JP2007139847A - 加熱部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、熱効率を十分に向上させることができる、加熱部材、定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明の加熱部材は被加熱体に接触し被加熱体を加熱する加熱部材であり、耐熱性基材上に、弾性層、離型層を当該の順に設けている。更に、弾性層は熱良導体を含有する弾性高分子材料から形成され、内部に空洞を有している。よって、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上できる。
【選択図】 図6
【解決手段】 本発明の加熱部材は被加熱体に接触し被加熱体を加熱する加熱部材であり、耐熱性基材上に、弾性層、離型層を当該の順に設けている。更に、弾性層は熱良導体を含有する弾性高分子材料から形成され、内部に空洞を有している。よって、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上できる。
【選択図】 図6
Description
本発明は加熱部材、定着装置及び画像形成装置に関し、詳細には複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、印刷装置などの画像形成装置における加熱装置や定着装置に用いられ、被加熱体を加熱する加熱部材に関する。
電子写真方式の画像形成装置の定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は加熱ローラによる圧着加熱方式である。この圧着加熱方式の定着装置では、トナーに対し離型性を有する材料、主にフッ素樹脂で表面を形成した定着ローラを用い、定着ローラの表面にシート状の記録用紙、OHPシート、葉書等など記録材のトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。このような定着装置に関して従来よりいくつか提案がなされている。
その一つとして、特許文献1には、転写材上のトナー像を加熱と加圧とにより転写材に固定する定着装置において、電磁誘導加熱体を内部に有する円筒状の熱伝導性基体と、該熱伝導性基体の外側に弾性断熱層と、該弾性断熱層の外側に磁性弾性発熱層とを設けてロール状の電磁誘導定着用回転部材を形成するもので、磁性弾性発熱層は弾性高分子材料と磁性材とからなる定着装置が記載されている。また、特許文献2には、磁性定着ローラが、円筒状の熱伝導性基体(内部の基体)と、熱伝導性基体の外側に弾性の高い弾性断熱層と磁性粒子が混入された磁性弾性発熱層(表層の発熱層)と保護層とをその順に設けたものであり、外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成される定着装置が記載されている。更に、特許文献3には、加熱ローラおよび加圧ローラのそれぞれに、誘導加熱手段により発熱する薄層の導電層と、導電層の内側に位置する弾性体製断熱層とが設けられている定着装置が記載されている。また、特許文献4における加熱ローラは、加熱手段によって加熱される加熱層と、加熱層の内周に接着剤によって接合された断熱層とを有している。更に、特許文献5には、発泡シリコーンの熱伝導率を低くして、弾性体層の断熱性を向上させる弾性及び断熱性を備えたローラ及びこれを用いた加熱装置が記載されている。
一方、定着装置において、特にカラー画像を出力する電子写真方式の画像形成装置に搭載された定着装置では、ローラ芯金の表面にシリコーンゴム等の弾性層を有する定着熱ローラが用いられる。定着ローラが硬質であると、用紙やトナー層の凹凸に定着ローラ表面が追従せず、ハーフトーン画像などでは、ドットにより潰れ方が異なって、ざらついて見えたり、ベタ部では光沢ムラとなり、画質を低下させる。モノクロ画像でも同様の画質低下が生じるが、線画が中心であるため、比較的目立たない。このため、カラー画像の高画質化には、弾性層を有する定着熱ローラが必須となる。また、上記加熱ローラによる圧着加熱方式の定着装置は、ウォーミングアップ時に、熱ローラ内に備えられているハロゲンヒータ等の熱源から、熱容量が大きいローラ芯金、熱伝導の悪いシリコーンゴム層、ローラ表面層へと熱が伝わって所定の定着温度に達するまでに時間を要していた。このため、画像出力動作を速やかに実行するためには、非画像出力時にも熱ローラ表面をある程度の待機温度に温度調整していなければならなかった。
これに対し、上記特許文献1や特許文献3のような電磁誘導加熱方式は、加熱ローラの外周部近傍に配置された磁界発生手段である誘導コイルにより加熱ローラを外部から加熱する外部加熱方式のものであり、これを採用することにより、用紙上の未定着現像剤を用紙に固着する加熱ローラ表面を直接加熱することができ、省電力化およびウォームアップ時間の短縮を図ることができる。
特開2002−049260号公報
特開2002−108124号公報
特開2004−020776号公報
特開2002−367766号公報
特開2002−295452号公報
しかしながら、上記のいずれの特許文献にも基材の芯金への熱伝導と大気中への放熱を同時に防ぐことはできず、熱効率が悪いという問題があった。また、誘導加熱により発生した加熱ローラ表面の熱がウォームアップ時間中に基材もしくは大気中に奪われ、よって熱効率には限度があるという問題がある。
本発明これらの問題点を解決するためのものであり、熱効率を十分に向上させることができる、加熱部材、定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の加熱部材は被加熱体に接触し被加熱体を加熱する加熱部材であり、耐熱性基材上に、弾性層、離型層を当該の順に設けている。更に、弾性層は熱良導体を含有する弾性高分子材料から形成され、内部に空洞を有している。よって、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上できる。
また、耐熱性基材と弾性層の間に、断熱層、発熱層を当該の順に設け、発熱層に渦電流を発生させて発熱させることができる。よって、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上させ、さらに被加熱体の剥離性に有利な下向きニップを形成しやすくすることができる。
