JP2005115256A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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JP2005115256A JP2003352414A JP2003352414A JP2005115256A JP 2005115256 A JP2005115256 A JP 2005115256A JP 2003352414 A JP2003352414 A JP 2003352414A JP 2003352414 A JP2003352414 A JP 2003352414A JP 2005115256 A JP2005115256 A JP 2005115256A
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Yasuhiro Ono
泰寛 大野
Masaru Yano
賢 谷野
Kazuo Mori
一雄 毛利
Makoto Fujii
誠 藤井
Shozo Miyazaki
正三 宮崎
Oichi Sano
央一 佐野
Shiyoukou Ken
鐘浩 権
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Abstract

【課題】 定着ローラから記録材を確実に分離できると共に、加圧ローラでの熱損失を抑えて熱効率の向上を図ることができる定着装置を提供すること。
【解決手段】 この定着装置は、定着ローラと加圧ローラ2とを備える。この加圧ローラ2は、環状の高硬度部材28を有しているので、この加圧ローラ2を上記定着ローラよりも硬くすることができる。また、この加圧ローラ2は、環状の断熱部材22を有しているので、この加圧ローラ2での断熱性を保持できる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えば、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置に用いられて記録材の未定着画像を溶融定着(加熱定着)する定着装置、および、この定着装置を用いた画像形成装置に関する。
最近の定着装置においては、省エネを目指して、高い熱変換効率が得られる誘導加熱方式の熱源を採用することが考えられている。特に、コイルによって発生する磁束を、フェライトコアなどのコア材で、定着装置の定着ローラの導電発熱層に導くような構成のものが、コンパクトさや効率の高さで着目されている。
このような背景のもとで、ハロゲンヒータを用いた熱ローラ方式の定着装置と同等あるいはそれ以上の効率が得られ、迅速に立ち上がる特長を具備させた電磁誘導加熱方式の定着装置が提案されている。
そして、この電磁誘導加熱方式の定着装置は、圧接ニップ部を形成する定着ローラおよび加圧ローラと、この定着ローラの外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段とを備えている。
この定着ローラは、径方向の内側から外側に順に、環状の支持部材、環状のスポンジ部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材の5つの部材から構成されている。
そして、上記磁束発生手段の磁束によって、上記定着ロ一ラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させて、上記圧接ニップ部で未定着像を担持した記録材を挟持しつつ搬送してこの未定着像をこの記録材に溶融定着させている(特開2000−214713号公報:特許文献1、および、特開2000−214714号公報:特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来の定着装置では、上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材は金属からなるために、上記定着ローラは、非常に硬いものであった。そして、この定着ローラよりも上記加圧ローラを硬くするために、上記加圧ローラには、硬度の高いソリッドゴムローラを用いる必要があった。このソリッドゴムローラは熱伝導率が高く、熱損失が大きくなるという問題があった。もし、上記加圧ローラに上記ソリッドゴムローラを用いなければ、上記加圧ローラが、上記定着ローラよりも柔らかくなって、上記圧接ニップ部の形状が、上記加圧ローラ側に凸状になり、上記記録材が、上記定着ローラ側に巻き付きやすくなる欠点が生じる。
特開2000−214713号公報 特開2000−214714号公報
そこで、この発明の課題は、定着ローラから記録材を確実に分離できると共に、加圧ローラでの熱損失を抑えて熱効率の向上を図ることができる定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
を備え、
上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材は、耐熱性樹脂とこの耐熱性樹脂内に分散された複数の導電性微粒子とを有し、上記定着ローラが上記加圧ローラよりも柔らかいことを特徴としている。
ここで、「上記定着ローラが上記加圧ローラよりも柔らかい」とは、上記定着ローラと上記加圧ローラとが互いに圧接している状態で、上記定着ローラと上記加圧ローラとの接触面にて形成される圧接ニップ部の形状が、上記定着ローラ側へ凸状になるような程度をいう。
この発明の定着装置によれば、上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材は、耐熱性樹脂とこの耐熱性樹脂内に分散された複数の導電性微粒子とを有するので、上記定着ローラを柔軟にすることができる。
したがって、上記定着ローラからの上記記録材の分離性を向上することができる。また、上記定着ローラが柔らかくなるので、上記加圧ローラの材質の選択幅が広がり、例えば、上記加圧ローラの材質を熱伝導率の低いものにして、上記加圧ローラでの熱損失を抑えて、上記定着ローラから上記記録材への熱効率の向上を図ることができる。
なお、上記定着ローラは、上記支持部材、上記断熱部材、上記電磁誘導発熱部材、上記弾性部材および上記離型部材を備えるが、これらの他に、他の環状部材を備えてよいのはもちろんである。
また、一実施形態の定着装置では、
未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
を備え、
上記加圧ローラは、径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の高硬度部材および環状の離型部材を有し、上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬いことを特徴としている。
ここで、「上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬い」とは、上記定着ローラと上記加圧ローラとが互いに圧接している状態で、上記定着ローラと上記加圧ローラとの接触面にて形成される圧接ニップ部の形状が、上記定着ローラ側へ凸状になるような程度をいう。
この一実施形態の定着装置によれば、上記加圧ローラは、上記高硬度部材を有しているので、上記加圧ローラを硬くすることができる。また、上記加圧ローラは、上記断熱部材を有しているので、上記定着ローラからの熱が上記加圧ローラの上記支持部材へ流れるのを防ぐことができて、上記加圧ローラの断熱性を保持できる。
したがって、上記定着ローラからの上記記録材の分離性を向上することができると共に、上記加圧ローラでの熱損失を抑えて上記定着ローラから上記記録材への熱効率の向上を図ることができる。
なお、上記加圧ローラは、上記支持部材、上記断熱部材、上記高硬度部材および上記離型部材を備えるが、これらの他に、他の環状部材を備えてよいのはもちろんである。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記断熱部材は、ゴム製スポンジまたは樹脂製スポンジであり、上記加圧ローラの上記高硬度部材は、ソリッドゴムである。
