果的に電子写真装置から出力される画像に欠陥が生じる。また。このような固体潤滑剤の過剰な塗布は、電子写真感光体用梱包材のコストを高くする。
そこで本発明は、電子写真感光体に対して過剰に付着しないよう粉末状の固体潤滑剤を塗布した電子写真感光体の梱包材、その製造方法、および電子写真感光体の梱包方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、電子写真感光体を梱包するためのシート状の梱包材であって、
前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置したことを特徴とする。
前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置したことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記固体潤滑剤は、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする。
前記固体潤滑剤は、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の梱包材に梱包されることにより、その感光層に前記固体潤滑剤が付着していることを特徴とする電子写真感光体である。
第4の発明は、電子写真感光体の梱包する方法であって、
シート状の梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置する工程と、
前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に前記領域が当接するよう、前記梱包材を前記電子写真感光体に巻き付ける工程と
を含むことを特徴とする。
シート状の梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置する工程と、
前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に前記領域が当接するよう、前記梱包材を前記電子写真感光体に巻き付ける工程と
を含むことを特徴とする。
第5の発明は、電子写真感光体の梱包するためのシート状の梱包材を製造する方法であって、
前記梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置することを特徴とする。
前記梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、
前記梱包材における前記領域の直上に、振動させることにより前記固体潤滑剤が通過する程度の大きさを有する複数の開口部が下面に形成された前記固体潤滑剤を収納する手段を配置する工程と、
前記固体潤滑剤を収納する手段を振動させることにより、直下の前記領域に前記固体潤滑剤を落下させ布置する工程と
を含むことを特徴とする。
前記梱包材における前記領域の直上に、振動させることにより前記固体潤滑剤が通過する程度の大きさを有する複数の開口部が下面に形成された前記固体潤滑剤を収納する手段を配置する工程と、
前記固体潤滑剤を収納する手段を振動させることにより、直下の前記領域に前記固体潤滑剤を落下させ布置する工程と
を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、電子写真感光体の感光層表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤が布置されるので、上記以外の領域から固体潤滑剤が電子写真感光体に対して付着することはなく、電子写真感光体に対して固体潤滑剤が過剰に付着しないようにすることができる。具体的には、例えば固体潤滑剤が少なすぎることで画像形成装置に備えられるクリーニングブレードが反転したり、固体潤滑剤が多すぎることでクリーニングブレードが当接する電子写真感光体上にメモリーが生じ画像欠陥が発生するといった問題点を解消または抑制することができる。また、不要な固定潤滑剤を布置する必要がないために、製造コストの上昇を抑制することができる。
第2の発明によれば、固体潤滑剤としてポリフッ化ビニリデン粉体を含むので、一般的な材料を使用することができるとともに、表面エネルギーを低下させる効果が大きいので、例えば類似の機能を有するシリコーン樹脂粉末よりもさらに良好な性能を得ることができる。