更に、断熱層は発泡弾性高分子又は多孔質樹脂により形成されていることにより、断熱層の変形及び基材への熱伝導を抑制できる。
また、弾性層は貫通口を有することにより、弾性層の変形を大きくでき、被加熱体の剥離性に有利な下向きニップを形成しやすくすることができる。
更に、別の発明としての定着装置は、周面が周回するように支持された定着部材と、定着部材に圧接される加圧部材とを有している。また、別の発明の定着装置は、定着部材に加圧部材が圧接される領域を通過する被加熱体である記録材を加熱及び加圧して、記録材上に担持された未定着画像を定着する。そして、別の発明の定着装置は、定着部材が上記の加熱部材で形成されていることに特徴がある。よって、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上可能な定着装置を提供できる。
また、別の発明としての画像形成装置は、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、記録材にトナー画像を定着させる定着部を具備する。そして、別の発明の画像形成装置における定着部は、上記定着装置を有することに特徴がある。よって、エネルギー効率の良い高画質な画像形成装置を提供できる。
本発明の加熱部材によれば、カラー画像の高画質化に必要な用紙やトナー層の凹凸への定着ローラ表面の追従性を損なわずに加熱部材の熱効率を向上させることができる。
図1は本発明の一実施の形態例に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態例の画像形成装置10は、周知の電子写真方式の画像形成プロセスと静電転写プロセスを実行することによって、シート状の被加熱体(記録用紙、OHPシート、葉書等の記録材)Sに画像を得ることができるものであって、画像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光体1を有している。この感光体1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置7、除電装置8が配備されている。また、画像形成装置10は、光走査装置3と定着装置6を備えている。なお、帯電手段としては、帯電ローラ2の他、コロナチャージャ等を用いることができる。また、転写手段としては、転写ローラ5の他、転写チャージャ、転写ベルト等を用いることができる。
また、光走査装置3は、半導体レーザ(LD)等の光源と光偏向器と結像光学系などを含んで構成され、帯電ローラ2と現像装置4との間の感光体1の表面に対して光走査による露光を行い、画像データに対応した静電潜像を形成する。なお、光走査装置3に代えて、発光ダイオード(LED)アレイや、液晶シャッタアレイ等を利用した光書込み装置を用いても良い。更に、現像装置4は、トナーからなる一成分現像剤、あるいはトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用い、この現像剤中のトナーで感光体1上の静電潜像を現像する。また、クリーニング装置7は、クリーニングブレードやクリーニングブラシ等で感光体1上の残留トナーや紙粉等を清掃する。
そして、定着装置6は、発熱手段を有し、かつ加熱部材で形成されたローラ状の定着ローラ61と、その定着ローラ61に圧接するローラ状の加圧ローラ62とを含んで構成されており、定着ローラ61と加圧ローラ62との圧接部でシート状の被加熱体Sを挟持搬送し、被加熱体S上の未定着画像を定着する。発熱手段としては、定着ローラ自体を発熱手段にして後述する電磁誘導加熱方式で発熱させる方式がある。
このような画像形成装置10で画像形成プロセスを実行する際は、感光体1が図1中の矢印Aの方向に回転され、その表面が帯電ローラ2により均一に帯電される。そして、図示しない原稿読取部で読み取られた原稿の画像データ、あるいはパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の図示しない外部機器から入力される画像データ、あるいは通信回線を通して送信されて来た画像データに応じて、光走査装置3の駆動が制御され、光走査装置3の露光により感光体1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4のトナーにより反転現像され、感光体1の表面にトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体1のトナー画像が転写位置へ移動するのとタイミングを合わせて図示されない給紙機構により転写部へ送り込まれたシート状の被加熱体Sと重ね合わされ、転写ローラ5の作用により、記録用紙Sへ静電転写される。トナー画像を転写された記録用紙Sは、定着装置6でトナー画像を定着された後、装置外部の図示しない排紙部へ排出される。また、トナー画像を記録用紙Sに転写した後の感光体1の表面は、クリーニング装置7により残留トナーや紙粉などが除去され、さらに除電装置8により除電される。
図2は別の発明の第1の実施の形態例に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態例の定着装置6は、ローラ状の加熱部材である定着ローラ61と当該定着ローラ61に圧接するローラ状の加圧部材である加圧ローラ62を含んで構成されている。また、定着ローラ61は、内側から、耐熱性基材の芯金61−1、表層61−2が順に設けられている。更に、定着ローラ61の芯金61−1の内側には例えばハロゲンヒータなどの発熱手段61−3が配設されており、定着ローラ61の表層61−2の表面には当該表面の温度を検知する例えばサーミスタなどの温度検知素子61−4が配設されている。そして、このような構成を有する定着装置6によれば、図中の矢印Bの方向に回転する加圧ローラ62によって圧接される定着ローラ61は図中の矢印Bの方向に回転する。そして、定着されるべき未定着トナー画像TIを有するシート状の被加熱体Sは定着ローラ61と加圧ローラ62とで挟圧されて図中の矢印Cの方向に搬送される。発熱手段61−3は定着ローラ61の内部から加熱し、定着ローラ61の芯金61−1を介して表層61−2が加熱される。定着ローラ61の表面温度は温度検知素子61−4で検出され、その検出された温度が図示しない制御部にフィードバックされ、定着ローラの表面温度が制御される。