この一実施形態の定着装置によれば、上記断熱部材はスポンジであるので、断熱性に加えて弾性を有し、上記定着ローラの上記弾性部材との作用で、上記定着ローラおよび上記加圧ローラにて形成される圧接ニップ部のニップ幅を広くすることができ、高速領域での使用が可能になる。また、上記高硬度部材はソリッドゴムであるので、このソリッドゴムの径方向の厚みや硬度を調整して、上記加圧ローラの硬さを簡単に調整できる。したがって、上記圧接ニップ部のニップ形状の調整が可能になって、上記定着ローラからの上記記録材の分離性を向上することができる。
また、一実施形態の定着装置では、上記定着ローラの上記弾性部材は、ソリッドゴムであり、上記加圧ローラの上記高硬度部材の径方向の厚みは、上記定着ローラの上記弾性部材の径方向の厚みよりも厚い。
この一実施形態の定着装置によれば、上記加圧ローラの上記高硬度部材の硬度を上記定着ローラの上記弾性部材の硬度よりも高くできて、上記加圧ローラを上記定着ローラよりも硬くできる。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記断熱部材は、ゴム製スポンジまたは樹脂製スポンジであり、上記加圧ローラの上記高硬度部材は、金属である。
この一実施形態の定着装置によれば、上記断熱部材はスポンジであるので、断熱性に加えて弾性を有し、上記定着ローラの上記弾性部材との作用で、上記定着ローラおよび上記加圧ローラにて形成される圧接ニップ部のニップ幅を広くすることができ、高速領域での使用が可能になる。また、上記高硬度部材は金属であるので、熱伝導性が高く、上記加圧ローラの軸方向への熱の伝導性を高めて、温度ムラを低減できる。具体的に述べると、小さいサイズの上記記録材を通紙する時に、上記定着ローラ端部の温度が上がっても、上記圧接ニップ部における上記高硬度部材にて、上記加圧ローラの軸方向に温度を平滑化することが可能になる。また、上記金属の高硬度部材が上記スポンジの断熱部材の外側に配置されているため、上記断熱部材の熱膨張や耐久変動を上記高硬度部材にて抑えることができて、上記圧接ニップ部のニップ幅および上記加圧ローラの回転速度を安定させることができ、この定着装置の寿命を延ばすことができる。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、環状のソリッドゴムを設けている。
この一実施形態の定着装置によれば、このソリッドゴムにより弾性をもたすことができて、上記加圧ローラの硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部での上記記録材の密着性を向上させて高画質を保つことができる。
また、一実施形態の定着装置では、
未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
を備え、
上記加圧ローラは、径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱兼高硬度部材および環状の離型部材を有し、上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬いことを特徴としている。
ここで、「上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬い」とは、上記定着ローラと上記加圧ローラとが互いに圧接している状態で、上記定着ローラと上記加圧ローラとの接触面にて形成される圧接ニップ部の形状が、上記定着ローラ側へ凸状になるような程度をいう。
この一実施形態の定着装置によれば、上記加圧ローラは、上記断熱兼高硬度部材を有しているので、上記加圧ローラを硬くすることができると共に、上記定着ローラからの熱が上記加圧ローラの上記支持部材へ流れるのを防ぐことができて上記加圧ローラの断熱性を保持できる。
したがって、上記定着ローラからの上記記録材の分離性を向上することができると共に、上記加圧ローラでの熱損失を抑えて上記定着ローラから上記記録材への熱効率の向上を図ることができる。
なお、上記加圧ローラは、上記支持部材、上記断熱兼高硬度部材および上記離型部材を備えるが、これらの他に、他の環状部材を備えてよいのはもちろんである。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材は、多孔質セラミックスである。
この一実施形態の定着装置によれば、上記断熱兼高硬度部材に多孔質セラミックスを用いているので、上記加圧ローラを一層硬くして、分離性をさらに向上できる。また、上記断熱兼高硬度部材の熱伝導率を一層低くして、断熱性をさらに向上できる。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、環状のソリッドゴムを設けている。
この一実施形態の定着装置によれば、上記ソリッドゴムにより弾性をもたすことができて、上記加圧ローラの硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部での上記記録材の密着性を向上させて高画質を保つことができる。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、径方向の内側から外側に順に、環状のスポンジゴムおよび環状のソリッドゴムを設けている。
この一実施形態の定着装置によれば、上記スポンジゴムにより断熱性をもたすことができて、断熱性をさらに向上できる。また、上記ソリッドゴムにより弾性をもたすことができて、上記加圧ローラの硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部での上記記録材の密着性を向上させて高画質を保つことができる。
また、一実施形態の定着装置では、上記定着ローラを回転駆動する駆動モータを備え、上記定着ローラの上記断熱部材は、シリコンスポンジゴムであり、上記定着ローラの上記支持部材と上記定着ローラの上記断熱部材との間に、環状のシリコンソリッドゴムを設けている。
この一実施形態の定着装置によれば、上記支持部材と上記断熱部材との間に、上記シリコンソリッドゴムを設けているので、上記駆動モータにて上記支持部材側を駆動させたときに、上記断熱部材にかかる負荷を緩和して耐久性を向上させることができる。また、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとでは同じシリコン同士なので、接着性を一層高くできて、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとの間の剥がれが生じにくく、上記定着ローラの耐久性を高く保つことが可能となる。
また、一実施形態の定着装置では、上記加圧ローラを回転駆動する駆動モータを備え、上記加圧ローラの上記断熱部材は、シリコンスポンジゴムであり、上記加圧ローラの上記支持部材と上記加圧ローラの上記断熱部材との間に、環状のシリコンソリッドゴムを設けている。
この一実施形態の定着装置によれば、上記支持部材と上記断熱部材との間に、上記シリコンソリッドゴムを設けているので、上記駆動モータにて上記支持部材側を駆動させたときに、上記断熱部材にかかる負荷を緩和して耐久性を向上させることができる。また、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとでは同じシリコン同士なので、接着性を一層高くできて、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとの間の剥がれが生じにくく、上記加圧ローラの耐久性を高く保つことが可能となる。
また、この発明の画像形成装置は、
記録材に未定着像を形成する作像手段と、
上記記録材に上記未定着像を溶融定着する上記定着装置と
を備えることを特徴としている。
この発明の画像形成装置によれば、上記定着装置を備えているので、上記定着ローラから上記記録材を確実に分離して、上記記録材のつまりによる故障(ジャム)を防止する。また、上記定着ローラからの熱効率が向上して、高速印字が可能になる。
この発明の定着装置によれば、上記定着ローラが上記加圧ローラよりも柔らかいので、上記定着ローラから上記記録材を確実に分離できる。また、上記加圧ローラは上記断熱部材を有しているので、上記加圧ローラでの熱損失を抑えて熱効率の向上を図ることができる。
この発明の画像形成装置によれば、上記定着装置を備えているので、紙つまりによる故障を防止すると共に、高速印字が可能になって性能が向上する。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の定着装置の一実施形態である横断面構成図を示し、図2は、この定着装置の定着ローラの要部拡大断面図を示している。