第3の発明によれば、第1または第2の発明に記載の梱包材に梱包されることにより、その感光層に前記固体潤滑剤が付着するので、第1の発明と同様に固体潤滑剤が過剰に付着しない電子写真感光体を得ることができ、また第2の発明と同様に良好な性能を有する固体潤滑剤が付着した電子写真感光体を得ることができる。
第4の発明によれば、第1の発明と同様の効果を有する電子写真感光体の梱包方法を実現することができる。
第5の発明によれば、第1の発明と同様の効果を有する電子写真感光体の梱包材の製造方法を実現することができる。
第6の発明によれば、固体潤滑剤を収納する手段を配置する工程と、当該収納手段を振動させることにより、直下の前記領域に固体潤滑剤を落下させ布置する工程とにより、第1の発明と同様の効果を有する電子写真感光体の梱包材の製造方法を簡易な手法で実現することができる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
<1. 梱包材の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真感光体用梱包材の平面図である。図1に示されるように、電子写真感光体用の潤滑剤付梱包材1は、基本梱包材2の片面における後述する所定の布置領域4内に粉末状の形態を有する固体潤滑剤3が付着されて構成されている。なお、固体潤滑剤3の粒径は図中の大きさより実際には遙かに小さく、その平均粒径は、0.02〜2.0[μm]である。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真感光体用梱包材の平面図である。図1に示されるように、電子写真感光体用の潤滑剤付梱包材1は、基本梱包材2の片面における後述する所定の布置領域4内に粉末状の形態を有する固体潤滑剤3が付着されて構成されている。なお、固体潤滑剤3の粒径は図中の大きさより実際には遙かに小さく、その平均粒径は、0.02〜2.0[μm]である。
基本梱包材2は、紙や、ポチエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の可撓性プラスチックフイルムからなる。また、円筒形状の電子写真感光体周囲に巻き付けられるように梱包されるため、この基本梱包材2は、光不透過性であって、その厚みは薄く、その平面形状は四角形になるよう形成されている。
固体潤滑剤3は、クリーニング助剤として使用される滑剤であって、梱包されるべき円筒形状の電子写真感光体における感光層の軸方向の長さをL、電子写真感光体の直径をRとしたとき、図1に示されるように縦方向がL、横方向が3.14Rとなる布置領域4内にのみ布置される。したがって、この布置領域4は、上記電子写真感光体の表面の感光層に過不足なく当接可能な大きさとなっている。この構成により、電子写真感光体の感光層以外の表面領域に固体潤滑剤3が付着することがなく、結果的に当該感光層に付着する固体潤滑剤3が過剰とならないようにすることができる。詳しくは後述する。
また、この固体潤滑剤3としては、フッ素系ポリマー粉体、シリコーン系ポリマー粉体、ポリメタクリル酸エステル粉体、アルキレンビスステアリルアミド粉体、ケイ酸マグネシウム粉体、ステアリン酸亜鉛粉体等の周知の材料を使用することができる。そして、これらのうち、表面エネルギーを低下させる効果の大きいフッ素系ポリマー粉体やシリコーン系ポリマー粉体が好適である。
さらに、固体潤滑剤3の平均粒径が0.02[μm]未満の場合、複写機などの電子写真装置本体に搭載した場合、粒径が小さすぎるためにクリーニングブレード等により感光体表面から完全に掻き取ることができないことがある。その場合、いわゆるかぶりとして画像上に残る画像不良が生じやすくなる。またその平均粒径が2.0[μm]を超える場合、固体潤滑剤3の潤滑性が低下するため、クリーニングブレードの反転が発生しやすくなる。そのため、固体潤滑剤3の平均粒径は、0.02〜2.0[μm]であることが好ましい。
図2は、上記潤滑剤付梱包材1によって電子写真感光体を梱包した場合の概略断面図である。図2に示されるように、潤滑剤付梱包材1は、その布置領域4に布置される固体潤滑剤3を電子写真感光体10表面の感光層に当接させるよう当該電子写真感光体10を梱包している。なお、前述したように固体潤滑剤3の粒径は非常に小さいので、図2に示される固体潤滑剤3の層の厚みは実際には極めて小さい。