図3は別の発明の第2の実施の形態例に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態例の定着装置16は、本発明の加熱部材を用いた電磁誘導加熱方式の定着装置である。同図に示す本実施の形態例の定着装置16は、定着ローラ61と、加圧ローラ62と、電磁誘導加熱手段17とを有している。また、定着ローラ61は、内側から、芯金61−1、断熱層61−5、発熱層61−6、離型層61−7が順に設けられている。更に、磁束生成コイルである電磁誘導加熱手段17は、コア17−1と、コア17−1に所定回数巻かれたリッツ線17−2とを含んで構成されている。このような構成を有する第2の実施の形態例の定着装置17によれば、発熱層61−6が渦電流を発生させて発熱しうる導電層であり発熱手段として機能する。従って、磁束生成コイルの電磁誘導加熱手段17による電磁誘導により、定着ローラ61の発熱層61−6に渦電流を発生させて発熱させることができる。
また、定着ローラ61は、芯金61−1と発熱層61−6とのそれぞれの間に多孔質樹脂やあるいはシリコーンゴム等の発泡弾性高分子からなる断熱層61−5が設けられており、発熱層61−6で発熱した熱が芯金61−1側に逃げないようになっている。また、発熱層61−6は断熱層61−5で断熱されているため、横方向は熱的にも連続しているため、一部の熱低下が発生しても素早く均一化される。従って、加熱時の立ち上がりが非常に早く、かつ加熱効率が大幅に向上されている。
更に、発熱層61−6としては、金属箔や弾性高分子中に導電性粒子や磁性体粒子を分散させた物等の可とう性を有する材料が挙げられ、誘導加熱により加熱することができる。加圧部材により加圧されるニップ部のみ空洞が押しつぶされ熱良導体粒子を分散した熱伝導領域同士が互いに接触し発熱層から離型層までの熱伝導性が向上する。ニップ部以外の箇所は発熱層の上下とも断熱の状態となるため、ニップ部以外の場所からの放熱や基材への熱伝導を抑制することができる。これにより熱効率を向上させることができる。
また、離型層61−7は離型性に優れたフッ素系樹脂で形成され、ワックス含有トナーを使用して離型剤の塗布機構が不要なオイルレス定着を行うために構成が簡単となり、低コスト化やイージーメンテナンスが可能となり、更にはオイル筋の発生等の塗布に関する不具合も発生し得ないこととなる。更に、フッ素系樹脂は、低摩擦高強度という特性から、ローラに接触する上述の温度検知素子や分離爪の摺擦に対しても耐久性が高く、離型層に使用するには最適である。更に、離型層61−7をシリコーンゴムで形成することにより、トナーや記録紙表面の凹凸への追従性が高く、高画質が要求される場合に対応できる。また、離型層61−7はフッ素ゴムで形成してもよく、耐磨耗性の観点から強度が確保できる。
また、コア17−1には、定着ローラ61の外側表面と所定の隙間D1,D2を介して突出部17−3,17−4が設けられている。すなわち、磁束生成コイルの電磁誘導加熱手段17は、コア17−1がニップ部以外の定着ローラ61の外周面のうち、ニップ部入口に近い側を覆うようにして、コア17−1の突出部17−3,17−4を定着ローラ6−1に向けて配設されている。よって、コア17−1の突出部17−3,17−4が定着ローラ61の外側表面に接近しているほど、効率よく定着ローラ61を電磁誘導加熱することができる。なお、具体例としては、このコア17−1の突出部17−3,17−4と定着ローラ61の外側表面との隙間の所定の距離D1,D2をそれぞれ1mmにした。また、リッツ線17−2と定着ローラ61の外周面との隙間の距離D3が、コア17−1の突出部17−3,17−4と定着ローラ61の外側表面との隙間の距離D1,D2よりも長くなるように、コア17−1の突出部17−3,17−4の高さを確保している。そのようにしておくと、コア17−1の突出部17−3,17−4と定着ローラ61の外側表面とに隙間を確保できているときは、リッツ線17−2が定着ローラ61の外周面に触れることがないから、定着ローラ61を傷つけることはない。よって、磁束生成コイルの電磁誘導加熱手段17と定着ローラ61との接触を防止することが容易になる。
図4は本発明の第3の実施の形態例に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態例の定着装置26には、定着ローラ61と加圧ローラ62の表面に、例えばシリコンオイルなどの離型剤を塗布する離型剤塗布手段26−1,26−2が設けられている。よって、この定着装置26では、離型剤塗布手段26−1,26−2により定着ローラ61と加圧ローラ62の各表面に離型剤が塗布されるので、各ローラ表面の離型性を向上することができる。なお、図4では、定着ローラ61と加圧ローラ62の両方に離型剤塗布手段を設けているが、少なくとも定着ローラ61側に設けられていれば良い。
図5は本発明の第4の実施の形態例に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態例の定着装置36も、本発明の加熱部材を用いた電磁誘導加熱方式の定着装置である。同図に示す本実施の形態例の定着装置36は、2つの定着ローラ61の両方に磁性生成コイルの電磁誘導加熱手段17をそれぞれ設けたものである。2つの定着ローラ61には、それぞれ発熱層61−6が形成されている。この発熱層61−6は、渦電流を発生させて発熱しうる導電層であり発熱手段として機能する。従って、磁束生成コイルの2つの電磁誘導加熱手段17による電磁誘導により、2つの定着ローラ61の各発熱層61−6に渦電流を発生させて発熱させることができ、被加熱体Sの両面に形成された未定着トナー像TIを効率良く加熱して定着することができる。