この定着装置は、定着ローラ1と、この定着ローラ1と圧接ニップ部Nを形成する加圧ローラ2と、上記記定着ローラ1の外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段3とを備える。
そして、この磁束発生手段3の磁束によって上記定着ローラ1を発熱させて、上記圧接ニップ部Nで未定着像tを担持した記録材Pを挟持搬送して、この未定着像tをこの記録材Pに溶融定着(加熱定着)させる。
上記記録材Pは、例えば、紙、OHPシート等の用紙であり、上記未定着像tは、例えば、樹脂や、磁性体や、着色料等からなる加熱溶融性の顕画剤(トナー)である。
上記定着ローラ1と上記加圧ロ一ラ2とは、上下に並行に対向して配置され、それぞれの両端側が、図示しない軸受部材に回転自在に支持されている。上記加圧ローラ2は、図示しないバネ等の加圧機構によって、上記定着ローラ1の軸側に弾発付勢され、上記定着ローラ1の下面部に所定圧力で圧接されて、圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
上記定着ローラ1は、図示しないモータ等の駆動機構によって、矢印にて示す反時計回り方向に、所定の周速度で回転駆動される。上記加圧ローラ2は、上記圧接ニップ部Nでの上記定着ローラ1との圧接摩擦力によって、上記定着ローラ1の回転に従動して回転する。
上記定着ローラ1は、径方向の内側から外側に順に、環状の支持部材11、環状の断熱部材12、環状の電磁誘導発熱部材13、環状の弾性部材14および環状の離型部材15の5つの部材から構成される。上記定着ローラ1のローラ硬度は、例えば、ASKER−C硬度で30〜90度のものを用いる。
上記支持部材11は、例えば、外径が40mmで厚さが3mmのアルミ製の芯金シリンダを用いる。なお、上記支持部材11としては、材質の強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
上記断熱部材12は、上記電磁誘導発熱部材13を断熱保持するためのものであり、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このように、上記断熱部材12に、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、上記電磁誘導発熱部材13を確実に断熱保持するとともに、上記電磁誘導発熱部材13のたわみを許容して上記圧接ニップ部Nの幅寸法を増やし、さらに、上記定着ローラ1のローラ硬度を上記加圧ローラ2よりも小さくして、排紙性および記録材分離性能を向上することができる。例えば、上記断熱部材12に、シリコンスポンジ材を用いる場合、厚さが2〜10mm、望ましくは3〜7mmであって、硬度がアスカーゴム硬度計で20〜60度、望ましくは30〜50度に設定され、必要に応じてプライマで接着される。
上記電磁誘導発熱部材13は、図3の要部拡大断面図に示すように、耐熱性樹脂13aとこの耐熱性樹脂13a内に分散された複数の導電性微粒子13bとを有する。そして、この電磁誘導発熱部材13では、上記磁束発生手段3の磁束によって、渦電流が発生してジュール熱により発熱し、この発熱により上記定着ローラ1が加熱される。この加熱を、電磁誘導加熱という。
上記耐熱性樹脂13aとしては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール等が使用可能であるが、高い機械的強度と絶縁性を有するポリイミド系樹脂を主成分とするのが好ましい。この場合、使用するカルボン酸ニ無水物やジアミンの種類、モル比等を調節することにより、適度な剛性あるいは可撓性のベルト部材とすることができる。
上記導電性微粒子13bは、上記磁束発生手段3により発生した磁場により渦電流を生じる導電性を有する粒子であり、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びこれらを含有する合金等の強磁性材料、又は銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ステンレス(SUS)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、炭素(C)等及びこれらを含有する合金等の非磁性材料を用いることができる。特に、銀(Ag)は、その発熱性能が優れているので、最も好ましい。また、上記導電性微粒子13bをフィラーとして用いる場合は、複数の種類の導電性微粒子13bからなるフィラーを混合して用いることができる。
また、上記導電性微粒子13bの平均粒径は、10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましく、3μm以下が最も好ましい。もし、粒径が大きすぎると、成形後に、上記導電性微粒子13b同士の接触、接近等が不十分となって、上記電磁誘導発熱部材13において適切な抵抗値を得られない場合があるためである。なお、所望の抵抗値を得るために、粒径分布を調整して密な充填構造(例えば、大径粒子の隙間に小径粒子を充填した構造)になるようにしてもよい。
上記電磁誘導発熱部材13の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、30〜150μmの範囲がより好ましい。この範囲の厚さであれば、支持するための強度を維持しつつ、可撓性を低下させず、断熱性を低く抑えることができて、省エネルギー効果を発揮できる。
もし、300μmを超えると、上記電磁誘導発熱部材13全体の可撓性が不十分となって、実用的な機械的強度が得られにくくなり、また、電磁誘導発熱の効率が低下するおそれがある。一方、10μmより薄くなると、支持するための強度が不足すると共に、磁束が保持できなくなって電磁誘導発熱の効率が低下するおそれがある。
すなわち、電磁誘導発熱において発熱量は、上記電磁誘導発熱部材13の厚みに支配される。ここで、コイルから発生する磁気が浸透するときの深さσは、加熱コイルに印加する電流の周波数f、物質の比抵抗ρ、および、比透磁率μτの影響を受け、次式(1)で表される。なお、μ0は、真空中の透磁率を表す。
σ=ρ1/2/(π・f・μ0・μτ)・・・(1)
このように、上記電磁誘導発熱部材13の厚みが、上記浸透深さ以下であると、コイルから発生する磁気が漏れるために、充分な発熱が得られにくい。したがって、上記導電性微粒子13bとして、強磁性材料を用いる場合と非磁性材料を用いる場合とでは、好適な厚みが異なってくるので、加熱コイルに印加する電流の周波数や、上記導電性微粒子13bの種類、密度、粒径等によって適切な厚みを設定する。
さらに、上記電磁誘導発熱部材13を、多層構造にすることや、上記導電性微粒子13bの密度が局所的に大きい層を設けることにより、電磁誘導等による加熱効果をより高めることもできる。
上記弾性部材14は、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材からなり、上記記録材Pと上記定着ローラ1表面との密着性を高める。上記弾性部材14としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いる。上記弾性部材14には、熱伝導性や補強等を目的として各種充填剤を混入してもよく、この熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あり、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等がある。
上記弾性部材14の厚みは、例えば、10〜800μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。上記弾性部材14の厚みが10μm未満であると、厚み方向の弾力性を得ることが難しくなる一方、上記弾性部材14の厚みが800μmを超えると、上記電磁誘導発熱部材13で発生した熱が、上記定着ローラ1の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
上記弾性部材14の硬度は、JIS硬度で1〜80度が好ましく、5〜30度がより好ましく、上記弾性部材14における強度の低下および密着性の不良を防止しつつ、未定着像(トナー)tの定着性の不良を防止できる。この場合、上記弾性部材14は、シリコンゴムからなることが好ましく、このシリコンゴムとしては、具体的に述べると、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。なお、この実施形態において、上記弾性部材14は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