このような潤滑剤付梱包材1から電子写真感光体10を取り外し(梱包を解除し)、複写機などの電子写真装置本体(図示せず)に搭載する場合、電子写真感光体10表面には潤滑剤付梱包材1に布置された固体潤滑剤3が付着しているので、装置の最初の動作時におけるクリーニングブレード(図示せず)の反転を防ぐことができる。
なお、電子写真感光体10に付着している粉末状の固体潤滑剤3は、クリーニングブレード等によって徐々に取り除かれていくため、固体潤滑剤3による潤滑効果は減少していくが、これとは逆にトナーがブレードや感光体に徐々に付着していくため、トナーによる潤滑効果が増大していくことになる。このように、トナーにより感光体表面が徐々に粗面化されることにより、電子写真感光体10とクリーニングブレードとの間の摩擦が減少するため、クリーニングブレードの反転は引き続き防止されることになる。
また、電子写真感光体10としては、単層構造や、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造など、周知の層構造であれば特に限定なく採用することができるが、有機顔料を結着樹脂中に分散させた感光層を有する感光体の場合、特に前述したメモリーが生じ易いことが知られているので、このような感光体を上記構造を有する潤滑剤付梱包材1により梱包することは、上記メモリーを防止するため特に有用である。さらに、クリーニングブレードとしては、例えばウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム等の材質を使用することができる。
<2. 梱包材の製造方法>
以上のような潤滑剤付梱包材1は、例えば、基本梱包材2の片面の布置領域4以外の領域が覆われるようにマスキングし、その上から粉末状の固体潤滑剤3をまんべんなくまぶす(ふりかける)ことにより簡易に製造することができる。
以上のような潤滑剤付梱包材1は、例えば、基本梱包材2の片面の布置領域4以外の領域が覆われるようにマスキングし、その上から粉末状の固体潤滑剤3をまんべんなくまぶす(ふりかける)ことにより簡易に製造することができる。
また、まんべんなく布置するため、上記布置領域4以外の部分を同様にマスキングした後、粉末状の固体潤滑剤3を空気とともに吹き付けることにより、または固体潤滑剤3に静電気を帯びさせて布置する(静電塗装と呼ばれる)ことにより、上記潤滑剤付梱包材1を製造することができる。なお、静電塗装の際に感光体が受ける静電気は非常に弱いため、メモリーを生じることはない。
しかし、これらの手法では、粉末状の固体潤滑剤3が周囲に飛散しやすい問題点がある。そこで、軽くたたくことにより粉末状の固体潤滑剤3が通過可能な程度の大きさを有する無数の開口部がその下面に形成された収納容器(以下「ダスティングポーチ」という)に固体潤滑剤3を入れ、基本梱包材2の上記布置領域4以外の部分が覆われるようにマスキングした後、その上方で上記ダスティングポーチを軽くたたくことにより固体潤滑剤3を布置領域4にのみ布置する。そうすれば、粉末状の固体潤滑剤3が周囲に飛散することがないので、このように上記潤滑剤付梱包材1を製造する手法がより好ましい。以下、この製造方法について詳しく説明する。
図3は、上記ダスティングポーチを使用した潤滑剤付梱包材1を製造する手法を説明する概略斜視図である。まず図3に示されるように、基本梱包材2の布置領域4以外の部分が覆われるようにマスク12を梱包材の上に載せる。なお、このマスク12は、基本梱包材2の大きさ以上の大きさであって、布置領域4と同一の形状すなわち縦方向がL、横方向が3.14Rとなる長方形状の開口部が形成されている。
次に、その上方に固体潤滑剤3を収納したダスティングポーチ20を配置し、このダスティングポーチ20を例えば手などで軽くたたく。すると、ダスティングポーチ20の下面に形成された無数の開口部から固体潤滑剤3がまんべんなくかつ周囲に飛散することなく直下に落下する。このことにより、基本梱包材2の布置領域4のみに固体潤滑剤3が布置され、潤滑剤付梱包材1が形成される。
なお、ダスティングポーチ20と基本梱包材2の布置領域4との鉛直方向の距離が非常に近い場合にはマスク12を省略することもできる。また、マスク12に代えて、固体潤滑剤3が飛散しないように、布置領域4の各辺から鉛直方向へ所定の距離だけ延びる板で構成された四角筒状の囲いを使用してもよい。
このように作製された潤滑剤付梱包材1は、その布置領域4の全面が電子写真感光体10の感光層の全面と当接(すなわち過不足なく当接)するよう、電子写真感光体10の周囲に巻き付けられ、このことにより梱包された電子写真感光体10が作製される。このように梱包することにより、電子写真感光体10の感光層に適切な量の固体潤滑剤3が付着することになる。