図6は本発明の第5の実施の形態例に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態例の定着装置46も、本発明の加熱部材を用いた電磁誘導加熱方式の定着装置である。同図に示す本実施の形態例の定着装置46の定着ローラ61は、内側から、芯金61−1、断熱層61−5、発熱層61−6、弾性層61−8、離型層61−7が順に設けられている。また、弾性層61−8には、少なくとも1つの貫通口61−9が形成されている。この貫通口61−9の断面積や個数は必要とする弾性層61−8の硬度に応じて適宜選択される。また、貫通口61−9の断面形状、配置位置についても特に制限はないが、複数の弾性層61−8の全体に渡って均等に配設されているのが望ましい。このような貫通口を形成するには、先ず射出成形、注型等の金型に芯金61−1と貫通口61−9を形成するためのワイヤをセットする。次いで、金型中に弾性層61−8と同様に処方したシリコーンゴムを注入し、弾性層61−8と同様に加硫、硬化させる。その後、ワイヤを引き抜き、貫通口61−9を形成する。なお、ワイヤの材質としては、加熱温度で溶融、変形が発生せず、シリコーンゴムと接着しない物であれば特に制限はなく、例えばポリテトラフルオロエチレン細線、ステンレススチールワイヤ等が挙げられる。
このように第5の実施の形態例によれば、弾性層は空洞を含むため熱伝導率が低く通常の状態では断熱性に優れるが、加圧部材により加圧されるニップ内では圧縮されて空洞が小さくなり、熱伝導領域同士が互いに接触する箇所が急増し熱伝導性が急激に向上する。これによりニップ内の被加熱部材に発熱手段からの熱が速やかに供給される。これに対してニップ部以外の箇所は断熱性が良いため、ニップ部以外の場所からの放熱を抑制することができる。これにより熱効率を向上させることができる。
また、記録シートの定着部材からの分離を良好にするには、分離の際に記録シートの「腰の強さ」が有効に活かされるように、定着部において加圧ローラが定着ローラに食い込むようにして「定着ローラの側に凸形状となるニップ部」を形成するのが良いと考えられる。このようにすると、定着部であるニップ部から送りだされる記録シートは、ニップ部の形状に従って、定着ローラ周面から離れる側へ案内されるので、ニップ部の出口部における定着ローラ周面の接線方向と記録シートが案内される方向とがなす「分離角」が大きくなり、記録シートの腰の強さが、記録シートを定着ローラから離す側に有効に作用するからである。
更に、断熱層61−5は、発泡弾性高分子により形成されている。例えば、断熱層61−5はシリコーンゴムの発泡体(熱伝導率:0.24W/m・K)よりなり、弾力性を有している。これにより芯金61−1への熱伝導を抑制できる。
なお、以上説明した第1〜第5の実施の形態例の定着装置の加熱部材としてはローラ形状のものであったが、これに限らず無端ベルト状の定着部材でも良い。
次に、本発明の加熱部材の層構成について概説する。
図7は別の発明の一実施の形態例に係る加熱部材の構造を示す断面図である。同図に示すように、定着ローラに用いられる加熱部材は、熱良導体を分散した弾性高分子材料からなる熱伝導領域と、空洞を有する断熱領域とを有する弾性層61−8を有している。ここで、熱良導体としては、金属材料もしくは非金属材料が挙げられる。金属粒子や金属フィラとしては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)のいずれか1つ以上を含む金属、合金の粒子やフィラが使用できる。また、非金属材料としてはケイ素や炭化ケイ素、酸化亜鉛等の半導体もしくはアルミナ、結晶性シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンド等の絶縁体が使用できる。これらを球状、球殻、あるいは形状異方性を有するフィラとして用いる。なお、本発明における形状異方性を有するフィラとしては、アスペクト比(平均長径/平均短径)が10以上で平均長径が表層の厚さ以下のフィラを使用する。また、本発明の形状異方性を有するフィラは、例えば板状もしくは鱗片状のものとして例えばマイカ、タルク、ガラスフレーク、金属フレーク等があり、繊維状のものとして例えばガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、金属繊維、セラミック繊維等がある。また、針状のものとして例えば金属ウィスカ、セラミックウィスカがあり、3次元の放射状形状のものとしてテトラポット状酸化亜鉛ウィスカ等、公知のものが使用できる。その他の形状異方性を有するフィラも適宜使用可能である。また、これらは1種単独でも2種以上を併用しても用いることができる。例えばシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性高分子材料としてのベースゴム中に熱良導体粒子を分散したものを使用し、加硫工程における発泡剤の使用による発泡や成形時の貫通口形成により空洞を設けることにより、図6に示したような弾性層61−8の構造を形成できる。また、弾性層61−8の空洞の大きさはトナー粒径より小さいことにより、トナーに接触する箇所における空洞の分布が離型層を介して画質に与える影響を小さくできるため高画質化に対して有利な構造となる。
図7は別の発明の一実施の形態例に係る加熱部材の構造を示す断面図である。同図に示すように、定着ローラに用いられる加熱部材は、熱良導体を分散した弾性高分子材料からなる熱伝導領域と、空洞を有する断熱領域とを有する弾性層61−8を有している。ここで、熱良導体としては、金属材料もしくは非金属材料が挙げられる。金属粒子や金属フィラとしては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)のいずれか1つ以上を含む金属、合金の粒子やフィラが使用できる。また、非金属材料としてはケイ素や炭化ケイ素、酸化亜鉛等の半導体もしくはアルミナ、結晶性シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンド等の絶縁体が使用できる。これらを球状、球殻、あるいは形状異方性を有するフィラとして用いる。なお、本発明における形状異方性を有するフィラとしては、アスペクト比(平均長径/平均短径)が10以上で平均長径が表層の厚さ以下のフィラを使用する。また、本発明の形状異方性を有するフィラは、例えば板状もしくは鱗片状のものとして例えばマイカ、タルク、ガラスフレーク、金属フレーク等があり、繊維状のものとして例えばガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、金属繊維、セラミック繊維等がある。また、針状のものとして例えば金属ウィスカ、セラミックウィスカがあり、3次元の放射状形状のものとしてテトラポット状酸化亜鉛ウィスカ等、公知のものが使用できる。その他の形状異方性を有するフィラも適宜使用可能である。また、これらは1種単独でも2種以上を併用しても用いることができる。例えばシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性高分子材料としてのベースゴム中に熱良導体粒子を分散したものを使用し、加硫工程における発泡剤の使用による発泡や成形時の貫通口形成により空洞を設けることにより、図6に示したような弾性層61−8の構造を形成できる。また、弾性層61−8の空洞の大きさはトナー粒径より小さいことにより、トナーに接触する箇所における空洞の分布が離型層を介して画質に与える影響を小さくできるため高画質化に対して有利な構造となる。