上記離型部材15は、上記定着ローラ1の表面の離型性を高めるものであり、定着温度での使用に耐えられる上にトナー離型性を有する。上記離型部材15としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。上記離型部材15の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。なお、上記離型部材15の中に、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。また、部材間接着力を向上させるために、プライマ等による接着処理を行ってもよい。
上記加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に、外径20mmで厚さ3mmの環状のアルミ製芯金21と、厚さ7mmの環状のシリコンスポンジゴム部材23と、厚さ10〜50μmのPTFEやPFA等の環状のフッ素系樹脂製離型部材25との3つの部材から構成される。この離型部材25は、上記定着ローラ1の上記離型部材15と同様に、上記加圧ローラ2の表面の離型性を高める。
上記芯金21の材質は、強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。なお、上記シリコンスポンジゴム部材23の代わりに、ソリッドゴム部材を設けて、さらなる離型性の向上を図るようにしてもよい。
上記加圧ローラ2は、上記定着ローラ1に対して、300〜500Nの荷重で加圧されており、この場合、上記圧接ニップ部Nのニップ幅は、約5〜10mmになる。もちろん、上記荷重を変化させて、上記ニップ幅を変えてもよい。
上記磁束発生手段3は、励磁コイル31と磁性体コア32とを備え、上記定着ローラ1の外側で、上記定着ローラ1に対向させて、上記定着ローラ1の長手方向に沿わせて配置している。
上記磁性体コア32は、横断面が下方開口のコップ状(台形)に形成されたコイルボビン33と、このコイルボビン33を所定の隙間を介して覆うカバー部材34とを備える。上記磁性体コア32は、上記定着ローラ1の軸方向の寸法に略対応した長さ寸法を有する長尺部材であり、上記コイルボビン33の内部にて、上記定着ローラ1の横断面略半分を覆う。
上記励磁コイル31は、上記コイルボビン33と上記カバー部材34との間の隙間に存在し、上記コイルボビン33に導線を巻き付けて構成される。上記励磁コイル31には、高周波コンバータ4が接続されて、100〜2000[W]の高周波電力が供給される。このため、上記励磁コイル31としては、細い線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用いており、巻き線に伝熱した場合を考慮して耐熱性の樹脂で被覆したものを用いる。
上記コイルボビン33は、上記定着ローラ1の外周面に沿うように配置されているので、上記定着ローラ1の発熱効率を高めることができる。上記磁性体コア32としては、高透磁率かつ低損失のものを用い、例えば、パーマロイのような合金を用いた場合、上記磁性体コア32の内部の渦電流損失が高周波で大きくなるため、積層構造にしてもよい。
上記磁性体コア32は、磁気回路の効率の向上と磁気遮蔽のために用いられる。上記励磁コイル31と上記磁性体コア32の磁気回路部分は、磁気遮蔽が十分にできる手段がある場合、空芯(コア無し)にしてもよい。また、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いた場合、透磁率は比較的低いが、形状を自由に設定することができる。
そして、上記励磁コイル31には、上記高周波コンバータ4により、10〜100[kHz]の交流電流が印加される。この交流電流によって誘導された磁束は、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱部材13を貫き、上記電磁誘導発熱部材13に渦電流が流れて、上記電磁誘導発熱部材13自体がジュール発熱する。上記電磁誘導発熱部材13の発熱で上記定着ロ一ラ1が加熱状態となる。
上記定着ローラ1の表面に当接するように、温度センサ6が配置される。この温度センサ6は、例えば、サーミスタであり、上記定着ローラ1の表面温度を検出する。
上記温度サンサ6には制御回路6が接続され、この制御回路6は、上記温度センサ6から入力される上記定着ローラ1の表面温度検出信号に基づいて、上記定着ローラ1の加熱と温調を制御する。具体的に述べると、上記制御回路5は、上記温度センサ6からの信号に基づいて、上記高周波コンバータ4を制御し、上記高周波コンバータ4にて上記励磁コイル31への電力供給を増減させることで、上記定着ローラ1の表面温度が所定の一定温度になるように自動制御する。
次に、この定着装置の作用を説明すると、上記定着ローラ1が回転駆動され、これに伴って、上記加圧ローラ2も従動回転する。また、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱部材13が、上記磁束発生手段3の発生磁束の作用により、電磁誘導発熱すると共に、上記定着ローラ1の表面温度が、所定の一定温度になるように、自動制御される。そして、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記圧接ニップ部Nに、図示しない作像手段から搬送された上記未定着(トナー)像tを形成担持した上記記録材(用紙)Pが導入される。この場合、上記記録材Pにおける上記未定着像tを形成した担持面側が、上記定着ローラ1に対面する。
上記圧接ニップ部Nに導入された上記記録材Pは、上記圧接ニップ部Nを挟持搬送され、上記定着ローラ1で加熱されて、上記未定着像tが上記記録材Pに溶融定着される。
上記圧接ニップ部Nを通過した上記記録材Pは、上記定着ローラ1から分離して排出搬送されていく。上記定着ローラ1の表面に当接するように、分離爪8が配置される。この分離爪8は、上記記録材Pが、上記圧接ニップ部Nを通過後に、上記定着ローラ1の表面に張り付いてしまった場合に、この記録材Pを上記定着ローラ1の表面から強制的に分離させて、紙つまりによる故障(ジャム)を防止する。
上記構成の定着装置によれば、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱部材13が、耐熱性樹脂13aとこの耐熱性樹脂13a内に分散された複数の導電性微粒子13bとを有するので、上記定着ローラ1を、金属からなる電磁誘導発熱部材を有する従来の定着ローラに比べて、格段に柔らかくすることができる。
したがって、上記定着ローラ1を上記加圧ローラ2よりも柔らかくして、上記圧接ニップ部Nの形状を上記定着ローラ1側に確実に凸状にでき、上記定着ローラ1からの上記記録材Pの分離性を向上することができる。また、上記定着ローラ1が柔らかくなるので、上記加圧ローラ2の材質の選択幅が広がり、例えば、上記加圧ローラ2の材質を熱伝導率の低いものにして、上記加圧ローラ2での熱損失を抑えて、上記定着ローラ1から上記記録材Pへの熱効率の向上を図ることができる。
また、上記構成の定着装置によれば、発熱に寄与し、渦電流を発生させる上記電磁誘導発熱部材13の熱容量が小さく、かつ、上記電磁誘導発熱部材13が上記断熱部材12により断熱保持されるために、上記定着ローラ1の外周側にある上記弾性部材14あるいは上記離型部材15を迅速に加熱するように作用して、上記定着ローラ1の表面が定着に必要な温度に迅速に到達する。また、紙、OHPシート等の上記記録材Pに熱が奪われても、熱の供給が追いつくことができる。
さらに、上記断熱部材12により断熱保持させた上記電磁誘導発熱部材13自体のたわみ性を利用して、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記圧接ニップ部Nの形成に対して、上記定着ローラ1の上記弾性部材14を200μmと薄くしても、今まで以上のニップ幅が形成でき、マイクログロスの発生がなく、OHP用紙のような上記定着ローラ1に巻き付きやすい記録材(メディア)Pに対しても、十分な分離性能を確保できる。
(第2の実施形態)