<3. 梱包材の性能評価試験>
以下、上記電子写真感光体10を本実施形態における潤滑剤付梱包材1で梱包した場合(後述する第1および第2の例の場合)、潤滑剤を全く布置しない梱包材で梱包した場合(後述する第3の例の場合)、および固体潤滑剤3を基本梱包材2の布置領域4を含むその片面全体に布置した梱包材で梱包した場合(後述する第4の例の場合)に比べて、実際に良好な性能を有するか否かを評価する試験を行った。
以下、上記電子写真感光体10を本実施形態における潤滑剤付梱包材1で梱包した場合(後述する第1および第2の例の場合)、潤滑剤を全く布置しない梱包材で梱包した場合(後述する第3の例の場合)、および固体潤滑剤3を基本梱包材2の布置領域4を含むその片面全体に布置した梱包材で梱包した場合(後述する第4の例の場合)に比べて、実際に良好な性能を有するか否かを評価する試験を行った。
まず、上記電子写真感光体10として、軸方向の長さが340[mm]、直径が30[mm]のアルミニウム製シリンダー上に周知の電荷発生層と電荷輸送層とを積層した有機感光体を使用する。
この電子写真感光体10を梱包する潤滑剤付梱包材1に使用される粉末状の固体潤滑剤3として、第1の例では、ポリフッ化ビニリデン粉体(商品名:カイナー461、ベンソルト・ケミカル(株)製)を使用する。なお、この粉体は、図3に示されるダスティングポーチ20(およびマスク12)を使用することにより、基本梱包材2の布置領域4のみに布置されている。
また、第2の例では、上記ポリフッ化ビニリデン粉体に代えて、シリコーン樹脂粉末(XC−501、東芝シリコーン(株)製)を使用する。このように、固体潤滑剤3が異なる素材であるほかは、第1の例も第2の例も同じく本実施形態における潤滑剤付梱包材1の構成を有している。
さらに、上記第1および第2の例と比較するため、第3の例では、電子写真感光体10を梱包する梱包材に粉末状の固体潤滑剤を一切使用しない。この梱包材のその他の構成(例えば梱包材の素材など)は、第1および第2の例と同一である。
さらにまた、第4の例では、粉末状の固体潤滑剤3として第1の例と同一のポリフッ化ビニリデン粉体を使用するが、この粉体は基本梱包材2の布置領域4を含むその片面全体に布置されている。この梱包材のその他の構成(例えば梱包材の素材など)は、第1の例と同一である。
そして、以上の第1から第4までの例のように梱包された電子写真感光体10をそれぞれ100本ずつ用意し、順に電子写真複写機(AR−455M、シャープ(株)製)に装着した後、所定の画像を出力する最初のプリント動作を行う。本性能評価試験では、このときにクリーニングブレードの反転が起こるか否かを調べた。さらに、得られた上記画像からクリーニング不良の発生の有無およびメモリーの発生の有無を確認した。このような性能評価試験の結果を下記の表に示す。
なお、上記の表における総合評価の項目は、上記3つの不良がどの程度回避されているかを総合的に判断して得られた結果を示すものであり、二重丸の印は上記不良が回避された最も良好な性能評価であることを意味し、丸の印は比較的上記不良が回避された良好な性能評価であることを意味し、三角の印は部分的に上記不良が回避されていない不良な性能評価であることを意味し、バツの印はほとんど上記不良が回避されていない最も不良な性能評価であることを意味する。
上記の表を参照すると、第1および第2の例はともに良好な性能評価が得られており、固体潤滑剤3の布置量は必要かつ十分であって、少なすぎることもなく、多すぎることもないといえる。そして、第1の例で使用されるポリフッ化ビニリデン粉体の方が、第2の例で使用される比較的表面エネルギーを低下させる効果の大きいシリコーン樹脂粉末よりも固体潤滑剤3としてはさらに好適であることがわかる。
また、第1の例のように良好な性能評価を得られるはずのポリフッ化ビニリデン粉体を使用する場合であっても、第3の例のようにこの粉体を基本梱包材2の布置領域4を含むその片面全体に布置する場合には、良好な性能評価が得られないことがわかる。このことは、クリーニングブレードの反転やクリーニング不良が発生せず、初期画像不良のみが発生していることから、メモリーが発生するほど固体潤滑剤3が過剰であることによると考えてよい。