また、本発明では図6の弾性層61−8がシリコーンオイルにより膨潤する等して耐久性を損ねるような場合を考慮し、弾性層61−8よりも外側に離型層61−7を設けている。更に、ワックス含有トナーを使用してオイルレス定着を行う場合には、表面の離型性を確保するために、離型層61−7は数十μmのテフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂層で形成してもよいが、離型層61−7をフッ素系樹脂層とした場合は、その厚さは10μm以上100μm以下であることが望ましい。10μmより薄いと磨耗や傷を生じやすく、またチューブタイプではシワが発生し製造が困難となるからである。また、100μmより厚いと表面の硬度が上がり、トナーによる記録紙表面の凹凸への追従性が低下し、凸部ではつぶれが、凹部では定着不良が発生しやすくなるからである。また、フッ素系樹脂は、材質の離型性に優れるため、これを離型層61−7に用いた場合には、ワックス含有トナーを使用して離型剤の塗布機構が不要なオイルレス定着を行うため、構成が簡単となり、低コスト化やイージーメンテナンスが可能となり、オイルスジの発生等の塗布に関する不具合点も発生し得ないこととなる。更に、フッ素系樹脂は、低摩擦高強度という特性から、ローラに接触する温度検出器や分離爪の摺擦に対しても耐久性が高くなる。
更に、フルカラー画像形成装置等において高画質が要求される場合は鏡面シリコーンゴムにシリコーンオイルを供給して離型性を得るのが一般的である。例えば離型層61−7に、シリコーンゴムを用いる場合は、その厚さは50μm以上500μm以下であることが望ましい。50μm程度以下であれば、トナー像の拡大等の画質劣化が発生し、また、十分なオイル(離型剤)保持能力が確保できず、一方、500μmを超えるとオイル膨潤による通紙性の悪化や、熱伝導性の低下を招くからである。
また、離型層61−7をフッ素ゴム層とした場合は、その厚さは50μm以上500μm以下であることが望ましい。50μm程度以下であれば、トナー像の拡大等の画質劣化が発生し、また、十分なオイル(離型剤)保持能力が確保できず、一方、500μmを超えるとオイル膨潤による通紙性の悪化や、熱伝導性の低下が発生するからである。離型層にフッ素ゴムを用いた場合は、耐磨耗性の観点から強度が確保できることとなる。
以下、本発明に係る加熱部材の具体例について説明する。
ここでは、図6に示す構成を有する第5の実施の形態例の定着装置を用いた複数の具体例を用いて説明するものとする。
ここでは、図6に示す構成を有する第5の実施の形態例の定着装置を用いた複数の具体例を用いて説明するものとする。
[具体例1]
厚み5mmの弾性層61−8を定着ローラの芯金61−1となるアルミ管上に配置し、さらにその上に50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。具体的には、アルミの芯金61−1の外周に、接着剤としてプライマーNO.23(信越化学工業(株)製)を塗布した後、熱良導体として炭化ケイ素フィラーを80部分散した未加硫のシリコーンゴムKE904FU(信越化学工業(株)製)100部に発泡剤としてKE−P−13(信越化学工業(株)製)3.5部、加硫剤としてC−23(信越化学工業(株)製)1.2部とC−3(信越化学工業(株)製)3.5部を添加してなる発泡性シリコーンゴム材料、を押出し成型機により、芯金61−1の外周に発泡性シリコ−ンゴム材料(吐出量:300g/分)が配されるように押出し被覆する。その後、上記の被覆ロールを円筒形の型内で、200℃で60分間加硫・熱処理して材料を発泡させ、さらに発泡済みのシリコーンゴム材料のゴム物性を増強させる目的で、200℃で4時間の二次加硫を経て、芯金61−1上に、発泡シリコーンゴム層を形成した。得られたロールの外径は30mmで、発泡シリコーンゴム層の厚みは5.0mmであった。このロールにおける発泡シリコーンゴム層の発泡度はその厚み方向に沿って均一であった。離型層61−7は、数十μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆して形成した。
厚み5mmの弾性層61−8を定着ローラの芯金61−1となるアルミ管上に配置し、さらにその上に50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。具体的には、アルミの芯金61−1の外周に、接着剤としてプライマーNO.23(信越化学工業(株)製)を塗布した後、熱良導体として炭化ケイ素フィラーを80部分散した未加硫のシリコーンゴムKE904FU(信越化学工業(株)製)100部に発泡剤としてKE−P−13(信越化学工業(株)製)3.5部、加硫剤としてC−23(信越化学工業(株)製)1.2部とC−3(信越化学工業(株)製)3.5部を添加してなる発泡性シリコーンゴム材料、を押出し成型機により、芯金61−1の外周に発泡性シリコ−ンゴム材料(吐出量:300g/分)が配されるように押出し被覆する。その後、上記の被覆ロールを円筒形の型内で、200℃で60分間加硫・熱処理して材料を発泡させ、さらに発泡済みのシリコーンゴム材料のゴム物性を増強させる目的で、200℃で4時間の二次加硫を経て、芯金61−1上に、発泡シリコーンゴム層を形成した。得られたロールの外径は30mmで、発泡シリコーンゴム層の厚みは5.0mmであった。このロールにおける発泡シリコーンゴム層の発泡度はその厚み方向に沿って均一であった。離型層61−7は、数十μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆して形成した。