図4は、この発明の加圧ローラの他の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、環状の断熱部材22、環状の高硬度部材28および上記環状の離型部材25を有する。なお、上記支持部材21および上記離型部材25は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記断熱部材22は、ゴム製スポンジまたは樹脂製スポンジであり、耐熱性および弾性を有する。例えば、この断熱部材22にシリコンスポンジ材を用いる場合、厚さは2〜10mm、望ましくは3〜7mm、硬度アスカーゴム硬度計で、20〜60度、望ましくは30〜50度に設定される。
上記高硬度部材28は、ソリッドゴムであり、この高硬度部材28の径方向の厚みは、上記定着ローラ1のソリッドゴムからなる上記弾性部材14の厚みよりも厚い。具体的に述べると、上記高硬度部材28の厚みは、200〜2000μm、望ましくは500〜1000μmで、上記弾性部材14の厚みよりも0〜1500μm、望ましくは200〜1000μm厚い方が望ましく、上記高硬度部材28の硬度を上記弾性部材14の硬度よりも高くできる。すなわち、上記高硬度部材28の硬度を上記弾性部材14の硬度よりも高くするのが望ましく、具体的に述べると、上記高硬度部材28の硬度を上記弾性部材14の硬度より0〜30度程度高い方が望ましい。
上記構成の加圧ローラ2によれば、この加圧ローラ2が上記高硬度部材28を有しているので、上記加圧ローラ2を硬くすることができて、上記定着ローラ1からの上記記録材Pの分離性を向上することができる。また、上記加圧ローラ2が上記断熱部材22を有しているので、上記定着ローラ1からの熱が上記加圧ローラ2の上記支持部材21へ流れるのを防ぐことができて、上記加圧ローラ2での熱損失を抑えて、上記定着ローラ1から上記記録材Pへの熱効率の向上を図ることができる。
また、上記断熱部材22はスポンジであるので、断熱性に加えて弾性を有し、上記定着ローラ1の上記弾性部材14との作用で、上記圧接ニップ部Nのニップ幅を広くすることができ、高速領域での使用が可能になる。また、上記高硬度部材28はソリッドゴムであるので、このソリッドゴムの径方向の厚みや硬度を調整して、上記加圧ローラ2の硬さを簡単に調整できる。したがって、上記圧接ニップ部Nのニップ形状の調整が可能になって、上記定着ローラ1からの上記記録材Pの分離性を向上することができる。
なお、上記構成の加圧ローラ2を定着装置に用いた場合、この定着装置に用いられる定着ローラの電磁誘導発熱部材としては、例えば、厚さが10〜100μm、望ましくは20〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト部材である。なお、この電磁誘導発熱部材の他の材料として、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率μが高く、適当な抵抗率ρを有するものを用いてもよい。また、非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、例えば、材料を薄膜にすることにより使用できる。もちろん、上記第1の実施形態に示した上記電磁誘導発熱部材13を有する上記定着ローラ1を用いてもよく、分離性を一層よくすることができる。
なお、図示しないが、上記加圧ローラ2の上記断熱部材22に多孔質セラミックスを用いてもよく、上記加圧ローラ2を一層硬くすることができ、分離性を高くすることができる。
(第3の実施形態)
図5は、この発明の加圧ローラの別の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、上記環状の断熱部材22、環状の高硬度部材27および上記環状の離型部材25を有する。なお、上記支持部材21、上記断熱部材22および上記離型部材25は、上記第1と第2の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記高硬度部材27は、厚さ10〜100μm、望ましくは20〜50μmの無端状の金属からなり、適度な硬度と、たわみ性を有している。この高硬度部材27としては、無端状のニッケル電鋳ベルト材を用いており、その他の材料として、例えば、磁性ステンレス、鉄、コバルトーニッケル合金又は鉄―ニッケル合金のような磁性材料(磁性金属)、若しくは、銅、金、銀又はアルミニウム等の非磁性材料を用いることができる。
このように、上記高硬度部材27に金属を用いているので、上記高硬度部材27の剛性により、上記加圧ローラ2を比較的硬度の高いスポンジローラとすることができ、分離性を高めることが可能になる。もし、上記高硬度部材27と同じ硬度のシリコンゴム(上記高硬度層27と同じ厚さ)を用いて加圧ローラを再現した場合、シリコンゴムの熱容量が大きくなって熱効率が低下するのに対し、上記構成の加圧ローラ2では、上記高硬度部材27の熱容量が小さい上に、上記断熱部材22により断熱されているために、熱の流出が少なくて、熱効率を高く維持できる。
また、上記高硬度部材27が上記断熱部材22の外側に配置されているので、スポンジからなる上記断熱部材22の熱膨張や耐久変動を上記高硬度部材27にて抑えることができて、上記圧接ニップ部Nのニップ幅および上記加圧ローラ2の回転速度を安定させることが可能になる。このため、定着装置の寿命を延ばすことができる。もし、上記高硬度部材27がない場合、スポンジからなる上記断熱部材22の熱膨張や耐久変化により、加圧ローラの径が変化して速度変動を起こすおそれがあり、さらに、この速度変動が許容以上になった場合、加圧ローラの交換が必要となるので、定着装置の交換時期が早まるという問題がある。
また、上記高硬度部材27に、熱伝導率λが10[W/m・K]以上、望ましくは50[W/m・K]以上の高熱伝導性の金属を用いることにより、上記加圧ローラ2の軸方向への熱の伝導性を高めることができる。上記加圧ローラ2の軸方向への熱の伝導性が高くなると、温度ムラを低減できる。具体的に述べると、小さいサイズの上記記録材Pを通紙する時に、上記定着ローラ1端部の温度が上がっても、上記圧接ニップ部Nにおける上記高硬度部材27にて、上記加圧ローラ2の軸方向に温度を平滑化することが可能になる。
さらに、上記高硬度部材27に、例えば、磁性ステンレス、鉄、コバルト−ニッケル合金又は鉄−ニッケル合金のような磁性材料(磁性金属)といった比較的透磁率μが高く適当な抵抗率ρを持つものや、非磁性材料でも銅、銀又はアルミニウム等の導電性のある材料は、この材料を薄膜にしたものを用いることにより、上記高硬度部材27を誘導発熱可能なものとすることができる。上記高硬度部材27を誘導発熱可能とした場合は、上記定着ローラ1側からの漏れ磁束を、吸収し、発熱し、熱効率をさらに向上するが可能となる。
(第4の実施形態)
図6は、この発明の加圧ローラの他の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、上記環状の断熱部材22、上記環状の高硬度部材27、環状の弾性部材24および上記環状の離型部材25を有する。なお、上記支持部材21、上記断熱部材22、上記高硬度部材27および上記離型部材25は、上記第1〜第3の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記弾性部材24は、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材であり、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴム、フッ素ゴム等のソリッドゴムの耐熱性エラストマーを用いることができる。この弾性部材24に、熱伝導性、補強等を目的として各種充填剤(粒子)を混入してもかまわない。この熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あるが、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化べリリウムが挙げられる。