そして、第1の例と第4の例とを比較すると、この固体潤滑剤3の布置方法すなわち潤滑剤付梱包材1の製造方法はそれを布置する領域を除き同一であることから、第4の例において布置領域4に布置され電子写真感光体10の感光層以外に付着した固体潤滑剤3により、結果的にクリーニングブレードと電子写真感光体10との間に固体潤滑剤3の過剰が生じていると考えられる。したがって、第1の例のように、固体潤滑剤3を布置領域4にのみ布置することにより、第4の例のように電子写真感光体10に対して固体潤滑剤3が過剰に付着する状態を回避することができる。
<4. 効果>
以上のように、上記実施形態の潤滑剤付梱包材1は、固体潤滑剤3を必要な部分すなわち布置領域4にのみ布置されている。このことにより、固体潤滑剤3が少なすぎることでクリーニングブレードが反転したり、固体潤滑剤3が多すぎることでクリーニングブレードが当接する電子写真感光体10上にメモリーが生じ画像欠陥が発生するといった問題点を解消または抑制することができる。また、不要な潤滑剤を布置する必要がないために、製造コストの上昇を抑制することができる。
以上のように、上記実施形態の潤滑剤付梱包材1は、固体潤滑剤3を必要な部分すなわち布置領域4にのみ布置されている。このことにより、固体潤滑剤3が少なすぎることでクリーニングブレードが反転したり、固体潤滑剤3が多すぎることでクリーニングブレードが当接する電子写真感光体10上にメモリーが生じ画像欠陥が発生するといった問題点を解消または抑制することができる。また、不要な潤滑剤を布置する必要がないために、製造コストの上昇を抑制することができる。
1 …潤滑剤付梱包材
2 …基本梱包材
3 …固体潤滑剤
4 …布置領域
10 …電子写真感光体
12 …マスク
20 …ダスティングポーチ
R …電子写真感光体の直径
L …感光層の軸方向の長さ
2 …基本梱包材
3 …固体潤滑剤
4 …布置領域
10 …電子写真感光体
12 …マスク
20 …ダスティングポーチ
R …電子写真感光体の直径
L …感光層の軸方向の長さ
Claims (6)
- 電子写真感光体を梱包するためのシート状の梱包材であって、
前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置したことを特徴とする、電子写真感光体の梱包材。 - 前記固体潤滑剤は、ポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体の梱包材。
- 請求項1または請求項2に記載の梱包材に梱包されることにより、その感光層に前記固体潤滑剤が付着していることを特徴とする、電子写真感光体。
- 電子写真感光体の梱包する方法であって、
シート状の梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置する工程と、
前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に前記領域が当接するよう、前記梱包材を前記電子写真感光体に巻き付ける工程と
を含むことを特徴とする、電子写真感光体の梱包方法。 - 電子写真感光体の梱包するためのシート状の梱包材を製造する方法であって、
前記梱包材における前記電子写真感光体の表面に当接すべき面のうち、前記電子写真感光体に備えられる感光層の表面に当接すべき領域にのみ、粉末状の固体潤滑剤を布置することを特徴とする、電子写真感光体の梱包材の製造方法。 - 前記梱包材における前記領域の直上に、振動させることにより前記固体潤滑剤が通過する程度の大きさを有する複数の開口部が下面に形成された前記固体潤滑剤を収納する手段を配置する工程と、
前記固体潤滑剤を収納する手段を振動させることにより、直下の前記領域に前記固体潤滑剤を落下させ布置する工程と
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の電子写真感光体の梱包材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2016158262A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社 | 培養装置 |
-
2005
- 2005-11-15 JP JP2005330455A patent/JP2007139891A/ja active Pending
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