このように、弾性層61−8の存在により加熱部材の表面が適度に弾性変形することができるため、加熱部材と加圧部材との間で挟圧して搬送される被加熱材上に、たとえばトナー像が形成されている場合、被加熱材の表面に凹凸があっても、凹凸面に加熱部材の表面が十分に追従し、加熱むらが生じない。よって、トナーが十分溶着し、剥離することがない良好な品質の定着画像を得ることができる定着温度範囲である非オフセット域を広くとることができる。
また、記録シートの定着部材からの分離を良好にするには、分離の際に記録シートの「腰の強さ」が有効に活かされるように、定着部において加圧ローラが定着ローラに食い込むようにして「定着ローラの側に凸形状となるニップ部」を形成するのが良いと考えられる。このようにすると、定着部であるニップ部から送りだされる記録シートは、ニップ部の形状に従って、定着ローラ周面から離れる側へ案内されるので、ニップ部の出口部における定着ローラ周面の接線方向と記録シートが案内される方向とがなす「分離角」が大きくなり、記録シートの腰の強さが、記録シートを定着ローラから離す側に有効に作用するからである。
この定着ローラを(株)リコー製の画像形成装置MF4570の定着部に用い、図1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図6に示すような構成の定着装置に通して定着した。10000枚の黒ベタ画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがなかった。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが1.5mmと厚く、弾性層が通常のシリコーンゴム層である定着ローラでは、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、定着可能となるまでに480秒必要であったが、本具体例の定着ローラでは、100秒程度であった(両方とも定格出力800Wの場合)。
[具体例2]
厚み40μmの発熱層61−6を定着ローラの芯金61−1となる非磁性のSUS管上の5mmの断熱層61−5の上に配置し、さらにその上に、図6の如く5mmの弾性層61−8、50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。断熱性の高い断熱層61−5を設けることにより、発熱層61−6で発生された熱が芯金側へ伝達していくことを防止している。また、加熱部材の表面が適度に弾性変形することができるため、加熱部材と加圧部材との間で挟圧して搬送される被加熱材上に、たとえばトナー像が形成されている場合、被加熱材の表面に凹凸があっても、凹凸面に加熱部材の表面が十分に追従し、加熱むらが生じない。よって、トナーが十分溶着し、剥離することがない良好な品質の定着画像を得ることができる定着温度範囲である非オフセット域を広くとることができる。
厚み40μmの発熱層61−6を定着ローラの芯金61−1となる非磁性のSUS管上の5mmの断熱層61−5の上に配置し、さらにその上に、図6の如く5mmの弾性層61−8、50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。断熱性の高い断熱層61−5を設けることにより、発熱層61−6で発生された熱が芯金側へ伝達していくことを防止している。また、加熱部材の表面が適度に弾性変形することができるため、加熱部材と加圧部材との間で挟圧して搬送される被加熱材上に、たとえばトナー像が形成されている場合、被加熱材の表面に凹凸があっても、凹凸面に加熱部材の表面が十分に追従し、加熱むらが生じない。よって、トナーが十分溶着し、剥離することがない良好な品質の定着画像を得ることができる定着温度範囲である非オフセット域を広くとることができる。
具体的には、アルミの芯金61−1の外周に、接着剤としてプライマーNO.23(信越化学工業(株)製)を塗布した後、未加硫のシリコーンゴムKE904FU(信越化学工業(株)製)100部に発泡剤としてKE−P−13(信越化学工業(株)製)3.5部、加硫剤としてC−23(信越化学工業(株)製)1.2部とC−3(信越化学工業(株)製)3.5部を添加してなる発泡性シリコーンゴム材料、を押出し成型機により、芯金61−1の外周に発泡性シリコ−ンゴム材料(吐出量:300g/分)が配されるように押出し被覆する。その後、上記の被覆ロールを円筒形の型内で、200℃で60分間加硫・熱処理して材料を発泡させ、さらに発泡済みのシリコーンゴム材料のゴム物性を増強させる目的で、200℃で4時間の二次加硫を経て、芯金上に、硬度25度(アスカーC)、発泡度280%の発泡シリコーンゴム層を断熱層61−5として形成した。得られたロールの外径は30mmで、発泡シリコーンゴム層の厚みは5.0mmであった。このロールにおける発泡シリコーンゴム層の発泡度はその厚み方向に沿って均一であった。発熱層61−6は、磁性ステンレス鋼SUS430(固有抵抗:6×10−7Ω・cm)を厚さ40μmの薄肉無端ベルト状に形成した物を用い、接着剤を用いて断熱層61−5に接着した。弾性層61−8は発熱層61−6に接着剤としてプライマーNO.23(信越化学工業(株)製)を塗布した後、熱良導体として炭化ケイ素フィラーを80部分散した未加硫のシリコーンゴムKE904FU(信越化学工業(株)製)100部に発泡剤としてKE−P−13(信越化学工業(株)製)3.5部、加硫剤としてC−23(信越化学工業(株)製)1.2部とC−3(信越化学工業(株)製)3.5部を添加してなる発泡性シリコーンゴム材料、を押出し成型機により、芯金61−1の外周に発泡性シリコ−ンゴム材料(吐出量:300g/分)が配されるように押出し被覆する。その後、上記の被覆ロールを円筒形の型内で、200℃で60分間加硫・熱処理して材料を発泡させ、さらに発泡済みのシリコーンゴム材料のゴム物性を増強させる目的で、200℃で4時間の二次加硫を経て、芯金上に、発泡シリコーンゴム層を形成した。発泡シリコーンゴム層の厚みは5.0mmであった。このロールにおける発泡シリコーンゴム層の発泡度はその厚み方向に沿って均一であった。離型層61−7は、50μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆して形成した。