上記弾性部材24の厚みは、例えば、10〜800μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。この厚みが10μm未満であると、目的である厚み方向の弾力性を得ることが難しくなる一方、厚みが800μmを超えると、上記加圧ローラ2が無駄に大きくなる欠点がある。上記弾性部材24は、JIS硬度で、1〜80度、望ましくは5〜30度のシリコンゴムからなることが好ましい。このJIS硬度範囲であれば、上記弾性部材24の強度の低下および密着性の不良を防止しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。このシリコンゴムとしては、具体的には、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。この実施の形態においては、上記弾性部材24は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
上記構成の加圧ローラ2によれば、ソリッドゴムにより弾性をもたすことができて、上記加圧ローラ2の硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部Nでの上記記録材Pの密着性を向上させて高画質を保つことができる。具体的に述べると、上記弾性部材24の厚みや硬度を調整することによって、上記加圧ローラ2の硬さを調整して、上記圧接ニップ部Nの凸形状を調整することが可能となる。
(第5の実施形態)
図7は、この発明の加圧ローラの他の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、環状の断熱兼高硬度部材29および上記環状の離型部材25を有する。なお、上記支持部材21および上記離型部材25は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記断熱兼高硬度部材29は、多孔質セラミックスであり、上記加圧ローラ2を一層硬くして、分離性をさらに向上できる。また、この多孔質セラミックスは、熱伝導率が低いために、上記定着ローラ1からの熱が上記加圧ローラ2の上記支持部材21へ流れるのを防ぐ断熱材を兼ねる。
多孔質セラミックスは、無機繊維、無機バインダー及び必要により配合される無機粒子を含む混練物又はスラリーを用いて押出成形や脱水成形等で成形後焼成して得られる。また、大型気孔や微細径空隙を有する多孔質セラミックスは、上記混練物又はスラリーに加えてさらに有機樹脂粒子及び有機バインダーを配合すると、焼成後、有機樹脂粒子の焼失痕が大型気孔を形成すると共に有機バインダー及び水の脱出痕が微細径空隙を形成して得られる。
例示をすれば、多孔質セラミックスは、実質的な細孔径が1〜200μm程度の範囲内に分布した微細径空隙と、径が200〜2000μmの気孔とを有したものが挙げられる。
ここで、微細径空隙は、有機バインダーと水分の蒸発によって形成される空隙であり、気孔は非水溶性有機粒子の気化蒸発によって形成される。特に、その細孔径が30〜200μmの範囲内に分布するものの割合が、多孔質セラミックス内部に存在する全微細径空隙の容積の40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上の割合を占めるものが使用できる。また、微細径空隙の全体積が多孔質成形体の嵩体積に対して占める割合(総気孔率ともいう)は、40%以上、好ましくは60%以上であると熱伝導率を低く抑えることができる。また、総気孔率が90%を超えると強度が低下して加圧時の圧力に耐えられなくなるので、90%以下、さらに好ましくは80%以下のものを使用する。従って、総気孔率が好ましくは40〜90%、さらに好ましくは60〜80%のものが使用できる。この多孔質セラミックスの微細径空隙は、多孔質成形体の破断面のSEM(走査型電子顕微鏡)により観察することができる。
このような多孔質成形体からなるセラミックスは、例えば、平均繊維径1〜300μm、望ましくは6〜30μm、平均繊維長0.03〜100mm、望ましくは0.1〜10mmの耐熱性繊維100重量部、平均粒径が10〜2000μm、望ましくは200〜1000μmの耐水性無機充填材10〜200重量部、非水溶性有機粒子40〜100重量部、平均粒径が10〜2000μmの無機結合材5〜300重量部、有機結合材1〜100重量部、及び、水50〜300重量部からなる混練物を円柱状に成形した後に、乾燥して、脱脂後、400〜1500℃で焼成する方法で製造される。多孔質成形体中において、繊維間に形成される空隙及び水分の消失によって形成される空隙によって、微細径空隙及び非水溶性有機粒子の消失による気孔を形成する。
多孔質セラミックスで用いられる耐熱性繊維としては、例えば、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、ロックウール、シリカ繊維、ガラス繊維及びセラミックス繊維等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、耐水性無機充填材としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、カオリン、ペントナイト、蛙目粘土、木節粘土の粉末、及びガラスフリット等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、無機結合材としては、例えば、珪酸ソーダ、コロイダルシリカ、アルミナゾル、珪酸リチウム、ガラスフリット等から選ばれる1種又は2種以上の粒状物が挙げられる。有機結合材としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースが挙げられる。また、耐水性粒状有機物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂等から選ばれる1種又は2種以上の粒状物が挙げられる。多孔質セラミックスで用いられる必要により配合される有機バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸エステル等が挙げられる。
上記高硬度部材29の厚みは、この場合、2〜10mm、望ましくは3〜7mmであり、薄すぎると断熱性が損なわれ、厚すぎると強度を保つことが困難となると共に製造性も低下する。
(第6の実施形態)
図8は、この発明の加圧ローラの他の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、上記環状の断熱兼高硬度部材29、上記環状の弾性部材24および上記環状の離型部材25を有する。
上記支持部材21、上記断熱兼高硬度部材29、上記弾性部材24および上記離型部材25は、上記第1〜第5の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記構成の加圧ローラ2によれば、ソリッドゴムからなる上記弾性部材24を設けているので、ソリッドゴムにより弾性をもたすことができて、上記加圧ローラ2の硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部Nでの上記記録材Pの密着性を向上させて高画質を保つことができる。具体的に述べると、上記弾性部材24の厚みや硬度を調整することによって、上記加圧ローラ2の硬さを調整して、上記圧接ニップ部Nの凸形状を調整することが可能となる。
なお、上記加圧ローラ2の上記弾性部材24の厚みは、上記定着ローラ1の上記弾性部材14の厚みよりも厚い。具体的に述べると、上記加圧ローラ2の上記弾性部材24の厚みは、200〜2000μm、望ましくは500〜1000μmで、上記定着ローラ1の上記弾性部材14の厚みよりも0〜1500μm、望ましくは200〜1000μm厚い方が望ましく、上記高硬度部材28の硬度を上記弾性部材14の硬度よりも高くできる。
(第7の実施形態)
図9は、この発明の加圧ローラの他の実施形態を示している。この加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、上記環状の断熱兼高硬度部材29、上記環状の断熱部材22、上記環状の弾性部材24および上記環状の離型部材25を有する。
上記支持部材21、上記断熱兼高硬度部材29、上記断熱部材22、上記弾性部材24および上記離型部材25は、上記第1〜第6の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記構成の加圧ローラ2によれば、スポンジゴムからなる上記断熱部材22により、断熱性をもたすことができて、断熱性をさらに向上できる。また、ソリッドゴムからなる上記弾性部材24により、弾性をもたすことができて、上記加圧ローラ2の硬さを調整できると共に、上記圧接ニップ部Nでの上記記録材Pの密着性を向上させて高画質を保つことができる。