この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成とし、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図3に示すような構成の電磁誘導加熱用の定着装置に通して定着した。10000枚のカラーのベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがなかった。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが1.5mmと厚く、弾性層が通常のシリコーンゴム層である定着ローラでは、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、定着可能となるのに480秒必要であるが、本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、30秒程度であった(両方とも定格出力800Wの場合)。
[具体例3]
厚み40μmの発熱層61−6を定着ローラの芯金61−1となる非磁性のSUS管上の5mmの断熱層18の上に配置し、さらにその上に、図6の如く5mmの弾性層61−8、50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。断熱性の高い断熱層61−5を設けることにより、発熱層61−6で発生された熱が芯金側へ伝達していくことを防止している。また、弾性層61−8には貫通口61−9が形成されている。この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成とし、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図3に示すような構成の電磁誘導加熱用の定着装置に通して定着した。10000枚のカラーのベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがなかった。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが1.5mmと厚く、弾性層61−8が通常のシリコーンゴム層である定着ローラでは、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、定着可能となるのに480秒必要であるが、本具体例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、20秒程度であった(両方とも定格出力800Wの場合)。
厚み40μmの発熱層61−6を定着ローラの芯金61−1となる非磁性のSUS管上の5mmの断熱層18の上に配置し、さらにその上に、図6の如く5mmの弾性層61−8、50μmの離型層61−7を設けて定着ローラとした。断熱性の高い断熱層61−5を設けることにより、発熱層61−6で発生された熱が芯金側へ伝達していくことを防止している。また、弾性層61−8には貫通口61−9が形成されている。この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成とし、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図3に示すような構成の電磁誘導加熱用の定着装置に通して定着した。10000枚のカラーのベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがなかった。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが1.5mmと厚く、弾性層61−8が通常のシリコーンゴム層である定着ローラでは、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、定着可能となるのに480秒必要であるが、本具体例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、20秒程度であった(両方とも定格出力800Wの場合)。
[具体例4]
具体例2と同様の加熱部材において断熱層61−5を多孔質樹脂、たとえばポリイミド発泡体により形成することも可能である。ポリイミド発泡体は、例えば、特公表2000−515584号公報に記載されているような、固体状芳香族ポリイミド前駆体を加熱発泡する方法により製造することができる。この方法では、まず、固体状芳香族ポリイミド前駆体を調製する。この固体状芳香族ポリイミド前駆体の製造は、芳香族酸二無水物又は芳香族酸二無水物誘導体である芳香族化合物(A)と芳香族ジアミン又は芳香族ジアミン誘導体である芳香族化合物(B)の略等モル混合物と、この混合物と水素結合によって錯体を形成し沸点が200℃以下である錯形成剤(C)と、溶剤とからなる混合溶液から、過剰な錯形成剤(C)と溶剤を加熱により除去することによって得られる固体を、粉砕することによって行われる。固体状芳香族ポリイミド前駆体における錯形成剤(C)の含有量は、固体状芳香族ポリイミド前駆体と錯形成剤の合計重量に対して1〜15重量%である。芳香族化合物(A)と芳香族化合物(B)は、次式で表される。式中nは0〜3の整数、R1は水素又はアルキル基、R2は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベンゼン環を持つ4価の芳香族残基、R3は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベンゼン環を有する2価の芳香族残基である。
具体例2と同様の加熱部材において断熱層61−5を多孔質樹脂、たとえばポリイミド発泡体により形成することも可能である。ポリイミド発泡体は、例えば、特公表2000−515584号公報に記載されているような、固体状芳香族ポリイミド前駆体を加熱発泡する方法により製造することができる。この方法では、まず、固体状芳香族ポリイミド前駆体を調製する。この固体状芳香族ポリイミド前駆体の製造は、芳香族酸二無水物又は芳香族酸二無水物誘導体である芳香族化合物(A)と芳香族ジアミン又は芳香族ジアミン誘導体である芳香族化合物(B)の略等モル混合物と、この混合物と水素結合によって錯体を形成し沸点が200℃以下である錯形成剤(C)と、溶剤とからなる混合溶液から、過剰な錯形成剤(C)と溶剤を加熱により除去することによって得られる固体を、粉砕することによって行われる。固体状芳香族ポリイミド前駆体における錯形成剤(C)の含有量は、固体状芳香族ポリイミド前駆体と錯形成剤の合計重量に対して1〜15重量%である。芳香族化合物(A)と芳香族化合物(B)は、次式で表される。式中nは0〜3の整数、R1は水素又はアルキル基、R2は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベンゼン環を持つ4価の芳香族残基、R3は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベンゼン環を有する2価の芳香族残基である。