また、上記断熱兼高硬度部材29を有するので、上記圧接ニップ部Nのニップ幅を広くすることができると共に断熱性を高く保ったままで、上記断熱部材22の厚みを薄くして、硬度を上げて分離性を確保することができる。例えば、上記断熱部材22の厚みを3mmとし、上記断熱兼高硬度部材29の厚みを4mmとすることにより、全体で7mmの断熱層を設けることが可能となり、かつ、上記加圧ローラ2を比較的硬度の高いスポンジローラとすることができ、分離性を高めることが可能となる。
(第8の実施形態)
図10は、この発明の定着装置の他の実施形態を示している。この定着装置は、上記定着ローラ1を回転駆動する駆動モータ9を備える。この駆動モータ9は、上記定着ローラ1の上記支持部材11側を駆動させる。
上記定着ローラ1は、図11に示すように、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材11、環状の介在部材16、上記環状の断熱部材12、上記環状の電磁誘導発熱部材13、上記環状の弾性部材14および上記環状の離型部材15を有する。
上記断熱部材12は、シリコンスポンジゴムであり、上記介在部材16は、シリコンソリッドゴムである。なお、上記支持部材11、上記電磁誘導発熱部材13、上記弾性部材14および上記離型部材15は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記構成の定着装置によれば、上記定着ローラ1を駆動させるので、上記加圧ローラ2を駆動させる場合に比べて、上記定着ローラ1を直接に回転させているために回転速度が安定する。さらに、上記電磁誘導発熱部材13の硬度は高いので、上記定着ローラ1の表層の形状の変動を抑える効果があって、耐久による回転速度の変動を低く抑えることができる。
また、上記支持部材11と上記断熱部材12との間に、上記シリコンソリッドゴムを設けているので、上記駆動モータ9にて上記支持部材11側を駆動させたときに、上記断熱部材12にかかる負荷を緩和して耐久性を向上させることができる。
また、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとでは同じシリコン同士なので、接着性を一層高くできて、上記断熱部材12と上記介在部材16との間の剥がれが生じにくく、上記定着ローラ1の耐久性を高く保つことが可能となる。
もし、上記介在部材16を設けなければ、上記駆動モータ9の駆動時に、上記支持部材11と上記断熱部材12との界面に負荷がかかって、耐久性が低くなるおそれがある。
(第9の実施形態)
図12は、この発明の定着装置の他の実施形態を示している。この定着装置は、上記加圧ローラ2を回転駆動する駆動モータ9を備える。この駆動モータ9は、上記加圧ローラ2の上記支持部材21側を駆動させる。
上記加圧ローラ2は、図13に示すように、径方向の内側から外側に順に配置された上記環状の支持部材21、環状の介在部材26、上記環状の断熱部材22、上記環状の高硬度部材28および上記環状の離型部材25を有する。
上記断熱部材22は、シリコンスポンジゴムであり、上記介在部材26は、シリコンソリッドゴムである。なお、上記支持部材21、上記高硬度部材28および上記離型部材25は、上記第2の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
上記構成の定着装置によれば、上記加圧ローラ2を駆動させるので、多層構成のために負荷に対して層間の剥離を生じやすい上記定着ローラ1側の負荷を減らすことが出来る。したがって、定着装置全体の耐久性を向上させることが可能となる。
また、上記支持部材21と上記断熱部材22との間に、上記シリコンソリッドゴムを設けているので、上記駆動モータ9にて上記支持部材21側を駆動させたときに、上記断熱部材22にかかる負荷を緩和して耐久性を向上させることができる。
また、上記シリコンスポンジゴムと上記シリコンソリッドゴムとでは同じシリコン同士なので、接着性を一層高くできて、上記断熱部材22と上記介在部材26との間の剥がれが生じにくく、上記加圧ローラ2の耐久性を高く保つことが可能となる。
もし、上記介在部材26を設けなければ、上記駆動モータ9の駆動時に、上記支持部材21と上記断熱部材22との界面に負荷がかかって、耐久性が低くなるおそれがある。
(第10の実施形態)
図14は、この発明の画像形成装置の一実施形態である簡略構成図を示している。この画像形成装置は、上記記録材Pに上記未定着像tを形成する作像手段40と、上記記録材Pに上記未定着像tを溶融定着する上記発明の定着装置10とを備える。
具体的に述べると、図14に示す画像形成装置は電子写真4色カラープリンタである。上記作像手段40は、有機感光体からなる電子写真用感光体ドラム(像担持体)41と、この感光ドラム41に所定の帯電処理を施す(帯電ローラ等の)帯電装置42と、上記感光体ドラム41にレーザ光Lを照射する発光装置(レーザスキャナ)43と、上記感光体ドラム41に現像するための4色カラー現像装置44と、上記感光体ドラム41に形成された像が転写される中間転写体ドラム45と、この中間転写体ドラム45に転写された像を上記記録材Pに転写する転写ローラ46とを備える。
上記感光体ドラム41は、矢印の時計回り方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、この回転過程で、上記帯電装置42から所定の極性および電位の一様な帯電処理を受ける。そして、この帯電処理面は、上記発光装置43から出力されるレーザ光Lによる、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。
上記発光装置43は、図示しない画像読取装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光Lを出力して、上記感光体ドラム41の周面を走査露光する。この走査露光により、上記感光体ドラム41の周面に、走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。
フルカラー画像形成の場合は、まず、第1の色分解成分画像(例えば、イエロー成分画像)についての走査露光および潜像形成がなされ、その潜像が、上記4色カラー現像装置44のイエロー現像器44aの作動で、イエロートナー像として現像される。そのイエロートナー像は、上記感光体ドラム41と上記中間転写体ドラム45との接触により、上記中間転写体ドラム45の周面に転写される。
上記感光体ドラム41の周面のトナー像が、上記中間転写体ドラム45の周面に転写された後、上記感光体ドラム41の周面は、クリーナ47により、転写残りトナー等の付着残留物が除去されて、清掃される。
このような帯電、走査露光、現像、一次転写および清掃のプロセスサイクルが、第2の色分解成分画像(例えば、マゼンタ成分画像、マゼンタ現像器44bが作動)、第3の色分解成分画像(例えば、シアン成分画像、シアン現像器44cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば、黒成分画像、黒現像器44dが作動)について、順次に実行されて、上記中間転写体ドラム45の周面に、イエロートナー像とマゼンタトナー像とシアントナー像と黒トナー像の4色のトナー像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラー画像が合成形成される。
上記中間転写体ドラム45は、例えば、金属ドラムの周面に、中抵抗の弾性部材と高抵抗の表層とを有し、上記感光体ドラム41に接触または近接して、上記感光体ドラム41と略同じ周速度で、矢印の反時計回り方向に回転駆動され、上記金属ドラムにバイアス電位を与えて、上記感光体ドラム41との電位差で、上記感光体ドラム41側のトナー像を、上記中間転写体ドラム45の周面側に転写させる。
上記中間転写体ドラム45の周面に合成形成されたカラートナー画像は、上記中間転写体ドラム45と上記転写ローラ46との間において、図示しない給紙部から所定のタイミングで送り込まれた上記記録材(転写材)Pの一面に転写されていく。上記転写ローラ46は、上記記録材Pの他面から、トナーと逆極性の電荷を供給することで、上記中間転写体ドラム45から上記記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
上記画像(上記未定着像t)を転写された記録材Pは、上記中間転写体ドラム45の周面から分離されて、上記定着装置10へ導入され、上記未定着像tの加熱定着処理を受けて、カラー画像形成物として、機外の図示しない排紙トレーに排出される。
なお、上記中間転写体ドラム45の周面のトナー像が、上記記録材Pに転写された後、上記中間転写体ドラム45の周面は、クリーナ48により、転写残りトナーや紙粉等の付着残留物が除去されて、清掃される。
上記構成の画像形成装置によれば、上記発明の定着装置10を備えているので、上記定着ローラ1から上記記録材Pを確実に分離して、上記記録材Pのつまりによる故障(ジャム)を防止する。また、上記加圧ローラ2での熱損失を抑えて、上記定着ローラ1から上記記録材Pへの熱効率が向上して、高速印字が可能になる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、上記様々の実施形態の定着ローラ1と上記様々の実施形態の加圧ローラ2とを組み合わせることは自由である。また、上記定着ローラ1および上記加圧ローラ2は、上記様々の実施形態にて示す環状部材以外の他の環状部材を備えてよいのはもちろんである。
本発明の定着装置の一実施形態を示す横断面構成図である。 定着ローラの展開状態を示す要部拡大断面図である。 定着ローラの電磁誘導発熱部材の要部拡大断面図である。 加圧ローラの他の実施形態を示す展開断面図である。 加圧ローラの別の実施形態を示す展開断面図である。 加圧ローラのさらに他の実施形態を示す展開断面図である。 加圧ローラのさらに別の実施形態を示す展開断面図である。 加圧ローラのさらに他の実施形態を示す展開断面図である。 加圧ローラのさらに別の実施形態を示す展開断面図である。 本発明の定着装置の別の実施形態を示す簡略構成図である。 定着ローラの別の実施形態を示す展開断面図である。 本発明の定着装置のさらに他の実施形態を示す簡略構成図である。 加圧ローラのさらに他の実施形態を示す展開断面図である。 本発明の画像形成装置を示す簡略構成図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 磁束発生手段
9 駆動モータ
10 定着装置
11 支持部材
12 断熱部材
13 電磁誘導発熱部材
13a 耐熱性樹脂
13b 導電性微粒子
14 弾性部材
15 離型部材
16 介在部材(シリコンソリッドゴム)
21 支持部材
22 断熱部材
24 弾性部材(ソリッドゴム)
25 離型部材
26 介在部材(シリコンソリッドゴム)
27 高硬度部材(金属)
28 高硬度部材(ソリッドゴム)
29 断熱兼高硬度部材(多孔質セラミックス)
40 作像手段
P 記録材
t 未定着像

Claims (13)

  1. 未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
    径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
    この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
    上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
    を備え、
    上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材は、耐熱性樹脂とこの耐熱性樹脂内に分散された複数の導電性微粒子とを有し、上記定着ローラが上記加圧ローラよりも柔らかいことを特徴とする定着装置。
  2. 未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
    径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
    この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
    上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
    を備え、
    上記加圧ローラは、径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の高硬度部材および環状の離型部材を有し、上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬いことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記断熱部材は、ゴム製スポンジまたは樹脂製スポンジであり、上記加圧ローラの上記高硬度部材は、ソリッドゴムであることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置において、
    上記定着ローラの上記弾性部材は、ソリッドゴムであり、
    上記加圧ローラの上記高硬度部材の径方向の厚みは、上記定着ローラの上記弾性部材の径方向の厚みよりも厚いことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項2に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記断熱部材は、ゴム製スポンジまたは樹脂製スポンジであり、上記加圧ローラの上記高硬度部材は、金属であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、環状のソリッドゴムを設けたことを特徴とする定着装置。
  7. 未定着像を担持した記録材にこの未定着像を溶融定着させるための電磁誘導発熱式の定着装置であって、
    径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱部材、環状の電磁誘導発熱部材、環状の弾性部材および環状の離型部材を有する定着ローラと、
    この定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送する加圧ローラと、
    上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラの上記電磁誘導発熱部材を発熱させる磁束発生手段と
    を備え、
    上記加圧ローラは、径方向の内側から外側に順に配置された環状の支持部材、環状の断熱兼高硬度部材および環状の離型部材を有し、上記加圧ローラが上記定着ローラよりも硬いことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材は、多孔質セラミックスであることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、環状のソリッドゴムを設けたことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項8に記載の定着装置において、
    上記加圧ローラの上記断熱兼高硬度部材と上記加圧ローラの上記離型部材との間に、径方向の内側から外側に順に、環状のスポンジゴムおよび環状のソリッドゴムを設けたことを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1つに記載の定着装置において、
    上記定着ローラを回転駆動する駆動モータを備え、
    上記定着ローラの上記断熱部材は、シリコンスポンジゴムであり、
    上記定着ローラの上記支持部材と上記定着ローラの上記断熱部材との間に、環状のシリコンソリッドゴムを設けたことを特徴とする定着装置。
  12. 請求項2乃至6のいずれか1つに記載の定着装置において、
    上記加圧ローラを回転駆動する駆動モータを備え、
    上記加圧ローラの上記断熱部材は、シリコンスポンジゴムであり、
    上記加圧ローラの上記支持部材と上記加圧ローラの上記断熱部材との間に、環状のシリコンソリッドゴムを設けたことを特徴とする定着装置。
  13. 記録材に未定着像を形成する作像手段と、
    上記記録材に上記未定着像を溶融定着する請求項1乃至12のいずれか1つに記載の定着装置と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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