次に、前記1〜15重量%の錯形成剤(C)を含む固体状芳香族ポリイミド前駆体を100〜200℃に加熱して発泡させ、さらにこの発泡体を200〜300℃に加熱して熱イミド化し、この熱イミド化した発泡体を冷却することにより、上記一般式(A)の繰り返し単位を有するポリイミド発泡体が得られる。なお、前記固体状芳香族ポリイミド前駆体の製造時に使用する錯形成剤の含有量を調整することにより、得られるポリイミド発泡体の密度の制御を行うことができる。また、必要に応じて、界面活性剤、顔料、繊維状フィラーなどを適宜添加することもできる。また、芯材周面への発泡体層の形成は、ブロック状に形成したポリイミド発泡体を所要の厚みにスライスしてシート状にし、このポリイミド発泡体シートを、ポリイミド系やエポキシ系等の耐熱性接着剤又は粘着剤を介して芯材周面に巻きつけて接着することにより行うことができる。また、ローラにおける発泡体層の厚み精度を増すため、スライスして得られたポリイミド発泡体シートを熱プレスしたり、ローラ形成後の発泡体層表面を砥石等で研磨加工したりしてもよい。
この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成とし、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図3に示すような構成の電磁誘導加熱用の定着装置に通して定着した。10000枚のカラーのベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがなかった。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが1.5mmと厚く、弾性層が通常のシリコーンゴム層である定着ローラでは、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、定着可能となるのに480秒必要であるが、本具体例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、20秒程度であった(両方とも定格出力800Wの場合)。
[具体例5]
上記具体例2〜4では、図6に示す構成の定着装置に定着ローラを装着してテストした例を示したが、例えば図5に示すような構成の加熱手段17を2つ備えた定着装置にも同様に適用でき、上下の2つのローラ61に具体例2に係る定着ローラを用いることにより、記録用紙Sの両面を同時に加熱できるようになる。従って、この構成では、記録用紙Sの両面から効率良く加熱できるようになり、さらには、記録用紙の両面に付いた未定着トナー像を同時に定着することができる。
上記具体例2〜4では、図6に示す構成の定着装置に定着ローラを装着してテストした例を示したが、例えば図5に示すような構成の加熱手段17を2つ備えた定着装置にも同様に適用でき、上下の2つのローラ61に具体例2に係る定着ローラを用いることにより、記録用紙Sの両面を同時に加熱できるようになる。従って、この構成では、記録用紙Sの両面から効率良く加熱できるようになり、さらには、記録用紙の両面に付いた未定着トナー像を同時に定着することができる。
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
1;感光体、2;帯電ローラ、3;光走査装置、4;現像装置、
5;転写ローラ、6,16,26,36,46;定着装置、
7;クリーニング装置、8;除電装置、10;画像形成装置、
17;加熱手段、17−1;コア、17−2;リッジ線、
17−3,17−4;突出部、61;定着ローラ、
61−1;芯金、61−2;表層、61−3;発熱手段、
61−4;温度検知素子、61−5;断熱層、61−6;発熱層、
61−7;離型層、61−8;弾性層、61−9;貫通口、
62;加圧ローラ。
5;転写ローラ、6,16,26,36,46;定着装置、
7;クリーニング装置、8;除電装置、10;画像形成装置、
17;加熱手段、17−1;コア、17−2;リッジ線、
17−3,17−4;突出部、61;定着ローラ、
61−1;芯金、61−2;表層、61−3;発熱手段、
61−4;温度検知素子、61−5;断熱層、61−6;発熱層、
61−7;離型層、61−8;弾性層、61−9;貫通口、
62;加圧ローラ。
Claims (6)
- 被加熱体に接触し前記被加熱体を加熱する加熱部材において、
耐熱性の基材上に少なくとも弾性層を設け、該弾性層は熱良導体を含有する弾性高分子材料から形成され、かつ内部に空洞を有することを特徴とする加熱部材。 - 前記基材と前記弾性層の間であって、前記基材上に断熱層、発熱層を順に設け、前記発熱層に渦電流を発生させて発熱させる請求項1記載の加熱部材。
- 前記断熱層は、発泡弾性高分子又は多孔質樹脂により形成されている請求項2記載の加熱部材。
- 前記弾性層は、貫通口を有する請求項1又は2に記載の加熱部材。
- 周面が周回するように支持された定着部材と、該定着部材に圧接される加圧部材とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過する被加熱体である記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定着装置において、
前記定着部材が請求項1〜4のいずれかに記載の加熱部材で形成されていることを特徴とする定着装置。 - シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、該記録材にトナー画像を定着させる定着部を具備する画像形成装置において、
前記定着部は、請求項5に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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